JP3878146B2 - コンクリート型枠の施工構造及びセパレータコーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリートにより建築用又は土木用の壁、柱、土台などを形成する場合にセパレータによって所定の間隔に対峙させる一対のコンクリート型枠の施工構造及びこれに用いるセパレータコーンに関するものである。
従来、コンクリート型枠を対峙させて立設固定するには、大型の型枠であるとコンクリート型枠同士を繋ぐ金具、コンクリート型枠の外側に配する横バタ材、縦バタ材、コンクリート型枠を垂直に支えるための支柱、筋交い、これらを繋ぐ金具などというように極めて多くの構成部品を使用する必要があった。
しかし、本発明は、堰板を複数縦横に並べて、一対のコンクリート型枠を構成し、これらを一定の間隔に保つために、型枠の内側(コンクリート打設空間側)に配置するセパレータの施工構造及びこれに用いるセパレータコーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来複数の合板製の堰板を繋げて得る大型のコンクリート型枠1、1を所定の間隔、すなわちコンクリート構造物の壁厚に合致させるようにセパレータ2を介して対峙するように建て込んでいる(特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1に開示されているコンクリート型枠1、1の内部に配置されるセパレータ2は、図6〜図7に示すように、両端部におねじ31を形成したロッド状のセパレータ本体3と、コンクリート硬化後に打設コンクリート面から取り外すセパレータコーン4よりなるものである。このセパレータコーン4は、裁頭円錐形をなすプラスチック成形品、或いは木製品からなり、軸心にはセパレータ本体3のおねじ31に螺着するめねじ41とコンクリート型枠1に穿ったセパ穴11より外側に突出するおねじ(軸足セパとも言う)42を設けてなるものである。
このセパレータ2をコンクリート型枠1に取り付けるには、該コンクリート型枠1の表面から外側に突出しているセパレータ本体3のおねじ(軸足セパ)31を締付具(「フォームタイ(登録商標)」)5で固定することが必要になる。
【0004】
前記締付具5は、先端部にセパレータコーン4のおねじ42にねじ込むためのねじ穴51の穴が形成してあり、後端部側にはおねじ52を設けたタイロッド53と、おねじ52にねじ込むナット54及び、コンクリート型枠1背面の縦桟6及び丸パイプからなる横バタ材7、7を掴持する座金55を、タイロッド53に遊嵌させてなるものである。
この締付具5のタイロッド53のねじ穴51内には、コンクリート型枠1を挟んで前記セパレータコーン4のおねじ42が螺合され、このことによってセパレータ2との連結が行われると共に、座金55にて横バタ材7、7としての二つのパイプにつかむようにしてからナット54を締め付けることで、コンクリート型枠の施工が行われる。
【0005】
コンクリート型枠の施工に当たっては、例えば先組する一方のコンクリート型枠1のセパ穴11には、セパレータ2のセパレータコーン4のおねじ42を通して、締付具5のねじ穴51をセパレータコーン4のおねじ42にねじこみ、横バタ材7、7を介し座金55をあてがい、次いでナット54をねじ込むことで一体として基盤上に建て込むことができる。このときセパレータ2は片持ち状態となる(図6)。
【0006】
その後、他方のコンクリート型枠1’を、前記コンクリート型枠1とコンクリート打設空間を挟んで対峙するようにレッカーなどで基盤上に建て込み、セパレータコーン4の突出するおねじ42を、このコンクリート型枠1’のセパ穴11に合わせて挿入し、このおねじ42に締付具5のタイロッド体53のねじ穴51をねじ込み、その後、横バタ材7、7を掴持する座金55をタイロッド53に通し、ナット54を締め付けることでセパレータ2を固定していた(図7)。
【0007】
【特許文献1】
実公昭59−29076号公報(第2図、第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、コンクリート型枠1、1’の間(コンクリート打設空間)には、図示しないが鉄骨や鉄筋が配設され、かつ。コンクリート中に埋没する多数のセパレータ2が取り付けられている。このようにコンクリート施工環境では、先組のセパレータ2を取り付けたコンクリート型枠1に対峙するように、他方のコンクリート型枠1’を建て込むには、視認できないセパレータコーン4のおねじ42が、コンクリート型枠1のセパ穴11に合致するようにしなければならない。
しかも、実際には大型のコンクリート型枠1、1’であると多数のセパレータ2を配置することになり、しかも、このセパレータは一時的に片持ち状態となるので開放端が下降しがちとなって位置づれを起す。そのため、全てのセパレータコーン4の突出するおねじ42とコンクリート型枠1のセパ穴11との位置合わせをするのに手間の掛かることが多かった。
このように、従来のコンクリート型枠の施工構造については、セパレータ2及び締付具5を用いてコンクリート型枠1、1’を対峙するように施工する場合、作業性が悪いという問題があった。
