JP3879371B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダーを用いて先行車までの車間距離を検出し、車間距離が所定値となるようにアクセル及びブレーキを制御して先行車へ追従する装置、あるいは、カメラを用いて走行中の車線の車線境界線(レーンマーカー)を検出し、車線から逸脱しないように操舵トルクをアシストするような操舵制御を行う装置に適用される車両用走行制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーダーを用いて先行車までの車間距離を検出し、車間距離が所定値となるようにアクセル及びブレーキを制御して先行車へ追従する車両用走行制御装置としては、例えば、特開平11−192858号公報や特開平11−039600号公報や特開平6−320983号公報に記載のものが知られている。
【0003】
これらの公報には、先行車までの車間距離を検出できなくなった場合(ロスト時)は、先行車がいなくなったと判断してあらかじめ設定された車速となるように制御されるため、先行車がいるにも関わらずレーダーが何らかの理由により先行車までの車間距離を検出できなくなった場合には、先行車に対して異常接近してしまうおそれが想定される。そのため、車間距離を検出できなくなった場合には、表示や音により警報を与え、ドライバに知らしめる技術が記載されている。
【0004】
また、カメラを用いて走行中の車線のレーンマーカーを検出し、車線から逸脱しないように操舵トルクをアシストするような操舵制御を行う車両用走行制御装置としては、特開平11−078948号公報に記載のものが知られている。
【0005】
この従来装置についても、前述した先行車に追従制御する装置と同様、カメラでレーンマーカーを検出できなくなった場合には、車線から逸脱しないように制御を行うことができないため、表示や音により警報を与え、ドライバに知らしめる技術が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用走行制御装置のうち先行車に追従制御する装置にあっては、単に車間距離を検出できなくなった口スト時に警報を与える構成としているため、警報の発令タイミングはそれによって受ける運転者の感覚を全く配慮しないで決定される。そのため、警報に対し運転者が過敏に反応してしまって違和感や煩わしさを感じたり、さらにはシステムに対する不信感を抱くようになるという問題点があった。
【0007】
同様に、従来の車両用走行制御装置のうち車線逸脱しないように操舵制御する装置にあっても、単にレーンマーカーを検出できなくなった場合に警報を与えるため、運転者に違和感や煩わしさを感じさせてしまう。
【0008】
また、このような環境認識不可時(ロスト時)の状況は、運転者が過去に何度か遭遇した経験があり、どのように対処すればよいか理解できている場合には、例えばシステムを解除し、自ら加減速制御や操舵制御を行ったりすることにより、容易に対応することが可能であるが、このような場面に全く初めて遭遇した場合や、ごくまれに遭遇した場合には、状況を理解するのに時間がかかり、運転者の反応が遅れてしまうことにより、不安感を抱かせることになってしまう。
【0009】
このような状況を解決するために、ロスト時の警報を例えば大きな音や点滅する表示により、常に運転者の注意を大きく喚起するような設定で与えると、逆にロスト時の状況を十分経験していて適切な反応が可能な運転者にとっては、警報が煩わしいものとなってしまう。
【0010】
本発明は上述のような問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、ロスト時にロスト警報に対する運転者の反応を評価し、ロスト警報に対して運転者の反応が適切でない場合、違和感や煩わしさを低減しながら適切な反応をとれるように導くことができる車両用走行制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、を備え、車両用走行制御装置を、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置とし、前記車両環境認識手段を、自車両の先行車と自車両との車間距離を検出する手段とし、前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上であることにより反応が過敏であると評価する手段とし、前記設定変更手段を、反応が過敏であると評価された時は、その後の制御車間距離設定を、反応が過敏ではないと評価された時に比して長く設定する手段としたことを特徴とする。
【0014】
請求項記載の発明では、請求項に記載の車両用走行制御装置において、前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であることにより反応が適切であると評価する手段とし、前記設定変更手段を、反応が適切であると評価された時は、その後の制御車間距離設定を、反応が適切であると評価されていない時に比して短く設定する手段としたことを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明では、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、を備え、車両用走行制御装置を、走行車線に対する自車両の相対横変位を検出し自車両が走行車線内にとどまる様に操舵制御を行う装置とし、前記車両環境認識手段を、走行車線に対する自車両の相対横変位を検出する手段とし、前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上であることにより反応が過敏であると評価する手段とし、前記設定変更手段を、反応が過敏であると評価された時は、その後の操舵制御を、反応が過敏であると評価されていない時に比して走行車線のより中央側に位置することが可能な設定に変更する手段としたことを特徴とする。
【0017】
請求項記載の発明では、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、を備え、車両用走行制御装置を、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置とし、前記車両環境認識手段を、自車両の先行車と自車両との車間距離を検出する手段とし、前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上であることにより反応が過敏であると評価する手段とし、前記設定変更手段を、反応が過敏であると評価された時は、その後の警報設定を運転者の注意をより喚起する設定へと変更する手段としたことを特徴とする。
【0019】
請求項記載の発明では、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、を備え、車両用走行制御装置を、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置とし、前記車両環境認識手段を、自車両の先行車と自車両との車間距離を検出する手段とし、前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、前記操作反応評価手段によりロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であると評価された回数の制御開始からの積算値を記憶する積算値記憶手段を設け、前記設定変更手段を、記憶された回数積算値が所定値を越えた場合にその後の警報設定を運転者の注意をより喚起しない設定へと変更する手段としたことを特徴とする。
【0020】
請求項記載の発明では、請求項に記載の車両用走行制御装置において、前記設定変更手段により警報設定を運転者の注意をより喚起しない設定へと変更する際、運転者に変更するか否かの判断を仰ぎ、運転者の変更許可操作を受けて実際の設定変更を行う手段としたことを特徴とする。
【0022】
請求項記載の発明では、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、認識した車両周囲環境から安全な車両状況にある否かを判断する車両状況判断手段と、車両周囲環境の認識が可能であり、かつ、認識した車両周囲環境から安全な車両状況にないと判断された際にのみ、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなった旨の警報を模擬的に与える模擬ロスト警報発令手段と、模擬ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、を備えていることを特徴とする。
【0023】
