JP3881094B2 - 電磁式弁駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用エンジンの吸排気弁を作動させるために用いられる電磁式弁駆動装置に関し、特に、バルブが開閉する際の駆動騒音を低減するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の弁を開閉するための電磁式弁駆動装置としては、特開平7−33204号公報に開示されるような構成が知られている。この装置は、バルブのステム上部に一体に設けたアーマチャを有し、バルブの閉弁方向にアーマチャを付勢する閉弁側スプリングと、バルブの開弁方向にアーマチャを付勢する開弁側スプリングとにより、バルブ弁を中立位置に保持できるように構成されている。バルブの開閉は、上記アーマチャを閉弁方向に吸引する閉弁用ソレノイド、および開弁方向に吸引する開弁用ソレノイドにより制御される。
【0003】
上記構成において、バルブが開弁している状態から、バルブを閉弁作動させる場合には、開弁用ソレノイドの通電を停止し、次いで、閉弁用ソレノイドに通電する。この時、アーマチャは、押し縮められていた閉弁用スプリングのばね力により閉弁方向に移動し、開弁用ソレノイドに吸引されて、バルブが着座し、閉弁する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成において、バルブの閉弁時、閉弁用ソレノイドに通電を開始し、アーマチャが吸引されるにつれて、閉弁用ソレノイドとアーマチャとの隙間が小さくなる。この隙間が小さくなるに従い、発生する吸引力は大きくなることから、バルブスピードが速くなる。この時のバルブ位置とバルブスピードの変化を図11に示す。図に示されるように、バルブが閉弁位置に近づいて閉弁用ソレノイドが作用し始めると、バルブスピードが再び上昇しており、バルブが高速でシート部に着座していることがわかる。その結果、バルブの閉弁時に大きな振動や騒音が発生し、あるいは、バルブが着座する際の衝撃により、バルブの耐久性が低下するおそれがあった。
【0005】
しかして、本発明の目的は、ソレノイドを用いた弁駆動装置において、バルブの着座速度を低減することにあり、これにより着座時の振動や騒音の発生を防止するとともに、弁の耐久性を向上して、信頼性の高い電磁式弁駆動装置を実現しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明請求項1の構成において、電磁式弁駆動装置は、バルブと、該バルブを閉弁方向に付勢する閉弁用スプリングおよび開弁方向に付勢する開弁用スプリングと、上記バルブと一体に閉弁方向または開弁方向に移動するロッドと、該ロッド周りに一体に設けられるアーマチャと、このアーマチャの一方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブを閉弁作動させる閉弁用ソレノイドと、上記アーマチャの他方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブを開弁作動させる開弁用ソレノイドと、上記閉弁用ソレノイドおよび開弁用ソレノイドのいずれかに通電することにより上記アーマチャを閉弁方向または開弁方向に吸引駆動するソレノイド駆動手段とを備えている。そして、少なくとも上記開弁用ソレノイドへの通電を開始した時点より上記バルブが着座するまでのバルブ位置を検出可能なバルブ位置検出手段と、該バルブ位置検出手段からの信号に基づいて、上記バルブが着座位置直前において着座位置から隔たった位置の速度よりも十分遅い速度となるように、上記閉弁用ソレノイドへの通電時期を決定して、上記ソレノイド駆動手段に信号を出力するソレノイド駆動時期決定手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
