JP3882653B2 - トンネル掘削方法および掘削機 - Google Patents

トンネル掘削方法および掘削機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削方法および掘削機、特に高水圧下の密閉型シールド工法に好適なトンネル掘削方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、トンネル掘削工事においても環境問題に配慮し、自然水分環境への影響を最小限に抑えることが強く求められている。そのため、従来、都市部でのシールドトンネルでは、掘削機の先端のカッタヘッドと隔壁との間に、泥土・泥水を加圧保持することにより切羽を安定させながら掘削を進める密閉型シールド工法で施工されていた。
【0003】
図4に示したのは、従来のトンネル掘削機とそれを用いたシールド工法を説明するためのトンネル長手方向の断面を示す説明図である。
図4(a)に示したように、トンネル掘削機25は、シールド本体24の先端にカッタ軸21でさえられたカッタヘッド20を備え、カッタヘッド20の後方にはカッタ軸21を支持するとともにシールド本体24の断面を覆う隔壁22が設けられている。カッタヘッド20と隔壁22との間は、泥水が所定圧で保持されるチャンバ22aとなっている。隔壁22の後方には不図示のカッタヘッド駆動機構や、泥水を搬送して泥水中に含まれる泥土を除去し、泥土除去後の水分をチャンバ22aに戻す排泥管、送泥管などが設けられている。さらに後方にはシールド本体24の内周部に沿って後方に設置されたセグメント31に反力をとってシールド本体24を切羽30a側に推進するシールドジャッキ23が設けられている。
【0004】
トンネル掘削機25を用いた従来のトンネル掘削工法では、カッタヘッド20を駆動して、シールドジャッキ23を所定距離Lだけ押出して、切羽30aを距離Lだけ前進させ、後方に新たなセグメント31を延設していた。このため、シールドジャッキ23は、掘削抵抗に抗して地山30を掘削して泥土を排除するとともに、地山水圧に抗して(L×断面積)分の泥水を地山30に押し戻して、切羽30aを前進させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の密閉型シールド工法では、山岳トンネルでは施工が難しくなるという問題があった。
近年、山岳トンネルにおいても施工中に地下水をいっさい排水しない工法(水密トンネル工法)が検討されているが、都市部の地下水圧がせいぜい0.5〜0.6MPaであるのに比べ、豊富な地下水を抱える山岳部では、地山水圧が1.0〜2.0MPaと非常に高い場合があり、地山の掘削力よりも水圧に抵抗して掘削する推進力の方が大きくなる。例えば、掘削機の外径が5mで、地山水圧が1.6MPaの場合、この水圧に抵抗するだけで約4000tの推進力、また地山の掘削力に約900tが必要である。このような高水圧では、シールドの推進に用いられる現状の油圧ジャッキが250t/本であることを考慮すると、約20本の油圧ジャッキが必要となり、掘削機内周上に油圧ジャッキを配列することが困難であった。また仮に配列できたとしても掘削作業に必要な装置類を配置する内空容積が取れなくなっていた。すなわち山岳トンネルなどの高水圧下では密閉型シールド工法の施工が困難であるという問題があった。
一方、切羽の全面完全止水地盤改良を行いながらの施工(青函方式)などを行うことも考えられるが、工期が長くなり施工コストが莫大となることから一般の山岳トンネルには適さないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、高水圧下でも密閉型シールド工法を施工できるようにするトンネル掘削方法および掘削機を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、カッタヘッドと隔壁との間のチャンバ内の泥水圧を所定圧に保持しながら掘削を進める密閉型シールド工法用のトンネル掘削機によるトンネル掘削方法であって、前記カッタヘッドを前記隔壁内にスライド可能に貫入されたカッタ軸で支持し、前記隔壁を静止させながら、前記カッタヘッドを推進して所定量を掘削する第1の工程と、前記カッタヘッドを静止させ、前記チャンバ内の泥水圧を一定に保ちつつ前記隔壁を前記所定量だけ推進する第2の工程とからなり、前記第1、第2の工程を順次繰り返して、切羽を前進させる方法を用いる。
