JPH04359746A - 浴槽内への注湯温度制御方法 - Google Patents

浴槽内への注湯温度制御方法

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JPH04359746A
JPH04359746A JP3159897A JP15989791A JPH04359746A JP H04359746 A JPH04359746 A JP H04359746A JP 3159897 A JP3159897 A JP 3159897A JP 15989791 A JP15989791 A JP 15989791A JP H04359746 A JPH04359746 A JP H04359746A
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JP
Japan
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temperature
hot water
bathtub
water
amount
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Application number
JP3159897A
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English (en)
Inventor
Yoshibumi Uchise
義文 内▲勢▼
Takeshi Sakata
武司 坂田
Akihisa Yamashita
彰久 山下
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Hanshin Electric Co Ltd
Original Assignee
Hanshin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浴槽内に張る湯の温度制
御に関し、特に、設定水位までの注湯の終了時にあって
浴槽内に張られた湯の温度が使用者の設定した設定温度
にできるだけ近くなっているように、注湯温度を制御す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の給湯システムでは、浴槽内に湯を
張る機能のみならず、冷めた湯を追焚きする機能も最早
極く普通の機能として有している。また、各種の制御に
マイクロコンピュータを利用することも既に常識的な事
実になってきており、そのプログラミングの自在性や、
マイクロコンピュータ自体の高速化、大容量化、そして
何よりも低コスト化が加速方向に作用して、使用者に対
し、より一層の快適感、満足感を与えるため、様々な観
点から種々の付加価値的工夫も提案され始めてきた。本
発明もまた、そうした一環をなすものであるので、まず
、このような最近の自動給湯機を用いた給湯システム自
体につき、図2に即して説明する。ただし、あらかじめ
述べておくと、図2中、浴室30内に備えられるリモー
トコントローラ(以下、リモコンと略記)40に付属の
動作開始指示手段41、個人指定手段42、入浴開始/
終了指示手段45、そして制御装置21内に設けられて
いる記憶学習部24は、本願とは別途に本出願人が提案
する他の発明に関するものであって、本発明に係る方法
と独立の関係で併用することはできるが、既存の自動給
湯システムには備えられていなかったものである。また
、浴室内の温度を測定する温度センサ20は、後述する
ように、本発明の一態様に従う実施例に用いるために付
加されたものである。したがって、これらの部分を除い
て説明すると、この種既存の給湯システムのどれにも概
ね当て嵌まる従来例の説明となる。
【0003】図示の自動給湯システムないし自動給湯機
は二つの熱交換器4,12を有しており、一つは通常の
蛇口やシャワー等の給湯栓1から必要に応じて出湯した
り浴槽19内に自動的に湯を張るための給湯用熱交換器
4であり、他の一つは、浴槽19内に張られた湯が設定
温度に満たないとき、ないしは時間が経って冷めたとき
の追焚き用の熱交換器12である。給湯用熱交換器4に
は、図中、矢印で“水”と示されているように、水道配
管からの水が通され、この水は当該給湯用の熱交換器4
をバーナ5で加熱することで昇温される。当然、バーナ
5には燃焼用の燃料が供給されるが、図示の給湯機では
、同様に矢印で“ガス”と示されているように、燃料と
して最も一般的なガスを用いている。ただし、灯油その
他の燃料でも給湯システム構成としてはほぼ同様で良く
、ガスをそうした他の燃料と読み換えれば、本書におけ
る以下の説明も概ねそのまま、適用することができる。
【0004】ガス配管からのガスは元電磁弁13を経た
後、給湯側に専用の電磁弁10を通過し、さらにガス流
量調節用の電磁弁(いわゆるガス比例弁)9を経てバー
ナ5に送られる。ただし、場合により、給湯側に専用の
電磁弁10は省略され、ガス比例弁9にて代用されるこ
ともある。バーナ5にはまた、ファン6からそのときど
きに適当な量の空気も送られる。一方、熱交換器4を通
過して行く水の流量は流量センサ8により検出され、ま
た、熱交換器4に入る前の水の温度は給水温センサ7に
より、熱交換器4からの出湯温は給湯温センサ3により
検出される。その他にも、図示していないが、安全のた
めにバーナ5にて所定通り着火がなされたか否か、ない
しはバーナ5が燃焼中であるか否かを検出するフレーム
ロッド等による炎検出センサとか、熱交換器4からの出
湯温度が異常に高くなった場合にこれを検出するハイリ
ミットスイッチ等も設けられることがあり、さらには制
御性をより一層高めるために、必要に応じ、ファン6が
現に出力している空気の流量ないしは実際のファンモー
タ回転数を検出して帰還制御するためのセンサ等も組込
まれる。
【0005】次に、追焚き用の熱交換器12を含む系に
ついて説明すると、浴槽19内の湯は入湯口から循環流
路に導かれ、この循環流路が当該追焚き用熱交換器12
中を通った後、再び浴槽19内に向いて開いた出湯口に
継がっている。この追焚き用熱交換器12も、すでに説
