JP3241116B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のポリシロキサン
−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する洗浄剤組成
物に関する。更に詳しくは、本発明はボディ用洗浄剤、
洗顔料、ウェットティッシュ(洗浄用)、ウェットティ
ッシュ(洗顔用)、メイキャップリムーバー(マスカ
ラ、アイシャドー、口紅用)等各種の洗浄剤に使用さ
れ、皮膚刺激性が少なく、洗浄中の泡立ち性、乾燥後の
しっとり感および使用性の優れた効果を付与する非加水
分解性ブロック共重合体を含有することを特徴とする洗
浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】洗浄用界面活性剤としては、アニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、そして両性界面活
性剤等がある。アニオン性界面活性剤の代表例として
は、アルキルサルフェート塩、アルキルエーテルサルフ
ェート塩等がある。これらは洗浄力が優れていることか
ら、洗顔用等の洗浄剤に配合されている。しかしこれら
は、皮膚刺激性が強く、手荒れ等の皮膚障害を起こしや
すい欠点がある。また、使用後のしっとり感に劣るた
め、使用性に問題がある。
【0003】皮膚刺激性の少ない界面活性剤としてはノ
ニオン性界面活性剤がある。代表例としてはグリセリン
高級脂肪酸エステル、ショ糖高級脂肪酸エステル、ソル
ビタン高級脂肪酸エステルなどがあげられる。これらの
ノニオン性界面活性剤はアニオン性界面活性剤に比べて
低刺激性ではあるものの、泡立ちが悪く、洗顔料、ボデ
ィ洗浄料や台所洗剤の要求を満足することはできない。
そして通常よく使用されているノニオン性界面活性剤と
しては、脂肪酸とアミンの縮合物であるアマイド類があ
り、アニオン性界面活性剤との併用で利用されることが
多い。そのために皮膚刺激性の改善どころかその作用を
さらに強めているのが現状である。また、使用後のしっ
とり感に劣るため、使用性に問題がある。
【0004】両性界面活性剤には比較的刺激の少ないと
いわれているイミダゾリン型ベタインやアニオン性界面
活性剤と同程度の強い刺激性をもつジメチルベタインや
アミンオキサイドなどが挙げられる。これら両性界面活
性剤は泡質、洗浄力等の点で弱さをもつため、単独で使
用することは少なく近年アニオン性界面活性剤との併用
が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑み、皮膚刺激性が少なく、洗浄中の泡立ち性、乾
燥後のしっとり感および使用性の優れた効果を有する洗
浄剤を提供することを課題とする。
【0006】
【問題を解決するための手段とその作用】本発明者は、
洗浄剤組成物について鋭意研究した結果、これまで洗浄
剤組成物用としては提案されたことのない、特定化学構
造のシリコーン系ブロック共重合体が有効であることを
見出だし、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、線状ポリシロキサン−
ポリオキシアルキレンブロックを反復単位とする非加水
分解性ブロック共重合体を含有することを特徴とする洗
浄剤組成物である。
【0008】本発明のブロック共重合体は、一般式
(1)
【化2】 (式中、Rは脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基
を表し、nは2〜4の整数であり、bは少なくとも4の
整数であり、cは少なくとも2の整数であり、aは少な
くとも6の整数であり、Yは炭素−珪素結合によって隣
接珪素原子にそして酸素原子によってポリオキシアルキ
レンブロックに結合している2価の有機基を表し、各シ
ロキサンブロックの平均分子量は約400〜約10,0
00であり、各ポリオキシアルキレンの平均分子量は約
200〜10,000であり、エチレンオキシドを5重
量%以上含み、シロキサンブロックは共重合体の約10
〜90重量%を横成し、そしてブロック共重合体は少な
くとも約1,200の平均分子量を有する)で表され
る。
【0009】上式におけるRの例としては、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、ブロピル基、イソブロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、エイコシ
ル基など)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル
基など)、アラルキル基(例えばベンジル基、フェニル
エチル基など)、トリル基、キシリル基、シクロヘキシ
ル基などを挙げることができる。
【0010】基Yは一端が珪素原子に、他端が酸素原子
に結合する2価の有機基、すなわち、隣接珪素原子には
