JP3881411B2 - 外用に適する組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外用に適した組成物に関し、更に詳細にはウリ科スズメウリ属植物抽出物と特定の薬効剤を配合した化粧品、外用医薬品等外用に適する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料等の化粧品や、軟膏剤、分散液、クリーム剤、外用液剤等の外用医薬品には、これらに所定の薬効を付与することを目的として薬効成分が加えられている。
例えば、日焼け等により生じる皮膚の黒化や炎症、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等の現象を防止するために、カラミン等や、アスコルビン酸類、グルタチオン、コロイドイオウ、ハイドロキノン、シンナミックアルデヒド等が配合されており、また、肌荒れ改善、皮膚老化防止、細胞賦活の他、切創やひげそり後の傷の治療、ひび、あかぎれ、ただれ、痔疾、火傷などの改善等の創傷治療を目的に、アラントイン、アロエ抽出物、人参抽出物、シコンエキス、胎盤抽出物、牛血液除蛋白物、発酵代謝物等の薬効成分が配合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの薬効成分を配合した化粧品、外用医薬品等の外用に適する組成物(以下、「外用組成物」ということがある)では、薬効成分の効果が十分でなかったり、あるいは、製剤中で変質するなどして所期の薬効が得られない場合が多く、その改善が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、外用組成物の薬効成分の効果を向上させるべく鋭意検討を行った結果、ウリ科スズメウリ属植物抽出物と薬効剤を組み合わせれば、本来薬効剤の有する作用が十分発揮されることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)
(A)ウリ科スズメウリ属植物の抽出物
(B)チロシナーゼ活性阻害剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤及び保湿剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上
を含有する組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)成分であるウリ科スズメウリ属植物の抽出物は、例えば、バハクジ(Melothria indica)、ボウカ(Melothria heterophylla)、スズメウリ(Melothria japonica)等より、特にそれらの塊根から抽出溶媒を用いて抽出する。その調製法は特に限定されないが、例えば種々の適当な溶媒を用いて低温もしくは室温〜加温下で抽出される。
【0007】
抽出溶媒としては、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール等の1種または2種以上を用いることができる。
また、抽出方法としては洗浄した原料を抽出溶媒とともに混合破砕し、そのまま浸漬もしくは加熱して抽出し、抽出液を得る方法が挙げられる。得られた抽出液は、必要に応じて減圧濃縮、凍結乾燥などの方法で乾固させたり、遠心分離および濾過などの方法で精製を行うことができる。
好ましい抽出方法の例としては、アルコール濃度が20〜70%の含水アルコールを用い、50℃程度の温度で1時間程度の抽出を行う方法が挙げられ、効率良く抽出物が得られる。
【0008】
本発明組成物におけるウリ科スズメウリ属植物の抽出物の含有量は、乾燥固形分として好ましくは0.00001〜10重量%(以下単に「%」で示す)の範囲であり、より好ましくは0.001〜5%の範囲である。この範囲であれば、チロシナーゼ活性阻害剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤及び保湿剤の効果を相加的もしくは相乗的に高めることができる。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
【0009】
一方、本発明の(B)成分の薬効剤は、チロシナーゼ活性阻害剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤及び保湿剤から選ばれるものであるが、具体的な薬効剤としては、それぞれ以下に示すものが挙げられる。
【0010】
(チロシナーゼ活性阻害剤)
チロシナーゼ活性阻害剤としては、例えば、システイン及びその誘導体(例えば、N,N−ジアセチルシスチンジメチル等)並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、センプクカ抽出物、ケイケットウ抽出物、サンペンズ抽出物、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物及びヨクイニン抽出物等が挙げられる。
【0011】
上記チロシナーゼ活性阻害剤のうち、特に好ましいものとしては、システイン及びその誘導体(例えば、N,N−ジアセチルシスチンジメチル等)並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物が挙げられる。
【0012】
(活性酸素除去剤及び抗酸化剤)
活性酸素除去剤としては、例えば、SOD、マンニトール、ベーターカロチン等のカロテノイド類、ハイドロキノン、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、没食子酸、没食子酸誘導体、オウゴン抽出物及びイチョウ抽出物などのフラボノイドを成分中に含む植物抽出物、ユキノシタ抽出物、ゴカヒ抽出物、ヤシャジツ抽出物、ジコッピ抽出物等が挙げられる。
【0013】
また抗酸化剤としては、例えば、ビタミンAアセテート、ビタミンAパルミテート等のビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、リン酸−L−アスコルビルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、ビタミンCジパルミテート等のビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンEアセテート等のビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、BHT及びBHA等が挙げられる。
【0014】
上記活性酸素除去剤及び抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、マンニトール、ベーターカロチン、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。