明した給湯用のそれと同様、バーナ16により選択的に
加熱されるが、このバーナ16に対しても、元電磁弁1
3を介した後、追焚き側に専用の電磁弁14を経て選択
的に燃料としてのガスが供給され、また、やはり専用の
ファン17により、そのときどきで最適な流量に制御さ
れた空気が送られる。なお、追焚き用熱交換器12を加
熱するときには循環ポンプ11が働き、浴槽19内の湯
を循環させながら熱交換器12に通す。さらに、追焚き
される浴槽内の湯の温度Kn は、循環流路中に設けら
れた槽内湯温センサ18により検出され、浴槽19内の
水位は、後に説明されるように、一般に圧力センサの形
態を採る水位センサ15によって検出される。もちろん
、図示していないが、この追焚き用のバーナ16に対し
ても、所定通り着火がなされたか否か、あるいはバーナ
16が現在燃焼中であるか否かを検出するためのフレー
ムロッド等による炎検出センサが設けられたり、同様に
必要に応じ、追焚き用熱交換器12に対しても、その温
度が異常に高くなった場合にこれを検出するハイリミッ
トスイッチ等が設けられる。
【0006】先にも述べたように、最近のこの種の自動
給湯システムにあっては、マイクロコンピュータ(図2
中、マイコンと略記)23を含む制御装置21により、
上記した各種センサからの検出信号と、制御装置21の
本体部分とは別途に設けられたリモートコントローラに
付属の各種操作スイッチの操作に基づく信号に応じ、対
応的な制御をなす。また、図2中では、浴室30内の適
当な個所に備えられる浴室リモコン40しか示されてい
ないが、その外、台所とか居間等、複数の個所のそれぞ
れに設置可能なものが多い。そして、従来のこの種給湯
システムに用いられているリモコンには、少なくとも給
湯して欲しい温度KSを使用者の側で設定可能な温度設
定手段が備えられ、居間もしくは台所等、定められた個
所に設置されたどれか一つのリモコンに、あるいは全て
のリモコンに、運転スイッチ等も設けられる。さらに、
優先順位の仕組みを持つものもある、これは、複数のリ
モコンの中、特定の指令情報に関して高い優先度の持た
されたリモコンの操作が他に優先し、当該他のリモコン
によって指令されていた同じ内容に係る既設定情報や、
新たに指令される情報が無効化されるものを言う。
【0007】図示の場合、浴室リモコン40には上記し
た運転スイッチが備えられていない場合を想定しており
、したがって図示されていないが、この運転スイッチは
、いわゆる各種家庭用電気機器における電源スイッチで
はない。通常、この種の自動給湯システムでは、据え付
けの当初、商用交流電源コンセントに当該システムの電
源プラグを差し込むことにより制御装置21に電源が投
入され、以後、修理や撤去の目的で意図的に電源プラグ
が抜かれるまで、電源は与えられ続ける。運転スイッチ
とは、システムに電源が与えられているとの前提の下で
、条件に応じて給湯用バーナ4や追焚き用バーナ16に
おける燃焼を許容するかしないかを使用者が指示するも
ので、使用者が運転スイッチを運転位置(燃焼位置)に
付けていない限り、制御装置21は動作制御部22を介
し、元電磁弁13や、給湯用、追焚き用に各専用の電磁
弁10,14を閉じた状態に維持し、そもそも着火動作
も起こさせないようにする。ただ、一般の使用者の使用
感覚からして、当該運転スイッチには、「電源」という
表記がなされている場合も多い。換言すると、使用者が
この図示しない運転スイッチを運転位置に付けてある場
合には、蛇口やシャワー等の給湯栓1が開かれる度に、
自動的に給湯のための燃焼が開始する。すなわち、給湯
栓1が開かれ、熱交換器4を通過する水流が発生すると
、それまでは水流停止信号(流量零信号)を発していた
流量センサ8は、まずは水が流れ始めたことを表す信号
(したがって、流量信号は水流のオン・オフ検出信号を
兼ねることができる)をマイクロコンピュータ23に送
る。これを受けたマイクロコンピュータ23は、ガス比
例弁9に所定量の弁開度を与える信号を送出し(それ以
前にもちろん、各電磁弁10,13,14は開かれてい
る)、対応した流量のガスをバーナ5に供給させるべく
すると共に、ファン6に空気量調節信号(回転数制御信
号)を送出して、燃焼に適当なる量の空気をバーナ5に
与えながら、図示しない着火機構を動作させる。このよ
うにしてバーナ5における燃焼が開始すると、熱交換器
4が加熱され、この熱交換器4を通る水が暖められて、
蛇口等の給湯栓1から湯となって提供されるが、この実
際の給湯温はまた、給湯温センサ3により検出され、こ
れが使用者によって設定されている設定温KS との間
に誤差を生じている場合には、マイクロコンピュータ2
3はそうした誤差を解消する方向に比例弁9の弁開度や
ファン6の回転数等を調整し、バーナ5における燃焼エ
ネルギを制御する。
【0008】使用者が湯を出していた蛇口等を閉じ、湯
を止めると、流量センサ8は水流停止信号(流量零信号
)をマイクロコンピュータ23に送出し、これを受けた
マイクロコンピュータ23では動作制御部22を介し、
ガス比例弁9に全閉信号を送出してバーナ5を速やかに
消火するべく機能する。ただし場合により、実際の流量
を実時間で出力する流量センサ8とは別に、単に水流が
生じたか否かを専門に検出する水流スイッチが設けられ
ることもあるし、また、完全に流量が零でなくとも、あ
らかじめ定められた流量以下にまで落ちたときには、出
湯温の異常な加熱を防ぐため、燃焼を停止させることも
ある。さらに安全のため、熱交換器4に対してハイリミ
ットスイッチが付されている場合には、これが異常な温
度にまでの過熱状態を検出して過熱信号をマイクロコン
ピュータ23に送出すると、マイクロコンピュータ23
は動作制御部22をして直ちにバーナ5の強制消火動作
に入らせるか、あるいは燃焼量を制限させ、同様に、図
示しないがフレームロッド等、適当なる燃焼検出素子が
バーナ5における途中失火を検出した場合にも、マイク
ロコンピュータ23は動作制御部22をしてガス比例弁
9に強制閉塞信号を送出させ、システムによっては元電
磁弁13にも強制閉塞信号を送出させて、生の燃料が機
外に漏出する危険を防ぐ。
