JP3878248B2 - フロ―ト式スチ―ムトラップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気使用装置や蒸気輸送管に発生する復水を自動的に排出するフロ―ト式スチ―ムトラップに関し、特にトラップ内の圧力が所定圧力よりも高くなった場合及びトラップ内にエア―が流入してきた場合に、トラップ内の圧力及びエア―を自動的にブロ―できる機構を備えたものに関する。
【0002】
フロ―ト式スチ―ムトラップの開弁は、排水弁口の面積と、この弁口面積に作用する流体圧力との積以上の開弁力がフロ―トに作用することにより行なわれる。すなわち、弁口面積が一定であっても流体圧力が高くなるとそれだけ大きな開弁力が必要となる。したがって、流体圧力が使用最高圧力よりも高くなると、開弁力が不足して開弁できない状態となってしまう。またフロ―ト式スチ―ムトラップ内にエア―が流入すると、エア―は蒸気と同様にガス体であり、蒸気のように冷却されて復水化することはないので、開弁できない状態となってしまう。閉弁が維持された状態が続くと、蒸気配管系から復水を排出することができなくなり、機器の損傷や生産性の低下をきたす。
【0003】
【従来の技術】
そこで、従来は、フロ―トで開閉する排水弁口とは別に排気弁口を設け、排気弁口の出口側に弾性部材で閉弁方向に付勢した排気弁体を配置することにより、トラップ内の圧力が所定圧力よりも高くなった場合に、排気弁体が排気弁口を開口してトラップ内の圧力を自動的にブロ―できるようにしていた。この一例が特公平7−43077号公報に示されている。またフロ―トで開閉する排水弁口とは別に排気弁口を設け、排気弁口の弁室側に温度応動部材としてのバイメタルを配置することにより、トラップ内にエア―が流入してトラップ内の温度が低下した場合に、バイメタルの変形作用で排気弁口を開口してトラップ内のエア―を自動的にブロ―できるようにしていた。この一例が実公平3−25518号公報に示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、トラップ内圧力の自動ブロ―機構を備えたトラップと、トラップ内エア―の自動ブロ―機構を備えたトラップは夫々有るが、両機構を兼ね備えたものはなかった。
【0005】
従って、本発明の技術的課題は、トラップ内圧力及びトラップ内エア―の自動ブロ―機構を備えたフロ―ト式スチ―ムトラップを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する排水弁口を弁室下部に設け、排水弁口を開閉するフロ―トを弁室内に収容し、弁室と出口を連通する排気弁口を弁室上部に設けたものにおいて、弁室と出口側を仕切る円板状の温度応動部材を弁室上部に取り付けて、該温度応動部材に上記排気弁口を形成すると共に、排気弁口の弁室側に排気弁口を開閉する排気弁体を配置し、弁室内圧力が使用最高圧力に達するまでは温度応動部材が弁室内温度に応答して低温時に排気弁口を排気弁体から離して排気弁口を開口する第1状態と高温時に排気弁口を排気弁体に接触させて排気弁口を閉口する第2状態に変形し、弁室内圧力が使用最高圧力以上になると温度応動部材が流体圧力の作用によって強制的に上記第1状態に変形されるフロ―ト式スチ―ムトラップにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のフロ―ト式スチ―ムトラップは、弁室と出口側を仕切る円板状の温度応動部材を弁室上部に取り付け、温度応動部材に排気弁口を形成し、排気弁口の弁室側に排気弁口を開閉する排気弁体を配置している。そして、弁室内の圧力が使用最高圧力に達するまでは温度応動部材が弁室内温度に応答して変形し、低温時に排気弁口を排気弁体から離して排気弁口を開口する。これにより、エア―の流入によって弁室内の温度が低下すると排気弁口を自動的に開口してエア―をブロ―する。また弁室内の圧力が使用最高圧力に達するまでは温度応動部材が弁室内温度に応答して変形し、高温時に排気弁口を排気弁体に接触させて排気弁口を閉口する。この状態において、フロ―トは弁室内の液面と共に浮上降下して排水弁口を開閉する。弁室内圧力が使用最高圧力以上になると温度応動部材が流体圧力の作用によって強制的に上記第1状態に変形され、排気弁口を排気弁体から離して排気弁口を開口する。これにより、トラップ内の圧力が所定圧力よりも高くなった場合に排気弁口を自動的に開口してトラップ内圧力をブロ―する。
【0008】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。本実施例はフリ―フロ―ト式スチ―ムトラップに適用したものである。