【0015】
(細胞賦活剤)
細胞賦活剤としては、例えば、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、グアニン、キサンチン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩などの核酸関連物質;血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリーなどの動物由来の抽出物;酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、霊芝抽出物などの微生物由来の抽出物;ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチンなどの植物由来の抽出物;α−またはγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、コハク酸及びその誘導体並びにそれらの塩、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、乳酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等を挙げることができる。
【0016】
これら細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸及びその塩、血清除蛋白抽出物、胎盤抽出物、酵母抽出物、ニンジン抽出物、乳酸、コハク酸及びその誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。
【0017】
(抗炎症剤)
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、ジクロフェナクナトリウム、アロエ抽出物、シコン抽出物、サルビア抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ抽出物、シラカバ抽出物、オトギリソウ抽出物、ユーカリ抽出物、ムクロジ抽出物等が挙げられる。
【0018】
これらの抗炎症剤のうち、特に好ましいものは、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、アロエ抽出物、シコン抽出物、カミツレ抽出物である。
【0019】
( 保 湿 剤 )
保湿剤としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類及びそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、尿素、ピロリドンカルボン酸およびその塩等があげられる。
【0020】
これら保湿剤のうち、特に好ましいものは、皮膚の構成成分であり、従来から化粧料に配合されているヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類及びそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質及びそれらの誘導体並びにそれらの塩である。これらの各成分は、その起源について特に制約はなく、動物由来、微生物由来、合成品のいずれであってもよい。また、その抽出方法、精製処理方法等、製法についても特に制約はない。
【0021】
上記(B)成分の薬効剤の本発明の組成物への配合量は、、薬効剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、(A)成分のウリ科スズメウリ属植物の抽出物と組み合わせた場合、薬効剤が本来有する効能を十分に発揮させることができる。
【0022】
すなわち、本発明組成物におけるチロシナーゼ活性阻害剤の配合量は、乾燥固形分として好ましくは0.0001〜10%であり、より好ましくは0.001〜5%の範囲である。この範囲であればチロシナーゼ活性阻害剤単独で用いた場合より優れたチロシナーゼ活性阻害効果を示す。
【0023】
活性酸素除去剤の配合量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.001〜3%の範囲である。この範囲であれば活性酸素除去剤単独で用いた場合より優れた活性酸素除去効果の発現がみられる。
【0024】
抗酸化剤の配合量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.001〜3%の範囲である。この範囲であれば抗酸化剤単独で用いた場合より優れた抗酸化効果の発現がみられる。
【0025】
細胞賦活剤の配合量は、経時安定性の点から好ましくは0.001〜5%、より好ましくは0.01〜3%の範囲であり、この範囲であれば細胞賦活剤単独で用いた場合より優れた細胞賦活効果がみられる。
【0026】
抗炎症剤の配合量は、好ましくは0.0001〜5%、より好ましくは0.01〜3%の範囲であり、この範囲であれば抗炎症剤単独で用いた場合より優れた抗炎症効果がみられる。
【0027】
更に、保湿剤であるムコ多糖類及び/又はタンパク質の本発明組成物中の配合量は、好ましくは0.0001〜5%、より好ましくは0.001〜3%の範囲である。この範囲であればより優れた保湿効果が発現し、かつ、優れた使用感の組成物が得られる。
【0028】
これらのチロシナーゼ活性阻害剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤及び保湿剤は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
本発明の組成物は、常法に従い、必須成分である(A)成分と(B)成分とを通常の外用組成物として知られる種々の形態の基剤に配合して調製することができる。
【0030】
組成物の形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、口紅・ファンデーションなどのメーキャップ化粧料、頭皮・毛髪用品等の化粧品や、軟膏剤、分散液、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができ、外用組成物の基剤としては、これら外用剤の形態に応じた基剤、例えば、精製水、低級アルコール、多価アルコール、油脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、増粘剤、色素、顔料、防腐剤、香料等を用いることができる。
【0031】
【実施例】
次に実施例、参考例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等になんら制約されるものではない。
【0032】
参 考 例 1
