JP3879039B2 - 建物用ドア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅やマンションの玄関等の出入り口部に設置される建物用ドアの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種住宅やマンションの玄関等に設置される建物用のドアにおいては、ドアの表面に装飾用として種々の意匠を採用することにより、ドアに多様性を持たせている。そして、このような建物用ドアをマンション等の玄関に設ける場合、建築物の封止性が優れているため、建築物の内外の換気性が損なわれてしまうという問題がある。そこで、建物用ドアの一部に換気用の開口(換気口)を設け、該換気口にガラリを設けて開閉できるように構成し、換気口の開放で屋内外の換気を行うようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記従来の換気口付の建物用ドアは、換気口がそのまま屋外側に露出しているため、換気口を開放したとき換気口を介して屋内側が望めてしまうという問題があるうえ、換気口部位に設けられたガラリは、屋内側にそのまま露出されているため、どうしても意匠的に損なわれ、玄関等に設けるには好ましくないという問題があった。そのうえ、従来のものでは、意匠性を損なうことがないよう換気口自体を小さく形成しているため換気量が少なくなってしまい換気効果小さいという問題もあり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ドアに屋内外の換気をするための換気口を開設する一方、ドアの屋外側面に、前記換気口を換気可能な状態で覆う飾りパネルを設けると共に、ドアの中央部に採光窓が取付けられ、該採光窓の左右両側部に、換気口と塞ぎ体とフード体と飾りパネルとで構成される換気部がそれぞれ配されている建物用ドアとするにあたり、左右の換気口を覆う飾りパネルは、採光窓部位において連結され、飾りパネルの左右方向中央部に形成された換気孔を介して換気されるように構成されていることを特徴とする建物用ドアである。
そして、このようにすることにより、換気口を介して屋内側が臨めるようなことがないようにできる。
請求項2の発明は、請求項1において、左右の換気口を覆う飾りパネルは、採光窓部位において連結され、飾りパネルの左右両側部に形成された換気孔を介して換気されるように構成されていることを特徴とする建物用ドアである。
請求項3の発明は、請求項1または2において、採光窓と一対の換気部とは、一つのユニットとしてドアに組込まれるように構成されていることを特徴とする建物用ドアである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を図1〜図4の図面に基づいて説明する。
図面において、1はマンションの玄関に取付けられた建物用のドアであって、該ドア1は、躯体側の開口部に矩形状に配された戸枠2に対し、蝶番3を介して前後方向(屋内外方向)揺動自在に取付けられている。
【0006】
さて、前記ドア1は、スチール製板材を折曲形成して構成された屋内外一対の面板4、5を、骨材6を介して一体化することで形成されている。そして、両面板4、5の左右方向中央部には矩形状の開口が形成されており、該開口に、採光窓部7と、該採光窓部7の左右に位置する左右一対の換気部8が組込まれた中央部ユニットUが取付けられるように設定されている。尚、前記開口形成部位の上下端部は、屋外面板5を屋内側に折曲して凹部5aに形成されており、該部位のドア厚が略半分となるように形成されている。
【0007】
前記中央部ユニットUを構成する主枠材9は、中央部の開口部を囲繞するべく、屋外面板5と略面一状に形成される上下、左右の片部9a、9bと、上下の片部9aを連結する上下方向に長い仕切り片部9cとを備えて構成され、前記開口部に左右方向に三つの第一、第二、第三空間部S1、S2、S3が並列状に形成されている。尚、上下の片部9aは、屋外面板5の前記凹部5aに対向しており、上下片部9aの内側縁部を除くそれぞれの端縁部からは、屋外面板5側に向く折曲片9dが形成され、先端部が屋外面板5に突当てられる構成となっている。さらに、左右の片部9bの外側縁部には、ドア1に形成された開口端面に沿うようドア厚長さに設定された折曲片9eがそれぞれ形成されている。
【0008】
