JP3882404B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、特にトラック等の大型車両のメインブレーキであるフットブレーキを補助するために適用される渦電流式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人であるいすゞ自動車株式会社が先に開発し、そして同社から出願された特願平10−106963号明細書に開示された渦電流式減速装置は、回転軸に連結された制動ドラムと、制動ドラムの内側に同軸に配設された環状のケースとを備えている。ケースは、制動ドラムの内周面に近接した、非磁性体からなる外周壁を備えている。ケース内には非磁性体からなる支持筒が軸方向移動可能に支持されている。支持筒には周方向に間隔おいて複数の永久磁石が支持されている。磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有している。ケースの上記外周壁には、磁石の各々に対し、各磁極面との間にそれぞれ対向面が形成されるよう、一対の強磁性部材が半径方向内側に延び出すように配設されている。強磁性部材の各々は、制動ドラムの内周面に面する一つの対向面を有するよう外周壁に配設されている。支持筒は、アクチュエータによって、磁石の各々における磁極面の各々が対応する強磁性部材の対向面と対向する制動位置と、対応する強磁性部材から退避する非制動位置とに軸方向に往復移動させられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記渦電流式減速装置においては、強磁性部材の各々の、制動ドラムの内周面に面する対向面は一つであるため、磁石側と制動ドラム内周面との間に形成される磁束の流路が一つの磁石について最少の2箇所に限られる。制動トルクは、制動ドラムで発生する渦電流の数、すなわち渦電流における制動ドラムの回転軸方向成分の数が多いほど増大するが、上記渦電流式減速装置において形成される磁束の流路は一つの磁石について最少の2箇所であるため、渦電流の回転軸方向成分の数は最少である(図20参照)。したがって所定の磁力を有する磁石の使用数が同じであるとすると、得られる制動トルクには限界があり、所望する十分な制動トルク(制動力)が得られない。また強磁性部材の各々の、制動ドラムの内周面に面する半径方向外側先端部における磁束密度を十分に高めることができず、したがって十分な制動トルクが得られない。
【0004】
本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、磁石側と制動ドラム内周面との間に形成される磁束の流路を増加させることによって制動ドラムで発生する渦電流の数を増加させ、その結果、制動トルクを増大させることができる、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、制動ドラム内周面に対向する強磁性部材の先端部における磁束密度を高めることによって、制動トルクを増大させることができる、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0006】
本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成された渦電流式減速装置の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒に周方向に間隔をおいて支持されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面との間にそれぞれ対向面が形成されるよう上記外周壁に配設された一対の強磁性部材とを備え、強磁性部材の各々は、上記外周壁の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の対向面を有する、
ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0008】
本発明の他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面にそれぞれ密着して支持筒に配設された一対の強磁性部材とを備え、強磁性部材の各々は、支持筒の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の対向面を有し、上記外周壁は非磁性体からなる薄板により構成される、
ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0010】
本発明の更に他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面にそれぞれ密着してかつ上記外周壁の内周面に面する対向面を有するよう支持筒に配設された一対の強磁性部材と、支持筒の強磁性部材の各々に対応して上記外周壁に配設された強磁性部材とを備え、上記外周壁の強磁性部材の各々は、支持筒の強磁性部材の対向面に面する内側対向面と、上記外周壁の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の外側対向面とを有する、
ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0012】
本発明の更に他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各々に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有すると共に支持筒の各々間で並列される複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面にそれぞれ密着してかつ上記外周壁の内周面に面する対向面を有するよう支持筒の各々に配設されると共に支持筒の各々間で並列される一対の強磁性部材と、支持筒の各々間で並列される強磁性部材の各々に対応してその一方から他方にわたって延在するよう上記外周壁に配設された強磁性部材とを備え、上記外周壁の強磁性部材の各々は、支持筒の各々間で並列される強磁性部材の各々の対向面に面する内側対向面と、上記外周壁の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の外側対向面とを有する、
ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態を添付図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図1〜図19において実質上同一部分は同一符号で示されている。図1を参照して、図示しないトラックにおけるトランスミッションの出力軸(回転軸)2には、半径方向外方に延びるフランジ部4が取り付けられている。フランジ部4には、パーキングブレーキ用の制動ドラム6と、渦電流式減速装置用のロータである制動ドラム7とが複数のボルト8により共締めされている。以上の構成により制動ドラム7は出力軸2に連結される。制動ドラム7は鉄などの透磁率の大なる強磁性体から形成されている。制動ドラム7の半径方向外側及び軸方向の外側には複数の冷却フィン9が一体に設けられている。制動ドラム7の内側(環状空間の内側)には、中空円環状のケース10が同軸に配設されている。図示しないミッションケースに装着されたケース10は、全体がほぼ円筒形状をなす外周壁12と、外周壁12よりも小径の内周壁14と、外周壁12及び内周壁14の軸方向両端においてそれらを連結するように配設された円環状の端壁16及び18とから構成されている。ケース10の軸方向のほぼ半分は制動ドラム7の内側に配置されている。
【0014】
