JP3882604B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白鍵用組成物、黒鍵用組成物から形成された白鍵、黒鍵を備える鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、初心者を対象として、ナビゲート機能を有する鍵盤楽器が開発されている。このような鍵盤楽器では、たとえば、各鍵盤の根本付近に発光ダイオード等の光源を配置し、予めメモリに記憶された演奏曲に応じて、各光源を点灯させることにより、押すべき鍵盤を指示するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような鍵盤楽器では、演奏中鍵盤の押される位置に対して、光源が離れているので、1つの音を押した後、次の押すべき音を確認するためにいちいち鍵盤から目を離さなければならず、初心者にとって使いやすいナビゲート機能と言えるものではなかった。
【0004】
一方、鍵盤そのものが光るように構成された鍵盤楽器も知られている。このような鍵盤楽器では、白鍵および黒鍵を光が透過する樹脂から形成し、各鍵の下方に光源を配置し、光源が発光すると鍵そのものが光って見えるように構成されている。
鍵盤楽器の白鍵、黒鍵は、それぞれ、透明性を有する樹脂に対して着色剤を添加した材料からなるが、上記のように光を透過させるために、一般的な鍵盤より着色剤の量を減らした材料を使用していた。
しかし、着色剤の量を減らすと、白鍵の白さ、黒鍵の黒さが低下し、つまり色調品質が低下する上に、光源の輪郭が鍵盤表面に浮かび上がってしまい、ある程度以上の高い品質を好む使用者には好まれない鍵盤になってしまっていた。
逆に、白鍵、黒鍵の色調を強調するために着色剤の配合量を増加させると、当然のことながら光透過率が低下してしまい、鍵盤を光らせることができなくなってしまう。
以上のように、従来の光る鍵盤を備えた鍵盤楽器では、ナビゲート機能と鍵盤の品質の両方を十分に満たしたものは開発されていなかった。
【0005】
本発明の課題は、初心者にとって分かり易く使いやすいナビゲート機能を実現でき、光源の輪郭が明瞭に浮かび上がることなく高品位な押鍵指示ができると共に、高級感のある色調をもつ白鍵および黒鍵を備えた鍵盤装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図6、図12に示すように、
透明性を有するベースポリマー100重量部と、白色系着色剤0.10〜1.50重量部と、光を拡散させる光拡散剤0〜3重量部とを含み、前記ベースポリマーはポリメチルメタクリレートであり、前記白色系着色剤は二酸化チタンを含み、前記光拡散剤はポリスチレン架橋体および硫酸バリウムのいずれかを用いた白鍵用組成物から形成され、押鍵指示のために照光される照光部(P)を有するとともに、演奏前の初期位置からほぼ基端部を中心として水平な軸まわりに回動自在に設けられた白鍵(20)と、
前記照光部を前記白鍵の押鍵操作面の背面側から照光する光源(黄色LED18b、赤色LED18c、2色LED18d)と、
前記白鍵が通常は前記初期位置に保持されるように付勢すると共に、演奏時に押圧されて回動した前記白鍵を前記初期位置に戻す付勢手段(ハンマーアーム40)とを備え、
前記白鍵が初期位置にあるときの前記光源から前記照光部の表面までの距離は、8mm以上27mm以下であり、
前記白鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上6.0mm以下であり、
前記光源の照度は、228ルクス以上であることを特徴とする鍵盤装置(1)である。
【0007】
ここで、「重量部」とは白鍵用組成物の組成を各成分の重量比で示したものである。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、透明性を有するベースポリマーとなるポリメチルメタクリレート100重量部に対して、二酸化チタンを含む白色系着色剤0.10〜1.50重量部の他に、ポリスチレン架橋体および硫酸バリウムのいずれかからなる光拡散剤0〜3重量部とから白鍵用組成物が得られる。この白鍵用組成物により白鍵を作製しているので、高級感のある色調をもたせられると共に、白鍵を背面側から照光する光源の輪郭が明瞭に浮かび上がることなく高品位な押鍵指示ができる品質の白鍵を有する鍵盤装置となる。
【0009】
ここで、白色系着色剤が0.10重量部未満であるとベースポリマーの透明感がでてしまい良好な色調をもたせられず、1.50重量部を越えると充分な光透過性が得られず好ましくない。また、光拡散剤が3重量部を越えると光透過性が低下してしまい好ましくない。なお、白色系着色剤にも光拡散の作用があるために、白色系着色剤が0.10〜1.50重量部含まれていれば、光拡散剤を含めなくとも良好な品質をもつ白鍵が得られる。
【0010】
さらに請求項1記載の発明によれば、前記白鍵用組成物により白鍵が形成されているので、白鍵の押鍵操作面の背面側から照光部を照光したとき、照光部が光って見えるようになる。従って、メモリ等から呼び出した練習曲に応じて選択的に各光源を点灯した際、照光部が光って見えることから、アイポイントを鍵盤から動かさなくても次に押すべき鍵盤が光る様子を見ることができ、初心者にとって分かり易く使いやすいナビゲート機能となる。
【0011】
加えて、白鍵が初期位置にあるとき、すなわち押鍵していないときの前記光源から前記照光部の表面までの距離は8mm以上27mm以下であり、前記白鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上6.0mm以下であり、前記光源の照度は、228ルクス以上であることから、光源からの光は演奏者が容易に視認できる程度に白鍵を透過しナビゲート機能を発揮できるとともに、白鍵表面に光源の輪郭が浮かび上がることなく高品位な鍵盤となる。
【0012】
請求項1において、光源から前記照光部の表面までの距離が8mm未満であると、押鍵時のストロークの都合上好ましくない。また、27mmを超えると、暗くなり視認しにくくなる上に、鍵盤装置全体の高さ方向が大きくなってしまうことからその点でも好ましくない。
板厚については、1mm未満の厚さは製造上困難であり、仮に製造できたとしても強度などの点で好ましくない。また、6.0mmより厚い場合には、光が通りにくくなり視認しにくくなる上に、鍵盤全体の重量も重くなりその点でも好ましくない。なお、照光部以外の板厚には何ら制限はなく、照光部を含む白鍵の押鍵操作面全体が全て同じ板厚でもよいし、照光部とそれ以外の部分が異なる厚さであってもよい。