【0009】使用者が湯張り指令スイッチ(図示せず)
を操作し、浴槽19内への自動湯張りを選択した場合に
は、制御装置21に内蔵のマイクロコンピュータ23に
対して湯張り要求信号が送出され、これに応じ、マイク
ロコンピュータ23は動作制御部22を介して切換電磁
弁2を開き、熱交換器4からの湯を浴槽19に直接導け
るようにする。以降、この自動湯張り動作に関し、図3
をも併せて用いて説明するが、当該図中において、便宜
上、自動湯張り動作がなされているときは「オン」、そ
うでない時は「オフ」として示す。この点は、後述する
追焚き動作に関しても同様とする。
【0010】この自動湯張りに関しては、必要なデータ
の一つとして、マイクロコンピュータ23に対し、あら
かじめ設定水位データも与えられる。設定水位データと
は、浴室リモコン40等に設けられている水位設定手段
44を使用者が操作することにより、その好みに応じ、
浴槽19のどの高さ位置にまで湯を入れるかを指定する
データであるが、これは実際には、空の浴槽内に湯を入
れ始めてから当該設定水位HS に至るまでに要する全
湯量で表されることが多い。と言うのも、当該設定水位
HS を単に浴槽内の幾何的な高さのみで表すと、浴槽
形状の変更に対応できないからである。浴槽内に浮かべ
て使う古典的なフロートタイプの液面検出計を用いれば
、単に浴槽内の湯の幾何的な液面高さで水位を知ること
ができるが、これは最近の市場では好まれない。そこで
、図2に示されるシステムでも、自動湯張り動作の開始
により切換電磁弁2が浴槽19側に切換えられ、注湯が
開始してから浴槽19内に張られて行く湯の実際の湯量
は、追焚き用熱交換器12の周りを回る循環経路中に備
えられた水位センサ15の検出する圧力値(浴槽内の水
圧値)を利用して演算される。すなわち、図3中で湯張
りの開始時から時間T1を経た後に、この演算値が使用
者の設定した設定水位HS に対応する圧力値になると
、マイクロコンピュータ23の指令の下、動作制御部2
2はそこで切換電磁弁2を元の側に切換える。もちろん
、時間T1 に及ぶこの自動湯張り時に浴槽19内に供
給される湯の温度についても使用者の設定が可能であり
、先の給湯栓1に対する給湯時と同様、マイクロコンピ
ュータ23は流量センサ8、給水温センサ7、給湯温セ
ンサ3から得られる各情報に基づき、動作制御部22を
して比例弁9の開度やファン6の回転数をその時々で最
適に制御させ、給湯温センサ3における検出温度が使用
者の設定した設定温度KS を常に維持するように図る
【0011】しかし、少し注意せねばならないのは、従
来にあっては、使用者の設定可能な設定温度KS は、
この自動湯張りに時においても、通常の給湯栓1からの
給湯時と同様、給湯用熱交換器4の出口において給湯温
センサ3により検出される部位での湯温を指定するもの
であった。そのため、自動湯張りの開始後、上記の燃焼
制御により、図3中の時間T1 の間、給湯温センサ3
の検出する温度が常に設定温度KS を維持するべく、
安定な注湯に成功したとしても、当該自動湯張り動作が
終了した時点における浴槽19内の実際の湯温(槽内湯
温)Kn は、一般には設定温度KS より低目になる
のが普通であった。これは、湯の表面から直接に放熱さ
れてしまう放熱分や、浴槽の壁面を伝って放熱されてし
まう放熱分、ひいては浴室30の外側(一般に屋外)に
配置される熱交換器4から浴槽までの配管部分の管壁を
介しての放熱分等の存在が避けられないからである。
【0012】図3に基づき、これをもう少し説明すると
、例えば最初に、ある所定容量の湯を浴槽19内に注入
し、これを時間T1 の間、そのままにしておいたとす
る。すると、当然のことながら、最初の注湯温度が設定
温度KS であったとしても、温度低下特性fk に従
い、その温度は低下してしまう。そこで、これを再び設
定温度KS にまで持って行くには、当該自動湯張り時
間T1 の経過後、図3中で追焚きに関し「オン」と示
されているように、ある程度の時間T2 に亙り、既述
した追焚きに関する燃焼機構を稼働させて、温度上昇特
性fk’を与え、当該所定容量の湯を沸かし直す必要が
生ずる。これを、自動湯張りの開始時点から湯量自体が
増加して行く浴槽内の湯の全体の温度Kn の変化に置
き換えてみると、それぞれの場合により、また様々な外
的条件の如何により、単純かつ一義的な表現は難しいも
のの、模式的な一例としては、例えば図3中、仮想線で
示したような変化曲線Kn で表すことができる。すな
わち、当初、空の浴槽19内に注湯された湯は、その注
湯温度が設定温度KS であったにしても、冷えた浴槽
の底に直接に接触する結果、急激に冷やされて、浴槽1
9内では設定温度KS よりもかなり低目の温度になっ
てしまう。しかし、その後に絶えることなく、既述した
燃焼制御の下で設定温度KS を保っての注湯が継続さ
れて行くと、湯量の増加に伴う全体の熱エネルギの増加
により、浴槽19内の実際の湯温Kn も上昇傾向とな
り、設定水位HS に至ったときの自動湯張り終了時点
(時間T1 の経過時点)では、槽内湯温Kn も設定
温度KS に対してかなり近い所まで上昇する。しかし
、それでも、設定温度KS に対し、a度だけ、低い温
度に留まってしまう。
【0013】そこで従来においては、自動湯張り完了と
共に直ちに補助追焚きを行なうことが考えられた。説明
すると、設定水位HS までの注湯完了に伴い、マイク
ロコンピュータ23は既述した自動湯張り動作を終了さ
せる一方で、動作制御部22に対し、循環ポンプ11を
回し始める指令を出す。これは、浴槽19内の湯を適宜
撹拌して均一な温度となるようにしてから、当該槽内湯
温Kn を槽内湯温センサ18を介して自身の中に取込
むためで、その結果、設定温度KS とこの槽内湯温K
n との間の温度差aが所定の値以上あった場合には、
マイクロコンピュータ23は次ぎに、動作制御部22を
して追焚き用のバーナ16に着火させ、追焚き用熱交換
器12により、浴槽19内の湯の加温を図る。この追焚
き開始後も逐次定期的に、マイクロコンピュータ23は
槽内湯温Kn を繰返して設定温度KS と比較し続け
、やがてのことに槽内湯温Kn が設定温度KS に至