本体1に蓋2をボルト(図示せず)で締結して内部に弁室3を有するケ―シングを形成する。本体1に入口4と出口通路5と出口6を形成する。入口4と出口6は本体1の上部に同軸上に形成している。蓋2に出口通路5に連通するブロ―通路7を形成する。
【0009】
弁室3の下部側壁に排水弁座8を取り付け、排水弁座8に開けた排水弁口9によって弁室3を出口通路5を介して出口6に連通する。弁室3内に排水弁口9を開閉する中空球形のフロ―ト10を自由状態で収容する。
【0010】
蓋2に温度応動部材としての円板状の反転バイメタル12を取付環11介してボルト13で取り付ける。蓋2とバイメタル12の間にはガスケット14を介在させて両者の間の気密を保つ。バイメタル12の中心に排気弁座15を取り付け、排気弁座15に開けた排気弁口16によって弁室3をブロ―通路7を介して出口6に連通する。バイメタル12の弁室3側に仕切板17をスナップリング18で保持して取り付ける。仕切板17には中心に上方に突出した排気弁体19を一体に形成し、その周囲に複数個の通孔20形成する。バイメタル12は弁室3内の温度に応答して反転変形するもので、高温時には図示のように下に凸状に変形して、排気弁座15が排気弁体19に接触して排気弁口16を閉口し、低温時に上に凸に反転変形して、排気弁座15が排気弁体19から離れて排気弁口16を開口するものである。
【0011】
弁室3内の圧力が使用最高圧力に達するまでは温度変化に応答するバイメタル12の変形作用によって、低温時にバイメタル12が上に凸状に反転変形して、排気弁座15を排気弁体19から離して排気弁口16を開口する。これにより、エア―の流入によって弁室3内の温度が低下すると排気弁口16を自動的に開口してエア―をブロ―する。また弁室3内の圧力が使用最高圧力に達するまでは温度変化に応答するバイメタル12の変形作用によって、高温時にバイメタル12が図示のように下に凸状に反転変形して、排気弁座15を排気弁体19に接触させて排気弁口16を閉口する。この状態において、フロ―ト10が弁室3内の液面と共に浮上降下して排水弁口9を開閉する。弁室3内の圧力が使用最高圧力以上になると流体圧力の作用によってバイメタル12が強制的に上に凸状に反転変形せしめられ、排気弁座15が排気弁体19から離れて排気弁口16が開口される。これにより、弁室3内の圧力が所定圧力よりも高くなった場合に排気弁口16を自動的に開口して圧力をブロ―する。
【0012】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明によれば、簡単な構造でトラップ内圧力及びトラップ内エア―を自動的にブロ―でき、機器の損傷や生産性の低下を防止できるフロ―ト式チ―ムトラップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のフリ―フロ―ト式スチ―ムトラップの断面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 蓋
3 弁室
4 入口
6 出口
8 排水弁座
9 排水弁口
10 フロ―ト
12 バイメタル
15 排気弁座
16 排気弁口
19 排気弁体
Claims (1)
- ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する排水弁口を弁室下部に設け、排水弁口を開閉するフロ―トを弁室内に収容し、弁室と出口を連通する排気弁口を弁室上部に設けたものにおいて、弁室と出口側を仕切る円板状の温度応動部材を弁室上部に取り付けて、該温度応動部材に上記排気弁口を形成すると共に、排気弁口の弁室側に排気弁口を開閉する排気弁体を配置し、弁室内圧力が使用最高圧力に達するまでは温度応動部材が弁室内温度に応答して低温時に排気弁口を排気弁体から離して排気弁口を開口する第1状態と高温時に排気弁口を排気弁体に接触させて排気弁口を閉口する第2状態に変形し、弁室内圧力が使用最高圧力以上になると温度応動部材が流体圧力の作用によって強制的に上記第1状態に変形されることを特徴とするフロ―ト式スチ―ムトラップ。
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JP17588396A JP3878248B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | フロ―ト式スチ―ムトラップ |
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