ウリ科スズメウリ属植物抽出物の製造:
バハクジ、ボウカ、スズメウリの塊根の乾燥物各20gにそれぞれ50%エチルアルコール200mlを加え、室温で時々撹拌しながら5日間抽出した後濾過し、褐色抽出液としてそれぞれバハクジ抽出物(乾燥固形分3%)、ボウカ抽出物(乾燥固形分3.5%)、スズメウリ抽出物(乾燥固形分3%)を得た。
【0033】
参 考 例 2
植物抽出物の製造:
ソウハクヒ(日局)、クジン(クララ)(日局)、トウキ(日局)、ホップ(花穂)の各10gにそれぞれ70%エチルアルコール100mlを加え、室温で時々撹拌しながら3日間抽出した後濾過し、褐色抽出液として各植物抽出物を得た。
【0034】
試 験 例 1
チロシナーゼ活性阻害試験:
下記方法により、参考例1で得たバハクジ抽出物及び参考例2で得た植物抽出物について、単独またはそれらを組み合わせた試料のチロシナーゼ活性阻害率を調べた。 すなわち、各試料に酵素溶液[シグマ社製、28,000単位のチロシナーゼ10mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)20mlに溶解したもの]0.1mlを加え、さらに0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)を加え4.0mlとし、これを25℃にて10分間インキュベートした。
【0035】
次いで、これにあらかじめ25℃に保っておいた基質溶液[L−DOPA(東京化成製)198.0mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)100mlに溶解したもの]1.0mlを加え、10分間反応せしめた。反応後、475nmにおける吸光度(ODS)を測定した。 同様に、加熱失活させた前記酵素を用いて反応させた時の吸光度(ODHE)及び試料無添加のときの吸光度(ODB)を測定し、数式1よりチロシナーゼ活性の活性阻害率を算出した。 この結果を表1に示す。
【0036】
【数1】
ODS :試料吸光度
ODB :試料無添加時の吸光度
ODHE :酵素不活性時の吸光度
【0037】
( 結 果 )
【表1】
【0038】
表1から明らかなごとく、バハクジ抽出物とチロシナーゼ活性阻害剤を組み合わせた場合には、バハクジ抽出物またはチロシナーゼ活性阻害剤を単独で用いた場合よりチロシナーゼ活性阻害作用が高く、相乗的な美白効果を示した。
従って、バハクジ抽出物とチロシナーゼ活性阻害剤を組み合わせた本発明組成物は、これを肌に適用することにより、極めて優れたチロシナーゼ活性阻害作用を発揮し、日焼けによる肌の黒色化、シミ、ソバカスなどを効果的に抑制する。
【0039】
実 施 例 1
ク リ ー ム :
表2に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、その美肌効果を調べた。この結果を表3に示す。
【0040】
( 組 成 )
【表2】
【0041】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(6)、(11)及び(12)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B. 成分(10)、(14)及び(15)を混合し、加熱して70℃に保つ。
C. AにBを加え、混合した後、冷却する。
D. Cに(7)〜(9)及び(13)を加えてクリームを得た。
【0042】
( 試 験 方 法 )
被験クリーム1品につき27〜54才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。 塗布による美肌効果を以下の基準によって評価した。
【0043】
( 評 価 基 準 )
< 評 価 > < 内 容 >
有 効 肌のくすみが目立たなくなった。
やや有効 肌のくすみがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0044】
( 結 果 )
【表3】
【0045】
表3の結果に示される如く、本発明品1に代表されるスズメウリ抽出物とシステインを組合せた本発明組成物および本発明品2に代表されるスズメウリ抽出物とソウハクヒ抽出物を組合せた本発明組成物は、これらを皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」等の発生の防止、改善をすることができ、美しい肌とすることが明らかとなった。
【0046】
実 施 例 2
化 粧 水:
( 処 方 ) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
モノラウレート
(4)エチルアルコール 8.0
(5)バハクジ抽出物*1 10.0
(6)クジン抽出物*2 0.5
(7)防 腐 剤 適 量
(8)香 料 適 量
(9)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 参考例2で製造したもの
【0047】
( 製 法 )
A. 成分(3)、(4)、(7)及び(8)を混合溶解する。
B. 成分(1)、(2)、(5)、(6)及び(9)を混合溶解する。
C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0048】
実 施 例 3
乳 液 :
( 処 方 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビタン 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)ボウカ抽出物*1 5.0
(8)システイン*2 1.0
(9)防 腐 剤 0.1
(10)カルボキシビニルポリマー 0.1
(11)水酸化ナトリウム 0.05
(12)エチルアルコール 5.0
(13)精 製 水 残 量
(14)香 料 適 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 システイン(和光純薬社製)を1.0mg/mlになるように水で希
釈して用いた。
【0049】
( 製 法 )
A. 成分(8)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B. 成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C. BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D. Cを冷却後(7)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0050】
実 施 例 4
軟 膏 :
( 処 方 ) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 5.0
