JP3882405B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、特にトラック等の大型車両のメインブレーキであるフットブレーキを補助するために適用される渦電流式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人であるいすゞ自動車株式会社が先に開発し、そして同社から出願された特願平9−172910号明細書に開示された渦電流式減速装置は、回転軸に連結された制動ドラムと、制動ドラムの内側に同軸に配設された環状のケースとを備えている。ケースは、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を備えている。ケース内には強磁性体からなる支持筒が軸方向移動可能に支持されている。支持筒には周方向に等間隔おいて複数の永久磁石が支持されている。磁石の各々は、半径方向両端に磁極面を有すると共に周方向に交互に異極となるよう配設されている。ケースの上記外周壁の、磁石の各々の外面を覆う部分は強磁性体の薄板から構成され、また磁石の各々間の空隙を覆う部分は非磁性体の薄板から構成されている。支持筒は、アクチュエータによって、磁石の各々における磁極面の片面(半径方向外側面)が薄板の対応する強磁性体と対向する制動位置と、制動ドラムの内側から軸方向外側に退避する非制動位置とに軸方向に往復移動させられる。制動時には、磁石、強磁性体、制動ドラム、前記強磁性体と周方向に隣接する他の強磁性体、前記磁石と周方向に隣接する他の磁石及び支持筒の間に磁気回路が形成され、制動ドラムに渦電流に基づく制動トルクが発生する。非制動時には、磁石の各々の磁界は制動ドラムに及ばなくなり、制動が解除される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記渦電流式減速装置においては、磁石の各々の磁極が半径方向に向けられており、したがって、磁極の片面(半径方向外側面)が制動ドラムの内周面に薄板からなる強磁性体を介して対向し、他面(半径方向内側面)が支持筒に密着するよう位置付けられるので、制動時における磁気回路が支持筒を通って迂回し、磁石と制動ドラム内周面との間の磁束の流れは磁石の片面側だけであるので、磁束の量が少なくなっている。このため、車両(自動車)においては、低速域(一般には10〜40km/h)における渦電流の発生量が少なく、十分な制動トルクが得られない。そして低速域での制動トルクをアップするためには、磁石の周方向長さを大きくしなければならなかった。すなわち磁石の体積を大きくしなければ制動トルクをアップさせることができなかった。
【0004】
本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、従来と同じ体積の磁石を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られる、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、従来と同じ体積の磁石を使用して自動車の低速域における制動トルクを従来よりも増大させることができる、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0006】
本発明の更に他の目的は、磁石側に設けられた強磁性部材の、制動ドラムの内周面に対向する先端部における磁束密度を高めることを可能にし、その結果、制動トルクを増大させることができる、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、磁石側に設けられた強磁性部材の形状を変更することにより所望する制動トルク特性を容易に得ることができる、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、従来と同じ体積の磁石を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られると共に、比較的簡単な構成で強磁性部材と共に磁石を支持筒に確実に保持することを可能にする、新規な渦電流式減速装置を提供することである。
【0009】
本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成された渦電流式減速装置の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設された複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の強磁性部材の各々の突出部は周方向に間隔をおいて周方向の両端部に形成されると共に突出部の各々間には突出部の各々の先端よりも半径方向内側に底を有する溝が形成される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
また、他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設された複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレートが離脱自在に配設され、支持筒の外周面とサイドプレートの各々とによって断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒における磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内に嵌合保持される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0011】
本発明の他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各々の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されかつ支持筒の各々間で並列される複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の強磁性部材の各々の突出部は周方向に間隔をおいて周方向の両端部に形成されると共に突出部の各々間には突出部の各々の先端よりも半径方向内側に底を有する溝が形成される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
また、他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各々の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されかつ支持筒の各々間で並列される複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレートが離脱自在に配設され、支持筒の外周面とサイドプレートの各々とによって断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒における磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内に嵌合保持される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0012】
