JP3879937B2 - 拭き取り紙 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は優れた風合いを有する拭き取り紙に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の拭き取り紙は、その柔軟性や平滑性が十分ではないため、風邪をひいたり花粉症になったりしたときにティッシュペーパーで何回も鼻汁をかむと、鼻の周辺の皮膚が荒れて赤くなったり痛くなったりするという問題点があった。トイレットペーパーも、1日に何回も使用すると肛門周辺が赤くなることがあり、特に肛門周辺に炎症がある場合には非常に使いづらい等の問題点があった。このような問題点を改良したものとして、例えば、その表面を各種のジオルガノポリシロキサンで処理したソフトティッシュペーパーが提案されている(特開平3−900号公報、特開平2−224626号公報参照)。しかし、これらのソフトティッシュペーパーは柔軟性が不十分であり、また、がさつきも感じられ、その風合いは十分満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、ジオルガノポリシロキサンに保湿剤としてグリセリンを添加配合した処理剤を特定量付着させれば、上記問題点が解消することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、柔軟性や平滑性が一段と向上し、さらにしっとりとした感触を有する拭き取り紙を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】
本発明は、(A)ジオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)グリセリン 10〜5,000重量部
からなる処理剤組成物を0.2〜5.0重量%付着させてなる拭き取り紙に関する。
【0005】
これを説明すると、本発明に使用される(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の拭き取り紙に、柔軟性、平滑性および圧縮回復性(ふんわり性)を付与する作用をする。このようなジオルガノポリシロキサンとしては、一般式:
【化1】
で表されるジオルガノポリシロキサンが例示される。上式中、Rは炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基などのアルキル基;ビニル基,アリル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基が例示される。R’はアミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,オキシアルキレン基,メルカプト基,フルオロアルキル基,カルビノール基,アミド基などの1価有機基である。Aは水酸基,アルコキシ基,Rで表される1価炭化水素基およびR’で表される1価有機基からなる群より選ばれる基である。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。mは正の整数であり、nは0または1以上の整数である。(m+n)は少なくとも10である。本成分の25℃における粘度は、50〜10,000センチストークスの範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜5,000センチストークスの範囲である。このようなジオルガノポリシロキサンの中でも、アミノ基含有ジオルガノポリシロキサン,エポキシ基含有ジオルガノポリシロキサン,カルボキシル基含有ジオルガノポリシロキサン,オキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンおよびジメチルポリシロキサンが好ましい。また、これらのジオルガノポリシロキサンを組み合わせて使用してもよい。
【0006】
アミノ基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、一般式:
【化2】
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。上式中、Rは炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ビニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基,フェニル基が例示される。これらの中でもメチル基が最も一般的であるが、メチル基と他の基の組合せも一般的である。また、1分子中のRはすべて同一である必要はない。R1は水素原子、アミド基および1価炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、1価炭化水素基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,フェニル基,シクロヘキシル基が例示される。Qは2価炭化水素基であり、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,イソプロピレン基,ブチレン基,イソブチレン基のようなアルキレン基;式:−(CH2)2−C6H4−で表される基のようなアルキレンアリーレン基が例示される。これらの中でもプロピレン基が最も一般的である。Dは水酸基,アルコキシ基,Rで表される1価炭化水素基および
式:−Q−(NHCH2CH2)a−NHR1で表されるアミノ基からなる群より選ばれる基である。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。mは正の整数であり、nは0または1以上の整数である。ここで、Dが式:−Q−(NHCH2CH2)a−NHR1で表されるアミノ基の場合はnが0となることも可能である。(m+n)は少なくとも10であり、好ましくは100〜1,000である。これは、10未満であるとこのアミノ基含有ジオルガノポリシロキサンがパルプ繊維素内部に吸着されてしまい、平滑性や柔軟性を付与する効果が乏しくなることがあるためである。aは0〜10の整数であるが、0および1が一般的である。上式に示す通り、