ケース10における外周壁12の、制動ドラム7の軸方向の外側に位置付けられた軸方向の一部分である外側部分12aと、外側部分12aの軸方向の一端から半径方向内側に延びる端壁16と、端壁16の半径方向内端から軸方向の他端に向かって制動ドラム7の内側に延びる内周壁14とは、縦断面において、水平方向に向けられたほぼチャンネル形状(外周壁12の外側部分12aよりも内周壁14の方がほぼ倍ほど長いので長さ違いのチャンネル形状)をなすよう、例えばアルミニウムなどの非磁性体から一体に形成されている。外周壁12の上記内側部分12aの内面部には、鉄あるいはスチール等の磁性体からなる円筒状の磁性部材15がその全周にわたって一体に鋳込まれている。したがって上記内側部分12aの内周面は、磁性部材15の内周面により規定されている。また、外周壁12の、制動ドラム7の内側において制動ドラム7の内周面に近接して位置付けられた内側近接部分12bを含む軸方向の他の部分と、該他の部分の軸方向の一端から半径方向内側に延びる端壁18とは、縦断面がほぼ逆L形状をなすよう、例えばアルミニウムなどの非磁性体から一体に形成されている。ケース10はこれら二つの環状部材から構成されている。外周壁12の外側部分12aは、内側近接部分12bを含む他の部分よりも肉厚に形成されている。外周壁12の、内側近接部分12bを含む他の部分の軸方向の他端であって、制動ドラム7の開放端に対し軸方向の外側において近接した他端には、半径方向外方に延びる環状のフランジ部12cが形成されている。ケース10における内周壁14の、制動ドラム7の内側に位置する軸方向の他端には、半径方向内方に延びる環状のフランジ部12dが形成されている。ケース10を構成する上記二つの環状部材は、複数のボルト12e及び12fにより、上記フランジ部12c及び12dの各々を介して一体に結合されている。ケース10の円環状の中空部は、図1に示すように縦断面がほぼ矩形状をなしている。
【0015】
図1〜図3を参照して、ケース10の中空部内には、例えばアルミニウムなどの非磁性体からなる支持筒20が軸方向移動可能に支持されている。円筒形状をなす支持筒20の外周部には、周方向に等間隔をおいて複数の磁石22が配設されている。磁石22の各々は、ほぼ直方体形状をなす永久磁石から構成され、それぞれ周方向両端に磁極面を有している。磁石22の各々は、相互に周方向に間隔をおいて対向する磁極面の極性が異極(N−S)となるように配列されている。ケース10の外周壁12、更に具体的には外周壁12b(制動ドラム7の内周面に近接して位置付けられた上記内側近接部分12b)の一部には、磁石22の各々に対し、各磁極面との間にそれぞれ対向面が形成されるよう、一対の強磁性部材(ポールピース)24が一体に配設されている。各対における強磁性部材24の各々は、外周壁12bから半径方向内側に延びるよう、その半径方向外側先端部(基部)がほぼ一定の肉厚を有する外周壁12bと一体に形成されている。各対における強磁性部材24の各々の周方向の一端面は、対応する磁石22の磁極面に近接してほぼ全面的に面する対向面を有すると共に、該対向面から、外周壁12bに一体に鋳込まれた基部(半径方向外側先端部)の該外側先端に向かうにしたがって相互に周方向に近付いてゆく傾斜面を有し、各々の先端面(半径方向内側先端面)は支持筒20の外周面に近接して位置付けられ、また各々の周方向の他端面は、該先端面から、基部の該外側先端に向かうにしたがって相互に周方向に離れてゆく傾斜面を有している。したがって強磁性部材24の各々の、外周壁12bから半径方向内側に延び出た部分は、制動ドラム7の軸方向から見て、図2に示すようにほぼ逆台形状をなしている。
【0016】
鉄などの透磁率の大なる強磁性体から形成された上記強磁性部材24の各々は、非磁性体からなる外周壁12bの一部により周方向に分割された(仕切られた)、制動ドラム7の内周面に面する複数の(図示の実施形態では2個の)対向面24aを有するよう外周壁12bに一体に配設される。換言すれば、強磁性部材24の各々は、各々の上記外側先端部である基部が、外周壁12bの周方向に間隔をおいて形成された複数の(図示の実施形態では2個の)貫通孔内に鋳込まれる(埋め込まれる)形態で一体に成形されている。強磁性部材24の各々における対向面24aの各々は、外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。強磁性部材24の各々の、外周壁12bに鋳込まれた基部は、強磁性部材24の各々における周方向の両端部に配置されると共に周方向の中間部は外周壁12bにより周方向に仕切られ、基部の各々の周方向の両端面と、対応する対向面24aとの間は、制動ドラム7の軸方向から見て鋭角をなしている(図2参照)。強磁性部材24の各々間も、外周壁12bの一部により周方向に仕切られている。なお、強磁性部材24の各々の軸方向長さ(図1において左右方向の長さ)は、対応する磁石22のそれとほぼ同じに規定される(図示の実施形態では強磁性部材24の各々の軸方向長さの方が若干長く規定されている)。強磁性部材24の各々及び磁石22の各々は、それぞれにおいて実質上同一の断面形状で軸方向に延在するよう形成されている。
【0017】
ケース10には、支持筒20を軸方向に往復移動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータであるエアシリンダ機構30が付設されている。エアシリンダ機構30は、ケース10の端壁16の外側に装着されたシリンダ32と、シリンダ32内に摺動自在に収容されたピストン34と、ピストン34と支持筒20とを連結するピストンロッド36とを備えている。ピストンロッド36は、端壁16を貫通してピストン34からケース10の中空部内に延びるよう配設され、図示しない適宜の構成により支持筒20に連結されている。
【0018】
シリンダ32内はピストン34により二つの室に区画され、一方の室(図1において左側の室)に、圧力エア供給源である図示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピストン34及びピストンロッド36を介して支持筒20及び磁石22の各々が一体に図1において右方に移動させられ、磁石22の各々における磁極面の各々が対応する強磁性部材24の周方向の対向面と近接して対向する、制動位置に位置付けられる。またこの制動状態において、シリンダ32内の他方の室(図1において右側の室)に図示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピストン34及びピストンロッド36を介して支持筒20及び磁石22の各々が一体に図1において左方に移動させられ、磁石22の各々における磁極面の各々が、対応する強磁性部材24から退避する、非制動位置に位置付けられる。なお、エアシリンダ機構30は周方向に等間隔をおいて複数個、例えば3個配設されることが好ましい。
【0019】
以上のように構成された渦電流式減速装置を作動させて、走行中の大型トラックに制動(補助制動)を作用させる(制動ONとする)場合には、エアシリンダ機構30を作動させて支持筒20及び磁石22の各々を制動位置に位置付ける(図1において実線で示される位置及び図2、図3参照)。制動ドラム7の内側において、磁石22の各々における磁極面の各々は、対応する強磁性部材24の周方向の対向面と対向するよう位置付けられる。強磁性部材24の各々において、対応する磁石22の磁極面に面する周方向の対向面が一つであるのに対し、半径方向外側先端部である基部は外周壁12bにより周方向に2分割されることにより、制動ドラム7の内周面に対向する対向面24aが二つに分割されるため、強磁性部材24の各々と制動ドラム7の内周面との間に形成される磁束の流路は、図2に示すように、一つの磁石22について少なくとも4箇所で形成される。磁束の流路が一つの磁石22について少なくとも4箇所であるため、回転する制動ドラム7がこれら少なくとも4箇所の磁束を横切るとき、制動ドラム7には、一つの磁石22について少なくとも4箇所で渦電流が発生することになる(図19参照)。
【0020】
このため、渦電流の回転軸方向成分の数は一つの磁石22について少なくとも8個となり、従来の渦電流式減速装置における4個(図20参照)と比較して倍増される。その結果、制動ドラム7に発生する制動トルクを大幅に増大させることができ、従来装置に比較して制動力を大幅にアップさせることが可能になり、トラックの補助制動の効果が従来よりも大幅に向上させられる。このことは逆に、従来と同じ制動力を得る場合には、磁石22の数を従来よりも減らすことが可能になり、したがって渦電流式減速装置におけるコスト低減及び軽量化が可能になる。