請求項記載の発明では、請求項に記載の車両用走行制御装置において、前記車両状況判断手段を、模擬ロスト警報発令中も環境認識に基づく車両状況判断を継続する手段とし、模擬ロスト警報発令中に安全な車両状況にないと判断された場合には別の手段で警報を発令する警報作動手段を設けたことを特徴とする。
【0024】
請求項記載の発明では、請求項7または請求項8に記載の車両用走行制御装置において、前記操作反応評価手段を、模擬ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であることにより反応が適切であると評価する手段とし、反応が適切であると評価された場合、その後は模擬ロスト警報の発令を停止する第1模擬ロスト警報停止手段を設けたことを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明では、請求項7または請求項8に記載の車両用走行制御装置において、制御開始からの車両周囲環境の認識ができなくなった回数の積算値を記憶する積算値記憶手段を設け、記憶された回数積算値が所定値以上となった場合には、その後は模擬ロスト警報の発令を停止する第2模擬ロスト警報停止手段を設けたことを特徴とする。
【0028】
【発明の作用および効果】
請求項記載の発明にあっては、環境認識判断手段において、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断し、ロスト警報発令手段において、車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与え、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測し、操作反応評価手段において、計測された操作反応の状況を評価し、設定変更手段において、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する構成としているので、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
また、車両環境認識手段において、自車両の先行車と自車両との車間距離が検出され、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する構成としているので、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置において、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
さらに、操作反応評価手段において、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上である場合に、運転者が違和感を受けたと推定により反応が過敏であると評価し、設定変更手段において、反応が過敏であると評価された時は、その後の制御車間距離設定を、反応が過敏でないと評価された時に比して長く設定する構成としているので、それ以降の制御状態では仮に車間距離が認識できなくなった場合でも先行車までの余裕が大きくなり、違和感や煩わしさを低減させることができる。
【0029】
請求項記載の発明にあっては、操作反応評価手段において、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満である場合に、警報に対する運転者の違和感は小さく適切の反応していると推定により反応が適切であると評価し、設定変更手段において、反応が適切であると評価された時は、その後の制御車間距離設定を、反応が適切であると評価されていない時に比して短く設定する構成としているので、請求項3記載の発明の作用により制御車間距離が長めに設定されている場合には、通常通りの制御車間距離に戻すことが可能であるし、より短めの制御車間距離とすることにより先行車への追従性が向上する。
【0030】
請求項記載の発明にあっては、環境認識判断手段において、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断し、ロスト警報発令手段において、車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与え、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測し、操作反応評価手段において、計測された操作反応の状況を評価し、設定変更手段において、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する構成としているので、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
また、車両環境認識手段において、走行車線に対する自車両の相対横変位が検出され、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する構成としているので、走行車線に対する自車両の相対横変位を検出し自車両が走行車線内にとどまる様に操舵制御を行う装置において、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
さらに、操作反応評価手段において、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上である場合に、運転者が違和感を受けたと推定により反応が過敏であると評価し、設定変更手段において、反応が過敏であると評価された時は、その後の操舵制御を、反応が過敏であると評価されない時に比して走行車線のより中央側に位置することが可能な設定に変更する構成としているので、それ以降の制御状態では仮に走行車線内での相対位置が認識できなくなった場合でも走行車線逸脱までの余裕が大きくなり、違和感や煩わしさを低減させることができる。
【0032】
請求項記載の発明にあっては、環境認識判断手段において、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断し、ロスト警報発令手段において、車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与え、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測し、操作反応評価手段において、計測された操作反応の状況を評価し、設定変更手段において、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する構成としているので、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
また、車両環境認識手段において、自車両の先行車と自車両との車間距離が検出され、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する構成としているので、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置において、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
さらに、操作反応評価手段において、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上である場合に、運転者が違和感を受けたと推定により反応が過敏であると評価し、設定変更手段において、反応が過敏であると評価された時は、その後の警報設定を運転者の注意をより喚起する設定へと変更する構成としているので、それ以降の制御状態では仮に環境状態が認識できなくなった場合でも、運転者が認識不可状態により気づきやすくなり、適切な反応が取りやすくできる。
【0034】
請求項記載の発明にあっては、環境認識判断手段において、車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断し、ロスト警報発令手段において、車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与え、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測し、操作反応評価手段において、計測された操作反応の状況を評価し、設定変更手段において、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する構成としているので、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