式:−Q−(NHCH2CH2)a−NHR1で表されるアミノ基は側鎖に結合しても分子鎖末端に結合してもよく、またその両方に結合してもよい。このようなアミノ基含有ジオルガノポリシロキサンは、例えば、末端を式:SiHで表される反応性基や式:SiCH2CH2CH2Clで表される反応性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンを、式:CH2=C(CH3)CH2NHCH2NH2で表されるアミン化合物や式:H2NCH2CH2NH2で表されるアミン化合物と反応させることにより製造することができる(特開昭53−98499号公報参照)。
【0007】
エポキシ基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、一般式:
【化3】
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。上式中、Rは炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ドデシル基,ビニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基,フェニル基,β−フェニルエチル基が例示される。これらの中でもメチル基が最も一般的であるが、メチル基と他の基の組合せも一般的である。また、1分子中のRはすべて同一である必要はない。Eはエポキシ基含有1価有機基であり、一般式:
【化4】
(式中、Q’は2価有機基であり、これにはメチレン基,エチレン基,プロピレン基,フェニレン基,水酸化炭化水素残基,クロルエチレン基,フルオロエチレン基,式:−CH2OCH2CH2CH2−で表される基,式:−CH2CH2OCH2CH2−で表される基,式:−CH2CH2OCH(CH3)CH2−で表される基,式:−CH2OCH2CH2OCH2CH2−で表される基が例示される。)で表される基,または、一般式:
【化5】
(式中、Q’は前記と同様である。)で表される基が例示される。Gは水酸基,アルコキシ基,Rで表される1価炭化水素基およびEで表されるエポキシ基含有1価有機基からなる群より選ばれる基である。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。xは0〜2,000であり、yは0〜200である。ここで、GがEで表されるエポキシ基含有1価有機基の場合はyが0となることも可能である。(x+y)は1〜2,000である。上式に示す通り、Eで表されるエポキシ基含有1価有機基は側鎖に結合しても分子鎖末端に結合してもよく、またその両方に結合してもよい。
【0008】
カルボキシル基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、一般式:
【化6】
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。上式中、Rは炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ドデシル基,ステアリル基,ビニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基,フェニル基,β−フェニルエチル基,α−メチル−β−フェニルエチル基が例示される。これらの中でもメチル基が最も一般的であるが、メチル基と他の基の組合せも一般的である。また、1分子中のRはすべて同一である必要はない。R2は水素原子または1価炭化水素基であり、1価炭化水素基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ヘキシル基,フェニル基,シクロヘキシル基が例示される。Qは2価炭化水素基であり、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,イソブチレン基,デシレン基のようなアルキレン基;
式:−(CH2)2−C6H4−で表される基のようなアルキレンアリーレン基が例示される。Jは水酸基,アルコキシ基,Rで表される1価炭化水素基および式:−Q−COOR2で表されるカルボキシル基からなる群より選ばれる基である。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。kは正の整数であり、lは0または1以上の整数である。ここで、Jが式:−Q−COOR2で表されるカルボキシル基の場合はlが0となることも可能である。(k+l)は少なくとも10であり、好ましくは100〜1,000である。これは、10未満であるとこのカルボキシル基含有ジオルガノポリシロキサンがパルプ繊維素内部に吸着されてしまい、平滑性や柔軟性を付与する効果が乏しくなることがあるためである。上式に示す通り、式:−Q−COOR2で表されるカルボキシル基は側鎖に結合しても分子鎖末端に結合してもよく、またその両方に結合してもよい。
【0009】
オキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンは、拭き取り紙に平滑性や柔軟性を付与するばかりでなく、(A)成分の乳化助剤としての作用も有する。このようなオキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、一般式:
【化7】