本発明の他の局面によれば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設された複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、制動ドラムの軸方向から見て細長い実質上矩形状をなしかつ長手方向が周方向に向けられて配置されると共に周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々において、相互に周方向に対向する端面には、該端面から周方向に後退する凹部が形成され、磁石の各々の周方向の両端部が相互に周方向に対向する凹部内に嵌合保持され、支持筒の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレートが離脱自在に配設され、支持筒の外周面とサイドプレートの各々とによって断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒における磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内に嵌合保持される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態を添付図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図1〜図30において実質上同一部分は同一符号で示されている。図1を参照して、図示しないトラックにおけるトランスミッションの出力軸(回転軸)2には、半径方向外方に延びるフランジ部4が取り付けられている。フランジ部4には、パーキングブレーキ用の制動ドラム6と、渦電流式減速装置用のロータである制動ドラム7とが複数のボルト8により共締めされている。以上の構成により制動ドラム7は出力軸2に連結される。制動ドラム7は鉄などの透磁率の大なる強磁性体から形成されている。制動ドラム7の半径方向外側及び軸方向の外側には複数の冷却フィン9が一体に設けられている。制動ドラム7の内側(環状空間の内側)には、中空円環状のケース10が同軸に配設されている。図示しないミッションケースに装着されたケース10は、全体がほぼ円筒形状をなす外周壁12と、外周壁12よりも小径の内周壁14と、外周壁12及び内周壁14の軸方向両端においてそれらを連結するように配設された円環状の端壁16及び18とから構成されている。ケース10の軸方向のほぼ半分は、制動ドラム7の内側(円錐面からなる開放端を除く内周面の内側)に配置されている。
【0014】
ケース10における外周壁12の、制動ドラム7の軸方向の外側に位置付けられた軸方向の一部分である外側部分12aと、外側部分12aの軸方向の一端から半径方向内側に延びる端壁16と、端壁16の半径方向内端から軸方向の他端に向かって制動ドラム7の内側まで延びる内周壁14とは、縦断面において、水平方向に向けられたほぼチャンネル形状(外周壁12の外側部分12aよりも内周壁14の方がほぼ倍ほど長いので長さ違いのチャンネル形状)をなすよう、例えばアルミニウムなどの非磁性体から一体に形成されている。外周壁12の上記外側部分12aの内面部には、鉄あるいはスチール等の磁性体からなる円筒状の磁性部材15がその全周にわたって一体に鋳込まれている。したがって上記外側部分12aの内周面は、磁性部材15の内周面により規定されている。また、外周壁12の、制動ドラム7の内側において制動ドラム7の内周面に近接して位置付けられた内側近接部分12bを含む軸方向の他の部分は、例えばアルミニウムなどの非磁性体からなる薄板から筒状体をなすように一体に形成されている(逆にこの部分を、鉄などの強磁性体からなる薄板により形成する実施形態も成立する)。半径方向に延在する端壁18はアルミニウムなどの非磁性体からなるリング形状に形成されている。ケース10はこれら三つの環状部材から構成されている。外周壁12の外側部分12aは制動ドラム7とほぼ同じ肉厚に形成されている。制動ドラム7の軸方向の開放端及び外周壁12の外側部分12aの軸方向の開放端は、それぞれ相互に間隔をおいて対向する円錐面をなしている。外周壁12の、薄板からなる内側近接部分12bの軸方向の一端部には外側部分12aの円錐面に整合する傾斜部12cが形成され、軸方向の他端には、半径方向内側に延びるフランジ部12dが形成されている。ケース10における内周壁14の、制動ドラム7の内側に位置する軸方向の他端には、半径方向内方に延びる環状のフランジ部12eが形成されている。端壁18は内周壁14にフランジ部12eを介してボルト12fにより結合され、外周壁12の、内側近接部分12bを含む軸方向の他の部分は、その傾斜部12cを外側部分12aの円錐面にボルト12gにより締結することにより外側部分12aに結合されると共に、そのフランジ部12dを端壁18の外周縁部の外側にボルト12hにより締結することにより端壁18に結合される。ケース10の円環状の中空部は、図1に示すように縦断面がほぼ矩形状をなしている。
【0015】
図1及び図2を参照して、ケース10の中空部内には、例えばアルミニウムなどの非磁性体からなる支持筒20が軸方向移動可能に支持されている。円筒形状をなす支持筒20の外周部には、断面がチャンネル形状をなす環状の溝20aが設けられている。支持筒20の溝20a内には、複数の磁石22及び強磁性部材24が、溝20aの全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されている。磁石22及び強磁性部材24の各々の半径方向内側の部位は、溝20a内に実質上密着して嵌合保持され、軸方向への移動が阻止される。磁石22の各々は、ほぼ直方体形状をなす永久磁石から構成され、それぞれ周方向両端に磁極面を有すると共に相互に周方向に間隔をおいて対向する磁極面の極性が同極(N−N、S−S)となるように配列されている。磁石22の各々は、図2に示すように、支持筒20の軸方向から見て(すなわち制動ドラム7の軸方向から見て)、細長い矩形状をなすと共にその長手方向が半径方向に向けられるよう配置されている。
【0016】
強磁性部材24の各々の周方向の少なくとも一端部、図示の実施形態においては両端部には、磁石22の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部24aが形成されている。強磁性部材24の各々間には、突出部24aの各々の先端(半径方向外側先端)よりも半径方向内側に底を有する溝24bが形成されている。図2に示すように、強磁性部材24の各々は、支持筒20の軸方向から見て、ほぼ矩形状をなす本体部の半径方向外側先端部の周方向中央部にほぼ矩形状の溝24bを形成したような形状をなす。したがって強磁性部材24の各々の半径方向先端部は、同軸方向から見てほぼチャンネル形状をなすと共に突出部24aの各々はほぼ矩形状に形成されている。溝24bの各々の底は、磁石22の先端(半径方向外側先端)とほぼ同じ半径方向レベルにある。強磁性部材24の各々の周方向の両端面は、磁石22の両端面(磁極面)と実質上密着させられる密着面(接触面)である。突出部24aの各々の周方向端面であって、他の強磁性部材24の突出部24aと対向する側の端面は、上記密着面の半径方向外側に向かう延長上にある。
【0017】
図1及び図2と共に図3をも参照して、強磁性部材24の各々は、支持筒20の溝20aの底部に対し少なくとも1本のボルト25により締結されている。ボルト25の各々は、対応する強磁性部材24の溝24bの底から半径方向に延在するよう形成された貫通孔を介して溝20aの底部にねじ係合されている。溝20aの底部には、強磁性部材24の各々の貫通孔と同軸の雌ねじが形成されている。ボルト25の各々はアルミニウム等の非磁性体から構成されてもよいが、鉄などの強磁性体から構成されることが好ましい。各々の頭部は、強磁性部材24の各々の突出部24aの先端面よりも半径方向内側に位置付けられ、少なくとも、突出しないことが好ましい。磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は、それぞれにおいて実質上同一の断面形状で上記軸方向にほぼ同じ長さ延在するよう形成されている。磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が支持筒20の溝20a内に嵌合保持された状態で、強磁性部材24の各々の突出部24aの先端面は、薄板からなる外周壁12b(内側近接部分)を介して制動ドラム7の内周面に近接して対向させられる(上記先端面は制動ドラム7の内周面に面する対向面を規定する)。
【0018】