【0013】
光源照度については、228ルクス未満であると、光量が少なすぎて暗くなる。なお、光源照度の上限値について、本発明に係る白鍵組成物からなる白鍵は、光を十分に拡散するので、かなり光源照度が大きくても光源の輪郭が浮かび上がったり、眩しいほどに鍵盤が発光するようなことはない。よって、光源照度の上限値は実質的にはなく、実用上、電気的な容量や大きさの点で鍵盤装置に用いることが可能である市販の光源で決まる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鍵盤装置において、
前記白鍵用組成物における前記白色系着色剤は、群青、チタンエロー系顔料をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏することができるとともに、さらに高級感のある色調を白鍵にもたせられる白鍵用組成物が得られる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の鍵盤装置において、
前記付勢手段は、前記白鍵の下方で水平な軸(ハンマーアーム回動支持軸43)まわりに回動自在に設けられるハンマーアーム(40)であり、
該ハンマーアームは、前記白鍵の下部側において摺動自在に当接する鍵当接部(42)と、該鍵当接部を通常は上方に付勢して前記白鍵の下部側に当接させる自重をもつハンマー部(44)とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を奏することができるとともに、ハンマーアームを備える鍵盤装置において、高級感のある色調を有し、ナビゲートのときに光源の輪郭が明瞭に見えることがない良好な品質をもつ白鍵を備えた鍵盤装置が得られる。
【0018】
請求項4記載の発明は、例えば、図1〜図6、図12に示すように、
透明性を有するベースポリマー100重量部と、光を拡散させる光拡散剤0.30〜3.0重量部と、黒色系着色剤0.01〜0.04重量部とを含み、前記ベースポリマーはポリメチルメタクリレートであり、前記光拡散剤はポリスチレン架橋体であり、前記黒色系着色剤はカーボンブラックを含む黒鍵用組成物から形成され、押鍵指示のために照光される照光部(Q)を有するとともに、演奏前の初期位置からほぼ基端部を中心として水平な軸まわりに回動自在に設けられた黒鍵(30)と、
前記照光部を前記黒鍵の押鍵操作面の背面側から照光する光源(2色LED18d)と、
前記黒鍵が通常は前記初期位置に保持されるように付勢すると共に、演奏時に押圧されて回動した前記黒鍵を前記初期位置に戻す付勢手段(ハンマーアーム40)とを備え、
前記黒鍵が初期位置にあるときの前記光源から前記照光部の上面までの距離は、8mm以上29mm以下であり、
前記黒鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上3.0mm以下であり、
前記光源の照度は、188ルクス以上であることを特徴とする鍵盤装置である。
【0019】
ここで、「重量部」については、請求項1と同様である。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、透明性を有するベースポリマーとなるポリメチルメタクリレート100重量部に対して、カーボンブラックを含む黒色系着色剤0.01〜0.04重量部の他に、光拡散剤となるポリスチレン架橋体0.30〜3.0重量部とから黒鍵用組成物が得られる。この黒鍵用組成物により黒鍵を作製しているので、高級感のある色調をもたせられると共に、黒鍵を背面側から照光する光源の輪郭が明瞭に浮かび上がることなく高品位な押鍵指示ができる品質の黒鍵を有する鍵盤装置となる。
光拡散剤が0.30重量部未満では充分な拡散効果が得られず、3.0重量部を越えると光透過性が低下してしまうために好ましくない。黒色系着色剤が0.01重量部未満であるとダークブラウンのような色合いとなり、黒鍵として良好な色調をもたせられず、0.04重量部を越えると充分な光透過性が得られず好ましくない。
【0021】
さらに、請求項4によれば、黒鍵が初期位置にあるとき、すなわち押鍵していないときの前記光源から前記照光部の表面までの距離は、8mm以上29mm以下で、前記黒鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上3.0mm以下であり、前記光源の照度は、188ルクス以上であることから、光源からの光は演奏者が容易に視認できる程度に黒鍵を透過しナビゲート機能を発揮するとともに、黒鍵表面に光源の輪郭が浮かび上がることなく高品位な鍵盤となる。
【0022】
前記光源から前記照光部の表面までの距離が8mm未満であると押鍵時のストロークの都合上好ましくない。また、29mmを超えると、暗くなり視認しにくくなる上に、鍵盤装置全体の高さ方向が大きくなってしまうことからその点でも好ましくない。
また板厚については、1mm未満の厚さは製造上困難であり、仮に製造できたとしても強度の点で好ましくない。また、3.0mmより厚い場合には、光が通りにくく視認しずらくなる。なお、照光部以外の板厚には何ら制限はなく、照光部を含む押鍵操作面全体が全て同じ板厚でもよいし、照光部とそれ以外の部分が異なる厚さであってもよい。
光源照度については、188ルクス未満であると、光量が少なすぎて暗くなる。なお、上限値については、白鍵の場合同様に実質的に上限値はなく、実用上設定すればよい。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の鍵盤装置において、
前記黒鍵用組成物における前記黒色系着色剤は、色調を調整する染料若しくは顔料をさらに含むことを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、請求項4と同様の効果を奏することができるとともに、染料若しくは顔料により黒鍵の色味を調整でき、さらに高級感のある色調をもつ黒鍵が得られる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の鍵盤装置において、
前記付勢手段は、前記黒鍵の下方で水平な軸(ハンマーアーム回動支持軸43)まわりに回動自在に設けられるハンマーアーム(40)であり、