上記構成において、開弁用ソレノイドへの通電を停止すると、圧縮されていた閉弁用スプリングが伸長し、バルブが閉弁方向へ移動する。次いで、閉弁用ソレノイドに通電すると、ロッドと一体のアーマチャがこの閉弁用ソレノイドの方向へ移動するが、この時、両者が接近するにつれて吸引力が増加するため、そのままでは、バルブスピードが速くなりすぎる。そこで、本発明では、バルブ位置検出手段により、閉弁時のバルブ位置を把握し、上記閉弁用ソレノイドへの通電をソレノイド駆動時期決定手段によって制御することで、上記バルブが十分遅い速度で着座するようにする
【0008】
具体的には、上記ソレノイド駆動時期決定手段は、上記バルブ位置検出手段によって検出されるバルブ位置が、上記バルブの着座位置近傍の所定位置となった時に上記閉弁用ソレノイドへの通電を一旦停止するとともに、上記バルブが着座する直前に上記閉弁用ソレノイドへ再通電する。
【0009】
上記閉弁用ソレノイドの吸引力は、上記アーマチャの接近とともに大きくなるが、バルブの着座位置近傍で、上記閉弁用ソレノイドへの通電を一旦停止すると、上記バルブが減速しながら着座位置に近づくようにすることができる。そして、着座位置の直前において、上記閉弁用ソレノイドへ再通電することで、上記アーマチャを吸引し、上記バルブを十分遅い速度で確実に閉弁させることができる。よって、着座する際の振動や騒音の発生を大幅に低減することができ、さらにバルブの耐久性を向上させることができる。
【0010】
上記バルブ位置検出手段としては、例えば一次コイルおよび二次コイルと、上記バルブと一体に移動する導電性のターゲットを有し、上記一次コイルに通電した時に上記ターゲットに生じる渦電流から上記バルブ位置を知る渦電流式変位センサを用いることができる(請求項)。
【0011】
この時、上記一次コイルとして上記閉弁用ソレノイドのコイルを、上記ターゲットとして上記アーマチャを用い、上記アーマチャまたは上記閉弁用ソレノイドに上記二次コイルとなる第3のコイルを設けて、渦電流式変位センサを構成すれば、装置全体をコンパクトにすることができる(請求項)。
【0012】
また、上記一次コイルとして上記閉弁用ソレノイドのコイルを、上記二次コイルとして上記開弁用ソレノイドのコイルを、上記ターゲットとして上記アーマチャを用いて渦電流式変位センサを構成することもできる。この時、上記閉弁用ソレノイドに通電した時に発生する渦電流を検出することによりバルブ位置を検出することができ、部品を追加する必要がないので構成をより簡素化することができる(請求項)。
【0013】
上記バルブ位置検出手段に、例えばコイルへの通電時あるいは停止時に生じるノイズを取り除くようなノイズ消去手段を設ければ(請求項)、検出される渦電流のピーク値がより明確となり、バルブ位置の検出をより精度よく行うことができる。
【0014】
上記バルブ位置検出手段を、上記アーマチャと、これを収容するハウジングが固定されるバルブボディとの間の抵抗値を測定することによりバルブ位置を検出するように構成することもできる(請求項)。あるいは、上記開弁用スプリングのバネ荷重を測定することによりバルブ位置を検出するような構成としてもよく(請求項)、いずれの場合も、同様の効果が得られる。その他、レーザまたは光を用いたセンサによりバルブ位置を検出する構成としてもよく、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1は本発明の電磁式弁駆動装置の概略構成を示すもので、H1はバルブボディたるエンジンヘッドHに設けた吸気口であり、この吸気口H1を開閉する吸気弁としてのバルブ1が配設されている。バルブ1は、吸気口H1端に形成されるバルブシートH2に着座して吸気口H1を閉鎖する弁体11とその上方に延びるステム12からなり、該ステム12は、エンジンヘッドHに圧入固定された筒状ガイド部材H3内に上下方向に摺動自在に挿通保持されている。
【0016】