そのため、地山水圧に抵抗して推進する際の推進力が第1の工程と第2の工程とに分散されるで、それぞれに必要な推進力を減らすことができる。
【0010】
請求項に記載の発明では、カッタヘッドと隔壁との間のチャンバ内の泥水圧を所定圧に保持しながら掘削を進める密閉型のトンネル掘削機であって、先端に前記カッタヘッドを備える外筒部材と、該外筒部材の内側にスライド可能に設けられ、先端に隔壁を備える内筒部材と、該内筒部材を推進する内筒推進ジャッキと、前記カッタヘッドを掘削駆動可能に支持するとともに前記隔壁内にスライド可能に貫入されたカッタ軸と、前記カッタヘッドを切羽側に推進する掘削ジャッキとを備え、該掘削ジャッキ前記内筒部材内部に設けられ、前記掘削ジャッキによって前記カッタ軸を押圧して、前記カッタヘッドを推進する構成を用いる。
そのため、カッタ軸を掘削ジャッキにより推進することによりカッタヘッドが備えられた外筒部材を、また内筒推進ジャッキにより隔壁を備えた内筒部材を、それぞれ独立に推進できるので、カッタヘッドと隔壁を同時に推進する場合に比べてそれぞれの推進力を減らすことができる
また、掘削ジャッキを内筒部材の内部に設けるので調整・保守・交換が容易となる。
【0011】
請求項に記載の発明では、カッタヘッドと隔壁との間の泥水圧を所定圧に保持しながら掘削を進める密閉型のトンネル掘削機であって、先端に前記カッタヘッドを備える外筒部材と、該外筒部材の内側にスライド可能に設けられ、先端に隔壁を備える内筒部材と、
該内筒部材を推進する内筒推進ジャッキと、前記カッタヘッドを掘削駆動可能に支持するとともに前記隔壁内にスライド可能に貫入されたカッタ軸と、前記カッタヘッドを切羽側に推進する掘削ジャッキとを備え、該掘削ジャッキ前記外筒部材と前記隔壁の間に設けられ、前記掘削ジャッキを前記隔壁に反力をとって前記外筒部材を押圧して、前記カッタヘッドを推進する構成を用いる。
そのため、カッタ軸を掘削ジャッキにより推進することによりカッタヘッドが備えられた外筒部材を、また内筒推進ジャッキにより隔壁を備えた内筒部材を、それぞれ独立に推進できるので、カッタヘッドと隔壁を同時に推進する場合に比べてそれぞれの推進力を減らすことができる
また、掘削ジャッキを外筒部材と隔壁の間に設けるので、内筒部材内のスペースを空けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材は、同一の符号を付している。
まず図1を参照して本発明に係るトンネル掘削機の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係るトンネル掘削機の掘削方向断面の概略構成を示す説明図である。図1は、トンネル掘削機1が、後方にセグメント31…を順次設置して地山30を図示左側に掘り進めている様子を示している。
【0013】
本発明に係るトンネル掘削機1は、大きくは、外筒6(外筒部材)、内筒5(内筒部材)、内筒5の先端に設けられた隔壁4、カッタヘッド2、カッタ軸3、掘削ジャッキ9…(推進機構)および内筒推進ジャッキ10…(推進機構)を備えている。またこの他に、従来の密閉型シールド工法を行うために必要な、カッタヘッド2を駆動するカッタ駆動モータ13、セグメント31を設置するエレクタ11、隔壁4の前方に閉じ込めた泥水を排出する排泥管8a、泥水から泥土を除去したのちの水分を戻す送泥管8bなどを備えている。
【0014】
カッタヘッド2は、密閉型シールド工法に用いられる例えば回転式のカッタや掘削した泥土を攪拌するアジテータなどを備えるもので、地山30の土質やトンネルの断面形状に合わせて適宜の構成を用いることができる。その駆動軸は高圧泥水に対するシールが施された軸受部を備えるカッタ軸3によって支持されている。
【0015】
外筒6は、カッタヘッド2近傍の掘削面を支持するためのシールド部材で、トンネル断面形状に合わせて鋼板などで製作されている。カッタ軸3と外筒6は、外筒6の切羽側端部で径方向に設けられた適宜のアームなどからなるカッタ軸支持部材6a(不図示)によって一体に結合されている。このカッタ軸支持部材6aは、外筒6の内側に泥水が浸入するのを妨げないように設けられている。
【0016】
内筒5は、外筒6よりわずかに小さい相似断面を備え、外筒6の切羽逆側から、外筒6とスライド可能に嵌合する筒状部材である。外筒6と内筒5の嵌合部には泥水をシールするテールパッキン7…が設けられている。
