JP3878898B2 - 高周波用配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低損失の絶縁基板に対するセラミックス及び/または金属との接合において高い強度と気密性を有するメタライズと、これらを同時焼成により形成することにより低コスト化が可能な、高周波用配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、携帯電話、小型ノートブックパソコン等の情報端末の小型化に伴い、半導体や電子部品を搭載するパッケージも小型化が強く求められ、半導体や電子部品の実装の高密度化に対応したアルミナ多層配線基板が多用されている。
【0003】
また同時に、高度情報化時代を迎え、情報伝達はより高速化、高周波化が進んでおり、パッケージの配線抵抗による伝達速度の遅延や、パッケージ材料の誘電特性による高周波信号の損失が問題となりつつある。
【0004】
ここで、アルミナ多層配線基板においても比誘電率が9〜10であり、高周波信号の損失が無視出来なくなり、高周波用の回路基板等としての使用には適さないという問題が生じている。
【0005】
そこで、信号を高速で伝搬させることが可能な、より低い誘電率の配線基板が要求されるようになった。
【0006】
このような低損失な配線基板に用いる磁器として、例えば、主結晶相としてガーナイト、コーディエライト、フォルステライト、エンスタタイトが析出する結晶化ガラスを用いることにより、比誘電率6未満、誘電正接が11×10-4以下、強度が260MPa以上のガラスセラミックスからなる磁器が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−175855号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のガラスセラミックスは55〜99.9質量%もの多量のガラスを用いており、ガラスを合成する工程及び該ガラスを結晶化する熱処理工程が必要となり、製造コストが増加するという問題があった。
【0009】
また、ガラスセラミックスに施されるメタライズ層とセラミックスまたは金属との接着強度が低いために、機密性が低いという問題があった。
【0010】
さらに基板の強度が低いため、金具付けを行った際に金具とセラミックスの熱膨張率差により応力が発生し、磁器にクラックが生じて剥がれるという問題がある。
【0011】
また、レーザーダイオードといった半導体素子や水晶発振器に用いられる水晶振動子などを搭載する場合は、わずかのゴミなどにも素子の特性が左右されるため、金属製のキャップをAuとSnの合金を用いたロウ付け等により気密封止を行う必要があるが、金属製キャップによる封止は、融点が低いため、ガラスセラミックスと金具との接合が可能であるが、コストが高いという問題があった。
【0012】
従って、本発明は、高周波領域で低損失であるとともに、金具部品との気密性が高く、高強度の接合部を有する高周波用配線基板とそれを低コストで製造が可能な製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁体とロウ材との間に、組成を制御したメタライズを介することにより、金属と高強度かつ気密性の高い接合用メタライズを低コストで提供できるという知見に基づく。
【0014】
即ち、本発明の高周波用配線基板は、フォルステライト及びコーディエライトを主結晶相とする絶縁体に対し、前記絶縁体の表面及び/又は内部に、タングステン及び/又はモリブデンを50〜99.5体積%含有すると共に、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50体積%の割合で含有してなるメタライズ層を具備することを特徴とするものである。
【0015】
特に、前記メタライズ層に、アルミナを含有することが好ましい。これにより、絶縁体の成分とメタライズ層との反応が促進され、メタライズの焼結性が良くなると共に、金属との接合がより強固になる効果が得られる。
【0016】
さらに、前記メタライズ層に、セラミックス及び/又は金属が接合されていることが望ましい。これにより、高い接合強度が得られ、金属リード、ピン、放熱部材等との高い接合信頼性が得られ、また金属製キャップによる気密封止が可能となる。
【0017】