上記ガイド部材H2上方のエンジンヘッドH内には、上記ステム12の上端部外周に設けたスプリングストッパ13との間に、上記弁体11を閉弁方向(図の上方)に付勢する閉弁用スプリングたるロアスプリング21が配設されている。上記エンジンヘッドHの上方には、円筒状の下部ハウジング31とその上端開口内に嵌合固定される上端閉鎖の上部ハウジング32からなるハウジング3が配設され、下部ハウジング31下端縁に設けたフランジ部にて上記エンジンヘッドHの上面に固定されている。上記ステム12の上端部は、下部ハウジング31内に摺動自在に収容されるロアプッシュロッド41の下端部に当接している。該ロアプッシュロッド41の外周には、上記弁体11を開弁作動しその状態を保持する開弁用ソレノイドたるロアソレノイド51が配設されており、上記ロアプッシュロッド41の上端部はロアソレノイド51を貫通してその上方に延びている。
【0017】
上記ロアプッシュロッド41の上端部には、磁性体よりなる円盤状のアーマチャ6が固定してあり、該アーマチャ6の下面は、所定間隔をおいて上記ロアソレノイド51の上面と対向している。上記アーマチャ6の上面には、上記ロアプッシュロッド41上方のハウジング3内に摺動自在に収容されるアッパプッシュロッド42の下端部が当接している。このアッパプッシュロッド42の下半部外周には、上記弁体11を閉弁作動しその状態を保持する閉弁用ソレノイドたるアッパソレノイド52が配設されており、上記アーマチャ6の上面は、所定間隔をおいてこのアッパソレノイド52の下面と対向している。
【0018】
上記アッパソレノイド52およびロアソレノイド51は、ソレノイド駆動手段91に接続されており、ソレノイド駆動時期決定手段92からの駆動信号に基づいて駆動されるようになしてある。上記アーマチャ6の外周には、上記ロアソレノイド51とアッパソレノイド52との間に、筒状のスペーサ7が配設され、該スペーサ7により、上記アーマチャ6と両ソレノイド51、52との間隔、すなわちバルブリフト量を調整している。なお、上記ステム12と上記ロアプッシュロッド41、アッパプッシュロッド42は同一軸線上にある。
【0019】
上記アッパプッシュロッド42は、上記アッパソレノイド52上方の上部ハウジング32内に延びており、その中間部外周には、スプリングストッパ43が設けてある。このスプリングストッパ43と、上端が閉鎖する上部ハウジング32の上面との間には、開弁用スプリングたるアッパスプリング22が配設されており、上記弁体11を開弁方向(図の下方)に付勢している。ここで、上記ロアスプリング21とアッパスプリング22のばね力は等しく設定される。このため、上記ロアソレノイド51およびアッパソレノイド52のいずれにも通電しない図示の状態において、上記アーマチャ6は、これらロアソレノイド51およびアッパソレノイド52の略中間位置で静止している。上記ロアソレノイド51またはアッパソレノイド52のいずれかに通電すると、上記アーマチャ6が上方または下方に吸引駆動され、これに伴って上記弁体11が閉弁または開弁する。
【0020】
上記アッパプッシュロッド42の上端部は、上部ハウジング32の上面を貫通し、バルブ位置検出手段たるバルブ位置検出センサ8のハウジング81内に延びている。上記アッパプッシュロッド42の上端部には、ターゲットとなる金属製の円盤44が固定されて、上記ハウジング81内に配置したバルブ位置検出センサ8に対向している。本実施の形態では、バルブ位置検出センサ8として、公知の渦電流式変位センサを用いており、上記アッパプッシュロッド42上端の上記円盤44をターゲットとしてその位置を検出し、これを基にバルブ1の位置を検出するように構成されている。この検出原理を図2を用いて説明する。図2(a)、(b)のように、渦電流式変位センサには、一次コイルPと二次コイルSが配設されており、一次コイルPには交流電源が接続されている。一次コイルPに交流を流した状態で、ターゲットTが接近してくると、一次コイルPによる交番磁界(一次磁界)によりターゲットT内に渦電流が生じる。この渦電流によって新たに二次的磁界が発生し、この二次的磁界は一次磁界に逆らう方向に作用して、一次磁界を弱める。すなわち、一次コイルP、二次コイルS間の相互インダクタンスが変化し、これを検出することでターゲットTとの距離を知ることができる。なお、一般的には、二次コイルSに誘起される電圧をそのまま測定する方法よりも、図2(c)に示す回路構成として、2組のコイルをブリッジ形にして不平衡電圧を取り出せば、より精度よく測定できる。