【0017】
内筒5の切羽側の先端には泥水を遮蔽するための隔壁4が設けられている。そのため隔壁4の切羽側前方は、外筒6とカッタヘッド2に囲まれた泥水を保持するチャンバ16が構成されている。
【0018】
内筒5の切羽と逆側の端部には開口が設けられている。その開口端部の内面は、内筒5の内部に備えられたエレクタ11により設置されたセグメント31の外周部を覆うように構成され、セグメント31との間をシールするテールパッキン12…が設けられている。
【0019】
内筒5の中間部の内周面には、セグメント31の端面に反力をとって内筒5を切羽方向に推進する内筒推進ジャッキ10…が設置されている。また同じく内筒5の中間部の内周面には、ジャッキ支持部材9aが設けられ、カッタ軸3を切羽方向に押出す掘削ジャッキ9…が内筒5の短手方向の中央部に配列されている。内筒推進ジャッキ10…および掘削ジャッキ9…は、いずれも油圧ジャッキを採用することができる。
【0020】
カッタ軸3は、その外周部が隔壁4の中央に設けられた孔に貫入され、隔壁4によって掘削方向にスライド可能に支持されている。そのために、カッタ軸3と隔壁4の間には、高圧泥水をシールする隔壁シール4aが設けられている。
【0021】
カッタ軸3の内部を貫通する駆動軸の端部には動力伝達部14が設けられ、カッタ駆動モータ13と接続されている。また隔壁4には、排泥管8aと送泥管8bとに接続する孔がそれぞれ設けられている。
【0022】
次に、上記に説明したトンネル掘削機1の動作を説明するとともに、それを用いた本発明に係るトンネル掘削方法を説明する。図2は、本発明に係るトンネル掘削方法の各工程を説明するための概略図である。
本発明によるトンネル掘削方法は、高水圧下であっても推進機構に大きな負荷をかけることなくシールドを前進させるために、カッタヘッド2と隔壁4をそれぞれ別々の推進機構により、第1、第2の工程の2回に分けて推進することにより、切羽およびトンネル掘削機1を前進させるものである。
【0023】
図2(a)に示したように、掘削開始前の状態では、掘削ジャッキ9…、内筒推進ジャッキ10…はいずれも縮退状態で、内筒推進ジャッキ10…セグメント31の端面に、掘削ジャッキ9はカッタ軸3の後ろ側端面に当接している。
【0024】
まず第1の工程では、カッタ駆動モータ13(図1)を駆動してカッタヘッド2を回転させながら、掘削ジャッキ9…を作動させて伸長させ、カッタ軸3を距離Lだけ推進する(図2(b))。なお距離Lは、セグメント31を1個追加してトンネル覆工を延長するために必要な距離である。
【0025】
このとき掘削ジャッキ9…は、ジャッキ支持部材9a…(図1)を介して内筒5に固定されているので内筒5は掘削方向と反対方向に反力を受ける。この反力は、縮退状態にある内筒推進ジャッキ10…を介してセグメント31に伝達される。このため、内筒5は静止しているので、カッタ軸3がセグメント31に対して距離L前進し、カッタ軸3に固定されている外筒6も同距離前進される。
【0026】
このとき、掘削された地山体積に含まれる泥土と地下水は、アジテータによって攪拌されて流動性の高い泥水となり、カッタヘッド2の前進とともに拡大するチャンバ16内に浸入し、隔壁シール4a、テールパッキン7(図1)によってチャンバ16内に封止される。この間、従来の密閉型シールド工法と同様に排泥管8a、送泥管8bを通じて泥水の圧力制御を行いながら、泥水中の泥土を排出し、水分をチャンバ16に戻す。このためチャンバ16内の泥水圧が一定に保たれ、安定な切羽が維持される。
【0027】
次に、第2の工程では、カッタ軸3の位置を静止させた状態で、内筒推進ジャッキ10…を作動させて、伸長させ、内筒5を切羽側に距離Lだけ前進させる。それと同時に、カッタ軸3を静止させるために、掘削ジャッキ9…を内筒推進ジャッキ10…と同一の速度で連動して縮退させる(図2(c))。したがって、第2の工程では、チャンバ16の容積が図2(b)から距離Lだけ圧縮される。この間、チャンバ16の泥水圧は一定に保たれるから、第1の工程でチャンバ16に浸入した泥水体積に相当する水分が地山に戻される。
【0028】
続いて、従来の密閉型シールド工法と同様に、エレクタ11(図1)によって新たなセグメント31を建て込み、既設のセグメント31と順次接合して内筒推進ジャッキ10…の反力をセグメント31に受け替え、内筒推進ジャッキ10…を縮退させて、改めて新設のセグメント31に反力を取り直す。