炭素−珪素結合によって結合し、そして隣接酸素原子を
介してポリオキシアルキレンブロックに結合する2価の
有機基であり、例えば次式: −R′−、−R′−CO−、−R′−NHCO−、−
R′−NHCONH−R”−NHCO−または−R′−
OOCNH−R”−NHCO− (式中、R′は2価のアルキレン基、例えばエチレン
基、プロピレン基、ブチレン基などであり、R”は2価
のアルキレン基、例えばR′に対して例示した基または
2価のアリレン基、例えば−C−、−C
−、−C−CH−C−、−C
−CH(CH)−C−などであり、特に好
ましくはフェニレン基を表す)で表される基である。
【0011】基Yの好適な例は以下のものである: −CHCH−、−CHCHCH−、−CH
CH(CH)CH−、−CHCHCHCH
−、−(CHCO−、−(CHNHCO
−、−(CHNHCONHCNHCO−ま
たは−(CHOOCNHCNHCO−。 最も好ましい基Yは2価のアルキレン基、特に−CH
CHCH−または−CHCH(CH)CH
である。
【0012】上記線状ポリシロキサン−ポリオキシアル
キレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリ
オキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と
反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンと
を反応させることにより製造することができる。
【0013】本発明において使用される線状ポリシロキ
サン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、上記
式(1)で表されるものであり、式中、R、Y、a、
b、cおよびnならびに各ブロックおよび共重合体全体
の分子量等は上で定義した範囲のものを表す。また、式
(1)中の各ポリオキシアルキレンブロックはエチレン
オキシドを5重量%以上含まないと優れた泡立ち性が得
られないo
【0014】本発明において用いるブロック共重合体
は、単独又は水、各種有機溶剤(エタノール、イソプロ
ピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカ
ン等)に溶解して用いる。
【0015】さらに、本発明において、線状ポリシロキ
サン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、アニ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活
性剤の1種または2種以上と組合わせることにより、本
発明の目的に合った洗浄剤組成物を構成することができ
る。
【0016】本発明に用いられるアニオン性界面活性剤
としては、脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アル
キルスルホン酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタ
レンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫
酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩等が
挙げられる。本発明に用いられるノニオン性界面活性剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アル
キルアリルポリオキシエチレンエーテル、アルキルグリ
セリンエーテル型ポリオキシエチレンエーテル、ブロピ
レングリコールエステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリンと
脂肪酸のエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪
酸のソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ソルビトールポリオキシエチレンの脂肪酸エステ
ル、ショ糖エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ
る。本発明に用いられる両性界面活性剤としては、ベタ
イン型(カルボキシベタイン、スルホベタイン)、アミ
ノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型等が挙げら
れ、特にイミダゾリン誘導体型が好ましい。
【0017】本発明の洗浄剤組成物においては、線状ポ
リシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体
と、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン
性界面活性剤との配合比は9/1〜1/5の範囲にある