【0021】
上記バルブ位置検出センサ8の検出結果は、ソレノイド駆動時期決定手段92に入力される。一方、エンジンには図示されないピストン位置検出センサが設けられており、このピストン位置検出センサからの検出信号等、各種センサからの信号が、ソレノイド駆動時期決定手段92に入力される。ソレノイド駆動時期決定手段92は、これらの信号を基に演算を行ってソレノイド51、52の駆動時期を決定し、ソレノイド駆動手段91に駆動信号を出力する。
【0022】
本発明の特徴は、バルブ1の弁体11の位置を、上記バルブ位置検出センサ8で常時検出し、その検出結果に基づいて両ソレノイド51、52の駆動を制御することにより、バルブ1の着座を滑らかに行うことにある。以下、本実施の形態の電磁式弁駆動装置の作動を図3を用いて説明する。図1に示す非通電状態では、ロアスプリング21とアッパスプリング22の力がほぼ等しいため、上記アーマチャ6は、ロアソレノイド51とアッパソレノイド52の中間位置にある。エンジン運転時、バルブ位置検出センサ8、ピストン位置検出センサ等の各センサ出力を基にソレノイド駆動時期決定手段92がソレノイド駆動手段91に信号を出力すると、ソレノイド駆動手段91はロアソレノイド51、アッパソレノイド52へ交互に通電を行って、バルブ1の開閉を制御する。
【0023】
この開閉制御において、バルブ1が開の状態(開弁用のロアソレノイド51に吸引保持されている状態)からこれを閉弁する場合には、まず、開弁用のロアソレノイド51への通電を停止する(図3(a)点)。すると、押し縮められていた閉弁用のロアスプリング21のバネ力により、バルブ1が閉弁方向に移動を開始し、バルブスピードが次第に増加する。同時に、バルブ1のステム12がロアプッシュロッド41を上方に押し上げ、ロアプッシュロッド41と一体のアーマチャ6が上方に移動する。
【0024】
しかしながら、バルブ1とガイド部材H3、または両ソレノイド51、52とプッシュロッド41、42との摺動部等には、摺動抵抗が存在する。このために、アーマチャ6が中立位置を過ぎるとバルブスピードは低下し始め、アーマチャ6はロアスプリング21のバネ力だけでは閉弁側のアッパソレノイド52の磁極面まで移動することができない。従って、作動させるためには、閉弁用のアッパソレノイド52に、バルブ1の移動途中から通電を始め(図3(b)点)、ソレノイドで吸引することにより閉弁作動させる。
【0025】
ところが、この時、アッパソレノイド52の通電を開始し、アーマチャ6との隙間が小さくなるにつれて吸引力が大きくなるために、図11に示したように、そのままではバルブスピードが再上昇し、着座速度が高速となってしまう。このため、本発明では、バルブ位置検出センサ8の信号から、刻々変化するバルブ位置とバルブスピードを知り、これを基にバルブ1が着座する前に、一旦、アッパソレノイド52の通電を停止して(図3(c)点)、バルブスピードが上昇しないようにする。すると、バルブ1は、ロアスプリング21のバネ力によって、バルブスピードを次第に低下させながら移動し、アーマチャ6がアッパソレノイド52のごく近傍に達する。そこで、アッパソレノイド52へ再通電し(図3(d)点)、再びアーマチャ6にアッパソレノイド52の吸引力を作用させることで、極めて低いバルブスピードでバルブ1を閉弁することができる。
【0026】
ここで、図3におけるアッパソレノイド52への通電タイミングt1 、t2 、t3 について説明する。閉弁動作時、ロアソレノイド51への通電を停止してからアッパソレノイド52へ通電するまでの遅延時間t1 は、短すぎると、アーマチャ6との隙間がまだ大きいタイミングで通電を開始することになり、発生する吸引力が非常に小さいため、有効な吸引力が発生し始めるまでは無用な通電となって、消費電力を増大させてしまう。逆に、遅延時間t1 が長すぎると、アーマチャ6の速度が低下し始めたタイミングで通電を開始することになるために、閉弁するまでに時間がかかりすぎてしまう。従って、遅延時間t1 の最適タイミングは、閉弁に要する時間が長くなりすぎない範囲で、できるだけ遅延させるのがよく、例えば、図3ではバルブスピードが最大となった時点でアッパソレノイド52へ通電している。