また、車両環境認識手段において、自車両の先行車と自車両との車間距離が検出され、操作反応計測手段において、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する構成としているので、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置において、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることができる。
さらに、積算値記憶手段において、操作反応評価手段によりロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であると評価された回数の制御開始からの積算値を記憶し、設定変更手段において、記憶された回数積算値が所定値を越えた場合に、運転者はこの後も十分適切に反応可能でると推定し、その後の警報設定を運転者の注意をより喚起しない設定へと変更する構成としているので、環境認識不可に伴う警報が煩わしくなくなる。
【0035】
請求項記載の発明にあっては、設定変更手段により警報設定を運転者の注意をより喚起しない設定へと変更する際、運転者に変更するか否かの判断を仰ぎ、運転者の変更許可操作を受けて実際の設定変更を行う構成としているので、環境認識不可に伴う警報が煩わしくなくすことが可能であるとともに、運転者が警報を煩わしく感じていない、あるいは、警報が有益であると感じているのであれば、注意を喚起する警報設定のままにすることが可能である。
【0037】
請求項記載の発明にあっては、環境認識判断手段において、車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断し、車両状況判断手段において、認識した車両周囲環境から安全な車両状況にある否かを判断し、模擬ロスト警報発令手段において、車両周囲環境の認識が可能であり、かつ、認識した車両周囲環境から安全な車両状況にないと判断(例えば、先行車への接近やコース逸脱等)された際にのみ、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなった旨の警報を模擬的に与え、操作反応計測手段において、模擬ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測し、操作反応評価手段において、計測された操作反応の状況を評価し、設定変更手段において、操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する構成としているので、先行する模擬ロスト警報により、環境認識不可時に発令するロスト警報を危険状態が低い状況で模擬体験することが可能となり、環境認識不可となる場面の経験が少ない運転者にとっては、その場面での適切な対処方法を学習することができるとともに、違和感や煩わしさを減少させることができる。
【0038】
請求項記載の発明にあっては、車両状況判断手段において、模擬ロスト警報発令中も環境認識に基づく車両状況判断を継続し、警報作動手段において、模擬ロスト警報発令中に安全な車両状況にないと判断された場合には別の手段で警報を発令する構成としているので、模擬ロスト警報発令中に先行車へ接近したり、コース逸脱しそうになるような状況で新たな警報の発生を識別することができ、運転者の適切な回避操作を促すことができる。
【0039】
請求項記載の発明にあっては、操作反応評価手段において、模擬ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満である場合に、警報に対する運転者の違和感は小さく適切の反応していると推定により反応が適切であると評価し、第1模擬ロスト警報停止手段において、反応が適切であると評価された場合、その後は模擬ロスト警報の発令を停止する構成としているので、適切な反応ができる運転者にはさらなる模擬ロスト警報は発令されなくなり、模擬ロスト警報に対する煩わしさを減少させることができる。
【0040】
請求項10記載の発明にあっては、積算値記憶手段において、制御開始からの車両周囲環境の認識ができなくなった回数の積算値を記憶し、記憶された回数積算値が所定値以上となった場合には、運転者は環境認識不可となる場面を十分経験したと判断し、第2模擬ロスト警報停止手段において、その後は模擬ロスト警報の発令を停止する構成としているので、さらなる模擬ロスト警報は発令されなくなり、模擬ロスト警報に対する煩わしさを減少させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
まず、構成を説明する。
【0042】
図1は本発明の車両用走行制御装置の一例である実施の形態1における車間制御型定速走行装置(Adaptive Cruise Control;以下ACCと略す。)を示す全体システム図で、図中、1FL,1FRは従動輪としての前輪、1RL,1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL,1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0043】
前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、夫々制動力を発生するディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。
【0044】
ここで、制動制御装置8は、図示しないブレーキペダルの踏込みに応じて制動油圧を発生すると共に、追従制御用コントローラ30からの目標制動圧P に応じて制動油圧を発生するように構成されている。
【0045】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9では、エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度THを調整してエンジン回転数を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する方法とが考えられるが、本実施形態では、スロットルバルブの開度を調整する方法が採用されている。
【0046】
さらに、自動変速機3には、その変速位置を制御する変速機制御装置10が設けられている。この変速機制御装置10は、後述する追従制御用コントローラ30からのアップ/ダウンシフト指令値TSが入力されると、これに応じて自動変速機3の変速位置をアップシフト又はダウンシフト制御するように構成されている。
【0047】
一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段としてのレーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダ方式の構成を有する車間距離センサ12が設けられている。
【0048】
また、車両には、例えば従動輪となる前輪1FL及び1FRに取付けられた車輪速度を検出する車輪速センサ13FL及び13FRと、アクセルペダル14の踏込みを検出するアクセルスイッチ15と、ブレーキペダル16の踏込みを検出するブレーキスイッチ17と、制動制御装置8から出力される制動圧を検出する制動圧センサ18と、ステアリングホイール(図示せず)の操舵角θを検出する操舵角センサ19と、追従制御を行うか否かを選択する開始指示手段としてのメインスイッチSW、セットスイッチSW及び解除指示手段としてのキヤンセルスイツチSWと、セレクトレバーでドライブレンジを選択したときにオン状態となるドライブレンジ検出スイッチSWが配設されている。
【0049】
ここで、メインスイッチSWは、一端がイグニッションスイッチSWIGを介してバッテリBに接続された、運転者の意志によって操作されるモーメンタリ式の切換スイッチ20と、自己保持型のリレー回路21とで構成されている。
【0050】
切換スイッチ20は、オフ位置であるときに、スイッチ信号SIGが入力される第1の入力端子ti1と出力端子tとの間が遮断状態となり、中立位置であるときにリレー回路21からの電源が入力される第2の入力端子ti2と出力端子tとが接続状態となり、オン位置であるときに第1及び第2の入力端子ti1及びti2と出力端子tとが接続状態となるように構成されている。
【0051】
リレー回路21は、常開接点s1とこれを駆動するリレーコイルRLとを有し、常開接点s1はその一端がイグニッションスイッチSWIGに接続され、且つ、他端が直接及びセットスイッチSWを介して後述する追従制御用コントローラ20に接続されていると共に、切換スイッチ20の第2の入力端子ti2に接続され、リレーコイルRLはその一端が切換スイッチ20の出力端子tに接続されると共に、他端が接地されている。
【0052】