【0021】
また、強磁性部材24の各々は、上記したように、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する複数の(図示の実施形態では2個の)対向面24aを有するよう構成されているので、換言すれば、強磁性部材24の各々は、制動ドラム7の内周面に対向する半径方向外側先端部において周方向に磁気的に分割されているので、磁石22と制動ドラム7の内周面との間に形成される磁束の流れが、該先端部において分割されて(磁石22の磁極面からの磁束が2か所に集中されて)制動ドラム7の内周面との間に有効に形成され、強磁性部材24の各々の対向面24aを含む該先端部において磁束密度を大幅に高めることが可能になり、この面においても制動トルクを増大させることができる。
【0022】
強磁性部材24の各々間及び対向面24aの各々間は、非磁性体である外周壁12bの一部により分割されているので(仕切られているので)、相互に磁気的に絶縁され、磁気洩れも確実に防止され、制動トルクの増大に寄与することができる。上記したように、強磁性部材24の各々の、外周壁12bに埋め込まれた基部の各々の周方向の両端面と対応する対向面24aとの間は、制動ドラム7の軸方向から見て鋭角をなしているので、強磁性部材24の各々の対向面24aと制動ドラム7の内周面との間の磁束の流れにおける磁気飽和が効果的に防止される。
【0023】
制動を解除させて非制動に切り換える(制動をOFFに切り換える)場合には、エアシリンダ機構30を作動させて支持筒20及び磁石22の各々を非制動位置に位置付ける(図1において2点鎖線で示される位置参照)。磁石22の各々は、支持筒20と共に制動ドラム7の内側から軸方向に退避させられ、ケース10の外周壁12a(制動ドラム7の外側に位置付けられた上記外側部分12a)の内周面を規定する磁性部材15に包囲された位置に位置付けられる。したがって磁石22の各々における磁極面の各々は、対応する強磁性部材24の周方向の対向面から退避させられる。その結果、磁石22の各々と磁性部材15との間には磁気回路が短絡して形成されるので、磁石22の各々は、制動ドラム7に対し磁気を及ぼさなくなり、制動ドラム7には渦電流が発生しないので、制動が完全に解除される。
【0024】
なお、上記実施形態においては、磁性部材15は円筒状をなし、上記外周壁12aの内周部の全周にわたって連続して延在するよう配設されているが、これに代えて、非制動位置に位置付けられた磁石22の各々に対向する、上記外周壁12aの内周部位置に、それぞれ周方向に間隔をおいて磁性部材を不連続に配設する実施形態もある。いずれの実施形態においても、非制動位置に位置付けられた磁石22の各々と上記外周壁12aの円筒状磁性部材15又は不連続の磁性部材の各々との間に短絡磁気回路が形成されるので、制動が完全に解除されると共に磁気洩れが防止され、しかも支持筒20は非制動位置に確実に保持される。また図7に示すように、ケース10の上記外周壁12a全体をアルミニウム等の非磁性体から形成し、その内周部に、周方向に間隔をおいて軸方向に延在する複数の凹溝13を形成し、磁石22の各々が非制動位置に移動させられた状態において、磁石22の各々が対応する凹溝13内に隙間をおいて位置付けられるよう構成する実施形態もある。このような構成によっても、制動ドラム7への磁気漏れを防止することができる。
【0025】
ケース10の、上記強磁性部材24の各々の取付部を除く全体をアルミニウム等の非磁性体により形成する実施形態もある。この実施形態は磁気洩れを防止する観点では好ましいが、少なくとも、制動ドラム7の内側(その近傍も含む)において磁石22の各々に臨む部分(換言すれば、覆う部分もしくは比較的接近した部分)を非磁性体により構成する実施形態も可能である。具体的には、上記実施形態において、少なくも、外周壁12bとその近傍(実施形態ではフランジ部12c)、端壁18、及び内周壁14における、制動ドラム7の内側に位置する部分とその近傍を非磁性体により構成する実施形態を挙げることができる。この実施形態によっても、磁気洩れを防止することは可能である。更にはまた、ケース10の、少なくとも、制動ドラム7の内側に配置された上記外周壁12bとその近傍(実施形態ではフランジ部12c)及び端壁18を非磁性体により構成することにより同様な効果を得ることは可能である。この実施形態においては、内周壁14が強磁性体により構成される場合を含んでいるが、支持筒20の肉厚を十分厚く形成することにより、磁気洩れを防止することができる。またいずれの実施形態においても、ケース10の、制動ドラム7の内側(その近傍も含む)において磁石22の各々に臨む部分以外の部分(上記実施形態においては、外周壁12a、それに続く端壁16、内周壁14の制動ドラム7の外側に位置する部分)を強磁性体により形成しても、磁気洩れを防ぐことは可能である。したがって、本発明においては、上記ケース10の、少なくとも、制動ドラム7の内側に配置された上記外周壁12bとその近傍及び端壁18を非磁性体により構成することにより、磁気洩れを効果的に防止し、その結果、制動時においては制動トルクの増大に寄与し、非制動実施形態においては制動ドラム7における引きずりトルクの発生を確実に防止するものである。
【0026】
図4〜図6には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。これらの渦電流式減速装置が図1〜図3に示す渦電流式減速装置の実施形態と相違するところは、強磁性部材24の構成のみであり、その他の構成は実質上同一である。
【0027】
図4に示す実施形態においては、ケース10の外周壁12b(上記内側近接部分12b)に一体に配設された強磁性部材24の各々の、外周壁12bから半径方向内側に延び出した部分は、制動ドラム7の軸方向から見て矩形状をなし、外周壁12bに鋳込まれた基部は、矩形状部分の周方向両端よりも中央寄りの部位において、周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる、一対の矩形状の突起部から構成されている。このようにして強磁性部材24の各々は、非磁性体からなる外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に対向する複数の(図示の実施形態では2個の)対向面24aを有するよう外周壁12bに配設される。強磁性部材24の各々における突起部の各々の半径方向外側面は制動ドラム7の内周面に面する対向面24aを規定する。対向面24aの各々は外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。図4に示す渦電流式減速装置のその他の構成は、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一であり、説明は省略する。図4に示す実施形態においても、強磁性部材24の各々は、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する2個の対向面24aを有するよう構成されているので、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一の作用効果が達成される。
【0028】
図5には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。図5に示す実施形態においては、強磁性部材24の各々は、図2に示す強磁性部材24の各々と類似した基本形状を有しているが、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する3個の対向面24aを有するよう外周壁12bに一体に配設されている。強磁性部材24の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、外周壁12bから半径方向内側に延び出した部分は、図2に示す強磁性部材24のそれに類似したほぼ逆台形状をなしている。外周壁12bに鋳込まれた基部は、逆台形状部分の周方向両端から相互に周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる矩形状の両端突起部と、逆台形状部分の周方向中央から両端突起部の各々に対し間隔をおいて半径方向外側に延びる矩形状の中央突起部とを有している。そして基部の両端突起部及び中央突起部の各々の半径方向外側面は、それぞれ制動ドラム7の内周面に面する対向面24aを規定する。対向面24aの各々は外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。図5に示す渦電流式減速装置のその他の構成は、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一であり、説明は省略する。