該ハンマーアームは、前記黒鍵の下部側において摺動自在に当接する鍵当接部(42)と、該鍵当接部を通常は上方に付勢して前記黒鍵の下部側に当接させる自重をもつハンマー部(44)とを備えることを特徴とする。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、請求項4または5と同様の効果を奏することができるとともに、請求項4と同様に、ハンマーアームを備える鍵盤装置において、高級感のある色調を有し、ナビゲートのときに光源の輪郭が明瞭に見えることがない良好な品質をもつ黒鍵を備えた鍵盤装置が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の鍵盤装置について詳細に説明する。
まず、図1〜図11を参照して、本発明の実施の形態としての鍵盤装置1を説明する。
図1、2に示すように、鍵盤装置1は、楽器ケース2に組み込まれる合成樹脂製の鍵盤シャーシ10と、鍵盤シャーシ10上に並列に配置され、押鍵指示のために照光される照光部P、Q(図4に図示)を有する複数の白鍵20および黒鍵30と、押鍵指示のために照光部P、Qを押鍵操作面の背面側から照光するLED18b、18c、18d(光源)と、複数の白鍵20および黒鍵30の押鍵動作に伴ってそれぞれ上下方向に回動して各鍵にアクション荷重を付与する複数のハンマーアーム40(付勢手段)と、前記押鍵動作に応じてスイッチ動作してオン信号を出力するスイッチ部材50とを備えている。
【0028】
なお、黒鍵30は、長手方向の長さが白鍵20よりも短く、かつ、高さが白鍵20よりも高く形成されることを除いて、白鍵20とほぼ同様に構成される。
従って、以下の説明においては白鍵20の周辺の構成を主体に説明するものとし、黒鍵30については白鍵20と異なる部分を主体に説明して、同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図1は鍵盤装置1の全体構成を示し、図2は白鍵20の長手方向に沿う断面図である。
【0029】
図2に示すように、鍵盤シャーシ10は、鍵盤シャーシ10の後方で起立して列設された1対の垂直リブ16と、押鍵された白鍵20が横振れせずに下方に回動するようにガイドする鍵ガイド15とを備える。また、鍵盤シャーシ10には、ハンマーアーム40が干渉しないように回動する領域が切り欠かれた開口部17が形成される。
鍵盤シャーシ10は、回動する白鍵20の上限位置および下限位置を規制する鍵上限ストッパ11および鍵下限ストッパ12と、回動するハンマーアーム40の上限位置および下限位置を規制するハンマー部上限ストッパ13およびハンマー部下限ストッパ14とが設けられる。鍵上限ストッパ11、鍵下限ストッパ12、ハンマー部上限ストッパ13、ハンマー部下限ストッパ14、はフェルト等からなる。
【0030】
白鍵20は、前端部から下方に垂設される側面視L字状のストッパ片21と、白鍵20の長手方向のほぼ中間部で下方に突出して一体に形成されたスイッチ押圧部材22と、後端部に設けられ、ほぼ水平に配設される鍵回動支持軸23とを備える。スイッチ押圧部材22の下面は、後方から前方に向けて斜め下方に傾斜するスイッチ当接部22aが形成される。鍵回動支持軸23が垂直リブ16に回動自在に軸支されることで、白鍵20が演奏前の初期位置からほぼ基端部を中心に上下方向に回動自在に設けられる。
図3に示すように、黒鍵30についても同様であり、演奏前の初期位置からほぼ基端部を中心に上下方向に回動自在に設けられる。図4に互いに隣り合う白鍵20および黒鍵30を示す。図5は白鍵20および黒鍵30のA−A'線(図4に図示)に沿う断面図である。
【0031】
ハンマーアーム40は、合成樹脂製のアーム本体41と、アーム本体41のほぼ前端部に設けられた鍵当接部42と、ほぼ水平に配設されるハンマーアーム回動支持軸43と、アーム本体41の後端部に取り付けられたハンマー部(錘)44とを備える。
ハンマーアーム40は、アーム本体41が開口部17を貫通した状態で、アーム本体41の長手方向が白鍵20と略平行に配設される。ハンマーアーム回動支持軸43が鍵盤シャーシ10に回動自在に軸支され、ハンマーアーム40が、白鍵20の下方でハンマーアーム回動支持軸43のまわりに回動自在に軸支される。
【0032】
スイッチ部材50は、ドーム状に突出する弾性変形可能な膨出部52を備える。スイッチ部材50はスイッチ基盤51に固定的に設けられ、白鍵20および黒鍵30の配列方向に連続する帯状に形成される。図示はしないが、膨出部52の内部には、膨出部52が押圧されるとスイッチ基板51に設けられた固定接点と接触してオン信号を出力する可動接点が設けられる。
鍵盤シャーシ10の貫通孔1Aに膨出部52が下方から挿入された状態で、スイッチ基盤51が鍵盤シャーシ10の下面にボルト51aにより固定される。また、貫通孔1Aから上方に突出する膨出部52が、白鍵20および黒鍵30のスイッチ押圧部材22に対応する個所に位置するように配設される。
【0033】
白鍵20の照光部P(図4に図示)の下方には、白鍵LEDホルダ18が設けられる。白鍵LEDホルダ18には、単体の黄色LED18bと、単体の赤色LED18cと、黄色もしくは赤色のいずれかに発光可能な2色LED18dと、からなる3個のLEDが、後方からこの順番で一組となって配列されたLED基板18aが設けられる。
黒鍵30の照光部Q(図4に図示)の下方にも、黒鍵LEDホルダ19が設けられる(図3参照)。黒鍵LEDホルダ19には、黄色もしくは赤色のいずれかに発光可能な1個の2色LED18dを有するLED基板18eが設けられる。
【0034】
従って、白鍵20および黒鍵30の照光部P、Qを、赤色もしくは黄色いずれか異なる色で押鍵操作面の背面側から照光できる。これにより、演奏のときに右手と左手とのいずれで押鍵するかを異なる色で指示できる。
白鍵20では、右手指の押鍵指示のときは、単体の赤色LED18cと2色LED18dの赤色を同時に発光させ、左手指の押鍵指示のときは、単体の黄色LED18bと2色LED18dの黄色を同時に発光させる。黒鍵30では、2色LED18dを黄色もしくは赤色のいずれかに発光させることで、白鍵20と同様に右手と左手とのいずれで押鍵するかを指示する。
【0035】
なお、白鍵20は黒鍵30より鍵表面の面積が広く長さ寸法も長いために、白鍵20を照光するにはより多くの発光量が必要となるが、3個のLED18b、18c、18dを併用することにより充分な光量が確保される。また、黒鍵30は白鍵20より鍵表面の面積が狭いと共に長さ寸法も短く、さらに黒色であり光吸収率が高いために、照光部Qが照光されたときの視認性が良い。このために、白鍵20の照光部Pを照光したときとの発光バランスを考慮すると1個の2色LED18dで充分である。