そして、車間距離センサ12、車輪速センサ13FL,13FR、アクセルスイッチ15、ブレーキスイッチ17、制動圧センサ18及び操舵角センサ19の各検出信号並びに追従制御を行うか否かを選択するメインスイツチSW、セットスイッチSW、キャンセルスイッチSWCのスイッチ信号S、SSET、SCAN及びドライブレンジ検出スイッチSWのスイッチ信号SDRが追従制御用コントローラ30に入力され、この追従制御用コントローラ30によって、制御待機モードWM、所定の制動力を保持して自車両を停止状態に保持する自動停止モードSM、先行車両を車間距離センサ12で捕捉していないときには自車速Vを設定車速VSETで一致させ、先行車両を捕捉しているときには車間距離センサ12で検出した実車間距離Lを目標車間距離Lに一致させるように、制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置10を制御して車速制御を行う追従モードFM及び自動停止モードSM及び追従モードFMを解除するがこれらで発生している制動力を保持する制御解除モードRMの4つの制御モードに所定遷移条件に従って制御される。
【0053】
すなわち、メインスイッチSWをオン状態とすることにより、追従制御用コントローラ30で制御中止状態から制御待機モードWMとなり、この制御待機モードWMで、自動変速機がドライフレンジにあり、且つ停車中であり、さらにセットスイッチSWがオン状態である第1条件が成立すると自動停止モードSMに遷移し、自動変速機がドライフレンジであり、且つブレーキスイッチ17がオフ状態であり、さらにセットスイッチSWがオン状態である第2条件が成立すると追従モードFMに遷移する。
【0054】
また、自動停止モードSMで、先行車両が自動停止モードに移行したときの位置から所定量前方に移動したことの第3条件が成立すると追従モードFMに移行し、追従モードFMから先行車両との車間距離Lが所定値以下で且つ自車速が所定値以下である第4条件が成立すると自動停止モードSMに遷移する。
【0055】
さらに、自動停止モードSMで、キャンセルスイッチSWをオン状態とした時、操舵角センサ19で検出した操舵角θが所定値以上となった時及び自動変速機3をドライフレンジ以外のレンジに変更した時の何れかでなる第5条件が成立すると制御解除モードRMに遷移する。
【0056】
前記追従制御用コントローラ30から必要に応じて発令される警報は、警報・表示装置60へと出力される。警報・表示装置60は、警報音を発生させるスピーカ61と、レーダ方式の車間距離センサ12による先行車検出状態、制御状態及び警報を表示するディスプレイ62で構成される。
【0057】
ちなみに、図8において、30は追従制御用コントローラ、12は車間距離センサ、SWはメインスイツチSW、セットスイッチSW、キャンセルスイッチSWC等のスイッチ類で、このスイッチ類SWは、運転者による操作性の良いステアリングホイール71に設置される。
【0058】
次に、作用を説明する。
【0059】
図4のフローチャートを用いて、追従制御用コントローラ30での処理内容を説明する。
大きく分けると、S10〜S100は通常制御状態での処理内容を示し、S110〜S150はロスト警報あるいは模擬ロスト警報時のドライバの反応操作量を判定し、制御警報設定を変更する処理内容を示している。
【0060】
〈通常制御処理〉
まず、S10にて、車間距離センサ12において車間距離検出がなされたかどうか(先行車両があるかどうか)を判別する。車間距離が検出された場合、先行車両が存在するとしてS20以降の通常処理へと進む。
【0061】
S20では、車間距離検出値D(m)、及び、その車間距離検出値Dを時間微分した相対速度算出値Vr(m/s)から、先行車への接近度合を判定する。ここでは、以下の余裕時間TTC(sec)を算出する。ここでTTCの算出式は(1)式である。
余裕時間 TTC=D/Vr …(1)
ここで、相対速度が0の場合には、(1)式が成立しないため、その場合にはTTCは所定値(例えば100)としておけば良い。また、この余裕時間TTCの値は、先行車に対して接近状態にある場合(相対速度Vrが正とする)には正の値を示し、先行車に対して離脱状態にある場合(相対速度Vrが負)には負の値を示す。
【0062】
続いて、S30にて、算出した余裕時間TTC値から接近の度合を判定し、接近警報を発令するかどうかを判別する。ここでは、例えばTTCが正の値で、所定値(例えば4秒)以下であるかどうかを判定の基準とする。接近度合が大きい場合には、S40へと進み、接近警報を発令する。ここでは、ディスプレイ62に接近度合が大きいことを示す警報表示を点滅表示させ、同時に、スピーカ61よりドライバの注意を喚起する警報音を発令させる。
【0063】
接近警報を発令しない場合、S50にて、後述する模擬ロスト警報が発令中であるかどうかを判別する。発令中でない場合、S60にて模擬ロスト警報条件に合致するかどうかを判別する。ここでの模擬ロスト警報発令条件は、以下の通りである。
・制御開始からのロスト警報の発令回数が所定値(例えば3回)以下のこと
・制御開始から、ロスト警報、または、模擬ロスト警報に対するドライバの反応操作量が未計測、あるいは、計測された反応操作量が所定値以上(操作が過敏)のこと
・先行車への接近度合が所定以下のこと
(TTCが正で所定値(例えば10秒)以上,もしくは,負の値)
・上記接近度合が継続して所定時間(例えば2分)以上持続していること
・上記を全て充たし、ランダムなタイミングで発令させる。
【0064】
模擬ロスト警報発令条件に合致した場合、S80へと進み、模擬ロスト警報を発令させる。ここでは、後述するロスト警報と同じ手段でドライバの注意を喚起する。つまり、ディスプレイ62に表示された、先行車表示を消すとともに、スピーカ61より注意喚起音を発令させる。この注意喚起音は前述した接近警報の警報音に比べて、緊急度が高くないと連想させるように設定する。例えば、より低い周波数(接近警報が2KHzならば模擬ロスト警報(ロスト警報)は1KHz)に設定したり、断続的な警報音を使用する場合には、断続間隔をより長く設定したり、断続音の回数をより少なく設定したりする。この処理の後、今回の処理は終了し、S10へと戻る。
【0065】
S60で模擬ロスト警報条件に合致しない場合、または、S40で接近警報を発令した場合には、S70で先行車までの車間距離が所定値となるように加減速制御を行い、S10へと戻る。S70での車間距離設定は、後述するS140あるいはS150での車間距離設定変更の影響を受ける。
車間距離制御の目標値Dtargetは、以下の(2)式で決められる。
車間距離目標値Dtarget=TH×V …(2)
ここで、V(m/s)は自車速,TH(sec)は車間時間目標値であり、この車間時間目標値THがS140で変更される。
【0066】
S10にて、先行車両が存在しないと判別された場合、あるいは、S50にて模擬ロスト警報が発令中であると判別された場合には、S90へと進み、今回の処理でロストしたか否かを判別する。今回の処理でロストした場合には、S100でロスト警報を発令させる。ここでの警報手段は、前述した模擬ロスト警報と同様であり、ディスプレイ62に表示された、先行車表示を消すとともに、スピーカ61より注意喚起音を発令させる。また、この警報手段は、後述するS140あるいはS150での警報設定変更の影響を受ける。警報発令後は、S10へと戻る。
【0067】
〈制御警報設定変更処理〉
ロスト中、あるいは、模擬ロスト警報発令中であり、今回の処理でロストしたのではない場合には、S90からS110へと進む。ここでは、ロスト警報、あるいは、模擬ロスト警報の発令から所定時間TEV経過したかどうかを判断する。TEVは、警報に対するドライバの反応操作を判定するための計測評価時間を示しており、例えば10秒間に設定すれば良い(警報発令から10秒間のドライバの反応操作量から判定する)。
【0068】
EVだけ時間が経過するまでは、その後の判定処理のために、S120にてドライバの操作量を記憶する。ドライバの操作量としては、基本的にブレーキペダルの踏み込み量を使用するが、ハンドルの切れ角を併用することでさらに正確な判定が可能となる。
【0069】
EVだけ時間が経過した後は、S130で警報からTEV間のドライバの操作量が所定値以上かどうかを判別する。この間のドライバ操作量から、以下の特徴が検出された場合には、警報に対するドライバの反応が過敏であったと判断して、S140へ進む。
・ドライバの初期操作量のピークが遅くて大きい(ピークまでの時間が所定値(TGR)以上で、ピーク値がしきい値以上)
図3に、警報に対するドライバの反応の判断例を示す。▲1▼は上記特徴に合致する過敏な操作の例であり、それ以外の5例は適切な操作例である。
【0070】