【0029】
図5に示す実施形態においては、強磁性部材24の各々に、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する3個の対向面24aが設けられているので、渦電流式減速装置の制動時において形成される、強磁性部材24の各々の対向面24aと制動ドラム7の内周面との間の磁束の流路は、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置よりも更に増加する。したがって制動ドラム7に発生する渦電流の数はそれに対応して更に増加するので、制動トルクは一層増大させられる。
【0030】
図6には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。図6に示す実施形態においては、強磁性部材24の各々は、図2に示す強磁性部材24の各々と類似した基本形状を有しているが、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する4個の対向面24aを有するよう外周壁12bに一体に配設されている。強磁性部材24の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、外周壁12bから半径方向内側に延び出した部分が、図2に示す強磁性部材24のそれに類似したほぼ逆台形状をなし、また外周壁12bに鋳込まれた基部が、逆台形状部分の周方向両端よりも中央寄りに部位において、周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる、一対の矩形状の突起部から形成されている。突起部の各々の周方向両端には更に、周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる、一対の矩形状の小突起部が形成されている。そして小突起部の各々の半径方向外側面が制動ドラム7の内周面に面する対向面24aの各々を規定する。強磁性部材24の各々における対向面24aの各々は外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。図6に示す渦電流式減速装置のその他の構成は、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一であり、説明は省略する。
【0031】
図6に示す実施形態においては、強磁性部材24の各々に、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する4個の対向面24aが設けられているので、渦電流式減速装置の制動時において形成される、強磁性部材24の各々の対向面24aと制動ドラム7の内周面との間の磁束の流路は、図5に示す渦電流式減速装置よりも更に増加する。したがって制動ドラム7に発生する渦電流の数はそれに対応して更に増加するので、制動トルクは一層増大させられる。
【0032】
図8及び図9には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。図示しないミッションケースに装着されたケース40は、全体がほぼ円筒形状をなす外周壁42と、外周壁42よりも小径の内周壁44と、外周壁42及び内周壁44の軸方向両端においてそれらを連結するように配設された円環状の端壁46及び48とから構成されている。ケース40の軸方向のほぼ半分は、制動ドラム7の内側(円錐面からなる開放端を除く内周面の内側)に配置されている。
【0033】
ケース40における外周壁42の、制動ドラム7の軸方向の外側に位置付けられた軸方向の一部分である外側部分42aと、外側部分42aの軸方向の一端から半径方向内側に延びる端壁46と、端壁46の半径方向内端から軸方向の他端に向かって制動ドラム7の内側まで延びる内周壁44とは、縦断面において、水平方向に向けられたほぼチャンネル形状(外周壁42の外側部分42aよりも内周壁44の方がほぼ倍ほど長いので長さ違いのチャンネル形状)をなすよう、例えばアルミニウムなどの非磁性体から一体に形成されている。外周壁42の上記外側部分42aの内周部には、図1に示す実施形態と同じとおりにして磁性部材15が配設されている。また、外周壁42の、制動ドラム7の内側において制動ドラム7の内周面に近接して位置付けられた内側近接部分42bを含む軸方向の他の部分は、例えばアルミニウムなどの非磁性体からなる薄板から筒状体をなすように一体に形成されている。半径方向に延在する端壁48はアルミニウムなどの非磁性体からなるリング形状に形成されている。ケース40はこれら三つの環状部材から構成されている。外周壁42の外側部分42aは制動ドラム7とほぼ同じ肉厚に形成されている。制動ドラム7の軸方向の開放端及び外周壁42の外側部分42aの軸方向の開放端は、それぞれ相互に間隔をおいて対向する円錐面をなしている。外周壁42の、薄板からなる内側近接部分42bの軸方向の一端部には内側近接部分42aの円錐面に整合する傾斜部42cが形成され、軸方向の他端には、半径方向内側に延びるフランジ部42dが形成されている。ケース40における内周壁44の、制動ドラム7の内側に位置する軸方向の他端には、半径方向内方に延びる環状のフランジ部42eが形成されている。端壁48は内周壁44にフランジ部42eを介してボルト42fにより結合され、外周壁42の、内側近接部分42bを含む軸方向の他の部分は、その傾斜部42cを外側部分42aの円錐面にボルト42gにより締結することにより外側部分42aに結合されると共に、そのフランジ部42dを端壁48の外周縁部の外側にボルト42hにより締結することにより端壁48に結合される。ケース40の円環状の中空部は、図8に示すように縦断面がほぼ矩形状をなしている。
【0034】
ケース40の中空部内には、例えばアルミニウムなどの非磁性体からなる支持筒20が軸方向移動可能に支持されている。円筒形状をなす支持筒20には周方向に等間隔をおいて複数の磁石22が鋳込まれる形態で一体に配設されている。先の実施形態と実質上同じ形態を有する磁石22の各々は、それぞれ先の実施形態と同じ磁極の向きをもって配列されている。支持筒20にはまた、磁石22の各々に対し、一対の強磁性部材25が鋳込まれる形態で一体に配設されている。各対における強磁性部材25の各々の周方向の一端は、対応する磁石22の磁極面に密着して位置付けられ、各々の周方向の他端は、半径方向外側に向かうにしたがって相互に周方向に離れてゆく傾斜面を有している。したがって強磁性部材25の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、図9に示すようにほぼ逆台形状をなしている。
【0035】