【0036】
以下、鍵盤装置1の演奏時の動作を説明する。
演奏前の通常の状態では、ハンマー部44の自重によりハンマーアーム40が図2、3、5における時計方向に回動するように付勢される。これにより、鍵当接部42が白鍵20および黒鍵30を上方に付勢している。すなわち、ハンマー部44がハンマー部下限ストッパ14に当接し、かつ、鍵当接部42が白鍵20および黒鍵30の下部側において摺動自在に当接すると共に、ストッパ片22が白鍵上限ストッパ11に当接することで、演奏前の所定の初期位置(上限位置)に位置規制される。
この状態で、押鍵操作される白鍵20および黒鍵30は、鍵ガイド15によりガイドされながら鍵回動支持軸23を中心に下方に回動すると共に、ハンマーアーム40がハンマー部44の重量に抗して反時計回りに回動する。こうして回動されたハンマーアーム40は、ハンマー部44がハンマー部上限ストッパ13に当接して上限位置に規制されると共に、白鍵20および黒鍵30は、ストッパ片22が白鍵下限ストッパ12に当接して下限位置に位置規制される。この過程で、スイッチ当接部22aがスイッチ部材50の膨出部52に当接して押圧することにより、スイッチ部材50内部の可動接点が固定接点に接触してオン信号を出力し、押鍵された白鍵20および黒鍵30に応じた楽音を発生させる。
【0037】
上鍵盤装置1では、後述するように白鍵20や黒鍵30を形成するための組成物について限定することに加えて、白鍵20や黒鍵30について構造や配置上の適切な値を設定することで、本発明の目的である鍵盤の品質や高級感と確実なナビゲート機能を確保している。
【0038】
まず、上記構成の鍵盤装置1における白鍵20及び黒鍵30それぞれの構造や配置上の条件について以下のように検討した。ここでの実験では、鍵盤装置1の一例として88鍵の電子ピアノを用いた。図6には白鍵20を、図7には黒鍵30それぞれの先端部分の概略構造を示した。符号20aは、白鍵20の天井を構成する照明部Pを含む天面部、30aは黒鍵30の照明部Qを含む天面部である。
【0039】
白鍵20・黒鍵30について、次の(1)〜(3)それぞれのパラメータについて変化させ、好適な値を求めた。
(1)白鍵20、黒鍵30が初期位置にあるときの光源から照光部P、Q表面までの距離
ここで、白鍵20と黒鍵30とでは、形状が若干異なるので距離について次のように規定した。白鍵20については、光源R1から、その真上の表面までの距離H1を、黒鍵30については、光源R2から黒鍵20の頂点までの距離H2を、「光源から照光部P、Q表面までの距離」とした。
なお、光源からの光は、光源の真上だけでなく光源の真上を中心に、白鍵20、黒鍵30それぞれの先端部全体に届き、すなわち白鍵20、黒鍵30それぞれの先端部全体が照光部P、Qとなる。
(2)白鍵20と黒鍵30の照光部P、Qの板厚T1、T2
なお、図2、図3、図6(b)、図7(b)から分かるように、白鍵20、黒鍵30ともに、照光部P、Qを含む押鍵操作面全体がほぼ均一な厚さで形成されている。
(3)光源の照度
ここでは、光源として、各白鍵20、黒鍵30それぞれについて赤色LEDからなる光源R1、R2を1個ずつ用い、光源R1、R2の1つ1つに直流電流を流した。
【0040】
これらの(1)〜(3)の3つのパラメータを変化させながら、次のA〜Dの4点をクリアしているかを目視で観察し、「○(良い)」「×(悪い)」を判断した。
A.光源を点灯したとき、鍵表面側から光源の輪郭像が映し出されないこと。点灯したときに光源の輪郭像が鍵表面側から見えてしまうと、高級感が損なわれるからである。
B.白昼下でも、点灯状態が鮮明に視認可能であること。特に白鍵は、黒鍵よりもコントラストの点で分かりにくい。
C.88個の鍵盤の左右両端は演奏者からかなり遠い。そこで、鍵盤の左右両サイドなどの演奏者から遠い位置であっても、鍵の発光状態が明確に視認可能であること。
D.鍵の色合いが高品位であること。
なお、黒鍵30は、白鍵20よりも減衰率が大きく光は通りにくいので、同じ板厚でも天面照度は低くなる。ただし、黒鍵30は白鍵20と比較して少しでも光れば認識しやすい。具体的には、白鍵20の場合、照光部Pの照度が40ルクス以上、黒鍵30の場合、照光部Qの照度が11ルクス以上であれば認識しやすく、好ましい。
【0041】
(1)光源から照光部P、Qまでの距離H1、H2の好適な値を次のように求めた。白鍵20、黒鍵30いずれについても、板厚は2mm、光源照度は760ルクスに固定し、光源R1、R2に対して鍵の高さを徐々に上げていき、天面部20a、30aの照光部P、Q表面の照度を測定するとともに、前記A〜Dの観点から○×評価した。距離H1、H2は共に押鍵していない初期位置における距離であるが、評価は初期位置に加えて押鍵したときにも光源の像が見えないかなどを考慮している。
【0042】
結果を図8(a)の図表にまとめた。図8(a)には、図8(a)の図表をグラフ化した表示した。下限値として8mmであるのは演奏時の鍵のストロークの関係上、設計的に決まっている。また、8mmであっても光源R1、R2の像が見えてしまうということはない。
図8(b)から分かるように、距離が大きくなるほど天面照度は比例して小さくなる(暗くなる)。また。前述のように黒鍵30は減衰率が大きく光は通りにくいので、同じ距離でも天面照度は低くなる一方、白鍵20と比較して認識しやすいので、天面照度が低くても評価は「○」になる。
図8(a)の評価結果から分かるように、白鍵20についてH1=28mmであると、天面照度が32ルクスになり視認しにくくなる。また、黒鍵30について、H2=30mmで照度が8.8ルクスになり視認しにくくなる。よって、白鍵20では距離H1が8mm以上27mm以下、黒鍵30では距離H2が8mm以上29mm以下であれば、前記A〜Dの点で好ましい。
【0043】
(2)白鍵20の板厚T1、黒鍵30の板厚T2の好適な値を次のように求めた。白鍵20について、前記距離H1=17mm、光源R1の照度=760ルクス(lx)に固定し、天面部20a表面に白鍵20と同じ材料の薄板(0.5mm厚)を張り合わせていき、天面部20aの照光部P表面の照度を測定するとともに、前記A〜Dの観点から○×評価した。
黒鍵30について、前記距離H2=20mm、光源R2の照度=760ルクスに固定し、天面部30a表面に黒鍵30と同じ材料の薄板(0.5mm厚)を張り合わせていき、天面部30aの照光部Q表面の照度を測定するとともに、白鍵同様に評価した。