ものが好ましく、特に好ましくは9/1〜3/5であ
る。
【0018】本発明の洗浄剤組成物を調整する際、エタ
ノールを適量配合すると、特に好ましい。調整方法とし
ては例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活
性剤、及び両性界面活性剤の1種又は2種以上を少量の
水に溶解せしめた後、線状ポリシロキサン−ポリオキシ
アルキレンブロック共重合体を添加し、加熱混合攪拌
し、同温度の水で稀釈することによって得られる。特に
好ましい調整法としては、この両成分を混合攪拌する際
適量のエタノールを添加する方法で容易に目的とする組
成物を得ることができる。
【0019】本発明の洗浄剤組成物は透明又は不透明均
一系で、さらにこの組成物に水添加したものも透明又は
不透明均一系である。
【0020】本発明の洗浄剤組成物に必要に応じて疎水
性シリコーン、高級アルコール、液状炭化水素、液状エ
ステル油分等の油性物質を配合することができる。
【0021】本発明の洗浄剤組成物には、更に必要に応
じて保湿剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
なお、これらは本発明の目的を損なわない質的、量的条
件下で使用されなければならない。
【0022】本発明の洗浄剤組成物は、ボディ用洗浄
剤、洗顔料、ウェットティッシュ(洗浄用)、ウェット
ティッシュ(洗顔用)、メイキャップリムーバー(マス
カラ、アイシャドー、口紅用)等各種の用途に利用でき
る。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
実施例に先立ち評価法を以下に示す。皮膚刺激性試験 健康な成人25人を被検者とし、上腕の皮膚に試料を直
接塗布し、24時間後の皮膚の様子を目視で観察して評
価した。 ◎:炎症が少しでも見られたものが0人 ○:炎症が少しでも見られたものが1〜2人 △:炎症が少しでも見られたものが3〜4人 X:炎症が少しでも見られたものが5人以上泡立ち性およびしっとり感 テスターが実際に両手を洗浄して、洗浄中の泡立ち性及
び乾燥後のしっとり感を官能評価した。 泡立ち ○:泡立ちが非常に良好 △:泡立ちが良好 X:泡立ちが少ない しっとり感 ○:しっとり感がある △:ややしっとり感がある X:全くしっとり感がない
【0024】 線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共
重合体の合成例 合成例1 機械的攪拌機、凝縮機、温度計および窒素送入口を供え
た500mlの3つ口フラスコ中に、ジメタアリルポリ
エーテル
【化3】 100g、トルエン350g、および白金含量が20p
pmとなるようにクロル白金酸を入れた。この混合物に
温度を80〜100℃に維持するような速度でジヒドロ
ポリジメチルシロキサン
【化4】 103gを徐々に添加した。この反応の終了はSiHに
対するAgNO試験が負になることで判定した。次に
反応混合物をNaHCOで中和し、濾過し、ロータリ
ーエバポレーターにより50℃/1mmHgで溶媒を除
去すると次式:
【化5】 で表される分子量95000の線状ポリシロキサン−ポ
リオキシアルキレンブロック共重合体193gが得られ
た。
【0025】合成例2 ジメタアリルポリエーテル
【化6】 70g、ジヒドロポリジメチルシロキサン
【化7】 43g、トルエン350g、および白金含量が20pp
mとなるように白金系付加触媒を用いて合成例1と同様
の操作を行うと、次式:
【化8】 で表される分子量67000の線状ポリシロキサン−ポ
リオキシアルキレンブロック共重合体106gが得られ
た。
【0026】合成例3 ジメタアリルポリエーテル
【化9】 150g、ジヒドロポリジメチルシロキサン
【化10】 61g、トルエン350g、および白金含量が20pp
mとなるように白金系付加触媒を用いて合成例1と同様
の操作を行うと、次式:
【化11】 で表される分子量32000の線状ポリシロキサン−ポ
リオキシアルキレレブロック共重合体203gが得られ
た。
【0027】合成例4 ジメタアリルポリエーテル
【化12】 120g、ジヒドロポリジメチルシロキサン
【化13】 68g、トルエン330g、および白金含量が20pp
mとなるように白金系付加触媒を用いて合成例1と同様
の操作を行うと、次式:
【化14】 で表される分子量71000の線状ポリシロキサン−ポ
リオキシアルキレンブロック共重合体174gが得られ
た。
【0028】合成例5 ジメタアリルポリエーテル
【化15】 45g、ジヒドロポリジメチルシロキサン
【化16】 154g、トルエン330g、および白金含量が20p
pmとなるように白金系付加触媒を用いて合成例1と同
様の操作を行うと、次式:
【化17】 で表される分子量21000の線状ポリシロキサン−ポ
リオキシアルキレンブロック共重合体186gが得られ
た。