また、本発明の高周波用配線基板の製造方法は、フォルステライト粉末とコーディエライト粉末及び粉体全量中0.1〜10質量%の焼結助剤の混合粉末からなるグリーンシートの表面及び/又は内部に、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末を50〜99.5体積%含有すると共に、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50体積%の割合で含有してなるメタライズペーストを塗布した後、該グリーンシートを積層し、1200〜1450℃の温度で焼成することを特徴とするものである。この方法により、絶縁体とメタライズ層との同時焼成が可能となり、セラミックス及び/又は金属と接合強度が高く、また同時に気密性の高い接合が可能となる。
【0018】
特に、前記メタライズペーストをセラミックス及び/または金属を接合する箇所に印刷塗布することが好ましい。これにより、同時焼成によっても接合用メタライズと配線用メタライズの両方を具備した配線基板の製造が容易となる。
【0019】
前記グリーンシートを積層する前にビアホールを形成し、このビアホールに前記メタライズペーストを埋め込み積層することが好ましい。これにより3次元配線が可能となり、配線基板の小型化が可能になると共に、熱伝導性が向上した高周波用配線基板が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の高周波用配線基板の絶縁層は、フォルステライト及びコーディエライトを主結晶相からなる磁器を用いる。
【0021】
絶縁層は、両結晶相が含まれれば良いが、誘電率を低く保ちさらに、GaAs半導体素子等のチップ部品との熱膨張係数(6〜7.5×10-6/℃)に近くすることで、これらチップ部品との接合信頼性が高まるため、特にフォルステライトが80〜60体積%、更には70〜60体積%であるのが良い。
【0022】
また、副結晶相として、ウィレマイト、ガーナイト、ディオプサイト、アノーサイト等を含むことができ、これらの中でも、焼成温度の低下および熱膨張係数の調節、さらには強度改善のため、ディオプサイト、アノーサイトの結晶相を含むことが好ましい。
【0023】
本発明によれば、絶縁基板の表面及び/又は内部のメタライズ層は、タングステン及び/又はモリブデンを50〜99.5体積%含有させると共に、絶縁基板との接合強度を確保し、気密封止を可能とするために、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50体積%の割合で含有させることが重要である。
【0024】
このような構成を有する高周波用配線基板は、セラミックス及び/又は金属と高強度でかつ気密性の優れたAgロウ接合が可能となり、高信頼性の気密封止や金具付けが必要な、高周波信号においても低損失である多層配線基板や半導体収納用パッケージ、特に水晶発振器や光半導体用パッケージ等に好適に用いることができる。
【0025】
タングステン及び/又はモリブデンが50体積%未満では、めっき処理を行うとめっきがかかりにくくなるという傾向があり、99.5体積%を越えると、メタライズが十分に焼結せず、基板材料と金属との接合強度が十分得られないという問題が発生する。
【0026】
また、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5体積%に満たないと、メタライズの焼結が不十分となり、接合強度の低下、気密封止が出来なくなる傾向があり、50体積%を越えると、めっきがかかりにくくなり、ロウ付けが不十分となり、接合強度の低下、気密封止が出来ない、という問題が発生する傾向がある。
【0027】
本発明によれば、めっきのかかり具合をよくするため、タングステン及び/又はモリブデンを特に70体積%以上、更には75体積%以上含有することが好ましく、また、メタライズの接合強度を高めるため、特に90体積%以下、更には85体積%以下であることが好ましい。
【0028】
さらに、焼結性の向上および接合強度の向上のため、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で、特に10体積%以上、更には20体積%以上含有することが好ましく、また、めっき不良による金具付け不良を少なくするため、特に45体積%以下、更には40体積%以下であることが好ましい。
【0029】
本発明によれば、メタライズ層がアルミナを含有することが好ましい。アルミナ含有量は、5〜40体積%、特に10〜30体積%であるのが、接合強度をあげるには良い。
【0030】
