JP3881994B2 - コマ玩具 - Google Patents

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本発明は、コマ玩具、詳しくは回転している途中で相手のコマと接触することにより回転特性が変化するコマ玩具に関するに関するものである。
従来、コマ玩具は子供の遊びにおいて非常にポピュラーであり、友達同士でお互いのコマ玩具をぶつけ合って、相手のコマを倒したり、決められたゲームスペース(ゲーム盤)から弾き出したりして勝負を争うコマ玩具遊びがよく行なわれている。このコマ玩具も構成部品を交換して回転特性を変えて勝負に有利になるようにチューンアップするものが提案されているが、そのためには回転しているコマ玩具を一旦停止させて分解し、別のパーツに付け替えてからあらためて回転させなければならなかったが、回転中に相手のコマ玩具に接触することによりユーザーがパーツを交換するなどの手を加えることなく回転特性を変化させることができるコマ玩具が提案されている(例えば、特許文献1)。
実用新案登録第3083515号公報
本発明が解決しようとする問題点は、上述のコマ玩具は、回転するコマ玩具が、相手のコマ玩具に接触すると、軸がベース部材に没入又はベース部材から突出することにより回転特性が変わるが、同じ相手に再度接触しても、一旦変化した回転特性は再度変化することはなく、繰り返し相手のコマ玩具に接触することにより回転特性が繰り返し変化することはできない点であった。
本発明は、上記問題点を解決し、対戦相手のコマ玩具に接触するたびに回転特性を変化させることができ、変化に富んだ動作態様をするコマ玩具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明に係るコマ玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)複数の部材を層状に組みつけて構成されていること
(ロ)上層部材と下層部材とは取付台を介して回動可能に連結されていること
(ハ)上記下層部材の底面には下方に突出して主軸部が形成され、該主軸部には上下動可能且つ回動不能な可動軸を設け、該可動軸はスプリングで上動するように付勢され、上動時には下端は上記主軸部内に没入して主軸部が接地し、下動時には下端が上記主軸部の下端から突出して可動軸が接地すること
(ニ)上記取付台には上記下層部材の回動に連係して上記可動軸を上下動させる駆動手段を設けたこと
(ホ)上記駆動手段は、上記取付台の内部に設けた駆動軸で構成し、該駆動軸の下端は上記可動軸の上端に当接していること
(へ)上記可動軸の上端には屋根形の係合凸部を形成するとともに、上記駆動軸の下端には逆V字状の係合溝を形成し、上記下層部材が回動して上記係合凸部と係合溝とが係合したときには、可動軸はスプリングに付勢されて上昇し、係合凸部と係合溝とが直交した時には、係合凸部の頂天が駆動軸の底面に当接し、可動軸はスプリングに抗して押し下げられて下端が主軸部の下端から突出すること
請求項1の発明によれば、複数の部材を層状に組みつけてコマ玩具を構成するとともに、下層部材と上層部材とを取付台を介して回動可能に連結し、下層部材に形成した主軸部には上下動可能且つ回動不能な可動軸を内装し、上記取付台には上記下層部材の回動に連係して上記可動軸を上下動させる駆動手段である駆動軸を設け、可動軸の上端には屋根形の係合凸部を形成するとともに、上記駆動軸の下端には逆V字状の係合溝を形成し、上記係合凸部と係合溝とが係合したときには、可動軸は上昇して駆動軸内に没入し、係合凸部と係合溝とが直交した時には、下端が主軸部の下端から突出するのでコマ玩具が主軸部で回転するときと可動軸で回転するときとでは回転特性が変化するとともに、相手のコマ玩具が下層部材に当たるたびに可動軸の上下位置が変化して回転特性が変化するので変化に富んだ動作態様をするコマ玩具を実現することができる。
複数の部材を層状に組みつけてコマ玩具を構成するとともに、下層部材と上層部材とを取付台を介して回動可能に連結し、上記下層部材の底面には下方に突出して主軸部が形成され、該主軸部には上下動可能な可動軸を内装し、上記取付台には上記下層部材の回動に連係して上記可動軸を上下動させる駆動手段を設け、下層部材の回動時には可動軸を上下動させて、主軸部の下端から可動軸の下端が出没するようにした。
図1において符号Aはコマ玩具を示し、このコマ玩具Aは、下層部材1と、下層部材1の上部に配置された中層部材2と、中層部材2の上部に配置された上層部材3とから層状に組み付けられている。
下層部材(以下、ベース部材という)1は、図2及び図3に示すように、円板状で上面中央に中層部材2と、上層部材3とを取り付ける取付台4が周方向に回動可能に配置され、底面中央には主軸部5が下方に突出して形成されている。この主軸部5は上下に貫通して貫通孔6が形成され、内部に収容した可動軸7が上下動することにより可動軸7の下端が主軸部5の下端から出没できるようになっている。