【0044】
結果を図9(a)の図表にまとめ、図9(b)には、図9(a)の図表をグラフ化して表示した。下限値が1mmであるのは、1mm未満は成形が困難であるからである。また、仮に1mm未満の成形が可能になったとしても、薄っぺらな安価な雰囲気の鍵盤になってしまったり、強度が弱く鍵盤の寿命が短いといった問題も予想され、使用できないと思われる。
図9(b)から分かるように、板厚が厚くなるほど光が透過しにくいので、天面照度は下がっていき、板厚の二乗に反比例して照度は下がった。図9(a)の評価結果から分かるように、白鍵20では、板厚が6.5mmにて照度39ルクスになり、黒鍵30では、板厚が3.5mmで照度5.3ルクスになり、いずれも視認しにくくなる。よって、白鍵20では板厚が1mm以上6.0mm以下、黒鍵30では板厚が1mm以上3.0mm以下であれば、前記A〜Dの点で好ましいという結果が得られた。
【0045】
(3)光源の照度
白鍵20、黒鍵30の光源R1、R2の照度の好適な値を次のように求めた。白鍵20について、前記距離H1=17mm、板厚2mmに、黒鍵30について、距離H2=20mm、板厚2mmに固定した状態で、光源R1、R2それぞれに流す電流値を上げていき、光源R1、R2の照度と、天面部20a、30aの照光部P、Q表面の照度を測定するとともに、前記A〜Dの観点から○×評価した。
【0046】
結果を図10(a)の図表にまとめ、図10(b)には図10(a)から得られた電流値と光源照度の関係を示し、図10(c)には図10(a)から得られた電流値と天面照度の関係を示した。図10(b)、(c)から分かるように、電流値が上がれば、光源照度も天面照度もほぼ比例して上昇する。よって、光源照度と天面照度はほぼ比例する。
図10(a)の結果から分かるように、白鍵20では、電流値5mA、光源照度188ルクスのときに天面照度が36ルクスになり暗く認識しにくい。黒鍵30では、電流値4mA、光源照度145ルクスのときに天面照度が9.3ルクスになり視認しにくい。結果として、白鍵20では228ルクス以上、黒鍵30では188ルクス以上であれば、前記A〜Dの点で好ましい。
上限値についてであるが、この実験で使用した光源R1、R2に対し、限界まで(定格35mA)電流値を上げて光源照度を最高値にしても、光源R1、R2の像が表面から見えてしまうといったことは起こらず、求めることはできなかった。この実験からは上限値1200ルクスまでは可能であることが分かった。
【0047】
光源照度の上限値についてさらに検討した。
より容量が大きく100mAまで流すことができる赤色LEDを用いて、電流値を上げていきながら、光源の照度を測定し、電流値と光源照度の関係を調べた。前述のように、実際の鍵盤装置1では、黒鍵30ではLEDを1個、白鍵20ではLEDを複数個設置するためのスペースがあることから、1個使用の場合と2個使用の場合のそれぞれについて調べた。
結果を図11に示した。図11において、「×」が付いているものは、図10(a)の結果から光量が足りず使用できない照度である。
LEDを1個設けた場合の最高値である1900ルクスであっても黒鍵30の下の光源の像が見えるということはなかった。また、LEDを2個設けた最高値である3670ルクスであっても白鍵20の下の光源の像が見えるということはなく、使用可能であった。いずれでも、眩しすぎるといったこともなく、十分本発明の鍵盤装置に利用できる明るさであった。
【0048】
結局、現在のところ、前記A〜Dの点で鑑みると光源照度の上限値は実質的に限定することはできない。実際には、鍵盤装置1内の光源設置スペースに設置可能な大きさを有し、LED基板18eで決まる使用可能な電流の定格値や、電力量の節減、コストなどを考慮して、使用可能な光源を選択すればよい。
【0049】
以上の(1)〜(3)についての結果を表1にまとめた。
【表1】
Figure 0003882604
【0050】
ところで、上記実験では、1つの条件を決めるにあたって、便宜的に他の条件を固定した。例えば、照光部の板厚を求める場合でも、光源照度と光源からの距離を固定したが、複数種類の光源照度や光源からの距離に対して実験すれば理想的ではある。しかしながら、このような理想的な実験を行おうとすれば、その作業量は膨大なものとなり現実的ではない。そこで、本実施の形態では、上記で説明したように他の条件を固定して1つの条件についての適切な値の範囲を定めた。
ただし、このような求めた値が、固定した条件の元でのみ有効であると言うことではない。
例えば照光部P、Qの板厚は、前述のように下限値(1mm)は製造上の限界、質感、製品寿命で決まる。光源までの距離も押鍵時のストロークから下限値は決まり、また、現実の製品の大きさから白鍵20・黒鍵30について表1の上限値を超える上限値は現実的ではない。
光源照度の下限値について、板厚や光源までの距離に多少左右されるかもしれないが、上記のように板厚や距離が光の見え方以外のファクターでも限定されてしまうことと、図8〜図10に示すように鍵盤を透過する光の減衰率は非常に大きいことを考慮すると、光源照度の下限値は表1の下限値とさほど変わらないと考えるのが現実的である。
【0051】
以上の鍵盤装置1において、白鍵20および黒鍵30は特定の材料から形成され、白鍵20は白鍵用組成物からなり、黒鍵30は黒鍵用組成物からなる。以下これら組成物について説明する。
【0052】
本発明の白鍵用組成物および黒鍵用組成物は、それぞれ、透明性を有するベ−スポリマ−であるポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)に対して、光拡散剤および着色剤を混合してなる。
光拡散剤は、入射した光をその表面で反射させたり、光拡散剤の粒子内に入り込んだ光の進行方向を変えることで拡散させる働きをする。着色剤は、白鍵20および黒鍵30に好ましい色調を施すために含められる。
なお、ベースポリマーは、適宜、可塑剤、離型剤などの各種微量成分を含んでいても良い。さらに、着色剤を均一に分散させるために含められる分散剤のような他の成分を含んでいてもよい。分散剤としては、エチレンビスアマイド系のワックス或は金属石鹸が用いられる。
図12に示す図表1に、白鍵用組成物に含まれる各成分の組成比と、黒鍵用組成物に含まれる各成分の組成比とを示した。図表1では、各成分の重量比となる重量部で組成を表している。
【0053】