また、メタライズ層には、セラミックス及び/又は金属が接合されていることが好ましい。例えば、12×12×0.35mmのくぼみ(キャビティー)に、厚み約0.2mmのCu−W合金、Cu−Mo合金、Fe−Ni−Co合金、アルミナなどによるキャップをAgロウや半田等により封止した半導体パッケージやパワーアンプモジュール、レーザーダイオードを封止した光半導体パッケージなどに適用可能である。
【0031】
このような構成を有する本発明の高周波用配線基板は、同時焼成によって形成されるメタライズにより、接合強度が高くまた気密封止が可能な金具付けが低コストで可能であるという特徴を有し、半導体パッケージ、水晶振動子用パッケージ、パワーアンプモジュール、高周波用配線基板等に好適に適応することができる。
【0032】
次に、本発明の高周波用配線基板の製造方法について説明する。
【0033】
まず、主原料粉末として、純度99.0%以上、平均粒子径0.5〜10.0μm、好適には0.5〜5.0μm、さらには0.5〜2.0μmのフォルステライト粉末、コーディエライト粉末を準備する。また、副成分として、純度99.0%、平均粒子径0.5〜10.0μm、好適には0.5〜5.0μm、さらには0.5〜2.0μmのアルカリ土類金属の酸化物粉末、Al2O3、SiO2の少なくとも1種を準備する。
【0034】
副成分を全量中0.1〜10.0質量%の割合で添加することによって、磁器の焼結性を向上させ、空孔を低減させることが可能となる。また、熱膨張係数の調整も可能となる。
【0035】
この副成分は、全量中0.1〜10.0質量%で含むように添加することが重要である。0.1質量%に満たないと焼結性の向上や熱膨張係数の調整に関する添加効果が十分得られない場合があり、また、10.0質量%を超えると焼成時に液相が流出してしまう傾向があるためである。この副成分の含有量は、特に1.0〜8.0質量%、更には1.0〜5.0質量%の割合で添加することが好ましい。
【0036】
ここで、副成分のアルカリ土類金属とは、Mg、Ca、Sr、Baを示し、アルカリ土類金属の酸化物とは一般式MOで表される化合物である。なお、これらの元素のうち、Mgをアルカリ土類金属として選択した場合、フォルステライト粉末及びコーディエライト粉末に含まれるMgとは別個に添加するものである。
【0037】
なお、MgO、Al2O3、SiO2およびこれらの複合酸化物でフォルステライト及びコーディエライトを析出するような組成になるように、フォルステライト粉末及びコーディエライト粉末の少なくとも一部を置換しても良い。また、上記酸化物の添加に当たっては、酸化物粉末以外に、焼成によって酸化物を形成し得る炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などとして添加しても良い。
【0038】
次に、各々の混合粉末を用いてシート状成形体を作製する。シート状成形体は、周知の成形方法によって作製することができる。例えば、上記の混合粉末に有機バインダーや溶媒を添加してスラリーを調製した後、ドクターブレード法により形成した調合粉末に有機バインダーを加え、プレス成形、圧延成形、押出し成形等により所定の厚みのシート状成形体を作製できる。そしてこのシート状成形体に、マイクロドリル、レーザー等によりビアホール導体用スルーホールを形成しても良い。
【0039】
このようにして作製したシート状成形体に対して、固形成分に対して、有機樹脂や溶剤を添加混合してメタライズペーストを調整し、このペーストを各シート状成形体にスクリーン印刷、グラビア印刷等の手法によって印刷塗布する。
【0040】
さらに、平均粒径が0.5〜5.0μmのタングステン及び/又はモリブデンに、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50.0体積%、好適には5.0〜40体積%、さらには10.0〜30.0体積%の割合で含有する固形成分に対して、有機樹脂や溶剤を添加混合してメタライズペーストを調整し、このペーストをシート状成形体の所定箇所にスクリーン印刷、グラビア印刷等の手法によって印刷塗布する。
【0041】
このタングステン及び/又はモリブデンは、平均粒径が0.5〜5.0μmであることが重要である。0.5μmに満たないと粉体の凝集等により均質なメタライズペーストが安定して得られない傾向があり、また、5.0μmを超えると焼結が不十分になる傾向があるためである。このタングステン及び/又はモリブデンは、特に0.5〜3.0μm、さらには0.5〜2.0μmの粒径であることが好ましい。
【0042】