【0009】
そこで、出願人は、かって特願2002−184314号として、セパレータ2の一方のセパレータコーン411を、コンクリート型枠1に内接するのみとし、加えて、セパレータコーン411の軸心の貫通穴には、コンクリート型枠1’側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412と逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414を形成するようにし、そして、他方の締付具5には、コンクリート型枠1に内接するのみのセパレータコーン411のねじ穴413にねじ込むおねじ56a(軸足56)を設けるようにしたセパレータコーンを提案した(図8)。
【0010】
このような構成を採用したことにより、コンクリート型枠の施工に際して、先組の型枠1にセパレータ2を予め取り付け、他方のコンクリート型枠1’の外側から締付具5のおねじ56aを使ってセパレータコーン411のねじ穴415に締め付ける際に、セパレータコーン411に擂鉢状の拡開させたセンタリング用凹部412があるので、若干の位置ずれがあっても、しかもコンクリート型枠1’の外側からそのセパレータコーン411のねじ穴413が視認できなくても、容易かつ確実に両者の螺合連結を果たすことができ、セパレータコーン411と軸足56との円滑な組み付けが支障を生じることなく迅速にできるのである。
【0011】
しかし、発明者の経験によると、上述のセパレータコーン411については、時として打設コンクリートから外れなくなることがあった。
そこで、この発明の目的は、養生硬化後のコンクリートからセパレータコーンを確実に外すことができると共に、施工時にセパレータコーンと締付具のセンタリングを容易にするためのセパレータコーンを開発すること、およびこのようなセパレータコーンを用いたコンクリート型枠の施工構造とを提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的の実現に向けた研究の中で発明者は、上述したように、先に、特願2002−184314号として新規なセパレータコーンを提案した。そこで、本発明では、前記先行提案したセパレータコーンを前提としてさらに改良してなる、次のような要素構成からなるセパレータコーンを提案する。
すなわち、本発明は、一対のコンクリート型枠を、セパレータ本体及びこのセパレータ本体の両端部に螺着して用いるものであって前記コンクリート型枠のコンクリート打設側内面に当接させると共に、軸足セパをコンクリート型枠に設けたセパ穴を介して外面に突出させるセパレータコーンとによって所定の間隔に対峙させ、コンクリート型枠外面に突出する前記軸足セパに締付具のタイロッドを締結してコンクリート打設空間を形造る施工構造であって、少なくても一方の前記セパレータコーンを、外形形状を裁頭円錐形とし、かつコンクリート型枠側に、肉薄の筒状部とすると共に漏斗状キャップを別途嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を形成し、そして軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられたコーン本体と、一端がこのコーン本体内の前記ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端はコンクリート型枠外面に突出させるようにしてなる軸足セパとで構成される分解・組立て型の構造としたことを特徴とするコンクリート型枠の施工構造である。
【0013】
なお、本発明において、前記締付具は、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、この締付具のタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパを螺着するようにしたものであることが好ましく、そして、この締付具のタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着して固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにすることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、セパレータコーンを、外形形状を裁頭円錐形とし、かつコンクリート型枠側に、肉薄の筒状部とすると共に漏斗状キャップを別途嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を形成し、そして軸中心には両端から逆向きに螺設され一対のねじ穴が連続して設けられたコーン本体と、一端がこのコーン本体内前記ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端はコンクリート型枠外面に突出させるようにしてなる軸足セパとで構成される分解・組立て型の構造としたことを特徴とするセパレータコーンを提案する。
【0015】