るか、これを越えた場合、動作制御部22をしてバーナ
16での燃焼を停止させ、循環ポンプ11の稼働も停止
させる。ここまでに要する時間が、図3中では追焚きが
「オン」となっている時間T2 として示している。
【0014】なお、図示してはいないが、この補助追焚
きも完了すると、使用者に対し、設定水位HS の湯が
設定温度KS にまで沸き上げられたことを知らせる報
知手段が稼働するようになっているものも多い。さらに
、自動保温モードを有し、例えば20分ないしは30分
間隔というように、定期的に循環ポンプ11を回しなが
ら槽内湯温Kn を監視し、それが設定温度KS に対
し、所定の温度差以上、低下している場合には、再度、
自動的に追焚きを開始させるようなものも提案されてい
る。もちろん、図示されていないが、浴室リモコン40
等に設けられている追焚き指令スイッチの操作により、
使用者の強制的な指令によっての追焚きも可能である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の自
動給湯システムでは、時間T1 をかけて設定水位HS
 まで注湯し終えたときには、浴槽内に張られた湯の温
度Kn は使用者の希望する設定温度KS に対し、一
般に低下しており、そのため、時間T2 に亙る補助的
な追焚きが必ず必要になる。しかも、この補助追焚きに
必要とする当該時間T2 は、槽内湯温Kn の低下の
程度の関数となり、季節によって変動することになる。 夏は比較的短く済んでも、冬はかなり長くなる。このよ
うに、設定水位HS の湯を設定温度KS で得るまで
の時間、すなわち、沸き上がりに要する時間が長くなる
ことはそれ自体好ましくないし、季節ないしは周辺の温
度環境によって変動することは、使用者が湯張り設定を
してから入浴可能となるまでの待機時間に予測がつかな
いことになり、生活時間を有効に使用する上での支障に
なっていた。本発明はこの点に鑑み、湯張り後の補助的
な追焚きを望ましくは不要とし、必要とするにしてもそ
れが短くて済むようにすることで、湯張り開始から実質
的に沸き上がりと認め得るまでの時間を短縮し、かつ、
季節や周辺温度環境の変動によっても当該時間をできる
だけ一定に保てるような手法を開示せんとするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するため、まず、第一の発明として、設定水位までの
各回ごとの湯張り完了時に、浴槽内の湯温(槽内湯温)
を検出し、当該槽内湯温が設定温度に対し、許容温度差
以上に低下していた場合には、その温度差を前回の補正
温度に加えて新たな補正温度とし、次回の上記自動湯張
りに際しては、設定温度にこの新たな補正温度を加えた
温度での注湯を行うという手法を提案する。また、この
手法に付加される手法、ないしは実質的に表裏一体とな
る手法として、各回ごとの湯張り完了時に槽内湯温を検
出した所、当該槽内湯温の方が設定温度よりも許容温度
差以上、逆に高くなってしまっていた場合には、その温
度差を前回の補正温度から差し引いて新たな補正温度と
し、次回の上記自動湯張りに際しては、設定温度にこの
新たな補正温度を加えた温度での注湯を行うという手法
も提案する。本発明ではさらに、上記のような単なる温
度差のみに鑑みての各回ごとの注湯温度制御に代え、放
熱量に鑑みての注湯温度制御手法も提案する。すなわち
、設定水位までの各回ごとの自動湯張りが完了した後に
槽内湯温を検出し、当該槽内湯温が設定温度に対し、許
容温度差以上の温度差をおいていた場合には、その回の
注湯温度と槽内湯温との温度差と、その回の設定水位ま
での総湯量との積に応じた放熱量を求め、この放熱量で
前回の放熱量を更新、記憶しておき、次回の上記自動湯
張りに際しては、当該次回における設定水位(前回の設
定水位と同じであっても異なっていても良い)までの総
湯量に関し、予想される放熱量を上記記憶していた放熱
量に基づいて求め、設定温度に対してこの予想放熱量を
補い得る分の補正温度を加えた温度を新たなる注湯温度
として注湯を行うという手法も提案する。この放熱量に
鑑みての制御手法は、ある回の湯張りが完了した時点で
の槽内湯温が設定温度に対して許容温度差以上に低かっ
た場合はもちろん、許容温度差以上に高くなっていて、
次回は注湯温度を少し低めた方が良い場合にも有効に作
用する。ただしこれは、本発明を用いた上での選択の問
題であって、後者の場合には記憶している放熱量の更新
を行わない場合を含むことができる。加うるにこの手法
に従う場合には、浴槽内の水位を複数の段階に分割し、
各段階ごとに予想放熱量の値を変えて設定する(例えば
、浴槽の底に近い部分からある程度の高さ部分までの水
位に関しては予想放熱量を大きめに設定する)という手
法に発展させることもでき、また、各回ごとの注湯温度
の決定に関しても、上記した通り、設定温度に対して予
想放熱量を補い得る分の補正温度を加えるのみならず、
そのときの浴槽外の温度(例えば浴室内の温度)に基づ
く補正分をも加味して決定するという手法に展開するこ
ともできる。なお、演算に際しての変動要因に鑑み、予
想放熱量の演算に用いる前回の放熱量に関しては、その
値を何割かの範囲でさらに増減補正することもできる。 もっとも、これも表現の問題であって、上記の通り、本
発明においては予想放熱量を前回の放熱量に基づいて求
めると定義している以上、当該求値のときにその補正分
を考慮すれば良く、必ずしも記憶している放熱量の値そ
のものを補正せねばならないということではない。
【0017】
【実施例】本発明の実施例につき、図1に即して説明す
るに、その前提として、本発明を適用し得るハードウエ
アとしての装置系は、すでに図2に即して説明されたも
のとする。したがって本項では、当該システムの全てに
亙る再説明は省略し、本発明の実現にとって必要なもの
につき、既説内容から適宜抽出、援用する。図2中の符
号についても然りである。もっとも、換言すれば、昨今
の自動給湯システムとして通常の機能を備えている限り
、それに内蔵のマイクロコンピュータ23に対するソフ
ト的な処理により、本発明を実現することができる。