上記強磁性部材25の各々は、非磁性体からなる支持筒20の一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に対し薄板からなる外周壁42bを介して対向する複数の(図示の実施形態では2個の)対向面25aを有するよう支持筒20に配設される。換言すれば、強磁性部材25の各々は、各々の対向面25aのみが、支持筒20の外周面から露呈される形態で一体に成形されている。強磁性部材25の各々が支持筒20の一部により周方向に分割される部分は、半径方向外側の端部である。強磁性部材25の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、逆台形状部の周方向両端から相互に周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる矩形状の両端突起部を有するよう形成されている。これらの両端突起部の各々の半径方向外側面が、それぞれ制動ドラム7の内周面に面する対向面25aを規定する。両端突起部の各々間は支持筒20の一部により周方向に仕切られる。対向面25aの各々は支持筒20の外周面と実質上同一面上に位置付けられている。支持筒20は強磁性部材25の各々よりも厚い肉厚を有している。強磁性部材25の各々の半径方向外側端部間も、支持筒20の一部により周方向に仕切られている。したがって磁石22の各々の半径方向外側は支持筒20の一部により覆われる。ケース40には、図1に示す実施形態と同様に、支持筒20を軸方向に往復移動させて制動と非制動との切換を行なうエアシリンダ機構30が付設されている。図8及び図9に示す渦電流式減速装置のその他の構成は、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一であり、説明は省略する。
【0036】
図8及び図9に示す実施形態においても、強磁性部材25の各々は、支持筒20の一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に対し薄板からなる外周壁42bを介して面する2個の対向面25aを有するよう構成されているので、制動時において、強磁性部材25の各々の対向面25aと制動ドラム7との間に薄板からなる外周壁42bを通過して形成される磁束の流路は、図9に示すように、一つの磁石22について少なくとも4箇所で形成される。その結果、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一の作用効果が達成される。なお、外周壁42bは0.4mm〜0.8mmの、オーステナイト系ステンレス、アルミニウム、耐熱性合成樹脂、強化繊維入りカーボン材などからなる薄板から形成することができるので、強磁性部材25の各々の対向面25aを、制動ドラム7の内周面に対し十分に接近させることが可能である。
【0037】
図10及び図11には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。この渦電流式減速装置にはケース10が備えられている。このケース10の基本的構成は、図1〜図3に示す渦電流式減速装置に備えられたケース10と実質上同一であり、したがって説明は省略する。ケース10の中空部内には、例えばアルミニウムなどの非磁性体からなる支持筒20が軸方向移動可能に支持されている。円筒状をなす支持筒20には周方向に等間隔をおいて複数の磁石22が鋳込まれる形態で一体に配設されている。先の実施形態と実質上同じ形態を有する磁石22の各々は、それぞれ先の実施形態と同じ磁極の向きをもって配列されている。支持筒20にはまた、磁石22の各々に対し、一対の強磁性部材25が一体に配設されている。各対における強磁性部材25の各々の周方向の一端は、対応する磁石22の磁極面に密着して位置付けられ、各々の周方向の他端は、半径方向外側に向かうにしたがって相互に周方向に離れてゆく傾斜面を有している。したがって強磁性部材25の各々は、制動ドラム7の軸方向から見てほぼ逆台形状をなしている。強磁性部材25の各々は、制動ドラム7の内周面に近接して配置された上記外周壁12bの内周面に面する対向面25aを有し、各々の対向面25aのみが、支持筒20の外周面から露呈される形態で支持筒20に一体に成形されている(鋳込まれている)。対向面25aの各々は支持筒20の外周面と実質上同一面上に位置付けられている。支持筒20は強磁性部材25の各々よりも厚い肉厚を有している。
【0038】
外周壁12bには、支持筒20の強磁性部材25の各々に対応して、複数の(図示の実施形態では2個の)強磁性部材46が周方向に完全に2分割されて一体に配設されている。強磁性部材46の各々は外周壁12bの一部により周方向に完全に分割されている。外周壁12bにおける強磁性部材46の各々は、支持筒20における強磁性部材25の対向面25aに面する内側対向面46aと、制動ドラム7の内周面に対向する外側対向面46bとを有している。強磁性部材46の各々の内側対向面46aは外周壁12bの内周面と実質上同一面上に位置付けられ、また各々の外側対向面46bは外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。したがって、外周壁12bの、強磁性部材46の各々が一体に配設された部分は、強磁性部材46の各々を含めて肉厚がその全周にわたって実質上一定に形成される。支持筒20における強磁性部材25の各々に対応した外周壁12bにおける強磁性部材46の各々は、半径方向内側から外側に向かうにしたがって相互に周方向に離れてゆくように傾斜した形態に構成されている。図1〜図3に示す実施形態と同様に、ケース10には、支持筒20を軸方向に往復移動させて制動と非制動との切換を行なうエアシリンダ機構30が付設されている。図10及び図11に示す渦電流式減速装置のその他の構成は、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一であり、説明は省略する。
【0039】
図10及び図11に示す渦電流式減速装置の制動時において形成される、外周壁12bにおける強磁性部材46の各々の対向面46bと制動ドラム7の内周面との間に形成される磁束の流路は、図11に示すように、一つの磁石22について少なくとも4箇所で形成される。その結果、図1〜図3を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一の作用効果が達成される。図10及び図11に示す渦電流式減速装置の実施形態においてはまた、一つの磁石22において、強磁性部材が、支持筒20側の強磁性部材25の各々と、外周壁12b側の強磁性部材46の各々とに2分割されて、しかも外周壁12b側の強磁性部材46の各々は、外周壁12bの一部としてその厚さ(肉厚)とほぼ同じ厚さ(半径方向寸法)で、外周壁12bに一体に成形されるよう構成されているので、強磁性部材46の各々の厚さを外周壁12bの厚さと共に可能な限り薄くすることが可能である。その結果、磁石22の磁極面の各々と制動ドラム7との間の磁束流路の距離を短縮することが可能となり、磁力の低下を防止することができ、結果として制動トルクを向上させることができる。また上記のように強磁性部材が、支持筒20側の強磁性部材25の各々と、外周壁12b側の強磁性部材46の各々とに半径方向に2分割されるよう構成されているので、強磁性部材46の各々と一体形のケース10の製造が容易となり、また装置の組立も容易となる。なお、図示の実施形態において、外周壁12bには、支持筒20の強磁性部材25の各々に対応して、2個の強磁性部材46が外周壁12bの一部により周方向に完全に2分割されて一体に配設されているが、必要に応じて3個以上の強磁性部材46が同様にして配設される実施形態もある。
【0040】
図12〜図14には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。これらの渦電流式減速装置が図10及び図11に示す渦電流式減速装置の実施形態と相違するところは、強磁性部材47の構成のみであり、その他の構成は実質上同一である。
【0041】