S140およびS150では、ドライバの操作が過敏だった場合に、車間距離設定や警報設定を変更する。図4及び図5にそれぞれの処理による変更例を示す。車間時間目標値THは、S140では長めに、S150では短めに変更する。S140とS150での設定変更は、具体的には例えば、以下のような設定とする。車間時間目標値として3種類(短い方より、TH1,TH2,TH3)用意しておき、S140,S150での処理により、適宜選択されるものとする。S140の処理では、今までより1段階長い目標値を選択する(今までTH1ならTH2を、今までTH2ならTH3を)。S150の処理では一段階短い目標値を選択する(今までTH3ならTH2を、今までTH2ならTH1を)。
【0071】
警報設定は、S140ではドライバの注意をより喚起する方向に、S150ではドライバの注意をより喚起しない方向に変更する。具体的には例えば、警報設定として、以下の2つを用意しておき、S140,S150での処理により、適宜選択されるものとする。
【0072】
〈警報設定1〉
・注意喚起音を消す(又はボリューム小)
・先行車表示を消灯
〈警報設定2〉
・注意喚起音を出す(又はボリューム大)
・先行車表示を点滅後、消灯
S140の処理では、ドライバの注意をより喚起する警報設定2を選択し、S150の処理でドライバの注意をより喚起しない警報設定1を選択する。
S140,S150で次回以降の制御あるいは警報における設定を変更して、今回の処理を終了し、S10へと戻る。次回以降の制御、警報は、変更された設定により処理される。
【0073】
以上の処理により、車間制御を行いながら、ロスト時にはロスト警報を、あるいは、通常検出中に模擬ロスト警報を発令させ、ロスト警報あるいは模擬ロスト警報から所定時間の反応を記録し、その反応の大きさに応じて、制御設定や警報設定を変更するため、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることが出来る。同時に、たとえ模擬ロスト警報発令中であっても、先行車への接近度合が大きい場合には、別の、運転者の注意をより喚起する警報手段により接近警報を発令するため、適切な回避動作を促すことが出来る。
【0074】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様、本発明のACCとしての適用例であり、実施の形態1に対し、ロスト警報を発令する際にその時の接近度合いを考慮して発令すると共に、ドライバの反応操作量から反応の過敏さを判定する際に、操作量の大きさや時間だけでなく警報の際の接近度合いを考慮して判定し、その結果より車間距離設定・警報設定を変更することを特徴としている。
【0075】
まず、構成であるが、構成は図1に示した実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
次に、作用を説明する。
【0077】
図6のフローチャートを用いて、追従制御用コントローラ30での処理内容を説明する。
大きく分けると、S10〜S80,S200〜S280(S210〜S250を除く)は通常制御状態での処理内容を示し、S210〜S250はロスト警報あるいは模擬ロスト警報時のドライバの反応操作量を判定し、制御警報設定を変更する処理内容を示している。
【0078】
〈通常制御処理〉
S10〜S80の通常制御処理は、実施の形態1と全く同様であるので、説明を省略する。実施の形態1との差異は、S200〜S280の処理内容であり、以降ここについて説明する。
【0079】
S200では、ロスト警報あるいは模擬ロスト警報が発令中であるかどうかを判定する。S200で警報発令中の場合には、S210以降の制御警報設定変更処理へと進むが、警報発令中でない場合には、S260へと進む。
【0080】
S260では、現在の接近状態を判定する。ここでは、余裕時間TTCの予測値TTCを算出し、その値を接近状態の判定基準とする。この予測値TTC(sec)は、下記の(3)式により算出される。
余裕時間予測値 TTC=TTC+△TTC・t …(3)
ここで、TTC:ロスト直前の余裕時間(sec)
△TTC:ロスト直前までのTTCの変化率(sec/sec)
t:ロストからの経過時間(sec)
である。
【0081】
この余裕時間予測値TTCは、ロスト直前までのTTCの変化より、現在のTTCを予測したものである。余裕時間予測値TTCが正の値で、かつ、所定値未満の場合には、先行車へ急な接近状態であると判断し、S270へ進む。逆にこの値が負の値や、所定値以上の正の値を示す場合には、先行車に対し急な接近状態ではないと判断し、S280へ進む。
【0082】
S270では、実施の形態1と同様に、ロスト警報として、ディスプレイ62に表示された、先行車表示を消すとともに、スピーカ61より注意喚起音を発令させる。一方、S280では、ディスプレイ62に表示された、先行車表示を消すのみとして、スピーカ61よりの注意喚起音は発令させない。
【0083】
図7に、実施の形態2による、ロスト警報が発生するタイミングの例を示す。このような処理とすることにより、実施の形態1に対し、ロスト時以降の先行車への接近状態予測に基づいてロスト警報を出す、出さないを切り替えることが可能となり、即座に危険な状況に陥らないような場面でのロスト警報を抑制し、煩わしさを低減させることが出来る。
【0084】
〈制御警報設定変更処理〉
このS210〜S250の制御警報設定変更処理は、実施の形態1とほぼ同様であるが、S230での反応操作量判定処理が異なっている。
【0085】
S200で警報発令中の場合には、S210へと進む。ここでは、ロスト警報、あるいは、模擬ロスト警報の発令から所定時間TEV経過したかどうかを判断する。TEVは、警報に対するドライバの反応操作を判定するための計測評価時間を示しており、例えば10秒間に設定すれば良い(警報発令から10秒間のドライバの反応操作量から判定する)。
【0086】
EVだけ時間が経過するまでは、その後の判定処理のために、S220にてドライバの操作量を記憶する。ドライバの操作量としては、基本的にブレーキペダルの踏み込み量を使用するが、ハンドルの切れ角を併用することでさらに正確な判定が可能となる。
【0087】
EVだけ時間が経過した後は、S230で警報からTEV間のドライバの操作量が所定値以上かどうかを判別する。この間のドライバ操作量から、以下の特徴が検出された場合には、警報に対するドライバの反応が過敏であったと判断して、S240へ進む。
・ドライバの初期操作量のピークが遅くて大きい
(ピークまでの時間が所定値(TGR)以上で、ピーク値がしきい値以上)
実施の形態1のSl30での処理内容との具体的相違点は、判定するためのしきい値を、警報発令時の接近状態に応じて可変とする所である。つまり、先行車に対して急な接近状態で発令したロスト警報に対するしきい値は大きく、先行車に対して緩やかな接近状態で発令したロスト警報に対するしきい値は小さく、設定する。接近状態としては、(3)式で示した、余裕時間予測値TTCを使用する。
【0088】
このような処理により、警報に対するドライバの反応操作が過敏であるかどうかを、操作量のみでなく、警報の発令した時の先行車への接近状態を含めて判断し、実施の形態1に比ベ、より精度良く判定することが可能となる。
【0089】
S240およびS250では、ドライバの操作が過敏だった場合に、車間距離設定や警報設定を変更する。ここでの処理内容は実施の形態1のS140,S150と同様である。
【0090】
S240,S250で次回以降の制御あるいは警報における設定を変更して、今回の処理を終了し、S10へと戻る。次回以降の制御、警報は、変更された設定により処理される。
【0091】
以上のような処理により、実施の形態1と同様、車間距離制御を行いながら、ロスト時にはロスト警報を、あるいは、通常検出中の模擬ロスト警報を発令させ、ロスト警報あるいは模擬ロスト警報から所定時間の反応を記録し、その反応の大きさに応じて、制御設定や警報設定を変更するため、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることが出来る。同時に、たとえ模擬ロスト警報発令中であっても、先行車への接近度合が大きい場合には、別の、運転者の注意をより喚起する警報手段により接近警報を発令するため、適切な回避動作を促すことが出来る。
さらに、実施の形態1と同様の効果に加えて、即座に危険な状況に陥らないような場面でのロスト警報を抑制し、煩わしさを低減させ、警報に対するドライバの反応操作が過敏であるかどうかの判定の精度を高めることが出来るという効果を有する。
【0092】
(実施の形態3)
図8及び図9は、本発明の実施の形態3である車線維持操舵制御装置(Lane Keepシステム;以下、L/Kと略す。)の構成を示すシステム図である。
【0093】