【0018】まず、図2に示された自動給湯システムが
家庭等に設置されたばかりの当初につき考える。すでに
説明したように、図示しない商用交流電源に対し、図示
しない電源プラグが挿入されると、図2のシステムは稼
働状態に入る。そこでこれ以後、使用者が始めて浴槽1
9内への自動湯張りを指令したとする。自動湯張りの指
令は、既存、通常の自動給湯システムでは図示しない湯
張り指令スイッチの操作となるが、先に少し触れたよう
に、本出願人が別途開示する発明においては、図2に併
示されている動作開始指示手段41の操作となる。ただ
し、この別途開示する発明は、個人別に最適な入浴状況
を生成するための発明であって、本発明にとっては直接
の関係がないため、説明を省略する。いずれにしても、
使用者により自動湯張りが指令されると、すでに説明し
た自動湯張り機能が稼働し始め、給湯用熱交換器4にて
の熱交換動作が始まるが、この電源投入後の最初の回に
おける自動湯張りにあっては、とりあえず、例えば浴室
30内に備えられている浴室リモコン40に付属の水位
設定手段44により使用者の設定した設定水位HS ま
での湯張りに関し、給湯用熱交換器4から出湯される湯
の温度、すなわち注湯温度は、これも浴室リモコン40
に備えられている温度設定手段43により、使用者が設
定した設定温度KS とする。換言すれば、このまさし
く最初の回の自動湯張りに関しては、従来と同様、給湯
用熱交換器4の出口で給湯温センサ3により検出される
湯の温度が常に設定温度KS を維持するようにして注
湯を行う。
【0019】この結果、図1の左側にあって括弧書きで
「電源投入後,初回」と記されている部分に示されてい
るように、湯張り開始後、時間T1 を経過し、設定水
位HSまでの湯張りを完了した時点では、浴槽内の実際
の温度である槽内湯温Kn は、使用者が望んだ設定温
度KS より、一般には低下する。この理由は従来例の
説明に関してすでに述べているが、本発明に直接に関与
してくるので、もう一度、簡単に述べておく。
【0020】例えば最初、ある所定容量の湯を浴槽19
内に注入し、これを時間T1 の間、そのままにしてお
いたとすると、湯の表面から直接に大気中に放熱される
分や、浴槽の壁面、ひいては浴室30の外(一般に屋外
)に配置される給湯用熱交換器4から浴槽19までの配
管部分の管壁を介しての放熱分により、最初の注湯温度
が設定温度KS であったとしても、当該所定容量の湯
は、温度低下特性fk に従い、その温度が低下してし
まう。 そこで、これを再び設定温度KS にまで持って行くに
は、当該自動湯張り時間T1 の経過後、図3中で追焚
きに関し「オン」と示されているように、ある程度の時
間T2 に亙り、既述した追焚きに関する燃焼機構を稼
働させて、温度上昇特性fk’を与え、当該所定容量の
湯を沸かし直す必要が生ずるが、これを、自動湯張りの
開始時点から湯量自体が増加して行く浴槽内の湯の全体
の温度Kn の変化に置き換えてみると、これも既述の
通り、それぞれの場合により、また様々な外的条件の如
何により、単純かつ一義的な表現は難しいものの、模式
的な一例として、例えば図3中、仮想線で示したような
変化曲線Kn で表すことができる。
【0021】すなわち、当初、空の浴槽19内に注湯さ
れた湯は、その温度Kn が設定温度KS であったに
しても、冷えた浴槽の底に直接に接触する結果、急激に
冷やされて、浴槽19内では設定温度KS よりもかな
り低目の温度になってしまう。しかし、その後に絶える
ことなく、既述した燃焼制御の下で設定温度KS を保
っての注湯が継続されて行くと、湯量の増加に伴う全体
の熱エネルギの増加により、浴槽19内の実際の湯温K
n も上昇傾向となり、設定水位HS に至ったときの
自動湯張り終了時点(時間T1 の経過時点)では、槽
内湯温Kn も設定温度KS に対してかなり近い所ま
で上昇する。しかし、それでも、設定温度KS に対し
、a度だけ、低い温度に留まってしまう。
【0022】しかるに、本発明の一実施例でも、ここで
説明しているように、この電源投入後の初回の湯張り時
間T1 経過時にあって槽内湯温Kn が設定温度KS
 に対し、許容温度差以上に低くなっていた場合には、
すでに説明した従来例と同様、補助追焚きを図る。すな
わち、水位検出センサ15を介しての取り込み水位が設
定水位HS に至ったことを検出すると、図2に示され
るシステム中、マイクロコンピュータ23からの指令に
よって動作制御部22により切換電磁弁2を給湯栓1の
側に切換えさせ、かつ、給湯用熱交換器4の加熱用バー
ナ5を消火させて、当該自動湯張り動作を終了させる一
方、とりあえず循環ポンプ11を回させる。これは、浴
槽19内の湯を適宜撹拌して均一な温度となるようにし
てから、当該槽内湯温Kn を槽内湯温センサ18を介
して自身の中に取込むためで、その結果、設定温度KS
 とこの槽内湯温Kn との間の温度差aが許容できる
温度差以上であった場合には、マイクロコンピュータ2
3は次ぎに、動作制御部22をして追焚き用バーナ16
に着火させ、追焚き用熱交換器12により、浴槽19内
の湯の加温を図る。なお、上記の許容温度差は任意設計
的に定めることができ、例えば1度、2度等と定め、温
度差a(=KS −Kn)が当該1度以上、あるいは2
度以上等というように、それらの値よりも大きかったば
あいに上記の追焚き動作を開始させることができるし、
原理的に言う限りにおいては、許容温度差は0度と定め
られても良い。つまり、設定温KS より槽内湯温Kn
 が少しでも低ければ、上記の追焚き動作が開始するよ
うになっていても良い。
【0023】ただし、本発明のこの実施例に特徴的なこ
とは、上記のようにして検出した温度差a、ないしはこ
れを求める元となる設定温度KS と湯張り完了時点に
おける槽内湯温Kn は、後述する次回の湯張り開始に
際して再度、前回のデータとして利用されるので、マイ
クロコンピュータ23に付属のメモリ領域(図示せず)
に格納しておく。
【0024】いずれにしても、この追焚き動作が開始す
ると、逐次定期的に、マイクロコンピュータ23は槽内
湯温Kn を繰返して設定温度KS と比較し続け、や
