JP3880126B2 - 燃焼機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は浴槽の湯張りを自動的に行うことができる湯張り機能を備えた燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5には浴槽の湯張り機能を備えた燃焼機器である湯張り機能付きの給湯器(器具)の一例が示されている。この給湯器は、熱源器である給湯熱交換器5と、該給湯熱交換器5を燃焼加熱する給湯バーナー4と、追い焚き熱交換器7と、該追い焚き熱交換器7を燃焼加熱する追い焚きバーナー6とを有し、上記給湯熱交換器5の入側には給水通路11の一端側が接続され、この給水通路11の他端側は外部配管を介して水供給源に導かれている。また、上記給湯熱交換器5の出側には給湯通路12の一端側が接続され、給湯通路12の他端側は外部配管を介して台所やシャワー等の給湯場所に導かれている。
【0003】
上記追い焚き熱交換器7の一端側には往管20の一端側が接続され、この往管20の他端側は浴槽(風呂)1の内側面に形成された開口部に循環金具2を用いて接続され、往管20は浴槽1に連通している。また、追い焚き熱交換器7の他端側には通路17の一端側が接続され、通路17の他端側は循環ポンプ18の吐出口側に接続され、循環ポンプ18の吸入口側には戻り管15の一端側が接続されており、この戻り管15の他端側は浴槽1の内側面に形成された開口部に循環金具2を用いて接続され、戻り管15は浴槽1に連通している。上記戻り管15と循環ポンプ18と通路17と追い焚き熱交換器7と往管20により追い焚き循環通路14が構成されている。
【0004】
上記給湯通路12と通路17を連通する注湯通路21が設けられており、この注湯通路21には通路の開閉を行う注湯制御弁24が介設され、また、注湯通路21には水圧を利用して浴槽1の水位を検出する水位センサ13と、該通路の流水流量を検出する流量検出手段19とが設けられている。
【0005】
なお、図中に示す8は給湯熱交換器5により作り出された湯温を検出する出湯サーミスタであり、9は追い焚き循環通路14の湯水温を浴槽1の湯水温として検出する風呂温度センサであり、10は給水通路11の通水を検出する水量センサであり、16は追い焚き循環通路14の通水を検出する水流センサである。
【0006】
この給湯器には器具の運転制御を行う制御装置25が設けられており、この制御装置25にはリモコン26が接続されている。リモコン26には給湯温度を設定する給湯設定手段や、風呂の温度を設定する風呂温度設定手段や、予め定められた複数の設定水位の中から浴槽の水位を選択するための浴槽水位選択手段等が形成されている。
【0007】
上記制御装置25には給湯や湯張りや追い焚き等の様々な運転制御を行うためのシーケンスプログラムが予め定められており、制御装置25は上記各種のセンサのセンサ出力や、リモコン26に設定された給湯設定温度等の情報を取り込み、これら取り込んだ情報に基づき上記シーケンスプログラムに従って給湯や湯張りや追い焚き等の器具運転動作を制御する。
【0008】
例えば、台所やシャワー等の給湯栓(図示せず)が開栓され、給湯通路12と給湯熱交換器5と給水通路11内の湯水が流れ出し、その給水通路11の通水を水量センサ10が検出すると、給湯バーナー4の燃焼を開始させ、リモコン26に設定されている給湯設定温度の湯が出湯するように燃焼能力を制御し、給湯熱交換器5の通水を給湯バーナー4の燃焼火炎の熱により加熱して湯を作り出し、この作り出した湯を給湯通路12を介して所望の給湯場所に出湯する。そして、給湯栓が閉栓され、水量センサ10により通水停止を検知すると、給湯バーナー4の燃焼を停止し、次の給湯に備える。
【0009】
また、実行モードの湯張りを行うときには、注湯制御弁24を開弁し、上記同様にして給湯熱交換器5で作り出した湯を、給湯通路12と注湯通路21を順に介して追い焚き循環通路14に流れ込ませ、追い焚き熱交換器7を通って浴槽1に至る経路と、循環ポンプ18を通って浴槽1に至る経路の2経路で浴槽1に注湯し、記憶モードの湯張り時に予め作成された図4に示すような水量と水位センサ13により検出される水位(水圧)との関係データ(以下、P−Qデータと記す)と、水位センサ13のセンサ出力とに基づき、上記浴槽水位選択手段により選択された浴槽設定水位に浴槽水位が達したと判断したときに、注湯制御弁24を閉弁し、給湯バーナー4を燃焼停止させて湯張り運転を終了する。
【0010】
さらに、追い焚き運転を行うときには、循環ポンプ18を駆動させて浴槽湯水を戻り管15と循環ポンプ18と通路17と追い焚き熱交換器7と往管20を順に通して浴槽1に戻すという浴槽水の追い焚き循環を行わせると共に、追い焚きバーナー6の燃焼を開始させ、追い焚き熱交換器7の循環湯水を追い焚きバーナー6の燃焼火炎の熱により加熱して浴槽水の追い焚きを行い、通路17により検出出力される湯温が予め定められた風呂の温度に達したと判断したときに追い焚きバーナー6の燃焼停止させ、循環ポンプ18を停止して追い焚き運転を終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、設定水位の設定手法としては、次に示すような循環金具2の形成位置(つまり、浴槽1の内側面に形成された開口部の形成位置)に基づいて設定水位を設定する手法と、浴槽1の底面に基づいて設定水位を設定する手法が知られている。