【0029】実施例1〜5、比較例1 下記表−1に示す洗浄剤組成物を調整し評価した。
【表1】 表−1から明らかなように本発明は、刺激性が少なく、
泡立ち性、乾燥後のしっとり感に優れていることがわか
る。
【0030】実施例6〜10 下記表−2に示す洗浄剤組成物を調整し評価した。
【表2】 表−2から明らかなように本発明は、刺激性が少なく、
泡立ち性、乾燥後のしっとり感に優れていることがわか
る。
【0031】実施例11〜13、比較例2〜4 下記表−3に示す洗浄剤組成物を調整し評価した。
【表3】 表−3から明らかなように本発明は、刺激性が少なく、
泡立ち性、乾燥後のしっとり感に優れていることがわか
る。
【0032】実施例14〜16、比較例5〜8 下記表−4に示す洗浄剤組成物を調整し評価した。
【表4】 表−4から明らかなように本発明は、刺激性が少なく、
泡立ち性、乾燥後のしっとり感に優れていることがわか
る。
【0033】実施例17〜19、比較例9〜11 下記表−5に示すウェットティッシュ用洗浄剤組成物を
調整し評価した。下記組成物を一定量(ティッシュ2枚
に対し5g)含浸させたものを試料とした。二の腕にフ
ァンデーション0.1gを指で広げて塗布し、乾燥後こ
の試験ティッシュを使ってふきとり後、冷水で洗浄し評
価した。
【表5】 表−5から明らかなように本発明は、刺激性が少なく、
乾燥後のしっとり感に優れていることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の特定のポリシロキサン−ポリオ
キシアルキレン共重合体を含有する洗浄剤組成物は、皮
膚刺激性が少なく、洗浄中の泡立ち性、乾燥後のしっと
り感および使用性の優れた効果を示す。従って、ボディ
用洗浄剤、洗顔料、ウェットティッシュ(洗浄用)、ウ
ェットティッシュ(洗顔用)、メイキャップリムーバー
(マスカラ、アイシャドー、口紅用)等各種の洗浄剤と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−244431(JP,A) 特開 平3−192198(JP,A) 特開 平4−36225(JP,A) 特開 昭51−75683(JP,A) 特開 昭58−54081(JP,A) 特開 平4−211605(JP,A) 特開 平5−271689(JP,A) 特開 平5−59395(JP,A) 特開 平4−234307(JP,A) 米国特許4395352(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/37 A61K 7/00 A61K 7/02 A61K 7/50 C08G 77/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキ
    レンブロックを反復単位とし、一般式(1) 【化1】 (式中、Rは脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基
    を表し、nは2〜4の整数であり、bは少なくとも4の
    整数であり、cは少なくとも2の整数であり、aは少な
    くとも6の整数であり、Yは炭素−珪素結合によって隣
    接珪素原子にそして酸素原子によってポリオキシアルキ
    レンブロックに結合している2価の有機基を表し、各シ
    ロキサンブロックの平均分子量は約400〜約10,0
    00であり、各ポリオキシアルキレンの平均分子量は約
    200〜10,000であり、エチレンオキシドを5重
    量%以上含み、シロキサンブロックは共重合体の約10
    〜90重量%を構成し、そしてブロック共重合体は少な
    くとも約1,200の平均分子量を有する)で表される
    非加水分解性線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレ
    ブロック共重合体を含有することを特徴とする洗浄剤
    組成物。
  2. 【請求項2】 (I)線状ポリシロキサン−ポリオキシ
    アルキレンブロック共重合体と、(II)アニオン性界
    面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の1
    種または2種以上とを含有し、(I)/(II)の配合
    重量比が9/1〜1/5であることを特徴とする請求項
    1記載の洗浄剤組成物。
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WO2008013148A1 (fr) 2006-07-25 2008-01-31 Sustainable Titania Technology Inc. Procédé de protection d'un corps de base

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