【0027】
アッパソレノイド52への通電から通電を一旦停止するまでの1回目の通電期間t2 については、通電期間t2 が経過した後、アーマチャ6はバネ力により速度を減じながらアッパソレノイド52へ近づいていくことになる。ここで、通電期間t2 が短いと、バルブ1が着座位置に十分接近する前にアーマチャ6の速度が0となる。逆に、通電期間t2 が長いと、アーマチャ6の速度が十分低減しないうちにアッパソレノイド52に衝突してしまい、効果がない。従って、通電期間t2 の最適タイミングは、通電期間t2 後、アッパソレノイド52への通電を一旦停止した時に、アーマチャ6がアッパソレノイド52の磁極面が接するかまたは近接しているように設定するのがよい。具体的には、アーマチャ6とアッパソレノイド52の磁極面との距離が0〜5μm程度となるように設定するのが好ましい。
【0028】
アッパソレノイド52への通電を一旦停止してから再通電するまでの通電OFF時間t3 は、通電停止後、アーマチャ6がバネ力によりアッパソレノイド52に接近し、バルブスピードがほぼ0となるまでの時間とする。その後、アッパソレノイド52に再通電すると、バルブ1はゆっくりと吸引され、振動や当接音を伴わずにバルブシートH2に着座してその状態を保持する。よって、振動や騒音の発生を防止し、また、着座の際の衝撃が大幅に緩和されるので弁の耐久性が向上する。
【0029】
次に、図4に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。図4において、電磁式弁駆動装置の基本構成は、上記した図1と同様であり、以下、相違点について述べる。本実施の形態では、バルブ位置検出手段として、図1のバルブ位置検出センサ8を設ける代わりに、上記アーマチャ6の下面に二次コイルとしての第3のコイル61を設けるとともに、該コイル61に、発生する渦電流を検出するための渦電流検出手段93を設ける。一次コイルとしては、閉弁時に通電されるアッパソレノイド52のコイルが、ターゲットとしてはアーマチャ6が用いられる。
【0030】
本発明者等の行った実験によると、コイル61は、線径0.1mm、巻数3巻でバルブ1の閉弁を検出することができた。その例を図5、6に示す。図5は、アッパソレノイド52への通電制御を行わなかった場合の検出信号であり、バルブ1の着座時に大きなピーク値が発生していることがわかる。そこで、この検出信号を基に上記第1の実施の形態同様の通電制御を行い、バルブ1の着座位置近傍でアッパソレノイド52への通電を一旦停止した後、再通電して、上記ピーク値が小さくなるようにした。この時、図6に示すように、着座時のピーク値が大幅に低減しており、着座スピードが十分低くなっていることがわかる。
【0031】
なお、この場合の通電タイミングは、予め、アッパソレノイド52への通電時期と渦電流検出手段93の信号パターンを調べて、最適パターンを把握しておき、検出信号がそのパターンとなるように通電タイミングを制御する。具体的には、図6(e)点および図6(f)点におけるピーク値から、検出信号がこれらピーク値に近づいた時に、アッパソレノイド52への通電を停止しまたは再通電するように制御すればよい。
【0032】
上記構成によっても、バルブ位置検出手段からの信号を基にソレノイドへの通電時期を制御することで、上記第1の実施の形態同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、第3のコイル61をアーマチャ6に設けており、上記第1の実施の形態のようにバルブ位置検出センサ8を設置するスペースが不要であるので、装置全体をコンパクトにすることができる。
【0033】