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。上式中、Rは炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ビニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基,フェニル基が例示される。これらの中でもメチル基が最も一般的であるが、メチル基と他の基の組合せも一般的である。また、1分子中のRはすべて同一である必要はない。R3は水素原子または炭素原子数1〜5の1価有機基であり、1価有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基のようなアルキル基;アセチル基,プロピオニル基のようなアシル基が例示される。Qは2価炭化水素基であり、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,イソプロピレン基,ブチレン基,イソブチレン基のようなアルキレン基;式:−(CH2)2−C6H4−で表される基のようなアルキレンアリーレン基が例示される。これらの中でもエチレン基またはプロピレン基が一般的である。Lは水酸基,アルコキシ基,Rで表される1価炭化水素基および式:−Q−O−(C2H4O)b(CdH2dO)c−R3で表されるオキシアルキレン基からなる群より選ばれる基である。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。mは正の整数であり、nは0または1以上の整数である。ここで、Lが式:−Q−O−(C2H4O)b(CdH2dO)c−R3で表されるオキシアルキレン基の場合は、nが0となることも可能である。(m+n)は少なくとも10である。bおよびcは0〜50の整数である。dは3以上の整数であるが、3または4が一般的である。また、オキシエチレン基と式:CdH2dOで表されるオキシアルキレン基は、ブロック重合していてもランダム重合していてもよい。本成分中のオキシアルキレン基の含有量は、30〜60重量%であることが好ましい。上式に示す通り、式:−Q−O−(C2H4O)b(CdH2dO)c−R3で表されるオキシアルキレン基は側鎖に結合しても分子鎖末端に結合してもよく、またその両方に結合してもよい。
【0010】
ジメチルポリシロキサンとしては、一般式:
【化8】
で表されるジメチルポリシロキサンが挙げられる。上式中、Mは水酸基,アルコキシ基および炭素原子数1〜20の1価炭化水素基からなる群より選ばれる基である。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。1価炭化水素基としては、メチル基,ビニル基が例示される。mは正の整数である。
【0011】
(B)成分のグリセリンは保湿剤としての作用をし、ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の拭き取り紙にしっとりとした感触を付与し、さらにその平滑性や柔軟性を一段と向上させる作用を有する。本成分の配合量は、(A)成分のジオルガノポリシロキサン100重量部に対して10〜5,000重量部であり、好ましくは100〜1,000重量部である。これは、10重量部未満であると保湿剤としての作用が不十分であり、一方、5,000重量部を越えると柔軟性や平滑性が不十分となるためである。
【0012】
本発明に使用される処理剤組成物は、(A)成分および(B)成分を均一に混合することにより調製されるが、(A)成分および(B)成分以外の成分として、流動パラフィンや固形パラフィンの他、有機溶剤を配合することができる。配合できる有機溶剤としては、トルエン,キシレン,アセトン,メチルエチルケトン,エチルアルコール,イソプロピルアルコールおよびこれらを混合したものが例示される。また、本発明に使用される処理剤組成物は、適当な界面活性剤により乳化させることもできる。使用できる界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤,ノニオン系界面活性剤,アニオン系界面活性剤,両性界面活性剤が挙げられるが、これらの中でもポリオキシアルキレンアルキルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類,ソルビタンアルキルエステル類のようなノニオン系界面活性剤が好ましい。
【0013】
本発明では、処理剤組成物を有機溶剤に溶解して処理液を調製し、これを拭き取り紙に噴霧して均一に付着させてもよく、また、界面活性剤により乳化してエマルジョンを調製し、これを抄紙工程中のパルプのサスペンジョンに添加したり、乾燥工程中やその前後にスプレーで噴霧したり、キスロール方式により拭き取り紙に均一に付着させたりしてもよい。ここで、処理剤組成物を乳化するには、(A)成分のジオルガノポリシロキサン20〜40重量部に界面活性剤4〜10重量部を加えて均一に攪拌した後、これに水76〜50重量部を加えて乳化機に通すのが好ましい。このとき、(B)成分のグリセリンはエマルジョン調製後に添加してもよく、調製時の工程中に添加してもよい。乳化機としては、コロイドミル,ホモミキサー,ラインミキサー,ホモゲナイザーが挙げられる。
本発明に使用される拭き取り紙としては、ティッシュペーパーやトイレットペーパーが挙げられる。処理剤組成物の付着量は、乾燥したティッシュペーパーやトイレットペーパーに対し、0.2〜5.0重量%であり、好ましくは0.5〜3.0重量%である。
【0014】
以上のような本発明の拭き取り紙は、優れた柔軟性および平滑性を有し、さらに、しっとりとした感触を有する。ここで、しっとりとした感触とは、やや湿っているような感触を意味する。このような特性が付与されたティッシュペーパーやトイレットペーパー等の拭き取り紙は、肌への感触が非常に良好である。
【0015】
【実施例】
次に本発明を実施例により説明する。実施例中、部とあるのは重量部を意味し、粘度は25℃における値である。また、拭き取り紙の評価は次に示す試験方法によって行なった。
○柔軟性