がてのことに槽内湯温Kn が設定温度KS に至るか
、これを越えた場合、動作制御部22をしてバーナ16
での燃焼を停止させ、循環ポンプ11の稼働も停止させ
る。ここまでに要する時間が、図3中では追焚きが「オ
ン」となっている時間T2 として示している。なお、
図示してはいないが、この補助追焚きを完了した時点で
、使用者に対し、設定水位HS の湯が設定温度KS 
にまで沸き上げられたことを知らせる報知手段が稼働す
るようになっていると良い。この報知のための機構自体
は、すでに述べた通り、公知である。
【0025】以上のように、本発明を適用しての一実施
例においても、給湯システムに電源が投入された最初の
一回目の動作については、湯張り完了時点における設定
温度KS と槽内湯温Kn を記憶するか、またはそれ
らの差aを記憶しておくことを除き、従来例の動作とほ
ぼ同様となる。しかし、次回の湯張りに関しては、本発
明の各態様に応じ、従来例の如何なるものにも認められ
ない制御がなされる。図1中、右半分に示されている所
を利用し、まず、本発明の第一の手法に従う場合につき
説明する。
【0026】使用者により、電源投入の後、初回の動作
によって張られた湯が一旦抜かれ、再度、二回目の自動
湯張りが指令されると、上記してきたと同様に、マイク
ロコンピュータ23の指令に基づき動作制御部22が切
換電磁弁2を浴槽側に切り換え、かつバーナ5に着火し
て給湯用熱交換器4にての熱交換動作を開始させる。し
かし、この回における注湯温度、すなわち、熱交換器4
の出口にて給湯温センサ3が検出する湯の温度は、使用
者の設定した温度KS よりも補正温度αだけ、高い温
度が保たれるようにする。そして、ここで述べようとし
ている、本発明の第一の態様に従う実施例の場合には、
当該αは既述した温度差aとする。すなわち、前回の湯
張り完了時点おいて低下していた温度差分aをあらかじ
め補った形で注湯するのである。式で書くなら、当該第
二回目における自動湯張り時の注湯温度Kn は、Kn
 =KS +α=KS +aとなる。したがって、この
温度補償が完全に旨く行けば、図1の右半分に示されて
いる通り、設定水位HS までの時間T1 を掛けての
湯張り動作が完了したときには、所定容量に関して湯の
温度低下特性fk が見込まれても、設定水位HS ま
での全湯量における実際の槽内湯温Kn は、当該湯張
り完了時点で設定温度KS に丁度至っているか、少な
くとも許容温度差範囲内に入っていることがあり得る。 もちろん、そうであれば、従来必要であった補助追焚き
は全くにして不要となり、そのための時間T2 が短縮
されたことになる。
【0027】これに対し、設定温度KS に補正温度α
(=a)を加えて注湯しても、設定水位HS までの湯
張りが完了した時点における槽内湯温Kn がなお、設
定温度KSに対して許容温度差以上に低い場合も考えら
れる。この場合にも、本発明の第一の態様に従うこの実
施例では、先に説明したと同様の補助追焚き動作をなし
、設定温度KS にまで、槽内の湯を沸かし上げること
を予定する。しかし、明らかなように、この補助追焚き
に必要とする時間は、従来のように設定温度KS での
注湯を行っていた場合に比べると、十分に短くできる。 設定温度KS に対する槽内湯温Kn の温度低下の程
度は、確実に小さくなっているからである。
【0028】しかも、本発明によると、二回目の自動湯
張りの完了後にもこのような補助追焚きが必要であった
場合には、当該二回目における湯張り完了時点での設定
温度KS と槽内湯温Kn との差a’を前回の補正温
度α=aに加えて新たな補正温度α=a+a’とし、次
回の上記自動湯張りに際しては、設定温度に当該新たな
補正温度を加えた温度での注湯を行う。したがって、三
回目以降は、一種の学習機能が働き、注湯を終えた時点
における設定温度KS と槽内湯温Kn との差aは、
益々小さくなって行き、やがては図1の右半分に示され
ているような、すでに説明した望ましい状態を具現する
ことができる。
【0029】これに対し、各回ごとの湯張り完了時に槽
内湯温Kn を検出した所、当該槽内湯温Kn の方が
設定温度KS よりも許容温度差以上、逆に高くなって
しまっているような場合も考えられる。このときには、
特には補正温度の更新を行わなくても良く、当該その回
の自動湯張りに用いた補正温度αをそのまま次回の自動
湯張り時に用いても良いが、より望ましくは、上記した
本発明の第一の手法に表裏一体の関係で付属し得る方法
として、その回の自動湯張り完了時における槽内湯温K
n に対する設定温度KS の温度差aをその回の注湯
時に用いた補正温度αから差し引き、これを新たな補正
温度αとし、これに設定温度KS を加えた温度を注湯
温度として注湯する。
【0030】上記のような本発明の実施例によれば、明
らかなように、使用者の望む設定水位HS にまで、設
定温度KS の湯を準備するに要する時間は大いに短縮
でき、かつまた、季節の変動、給水温の変動等にも良く
追従して、夏でも冬でも、余り変わらない沸き上がり時
間とすることができる。なお、ここで言っている「沸き
上がり時間」とは、既述の自動湯張り時間T1 ではな
く、本発明の適用の結果、追焚きが不要となったがため
に当該時間T1 と同一になることはあるにしても、原
則としては、必要に応じ採用される補助追焚きの時間T
2 を含む概念、つまりは上記の通り、使用者の望む設
定水位HS にまで、設定温度KS の湯を浴槽19内
に準備するに要する時間である。
【0031】本発明ではさらに、上記のように、単に自
動湯張り終了後の槽内湯温Kn と設定温度KS との
温度差aにのみ鑑みての補正に留まらず、浴槽内に張ら
れて行く湯の放熱量に鑑みての補正も提案している。そ
こで、この方法に即する具体的な実施例につき、説明す
る。まず、図2の給湯システムに電源が投入された最初
の回の自動湯張りに際しては、その注湯温度は、先の温
度補正のみの場合と同様、一応、使用者の設定した設定
温度KS とする。したがって当然のことながら、図1
中にあって注湯開始から時間T1 を経過した後の、設
定水位HS までの湯張りが完了した時点においては、
一般に槽内湯温Kn は設定温度KS に対し、許容温