また、メタライズペーストの副成分である、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50.0体積%であることが重要である。0.5体積%に満たないと焼結性の向上や接合強度への添加効果が十分得られない場合があり、また、50.0体積%を超えるとめっきが安定してかからず、気密封止が安定して出来ない傾向があるためである。この副成分の含有量の下限値は、特に10体積%、更に20体積%が、上限値は特に45体積%、更には40体積%が好ましい。
【0043】
そして、少なくとも一部のシート状成形体に対して、マイクロドリル、レーザー等により直径が50〜250μmのビアホールを形成してホール内に上記メタライズペーストを充填することが内部配線を容易に形成できる点で好ましい。なお、導体層を形成する際は、上記メタライズペーストを、スクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により印刷塗布する。
【0044】
また、焼成後に表面に位置し、セラミックス及び/又は金属との接合に関与するシート状成形体には、上記メタライズペーストを、スクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により印刷塗布することが好ましい。このようなメタライズペーストの塗布により、同時焼成によって接合用メタライズ及び配線用メタライズの両方を具備する絶縁基板を容易に得ることができる。
【0045】
次いで、メタライズペーストを表面及び/又はヴィアに有するシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層体を焼成温度が1200〜1450℃の温度となる条件で焼成することが重要であり、特に、1225〜1425℃、更には1250〜1400℃で焼成することが好ましい。
【0046】
この焼成温度が1200℃より低いと、緻密化が十分に進まず、十分な磁器強度が得られない為、メタライズの接合強度が得られず気密封止が出来ないという傾向がある。一方、焼成温度が1450℃よりも高いと、コーディエライトが融解し、磁器の形状を保持するのが困難となる傾向がある。
【0047】
また、この焼成の雰囲気は、低抵抗金属の種類に応じて、窒素、あるいは窒素と水素との混合雰囲気であることが望ましいが、所望により、アルゴンガス等の不活性ガスを混入してもよい。
【0048】
以上のような方法によって、フォルステライト及びコーディエライトを主結晶相とする焼結体からなる絶縁基板に対して、該絶縁基板の表面及び/又は内部にタングステン及び/又はモリブデンを含有し、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種の酸化物を含有してなるメタライズ層を同時焼成することにより、セラミックスと高い接合強度を有し、かつ気密性の高い接合メタライズを有する高周波用配線基板を低コストで実現できる。
【0049】
【実施例】
まず、純度99.0%以上、平均粒子径3.1μmのフォルステライト粉末、純度99.0%以上、平均粒子径2.3μmのコージェライト粉末を原料として準備し、さらに副成分として、純度99.0%以上、平均粒子径1.8μmのAl2O3粉末、平均粒子径1.0μmのSiO2粉末、アルカリ土類金属酸化物として平均粒子径1.0μmのCaO粉末、MgO粉末、SrO及びBaO粉末を準備した。
【0050】
上記の原料粉末を、表1のような組成に調合し、成形用バインダーとしてアクリル系樹脂、溶媒としてトルエンを混合してスラリーを調製した。これらのスラリーをドクターブレード法にて厚さ250μmのシート状に成形した。そして、所定箇所にホール径120μmのビアホールを形成した。
【0051】
メタライズとして、平均粒径が3μmのタングステン(W)粉末あるいはモリブデン(Mo)粉末とAl、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種の酸化物を表1に示す比率(固形成分全量中の比率)で混合し、これにアクリル系バインダーとアセトンを溶媒として混合し、メタライズペーストを作製した。
【0052】
そして、シート状成形体の所定箇所に前記メタライズペーストを印刷塗布した。上記のようにして作製した各シート状成形体を位置合わせして積層圧着して成形体積層体を作製した。
【0053】
その後、この成形体積層体を実質的に水分を含まない酸素含有雰囲気中で脱脂を行った後、表1に示す焼成温度にて焼成して、絶縁基板、メタライズ層を同時焼成して形成した。
【0054】