ケース10には、支持筒20を軸方向に往復移動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータであるエアシリンダ機構30が付設されている。エアシリンダ機構30は、ケース10の端壁16の外側に装着されたシリンダ32と、シリンダ32内に摺動自在に収容されたピストン34と、ピストン34と支持筒20とを連結するピストンロッド36とを備えている。ピストンロッド36は、端壁16を貫通してピストン34からケース10の中空部内に延びるよう配設され支持筒20に連結されている。
【0019】
シリンダ32内はピストン34により二つの室に区画され、一方の室(図1において左側の室)に、圧力エア供給源である図示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピストン34及びピストンロッド36を介して支持筒20、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が一体に図1において右方に移動させられて、制動ドラム7の内側である制動位置に位置付けられる。またこの制動状態において、シリンダ32内の他方の室(図1において右側の室)に図示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピストン34及びピストンロッド36を介して支持筒20、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が一体に図1において左方に移動させられて、制動ドラム7の内側から退避した非制動位置に位置付けられる。なお、エアシリンダ機構30は周方向に等間隔をおいて複数個、例えば3個配設されることが好ましい。
【0020】
以上のように構成された渦電流式減速装置を作動させて、走行中のトラックに制動(補助制動)を作用させる(制動ONとする)場合には、エアシリンダ機構30を作動させて支持筒20、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々を制動位置に位置付ける(図1において実線で示される位置及び図2参照)。制動ドラム7の内側において、磁石22の各々と、磁石22の各々を周方向に挟んで位置する強磁性部材24の各々の突出部24a及び制動ドラム7との間に、薄板からなる外周壁12bを通過して磁気回路がそれぞれ形成されるので(図2参照)、制動ドラム7に 渦電流が発生し、制動ドラム7に対する制動が作動させられる。上記したように、磁石22の各々は周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材24の各々の周方向の両端部には磁石22の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部24aが形成されているので、制動時、磁石22の磁極の両面と制動ドラム7の内周面との間に強磁性部材24の各々の相互に対向する突出部24aを介して磁気回路が形成される(強磁性部材24内においては、磁束が互いに反発しながら両端部の突出部24aから制動ドラム7の内周面に流れてゆく)。磁石22と制動ドラム7内周面との間の磁束の流れは磁石22の周方向の両面側で形成され、しかも制動時における磁気回路が従来のように支持筒20を迂回することがないので、従来に較べて磁束の量が大幅に増加し、したがって制動トルクが大幅にアップされる。その結果、従来と同じ体積の磁石22を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られる。また、従来と同じ体積の磁石22を使用して自動車の低速域(一般には10〜40km/h)における渦電流の発生量を従来よりもアップさせることができ、したがって従来よりも大きな制動トルクが得られる(図30参照)。
【0021】
また、上記したように、強磁性部材24の各々の周方向の両端部には磁石22の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部24aが形成されているので、上記のように制動時に磁気回路が形成された状態において、強磁性部材24の各々の半径方向外側先端部(突出部24aの先端部)に磁束を集めることができ、該先端部における磁束密度が高められる。その結果、制動トルクが増大させられる。
【0022】
また、上記発明においては、支持筒20の強磁性部材24の各々の突出部24aは周方向に間隔をおいて周方向の両端部に形成されると共に突出部24aの各々間には突出部24aの各々の先端よりも半径方向内側に底を有する溝24bが形成されるよう構成されているので、強磁性部材24の形状を変更することにより所望する制動トルク特性を容易に得ることができる。図4を参照して更に具体的に説明する。例えば制動トルクを増大させたい場合には、強磁性部材24の溝24bの周方向幅(突出部24aの各々の周方向の間隔)Lを大きくしかつ突出部24aの先端の周方向幅aを小さくして磁束の密度を高めるよう構成すればよい。この構成により、自動車における低速域においても制動ドラム7に流れる磁束の量が多くなり、制動トルクが高められる。但し、高速域になると磁石の両面より反抗磁界が入り減磁されるので、制動トルクは低下する(図30参照)。高速域における制動トルクの低下を避けたい場合には、磁石22の周方向幅(厚さ)hを増加させればよい。磁石22の厚さhを増加させることにより磁束が通り易くなり、保持力が強くなるからである。なお、制動ドラム7の熱の上昇を抑制したい場合であってしかも高速域での使用頻度が少ない場合には、高速域での制動トルクを低下させればよい。上記突出部24aの先端の周方向幅aを小さくするのが加工上困難な場合には、溝24bの深さHを深くすることにより対応できる。
【0023】
上記したように、本発明によれば、支持筒20の強磁性部材24の各々における、突出部24aの各々の先端の周方向幅a、突出部24aの各々の周方向の間隔L、溝24bの深さH及び磁石22の厚さ(周方向幅)hを適宜に変えることにより所望する制動トルク特性を容易に得ることができる(図30に示す本発明の制動トルク特性線を所望するとおりに変えることができる)。
【0024】
制動を解除させて非制動に切り換える(制動をOFFに切り換える)場合には、エアシリンダ機構30を作動させて磁石22の各々及び強磁性部材24の各々を非制動位置に位置付ける(図1において2点鎖線で示される位置参照)。磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は、支持筒20と一体に制動ドラム7の内側から軸方向外側に退避させられ、ケース10の外周壁12a(制動ドラム7の外側に位置付けられた上記外側部分12a)の内周面を規定する磁性部材15に包囲された位置に位置付けられる。したがって磁石22の各々における磁極面の各々は、制動ドラム7の内周面から退避させられる。その結果、磁石22の各々と磁性部材15との間には磁気回路が短絡して形成されるので、磁石22の各々は、制動ドラム7に対し磁気を及ぼさなくなり、制動ドラム7には渦電流が発生しないので、制動が完全に解除される。
【0025】
上記実施形態において、磁石22の各々の磁極面と強磁性部材24の各々の対応する周方向面とが全周にわたって相互に実質上密着した状態で支持筒20の外周部に組み付けることができるのであれば、支持筒20の軸方向から見た、各々の周方向の密着面の形状はどのようなものであってもよい。例えば、1個の磁石22の周方向の両端面(磁極面)は(したがってこれを周方向に挟んで位置する強磁性部材24の各々の、磁石22の磁極面に密着させられる周方向の両端面)は、支持筒20の軸方向から見て、支持筒20の軸心を通る直線とそれぞれ一致するよう形成される実施形態(図4参照)、あるいは支持筒20の軸方向から見て、半径方向外側に向かって互いに近付くよう傾斜して形成される実施形態(図5参照)、あるいはまた支持筒20の軸方向から見て、半径方向外側に向かって互いに離れるよう傾斜して形成される実施形態(図6参照)、等の実施形態を挙げることができる。図5に示す実施形態においては、特に磁石22が半径方向外側に抜けにくい構成であるといえる。