図7は本発明の第3の実施の形態であり、本実施の形態では、渦電流を検出するための二次コイルとして、閉弁時に通電されないロアソレノイド51のコイルを使用する。この場合も、ロアソレノイド51のコイルに渦電流検出手段93を接続し、その検出信号に基づいて駆動手段91および通電時期決定手段92により通電制御を行うことで同様の効果が得られる。しかも新たな構成部材を設ける必要がないので、構成をより簡素化することができる。なお、本実施の形態では、アッパソレノイド51のコイルにも渦電流検出手段93を接続し、開弁側におけるバルブ位置も検出できるようにしている。
【0034】
図8は本発明の第4の実施の形態である。本実施の形態では、上記第2の実施の形態の構成に加えてさらにノイズ消去手段たるバンドパスフィルタ94を設けており、渦電流検出手段93の信号からノイズを取り除いた後、通電時期決定手段92に入力するようにする。具体的には、上記図6に示した渦電流検出手段93の信号から、ソレノイド51、52への通電時や通電停止時に発生するノイズを取り除く。これにより、着座時に発生する渦電流のピーク値をより明確にでき、アッパソレノイド52への通電時期の判定をより精度よく行うことが可能となって、さらに着座時のスピードを遅くできる。
【0035】
図9は本発明の第5の実施の形態である。本実施の形態では、渦電流を検出するための二次コイルとして、閉弁用のアッパソレノイド52内のコイルの下方に第3のコイル53を設ける。そして、この第3のコイル53を渦電流検出手段93に接続することで、一次コイルとなるアッパソレノイド52に通電した際に生じる渦電流を検出することが可能であり、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0036】
図10は本発明の第6の実施の形態である。本実施の形態では、バルブ位置検出手段として、アーマチャ6とエンジンヘッドHとの間の抵抗値を検出する抵抗値検出手段95を用いる。すなわち、アーマチャ6とエンジンヘッドHとの抵抗値は、アーマチャ6、ロアプッシュロッド41、ロアソレノイド51、エンジンヘッドH間の和であり、閉弁する時にはアーマチャ6とアッパソレノイド52間のロッド長さが長くなるために、その分、抵抗値は大きくなる。さらに閉弁した時には、アーマチャ6とアッパソレノイド52が接するために、抵抗値はさらに大きくなる。従って、アーマチャ6とエンジンヘッドHとの抵抗値によりバルブ位置を検出することが可能であり、その抵抗値変化を予め把握しておき、その検出結果を通電時期決定手段92に入力して、上記各実施の形態同様の制御を行うことで、バルブ1の着座を滑らかに行うことができる。なお、本実施の形態では、ロアプッシュロッド41とステム12、アーマチャ6とアッパプッシュロッド42との間には絶縁シート45を介在させている。
【0037】
図11は本発明の第7の実施の形態である。本実施の形態では、バルブ位置検出手段として、アッパスプリング22の上方に、バネの荷重を検出するバネ荷重検出手段96を設ける。バルブ1が開閉する時にはアッパスプリング22が伸縮することから、発生するバネ力をバネ荷重検出手段96で検出することで、バルブ位置を検出することが可能である。この検出結果を通電時期決定手段92に入力し、上記各実施の形態同様の制御を行うことで、バルブ1の着座を滑らかに行う同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図2】渦電流式変位センサによる検出原理を説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態におけるアッパソレノイドへの通電時期とバルブ位置、バルブスピードの関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図5】アッパソレノイドへの通電制御を行わない場合の渦電流検出手段の信号パターンを示す図である。
【図6】アッパソレノイドへの通電制御を行った場合の渦電流検出手段の信号パターンを示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図12】従来の電磁式弁駆動装置におけるアッパソレノイドへの通電時期とバルブ位置、バルブスピードの関係を示す図である。