【0012】
上記循環金具2の形成位置に基づいて設定水位を設定する従来の手法では、例えば、図6の(a)に示すように、循環金具2の上端位置Psから予め定められ た値d だけ上側の位置を設定水位Paとし、この位置から予め定められた値Da だけ上側の位置を設定水位Pbとし、さらに、この位置から予め定められた値Dbだけ上側の位置を設定水位Pcとして設定するというように、循環金具2の上端 位置 から最低設定水位までの間隔と、複数の各設定水位間の間隔とが予め定め られており、それら間隔と循環金具2の上端位置とに基づき複数の設定水位が設定される。
【0013】
また、浴槽底面に基づき設定水位を設定する従来の手法では、例えば、図7に示すように、浴槽底面から高さhs上側の位置を最低設定水位Paとし、その位置から予め定められた値Daだけ上側の位置を設定水位Pbとし、さらに、その位置から予め定めた値Dbだけ上側の位置を設定水位Pcとして設定するというように、浴槽底面から最低設定水位までの高さと、複数の各設定水位間の間隔とが予め与えられており、それら間隔と浴槽底面に基づき複数の設定水位が設定される。
【0014】
しかしながら、上記循環金具2の形成位置は浴槽1毎に異なることから、例えば、図6の(b)に示すように、循環金具2の形成位置が高い場合に、上記循環金具2の位置に基づいた設定手法で設定水位を決定すると、浴槽上端よりも上側に決定される設定水位(Pe)や、浴槽上端とほぼ等しい位置に決定される設定 水位(Pd)が生じる虞がある。
【0015】
このような場合、浴槽上端よりも上側の設定水位が選択されたときには湯張り時に浴槽1から湯が溢れてしまうという問題が生じ、また、浴槽上端とほぼ等しい位置の設定水位が選択されたときには浴槽水位が高過ぎて人が浴槽に入いると多量の湯が溢れてしまう等の問題が生じることから、上記浴槽上端よりも上側の設定水位や浴槽上端近傍の設定水位は使用することができないことが多く、選択できる設定水位の数を減少させてしまうという問題がある。
【0016】
また、図7の破線に示すように、循環金具2の形成位置が高い場合に、上記浴槽底面に基づいた設定手法で設定水位を決定すると、循環金具2の形成位置よりも低い位置に決定される設定水位や、循環金具2の形成位置に設定される設定水位(Pa)が生じる虞があり、このような循環金具2の形成位置よりも低い設定水位や 、循環金具2の形成位置の設定水位(Pa)が決定されたときには、水位センサ 13により水位を検出することができないので上記設定水位に湯張りを行うことが困難であり、また、上記設定水位の浴槽湯水の追い焚きを行うことができないので、上記循環金具2よりも低い設定水位や循環金具2の形成位置の設定水位は使用することができない。このことから、選択できる設定水位の数を減少させてしまうという問題がある。
【0017】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、予め定めた数の設定水位が全て選択可能となるように設定水位を決定することができる燃焼機器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、浴槽の内側面に形成された開口部から熱源器に連通する湯張り通路が設けられ、上記熱源器により作り出された湯を上記湯張り通路を通して浴槽に注湯し、予め定められた複数の設定水位のうちの選択された水位に湯を張る湯張り機能を備えた燃焼機器において、上記湯張り通路に設けられ水圧を利用して浴槽水位を検出する水位センサと;上記湯張り通路に設けられ通路の流水流量を検出する流量検出手段と;記憶モードの湯張り時に、上記湯張り通路の浴槽開口の開口形成位置よりも浴槽水位が上昇した後に、注湯水量に対する水位センサにより検出される水位の変化量に基づき浴槽の断面積を求める断面積検出部と;空の浴槽に注湯を開始してから上記開口形成位置よりも予め定めた分だけ高めの基準水位に達するまでの注湯水量を上記流量検出手段に基づき検出する注湯水量検出部と;上記検出された注湯水量と、上記断面積検出部により求められた浴槽の断面積とに基づき、浴槽底面から上記基準水位までの高さを求める基準水位検出部と;予め与えられた浴槽上端の高さよりも予め定められた値だけ低めの位置を最高設定水位として設定し、上記基準水位よりも予め定めた値だけ高めの位置を最低設定水位として設定し、上記最低設定水位から該最低設定水位よりも高い最高設定水位までの設定水位範囲を予め定められた数に分割し、それら分割区切り位置を設定水位として自動設定する設定水位自動決定部と;を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0019】