【0026】
更にはまた、強磁性部材24の各々は、ボルト25により溝24bの底から支持筒20に締結される形態で装着されているが、磁石22と共に接着により装着する実施形態もある。更にはまた、強磁性部材24の各々の溝24bの底に座ぐり部を形成し、ボルト25の頭部を図示しない座ぐり部内に位置付ける実施形態もある。更にはまた、強磁性部材24の各々における突出部24aは、先に述べたように、上記軸方向から見て、ほぼ矩形状をなしているが、ほぼ台形状あるいはほぼ逆台形状であってもよいし、また矩形状とすると共にこの矩形状の先端における周方向の両角部に面取りを施した形状であってもよい。更にはまた、上記実施形態においては、支持筒20に環状の溝20aが形成され、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は、溝20a内に嵌合保持され、強磁性部材24の各々がボルト25により締結されている。この構成により磁石22の各々の軸方向への移動(抜け)は確実に阻止される。
【0027】
なおこの構成に代えて、支持筒20に溝20aを形成することなく、一対のサイドプレートを使用する実施形態もある。図7及び図8に示すように、この実施形態において、支持筒20の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレート26が当接され、複数のビス27により離脱自在に連結されている。サイドプレート26の各々の相互に対向する内側の、半径方向内側端部寄りの位置には段部が形成され、これら段部の各々が支持筒20の対応する外周端の角部に密着して嵌合されている。この構成により、サイドプレート26の各々の、支持筒20に対する装着が安定して行なわれる。以上のようにして、支持筒20の外周面とサイドプレート26の各々との間には断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成される。該溝内には磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が上記のように嵌合され、強磁性部材24の各々とサイドプレート26の各々とがビス28により締結される。この実施形態においても、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は上記軸方向の移動が阻止され、溝内に嵌合保持される。この実施形態では、ボルト25(図1及び図2参照)は使用しなくてもよい。
【0028】
先の実施形態において、強磁性部材24の各々の突出部24aは、上記軸方向から見てほぼ矩形状をなしているが、図9に示すように、制動ドラム7の回転方向(図9において反時計方向)の下流側に位置する突出部24aの、半径方向外側先端における周方向下流側の角部を鋭角に形成する実施形態もある。この実施形態においては、上記突出部24aの上記先端における周方向下流側の角部が、上記軸方向から見て、鋭角をなすよう形成されているので、該突出部24aの各々の上記先端と制動ドラム7の内周面との間の磁束の流れにおける磁気飽和が効果的に防止される。
【0029】
また先の実施形態において、強磁性部材24の各々における溝24bの形状は、上記軸方向から見て、ほぼ矩形状をなすよう形成されているが、図10に示すように、ほぼU形状をなすよう形成する実施形態もある。この実施形態において、溝24bの周方向に対向する両面は突出部24aの上記先端からほぼ平行に半径方向内側に向かって延び、底は、曲面をなすと共に磁石22の上記先端よりも半径方向内側に位置付けられている(すなわち先の実施形態よりも溝24bは深く形成されている)。溝24bの底にはボルト25のための座ぐり部が形成されている。図11には、強磁性部材24の各々における溝24bの形状が、上記軸方向から見て、ほぼV形状をなすように形成された実施形態が示されている。この実施形態において、溝24bの周方向に対向する両面は突出部24aの上記先端から半径方向内側に向かって相互に近付いてゆくように直線状に傾斜して延び、底は、曲面をなすと共に磁石22の上記先端よりも半径方向内側に位置付けられている(すなわち図10に示す実施形態と同様に溝24bは比較的深く形成されている)。溝24bの底にはボルト25のための座ぐり部が形成されている。
【0030】
図12及び図13には、強磁性部材24の各々における溝24bの深さが、先の実施形態に比較して著しく浅く形成された実施形態がそれぞれ示されている。図12に示す実施形態において、溝24bの底は、ゆるやかな曲面をなすと共に磁石22の上記先端よりも半径方向外側に位置付けられている。溝24bの底にはボルト25のための座ぐり部が形成されている。また図13に示す実施形態において、溝24bの底は、上記軸方向から見てゆるやかなV形状をなすと共に磁石22の上記先端よりも半径方向外側に位置付けられている。溝24bの底にはボルト25のための座ぐり部が形成されている。本発明においては、強磁性部材24の先端部の形状を、図10〜図13に示す様々な形態に変化させることができ、したがってそれに応じた様々な制動トルク特性を得ることが容易に可能である。
【0031】
図14には、本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態が図1及び図2に示す実施形態と実質上相違するところは、強磁性部材24の各々における突出部24aが周方向の両端部にではなく、周方向の一端部に形成されていることである。支持筒20の強磁性部材24の各々の突出部24aは周方向の一端部に形成されると共に突出部24aが形成されていない周方向の他の部分24cの半径方向外側先端は、磁石22の上記先端よりも若干半径方向外側位置に位置付けられている。該他の部分24cの先端にはボルト25のための座ぐり部が形成されている。この実施形態においても、磁石22と制動ドラム7内周面との間の磁束の流れは磁石22の周方向の両面側で形成され、しかも制動時における磁気回路が従来のように支持筒20を通って迂回することがないので、従来に較べて磁束の量が大幅に増加し、したがって制動トルクが大幅にアップされる。その結果、従来と同じ体積の磁石22を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られる。また、従来と同じ体積の磁石22を使用して自動車の低速域(一般には10〜40km/h)における渦電流の発生量を従来よりもアップさせることができ、したがって従来よりも大きな制動トルクが得られる(図30参照)。
【0032】
また、上記したように、強磁性部材24の各々の周方向の一端部には磁石22の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部24aが形成されているので、上記のように制動時に磁気回路が形成された状態において、強磁性部材24の各々の上記先端部(突出部24aの先端部)に磁束を集めることができ、該先端部における磁束密度が高められる。その結果、制動トルクが増大させられる。
【0033】
また、この発明においても、強磁性部材24の各々における突出部24aの先端の周方向幅a、突出部24aが形成されていない周方向の他の部分24cの周方向幅D、突出部24aの先端から基端(該他の部分24cの半径方向外側先端)までの延び出し長さH等を変更することにより、所望する制動トルク特性を容易に得ることができる。図14に示す実施形態において、突出部24aは、制動ドラム7の回転方向(図14において反時計方向)の下流側の周方向端部に形成されているが、これとは逆に、上流側の周方向端部に形成する実施形態もある。
【0034】