一方、採光窓部7は、ガラス板材7aと、該ガラス板材7aの四周に組込まれる窓用フレーム材7bとで構成され、ガラス板材7aが前記主枠材9に形成される第二空間部S2と略同形状になるように形成されている。そして、採光窓部7は、窓用フレーム材7bの屋外側面を主枠材9の仕切り片部9cと上下の片部9aの屋内側面に接着等の固定手段により固定することで、第二空間部S2に固定支持されている。さらに、採光窓部7の窓用フレーム材7bのうち、上下に位置する窓用フレーム材7bは、ドア厚方向に向く突片部7cと、屋内面板4に沿うよう折曲された支持片部7dとが一体形成されており、各片部7c、7dとを、ドア1の開口端面と屋内面板4とに固定することでも、採光窓部7の支持がなされるように構成されている。
【0009】
さらに、中央部ユニットUには、採光窓部7の左右に一対の換気部8がそれぞれ組込まれているが、このとき、前記第一、第三空間部S1、S3が換気口に相当しており、該換気口S1、S3を開閉する各種部材とともに換気部8が構成されている。
前記一対の換気部8は左右対称状のものが設けられる構成であり、ここでは、図3(A)の図面向かって左側の換気部8について説明し、右側の換気部8については同様の符号を付すことで、説明を省略する。
換気部8は、換気口S1の上下方向長さと略同寸法に設定される換気部フレーム材10と、該換気部フレーム材10と略同寸法に設定され、換気口S1の開閉をする塞ぎ体11と、ドア1の上下方向全長と略同寸法に形成され、前記換気部フレーム材10と塞ぎ体11とを屋内側から覆うように取付けられるフード体12とを備えて構成されている。そして、換気部フレーム材10は、第一空間部S1上方に位置する主枠材9の上下片部9aに固定される取付け片部10aと、該取付け片部10aの左右両側縁部から屋内側に向けて折曲する第一、第二脚片10b、10cとを備えて構成されている。そして、換気部フレーム材10は、前記上下の取付け片部10aを上下片部9aに固定することで中央部ユニットUに支持されるように設定されている。
尚、10dは、換気部フレーム材10に形成される開口部に一体的に取付けられた防虫網である。
【0010】
前記塞ぎ体11は、第一空間部S1を開閉するべく上下方向に長い長尺体に形成されており、長尺方向の一側縁部が、換気部フレーム材第一脚片10bのドア厚方向中間部に形成された段差部10eに、ピン11aを介して揺動自在に蝶着される一方、長尺方向他側縁部は、換気部フレーム材第二脚片10cのドア厚方向中間部に形成された段差部10fに離接自在に当接する構成となっている。そして、塞ぎ体11は、他側縁部が第二脚片段差部10fに当接することにより、第一空間部S1を閉鎖して屋内外を遮断する閉鎖姿勢(図3(A)における破線)となり、また、ピン11aを支点として屋内側に揺動することで第一空間部S1を開放して屋内外を換気する開放姿勢(図3(A)における実線)とに揺動変姿する構成となっている。因みに、塞ぎ体11は、弾機(図示せず)により閉鎖姿勢側に向けて付勢されている。
さらに、塞ぎ体11は、フード体12を介して外部に突出して配される図示しないレバーの操作により、閉鎖姿勢または開放姿勢の何れかの姿勢に自由に変姿させることができるように設定されている。
【0011】
このように、主枠材9に、採光窓部7と換気部用フレーム材10、そして塞ぎ体11とが組込まれた状態を中央部ユニットUとしてドア1に組込むが、このとき、中央部ユニットUは、主枠材上下片部9aを屋外面板凹部5aに対向せしめ、上下片部9a先端の折曲片9dを、前記凹部5aの上端部に配された骨材6に突当てて螺子止め固定するとともに、換気部用フレーム材10の第一脚片10b先端に折曲形成された支持片部10gをドア1開口の屋内側縁部に突当てて、螺子10hを用いて螺合することでドア1に固定されるように設定されている。
そして、この組込み状態において、前記フード体12が屋内側から取付けられるように設定されている。つまり、前記フード体12は、塞ぎ体11を屋内側から覆うように配されるものであって、塞ぎ体11の開放姿勢を許容するように屋内側に膨出する断面略凵字形状に形成されている。そして、フード体12は、一方の脚片12aを、換気部用フレーム材10の第二脚片10cに固定するとともに、他方の脚片12bを、前記支持片部10gの先端に屋内側に突出する用折曲形成された突片10iに突当てて螺子10jを用いて螺合することで、中央部ユニットUに固定されるように設定されている。
尚、フード体12の屋内側面には、中央側に向けて傾斜する傾斜面部12cが形成されており、該傾斜面部12cに、上下方向に複数の通気孔12dが開設されており、これら通気孔12dを介してフード体12の内外の通気できるように設定されており、塞ぎ体11の開放姿勢において、通気孔12dと第一空間部S1とが連通されるように設定されている。
【0012】
13は中央部ユニットUの屋外側面に取付けられる飾りパネルであって、該飾りパネル13は、左右の換気部8の屋外側に設けられて、換気口S1、S3を覆うように設けらるものであり、中央部ユニットUをドア1の開口に組込んだ後に取付けられるように設定されている。尚、本実施の形態の飾りパネル13は、ドアに重厚感や高級感を付与できるようにアルミ製の鋳物で一体型成形されたものとなっている。