(5)スズメウリ抽出物*1 1.0
(6)ソウハクヒ抽出物*2 1.0
(7)トウキ抽出物*3 1.0
(8)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 参考例2で製造したもの
*3 参考例2で製造したもの
【0051】
( 製 法 )
A. 成分(3)、(4)及び(8)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B. 成分(1)及び(2)を加熱混合し、75℃に保つ。
C. AをBに徐々に加える。
D. Cを冷却しながら(8)の残部で溶解した(5)〜(7)を加え、軟膏を得た。
【0052】
試 験 例 2
光加齢防止効果試験:
ボウカ抽出物と表4記載の薬効剤を、それぞれ単独または混合して試料とし、水で希釈後、下記測定方法により、光加齢防止効果を調べた。
【0053】
【表4】
【0054】
6週齢のヘアレスマウスに紫外線を照射して作成する、光加齢モデルマウスに対する効果を測定した。すなわち0.105J/cm2の紫外線を週3回、のべ20週間照射し、試料の塗布はマウス背部に0.1ml、毎日(照射の場合は照射2時間前に)おこなった。1群は6匹とした。塗布による光加齢防止効果を、きめとしわを示す加齢スコア(10週後及び20週後に評価)と皮膚色の黄色化(20週後に評価)について下記の基準により評価した。
【0055】
1) 加齢スコア
きめスコアとしわスコアを加算して加齢スコアとした。 加齢スコアはマウスの光加齢が進行するほど、その値は大きくなる。
【0056】
【0057】
【0058】
2) 皮膚色の黄色化
皮膚色はマウス加齢に伴い、黄味が増す(Lab表色系におけるb値の増加)傾向にある。マウス皮膚を色差計で測色し、b値の試験前に対する試験終了時の値の変化をΔbとして、皮膚色を評価した。
加齢スコア及び皮膚色の黄色化の評価結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
表5に示されるように、ボウカ抽出物と薬効剤の組み合わせは、光加齢モデルマウスの加齢スコアや皮膚色の黄色化を抑制する働きがあり、皮膚の老化を防止する効果があることが明らかになった。
【0061】
実 施 例 5
乳 液 :
表6に示す組成物及び下記製法で乳液を調製し、その美肌効果及び皮膚老化防止効果を調べた。この結果を表7に示す。
【0062】
( 組 成 )
【表6】
【0063】
( 製 法 )
A. 成分(6)、(7)、(9)及び(13)を加熱混合し、70℃に保つ。B. 成分(1)〜(5)、(8)及び(10)を加熱混合し、70℃に保つ。C. 上記Bを先のAに加えて混合し、成分(12)を加えて均一に乳化し、30℃まで冷却して、成分(11)を加え、均一に混合して乳液を得る。
【0064】
( 試 験 方 法 )
被験乳液1品につき26〜50才の女性15名をパネルとし、毎日、朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験乳液の適量を顔面に塗布した。塗布による美肌及び皮膚老化防止効果を下記の基準によって評価した。
【0065】
美肌効果:
[ 評 価 ] [ 内 容 ]
有 効 肌のくすみが目立たなくなった。
やや有効 肌のくすみがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0066】
皮膚老化防止効果:
[ 評 価 ] [ 内 容 ]
有 効 肌のはり、つやが改善された。
やや有効 肌のはり、つやがやや改善された。
無 効 使用前と変化なし。
【0067】
( 結 果 )
【表7】
【0068】
表7の結果に示す如く、本発明品3に代表されるバハクジ抽出物と抗酸化剤を組み合わせた本発明組成物を皮膚に適用することにより、肌のくすみ等を押え、美しい肌とするとともに、肌のはり、つやが改善され、皮膚の老化を防止することが明らかとなった。
【0069】
実 施 例 6
化 粧 水 :
( 処 方 ) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
モノラウレート
(4)エチルアルコール 8.0
(5)スズメウリ抽出物*1 0.01
(6)SOD*2 0.01
(7)防腐剤 適 量
(8)香 料 適 量
(9)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 シグマ社製;人赤血球より得たもの(5.230units/mg)
【0070】
( 製 法 )
A. 成分(3)、(4)、(7)及び(8)を混合溶解する。
B. 成分(1)、(2)、(5)、(6)及び(9)を混合溶解する。
C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0071】
実 施 例 7
パ ッ ク :
( 処 方 ) (%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0
(2)エチルアルコール 20.0
(3)グリセリン 5.0
(4)カオリン 6.0
(5)バハクジ抽出物*1 0.05
(6)オウゴン抽出物*2 3.0
(7)防 腐 剤 適 量
(8)香 料 適 量
(9)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 一丸ファルコス社製
【0072】
( 製 法 )
A. 成分(1)、(3)、(4)及び(9)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B. 成分(2)、(7)及び(8)を混合する。
C. 上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(5)、(6)を均一に分散してパックを得た。
【0073】
実 施 例 8
ク リ ー ム :
表8に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、その美肌効果及び皮膚老化防止効果を調べた。この結果を表9に示す。
【0074】
( 組 成 )
【表8】
【0075】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(7)、(11)及び(12)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B. 成分(8)及び(13)を混合し、加熱して70℃に保つ。
C. AにBを加え、混合した後、冷却して(9)(10)を加えて、均一に混合して、クリームを得た。
( 試 験 方 法 )
実施例5と同じ
( 評 価 基 準 )
実施例5と同じ
【0076】
( 結 果 )
【表9】
【0077】