図15及び図16には本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態が図1及び図2に示す実施形態と実質上相違するところは、磁石22の強磁性部材24による保持形態、及び磁石22及び強磁性部材24の支持筒20に対する支持形態であって、その他の構成は実質上同一である。支持筒20の強磁性部材24の各々において、相互に周方向に対向する端面(磁石取付面を構成する)には、該端面から周方向に後退する凹部40が形成されている。凹部40の各々は、周方向に面した底面42と、底面42の全周を囲むループ形状の周壁44とから構成されている。周壁44の各々は、図15に示す実施形態においては、周方向から見てほぼ矩形状に形成されている(角部はアール形状をなす)。磁石22の各々は、周方向の両端部が対応する凹部40内に離脱自在に嵌合しうる形状に形成される。したがって、磁石22の各々は、上記軸方向から見て細長い矩形状をなすと共に周方向から見て凹部40の周壁44の形状とほぼ同じ矩形状に形成されている。磁石22の各々は、各々の周方向の両端部が、強磁性部材24の各々の相互に周方向に対向する凹部40内に嵌合保持されることにより強磁性部材24の各々に保持される。強磁性部材24の各々は、ボルト25によって図1及び図2に示す実施形態と同様に支持筒20の外周部に固定される。この実施形態においては、磁石22の各々の周方向の両端部が対応する凹部40内に嵌合保持され、しかも強磁性部材24の各々の凹部40は周壁44を有しているので、磁石22の各々の全方位に対する移動(抜け)が阻止される。その結果、支持筒20の外周部に溝20a(図1及び図2参照)を形成したり、あるいは一対のサイドプレート(図7及び図8参照)を支持筒20の軸方向両端に装着する必要がなくなるので、一層簡単な構成で強磁性部材24の各々と共に磁石22を支持筒20に確実に保持することを可能にする。
【0035】
上記実施形態において、強磁性部材24の各々における凹部40は、図16に示すように、周方向から見てほぼ矩形状に形成されているが、この形状は自由に設定することができる。図17には、同方向からみて円形状をなす凹部40の実施形態が示されている。この構成は図16に示す実施形態よりも凹部40の加工性に優れている。
【0036】
図18には、強磁性部材24の各々における凹部40の他の実施形態が示されている。この実施形態において、凹部40の各々は、周方向に面した底面42と、底面42の、半径方向内側端42aを除く周囲を囲む壁44とから構成される。壁44の、上記軸方向両端は互いに半径方向に直線状に平行に延び、半径方向外側端はそれらに直交するよう上記軸方向に直線状に延びている(角部はアール形状をなす)。この実施形態においては、磁石22の、半径方向内側への移動は支持筒20の外周面により阻止され、その他の方位への移動は壁44により阻止される。上記壁44の形状は自由に設定することができる。図19には、上記壁44の形状が相違する他の実施形態が示されている。この実施形態において、壁44の、上記軸方向両端は上記と同様に互いに平行に直線状に延び、半径方向外側端は半円形状に形成されている。この実施形態においても、磁石22の、半径方向内側への移動は支持筒20の外周面により阻止され、その他の方位への移動は壁44により阻止される。
【0037】
図20及び図21には、強磁性部材24の各々における凹部40の他の実施形態が示されている。この実施形態において、凹部40の各々は、周方向に面した底面42と、半径方向外側端に設けられた端壁45とから構成されている。端壁45は上記軸方向に直線状に延びているこの実施形態においては、磁石22の、半径方向内側への移動は支持筒20の外周面により阻止され、半径方向外側への移動は端壁45により阻止されるが、軸方向の移動は阻止できない。したがってこの実施形態においては、図1及び図2に示す実施形態と同様に、支持筒20の外周部に溝20aが形成され、磁石22及び強磁性部材24の各々は、溝20a内にその一部が嵌合保持されている。上記端壁45の形状は自由に設定することができる。図22には、上記端壁45の形状が相違する他の実施形態が示されている。この実施形態において、端壁45は、上記と同様に周方向から見て円弧形状に形成されているので、磁石22の軸方向への移動を阻止することは可能になる。したがって、支持筒20の外周部に溝20a(図1及び図2参照)を形成したり、あるいは一対のサイドプレート26(図7及び図8参照)を支持筒20の軸方向両端に装着する必要がなくなるので、比較的簡単な構成で磁石22の各々を確実に保持することができる。なお図17〜図21に示す実施形態においても、磁石22は、これらの凹部40に整合する形状に形成されることはいうまでもない。
【0038】
図15〜図22を参照して説明した磁石22の保持に関する実施形態は、図1〜図14により説明した先の渦電流式減速装置のいずれの実施形態に対しても適用可能である。強磁性部材24の周方向の端面に凹部40を形成することにより、少なくとも、それらの間に挟持される磁石22の半径方向外側への移動が阻止されるので、磁石22が同方向に抜け易い形状の場合には特に有利である。図23に示す実施形態において、磁石22の各々は、各々の周方向の両端面が、上記軸方向から見て半径方向外側に向かって互いに離れるよう傾斜して形成されている。磁石22を周方向に挟んで位置する強磁性部材24の磁石取付面には、図20に示す凹部40に類似した構成を有する凹部40が形成されている。図23に示す凹部40の各々の底面42は、対応する磁石22の周方向の端面に整合する傾斜面に形成されている。磁石22の半径方向外側への移動は、対応する凹部40の端壁45により確実に阻止されるが軸方向への移動は阻止できないので、支持筒20の外周部に溝20a(図1及び図2参照)を形成したり、あるいは一対のサイドプレート26(図7及び図8参照)を支持筒20の軸方向両端に装着する必要がある。この凹部40を図21に示す凹部形状とした場合には、上記溝20a、サイドプレート26等は不要となる。なお、この実施形態において、強磁性部材24の各々の溝24bは、上記軸方向から見て、底が平坦な、ほぼV形状をなしている。
【0039】
図24には本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態において、支持筒20の外周部には、複数の磁石22及び強磁性部材24が、全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されている。強磁性部材24の各々には、図20に示す凹部40に類似した構成を有する凹部40が形成されているが、凹部40の周方向の深さは、図20に示す凹部40のそれに較べて相当深く形成されている。したがって端壁45の周方向のオーバハングは相当大きくなる。強磁性部材24の各々の周方向の中央部には、ボルト25のための座ぐり部及び貫通孔が形成されている。磁石22の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設されるが、上記軸方向から見て、細長い実質上矩形状をなし、その長手方向が周方向に向けられるよう配置される。したがって長手方向の両端面が磁極面を構成する。磁石22の各々が対応する凹部40内に嵌合保持された状態で、強磁性部材24の各々がボルト25により支持筒20の外周部に固定される。磁石22の各々の周方向両端部の半径方向外側端は、オーバハングの大きな強磁性部材24の各々の端壁45により押さえられ、半径方向外側への移動はしっかりと押さえられる。磁石22の各々の軸方向への移動を確実に阻止するためには、支持筒20の外周部に溝20a(図1及び図2参照)を形成したり、あるいは一対のサイドプレート(図7及び図8参照)を支持筒20の軸方向両端に装着することが好ましい。
【0040】