【0029】
以上で、トンネル掘削機1が距離Lだけ前進して、図2(a)の初期状態と同様の状態に戻るので、これらの工程を順次繰り返すことによって段階的に切羽およびトンネル掘削機1を前進させることができる。
【0030】
次に、本発明の作用について説明する。以下では、地山水圧をP、トンネル全断面積をA、隔壁4の断面積をA1、カッタ軸3の断面積をA2、カッタヘッド2が受ける掘削方向の単位面積当たりの掘削抵抗をWとして説明する。(ただし、A=A1+A2
【0031】
まず従来の工法によると、トンネルを距離Lだけ掘削するのに必要な推進力fは、力学的な仕事のつりあいを考えれば、
f・L=(P・A+W・A)・L (1)
だから、
f=(P+W)・A (2)
である。
【0032】
次に、本方法による掘削ジャッキ9…および内筒推進ジャッキ10の…の推進力をそれぞれ、F1、F2とすると、第1の工程では、カッタヘッド2が距離L前進する際、掘削抵抗Wを受ける。また、L・Aだけ拡大したチャンバ16のうち、カッタ軸3が前進した体積分だけ泥水が排除されねばならないので、仕事のつりあいから、
1・L=(P・A2+W・A)・L (3)
次に、第2の工程では、隔壁4を距離Lだけ前進させるため、その分の体積の泥水を排除する仕事が必要で、仕事のつりあいは、
2・L=P・A1・L (4)
となる。よって、式(3)、(4)より、
1=P・A2+W・A (5)
2=P・A1 (6)
したがって、
1+F2=P・(A1+A2)+W・A=f (7)
となる。
式(7)から、本発明によれば、従来工法による推進力fがそれぞれ掘削ジャッキ9…と内筒推進ジャッキ10…によって分担されていることが分かる。また、式(5)から分かるように、A2=0の場合でも、F1には掘削抵抗Wの寄与が残るので、推進力の分担が成立するものである。
したがって、F1<fかつF2<fとなっている。すなわちそれぞれの工程では、従来工法の推進力fより小さい推進力F1、F2が必要とされるにすぎない。また、それぞれの推進力の大きさは、式(5)、(6)から求められるので、所定の掘削抵抗W、地山水圧P、トンネル断面積Aが与えられたとき、断面積A1(A2)の設計条件を変えれば、所望の推進力分担を備えたトンネル掘削機が構成できる。
【0033】
上記の説明から分かるように、本発明によれば、高水圧下でトンネル掘削を行う場合、トンネル掘削機によるシールドの推進を2段階に分け、それぞれの推進力を別々の推進機構で分担し、交互に作動させて地山掘削とシールドの前進を行うので、それぞれの推進力を従来よりも少なくすることができる。その結果、従来と同じ推進機構を用いて、これまで密閉型シールド工法では困難だった高水圧を受ける場合にも掘削が可能となる。また高水圧下であっても完全止水地盤改良を行うことなくトンネル掘削が行える。
【0034】
また、上記のような構成によれば、掘削ジャッキ9…が隔壁部4後方の内筒5内部に設けられているので、調整・保守・交換が容易となるという利点がある。
【0035】
次に、本発明の変形例を説明する。図3に示したのは、本発明に係るトンネル掘削機1の変形例の構成を示す掘削方向の概略断面図である。
以下では上記の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
本変形例では、図1では、内筒5内部に設けられていた掘削ジャッキ9…が、チャンバ16内に設けられ、隔壁4に反力をとって、外筒6とカッタ軸3を結合しているカッタ軸支持部材6aを押圧することにより、カッタ軸3、外筒6を一体に推進する構成とされている。
【0036】
このため、掘削ジャッキ9はチャンバ16内に常に水没する状態でも動作可能な高水圧シールが施されている。また、当然ながら、カッタ軸支持部材6aと隔壁4は、掘削ジャッキ9…の推進力が加えられても十分耐える強度を備える構成とされている。
【0037】
このような構成によれば、掘削ジャッキ9…の配置場所が異なるだけで、上記と同様に掘削ジャッキ9…が内筒5に反力をとってカッタ軸3を推進することに変わりはないから、推進力の分担については、図1に示した構成によるトンネル掘削機とまったく同様の作用を備えるものである。
【0038】
さらに、本変形例では、掘削ジャッキ9…がチャンバ16内に設置されているので、内筒5内部のスペースを大きくとることができるという利点があり、自動化装置などを多く搭載して作業効率を向上したり、掘削ジャッキ9…を多く設置して推進力を増強したりすることができるという利点がある。