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、基準水位の近傍の予め定められた水位領域での水量変化量に対する水位変化量の変化率と、最高設定水位の近傍の予め定められた水位領域での水量変化量に対する水位変化量の変化率との組み合わせによって浴槽底面から浴槽上端までの高さを設定するための浴槽上端設定データが予め与えられており、記憶モードの湯張り時に、水位センサにより検出出力される水位と流量検出手段により検出される流量とに基づき作成される浴槽水位と注湯水量の関係データに基づき、上記基準水位近傍の変化率と最高設定水位近傍の変化率とを求め、これら求めた変化率と上記浴槽上端設定データとに基づき浴槽上端の高さの値を設定する浴槽上端高さ設定部を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
上記構成の発明において、例えば、記憶モードの湯張り時に、断面積検出部は浴槽の断面積を検出し、注湯水量検出部は浴槽底面から基準水位に達するまでに注湯された注湯水量を検出し、基準水位検出部は、上記求めた注湯水量と浴槽の断面積とに基づき、浴槽底面から基準水位までの高さを検出する。
【0021】
設定水位自動決定部は、予め与えられた浴槽上端の高さよりも予め定められた値分だけ低めの位置を最高設定水位として決定し、上記基準水位よりも予め定めた値分だけ高い位置を最低設定水位として決定し、上記最低設定水位から最高設定水位までの設定水位範囲を予め定めた数に分割し、その分割区切り位置を設定水位として決定する。
【0022】
このように、最低設定水位は、必ず、湯張り通路の開口形成位置よりも上側の位置に決定されることから、開口形成位置よりも下側に水位が設定されることがなく、前述したような湯を張ることが困難であるために使用できない位置に設定水位が決定されるという問題が回避される。また、最高設定水位は浴槽上端よりも低めの位置に決定されることから、前述したような浴槽上端よりも上側に設定水位が設定されるという問題が回避される。
【0023】
つまり、最低と最高の設定水位は湯張りが可能で、かつ、快適な入浴に適した水位範囲内に決定される。また、残りの設定水位は上記最低設定水位から最高設定水位までの設定水位範囲内で決定されるので、当然に、それら設定水位も湯張りが可能で、かつ、快適な入浴に適した水位範囲内に決定されることになり、予め定めた数の設定水位を全て選択可能な位置に決定することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0025】
第1の実施形態例の燃焼機器は前記図5に示すシステム構成を有しており、図1にはこの実施形態例において特徴的な制御構成が示されている。なお、図5に示すシステム構成の説明は前述したのでその重複説明は省略する。
【0026】
この実施形態例において特徴的な制御装置25は、図1の実線に示すように、注湯水量検出部28と燃焼制御部30と断面積検出部32とデータ格納部33と設定水位自動決定部34と基準水位確定部35と基準水位検出部36とを有して構成されている。上記燃焼制御部30には給湯や湯張りや追い焚き等の器具運転動作を制御するためのシーケンスプログラムが予め与えられており、燃焼制御部30は上記各種のセンサ出力の情報や、リモコン26の情報を取り込んで、上記シーケンスプログラムに従って器具運転動作を制御する。
【0027】
注湯水量検出部28には流量検出手段19により検出される流量に基づいて浴槽に注湯された注湯量を求めるための注湯量算出演算式データが予め与えられており、注湯水量検出部28は上記燃焼制御部30の動作情報を取り込み、該情報に基づき記憶モードの湯張りの開始司令が発せられたことを検知すると、流量検出手段19により検出される流量を時々刻々検出し、該流量と上記注湯量算出演算式データとに基づき、記憶モードの湯張りを開始してから(つまり、空の浴槽に注湯を開始してから)の流量を積算して湯張り開始後の注湯水量を検出する。
【0028】
基準水位確定部35は上記燃焼制御部30の動作情報を取り込み、該情報に基づき記憶モードの湯張りの開始司令が発せられたことを検知すると、上記注湯水量検出部28により検出される注湯水量を監視し、注湯水量が予め定めた図2に示す第1水量A(例えば、40リットル)に達したときには、燃焼制御部30に湯張り中断信号を出力し、燃焼制御部30の湯張り動作を中断させる。そして、基準水位確定部35は循環ポンプ18を駆動させ、水流センサ16によって追い焚き循環通路14の通水が検知されないことを確認する。
【0029】
基準水位確定部35は燃焼制御部30に湯張り再開信号を出力して燃焼制御部30に湯張りを再開させ、注湯水量検出部28の検出注湯水量に基づき、湯張り再開後に予め定めた第2水量B(例えば、10リットル)が注湯されたことを検知すると、再び、湯張り中断信号を燃焼制御部30に出力して燃焼制御部30に湯張りを中断させ、循環ポンプ18を駆動し、水流センサ16により追い焚き循環通路14の通水が検知されるか否かを監視する。
【0030】
水流センサ16が通水を検知しなかったときには、上記同様に、第2水量B分の注湯と、循環ポンプ18の駆動・水流センサ16のセンサ出力監視との動作を順に行う。基準水位確定部35は、上記第2水量B分の注湯と、循環ポンプ18の駆動・水流センサ16のセンサ出力監視との動作を水流センサ16により追い焚き循環通路14の通水が検知されるまで繰り返し行う。
【0031】