【符号の説明】
H エンジンヘッド(バルブボディ)
H1 吸気口
H2 バルブシート
1 バルブ
11 弁体
12 ステム
21 ロアスプリング(閉弁用スプリング)
22 アッパスプリング(開弁用スプリング)
3 ハウジング
41 ロアプッシュロッド
42 アッパプッシュロッド
44 円盤(ターゲット)
51 ロアソレノイド(開弁用スプリング)
52 アッパソレノイド(閉弁用スプリング)
53 第3のコイル
6 アーマチャ
61 第3のコイル
7 スペーサ
8 バルブ位置検出手段
81 ハウジウング
91 ソレノイド駆動手段
92 ソレノイド駆動時期決定手段
93 渦電流検出手段
94 バンドパスフィルタ(ノイズ消去手段)
95 抵抗値検出手段
96 バネ荷重検出手段

Claims (7)

  1. バルブと、該バルブを閉弁方向に付勢する閉弁用スプリングおよび開弁方向に付勢する開弁用スプリングと、上記バルブと一体に閉弁方向または開弁方向に移動するロッドと、該ロッド周りに一体に設けられるアーマチャと、このアーマチャの一方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブを閉弁作動させる閉弁用ソレノイドと、上記アーマチャの他方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブを開弁作動させる開弁用ソレノイドと、上記閉弁用ソレノイドおよび開弁用ソレノイドのいずれかに通電することにより上記アーマチャを閉弁方向または開弁方向に吸引駆動するソレノイド駆動手段とを備える電磁式弁駆動装置であって、少なくとも上記開弁用ソレノイドへの通電を開始した時点より上記バルブが着座するまでのバルブ位置を検出可能なバルブ位置検出手段と、該バルブ位置検出手段からの信号に基づいて、上記バルブが着座位置直前において着座位置から隔たった位置の速度よりも十分遅い速度となるように、上記閉弁用ソレノイドへの通電時期を決定して、上記ソレノイド駆動手段に信号を出力するソレノイド駆動時期決定手段とを設け、上記ソレノイド駆動時期決定手段は、上記バルブ位置検出手段によって検出されるバルブ位置が、上記バルブの着座位置近傍の所定位置となった時に上記閉弁用ソレノイドへの通電を一旦停止するとともに、上記バルブが着座する直前に上記閉弁用ソレノイドへ再通電することを特徴とする電磁式弁駆動装置。
  2. 上記バルブ位置検出手段が、一次コイルおよび二次コイルと、上記バルブと一体に移動する導電性のターゲットを有し、上記一次コイルに通電した時に上記ターゲットに生じる渦電流から上記バルブ位置を知る渦電流式変位センサである請求項1記載の電磁式弁駆動装置。
  3. 上記一次コイルとして上記閉弁用ソレノイドのコイルを、上記ターゲットとして上記アーマチャを用い、上記アーマチャまたは上記閉弁用ソレノイドに上記二次コイルとなる第3のコイルを設けた請求項2記載の電磁式弁駆動装置。
  4. 上記一次コイルとして上記閉弁用ソレノイドのコイルを、上記二次コイルとして上記開弁用ソレノイドのコイルを、上記ターゲットとして上記アーマチャを用い、上記閉弁用ソレノイドへ通電した時に発生する渦電流を検出することによりバルブ位置を検出する請求項2記載の電磁式弁駆動装置。
  5. 上記バルブ位置検出手段にノイズ消去手段を設けた請求項2ないし4のいずれか記載の電磁式弁駆動装置。
  6. 上記バルブ位置検出手段が、上記アーマチャと、これを収容するハウジングが固定されるバルブボディとの間の抵抗値を測定することによりバルブ位置を検出するように構成されている請求項1記載の電磁式弁駆動装置。
  7. 上記バルブ位置検出手段が、上記開弁用スプリングのバネ荷重を測定することによりバルブ位置を検出するように構成されている請求項1記載の電磁式弁駆動装置。
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