前記飾りパネル13は、左右の換気部8の屋外側に所定間隔を存して位置し、換気部8に形成されている第一、第三空間部S1、S3を覆う一対の本体部13aと、これらを上下方向に所定間隙を存して連結する複数の連結片部13bとを備えて形成されている。そして、本体部13aの屋内側面の上下端部の各コーナー部となる四箇所には、屋内側に向けて突出する脚部13cがそれぞれ形成されており、該脚部13cを螺子13dを用いて中央部ユニットUの主枠材上下片部9aにそれぞれ螺合することにより飾りパネル13の中央部ユニットU屁の取付けがなされている。そして、飾りパネル13と換気口S1、S3とのあいだには、連結片13b間同志のあいだである中央部位や、飾りパネル13の左右端部位に位置して換気孔Hとなる隙間が形成されており、これによって、ドア1の屋内外の通気は、図3に示す矢印のように、換気孔H、換気口S1、S3、フード体通気孔12dを介してなされるように設定されている。
【0013】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、建物用のドア1は、ドア1の屋内外を貫通する換気口S1、S2が形成されて、通気性(換気性)に優れたものに構成されているが、この場合に、換気口S1、S2は、屋外面板5に取付けられた鋳物製の飾りパネル13により覆蓋されていて、外部から直接目視できないようになっている。従って、飾りパネル13は、換気口S1、S3が開放して屋内外が連通した状態となってもそれを目隠しして、屋内側が見えないように目隠し機能を果すことができる。そのうえ、飾りパネル13を設けることで、ドア1に重厚感や高級感を付与することができ、この結果、仮令換気口S1、S3を大きく確保して換気効果を高めるように構成したとして、該換気口S1、S3は飾りパネル13で覆われるため、換気口S1、S3の開放時に屋内側が見えてしまうような不具合がなく、もって、取付け場所や環境等により適宜自由に換気口S1、S3の大きさを設定することができる。
しかも、この場合に、換気口S1、S3は上下方向に長く形成される一方、飾りパネル13と換気口S1、S3とのあいだには隙間が形成されており、左右の換気口S1、S3を塞ぐ本体部13a同志を連結する連結片13b間や、左右端部位において換気孔Hが形成されていて、該換気孔Hを介しての換気性能が何ら損なわれることはなく、効率良く屋内外を換気できる。
【0014】
さらに、本実施の形態のドア1においては、換気口S1、S3は上下方向に長いものになっていて換気性能については向上するものであるが、換気口S1、S3の屋内側部位には、換気口S1、S3を開閉するための塞ぎ体11が屋内側から操作可能な状態で取付けられている。このため、冬季の換気が不要な時には塞ぎ体11を閉鎖し、夏季の暑い季節には開放する等することにより、周囲の環境に応じて適宜換気口S1、S3の開閉ができて、機能性に優れる。
【0015】
そのうえ、このものでは、屋内側に塞ぎ体11を覆うようにフード体12が通気可能な状態で設けられているため、内嵌状態においても意匠性に優れており建築物の玄関等の開口部に設けても、何ら違和感を与えることがない。
【0016】
また、前記実施の形態のものでは、中央に採光用の採光窓部7が設けられ、該採光窓部7の左右に一対の換気部8が配される構成になっており、意匠性にも優れるているが、そのうえ、このようなドア1をマンションの玄関のように、屋内側が暗くなりがちな箇所に取り付けたような場合では、屋内部を明るくできるという利点がある。
しかも、このものでは、採光窓部7と換気部8の換気用フレーム10、塞ぎ体11とを組込んだ状態の中央部ユニットUをドア1に予め組込んだ後、該中央部ユニットUにフード体12と飾りパネル13とを取付けることでドア1を組み立てることができ、作業性が向上する。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、図5、6、7に示す第二の実施の形態のようにすることもできる。