図9において、CCDカメラ41は、車室内のインナミラーステー等に固定設置され、車両前方状況を撮像する。撮像された画像データは画像処理ユニット42へ送られ、二値化等の処理により自車両近傍のレーンマーカが検出される。また、走行中の車線内における横方向の偏位量y、車線マーカ接線に対するヨー角Ψ、自車両前方の車線境界線までの距離Lが算出される。画像処理ユニットにおける演算処理結果はシステムのL/K制御ユニット50に送られる。L/K制御ユニット50には、両像処理データに加えて、ステアリングに取り付けられたL/K操作スイッチ43,ウインカスイッチ44が入力される。
【0094】
L/K制御ユニット50は、モータコントローラ51へ制御指令値を出力する。ここで制御指令値は従来例と同様であり、自車が走行中の車線から逸脱しようする場合に、車線内にとどまるようにステアリングを制御する。モータコントローラ51は、L/K制御ユニット50からの制御指令値に基づいてモータ52の回転数を制御する。
【0095】
L/K制御ユニット50での制御状態と、必要に応じて発令される警報は、警報・表示装置60へと出力される。警報・表示装置60は、警報音を発生させるスピーカ61と、制御状態と警報を表示するディスプレイ62で構成される。
【0096】
図8は本実施の形態2におけるセンサー系と制御系を示したものである。L/K制御ユニット50は、制御クラッチ55に向かってモータ53とステアリング系を接続するための指令値を出力し、同時にモータコントローラ51へ制御指令値を出力する。また、トルクセンサ57で、ステアリングホイール71に運転者より加えられた、操舵トルクが所定値を超えている場合には、即座に制御を中断し、マニュアル操舵へ戻すために、制御クラッチ55への出力を停止する。モータコントローラ51は、L/K制御ユニット50からの制御指令値とトルクセンサ57で検出されるトルク値に基づいてモータ53の回転数を制御し、制御クラッチ55およびステアリングシャフトを介してステアリングホイール71に制御トルクが付与される。
【0097】
次に、作用を説明する。
【0098】
図10のフローチャートを用いて、L/K制御ユニット50での処理内容を説明する。
大きく分けると、S310〜S400は通常制御状態での処理内容を示し、S410〜S450はロスト警報あるいは模擬ロスト警報時のドライバの反応操作量を判定し、制御警報設定を変更する処理内容を示している。
【0099】
〈通常制御処理〉
まずS310にて、画像処理ユニット42においてレーンマーカの検出が正常になされたかどうかを判別する。レーンマーカが正常に検出された場合、S350以降の通常処理へと進む。
【0100】
S350では、後述する模擬ロスト警報が発令中であるかどうかを判別する。発令中でない場合、S360にて模擬ロスト警報条件に合致するかどうかを判別する。ここでの模擬ロスト警報発令条件は、以下の通りである。
・制御開始から、ロスト警報、または、模擬ロスト警報に対するドライバの反応操作量が未計測、あるいは、計測された反応操作量が所定値以上(操作が過敏)のこと
・コースアウト予測時間TLCが所定以上のこと
・上記コースアウト予測時間TLC条件が継続して所定時間(例えば2分)以上持続していること
・上記を全て充たし、ランダムなタイミングで発令させる。
【0101】
ここで、コースアウト予測時間TLC(sec)は、図11に示す、自車前方の車線境界線までの距離L(m)、自車速V(m/s)から、(4)式で算出される。
コースアウト予測時間 TLC=L/V …(4)
模擬ロスト警報発令条件に合致した場合、S380へと進み、模擬ロスト警報を発令させる。ここでは、後述するロスト警報と同じ手段でドライバの注意を喚起する。つまり、ディスプレイ62に表示された、レーン検出表示を消すとともに、スピーカ61より注意喚起音を発令させる。この処理の後、今回の処理は終了し、S310へと戻る。
【0102】
S360で模擬ロスト警報条件に合致しない場合には、S370で自車がレーン内の所定範囲に収まる様に操舵制御を行い、S310へと戻る。S370での操舵制御設定は、後述するS440あるいはS450での操舵制御設定変更の影響を受ける。
ここでは、図11の自車の横方向変位yが、自車走行車線に対し、所定の範囲内(中心から±dY)におさまるような操舵制御を行う。左右のレーンマーカまでの余裕が所定値以下となる場合に、走行車線中央に入る様にL/K制御ユニット50を制御する。
【0103】
S310にてレーン検出出来なかった場合、あるいは、S350にて模擬ロスト警報が発令中であると判別された場合には、S390へと進み、今回の処理でロストしたか否かを判別する。今回の処理でロストした場合には、S400でロスト警報を発令させる。ここでの警報手段は、前述した模擬ロスト警報と同様であり、ディスプレイ62に表示された、先行車表示を消すとともに、スピーカ61より注意喚起音を発令させる。また、この警報手段は、後述するS440あるいはS450での警報設定変更の影響を受ける。警報発令後は、S310へと戻る。
【0104】
〈制御警報設定変更処理〉
ロスト中、あるいは、模擬ロスト警報発令中であり、今回の処理でロストしたのではない場合には、S390からS410へと進む。ここでは、ロスト警報、あるいは、模擬ロスト警報の発令から所定時間TEV経過したかどうかを判断する。TEVは、警報に対するドライバの反応操作を判定するための計測評価時間を示しており、例えば10秒間に設定すれば良い(警報発令から10秒間のドライバの反応操作量から判定する)。
【0105】
EVだけ時間が経過するまでは、その後の判定処理のために、S420にてドライバの操作量を記憶する。ドライバの操作量としては、基本的にハンドルの切れ角を使用するが、ブレーキペダルの踏み込み量を併用することでさらに正確な判定が可能となる。
【0106】
EVだけ時間が経過した後は、S430で警報からTEV間のドライバの操作量が所定値以上かどうかを判別する。この間のドライバ操作量から、以下の特徴が検出された場合には、警報に対するドライバの反応が過敏であったと判断して、S440へ進む。
・ドライバの初期操作量のピークが遅くて大きい(ピークまでの時間が所定値(TGR)以上で、ピーク値がしきい値以上)
S440およびS450では、ドライバの操作が過敏だった場合に、操舵制御設定や警報設定を変更する。図12及び図13にそれぞれの処理による変更例を示す。
【0107】
操舵制御の設定変更は、具体的には例えば、以下のような設定とする。操舵制御により自車中心線から±dYの範囲内にとどまるように制御し、このパラメータdYとして3種類(大きいい方より、dY1,dY2,dY3)用意しておき、S440,S450での処理により、適宜選択されるものとする。S440の処理では、今までより一段階小さい目標値を選択する(今までdY1ならdY2を、今までdY2ならdY3を)。S450の処理では一段階大きい目標値を選択する(今までdY3ならdY2を、今までdY2ならdY1を)。
【0108】
警報設定は、S440ではドライバの注意をより喚起する方向に、S450ではドライバの注意をより喚起しない方向に変更する。具体的には例えば、警報設定として、以下の2つを用意しておき、S440,S450での処理により、適宜選択されるものとする。
【0109】
〈警報設定1〉
・注意喚起音を消す(又はボリューム小)
・レーン検出表示を消灯
〈警報設定2〉
・注意喚起音を出す(又はボリューム大)
・レーン検出表示を点滅後、消灯
・ステアリングに振動を与える
S440の処理では、ドライバの注意をより喚起する警報設定2を選択し、S450の処理でドライバの注意をより喚起しない警報設定1を選択する。
【0110】
S440,S450で次回以降の制御あるいは警報における設定を変更して、今回の処理を終了し、S310へと戻る。次回以降の制御、警報は、変更された設定により処理される。
【0111】
以上のような処理により、操舵制御を行いながら、ロスト時にはロスト警報を、あるいは、通常検出中の模擬ロスト警報を発令させ、ロスト警報あるいは模擬ロスト警報から所定時間の反応を記録し、その反応の大きさに応じて、制御設定や警報設定を変更するため、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることが出来る。
【0112】
なお、本実施の形態3では、自車の走行車線における相対位置を検出する手段として、CCDカメラと画像処理装置による手段を用いたが、それにこだわるものではなく、例えば、磁気ネイルや、誘導ケーブル等の道路側から車線内における自車の情報を得られるものであっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0113】