表9の結果に示される如く、本発明品4に代表されるスズメウリ抽出物と抗酸化剤を組み合わせた本発明組成物及び本発明品5に代表されるスズメウリ抽出物と活性酸素除去剤を組み合わせた本発明組成物を皮膚に適用することにより、肌のくすみ等を押さえ、美しい肌とするとともに、肌のはり、つやが改善され、皮膚の老化を防止することが明らかとなった。
【0078】
実 施 例 9
洗 浄 料 :
( 処 方 ) (%)
(1)ステアリン酸 10.0
(2)パルミチン酸 8.0
(3)ミリスチン酸 12.0
(4)ラウリン酸 4.0
(5)オレイルアルコール 1.5
(6)精製ラノリン 1.0
(7)香 料 適 量
(8)防 腐 剤 適 量
(9)グリセリン 18.0
(10)水酸化カルシウム 6.0
(11)バハクジ抽出物*1 0.5
(12)酢酸−dl−α−トコフェロール*2 0.05
(13)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 シグマ社製
【0079】
( 製 法 )
A. 成分(9)、(10)及び(13)を混合し、70℃に加熱する。
B. 成分(1)〜(6)、(8)及び(12)を混合し、70℃に加熱する。C. 上記Bを先のAに加え、しばらく70℃に保ち、反応が終了後、50℃まで冷却し、成分(7)及び(11)を加え、冷却して洗浄料を得た。
【0080】
実 施 例 10
ゲ ル 軟 膏 :
( 処 方 ) (%)
(1)カルボキシビニルポリマー 1.0
(2)トリエタノールアミン 1.0
(3)1,3ブチレングリコール 10.0
(4)ボウカ抽出物*1 0.01
(5)エルゴカルシフェロール*2 0.001
(6)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 シグマ社製
【0081】
( 製 法 )
A. 成分(1)及び(3)〜(6)を混合溶解する。
B. Aに成分(2)を加え、混合して均一にし、ゲル軟膏を得た。
【0082】
実 施 例 11
口 紅 :
次に示す処方及び下記製法で口紅を調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)スズメウリ抽出物*1 0.02
(2)ベーターカロチン*2 0.02
(3)BHT*3 0.001
(4)赤色202号 0.2
(5)キャンデリラロウ 9.0
(6)固形パラフィン 8.0
(7)ミツロウ 5.0
(8)カルナウバロウ 5.0
(9)ラノリン 11.0
(10)イソプロピルミリステート 10.0
(11)精製ヒマシ油 残 量
(12)防腐剤 適 量
(13)香 料 適 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 和光純薬社製
*3 シグマ社製
【0083】
( 製 法 )
A. 成分(3)〜(12)を加熱溶解後、3本ローラーで練る。
B. Aに成分(1)、(2)及び(13)を加えた後、再び3本ローラーで練る。
C. Bを冷却・成型して口紅を得た。
【0084】
試 験 例 3
創 傷 治 癒 試 験 :
生後8週齢のウィスター(Wistar)系雄性ラットを、1群10匹として実験に供した。ラットの背部を剃毛した後、麻酔下、正中線に対称となるように左右2箇所の背部皮膚を4cmにわたり切開し、一方を薬剤塗布部位、他方を対照部位とした。切開後直ちに、切開部位3箇所を縫合し、消毒用エタノールで清拭した。縫合部のうち薬剤塗布部位には表10に示した試料16〜22(生理食塩水に溶解したもの)のうちいずれか1種を、対照部位には生理食塩水を0.1mlずつ1日2回、1週間にわたり塗布した。
【0085】
1週間後背部皮膚を剥離して切開部を中心に短冊状の切片を作成し、皮膚切片の張力強度をレオメーターNRM−2002J(不動工業社製)を用いて測定した。得られた測定値から、数式2により創傷治癒率を算出した。この結果も表10に示す。
【0086】
【数2】
【0087】
【表10】
【0088】
表10の結果に示される如く、バハクジ抽出物とATP、胎盤抽出物、酵母抽出物等の細胞賦活剤とを組み合わせた本発明組成物を皮膚に適用した場合は、創傷治癒率が高く、皮膚の外傷、ひび、あかぎれ、ただれ、痔疾、火傷等を有効に改善、治癒できることが明らかとなった。
【0089】
実 施 例 12
ク リ ー ム :
表11に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、その美肌効果及び皮膚老化防止効果を調べた。この結果を表12に示す。
【0090】
( 組 成 )
【表11】
【0091】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(7)、(11)及び(12)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B. 成分(8)〜(10)及び(13)を混合し、加熱して70℃に保つ。
C. AにBを加えて混合し、30℃まで冷却して、クリームを得た。
【0092】
( 試 験 方 法)
被験クリーム1品につき28〜54才の女性15名をパネルとし、毎日、朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布による美肌及び皮膚老化防止効果を実施例5と同様の基準によって評価した。
【0093】
( 結 果 )
【表12】
【0094】
表12の結果に示された如く、本発明品6及び7に代表されるボウカ抽出物と細胞賦活剤を配合した本発明組成物は、これを皮膚に適用することにより、肌のくすみ等を押さえ、美しい肌とするとともに、肌のはり、つやが改善され、皮膚の老化を防止することが明らかとなった。
【0095】
実 施 例 13
化 粧 水 :
( 処 方 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
(2)エチルアルコール 15.0
(3)防 腐 剤 適 量
(4)ヒノキチオール*1 0.01
(5)香料 適 量
(6)スズメウリ抽出物*2 2.0
(7)クエン酸 0.1
(8)クエン酸ナトリウム 0.3
(9)1,3−ブチレングリコール 4.0
(10)精 製 水 残 量
*1 和光純薬社製
*2 参考例1で製造したもの
【0096】
(製 法)
A. 成分(1)〜(5)を混合溶解する。
B. 成分(6)〜(10)を混合溶解する。
C. AとBを混合して化粧水を得た。
【0097】
実 施 例 14
乳 液 :
( 処 方 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビタン 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)エイコサペンタエン酸*1 3.0
(8)防 腐 剤 適 量