図12に示す渦電流式減速装置の実施形態において、上記外周壁12bには、支持筒20に配設された強磁性部材25の各々に対応して、それぞれ1個の強磁性部材47が一体に配設されている。強磁性部材47の各々の形態そのものは、図4に示す実施形態とほぼ同じである。すなわち強磁性部材47の各々は、支持筒20における強磁性部材25の対向面25aに対し全面的に面する内側対向面47aと、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する複数の(図示の実施形態では2個の)外側対向面47bとを有している。強磁性部材47の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、周方向に延びる矩形状の基部と、基部の周方向両端よりも中央寄りの部位において、周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる、一対の矩形状の突起部とを有している。そして基部の半径方向内側面が強磁性部材25に面する内側対向面47aを規定し、突起部の各々の半径方向外側面が制動ドラム7の内周面に面する外側対向面47bを規定する。強磁性部材47の各々の内側対向面47aは外周壁12bの内周面と実質上同一面上に位置付けられ、また各々の外側対向面47bの各々は外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。図12に示す実施形態において、強磁性部材47の各々は、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する2個の外側対向面47bを有するよう構成されているので、図1〜図3、図4、及び図10及び図11を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一の作用効果が達成される。
【0042】
図13に示す渦電流式減速装置の実施形態において、外周壁12bには、支持筒20に配設された強磁性部材25の各々に対応して、それぞれ1個の強磁性部材47が配設されている。強磁性部材47の各々は、支持筒20における強磁性部材25の対向面25aに対し全面的に面する内側対向面47aと、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に対向する複数の(図示の実施形態では2個の)外側対向面47bとを有している。強磁性部材47の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、周方向に延びる矩形状の基部と、基部の周方向両端から半径方向外側に延びる一対の矩形状の突起部とからなるチャンネル形状をなしている。そして基部の半径方向内側面が強磁性部材25に面する内側対向面47aを規定し、突起部の各々の半径方向外側面が制動ドラム7の内周面に面する外側対向面47bを規定する。強磁性部材47の各々の内側対向面47aは外周壁12bの内周面と実質上同一面上に位置付けられ、また各々の外側対向面47bの各々は外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。図13に示す実施形態において、強磁性部材47の各々は、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する2個の外側対向面47bを有するよう構成されているので、図1〜図3、図4、及び、図10及び図11を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一の作用効果が達成される。
【0043】
図14に示す渦電流式減速装置の実施形態において、外周壁12bには、支持筒20に配設された強磁性部材25の各々に対応して、それぞれ1個の強磁性部材47が配設されている。強磁性部材47の各々は、支持筒20における強磁性部材25の対向面25aに対し全面的に面する内側対向面47aと、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する複数の(図示の実施形態では3個の)外側対向面47bとを有している。強磁性部材47の各々は、制動ドラム7の軸方向から見て、周方向に延びる矩形状の基部と、基部の周方向両端から相互に周方向に間隔をおいて半径方向外側に延びる矩形状の両端突起部と、基部の周方向中央から両端突起部の各々に対し間隔をおいて半径方向外側に延びる矩形状の中央突起部とを有している。そして基部の半径方向内側面が強磁性部材25に対する内側対向面47aを規定し、両端突起部及び中央突起部の各々の半径方向外側面が制動ドラム7の内周面に対する外側対向面47bを規定する。強磁性部材47の各々の内側対向面47aは外周壁12bの内周面と実質上同一面上に位置付けられ、また各々の外側対向面47bの各々は外周壁12bの外周面と実質上同一面上に位置付けられている。図14に示す実施形態において、強磁性部材47の各々は、外周壁12bの一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する3個の外側対向面を有するよう構成されているので、図1〜図3、図5、及び図10及び図11を参照して説明した渦電流式減速装置と実質上同一の作用効果が達成される。
【0044】
図10〜図14に示す渦電流式減速装置において、制動と非制動との切換(ON−OFF)は、磁石22の支持筒20をエアシリンダ機構30により軸方向に往復移動させることにより行なうよう構成されているが、これに代えて、図15及び図16に示すように、ケース50内に磁石22の静止支持筒60及び可動支持筒62を軸方向に並列して(隣接して)配設し、エアシリンダ機構70により可動支持筒62を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成する他の実施形態もある。図15を参照して、制動ドラム7の内側には、中空円環状のケース50が同軸に配設されている。ケース50はそのほぼ全体が制動ドラム7の内側に配置されている。図示しないミッションケースに装着されたケース50は、全体がほぼ円筒形状をなす外周壁52と、外周壁52よりも小径の内周壁54と、外周壁52及び内周壁54の軸方向両端においてそれらを連結するように配設された円環状の端壁56及び58とから構成されている。外周壁52は図15に示すように制動ドラム7の内側に配置されかつ制動ドラム7の内周面に近接して配置されている。外周壁52と端壁56、内周壁54と端壁58は、それぞれ一体に形成され、これら二つの構成部材は複数のボルトにより結合されている。ケース50は、後述する強磁性部材46の各々を除き、全体が例えばアルミニウムなどの非磁性体から構成されている。ケース50の円環状の中空部は、図15に示すように縦断面がほぼ矩形状をなしている。
【0045】
ケース50内の内周壁54には、それぞれ非磁性体からなる静止支持筒60と可動支持筒62とが軸方向に並列して支持されている。静止支持筒60は端壁58に固定され、可動支持筒62は内周壁54に一対のベアリング64を介して正逆回動可能に支持されている。静止支持筒60には、図10及び図11に示す実施形態における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々が同じ形態で一体に配設されている。また可動支持筒62にも、図10及び図11に示す実施形態における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々が同じ形態で一体に配設されている。磁石22の各々及び強磁性部材25の各々は、静止支持筒60及び可動支持筒62間で並列しうるよう(隣接しうるよう)配設されている(換言すれば、互いに同じ形態で配列されている)。静止支持筒60及び可動支持筒62間で並列された磁石22同士は相互に同極となる。ケース50の外周壁52には、図11に示す強磁性部材46の各々が同じ形態で一体に配設されている。強磁性部材46の各々は、静止支持筒60及び可動支持筒62の各々間で並列される強磁性部材25の各々に対応してその一方(静止支持筒60の強磁性部材25)から他方(可動支持筒62の強磁性部材25)にわたって軸方向に延在するよう外周壁52に配設されている。したがって、外周壁52の強磁性部材46の各々は、静止支持筒60及び可動支持筒62の各々間で並列される強磁性部材25の各々の対向面25aに面する内側対向面46aと、外周壁52の一部により周方向に分割された、制動ドラム7の内周面に面する外側対向面46bとを有している。
【0046】