KES法[Kawabata Evaluation System:繊維工業,1980,vol.33(2),P.136-P.142参照]に規定される方法に従い、純曲げ試験機[KES−FB−M2]を用いて、処理剤組成物で処理された濾紙の曲げ剛さおよびヒステリシス幅を測定した。尚、試料の大きさは1cm×5cmとした。濾紙は処理剤が全く付着していないものを使用した。
○吸水性
処理剤組成物で処理された濾紙を乾燥させた後、幅1cm×長さ25cmに切断して試料片を作成した。この試料片を、シャーレに入れた水に1分間接触させ、吸い上げられた水の高さ(mm)を測定した。尚、濾紙は処理剤が全く付着していないものを使用した。
○風合い
処理剤組成物で処理されたティッシュペーパーの風合いを指触にて調べた。尚、ティッシュペーパーは、大型市販店で市販されているものを購入し、これをトルエンとエタノールの混合溶剤(トルエンとエタノールの混合比率は1:1である。)で抽出して処理剤が付着していないことを確認したものを使用した。
【0016】
【実施例1】
1000ccのビーカーに、式:
【化9】
で表される粘度1,200センチストークスのアミノ基含有ジオルガノポリシロキサン5部、グリセリン10部およびトルエンとイソプロピルアルコールの混合溶剤(トルエンとイソプロピルアルコールの混合比率は1:1である。)985部を入れ、これらを混合して処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を角バットに移液し、これに縦30cm×横30cmの定性用角型濾紙を浸漬した。浸漬後、絞りローラを用いて絞り(絞り率100%)、これを室温で乾燥させた。このようにして得られた濾紙に対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。この濾紙の柔軟性および吸水性を測定した。また、上記の処理剤組成物の溶液で、2枚重ねのティッシュペーパーを5枚重ねたまま上記と同様にして処理し、室温で1夜放置して乾燥させた。このようにして得られたティッシュペーパーに対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。このティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表1に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0017】
【比較例1】
実施例1において、グリセリンを配合しなかった以外は実施例1と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例1と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表1に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0018】
【比較例2】
実施例1において、アミノ基含有ジオルガノポリシロキサンを配合しなかった以外は実施例1と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例1と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表1に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例2】
1000ccのビーカーに、式:
【化10】
で表される粘度6,300センチストークスのエポキシ基含有ジオルガノポリシロキサン 5部、グリセリン10部およびトルエンとイソプロピルアルコールの混合溶剤(トルエンとイソプロピルアルコールの混合比率は1:1である。)985部を入れ、これらを混合して処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を角バットに移液し、これに縦30cm×横30cmの定性用角型濾紙を浸漬した。浸漬後、絞りローラを用いて絞り(絞り率100%)、これを室温で乾燥させた。このようにして得られた濾紙に対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。この濾紙の柔軟性および吸水性を測定した。また、上記の処理剤組成物の溶液で、2枚重ねのティッシュペーパーを5枚重ねたまま上記と同様にして処理し、室温で1夜放置して乾燥させた。このようにして得られたティッシュペーパーに対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。このティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0021】
【比較例3】
実施例2において、グリセリンを配合しなかった以外は実施例2と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例2と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0022】
【実施例3】
1000ccのビーカーに、式:
【化11】
で表される粘度2,400センチストークスのカルボキシル基含有ジオルガノポリシロキサン5部、グリセリン10部およびトルエンとイソプロピルアルコールの混合溶剤(トルエンとイソプロピルアルコールの混合比率は1:1である。)985部を入れ、これらを混合して処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を角バットに移液し、これに縦30cm×横30cmの定性用角型濾紙を浸漬した。浸漬後、絞りローラを用いて絞り(絞り率100%)、これを室温で乾燥させた。このようにして得られた濾紙に対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。この濾紙の柔軟性および吸水性を測定した。また、上記の処理剤組成物の溶液で、2枚重ねのティッシュペーパーを5枚重ねたまま上記と同様にして処理し、室温で1夜放置して乾燥させた。このようにして得られたティッシュペーパーに対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。このティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0023】