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態3と同様、本発明のL/Kとしての適用例であり、実施の形態3に対し、ロスト警報を発令する際にその時のコースからの逸脱度合いを考慮して発令すると共に、ドライバの反応操作量から反応の過敏さを判定する際に、操作量の大きさや時間だけでなく警報の際の逸脱度合いを考慮して判定し、その結果より操舵制御設定・警報設定を変更することを特徴としている。
【0114】
まず、構成であるが、構成は図8及び図9に示した実施の形態3と同様であるので、説明を省略する。
【0115】
次に、作用を説明する。
【0116】
図14のフローチャートを用いて、L/K制御ユニット50での処理内容を説明する。
大きく分けると、S310〜S380,S500〜S580(S510〜S550を除く)は通常制御状態での処理内容を示し、S510〜S550はロスト警報あるいは模擬ロスト警報時のドライバの反応操作量を判定し、制御警報設定を変更する処理内容を示している。
【0117】
〈通常制御処理〉
S310〜S380の通常制御処理は、実施の形態3と全く同様であるので、説明を省略する。実施の形態3との差異は、S500〜S580の処理内容であり、以降ここについて説明する。
【0118】
S500では、ロスト警報あるいは模擬ロスト警報が発令中であるかどうかを判定する。S500で警報発令中の場合には、S510以降の制御警報設定変更処理へと進むが、警報発令中でない場合には、S560へと進む。
【0119】
S560では、現在のコースからの逸脱状態を判定する。ここでは、コースアウト予測時間TLCの予測値TLCを算出し、その値を逸脱状態の判定基準とする。この予測値TLC(sec)は(5)式により算出される。
TLC予測値 TLC=TLC+△TLC・t …(5)
ここで、TLC:レーン検出不可直前のコースアウト予測時間(sec)
△TLC:記憶されたレーン検出不可直前までのTLCの変化率(sec/sec)
t:レーン検出不可からの経過時間(sec)
である。
このTLC予測値TLCは、ロスト直前までのTLCの変化より、現在のTLCを予測したものである。TLC予測値TLCが所定値未満の場合には、急なコース逸脱状態であると判断し、S570へ進む。逆にこの値が所定値以上の値を示す場合には、急なコース逸脱状態ではないと判断し、S580へ進む。
【0120】
S570では、実施の形態3と同様に、ロスト警報として、ディスプレイ62に表示された、レーン検出表示を消すとともに、スピーカ61より注意喚起音を発令させる。さらに、ステアリングに微小振動を与える。一方、S580では、ディスプレイ62に表示された、レーン検出表示を消すのみとして、スピーカ61よりの注意喚起音や微小振動は発令させない。
【0121】
このような処理とすることにより、実施の形態3に対し、ロスト時以降のコースからの逸脱予測に基づいてロスト警報を出す、出さないを切り替えることが可能となり、即座に危険な状況に陥らないような場面でのロスト警報を抑制し、煩わしさを低減させることが出来る。
【0122】
〈制御警報設定変更処理〉
このS510〜S550の制御警報設定変更処理は、実施の形態3とほぼ同様であるが、S530での反応操作量判定処理が異なっている。
【0123】
S500で警報発令中の場合には、S510へと進む。ここでは、ロスト警報、あるいは、模擬ロスト警報の発令から所定時間TEV経過したかどうかを判断する。TEVは、警報に対するドライバの反応操作を判定するための計測評価時間を示しており、例えば10秒間に設定すれば良い(警報発令から10秒間のドライバの反応操作量から判定する)。
【0124】
EVだけ時間が経過するまでは、その後の判定処理のために、S520にてドライバの操作量を記憶する。ドライバの操作量としては、基本的にハンドルの切れ角を使用するが、ブレーキペダルの踏み込み量を併用することでさらに正確な判定が可能となる。
【0125】
EVだけ時間が経過した後は、S530で警報からTEV間のドライバの操作量が所定値以上かどうかを判別する。この間のドライバ操作量から、以下の特徴が検出された場合には、警報に対するドライバの反応が過敏であったと判断して、S540へ進む。
・ドライバの初期操作量のピークが遅くて大きい
(ピークまでの時間が所定値(TGR)以上で、ピーク値がしきい値以上)
実施の形態3のS430での処理内容との具体的相違点は、判定するためのしきい値を、警報発令時のコースからの逸脱状態に応じて可変とする所である。つまり、コースから急な逸脱が予測される状態で発令したロスト警報に対するしきい値は大きく、緩やかな逸脱だと予測される状態で発令したロスト警報に対するしきい値は小さく、設定する。接近状態としては、(5)式で示した、TLC予測値TLCを使用する。
【0126】
このような処理により、警報に対するドライバの反応操作が過敏であるかどうかを、操作量のみでなく、警報の発令した時のコースからの逸脱状態予測を含めて判断し、実施の形態3に比ベ、より精度良く判定することが可能となる。
【0127】
S540およびS550では、ドライバの操作が過敏だった場合に、操舵制御設定や警報設定を変更する。ここでの処理内容は実施の形態3のS440,S450と同様である。
【0128】
S540,S550で次回以降の制御あるいは警報における設定を変更して、今回の処理を終了し、S310へと戻る。次回以降の制御、警報は、変更された設定により処理される。
【0129】
以上のような処理により、実施の形態3と同様、操舵制御を行いながら、ロスト時にはロスト警報を、あるいは、通常検出中の模擬ロスト警報を発令させ、ロスト警報あるいは模擬ロスト警報から所定時間の反応を記録し、その反応の大きさに応じて、制御設定や警報設定を変更するため、警報に対する運転者の適切な反応を導き、違和感や煩わしさを低減させることが出来る。
【0130】
さらに、実施の形態3と同様の効果に加えて、即座に危険な状況に陥らないような場面でのロスト警報を抑制し、煩わしさを低減させ、警報に対するドライバの反応操作が過敏であるかどうかの判定の精度を高めることが出来るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における車間制御型定速走行装置を示す全体システム図である。
【図2】実施の形態1の追従制御用コントローラでの処理内容を表すフローチャートである。
【図3】ロスト警報に対するドライバの過敏なブレーキ操作例と適切なブレーキ操作の例を示すタイムチャートである。
【図4】図2のS140(ロスト警報に対するドライバ操作が過敏な場合)での車間距離設定・警報設定の変更例を示す図である。
【図5】図2のS150(ロスト警報に対するドライバ操作が適切な場合)での車間距離設定・警報設定の変更例を示す図である。
【図6】実施の形態2の追従制御用コントローラでの処理内容を表すフローチャートである。
【図7】実施の形態2においてロスト警報が発生するタイミングの例を示すタイムチャートである。
【図8】実施の形態3における車間制御型定速走行装置が適用された車両を示す斜視図である。
【図9】実施の形態3における車間制御型定速走行装置の制御ブロック図である。
【図10】実施の形態3のL/K制御ユニットでの処理内容を表すフローチャートである。
【図11】コースアウト予測時間を算出するための自車前方の車線境界線までの距離Lと横方向変位yを示す図である。
【図12】図10のS440(ロスト警報に対するドライバ操作が過敏な場合)での車間距離設定・警報設定の変更例を示す図である。
【図13】図10のS450(ロスト警報に対するドライバ操作が適切な場合)での車間距離設定・警報設定の変更例を示す図である。
【図14】実施の形態4のL/K制御ユニットでの処理内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
12 車間距離センサ
30 追従制御用コントローラ
41 CCDカメラ
42 画像処理ユニット
50 L/K制御ユニット
60 警報・表示装置

Claims (10)

  1. 車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、
    前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、
    ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、
    操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、
    を備え
    車両用走行制御装置を、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置とし、
    前記車両環境認識手段を、自車両の先行車と自車両との車間距離を検出する手段とし、