着色剤としては、白鍵用組成物では、二酸化チタンを必須の成分とし、群青、およびチタンエロー系顔料を含ませた白色系着色剤を好ましく用いることができる。混合量は、PMMA100重量部に対して0.1〜1.50重量部で、この範囲の量であれば、白鍵として十分な白さをもつ高級感のある色調と、押鍵指示のために光透過性と、を両立させることができる。着色剤が0.1重量部未満であると、ベースポリマーの透明感が出てしまい白鍵20として十分な色調を満たすことができず、1.50重量部を超えると望ましい光透過性を得ることができない。
二酸化チタンは白色の顔料であり、白鍵用組成物の白さを出すために必須な成分である。群青は青色系無機顔料であり、青みを出すために添加されるものであるが、逆に言えば黄色を吸収することから、組成物の黄色の程度を微調整するための成分であるとも言える。チタンエロー系顔料は黄色の顔料であり、黄色みを出すために添加されるものである。
【0054】
黒鍵用組成物では、黒色系着色剤としてドライカラーのカーボンブラックを用いる。黒鍵30に艶を出すため粒子径は小さい方がよく、平均粒子径は15〜40nm程度のものが好ましく、16〜22nmのものがさらに好ましい。
カーボンブラックの組成量は、PMMA100重量部に対して0.01〜0.04重量部であり、この範囲の量であれば、黒鍵として十分な黒さをもつ高級感のある色調と光透過性とを両立させることができる。0.01重量部未満であると十分な黒色が得られずダークブラウンになってしまい、0.04重量部を超えると望ましい光透過度が得られない。
なお、黒色系着色剤としては、カーボンブラックの他にも黒鍵30の色調を調整するために、アニリンブラック(CI.Pigment Black 1)などの顔料、或はCI.Solvent Black 7及び/又はアンスラキノン系などの染料を含ませても良い。
【0055】
光拡散剤は、光を拡散させるためのもので、PMMAと異なる屈折率を有し、表面が滑らかであり、光透過性を有する微小粒子が好ましい。
白鍵用組成物ではポリスチレン架橋体または硫酸バリウムが好ましく、黒鍵用組成物ではポリスチレン架橋体が好ましい。黒鍵用組成物において硫酸バリウムを使用しない理由は、粒子表面の反射光による散乱光が多く、黒鍵30が濁ったような色調になることがある為である。
【0056】
光拡散剤となるポリスチレン架橋体および硫酸バリウムの混合量は、照光部P、Qを照光するLED18b、18c、18dからの光が適度に拡散され、白鍵20や黒鍵30の上方からLED18b、18c、18dの輪郭が明瞭に浮かび上がることがなく高品位に照光される最小限の量でよい。
すなわち、白鍵用組成物ではPMMA100重量部に対して0〜3重量部であり、黒鍵用組成物ではPMMA100重量部に対して0.3〜3重量部である。白鍵用組成物および黒鍵用組成物のいずれにおいても、3重量部を超える量を添加すると色調に影響して好ましい色合いが得られない。白鍵用組成物では、上述の混合量で着色剤(すなわち二酸化チタンを必須の成分とする上述の着色剤)が含まれていれば、光拡散剤を含ませなくても良好な光拡散が得られる。黒鍵用組成物では、着色剤を含める量の如何にかかわらず、0.3重量部以下では充分な光拡散効果が得られない。
【0057】
ポリスチレン架橋体は、三次元架橋構造を有し熱を加えても溶けにくい性質を有するもので、ほぼ真球に近い形状のものを用いると良好な手触り感が得られるために好ましい。ポリスチレン架橋体の平均粒子径は、コールターカウンター法で測定して0.5〜17μm程度であれば良く、好ましくは4.0〜8.0μmである。
硫酸バリウムは、ポリスチレン架橋体と比べて粒子表面が滑らかではなく、白鍵用組成物に若干ザラツキが出やすい傾向があるが、低コストである他、耐候性、化学的・熱的安定性に優れている。本発明においては、硫酸バリウムの中でも、沈降現象を利用して得られた角の少ない微粒子である沈降性硫酸バリウムが特に好ましい。
【0058】
以上の白鍵用組成物および黒鍵用組成物は次のような方法により加工され白鍵20および黒鍵30に形成される。
たとえば、加熱等により軟化させたベースポリマー(PMMA)に対して、光拡散剤、着色剤等を添加し、押し出し機内においてせん断力をかけながら混練し、光拡散剤、着色剤等をベースポリマーにミクロに分散させることによって、白鍵用組成物や黒鍵用組成物を得る。他に、ベースポリマーを溶媒に溶解させた溶液に光拡散剤、着色剤等を組成し十分に撹拌する方法で組成物を得てもよい。
なお、上記のように、ベースポリマーを加熱したりあるいは溶媒に溶解し、光拡散剤等を混合する工程は、光拡散剤そのものが実質的に溶解あるいは軟化することがないような条件で行われる。
このようにして得られた組成物は、押し出し工程、カッティング工程を経て、白あるいは黒に着色された着色ペレットに成形される。この着色ペレットを型成形することによって白鍵20および黒鍵30が形成される。
【0059】
[比較実験]
以下、図13、図14を参照して、ベースポリマー(PMMA)に対する光拡散剤と着色剤との組成を変量して作成した多数の着色ペレットをサンプルとして行った比較実験の結果を説明する。
比較実験は、着色ペレットを透過した光の照度を測定すると共に、官能検査により見た目の観察による色合いと光拡散の評価と手触り感とを確認した。
本発明の好適な例として、白色系着色剤では二酸化チタン・群青・チタンエロー系顔料を用い、黒色系着色剤ではカーボンブラック(黒色系ドライカラー)を用いた。
照度測定は、図示はしないが、光源となるLEDを内蔵した簡単な箱体を作製し、その上に着色ペレットを載置し、LEDを点灯させて着色ペレットを透過する光の照度を測定した。ここで用いたLEDは、実際に本発明の鍵盤装置1において組み込まれるものと同程度の輝度を有し、白鍵用組成物については1750(lx)の照度をもつ単体の赤色LEDを用い、黒鍵用組成物については1300(lx)の照度をもつ単体の赤色LEDを用いた。また、LEDから着色ペレットまでの距離も、鍵盤装置1におけるLED18b、18c、18dと白鍵20・黒鍵30との距離と同程度に設定した。なお、着色ペレットは実際の鍵盤を想定し板厚1.6mmで試作した。以上の条件で行った照度測定では、好ましい組成であるか否かの基準値は、白鍵用組成物では40(lx)以上、黒鍵用組成物では11(lx)以上であった。
【0060】
白鍵用組成物における実験結果の一覧を表2に示す。
【表2】
Figure 0003882604
黒鍵用組成物における実験結果の一覧を表3に示す。
【表3】