可動軸7は軸部7aの上部7bが周方向に膨出して側面視略T字状に形成され、スプリング8で常に上方に付勢されるようになっているもので、膨出部7bは両側部が平面取りされて、中央部分は上方に向かって屋根形に膨出して係合凸部10を構成している。
主軸部5に形成された貫通孔6は上方に向かって3段階に径が大きくなるように形成されており、最下段の貫通孔6aは可動軸7の軸部7aが上下動できるように軸支する大きさに形成され、中段の貫通孔6bは上記可動軸7を上方に付勢するスプリング8の径よりもやや大きめで、スプリング8を収容できる大きさに形成され、最上段の貫通孔6cは可動軸7の膨出部7bと、後述する駆動手段である駆動軸11の下軸部12が遊嵌できる大きさに形成されている。なお、最上段の貫通孔6cの内壁の下部には、上記可動軸7が上下動できるが回動できないように面壁9が形成されている。
可動軸7を上下動させる駆動手段は駆動軸11で構成されている。この駆動軸11は、下軸部12が上記貫通孔6の最上段の貫通孔6cに軸支されて回動できるように形成され、下軸部12よりも径が小さく形成された上軸部13は仕切り板15の軸受孔16を貫通し、仕切り板15の上面に配置される取付台4にネジ17で固定され、駆動軸11と取付台4とは上軸部13が仕切り板15の軸受穴16に軸支されて一体で回動できるようになっている。
上記下軸部12の底面には逆V字状の係合溝14と、この係合溝14に直交する底面には位置決め凹部18が形成されている。
取付台4に対してベース部材1が周方向に回動すると、ベース部材1の主軸部5内に配置された可動軸7はベース部材1と一体で回動するので、係合凸部10と係合溝14との対応状態が変わり、係合凸部10と係合溝14とが対向した時には、図4(a)に示すように、係合溝14に係合凸部10が係合して可動軸7はスプリング8に付勢されて上昇し、可動軸7の下端は主軸部5の内部に没入するようになっており、図4(b)に示すように、係合凸部10と係合溝14とが直交した時には、係合凸部10の頂天が駆動軸11の下軸部12の底面に形成された位置決め凹部18に係合して下軸部12の底面と係合凸部10とが当接した時には、可動軸7はスプリング8に抗して押し下げられ、可動軸7の下端が主軸部5の下端から突出するようになっている。
取付台4は略円柱状で、下部周面には一対の係合凸部20、20が対称に形成され、上端周面の上記係合凸部20、20に直交する位置には一対の係止片21、21が形成されている。上記係合凸部20は中層部材2及び上層部材3を取付台4に取り付けた時に周方向にずれないようにする位置決め用のもので、係止片21は後述する固定部材40を係止して、取付台4に取り付けた中層部材2と上層部材3とが取付台4から離脱しないようにするためのものである。
中層部材2は中央に円形の開口部30が形成された円板状又は多角形状のもので、開口部30内周面には1対の係合溝31と、この係合溝31に直交して一対の切欠き溝32とが形成されている。
上記係合溝31は、上記取付台4の係合凸部20に係合させるもので、切欠き溝32は中層部材2を取付台4に取り付ける際に係止片21に邪魔されないように逃がすためのものである。
この中層部材2は、本実施例では質量の重い鋳物で形成され、コマ玩具の回転時の慣性を大きくするための錘部材を構成している。
上層部材3は中央に円形の開口部35が形成された円板状部材で、開口部35内周面には1対の係合溝36と、この係合溝36に直交して一対の切欠き溝37が形成されている。
上記係合溝36は、上記取付台4の係合凸部20に係合させるもので、切欠き溝37は中層部材2を取付台4に取り付ける際、係止片21に邪魔されないように逃がすためのものである。
固定部材40は、中層部材2と上層部材3とを取付台4に固定するためのもので、円板状の基板41の中央に円形の開口部42が形成され、上部にはブリッジ状に取っ手43が形成されている。開口部42の径は取付台4に嵌め合わせできる大きさで、内周面の対称の上記取っ手43に直交する位置には一対の切欠き部44が形成され、取付台4の上から固定部材40を嵌め込む際に係止片21に邪魔されずに嵌め込むことができるようになっている。
固定部材40を取付台4に嵌め込んだ後に取っ手43を摘んで周方向に回動すると、開口部42の周縁45が取付台4の係止片21の下に入り込み、中層部材2と上層部材3とが取付台4から離脱しないように固定することができるようになっている。
次に、上記構成のコマ玩具を組み立てるときには、ベース部材1の主軸部5に形成された貫通孔6にスプリング8とともに可動軸7を収容し、駆動軸11の係合溝14を可動軸7の係合凸部10に係合させた状態で、仕切り板15に形成された軸受孔16を駆動軸11の上軸部13に嵌め合わせ、ネジ19で仕切り板15をベース部材1に固定する。
次に、取付台4の底面中央に形成された嵌合孔23に駆動軸11の上軸部13を嵌め込み、ネジ17で駆動軸11を取付台4に固定し、取付台4と駆動軸11とは仕切り板15の軸受孔16を中心に一体で回動できるようにする。