メタライズ層と絶縁基板との接着強度は、図1に示すL字型リードを用いて測定した。L字型リードは、縦20mm、幅2mm、厚み0.25mmの底板1に高さ5mm、幅2mm、厚み0.25mmのリード部2が一体的に設けられ、L字型形状を有している。そして、基板3の表面に設けられた縦20mm、幅2mmの接合用メタライズ層に対して2μmのニッケル、1μmの金のメッキ層を施した後、上記のL字型リードをAgロウ付けによってロウ付けした後、このリード部2を矢印の方向に垂直に引っ張り、底部1が基板3から分離する際の最大応力を測定し、強度として表現した。
【0055】
気密封止の評価は、図2に示すような、外径が縦16mm、横16mm、高さ1mmのパッケージ11で、その表面には、縦12、横12、深さ0.35mmの窪みからなるキャビティー12があり、キャビティー12の周囲にメタライズ層3が形成された試料に、厚み約0.2mmのCu−W合金、Cu−Mo合金、Fe−Ni−Co合金、アルミナによるキャップを用いてAgロウ付けして内部の空間にHeを封止した後、真空雰囲気に配線基板を置き、HeディテクターによりHeリークの有無を確認した。結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
本発明の試料No.5〜9、12〜14及び16〜43は、接合強度が50N以上で、気密封止部のリーク量が少なく封止状態も良好であった。
【0058】
一方、W又はMoの含有量が50体積%に満たない本発明の試料No.1〜4及び11は、酸化物の添加量が多かったため、Niめっきに不良が発生し、気密封止部のリーク量が大きく、実質的に気密封止が出来なかった。
【0059】
また、W又はMoの含有量が99.5体積%を越える試料No.10及び15は、メタライズに酸化物が添加されなかったため、磁器との接合強度が20N以下と非常に低かった。
【0060】
【発明の効果】
フォルステライト及びコーディエライトを主結晶相とする絶縁体に対し、タングステン及び/又はモリブデンと、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種の酸化物とを含有させたメタライズ層を同時焼成により形成することにより、高周波特性に優れる高周波用配線基板に対して、セラミックスと高い接合強度を有し、かつ気密性の高いメタライズ層を容易にしかも低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用配線基板の評価に用いた試料の斜視図である。
【図2】本発明の高周波用配線基板の評価に用いた他の試料の斜視図である。
【符号の説明】
1・・・底部
2・・・リード部
3・・・基板
11・・・パッケージ
12・・・キャビティ
13・・・メタライズ層
Claims (6)
- フォルステライト及びコーディエライトを主結晶相とする絶縁体に対し、前記絶縁体の表面及び/又は内部に、タングステン及び/又はモリブデンを50〜99.5体積%含有すると共に、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50体積%の割合で含有してなるメタライズ層を具備することを特徴とする高周波用配線基板。
- 前記メタライズ層に、アルミナを含有することを特徴とする請求項1記載の高周波用配線基板。
- 前記メタライズ層に、セラミックス及び/又は金属が接合されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の高周波用配線基板。
- フォルステライト粉末とコーディエライト粉末及び粉体全量中0.1〜10質量%の焼結助剤の混合粉末からなるグリーンシートの表面及び/又は内部に、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末を50〜99.5体積%含有すると共に、Al、Si、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.5〜50体積%の割合で含有してなるメタライズペーストを塗布した後、該グリーンシートを積層し、1200〜1450℃の温度で焼成することを特徴とする高周波用配線基板の製造方法。
- 前記メタライズペーストをセラミックス及び/または金属を接合する箇所に印刷塗布することを特徴とする請求項4に記載の高周波用配線基板の製造方法。
- 前記グリーンシートを積層する前にビアホールを形成し、このビアホールに前記メタライズペーストを埋め込み積層することを特徴とする請求項4乃至5のいずれかに記載の高周波用配線基板の製造方法。
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