度差以上に低下していることが多いと考えられる。そこ
で、この実施例でも、図1中で時間T2 に亙って示さ
れている補助追焚きをなすこと自体は原則的なこととし
てマイクロコンピュータ23にプログラムしておき、設
定水位HS にまで至ったことが水位センサ15により
検出されると、既述のメカニズムにより注湯を停止する
一方で補助追焚きを開始する。そして、この結果、槽内
湯温Kn が設定温度KS に至ったと判断した時点で
、この補助追焚きを終了させ、「沸き上がり」とする。
【0032】しかしその一方で、次回以降の補正のため
、マイクロコンピュータ23は、当該最初の回の設定水
位HS までの自動湯張りが完了した後に検出される槽
内湯温Kn と設定温度KS との温度差aと、設定水
位HS までの総湯量との積に応じた放熱量を求めて、
図1中には示されていないが、付属のメモリ領域にこの
値を格納する。このような放熱量に基づくと、設定温度
KS を注湯温度として、所定容量(例えば単位容量)
の湯が浴槽19内に注湯された以降、図1に示される温
度低下特性fk に従ってその温度Kn が低下してい
った結果、時間T1 を経過した時点で設定温度KS 
との間に温度差bを置くことを仮定した場合、当該所定
容量に関する放熱量を算出ないし予想し得ることを意味
し、ひいては当該温度差bの値を算出ないし予想し得る
ことを意味する。 従って逆に、この所定容量に関する放熱量を算出ないし
予想することにより、設定水位HS に変更があっても
、その時々の当該設定水位HS までの総湯量に関し、
放熱してしまうであろう予想放熱量を求めることができ
る。
【0033】そこで、本発明のこの実施例では、一旦、
浴槽内の湯が抜かれた後、再度、自動湯張りが指令され
た第二回目においては、当該第二回目の自動湯張り時に
使用者によって設定されている設定水位HS までの総
湯量に関し、予想される放熱量を最初の回に関して記憶
していた放熱量に基づいて求め、設定温度KS に対し
てこの予想放熱量を補い得る分の補正温度αを加えた温
度を新たなる注湯温度として注湯総湯量する。従って、
図1に示されているこの実施例における補正温度αは、
初回の温度低下分aに対し、単純に同じ値となるもので
はない点で先の第一の実施例と相違する。
【0034】この二回目の自動湯張り完了時においても
、なお、設定温度KS に対し、許容温度差以上の温度
差で槽内湯温Kn の方が低かったならば、補助追焚き
をなすと同時に、この二回目のときの注湯温度と最終的
な設定温度KS に対する槽内湯温Kn の低下温度差
、そして設定水位HS により、この回に関する放熱量
を求め、前回の放熱量を書き換えて記憶し、この更新さ
れた放熱量は、三回目の自動湯張り時の設定水位HS 
までの湯張りに関し、注湯温度を決定するための予想放
熱量の算出に用いる。
【0035】すなわち、三回目以降の各回の自動湯張り
に関し、一般化して言えば、本発明のこの態様に従う制
御手法の場合、設定水位までの各回ごとの自動湯張りが
完了した後に槽内湯温Kn を検出し、当該槽内湯温K
nが設定温度KS に対し、許容温度差以上の温度差を
おいていた場合には、その回の注湯温度と槽内湯温Kn
 との温度差と、その回の設定水位HS までの総湯量
との積に応じた放熱量を求め、この放熱量で前回の放熱
量を更新、記憶しておき、次回の上記自動湯張りに際し
ては、当該次回における設定水位までの総湯量に関し、
予想される放熱量を上記記憶していた放熱量に基づいて
求め、設定温度KS に対してこの予想放熱量を補い得
る分の補正温度αを加えた温度を新たなる注湯温度とし
て注湯を行う。
【0036】明らかなように、本発明のこの態様に従う
注湯温度制御は、補助追焚きが必要なときにも、従来に
比し、十分にその時間を短くし得、至上、不要とし得る
のみならず、各回ごとに設定される設定水位HS の変
更にも良く対処し得るものとなる。また、ある回の自動
湯張り完了時点においては、設定温度KS に対し、槽
内湯温Kn の方が許容温度差以上に高くなっていたよ
うな場合にも、注湯温度の低下を起こさせる放熱量分に
鑑みているので、次回の自動湯張り時には、補正温度α
の値を自動的に小さくすることができ、結局、そうした
高低の誤差に拘らず、自動湯張り完了時点での槽内湯温
Kn を設定温度KS に近付ける働きを期待すること
ができきる。
【0037】ただし、設定温度KS に対し、槽内湯温
Kn の方が許容温度差以上に高くなっていた場合には
、特に記憶している放熱量の更新を行わず、次回の自動
湯張り時における予想放熱量の演算に関しても、当該放
熱量をそのまま用いるようにすることもできるが、これ
は、本発明を用いた上で必要に応じ採択される設計上の
問題である。同様に、演算に際しての変動要因(例えば
各種取り込み情報の外乱による変動、それに伴う算出ミ
ス)に鑑み、予想放熱量の演算に用いる前回の放熱量に
関しては、安全を見込むため、その値を何割かの範囲で
さらに増減補正することもできるが、この補正に関して
も表現の問題であって、上記の通り、本発明においては
予想放熱量を前回の放熱量に基づいて求めると定義して
いる以上、当該求値のときにその補正分を考慮すれば良
く、必ずしも記憶している放熱量の値そのものを補正せ
ねばならないということではない。
【0038】加うるにこの手法に従う場合には、浴槽内
の水位を複数の段階に分割し、各段階ごとに予想放熱量
の値を変えて設定することも容易にする。例えば、浴槽
の底に近い部分からある程度の高さ部分までの水位に関
しては予想放熱量を大きめに設定すること等が可能にな
り、より繊細な制御を実現することができる。浴槽の底
の部分は高めの注湯温度で注湯し、早めに暖めるように
することで、沸き上がり時間はより一層、短縮する。
【0039】さらに、本発明は、また別な態様として、
各回ごとの注湯温度の決定に関し前回の放熱量に基づい
た予想放熱量を補い得る分の補正温度を加えるのみなら
ず、そのときの浴槽外の温度(例えば浴室内の温度)に
基づく補正分をも加味して決定するという手法も提案し
ている。例えば、図2中に併示するように、浴室30の