    前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、
    前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上であることにより反応が過敏であると評価する手段とし、
    前記設定変更手段を、反応が過敏であると評価された時は、その後の制御車間距離設定を、反応が過敏ではないと評価された時に比して長く設定する手段としたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 請求項に記載の車両用走行制御装置において、
    前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であることにより反応が適切であると評価する手段とし、
    前記設定変更手段を、反応が適切であると評価された時は、その後の制御車間距離設定を、反応が適切であると評価されていない時に比して短く設定する手段としたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  3. 車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、
    前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、
    ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、
    操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、
    を備え、
    車両用走行制御装置を、走行車線に対する自車両の相対横変位を検出し自車両が走行車線内にとどまる様に操舵制御を行う装置とし、
    前記車両環境認識手段を、走行車線に対する自車両の相対横変位を検出する手段とし、
    前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし
    前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上であることにより反応が過敏であると評価する手段とし、
    前記設定変更手段を、反応が過敏であると評価された時は、その後の操舵制御を、反応が過敏であると評価されていない時に比して走行車線のより中央側に位置することが可能 な設定に変更する手段としたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  4. 車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、
    前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、
    ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、
    操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、
    を備え、
    車両用走行制御装置を、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置とし、
    前記車両環境認識手段を、自車両の先行車と自車両との車間距離を検出する手段とし、
    前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、
    前記操作反応評価手段を、ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値以上であることにより反応が過敏であると評価する手段とし、
    前記設定変更手段を、反応が過敏であると評価された時は、その後の警報設定を運転者の注意をより喚起する設定へと変更する手段としたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  5. 車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、
    前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなったと判断された際に警報を与えるロスト警報発令手段と、
    ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、
    操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、
    を備え、
    車両用走行制御装置を、先行車までの車間距離を検出し車間距離が所定値となるように加減速制御を行う装置とし、
    前記車両環境認識手段を、自車両の先行車と自車両との車間距離を検出する手段とし、
    前記操作反応計測手段を、ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者のブレーキ操作もしくはハンドル操作の少なくともいずれかの反応を計測する手段とし、
    前記操作反応評価手段によりロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であると評価された回数の制御開始からの積算値を記憶する積算値記憶手段を設け、
    前記設定変更手段を、記憶された回数積算値が所定値を越えた場合にその後の警報設定を運転者の注意をより喚起しない設定へと変更する手段としたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  6. 請求項に記載の車両用走行制御装置において、
    前記設定変更手段により警報設定を運転者の注意をより喚起しない設定へと変更する際、運転者に変更するか否かの判断を仰ぎ、運転者の変更許可操作を受けて実際の設定変更を行う手段としたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  7. 車両周囲の環境を認識する車両環境認識手段を有し、
    前記車両環境認識手段の認識結果に応じて車両の加減速もしくは操舵の自動制御を行う車両用走行制御装置において、
    前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できるかどうかを判断する環境認識判断手段と、
    認識した車両周囲環境から安全な車両状況にある否かを判断する車両状況判断手段と、
    車両周囲環境の認識が可能であり、かつ、認識した車両周囲環境から安全な車両状況にないと判断された際にのみ、前記車両環境認識手段が車両周囲の環境を認識できなくなった旨の警報を模擬的に与える模擬ロスト警報発令手段と、
    模擬ロスト警報発令直後から所定時間までの運転者の操作反応を計測する操作反応計測手段と、
    計測された操作反応の状況を評価する操作反応評価手段と、
    操作反応評価結果に基づき、その後の制御設定もしくは警報設定の少なくとも何れかを変更する設定変更手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用走行制御装置。
  8. 請求項に記載の車両用走行制御装置において、
    前記車両状況判断手段を、模擬ロスト警報発令中も環境認識に基づく車両状況判断を継続する手段とし、
    模擬ロスト警報発令中に安全な車両状況にないと判断された場合には別の手段で警報を発令する警報作動手段を設けたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の車両用走行制御装置において、
    前記操作反応評価手段を、模擬ロスト警報直後の運転者の反応操作量が所定値未満であることにより反応が適切であると評価する手段とし、
    反応が適切であると評価された場合、その後は模擬ロスト警報の発令を停止する第1模擬ロスト警報停止手段を設けたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  10. 請求項7または請求項8に記載の車両用走行制御装置において、
    制御開始からの車両周囲環境の認識ができなくなった回数の積算値を記憶する積算値記憶手段を設け、
    記憶された回数積算値が所定値以上となった場合には、その後は模擬ロスト警報の発令を停止する第2模擬ロスト警報停止手段を設けたことを特徴とする車両用走行制御装置。
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