Figure 0003882604
【0061】
図13に基づいて、白鍵用組成物における実験結果を説明する。
図13は、表1に示す実験結果をプロットしたグラフであり、横軸は光拡散剤の量を、縦軸は二酸化チタンの量を、いずれもベースポリマー100重量部に対して示している。
各着色ペレットを比較した結果、図13のA−A線より着色剤の量が多いと、着色ペレットの透明度が低下し、LEDの光が十分に透過できず好ましくない。1.5重量部よりも多く添加したサンプル(NO15、16)では、基準となる70(lx)以上の照度が得られなかった。また、図13のB−B線より着色剤の量が少ないと、白鍵として良好な白度をもつ表面色が得られず好ましくない。また、C−C線より光拡散剤の量が少ないと、LEDからの光線があまり拡散せず、ペレット表面にLEDの輪郭が明瞭に見えてしまい好ましくないが、B−B線よりも多い量の着色剤が含まれる場合には、光拡散剤を全く含めなくとも適度な拡散効果が得られ、LEDの輪郭が明瞭に見えることはなかった。すなわち、着色剤として含めた二酸化チタンにも光拡散の効果があり、本発明の白色用組成物ではB−B線よりも多くの量の着色剤を含めれば、光拡散剤の添加は必ずしも必要ではないことが解った。さらに、光拡散剤にもペレットを着色する作用があり、D−D線より多い量の光拡散剤が含まれていると、白鍵として良好な高級感のある色味が得られず好ましくない。
【0062】
上記のことを全て考慮すると、白鍵用組成物として良好な組成比の範囲は、図13に示す網掛けを付した領域であり、具体的な数字で言えば、着色剤0.10〜1.50重量部程度、光拡散剤0〜3.0重量部程度が好ましいことが分かった。
【0063】
図14に基づいて、黒鍵用組成物における実験結果を説明する。
図14は、表3に示す実験結果をプロットしたグラフであり、横軸は光拡散剤の量を、縦軸はカーボンブラック(黒色系ドライカラー)の量を、いずれもベースポリマー100重量部に対して示している。
各着色ペレットを比較した結果、図14のA−A線より着色剤の量が多いと、LEDの光が着色ペレットを十分に透過できず好ましくない。0.045重量部の着色剤を添加したサンプル(NO6)では、光透過性が極端に低下して0.8(lx)であった。また、図14のB−B線より着色剤の量が少ないと、黒度が低く黒鍵として良好な表面色が得られず好ましくない。
光拡散剤については、C−C線より少ないとLEDからの光線があまり拡散せず、LEDの輪郭が明瞭に見えるようになり好ましくない。3.0重量部よりも少ない量を添加したサンプル(NO11、12)では充分な光拡散効果が得られなかった。また、D−D線より多い量の光拡散剤を含めると、白濁した色合いとなり好ましくない。
上記のことを全て考慮すると、黒鍵用組成物として良好な組成比の範囲は、図14に示す網掛けを付した領域であり、具体的な数字で言えば、着色剤0.01〜0.04重量部程度、光拡散剤0.30〜3.0重量部程度が好ましいことが分かった。
【0064】
以上の本発明の実施の形態の鍵盤装置1によれば、上述の白鍵用組成物や黒鍵用組成物からなる白鍵20や黒鍵30の照光部P、Qに背面側から照射される光は、適度に拡散された状態で透過して表面から出射する。また、光源から照光部P、Qまでの距離、照光部P、Qの板厚、及び光源照度は、図8〜図10に示したデータに基づいて所定範囲に限定している。
これにより、演奏者には照光部P、Qそのものがほぼ均一に光って見え、光を発したLED18b、18c、18dの輪郭が明瞭に浮かび上がることなく高品位な押鍵指示ができ、しかも、白鍵20および黒鍵30として高級感のある色調を両立させることができる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では、白鍵20および黒鍵30に対応させてハンマーアーム40をそれぞれ設け、ハンマーアーム40により押鍵時にアクション荷重を付与する鍵盤装置1について述べたがこの構成に限定されない。例えば、白鍵20および黒鍵30と鍵盤シャーシ10との間にコイルばねなどのばね部材(図示しない)をそれぞれ設け、これらばね部材により白鍵20および黒鍵30を初期位置に付勢させるようにした鍵盤装置にも適用することができる。
この場合には、ばね部材が付勢手段となり、ハンマーアーム40とその周辺の構成が不要であり、構成の簡易化が図られる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更可能であることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明によれば、透明性を有するベースポリマーとなるポリメチルメタクリレート100重量部に対して、二酸化チタンを含む白色系着色剤0.10〜1.50重量部の他に、ポリスチレン架橋体および硫酸バリウムのいずれかからなる光拡散剤0〜3重量部とから白鍵用組成物が得られる。この白鍵用組成物により白鍵を作製しているので、高級感のある色調をもたせられると共に、白鍵を背面側から照光する光源の輪郭が明瞭に浮かび上がることなく高品位な押鍵指示ができる品質の白鍵を有する鍵盤装置となる。
【0067】
さらに、前記白鍵用組成物により白鍵が形成されているので、白鍵の押鍵操作面の背面側から照光部を照光したとき、照光部が光って見えるようになる。従って、メモリ等から呼び出した練習曲に応じて選択的に各光源を点灯した際、照光部が光って見えることから、アイポイントを鍵盤から動かさなくても次に押すべき鍵盤が光る様子を見ることができ、初心者にとって分かり易く使いやすいナビゲート機能となる。
【0068】
加えて、白鍵が初期位置にあるとき、すなわち押鍵していないときの前記光源から前記照光部の表面までの距離は8mm以上27mm以下であり、前記白鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上6.0mm以下であり、前記光源の照度は、228ルクス以上であることから、光源からの光は演奏者が容易に視認できる程度に白鍵を透過しナビゲート機能を発揮できるとともに、白鍵表面に光源の輪郭が浮かび上がることなく高品位な鍵盤となる。
【0069】
請求項4〜6のいずれかに記載の発明によれば、透明性を有するベースポリマーとなるポリメチルメタクリレート100重量部に対して、カーボンブラックを含む黒色系着色剤0.01〜0.04重量部の他に、光拡散剤となるポリスチレン架橋体0.30〜3.0重量部とから黒鍵用組成物が得られる。この黒鍵用組成物により黒鍵を作製しているので、高級感のある色調をもたせられると共に、黒鍵を背面側から照光する光源の輪郭が明瞭に浮かび上がることなく高品位な押鍵指示ができる品質の黒鍵を有する鍵盤装置となる。