図24に示す実施形態において、磁石22の各々の周方向長さが比較的短い場合、強磁性部材24の各々の、周方向に相互に対向する端部間において磁気ショートが発生するおそれがある。これを防止するための実施形態が図25に示されている。この実施形態においては、磁石22の半径方向外側にステンレス等の非磁性体からなる非磁性部材46が重合され、この状態で周方向端部が凹部40内に嵌合保持されている。したがって磁石22の各々の周方向の両端部は、該非磁性部材を介して対応する凹部40の端壁45により半径方向外側からしっかりと押さえられる。強磁性部材24の各々の、周方向に相互に対向する端部、したがって端壁45の半径方向内側面間に非磁性部材46が介在されるので、上記磁気ショートは確実に防止される。図24及び図25に示す実施形態においても、磁石22と制動ドラム7内周面との間の磁束の流れは磁石22の周方向の両面側で形成され、しかも制動時における磁気回路が従来のように支持筒20を迂回することがないので、従来に較べて磁束の量が大幅に増加し、したがって制動トルクが大幅にアップされる。その結果、従来と同じ体積の磁石22を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られる。この実施形態においてはまた、磁石22の各々の周方向の両端部が対応する凹部40内に嵌合保持され、しかも強磁性部材24の各々の凹部40は端壁45を有しているので、磁石22の各々の半径方向外側への移動(抜け)が阻止される。図24及び図25に示す実施形態によれば、比較的簡単な構成で強磁性部材24と共に磁石22を支持筒20に確実に保持することを可能にする。
【0041】
図1〜図25に示す渦電流式減速装置において、制動と非制動との切換(ON−OFF)は、磁石22の支持筒20をエアシリンダ機構30により軸方向に往復移動させることにより行なうよう構成されているが、これに代えて、図26及び図27に示すように、ケース50内に磁石22の静止支持筒60及び可動支持筒62を軸方向に並列して(隣接して)配設し、エアシリンダ機構70により可動支持筒62を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成する他の実施形態もある。図26及び図27を参照して、制動ドラム7の内側には、中空円環状のケース50が同軸に配設されている。ケース50はそのほぼ全体が制動ドラム7の内側に配置されている。図示しないミッションケースに装着されたケース50は、全体がほぼ円筒形状をなす外周壁52と、外周壁52よりも小径の内周壁54と、外周壁52及び内周壁54の軸方向両端においてそれらを連結するように配設された円環状の端壁56及び58とから構成されている。外周壁52は全体として円筒状の薄板から構成されると共に、図26に示すように制動ドラム7の内側に配置されかつ制動ドラム7の内周面に近接して配置されている。薄板からなる外周壁52は、端壁56及び58の外周面を覆うよう複数のボルトにより端壁56及び58に固定されている。端壁56及び58は、それぞれその半径方向内側の端部が、内周壁54の軸方向両端において半径方向内側に向かって延びるよう形成されたフランジ部に複数のボルトにより固定されることにより内周壁54に固定されている。ケース50は、後述する強磁性部材52aの各々を除き、全体が例えばアルミニウムなどの非磁性体から構成されている。ケース50の円環状の中空部は、図26に示すように縦断面がほぼ矩形状をなしている。
【0042】
ケース50内の内周壁54には、それぞれ非磁性体からなる静止支持筒60と可動支持筒62とが軸方向に並列して支持されている。静止支持筒60及び可動支持筒62の基本的構成は図1及び図2により説明した実施形態における支持筒20と実質上同一であり、各々の外周部には、断面がチャンネル形状をなす環状の溝60a及び62aが設けられている。静止支持筒60は内周壁54及び端壁58に固定され、可動支持筒62は内周壁54に一対のベアリング64を介して正逆回動可能に支持されている。静止支持筒60の溝60a内には、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が、図1及び図2に示す実施形態におけると実質上同じ形態で配設されている。また可動支持筒62の溝62a内にも、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が、図1及び図2に示す実施形態における同じ形態で一体に配設されている。磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は、静止支持筒60及び可動支持筒62間で並列しうるよう(隣接しうるよう)配設されている(換言すれば、互いに同じ形態で配列されている)。静止支持筒60及び可動支持筒62間で並列された磁石22同士は相互に同極となる。静止支持筒60及び可動支持筒62の強磁性部材24の各々の軸方向の一側であって半径方向外側端部には、相互に軸方向に接近する方向に延び出る突起部24eが形成されている。ケース50の外周壁52には、周方向に等間隔をおいて複数の強磁性体からなる強磁性部材52aが一体に配設されている。強磁性部材52aの各々は、静止支持筒60及び可動支持筒62の各々間で並列される強磁性部材24の各々に対応してその一方(静止支持筒60の強磁性部材24)から他方(可動支持筒62の強磁性部材24)にわたって軸方向に延在するよう外周壁52に配設されている。したがって、外周壁52の強磁性部材52aの各々は、静止支持筒60及び可動支持筒62の各々間で並列される強磁性部材24の各々及び制動ドラム7の内周面に対向するよう配設される。外周壁52は全体が薄板から構成されており、そのうち強磁性部材52aの各々は鉄板等から構成され、その他の部分は非磁性体、例えばアルミニウム板あるいはステンレス板等の非磁性部材52bから構成され、それぞれ周方向の端部が溶接等により一体に結合されている。
【0043】
ケース50には、可動支持筒62を静止支持筒60に対して正逆回動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータであるエアシリンダ機構70が付設されている。図26に示すように、エアシリンダ機構70は、ケース50の端壁56に固定されたシリンダ72と、シリンダ72内に摺動自在に収容されたピストン74と、ピストン74に連結されたピストンロッド76と、ピストンロッド76と可動支持筒62とを図示しないユニバーサルジョイントを介して連結する連結アーム78とを備えている。連結アーム78は、端壁56に、図の表裏方向に延びるよう形成されたスリットを貫通してピストンロッド76の先端からケース50の中空部内に延びるよう配設され、可動支持筒62に連結されている。エアシリンダ機構70の軸線は、可動支持筒62の接線方向と一致するよう配置される。エアシリンダ機構70は、周方向に等間隔をおいて複数個、例えば2個配置されることが好ましい。
【0044】
シリンダ72内はピストン74により二つの室に区画され、一方の室に、圧力エア供給源である図示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピストン74、ピストンロッド76及び連結アーム78を介して可動支持筒62、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が一体に一方向に、後述する非制動位置から磁石22の各々における1ピッチだけ回動させられる。可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は制動位置に位置付けられる。これにより、可動支持筒62における磁石22の各々は、静止支持筒60の磁石22の各々の同極側に並列して位置付けられ(同極同士が隣接され)、また可動支持筒62における強磁性部材24の各々は、静止支持筒60における強磁性部材24の各々の同極側に並列して位置付けられる(同極同士が隣接される)。その結果、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々、静止支持筒60における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々、及び制動ドラム7との間に、外周壁52の強磁性部材52aの各々を介して磁気回路が形成されるので(図27参照)、制動ドラム7に対する制動が作動させられる。
【0045】