【比較例4】
実施例3において、グリセリンを配合しなかった以外は実施例3と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例3と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0024】
【実施例4】
1000ccのビーカーに、式:
【化12】
で表される粘度360センチストークスのオキシプロピレン基含有ジオルガノポリシロキサン5部、グリセリン10部およびトルエンとイソプロピルアルコールの混合溶剤(トルエンとイソプロピルアルコールの混合比率は1:1である。)985部を入れ、これらを混合して処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を角バットに移液し、これに縦30cm×横30cmの定性用角型濾紙を浸漬した。浸漬後、絞りローラを用いて絞り(絞り率100%)、これを室温で乾燥させた。このようにして得られた濾紙に対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。この濾紙の柔軟性および吸水性を測定した。また、上記の処理剤組成物の溶液で、2枚重ねのティッシュペーパーを5枚重ねたまま上記と同様にして処理し、室温で1夜放置して乾燥させた。このようにして得られたティッシュペーパーに対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。このティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0025】
【比較例5】
実施例4において、グリセリンを配合しなかった以外は実施例4と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例4と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0026】
【実施例5】
1000ccのビーカーに、式:
【化13】
で表される粘度720センチストークスのジメチルポリシロキサン5部、グリセリン10部およびトルエンとイソプロピルアルコールの混合溶剤(トルエンとイソプロピルアルコールの混合比率は1:1である。)985部を入れ、これらを混合して処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を角バットに移液し、これに縦30cm×横30cmの定性用角型濾紙を浸漬した。浸漬後、絞りローラを用いて絞り(絞り率100%)、これを室温で乾燥させた。このようにして得られた濾紙に対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。この濾紙の柔軟性および吸水性を測定した。また、上記の処理剤組成物の溶液で、2枚重ねのティッシュペーパーを5枚重ねたまま上記と同様にして処理し、室温で1夜放置して乾燥させた。このようにして得られたティッシュペーパーに対する処理剤組成物の付着量は1.5重量%であった。このティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0027】
【比較例6】
実施例5において、グリセリンを配合しなかった以外は実施例5と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例5と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0028】
【比較例7】
実施例5において、ジメチルポリシロキサンを配合しなかった以外は実施例5と同様にして、処理剤組成物のトルエン/イソプロピルアルコール溶液を調製した。この処理剤組成物の溶液を用いて、実施例5と同様の方法で濾紙およびティッシュペーパーを処理し、その濾紙の柔軟性および吸水性とティッシュペーパーの風合いを測定した。これらの結果を表2に示した。さらに、得られたティッシュペーパーの総合評価を併記した。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】
本発明の拭き取り紙は、上記(A)成分と(B)成分からなる処理剤組成物が0.2〜5.0重量%付着しているので、柔軟性や平滑性が一段と向上し、さらにしっとりとした感触を有するという特徴を有する。
Claims (6)
- (A)ジオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)グリセリン 10〜5,000重量部
からなる処理剤組成物を0.2〜5.0重量%付着させてなる拭き取り紙。 - ジオルガノポリシロキサンがアミノ基含有ジオルガノポリシロキサンである、請求項1記載の拭き取り紙。
- ジオルガノポリシロキサンがエポキシ基含有ジオルガノポリシロキサンである、請求項1記載の拭き取り紙。
- ジオルガノポリシロキサンがカルボキシル基含有ジオルガノポリシロキサンである、請求項1記載の拭き取り紙。
- ジオルガノポリシロキサンがオキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンである、請求項1記載の拭き取り紙。
- ジオルガノポリシロキサンがジメチルポリシロキサンである、請求項1記載の拭き取り紙。
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