【0070】
さらに、黒鍵が初期位置にあるとき、すなわち押鍵していないときの前記光源から前記照光部の表面までの距離は、8mm以上29mm以下で、前記黒鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上3.0mm以下であり、前記光源の照度は、188ルクス以上であることから、光源からの光は演奏者が容易に視認できる程度に黒鍵を透過しナビゲート機能を発揮するとともに、黒鍵表面に光源の輪郭が浮かび上がることなく高品位な鍵盤となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の鍵盤装置1を示す図である。
【図2】図1の白鍵20の長手方向の断面を示す図である。
【図3】図1の黒鍵30の長手方向の断面を示す図である。
【図4】隣り合う白鍵20および黒鍵30を示す図である。
【図5】図4に示すA−A'線に沿う断面を示す図である。
【図6】白鍵20の長手方向の一部断面図であり、(a)は光源から照光部までの距離H1を示し、(b)は白鍵20の板厚T1を示す。
【図7】黒鍵30の長手方向の一部断面図であり、(a)は光源から照光部までの距離H2を示し、(b)は黒鍵30の板厚T2を示す。
【図8】光源から白鍵20及び黒鍵30までの距離と天面照度の関係を調べた結果を示したもので、(a)は得られたデータをまとめた図表であり、(b)は(a)をグラフ化したものである。
【図9】白鍵20及び黒鍵30の板厚と天面照度の関係を調べた結果を示したもので、(a)は得られたデータをまとめた図表であり、(b)は(a)をグラフ化したものである。
【図10】電流値及び光源照度の変化に対する、白鍵20及び黒鍵30の天面照度の変化を調べた結果を示したもので、(a)は得られたデータをまとめた図表であり、(b)、(c)は(a)をグラフ化したものである。
【図11】図10の結果を得た光源とは異なる光源を用いて電流値と光源照度の関係を調べた結果をまとめた図表である。
【図12】白鍵用組成物および黒鍵用組成物の組成を示す図表である。
【図13】白鍵用組成物における比較実験の結果を示すグラフである。
【図14】黒鍵用組成物における比較実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鍵盤装置
18b 黄色LED(光源の一部)
18c 赤色LED(光源の一部)
18d 2色LED(光源の一部)
20 白鍵
23 鍵回動支持軸(軸)
30 黒鍵
40 ハンマーアーム
42 鍵当接部
44 ハンマー部
P 照光部
Q 照光部
R1、R2 光源

Claims (6)

  1. 透明性を有するベースポリマー100重量部と、白色系着色剤0.10〜1.50重量部と、光を拡散させる光拡散剤0〜3重量部とを含み、前記ベースポリマーはポリメチルメタクリレートであり、前記白色系着色剤は二酸化チタンを含み、前記光拡散剤はポリスチレン架橋体および硫酸バリウムのいずれかを用いた白鍵用組成物から形成され、押鍵指示のために照光される照光部を有するとともに、演奏前の初期位置からほぼ基端部を中心として水平な軸まわりに回動自在に設けられた白鍵と、
    前記照光部を前記白鍵の押鍵操作面の背面側から照光する光源と、
    前記白鍵が通常は前記初期位置に保持されるように付勢すると共に、演奏時に押圧されて回動した前記白鍵を前記初期位置に戻す付勢手段とを備え、
    前記白鍵が初期位置にあるときの前記光源から前記照光部の表面までの距離は、8mm以上27mm以下であり、
    前記白鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上6.0mm以下であり、
    前記光源の照度は、228ルクス以上であることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 前記白鍵用組成物における前記白色系着色剤は、群青、チタンエロー系顔料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 前記付勢手段は、前記白鍵の下方で水平な軸まわりに回動自在に設けられるハンマーアームであり、
    該ハンマーアームは、前記白鍵の下部側において摺動自在に当接する鍵当接部と、該鍵当接部を通常は上方に付勢して前記白鍵の下部側に当接させる自重をもつハンマー部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤装置。
  4. 透明性を有するベースポリマー100重量部と、光を拡散させる光拡散剤0.30〜3.0重量部と、黒色系着色剤0.01〜0.04重量部とを含み、前記ベースポリマーはポリメチルメタクリレートであり、前記光拡散剤はポリスチレン架橋体であり、前記黒色系着色剤はカーボンブラックを含む黒鍵用組成物から形成され、押鍵指示のために照光される照光部を有するとともに、演奏前の初期位置からほぼ基端部を中心として水平な軸まわりに回動自在に設けられた黒鍵と、
    前記照光部を前記黒鍵の押鍵操作面の背面側から照光する光源と、
    前記黒鍵が通常は前記初期位置に保持されるように付勢すると共に、演奏時に押圧されて回動した前記黒鍵を前記初期位置に戻す付勢手段とを備え、
    前記黒鍵が初期位置にあるときの前記光源から前記照光部の上面までの距離は、8mm以上29mm以下であり、
    前記黒鍵の前記照光部における板厚は、1mm以上3.0mm以下であり、
    前記光源の照度は、188ルクス以上であることを特徴とする鍵盤装置。
  5. 前記黒鍵用組成物における前記黒色系着色剤は、色調を調整する染料若しくは顔料をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の鍵盤装置。
  6. 前記付勢手段は、前記黒鍵の下方で水平な軸まわりに回動自在に設けられるハンマーアームであり、
    該ハンマーアームは、前記黒鍵の下部側において摺動自在に当接する鍵当接部と、該鍵当接部を通常は上方に付勢して前記黒鍵の下部側に当接させる自重をもつハンマー部とを備えることを特徴とする請求項4または5に記載の鍵盤装置。
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