ケース50には、可動支持筒62を静止支持筒60に対して正逆回動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータであるエアシリンダ機構70が付設されている。図15に示すように、エアシリンダ機構70は、ケース50の端壁56を共有するシリンダ72と、シリンダ72内に摺動自在に収容されたピストン74と、ピストン74に連結されたピストンロッド76と、ピストンロッド76と可動支持筒62とを図示しないユニバーサルジョイントを介して連結する連結アーム78とを備えている。連結アーム78は、端壁56に、図の表裏方向に延びるよう形成されたスリットを貫通してピストンロッド76の先端からケース50の中空部内に延びるよう配設され、可動支持筒62に連結されている。エアシリンダ機構70の軸線は、可動支持筒62の接線方向と一致するよう配置される。エアシリンダ機構70は、周方向に等間隔をおいて複数個、例えば2個配置されることが好ましい。
【0047】
シリンダ72内はピストン74により二つの室に区画され、一方の室に、圧力エア供給源である図示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピストン74、ピストンロッド76及び連結アーム78を介して可動支持筒62、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々が一体に一方向に、後述する制動位置から磁石22の各々における半ピッチだけ回動させられる。可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々は非制動位置に位置付けられる。これにより、図16に示すように、可動支持筒62における磁石22の各々は、静止支持筒60の磁石22の各々における周方向の中間位置に位置付けられ、また可動支持筒62における強磁性部材25の各々は、静止支持筒60における強磁性部材25の各々の異極側に並列して位置付けられる(異極同士が隣接される)。その結果、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々と、静止支持筒60における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々との間に、外周壁52の強磁性部材46の各々を介して磁気回路が形成され、制動ドラム7との間は磁気的に遮断されるので、制動ドラム7に対する制動は解除される。
【0048】
またこの非制動状態において、シリンダ72内の他方の室に圧力エアが供給されると、ピストン74、ピストンロッド76及び連結アーム78を介して可動支持筒62、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々が一体に、上記非制動位置から逆方向に磁石22の各々における半ピッチだけ回動させられる。可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々は制動位置に位置付けられる(図11参照)。これにより、可動支持筒62における磁石22の各々は、静止支持筒60の磁石22の各々と同極同士が並列して位置付けられ、また可動支持筒62における強磁性部材25の各々は、静止支持筒60における強磁性部材25の各々の同極側に並列して位置付けられる(同極同士が隣接される)。その結果、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々、静止支持筒60における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々、及び制動ドラム7との間に、外周壁52の強磁性部材46の各々を介して磁気回路が形成されるので(図11参照)、制動ドラム7に対する制動が作動させられる。
【0049】
上記説明から明らかなように、図15及び図16に示す渦電流式減速装置は、図1〜図3、及び図10及び図11を参照して説明した先の実施形態と実質上同じ特徴を有する構成を備えているので、実質上同一の作用効果が達成される。また使用される磁石22の数が比較的多いので、強力な制動トルクが得られ、特に大型車両には有利である。なお、ケース50内に磁石22の静止支持筒60及び可動支持筒62を軸方向に並列して配設し、エアシリンダ機構70により可動支持筒62を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成する上記実施形態は、図12〜図14に示す形態の渦電流式減速装置においても同様にして適用することができる。
【0050】
図17及び図18には、図15及び図16を参照して説明した渦電流式減速装置の実施形態において、ケース50内に可動支持筒62のみを配設し、静止支持筒60を排除した形態の、渦電流式減速装置の他の実施形態が示されている。可動支持筒62には、磁石22の各々及び強磁性部材25の各々が、図12に示す実施形態と実質上同一の形態で配設されている。ケース50の外周壁52には、複数の強磁性部材47が図12に示す実施形態と実質上同一の形態で配設されている。外周壁52における強磁性部材47の各々における内側対向面47aの周方向長さと、強磁性部材47の各々間を周方向に仕切る外周壁52の内周面の各々における周方向長さと、可動支持筒62における磁石22の周方向長さと、可動支持筒62における強磁性部材25の各々の対向面25aの周方向長さと、強磁性部材25の各々を周方向に仕切る可動支持筒62の外周面における周方向長さとは、それぞれ実質上同一に規定されている。ケース50及びエアシリンダ機構70の構成は、図15に示す実施形態と実質上同一であるので説明は省略する。
【0051】
図17に示す渦電流式減速装置を作動させて制動をONとする場合には、図15に示す実施形態と同様にエアシリンダ機構70を作動させて、後述する非制動位置にある、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々を一体に一方向に1/4ピッチだけ回動させて制動位置に位置付ける(図16、及び図18において2点鎖線で示す位置参照)。これにより、可動支持筒62における強磁性部材25の各々の対向面25aは、外周壁52の、対応する強磁性部材47の内側対向面47aに面するよう位置付けられる。その結果、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材25の各々と制動ドラム7との間に、それぞれ外周壁52の強磁性部材47の各々を介して磁気回路が形成されるので、制動ドラム7に対する制動が作動させられる。
【0052】
制動をOFFに切り換える場合には、エアシリンダ機構70を作動させて可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材27の各々を一体に逆方向に1/4ピッチだけ回動させて非制動位置に位置付ける(図18において実線で示す位置参照)。これにより、可動支持筒62における磁石22の各々は、外周壁52の、対応する強磁性部材47に面して位置付けられ、また可動支持筒62における強磁性部材25の各々は、外周壁52の、強磁性部材47の各々を周方向に仕切る部分に面して位置付けられる。その結果、図18に示すように、磁石22の各々及び磁石22の各々を周方向に挟む一対の強磁性部材25の各々と、磁石22の各々に面する外周壁52の強磁性部材47の各々との間、及び可動支持筒62において周方向に磁石22の各々を介在することなく相互に対向する強磁性部材25の各々とそれらの間の可動支持筒62の周方向の一部の各々に面して位置する外周壁52の強磁性部材47の各々との間に、磁気回路が形成され、制動ドラム7との間は磁気的に遮断されるので、制動ドラム7に対する制動は解除される。上記説明から明らかなように、図17及び図18に示す渦電流式減速装置は、図1〜図3、図10及び図11、及び図12を参照して説明した先の実施形態と実質上同じ特徴を有する構成を備えているので、実質上同一の作用効果が達成される。なお、ケース50内に磁石22の可動支持筒62のみを配設し、エアシリンダ機構70により可動支持筒62を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成する上記実施形態は、図13及び図14に示す形態の渦電流式減速装置においても同様にして適用することができる。