またこの制動状態において、シリンダ72内の他方の室に圧力エアが供給されると、ピストン74、ピストンロッド76及び連結アーム78を介して可動支持筒62、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が一体に、上記制動位置から逆方向に磁石22の各々における1ピッチだけ回動させられる。可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は非制動位置に位置付けられる。これにより、可動支持筒62における磁石22の各々は、静止支持筒60の磁石22の各々の異極側に並列して位置付けられ(異極同士が隣接され)、また可動支持筒62における強磁性部材24の各々は、静止支持筒60における強磁性部材24の各々の異極側に並列して位置付けられる(異極同士が隣接される)。可動支持筒62の強磁性部材24の各々の突起部24eと、静止支持筒60の強磁性部材24の各々の突起部24eとは、それぞれ、相互に接近して対向させられしかも互いに異極同士であるので、それらの間に短絡的な磁気流路が形成され、制動ドラム7に対する磁気的な遮断が効果的に行なわれる。また、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々と、静止支持筒60における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々との間に、外周壁52の強磁性部材52aの各々を介して磁気回路が短絡的に形成され、制動ドラム7側への磁気洩れが防止される。なお、薄板からなる外周壁52全体を強磁性体又は非磁性体から構成する実施形態もある。
【0046】
上記説明から明らかなように、図26及び図27に示す渦電流式減速装置は、図1及び図2を参照して説明した先の実施形態と実質上同じ特徴を有する構成を備えているので、実質上同一の作用効果が達成される。なお、ケース50内に磁石22の静止支持筒60及び可動支持筒62を軸方向に並列して配設し、エアシリンダ機構70により可動支持筒62を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成する上記実施形態は、図2〜図25に示す形態(磁石22及び強磁性部材24の構成及び配列形態)の渦電流式減速装置においても適用することができる。
【0047】
図28には、図26及び図27を参照して説明した渦電流式減速装置の実施形態において、ケース50の外周壁52を薄板から構成するのではなく、それよりも比較的厚い円筒部材から構成する実施形態が示されている。この実施形態において、端壁56と一体に形成された外周壁52はアルミニウム等の非磁性体からなり、図26及び図27に示す実施形態の強磁性部材52aに相当する部位には、それぞれ鉄等からなる強磁性部材53が一体に埋め込み形成されている。その他の構成は、図26及び図27を参照して説明した渦電流式減速装置の実施形態と実質上同一であり、説明は省略する。この実施形態においても、図26及び図27に示す実施形態と同様に、図1及び図2を参照して説明した先の実施形態と実質上同じ特徴を有する構成を備えているので、実質上同一の作用効果が達成される。なお、先に説明した図26及び図27に示す渦電流式減速装置の実施形態は、外周壁52が薄板から構成されているので、図28に示す渦電流式減速装置の実施形態よりも比較的軽量で小型である。なお上記説明から明らかなように、図26〜図28に示す渦電流式減速装置は、図1及び図2に示す先の実施形態と比較して、使用される磁石22の数が多いので、得られる制動力は先の実施形態よりも強力であるといえる。
【0048】
図29には、図28に示す渦電流式減速装置の実施形態において、ケース50内に可動支持筒62のみを配設し、静止支持筒60を排除した形態の、渦電流式減速装置の他の実施形態が示されている。可動支持筒62には、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が、図28に示す実施形態、したがって図2に示す実施形態と実質上同一の形態で配設されている。ケース50の外周壁52には、複数の強磁性部材53が図28に示す実施形態と実質上同一の形態で一体に配設されている。
【0049】
図29に示す渦電流式減速装置を作動させて制動を作動させる場合には、上記実施形態と同様にエアシリンダ機構70を作動させて、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々を、後述する非制動位置から、一体に一方向に磁石22の各々の1/2ピッチだけ回動させて制動位置に位置付ける。これにより可動支持筒62における強磁性部材24の各々の突出部24bは、外周壁52の、対応する強磁性部材53に対向して位置付けられる。その結果、可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々と制動ドラム7との間に、それぞれ外周壁52の強磁性部材53の各々を介して磁気回路が形成されるので、制動ドラム7に対する制動が作動させられる。
【0050】
制動を解除させて制動をOFFに切り換える場合には、エアシリンダ機構70を作動させて可動支持筒62における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々を、上記制動位置から、逆方向に磁石22の各々の1/2ピッチだけ回動させて非制動位置に位置付ける。これにより、可動支持筒62における強磁性部材24の突出部24aの各々は、外周壁52の、強磁性部材53の各々間に位置する非磁性体の部分に対向して位置付けられる。その結果、磁石22の各々と制動ドラム7との間には磁気回路が形成されないので、制動ドラム7に対する制動は解除される。上記説明から明らかなように、図29に示す渦電流式減速装置は、図26〜図28に示す先の実施形態と比較して、構成が簡単で低コストで製造可能であるが、先の実施形態の方が使用される磁石22の数が多いので、得られる制動力は先の実施形態の方が強力であるといえる。図29に示す渦電流式減速装置は、図1及び図2に示す実施形態と実質上同じ特徴を有する構成を備えているので、実質上同一の作用効果が達成される。
【0051】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、図26及び図27に示す実施形態においては、それぞれ、制動ドラム7の内周面に近接して配置されたケース50の外周壁52には、周方向に非磁性体で仕切られて複数の強磁性部材52aが配設されているが、薄板からなる外周壁52全体を鉄等の強磁性体又はアルミニウム等の非磁性体から構成する実施形態も成立する。また、上記実施形態において、磁石22の各々は永久磁石により形成されているが、これに代えて電磁石を使用する実施形態もある。電磁石は周知のとおりコイルと鉄心の組合せ体であるため、電磁石を上記実施形態において磁石22に置き換えて使用する場合には、電磁石の各々は上記した制動位置に常時固定され、制動(ON)と非制動(OFF)との切り換えは、電磁石の各々を励磁するか又は非励磁とするか、により行なわれる。したがって磁石22の各々を電磁石に置き換えて使用する実施形態においては、支持筒は全て固定され、支持筒を軸方向に往復移動させるためのエアシリンダ機構30あるいは支持筒を正逆回動させるためのエアシリンダ機構70は不要となる。
【0052】
【発明の効果】
本発明による渦電流式減速装置によれば、従来と同じ体積の磁石を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られる。また、従来と同じ体積の磁石を使用して自動車の低速域における制動トルクを従来よりも増大させることができる。更にはまた、磁石側に設けられた強磁性部材の、制動ドラムの内周面に対向する先端部における磁束密度を高めることを可能にし、その結果、制動トルクを増大させることができる。更にはまた、磁石側に設けられた強磁性部材の形状を変更することにより所望する制動トルク特性を容易に得ることができる。更にはまた、従来と同じ体積の磁石を使用して従来よりも大きな制動トルクが得られると共に、比較的簡単な構成で強磁性部材と共に磁石を支持筒に確実に保持することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による渦電流式減速装置の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図2】図1に示す渦電流式減速装置の制動状態を示す要部横断面図。