【0040】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、第1の工程と第2の工程とに推進力が分散されてそれぞれの推進力を減らすことができるから、従来よりも高水圧を受ける場合でもトンネル掘削ができるという効果を奏する。
【0043】
請求項に記載の発明では、外筒部材と内筒部材とをそれぞれ独立に推進できるので、カッタヘッドと隔壁を同時に推進する場合に比べてそれぞれの推進力を減らすことができるから、従来よりも高水圧を受ける場合でもトンネル掘削ができるとともに、掘削ジャッキを内筒部材の内部に設けるので、調整・保守・交換が容易となるから、トンネル掘削機の信頼性が向上するという効果を奏する。
【0044】
請求項に記載の発明では、筒部材と内筒部材とをそれぞれ独立に推進できるので、カッタヘッドと隔壁を同時に推進する場合に比べてそれぞれの推進力を減らすことができるから、従来よりも高水圧を受ける場合でもトンネル掘削ができるとともに、内筒部材内のスペースを空けることができるから、内筒部材により多くの内筒推進ジャッキを設置できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るトンネル掘削機の掘削方向断面の概略構成を示す説明図である。
【図2】 本発明に係るトンネル掘削方法の各工程を説明するための概略図である。
【図3】 本発明に係るトンネル掘削機1の変形例の構成を示す掘削方向の概略断面図である。
【図4】 従来のトンネル掘削機とそれを用いたシールド工法を説明するためのトンネル長手方向の断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トンネル掘削機
2 カッタヘッド
3 カッタ軸
4 隔壁
4a 隔壁シール
5 内筒(内筒部材)
6 外筒(外筒部材)
9 掘削ジャッキ(推進機構)
10 内筒推進ジャッキ(推進機構)
16 チャンバ
30 地山
30a 切羽
31 セグメント

Claims (3)

  1. カッタヘッドと隔壁との間のチャンバ内の泥水圧を所定圧に保持しながら掘削を進める密閉型シールド工法用のトンネル掘削機によるトンネル掘削方法であって、
    前記カッタヘッドを前記隔壁内にスライド可能に貫入されたカッタ軸で支持し、
    前記隔壁を静止させながら、前記カッタヘッドを推進して所定量を掘削する第1の工程と、
    前記カッタヘッドを静止させ、前記チャンバ内の泥水圧を一定に保ちつつ前記隔壁を前記所定量だけ推進する第2の工程とからなり、
    前記第1、第2の工程を順次繰り返して、切羽を前進させることを特徴とするトンネル掘削方法。
  2. カッタヘッドと隔壁との間のチャンバ内の泥水圧を所定圧に保持しながら掘削を進める密閉型のトンネル掘削機であって、
    先端に前記カッタヘッドを備える外筒部材と、
    該外筒部材の内側にスライド可能に設けられ、先端に隔壁を備える内筒部材と、
    該内筒部材を推進する内筒推進ジャッキと、
    前記カッタヘッドを掘削駆動可能に支持するとともに前記隔壁内にスライド可能に貫入されたカッタ軸と、
    前記カッタヘッドを切羽側に推進する掘削ジャッキとを備え、
    掘削ジャッキ前記内筒部材内部に設けられ
    前記掘削ジャッキによって前記カッタ軸を押圧して、前記カッタヘッドを推進することを特徴とするトンネル掘削機。
  3. カッタヘッドと隔壁との間の泥水圧を所定圧に保持しながら掘削を進める密閉型のトンネル掘削機であって、
    先端に前記カッタヘッドを備える外筒部材と、
    該外筒部材の内側にスライド可能に設けられ、先端に隔壁を備える内筒部材と、
    該内筒部材を推進する内筒推進ジャッキと、
    前記カッタヘッドを掘削駆動可能に支持するとともに前記隔壁内にスライド可能に貫入されたカッタ軸と、
    前記カッタヘッドを切羽側に推進する掘削ジャッキとを備え、
    掘削ジャッキ前記外筒部材と前記隔壁の間に設けられ
    前記掘削ジャッキを前記隔壁に反力をとって前記外筒部材を押圧して、前記カッタヘッドを推進することを特徴とするトンネル掘削機。
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