水流センサ16により追い焚き循環通路14の通水を検知したときには、基準水位確定部35は浴槽水位は浴槽1の内側面に形成された開口部(循環金具2)よりも上側の図2に示す水位Psにあると判断し、さらに、予め定められた第3 水量C(例えば、15リットル)を注湯させ、この注湯後の図2に示す水位Pshを基準水位として確定する。
【0032】
前記注湯水量検出部28は上記基準水位確定部35の動作情報を取り込み、該情報に基づき基準水位Pshが確定したと検知したときの注湯水量を浴槽底面から基準水位Pshに達するまでの注湯水量Qshとして検出し、この検出された注湯水量Qshを基準水位検出部36に出力する。
【0033】
断面積検出部32は水位センサ13のセンサ出力を時々刻々と浴槽水位として検出すると共に、基準水位確定部35の動作情報を取り込み、浴槽水位が前記水位Ps、基準水位Pshであるときに水位センサ13によってそれぞれ検出出力さ れる水位Ps、基準水位Pshと 、上記第3水量Cと、データ格納部33に予め与えられている次式(1)に示す演算式とに基づき浴槽1の断面積(開口面積)Sを算出し、この算出された断面積Sを基準水位検出部36に出力する。
【0034】
S=C/(Psh−Ps)・・・・・(1)
【0035】
データ格納部33には浴槽底面から基準水位Pshに達するまでの注湯水量Qshと、浴槽の断面積Sとに基づいて浴槽底面から基準水位Pshまでの図2に示す高さHshを求めるための次式(2)に示す基準水位検出演算式データが予め与えられている。
【0036】
Hsh=Qsh/S・・・・・(2)
【0037】
基準水位検出部36は上記注湯水量検出部28から注湯水量Qshを、上記断面積検出部32から断面積Sをそれぞれ受け取ると、上記データ格納部33から上記基準水位検出演算式データを読み出し、上記注湯水量Qshと断面積Sを上記基準水位検出演算式データに代入して基準水位Pshの高さHshを算出し、この算出された基準水位Pshの高さHshは設定水位自動決定部34に出力される。
【0038】
設定水位自動決定部34は上記基準水位検出部36から基準水位Pshの高さHshを受け取ると、この基準水位Pshの高さHshよりも予め与えられた下限定数D1分だ け高い位置を図2に示す最低設定水位Plwとして設定する。
【0039】
データ格納部33には浴槽底面から浴槽上端までの高さHjtが格納されている。上記浴槽上端の高さHjtは浴槽の種類に因らずほぼ同様で、予め定まるので、データ格納部33に与えておくことができる。設定水位自動決定部34は、データ格納部33から上記浴槽上端の高さHjtを読み出し、この浴槽上端の高さHjtよりも予め与えられた上限定数D2分だけ低い位置を図2に示す最高設定水位Phiとして設定する。
【0040】
また、設定水位自動決定部34は上記のように最高設定水位Phiと最低設定水位Plwを共に設定した後に、上記最低設定水位Plwから最高設定水位Phiまでの設定水位範囲内で、最低設定水位Plwと最高設定水位Phi以外の予め定められた数の設定水位を次のように設定する。例えば、設定したい設定水位の数値K(最低設定水位Plwと最高設定水位Phiも含む数値)、又は、設定水位の数Kから1を差し引いた数値を与えておき、上記設定水位の数Kから1を差し引いた数で上記設定水位範囲の幅Dlhを割算し、上記各設定水位間の間隔d(d=Dlh/(K−1))を求め、上記最低設定水位Plwから上記間隔d毎に各設定水位を決定する。
【0041】
具体的には、浴槽上端の高さHjtが55cm、最低設定水位Plwを求めるための下限定数D1が10cm、最高設定水位Phiを求めるための上限定数D2が5cm、決定する設定水位の数Kが6水位とそれぞれ予め与えられており、基準水位Pshの高さHshが15cmであると求められたときには、上記基準水位Pshの高さHshに上記下限定数D1を加算し(Hsh+D1=15+10)、最低設定水位Plwは浴槽底面から25cm上側の高さの位置に決定される。
【0042】
また、上記浴槽上端の高さHjtから上記上限定数D2を差し引き(Hjt−D2=55−5)、最高設定水位Phiは浴槽底面から50cm上側の高さの位置に決定される。そして、上記最低設定水位Plwから最高設定水位Phiまでの設定水位の幅Dlhを上記設定水位の数Kから1を差し引いた数で割算して各設定水位間の間隔dを求める。
【0043】
d=Dlh/(K−1)=(Phi−Plw)/(K−1)=(50−25)/(6−1)=5
【0044】
上記のように、各設定水位間の間隔dが5cmであると求めることができ、上記最低設定水位Plwから上記間隔d毎に設定水位が決定される。つまり、前記基準水位Pshから各設定水位までの間隔は次のように設定される。第1の設定水位(最低設定水位Plw):10cm、第2の設定水位:15cm、第3の設定水位:20cm、第4の設定水位:25cm、第5の設定水位:30cm、第6の設定水位(最高設定水位Phi):35cmと決定される。
【0045】
設定水位自動決定部34は、上記のように決定された各設定水位のデータをデータ格納部33に格納する。
【0046】