【図3】強磁性部材の取付部を図2において上方から見た部分図。
【図4】磁石と強磁性部材との密着状態を支持筒の軸方向から見た図であって、本発明の作用効果を説明するための図。
【図5】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図6】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図7】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図8】図7のA−A矢視断面図であって一部を省略した図。
【図9】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図10】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図11】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図12】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図13】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図14】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図15】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図16】図15に示す強磁性部材を周方向から見た取付図。
【図17】強磁性部材の他の実施形態を示す図であって、図16と同様な図。
【図18】強磁性部材の更に他の実施形態を示す図であって、図16と同様な図。
【図19】強磁性部材の更に他の実施形態を示す図であって、図16と同様な図。
【図20】強磁性部材の更に他の実施形態を示す図であって、図16と同様な図。
【図21】図20を左方から見た部分図。
【図22】強磁性部材の更に他の実施形態を示す図であって、図16と同様な図。
【図23】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図24】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図25】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す横断面図。
【図26】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図27】図26に示す渦電流式減速装置の制動状態を示す要部横断面図。
【図28】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図29】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施形態の要部を示す縦断面図。
【図30】本発明の効果を示す制動トルク特性線図。
【符号の説明】
7 制動ドラム
10、50 ケース
12、52 外周壁
20 支持筒
20a 溝
22 磁石
24 強磁性部材
24a 突出部
24b 溝
30、70 エアシリンダ機構
40 凹部
60 静止支持筒
62 可動支持筒

Claims (5)

  1. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設された複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の強磁性部材の各々の突出部は周方向に間隔をおいて周方向の両端部に形成されると共に突出部の各々間には突出部の各々の先端よりも半径方向内側に底を有する溝が形成される、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各々の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されかつ支持筒の各々間で並列される複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の強磁性部材の各々の突出部は周方向に間隔をおいて周方向の両端部に形成されると共に突出部の各々間には突出部の各々の先端よりも半径方向内側に底を有する溝が形成される、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  3. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設された複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレートが離脱自在に配設され、支持筒の外周面とサイドプレートの各々とによって断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒における磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内に嵌合保持される、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  4. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各々の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されかつ支持筒の各々間で並列される複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々の周方向の少なくとも一端部には磁石の各々よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、支持筒の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレートが離脱自在に配設され、支持筒の外周面とサイドプレートの各々とによって断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒における磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内に嵌合保持される、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  5. 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設された複数の磁石及び強磁性部材とを備え、磁石の各々は、制動ドラムの軸方向から見て細長い実質上矩形状をなしかつ長手方向が周方向に向けられて配置されると共に周方向両端に磁極面を有しかつ相互に対向する磁極面が同極となるよう配設され、強磁性部材の各々において、相互に周方向に対向する端面には、該端面から周方向に後退する凹部が形成され、磁石の各々の周方向の両端部が相互に周方向に対向する凹部内に嵌合保持され、支持筒の軸方向両端には非磁性体からなる環状のサイドプレートが離脱自在 に配設され、支持筒の外周面とサイドプレートの各々とによって断面がチャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒における磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内に嵌合保持される、ことを特徴とする渦電流式減速装置。
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