内部の適当な位置に温度センサ20を設け、これの検出
する浴室温度をマイクロコンピュータ23が取り込むよ
うにして、各回ごとの予想放熱量の算出時、またはこの
予想放熱量に基づく補正温度の決定時には、当該マイク
ロコンピュータ23はその時々の浴室温度を参照値とし
、これを考慮して補正温度を決定するようにプログラム
を組む。本発明は、そもそも、季節の変動にも強いが、
このようにすると、より一層、浴槽外温度の変動に強い
ものとなる。換言すれば、季節の如何によらず、沸き上
がり時間にあまり差がないようにでき、しかも、従来に
比し、大いに短縮することができる。もちろん、浴槽の
外の温度の検出は、浴室30の内部の温度に代えて、外
気温、給水温等によって行うこともできる。
【0040】
【発明の効果】本発明によると、自動給湯システムを用
いての自動湯張りに関し、使用者の好みの設定水位にま
で、設定温度の湯を沸き上げるまでの時間を短縮でき、
かつ、季節や外気温ないしは浴室内の温度の変動に大き
く左右されることもなく、概ね一定の沸き上がり時間を
確保することができる。従って、使用者は、湯張り指令
を出してから沸き上がりまでの時間を予測することがで
き、その間の時間を活用することができる。さらに、従
来の注湯制御方式に比べると、注湯の途中でも槽内湯温
は設定温度に近くなっているので、途中で入浴を始めて
しまっても、それ程に不快感を感じずに済み、総体的に
見て、快適な入浴環境を得ることができる。当然、本発
明方法を適用した自動給湯システムは、市場においても
付加価値の高い、競争力のある商品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従い、浴槽への注湯温度を制御する方
法の実施例を説明する説明図である。
【図2】本発明方法に適用可能な自動給湯機ないしは自
動給湯システムの一例の概略構成図である。
【図3】従来の注湯制御方式において、浴槽への注湯開
始から沸き上がりまでの経過を水位の変化、湯温の変化
に基づいて説明する説明図である。
【符号の説明】
1  給湯栓 2  切替電磁弁 3  給湯温センサ 4  給湯用熱交換器 5  バーナ 6  ファン 7  給水温センサ 8  流量センサ 9  比例弁 10  給湯側用の電磁弁 11  ポンプ 12  追焚き用熱交換器 13  元電磁弁 14  追焚き側用の電磁弁 15  水位センサないし圧力センサ 16  バーナ 17  ファン 18  槽内湯温センサ 19  浴槽 20  浴室内温度センサ 21  制御装置 22  動作制御部 23  マイクロコンピュータ 30  浴室 40  浴室内に備えられたリモートコントローラ43
  温度設定手段 44  水位設定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  浴槽内に注ぐ湯の温度を制御すること
    ができ、かつ、使用者の設定した設定水位に至った所で
    該浴槽内への注湯を停止できる自動湯張り機能を持つ自
    動給湯システムにより、該浴槽内に張られる湯の温度を
    使用者の設定した設定温度に近付けるため、浴槽内への
    注湯温度を制御する方法であって;各回ごとに、上記設
    定水位までの上記自動湯張りが完了した後に上記浴槽内
    の湯温である槽内湯温を検出し、該槽内湯温が上記設定
    温度に対し、許容温度差以上に低下していた場合には、
    その温度差を前回の補正温度に加えて新たな補正温度と
    し、次回の上記自動湯張りに際しては、設定温度に該新
    たな補正温度を加えた温度での注湯を行うこと;を特徴
    とする浴槽内への注湯温度制御方法。
  2. 【請求項2】  請求項1に記載の方法であって;各回
    ごとに、上記設定水位までの上記自動湯張りが完了した
    後に上記浴槽内の湯温である槽内湯温を検出したとき、
    該槽内湯温が上記設定温度に対し、許容温度差以上に高
    くなっていた場合には、その温度差を前回の補正温度か
    ら差し引いて新たな補正温度とし、次回の上記自動湯張
    りに際しては、設定温度に該新たな補正温度を加えた温
    度での注湯を行うこと;を特徴とする浴槽内への注湯温
    度制御方法。
  3. 【請求項3】  浴槽内に注ぐ湯の温度を制御すること
    ができ、かつ、使用者の設定した設定水位に至った所で
    該浴槽内への注湯を停止できる自動湯張り機能を持つ自
    動給湯システムにより、該浴槽内に張られる湯の温度を
    使用者の設定した設定温度に近付けるため、浴槽内への
    注湯温度を制御する方法であって;各回ごとに、上記設
    定水位までの上記自動湯張りが完了した後に上記浴槽内
    の湯温である槽内湯温を検出し、該槽内湯温が上記設定
    温度に対し、許容温度差以上の温度差をおいていた場合
    には、その回の注湯温度と上記槽内湯温との温度差と上
    記設定水位までの総湯量との積に応じた放熱量を求めて
    該放熱量で前回の放熱量を更新、記憶しておき、次回の
    上記自動湯張りに際しては、その回における設定水位ま
    での総湯量に関し、予想される放熱量を上記記憶してい
    た放熱量に基づいて求め、設定温度に対してこの予想放
    熱量を補い得る分の補正温度を加えた温度を新たなる注
    湯温度として注湯を行うこと;を特徴とする浴槽内への
    注湯温度制御方法。
  4. 【請求項4】  請求項3に記載の方法であって;上記
    浴槽内の水位を複数の段階に分割し、該各段階ごとに上
    記予想放熱量の値を変えて設定すること;を特徴とする
    浴槽内への注湯温度制御方法。
  5. 【請求項5】  請求項3または4に記載の方法であっ
    て;上記注湯温度は、上記設定温度に対し、上記予想放
    熱量を補い得る分の補正温度を加えるのみならず、その
    ときの浴槽外の温度に基づく補正分をも加味して決定す
    ること;を特徴とする浴槽内への注湯温度制御方法。
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