この実施形態例によれば、浴槽上端よりも下側に最高設定水位Phiを設定できる構成にしたので、従来のように浴槽上端よりも上側に設定水位が定められることがなく、浴槽上端よりも上側の設定水位が選択されて湯張り時に浴槽から湯が溢れてしまうという従来の問題を確実に回避することができる。また、入浴者が風呂に入ると湯が溢れてしまうような位置に設定水位が決定されないように上記最高設定水位Phiを求めるための上限定数D2を定めることにより、入浴者が風 呂に入ると湯が溢れてしまうというような問題を防止することができる。このように、快適な入浴が可能な水位領域内に最高設定水位Phiを決定することができる。
【0047】
さらに、浴槽1の開口部(循環金具2)よりも上側に最低設定水位Plwを設定できる構成にしたので、追い焚きや湯張りを行うことが困難な位置に設定水位が決定されてしまうのを回避することができる。
【0048】
さらに、上記最低設定水位Plwから最高設定水位Phiまでの設定水位範囲内で最低設定水位Plwと最高設定水位Phi以外の残りの設定水位を決定するので、湯張りや追い焚きが可能で、しかも、入浴者が快適に風呂に入ることができる適宜な浴槽水位領域内に予め定めた数の設定水位を全て決定することが可能であり、このことにより、従来のように選択設定できる設定水位の数が減少するという問題を確実に抑制することができる。
【0049】
以下に、第2の実施形態例を説明する。この第2の実施形態例において特徴的なことは、前記第1の実施形態例の構成に加えて、浴槽底面から浴槽上端までの高さHjtを自動的に設定する構成を有することである。この実施形態例の説明において、前記第1の実施形態例と共通する部分の説明は前述したので、その重複説明は省略する。
【0050】
ところで、浴槽1には様々な種類があり、それら各種の浴槽1は、図3の(a)に示す洋風タイプと、図3の(b)に示す和洋折衷タイプと、図3の(c)に示す和風タイプとの3分類に大別することができる。上記洋風タイプと和洋折衷タイプの2タイプは、浴槽上端の高さHjtがほぼ等しく、例えば、55cmとなっている。また、上記和風タイプは、上記2タイプよりも浴槽上端の高さHjtが高く、例えば、58cm〜60cmとなっている。
【0051】
このように、浴槽1の種類によって浴槽上端の高さHjtが異なることから、この実施形態例では、浴槽1の種類毎に浴槽上端の高さHjtを可変設定し、入浴者がより一層快適に風呂に入ることができる浴槽水位に設定水位を決定できる構成にした。
【0052】
上記洋風タイプと和洋折衷タイプの浴槽1は、浴槽底面から浴槽上端に向かうに従って浴槽の断面積(開口面積)が広くなり、和風タイプの浴槽1は、浴槽底面から浴槽上端に掛けて浴槽断面積がほぼ等しいことに本発明者等は着目した。
【0053】
ところで、この実施形態例に示す制御装置25には図1の鎖線に示すP−Qデータ作成部31が設けられており、該P−Qデータ作成部31は、記憶モードの湯張り時に、水位センサ13により検出される浴槽水位と流量検出手段19に基づき求められる注湯水量とに基づいて、図4の(a)や(b)に示すようなP−Qデータ(水位と水量の関係データ)を次のように作成する構成を有している。
【0054】
例えば、P−Qデータ作成部31は燃焼制御部30と基準水位確定部35の各動作情報を取り込み、燃焼制御部30の情報に基づき記憶モードの湯張りの開始司令が発せられたことを検知した後に、基準水位確定部35により基準水位Pshが確定されたことを検知すると、その基準水位Pshを示す水位センサ13のセンサ出力と、前記注湯水量検出部28により求められた浴槽底面から基準水位Pshまでの注湯水量Qshとを取り込む。
【0055】
また、P−Qデータ作成部31は、上記基準水位Pshから予め定められた水量R(例えば、30リットル)を注湯したときの水位センサ13のセンサ出力(水位Ps1)と注湯水量Qs1を取り込む。P−Qデータ作成部31には上記水位Ps1およびその注湯水量Qs1と、上記基準水位Pshおよびその注湯水量Qshとに基づき、図4の(a)や(b)に示すA水位領域までのP−Qデータを作成するためのA水位領域P−Q作成データが予め定め与えられており、P−Qデータ作成部31は上記水位Ps1およびその注湯水量Qs1と、上記基準水位Pshおよびその注湯水量Qshと、上記A水位領域P−Q作成データとに基づき、図4の(a)や(b)に示すA水位領域までのP−Qデータを作成する。
【0056】
さらに、上記P−Qデータ作成部31には上記水位Ps1およびその注湯水量Qs1と、上記水位Ps1よりも予め定められた値だけ上側の水位Ps2およびその注湯水量Qs2とに基づき、図4の(a)や(b)に示すB水位領域のP−Qデータを作成するためのB水位領域P−Q作成データが予め定め与えられており、P−Qデータ作成部31は上記水位Ps1およびその注湯水量Qs1と、上記水位Ps1よりも予め定められた値だけ上側の水位Ps2およびその注湯水量Qs2と、B水位領域P−Q作成データとに基づき、図4の(a)や(b)に示すB水位領域のP−Qデータを作成する。
【0057】
P−Qデータ作成部31は上記のように作成されたP−Qデータをデータ格納部33に格納し、燃焼制御部30は、実行モードの湯張り時に、上記P−Qデータと水位センサ13のセンサ出力とに基づき、湯張りを行う。
【0058】