この建物用のドア14は、中央の採光窓部7の左右に、前記第一の実施の形態よりも左右幅の広い換気部15が形成されている。そして、このものでは、一対の換気部15を構成する格子状に開設された換気口S1、S3に、塞ぎ体として左右方向を向く複数の羽根16aと、これら羽根16aを換気口S1、S3を開放する水平姿勢と閉鎖する傾斜姿勢とに揺動変姿せしめるリンク体16bとを備えた構成されたガラリ16が設けられたものになっている。尚、このものにおいても、ドア14は、採光窓部7と換気部15とを組込んだ中央部ユニットUを形成し、このものをドア14の開口に取付けるようにして構成されている。また、このものでは、ガラリ16の羽根16a幅がドア厚と略同寸法となっているうえ、前記第一の実施の形態の塞ぎ体11のように、換気口S1、S3を開閉するための作動が屋内側に突出する構成ではないためガラリ16の屋内側に配される通気孔17a付きのフード体17を格別屋内側に突出させる必要がなく、屋内側部位をすっきりとしたものにできるが、換気性能については、換気口S1、S3に羽根16aが水平姿勢となって位置したままである分、前記第一の実施の形態のものよりは劣る。因みに、このものにおいても、屋外側に飾りパネルを設けることができ、換気口S1、S3と間隙を存して配することで換気可能とすることができる。
【0018】
次に、図8、9に示す第三の実施の形態について説明するこのものは、中央部ユニットUととして、中央に幅広の換気部18を組込み、該換気部18の左右に一対の採光窓部7を組込んだものとし、このものを、ドア19の中央部開口に取付けたものとなっており、これ以外の構成については、前記第二の実施の形態と略同様なものとなっている。そして、このものにおいても、換気部18には、塞ぎ体として左右方向を向く複数の羽根16aとリンク体16bとを備え、羽根16aの揺動で換気口S1、S3を開閉するガラリ16が設けられたものになっている。
【0019】
また、図10、11、12に示す第四の実施の形態のものは、中央部に配した換気部20は、中央部に開設された換気口21に複数の羽根22を傾斜状に配し、これら羽根22の変位で換気口21を開閉する構成とし、屋内側に配した通気孔23a付きのフード体23を介して屋内外の通気を行う構成となっている。さらに、このものでは、換気20の左右両側に採光窓部24が配されている。
因みに、前記第三、第四の実施の形態についても、屋外側に飾りパネルを設けることで換気口が露出しない構成とすることができる。
【0020】
このように、本発明は、換気口を開閉自在に構成するとともに、換気口が外部に露出しないように構成するものであり、換気口を覆う飾りパネルとしては、装飾性のあるものを用いることで意匠性の優れたものとするすることができるとともに、多種多様な意匠を備えたものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建物用のドアの正面図である。
【図2】建物用のドアの背面図である。
【図3】図3(A)、(B)は、それぞれ図1の一部を省略したX−X断面図、Y−Y断面図である。
【図4】図1の一部を省略したZーZ断面図である。
【図5】図5(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態のドアにおける正面図、背面図である。
【図6】図5(A)のX−X断面図である。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれ図5(A)のY−Y断面図、Z−Z断面図である。
【図8】図8(A)、(B)はそれぞれ第三の実施の形態のドアにおける正面図、背面図である。
【図9】図8(A)のX−X断面図である。
【図10】図10(A)、(B)はそれぞれ第三の実施の形態のドアにおける正面図、背面図である。
【図11】図10(A)のX−X断面図である。
【図12】図12(A)、(B)はそれぞれ図10(A)のY−Y断面図、Z−Z断面図である。
【符号の説明】
1 ドア
2 戸枠
3 蝶番
4 屋内面板
7 採光窓部
8 換気部
9 主枠材
10 換気部フレーム材
11 塞ぎ体
11a ピン
12 フード体
12d 通気孔
13 飾りパネル
13a 本体部
13b 連結片部
13c 脚部
S1 換気口
H 換気孔
Claims (3)
- ドアに屋内外の換気をするための換気口を開設する一方、ドアの屋外側面に、前記換気口を換気可能な状態で覆う飾りパネルを設けると共に、ドアの中央部に採光窓が取付けられ、該採光窓の左右両側部に、換気口と塞ぎ体とフード体と飾りパネルとで構成される換気部がそれぞれ配されている建物用ドアとするにあたり、左右の換気口を覆う飾りパネルは、採光窓部位において連結され、飾りパネルの左右方向中央部に形成された換気孔を介して換気されるように構成されていることを特徴とする建物用ドア。
- 請求項1において、左右の換気口を覆う飾りパネルは、採光窓部位において連結され、飾りパネルの左右両側部に形成された換気孔を介して換気されるように構成されていることを特徴とする建物用ドア。
- 請求項1または2において、採光窓と一対の換気部とは、一つのユニットとしてドアに組込まれるように構成されていることを特徴とする建物用ドア。
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