(9)バハクジ抽出物*2 0.1
(10)カルボキシビニルポリマー 0.1
(11)水酸化ナトリウム 0.05
(12)エチルアルコール 5.0
(13)精 製 水 残 量
(14)香 料 適 量
*1 シグマ社製
*2 参考例1で製造したもの
【0098】
( 製 法 )
A. 成分(10)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B. 成分(1)〜(8)を加熱混合し、70℃に保つ。
C. BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D. Cを冷却後(9)及び(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0099】
実 施 例 15
軟 膏 :
( 処 方 ) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ボウカ抽出物*1 1.0
(6)乳 酸*2 0.1
(7)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 和光純薬社製
【0100】
( 製 法 )
A. 成分(3)、(4)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B. 成分(1)及び(2)を加熱混合し、75℃に保つ。
C. AをBに徐々に加える。
D. Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した(5)、(6)を加え、軟膏を得た。
【0101】
試 験 例 4
抗炎症効果及び色素沈着抑制効果試験:
表13に示した薬剤及びエチルアルコール15%を含み、残部が精製水からなる被験薬剤を調製し、有色モルモット背部に塗布して日焼けによる炎症及び色素沈着に対する効果を調べた。その結果を表14に示す。
【0102】
( 試 験 方 法)
有色モルモット(各群10匹)の背部を剃毛し、麻酔下紫外線を照射した。紫外線照射は、東芝株式会社製FL20S・BLBランプとFL20S・E30ランプを3本ずつ同時に照射し、紫外線量は4.8×104erg/cm2とした。紫外線照射の24時間前と照射直後及び照射12時間後、24時間後にモルモット背部の4カ所に試料を0.2mlずつよく擦り込んだ。なお、紫外線照射前に塗布部位を温水でよく洗浄した。照射の24時間後に炎症の程度を、そして7日後に色素沈着の程度を観察した。
【0103】
【表13】
【0104】
( 評 価 基 準)
炎症についての評価基準
[ スコア ] [ 状 態 ]
0: 炎症が全く認められない
1: ごくわずか炎症が認められる
2: 炎症は認められるが非照射部位との境界は不明瞭
3: 炎症が認められ、非照射部位との境界は鮮明
【0105】
色素沈着についての評価基準
[ スコア ] [ 状 態 ]
0: 色素沈着が全く認められない
1: ごくわずか色素沈着が認められる
2: 色素沈着は認められるが非照射部位との境界は不明瞭
3: 色素沈着が認められ、非照射部位との境界は鮮明
【0106】
上記評価基準に従い、それぞれの評点が1点以下であるモルモットが10匹中何匹いたかを数え、以下の判定基準に従って判定した。
【0107】
( 判 定 基 準)
<判 定> <内 容>
著 効 10匹中、評点1点以下のモルモット数が8匹以上である。
有 効 10匹中、評点1点以下のモルモット数が6匹〜7匹である。
やや有効 10匹中、評点1点以下のモルモット数が4匹〜5匹である。
無 効 10匹中、評点1点以下のモルモット数が3匹以下である。
【0108】
【表14】
【0109】
表14の結果より、スズメウリ抽出物とグリチルリチン酸ジカリウム、グアイアズレン、シコン抽出物の抗炎症剤を配合した本発明組成物は、これを皮膚に適用することにより、皮膚の炎症および色素沈着を抑制することが明らかとなった。
【0110】
実 施 例 16
ク リ ー ム :
次に示す処方及び下記製法でクリームを調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート 2.0
(2)グリセリンモノステアレート(自己乳化型) 5.0
(3)ステアリン酸 5.0
(4)ベヘニルアルコール 0.5
(5)スクワラン 15.0
(6)イソオクタン酸セチル 5.0
(7)防 腐 剤 適 量
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)グリチルリチン酸ジカリウム*1 0.2
(10)バハクジ抽出物*2 0.5
(11)シラカバ抽出物*3 0.1
(12)精 製 水 残 量
(13)香 料 適 量
*1 東京化成社製
*2 参考例1で製造したもの
*3 丸善製薬社製
【0111】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(6)を70℃にて加熱溶解する。
B. 成分(7)〜(12)を70℃に加熱する。
C. AをBに加え、冷却してクリームを得る。
D. Cに成分(13)を加え、冷却してクリームを得る。
【0112】
実 施 例 17
乳 液 :
次に示す処方及び下記製法で乳液を調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)精製アボガド油 4.0
(7)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 4.0
(8)ボウカ抽出物*1 1.0
(9)アロエ抽出物*2 0.2
(10)防腐剤 適 量
(11)カルボキシビニルポリマー 0.07
(12)1,3−ブチレングリコール 5.0
(13)精 製 水 残 量
(14)水酸化ナトリウム 0.025
(15)精 製 水 7.5
(16)香 料 適 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
【0113】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(7)を70℃にて加熱溶解する。
B. 成分(8)〜(13)を70℃にて加熱溶解する。
C. AをBに加え、乳化する。
D. Cに(14)〜(16)を加え、冷却して乳液を得る。
【0114】
実 施 例 18
化 粧 水 :
次に示す処方及び下記製法で化粧水を調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
(2)香 料 適 量
(3)エタノール 10.0
(4)防 腐 剤 適 量
(5)カミツレ抽出物*1 1.0
(6)クエン酸 0.1
(7)クエン酸ナトリウム 0.3
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)スズメウリ抽出物*2 0.01