上記のように作成されたP−Qデータに基づき浴槽底面側の断面積に対して浴槽上端側の断面積が広くなっているか否かを判断することができる。それというのは、水量変化量に対する水位変化量の変化率、つまり、図4に示すP−Qデータの傾きは、浴槽断面積に対応するものであり、上記変化率が小さくなるに従って浴槽断面積が広くなり、反対に、変化率が大きくなるに従って浴槽断面積が狭くなっていることがわかる。本発明者はこのことに着目し、前記基準水位Psh近傍での上記変化率に対する浴槽上端近傍での上記変化率の変化量に応じて浴槽上端の高さHjtを設定する制御構成を考え出した。
【0059】
この実施形態例に示す制御装置25は、前記第1の実施形態例に示した制御構成およびP−Qデータ作成部31に加えて、図1の点線に示す浴槽上端高さ設定部38が設けられている。
【0060】
浴槽上端高さ設定部38は燃焼制御部30の動作情報を取り込み、該情報に基づき記憶モードの湯張りの開始司令が発せられたことを検知した以降に、前記P−Qデータ作成部31により作成されたP−Qデータをデータ格納部33から読み出し、前記基準水位Psh近傍の予め定められた水位領域(この実施形態例では、A水位領域)における水量変化量に対する水位変化量の変化率M1と、最高設 定水位Phi近傍の予め定められた水位領域(この実施形態例では、B水位領域)における水量変化量に対する水位変化量の変化率M2とを上記P−Qデータに基 づき求める。
【0061】
データ格納部33には上記基準水位Psh近傍での変化率M1と最高設定水位Phi近傍での変化率M2との組み合わせによって浴槽底面から浴槽上端までの高さを求めるための浴槽上端設定データが予め与えられている。
【0062】
上記浴槽上端高さ設定部38は、上記求めた変化率M1,M2を上記データ格納部33の浴槽上端設定データに参照し、浴槽上端の高さHjtを設定する。例えば、図4の(a)に示すように、基準水位Psh近傍での変化率M1と、最高設定水 位Phi近傍での変化率M2とがほぼ等しいときには、基準水位Psh近傍の浴槽断 面積と最高設定水位Phi近傍での浴槽断面積とがほぼ等しいと判断されることから、浴槽底面から浴槽上端に掛けて浴槽断面積がほぼ等しい前記和風タイプの浴槽1であると判断でき、このような場合には予め定まる和風タイプの浴槽上端の高さが浴槽上端の高さHjtとして設定される。
【0063】
また、図4の(b)に示すように、上記基準水位Psh近傍での変化率M1より も最高設定水位Phi近傍での変化率M2が小さいときには、基準水位Psh近傍の 浴槽断面積よりも最高設定水位Phi近傍での浴槽断面積が広いと判断できるので、浴槽底面から浴槽上端に向かうに従って浴槽断面積が広くなる前記洋風タイプ又は和洋折衷タイプの浴槽1であると判断でき、このような場合には予め定まる洋風タイプや和洋折衷タイプの浴槽上端の高さが浴槽上端の高さHjtとして設定される。
【0064】
上記のように、設定された浴槽上端の高さHjtはデータ格納部33に格納され、設定水位自動決定部34は、その設定された浴槽上端の高さHjtに基づき、前記第1の実施形態例に示すように、最高設定水位Phiを求める。
【0065】
この実施形態例によれば、前記第1の実施形態例の構成に加えて、浴槽上端高さ設定部38が設けられているので、前記第1の実施形態例と同様に湯張りや追い焚きを行うことができ、しかも、入浴者が快適に風呂に入ることができる水位範囲内に予め定めた数の設定水位を必ず決定することができるという効果を奏することができるのはもちろんのこと、燃焼機器が連接される浴槽の種類に対応した浴槽上端の高さHjtを自動的に設定することができ、このことにより、入浴者がより一層快適に風呂に入ることができる水位に設定水位を決定することが可能となる。
【0066】
もちろん、各種の浴槽上端の高さの違いは、例えば、3cm程度と小さいことから、浴槽上端高さ設定部38を設けて浴槽毎に浴槽上端の高さHjtを設定せず、各種の浴槽上端の高さに基づいた浴槽上端の高さHjtを定数として与えておく場合にも、湯張りや追い焚きが可能で、かつ、快適な入浴ができる水位領域に設定水位を決定することができる。
【0067】
なお、本発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、各設定水位は等間隔に設定されていたが、各設定水位間は等間隔でなくてもよい。このような場合には、設定水位間の間隔を定めるための間隔設定データが予め与えられており、その間隔設定データに基づいて、前記のようにして得られた最低設定水位Plwから最高設定水位Phiまでの設定水位範囲を分割し、その分割区切り位置を設定水位として決定する。
【0068】
具体的には、例えば、設定水位の数が6水位と定められ、間隔設定データが与えられ、この間隔設定データは、前記の如く求まる第1設定水位(最低設定水位Plw)から第6設定水位(最高設定水位Phi)までの設定水位範囲の幅Dlhに対する各設定水位間の間隔の割合が、例えば、浴槽底面側から3/10,2/5,1/10,1/10,3/10というように、与えられているものである場合に、上記設定水位の幅Dlhが25cmであると求められたときには、設定水位範囲の幅Dlhに上記各間隔割合を乗算する。この演算から各設定水位間の間隔が浴槽底面側から7.5cm,5cm,2.5cm,2.5cm,7.5cmと求められ、これら求められた各設定水位間の間隔に基づき、第1設定水位よりも7.5cm上側の位置が第2設定水位、第2設定水位よりも5cm上側の位置が第3設定水位というように、設定水位が決定される。