【0053】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、上記実施形態においては、磁石22の各々は、相互に周方向に間隔をおいて対向する磁極面の極性が異極(N−S)となるように配列されているが、同極(N−N及びS−S)となるように配列する実施形態も成立する。また、上記実施形態においては、磁石22の各々は永久磁石により形成されているが、これに代えて電磁石を使用する実施形態もある。電磁石は周知のとおりコイルと鉄心の組合せ体であるため、電磁石を上記実施形態において磁石22に置き換えて使用する場合には、電磁石の各々は上記した制動位置に常時固定され、制動と非制動との切り換えは、電磁石の各々を励磁するか又は非励磁とするか、により行なわれる。したがって磁石22の各々を電磁石に置き換えて使用する実施形態においては、支持筒は全て固定され、支持筒を軸方向に往復移動させるためのエアシリンダ機構30あるいは支持筒を正逆回動させるためのエアシリンダ機構70は不要となる。
【0054】
【発明の効果】
本発明による渦電流式減速装置によれば、磁石側と制動ドラム内周面との間に形成される磁束の流路を増加させることによって制動ドラムで発生する渦電流の数を増加させ、その結果、制動トルクを増大させることができる。また、制動ドラム内周面に対向する強磁性部材の先端部における磁束密度を高めることによって、制動トルクを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による渦電流式減速装置の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図2】図1に示す渦電流式減速装置の制動状態を示す要部横断面図。
【図3】図2に示すケースの外周壁の一部を展開して示す上面図。
【図4】本発明による渦電流式減速装置の他の実施形態の要部を示す横断面図であって、制動状態を示す図。
【図5】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図であって、制動状態を示す図。
【図6】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図であって、制動状態を示す図。
【図7】本発明による渦電流式減速装置に含まれるケースの一部構成の他の実施形態を示す断面図。
【図8】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図9】図8に示す渦電流式減速装置の制動状態を示す要部横断面図。
【図10】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図11】図10に示す渦電流式減速装置の制動状態を示す要部横断面図。
【図12】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図であって、制動状態を示す図。
【図13】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図であって、制動状態を示す図。
【図14】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図であって、制動状態を示す図。
【図15】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図16】図15に示す渦電流式減速装置の非制動状態を示す要部横断面図。
【図17】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図18】図17に示す渦電流式減速装置の非制動状態を示す要部横断面図。
【図19】本発明による渦電流式減速装置(例えば、図2及び図4に示す実施形態)における渦電流の発生状態を概略的に示す平面図。
【図20】従来の渦電流式減速装置における渦電流の発生状態を概略的に示す平面図。
【符号の説明】
7 制動ドラム
10 ケース
12(12a、12b) 外周壁
20 支持筒
22 磁石
24、25 強磁性部材
30 エアシリンダ機構
40 ケース
42(42a、42b) 外周壁
46、47 強磁性部材
50 ケース
52(52a、52b) 外周壁
70 エアシリンダ機構

Claims (8)

  1. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒に周方向に間隔をおいて支持されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面との間にそれぞれ対向面が形成されるよう上記外周壁に配設された一対の強磁性部材とを備え、強磁性部材の各々は、上記外周壁の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の対向面を有する、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面にそれぞれ密着して支持筒に配設された一対の強磁性部材とを備え、強磁性部材の各々は、支持筒の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の対向面を有し、上記外周壁は非磁性体からなる薄板により構成される、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  3. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面にそれぞれ密着してかつ上記外周壁の内周面に面する対向面を有するよう支持筒に配設された一対の強磁性部材と、支持筒の強磁性部材の各々に対応して上記外周壁に配設された強磁性部材とを備え、上記外周壁の強磁性部材の各々は、支持筒の強磁性部材の対向面に面する内側対向面と、上記外周壁の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の外側対向面とを有する、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  4. 磁石の各々は永久磁石から構成され、支持筒はケース内に軸方向移動可能に支持され、支持筒を軸方向に往復移動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータを備えている、請求項1〜のいずれか1項に記載の渦電流式減速装置。
  5. 磁石の各々は永久磁石から構成され、支持筒はケース内に正逆回動可能に支持され、支持筒を正逆回動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータを備えている、請求項記載の渦電流式減速装置。
  6. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各々に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有すると共に支持筒の各々間で並列される複数の磁石と、磁石の各々に対し、各磁極面にそれぞれ密着してかつ上記外周壁の内周面に面する対向面を有するよう支持筒の各々に配設されると共に支持筒の各々間で並列される一対の強磁性部材と、支持筒の各々間で並列される強磁性部材の各々に対応してその一方から他方にわたって延在するよう上記外周壁に配設された強磁性部材とを備え、上記外周壁の強磁性部材の各々は、支持筒の各々間で並列される強磁性部材の各々の対向面に面する内側対向面と、上記外周壁の一部により周方向に分割された、制動ドラムの内周面に面する複数の外側対向面とを有する、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  7. 磁石の各々は永久磁石から構成され、支持筒の一方はケースに固定された静止支持筒からなり、支持筒の他方はケースに正逆回動可能に支持された可動支持筒からなり、可動支持筒を正逆回動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータを備えている、請求項に記載の渦電流式減速装置。
  8. 磁石の各々は電磁石から構成され、電磁石を励磁又は非励磁させて制動と非制動との切換を行なう、請求項1〜3、又は6のいずれか1項に記載の渦電流式減速装置。
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