(10)精 製 水 残 量
*1 一丸ファルコス社製
*2 参考例1で製造したもの
【0115】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(4)を混合溶解する。
B. 成分(5)〜(10)を混合溶解する。
C. BをAに加え、撹拌して化粧水を得る。
【0116】
実 施 例 19
ヘアトニック:
次に示す処方及び下記製法でヘアトニックを調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)バハクジ抽出物*1 10.0
(2)カミツレ抽出物*2 0.3
(3)メントール 0.1
(4)エタノール 40.0
(5)香 料 適 量
(6)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 一丸ファルコス社製
【0117】
( 製 法 )
A. 成分(3)〜(5)を混合溶解する。
B. 成分(1)、(2)及び(6)を混合溶解する。
C. BにAを加えて均一に混合し、ヘアトニックを得た。
【0118】
実 施 例 20
乳 液 :
表15に示す組成及び下記製法で乳液を調製し、その肌荒れ改善効果を調べた。この結果を表16に示す。
【0119】
( 組 成 )
【表15】
【0120】
( 製 法 )
A. (6)〜(10)及び(14)の各成分を加熱混合し、70℃に保つ。
B. (1)〜(5)、(11)及び(12)の各成分を加熱混合し、70℃に保つ。
C. 上記Bを先のAに加えて混合し、成分(13)を加えて均一に乳化し、30℃まで冷却して乳液を得た。
【0121】
( 試 験 方 法)
24〜45才の健常人15名をパネルとし、実験的な荒れ肌を惹起する前の肌状態をミクロスコープカメラで撮影し、下記基準によりそのスコアを求めた。実験的な荒れ肌は、上腕屈側部をエーテル、アセトン(1:1)混液で処理することにより惹起した。さらにその後は、7日間にわたって毎日、朝と夜の2回被験乳液を塗布し、荒れ肌惹起の1、3、5及び7日後に前記と同様肌状態のスコアを求めた。
【0122】
肌状態スコア
<スコア> <状 態>
1 肌の皮溝が不鮮明であり、角質のはがれが認められる。
2 肌の皮溝がやや不鮮明であるかまたは一方向性が強い。
3 肌の皮溝は認められるが、浅いかまたは一方向性が強い。
4 肌の皮溝が認められるかまたはやや網目状である。
5 肌の皮溝がはっきり認められるかまたはきれいな網目状である。
【0123】
( 結 果 )
【表16】
【0124】
表16の結果に示される如く、本発明品8に代表されるバハクジ抽出物とムコ多糖類を組合せた本発明組成物および本発明品9に代表されるバハクジ抽出物とタンパク質を組合せた本発明組成物は、これらを皮膚に適用することにより、肌の荒れを改善できることが明らかになった。
【0125】
実 施 例 21
ク リ ー ム :
表17に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、その美肌効果を調べた。この結果を表18に示す。
【0126】
( 組 成 )
【表17】
【0127】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(7)、(11)及び(12)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B. 成分(8)〜(10)及び(13)を混合し、加熱して70℃に保つ。
C. AにBを加え、混合した後、冷却してクリームを得た。
【0128】
( 試 験 方 法 )
被験クリーム1品につき27〜54才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布による美肌効果を実施例1と同様の基準によって評価した。
【0129】
( 結 果 )
【表18】
【0130】
表18の結果に示される如く、本発明品10に代表されるボウカ抽出物とムコ多糖類を組合せた本発明組成物および本発明品11に代表されるボウカ抽出物とタンパク質を組合せた本発明組成物は、これらを皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」等の発生の防止、改善することができ、美しい肌とすることが明らかとなった。
【0131】
実 施 例 22
化 粧 水 :
次に示す処方及び下記製法で化粧水を調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
モノラウレート
(4)エチルアルコール 8.0
(5)スズメウリ抽出物*1 1.0
(6)コラーゲン*2 0.5
(7)防 腐 剤 適 量
(8)香料 適 量
(9)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 高研社製
【0132】
( 製 法 )
A. 成分(3)、(4)、(7)及び(8)を混合溶解する。
B. 成分(1)、(2)、(5)、(6)及び(9)を混合溶解する。
C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0133】
実 施 例 23
パ ッ ク :
次に示す処方及び下記製法でパックを調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0
(2)エチルアルコール 20.0
(3)グリセリン 5.0
(4)カオリン 6.0
(5)バハクジ抽出物*1 10.0
(6)ヒアルロン酸ナトリウム*2 0.5
(7)防 腐 剤 適 量
(8)香 料 適 量
(9)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 キューピー社製
【0134】
(製 法)
A. 成分(1)、(3)〜(6)及び(9)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B. 成分(2)、(7)及び(8)を混合する。
C. 上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却してパックを得た。
【0135】
実 施 例 24
洗 浄 料 :
次に示す処方及び下記製法で洗浄料を調製した。
( 処 方 ) (%)
(1)ステアリン酸 10.0
(2)パルミチン酸 8.0
(3)ミリスチン酸 12.0
(4)ラウリン酸 4.0
(5)オレイルアルコール 1.0
(6)精製ラノリン 1.0
(7)香 料 適 量
(8)防 腐 剤 適 量
(9)グリセリン 18.0
(10)水酸化カリウム 6.0
(11)ボウカ抽出物*1 0.5
(12)ケラチン加水分解液*2 0.05
(13)精 製 水 残 量
*1 参考例1で製造したもの