【0069】
また、上記各実施形態例では、浴槽断面積を演算により求めていたが、例えば、注湯水量と、水位変化量との組み合わせによって浴槽断面積を求めるための表データやグラフデータ等で形成される断面積データを予め与えておき、流量検出手段19に基づいた注湯水量と、水位センサ13のセンサ出力と、上記断面積データに従って、断面積を演算以外の手法により求めてもよい。
【0070】
また、上記各実施形態例では、浴槽底面から基準水位Pshまでの高さHshを演算により求めていたが、例えば、浴槽底面から基準水位Pshまでの注湯水量と、浴槽断面積との組み合せによって基準水位Pshの高さHshを求めるための表データやグラフデータ等により形成される基準水位高さデータを予め与えておき、流量検出手段19に基づいて検出される浴槽底面から基準水位Pshまでの注湯水量と、浴槽断面積と、上記基準水位高さデータとに基づいて、演算以外の手法により浴槽底面から基準水位Pshまでの高さHshを求めてもよい。
【0071】
さらに、上記第1の実施形態例では、浴槽上端の高さHjtと、上限定数D2と を予め与えておき、設定水位自動決定部34は、上記浴槽上端の高さHjtから上限定数D2を差し引いて最高設定水位Phiを求めていたが、浴槽上端の高さHj tと、上限定数D2とは予め求まる数値であるので、浴槽上端の高さHjtから上 限定数D2を差し引いて予め最高設定水位Phiを求め、その求めた最高設定水位 Phiをデータ格納部33等に予め与えておいてもよい。
【0072】
さらに、上記第2の実施形態例では、基準水位近傍での断面積と、最高設定水位近傍での断面積とにそれぞれ対応する基準水位近傍での水量変化量に対する水位変化量の変化率と、最高設定水位近傍での水量変化量に対する水位変化量の変化率とに基づいて浴槽の種類に応じた浴槽上端の高さHjtを設定していたが、この浴槽上端の設定手法の応用例として、最高設定水位Phi近傍の浴槽断面積と、基準水位Psh近傍の浴槽断面積との組み合わせによって浴槽上端の高さHjtを設定するための浴槽上端設定データを予め求め与えておき、最高設定水位Phi近傍での浴槽断面積を求め、この求めた浴槽断面積と、前記断面積検出部32により求められた基準水位近傍の浴槽断面積と、上記浴槽上端設定データとに基づいて浴槽上端の高さHjtを設定してもよい。
【0073】
さらに、上記各実施形態例は図5に示すような給湯器を例にして説明したが、この発明は、図5に示す給湯器に限定されるものではなく、熱源器から浴槽に至る湯張り通路が設けられ、予め定めた複数の設定水位のうちの選択された設定水位に湯張りを行う湯張り機能を備えた燃焼機器であれば、この発明は適用することができる。例えば、図5に示す給湯器は追い焚き熱交換器7と追い焚きバーナー6と追い焚き循環通路14が設けられており、給湯機能と湯張り機能に加えて、追い焚き機能を有していたが、追い焚き機能を持たない湯張り機能付きの燃焼機器にも適用することができる。
【0074】
また、図5に示す給湯器では、水位センサ13は注湯通路21に設けられていたが、給湯熱交換器5から浴槽に至る湯張り通路の何れの場所に水位センサ13は設けてもよく、例えば、湯張り通路の戻り管15や往管20に設けてもよい。
【0075】
さらに、上記各実施形態例では、水量センサ10とは別個に流量検出手段19が設けられていたが、流量を検出することができるセンサを水量センサ10として設けている場合には、その水量センサ10を流量検出手段として機能させてもよい。この場合には流量検出手段19を省略することができる。さらに、熱源器として給湯熱交換器5が設けられていたが、給湯熱交換器5の代わりに、電気温水器等の熱源器が設けられている燃焼機器にも、この発明は適用することができる。
【0076】
【発明の効果】
この発明によれば、断面積検出部と注湯水量検出部と基準水位検出部と設定水位自動決定部が設けられているので、記憶モードの湯張り時に、断面積検出部により求められた浴槽断面積と、注湯水量検出部により求められる浴槽底面から基準水位までの注湯水量に基づき、浴槽底面から基準水位までの高さを基準水位検出部によって求めることができ、この求められた基準水位の高さに基づき設定水位自動決定部が上記基準水位よりも上側の位置に最低設定水位を決定することができる。上記基準水位は湯張り通路の開口形成位置よりも上側の位置に予め定められているので、必然的に、最低設定水位は上記開口形成位置よりも上側の位置に定められることから、開口形成位置よりも下側の湯張りを行うことができない位置に設定水位が決定されるという問題を回避することができる。
【0077】
また、設定水位自動決定部は、予め与えられた浴槽上端の高さよりも下側の位置に最高設定水位を決定するので、浴槽上端よりも上側の位置に設定水位が決定されることがなく、浴槽上端よりも上側の設定水位が選択され湯張り時に浴槽から湯が溢れてしまうという問題を確実に回避することができる。さらに、入浴者が風呂に入ると湯が溢れてしまうのを回避することができる位置に最高設定水位を設定することができる。