ベース部材1に取付台4を回動可能に取り付けた後、取付台4に中層部材2、上層部材3を順次嵌め込む。この時、切り欠き溝32、37を取付台4の係止片21に対応させて、上から順次嵌め合わせると、係合溝31、36が取付台4の係合凸部20に係合して、取付台4に位置決めされる。その後、固定部材40の開口部42を取付台4に嵌め合わせ、取っ手43を摘んで周方向に回動すると、固定部材40は取付台4の係止片21に係止されて取付台4に固定できるとともに中層部材2と上層部材3とを取付台4から外れないように固定することができる。
以上の手順により、ベース部材1の上に中層部材2と上層部材3とが層状に配置されたコマ玩具が完成する。
次に、上述のコマ玩具の作動態様について説明する。このコマ玩具は、図示しない公知のスターターで回転させればよい。
ベース部材1を手で回動させて、駆動軸11の係合溝14に可動軸7の係合凸部10係合しない状態にすると、可動軸7の下端は主軸部5の下端から突出した状態になる。
可動軸7の下端が主軸部5の下端から突出した状態で、スターターを使用してコマ玩具Aを回転させると、可動軸7の下端が突出した状態では遊戯板46に接地する面積が小さいので、回転特性が遊戯板46上の一点に留まったまま移動せずに回転が継続する持久モードになり(図5(a)参照)、移動してきた相手のコマ玩具Bがコマ玩具Aのベース部材1に接触して、ベース部材1を回動させると、ベース部材1と一体で回動する可動軸7の係合凸部10が駆動軸11の係合溝14に係合するので、可動軸7はスプリング8に付勢されて係合凸部10の頂天が係合溝14の天井に当接するまで上昇する。
可動軸7が上昇すると可動軸7の下端は主軸部5の内部に没入し(図4(a)参照)、コマ玩具Aは主軸部5の底面が遊戯板46に直接接して回転するようになるため、遊戯板46との接触面積が広くなり一箇所で留まって回転する状態から移動する状態になるので(図5(b)参照)、相手の攻撃を待つ受身の持久モードの状態から攻撃モードの状態に回転特性が変化し、遊戯板46上を激しく移動して相手のコマ玩具Bを攻撃するようになる(図5(c)参照)。
相手のコマ玩具Bに接触し、相手のコマ玩具Bを弾き飛ばすと同時に、その衝撃でベース部材1が再び回動すると、ベース部材1と一体で回動する可動軸7の係合凸部10が駆動軸11の係合溝14から外れ、下軸部12の底面と係合凸部10とが当接し、可動軸7はスプリング8に抗して押し下げられ、可動軸7の下端が主軸部5の下端から突出するので、コマ玩具Aは相手のコマ玩具Bを攻撃した後、回転特性が攻撃モードでから持久モードに変わり(図5(d)参照)、相手のコマ玩具Bの衰退を待つ。
尚もコマ玩具Bの回転が持続して、再びぶつかってきてベース部材1が回動すると、可動軸7が上昇し、回転特性が再び攻撃モードに変わる。
相手のコマ玩具Bとぶつかるたびに可動軸7の下端が主軸部5の下端から突出したり、没入したりして回転特性が持久モードから攻撃モードに、攻撃モードから持久モードにと繰り返し変化し、一旦回転特性が変化したら、止まるまでその回転特性で回転させなければならない従来のコマ玩具では得ることができない、多彩な回転特性を展開させることができる。
本発明に係るコマ玩具の一例を示す斜視図 上記コマ玩具の構成を説明する分解斜視図 下層部材の構成を説明する分解斜視図 (a)(b)は駆動軸と可動軸との関係における可動軸の上下動を説明する斜視図 (a)〜(d)は、相手のコマ玩具との接触による回転特性の変化を説明する平面図
符号の説明
1 下層部材
2 中層部材
3 上層部材
4 取付台
5 主軸部
7 可動軸
8 スプリング
10 係合凸部
11 駆動手段(駆動軸)
14 係合溝

Claims (1)

  1. 以下の要件を備えることを特徴とするコマ玩具。
    (イ)複数の部材を層状に組みつけて構成されていること
    (ロ)上層部材と下層部材とは取付台を介して回動可能に連結されていること
    (ハ)上記下層部材の底面には下方に突出して主軸部が形成され、該主軸部には上下動可能且つ回動不能な可動軸を設け、該可動軸はスプリングで上動するように付勢され、上動時には下端は上記主軸部内に没入して主軸部が接地し、下動時には下端が上記主軸部の下端から突出して可動軸が接地すること
    (ニ)上記取付台には上記下層部材の回動に連係して上記可動軸を上下動させる駆動手段を設けたこと
    (ホ)上記駆動手段は、上記取付台の内部に設けた駆動軸で構成し、該駆動軸の下端は上記可動軸の上端に当接していること
    (へ)上記可動軸の上端には屋根形の係合凸部を形成するとともに、上記駆動軸の下端には逆V字状の係合溝を形成し、上記下層部材が回動して上記係合凸部と係合溝とが係合したときには、可動軸はスプリングに付勢されて上昇し、係合凸部と係合溝とが直交した時には、係合凸部の頂天が駆動軸の底面に当接し、可動軸はスプリングに抗して押し下げられて下端が主軸部の下端から突出すること
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