*2 成和化成社製
【0136】
( 製 法 )
A. 成分(9)、(10)及び(13)を混合し、70℃に加熱する。
B. 成分(1)〜(6)及び(8)を混合し、70℃に加熱する。
C. 上記Bを先のAに加え、混合した後50℃まで冷却し、成分(7)、
(11)及び(12)を加え、冷却して洗浄料を得た。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、薬効剤の本来有する効能を十分に発揮させることができる。例えば、薬効剤としてチロシナーゼ活性阻害剤を含有する本発明の組成物は、安定で且つ優れた美白作用を有するため、皮膚の色素沈着に高い抑制効果を発揮し、また、抗炎症剤を含有する本発明の組成物は、皮膚の炎症及びそれに付随して起こる色素沈着に高い抑制効果を発揮するため、日焼けなどによる皮膚の黒化、シミ、ソバカスの防止・改善等に有効である。
一方、活性酸素除去剤を含有する本発明の組成物は、優れた活性酸素除去作用を有し、紫外線による皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成を抑制し、また、抗酸化剤を含有する本発明の組成物は自動酸化等による過酸化脂質の生成を抑制するため、肌荒れ改善や、皮膚老化防止等に安全で且つ優れた効果を有する。
薬効剤として細胞賦活剤を含有する本発明の組成物は、優れた細胞賦活作用を有するため、皮膚の老化防止、外傷、ひび、あかぎれ、ただれ、痔疾、火傷などの改善、創傷治癒促進等に有効なものである。
更に、薬効剤として保湿剤を含有する本発明の組成物は、安定で且つ優れた肌荒れ改善作用を有するため、肌の「くすみ」等の発生の防止、改善に有効なものである。
このように、本発明の組成物は、薬効剤の本来有する性能を十分に発揮させることができるので、美容や医療において極めて有用なものである。
以 上
Claims (15)
- 次の成分(A)及び(B)
(A)ウリ科スズメウリ属(Cucurbitaceae Melothria)植物のバハクジ( Melothriaindica )、ボウカ( Melothria heterophylla )またはスズメウリ( Melothria japonica )を水、メチルアルコール、およびエチルアルコールの1種又は2種以上である抽出溶媒で抽出した抽出物
(B)チロシナーゼ活性阻害剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤(グリチルレチン酸およびその誘導体並びにそれらの塩を除く)及び保湿剤(1,3−ブチレングリコールおよび濃グリセリンを除く)から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成物。 - 薬効剤がチロシナーゼ活性阻害剤である請求項第1項記載の皮膚外用剤組成物。
- チロシナーゼ活性阻害剤が、システイン及びその誘導体並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、センプクカ抽出物、ケイケットウ抽出物、サンペンズ抽出物、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物及びヨクイニン抽出物から選ばれたものである請求項第2項記載の皮膚外用剤組成物。
- 薬効剤が活性酸素除去剤である請求項第1項記載の皮膚外用剤組成物。
- 活性酸素除去剤が、SOD、マンニトール、ベーターカロチン、ハイドロキノン、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、没食子酸、没食子酸誘導体、オウゴン抽出物、イチョウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ゴカヒ抽出物、ヤシャジツ抽出物及びジコッピ抽出物から選ばれたものである請求項第4項記載の皮膚外用剤組成物。
- 薬効剤が抗酸化剤である請求項第1項記載の皮膚外用剤組成物。
- 抗酸化剤が、ビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、BHT及びBHAから選ばれたものである請求項第6項記載の皮膚外用剤組成物。
- 薬効剤が細胞賦活剤である請求項第1項記載の皮膚外用剤組成物。
- 細胞賦活剤が、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、グアニン、キサンチン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー;酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、霊芝抽出物;ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチン;α−またはγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、コハク酸及びその誘導体並びにそれらの塩、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、乳酸、サリチル酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選ばれたものである請求項第8項記載の皮膚外用剤組成物。
- 薬効剤が抗炎症剤(グリチルレチン酸およびその誘導体並びにそれらの塩を除く)である請求項第1項記載の皮膚外用剤組成物。
- 抗炎症剤が、グリチルリチン酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、ジクロフェナクナトリウム、アロエ抽出物、シコン抽出物、サルビア抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ抽出物、シラカバ抽出物、オトギリソウ抽出物、ユーカリ抽出物及びムクロジ抽出物から選ばれたものである請求項第10項記載の皮膚外用剤組成物。
- 薬効剤が、保湿剤(1,3−ブチレングリコールおよび濃グリセリンを除く)である請求項第1項記載の皮膚外用剤組成物。
- 保湿剤がヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸及びそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、尿素、ピロリドンカルボン酸およびその塩から選ばれたものである請求項第12項記載の皮膚外用剤組成物。
- 化粧品である請求項第1項ないし第13項のいずれかの項記載の皮膚外用剤組成物。
- 外用医薬品である請求項第1項ないし第13項のいずれかの項記載の皮膚外用剤組成物。
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