【0078】
上記のように、湯張りが可能で、しかも、入浴者が快適に風呂に入ることができる浴槽水位範囲内に最低設定水位と該最低設定水位よりも高い最高設定水位とを決定することができ、その最低設定水位から最高設定水位までの設定水位範囲にその他の設定水位を決定するので、予め定められた数の設定水位の全てを上記快適に入浴ができる浴槽水位範囲内に設定できることになり、従来のような選択できる設定水位数の減少の問題を確実に回避することができる。
【0079】
浴槽上端高さ設定部が設けられているものにあっては、浴槽の種類に応じて浴槽上端の高さが異なり、基準水位近傍での水量変化量に対する水位変化量の変化率と、最高設定水位近傍での水量変化量に対する水位変化量の変化率との組み合せによって上記浴槽の種類に応じた浴槽上端の高さを浴槽上端設定データとして予め与えておくことが可能であることから、上記基準水位近傍での変化率と最高設定水位近傍での変化率を求めて、それら求めた変化率と上記浴槽上端設定データとに基づき燃焼機器に連接される浴槽に応じて浴槽上端の高さを可変設定することができ、入浴者がより一層快適に風呂に入ることが可能な位置に設定水位を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上記各実施形態例において特徴的な制御構成を示すブロック図である。
【図2】上記各実施形態例に示す設定水位の設定手法を説明する説明図である。
【図3】浴槽の種類を示す説明図である。
【図4】水位と水量の関係データの一例を示すグラフである。
【図5】燃焼機器のシステム構成例を示す説明図である。
【図6】湯張り通路の開口形成位置に基づいて設定水位を設定する従来の設定手法の一例を説明する説明図である。
【図7】浴槽底面に基づき設定水位を設定する従来の設定手法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 循環金具
5 給湯熱交換器
12 給湯通路
13 水位センサ
14 追い焚き循環通路
19 流量検出手段
28 注湯水量検出部
32 断面積検出部
34 設定水位自動決定部
36 基準水位検出部
38 浴槽上端高さ設定部
Claims (2)
- 浴槽の内側面に形成された開口部から熱源器に連通する湯張り通路が設けられ、上記熱源器により作り出された湯を上記湯張り通路を通して浴槽に注湯し、予め定められた複数の設定水位のうちの選択された水位に湯を張る湯張り機能を備えた燃焼機器において、上記湯張り通路に設けられ水圧を利用して浴槽水位を検出する水位センサと;上記湯張り通路に設けられ通路の流水流量を検出する流量検出手段と;記憶モードの湯張り時に、上記湯張り通路の浴槽開口の開口形成位置よりも浴槽水位が上昇した後に、注湯水量に対する水位センサにより検出される水位の変化量に基づき浴槽の断面積を求める断面積検出部と;空の浴槽に注湯を開始してから上記開口形成位置よりも予め定めた分だけ高めの基準水位に達するまでの注湯水量を上記流量検出手段に基づき検出する注湯水量検出部と;上記検出された注湯水量と、上記断面積検出部により求められた浴槽の断面積とに基づき、浴槽底面から上記基準水位までの高さを求める基準水位検出部と;予め与えられた浴槽上端の高さよりも予め定められた値だけ低めの位置を最高設定水位として設定し、上記基準水位よりも予め定めた値だけ高めの位置を最低設定水位として設定し、上記最低設定水位から該最低設定水位よりも高い最高設定水位までの設定水位範囲を予め定められた数に分割し、それら分割区切り位置を設定水位として自動設定する設定水位自動決定部と;を設けたことを特徴とする燃焼機器。
- 基準水位の近傍の予め定められた水位領域での水量変化量に対する水位変化量の変化率と、最高設定水位の近傍の予め定められた水位領域での水量変化量に対する水位変化量の変化率との組み合わせによって浴槽底面から浴槽上端までの高さを設定するための浴槽上端設定データが予め与えられており、記憶モードの湯張り時に、水位センサにより検出出力される水位と流量検出手段により検出される流量とに基づき作成される浴槽水位と注湯水量の関係データに基づき、上記基準水位近傍の変化率と最高設定水位近傍の変化率とを求め、これら求めた変化率と上記浴槽上端設定データとに基づき浴槽上端の高さの値を設定する浴槽上端高さ設定部を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃焼機器。
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JP09314897A JP3880126B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 燃焼機器 |
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1997
- 1997-03-27 JP JP09314897A patent/JP3880126B2/ja not_active Expired - Fee Related
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