本発明において、上記コーン本体を、センタリング用凹部を構成するための金属製の漏斗状キャップ、逆向きに螺設されたねじ穴を構成するための鍔付の金属製パイプ及びコーン本体の外形を形造るプラスチック製コーンにて構成すると共に、これらを分解・組立て可能に嵌め合わせるものにて構成するものであることが好ましい。また、上記締付具は、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方の締付具のタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたこと、及びタイロッドの先端部に、軸足セパの一端を予め螺着して固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにしたものであることが好ましい。
【0016】
また、本発明において、上記セパレータコーンは、コーン本体の前記凹部の穴底に取り外し用の欠込み溝を有することが好ましく、前記軸足セパは、締付具側の端部にスパナー掛け用のネック部を有することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態に即して説明する。
本発明に係るコンクリート型枠の施工構造では、図1、図2に示す通り、セパレータ2、締付具5を用いて一対のコンクリート型枠1、1’を対峙させて、コンクリートを打設する空間を形成するように組み立てる。
この場合、前記セパレータ2は、両端部におねじ31を形成したロッド状のセパレータ本体3と、このセパレータ本体3の両端部に螺着してコンクリート内面に接触させると共に、コンクリート硬化後には取り外すセパレータコーン4、Cよりなるものが用いられる。
かかるセパレータコーン4は、外形形状が裁頭円錐形をなすプラスチック成形品、或いは木製品からなり、軸心にはセパレータ本体3のおねじ31を螺着するめねじ41と、そしてコンクリート型枠1に穿ったセパ穴11より外側に突出させるおねじ42が設けてある。
【0018】
前記セパレータ2をコンクリート型枠1、1’どうしを一定の間隔を介在させて固定するには、該コンクリート型枠1の外側からセパレータ本体3のおねじ31部に締付具5を締め付けることが必要である。すなわち、先組する一方のコンクリート型枠1のセパ穴11には、セパレータ2のセパレータコーン4のおねじ42を通して、締付具5のねじ穴51をセパレータコーン4のおねじ42にねじこみ、横バタ材7、7を介し座金55をあてがい、次いでナット54をねじ込むことで一体として基盤上に建て込むことになる。このときセパレータ2は片持ち状態となる(図6)。
【0019】
本発明において、施工能率を上げるためにとくに採用したセパレータ2のセパレータコーンCは、コーン本体411と、この本体411に対して着脱可能に螺着する別体の軸足セパ56とからなるものである(図2)。このセパレータコーンCのコーン本体411は、外形は裁頭円錐形をなし、コンクリート型枠1’側を肉薄に形成して筒状部412とすると共に、金属製の漏斗状等キャップ413を着脱可能に嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部414を形成し、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴415、416が設けられ、このねじ穴415(締付具5側)には、軸足セパ56が着脱可能に取り付けられている。なお、このねじ穴415、416はコーン本体411に対して着脱可能に嵌め込まれる鍔付の金属製パイプ418によって形成される。
【0020】
上記センタリング用凹部414の存在が、本発明に係るセパレータコーンCの最も特徴的な構成であり、コンクリート型枠の施工時に、この凹部414にコンクリート型枠1’の外側から、セパ穴11を介して軸足セパ56を挿入して前記ねじ穴415に螺合させ、該セパレータコーンCと軸足セパ56とを連結するときに、該凹部414が見えない状態でも自動的にセンタリングできることから確実に連結することができる。
【0021】
図示した符号417は、コーン本体411の凹部414の穴底に形成した取り外し用の欠込み溝で、コンクリート硬化後にコンクリート型枠1’を外したとき、コンクリート内に埋設状態で残るコーン本体411を電動ドライバーや専用治具等を差し込んで回し、コーン本体411より外して再利用に供するために設けてある(図4)。
【0022】
一方、本発明に係る上記セパレータコーンCは、上記の構成に加えて、コンクリート型枠1’側を肉薄の筒状部412としたので、型枠1、1’の解体に当たり、コンクリート面からこのセパレータコーンCを抜き取るとき、該筒状部412の肉薄周壁部分が内向きに倒れ易くなり、取り外しが容易になるという効果がある。
【0023】
前記コーン本体411は、上述したねじ穴415、416を形造るために、内周面にめねじを刻設した鍔付の金属製パイプ418が着脱可能に嵌め合わせてあり、この金属製パイプ418のコンクリート型枠1’側にはプラスチック製筒状部412内に納まるように、センタリング用凹部414を形成するための金属製の漏斗状キャップ413が着脱可能に嵌め込まれている。
【0024】
また、本発明に係るセパレータコーンCでは、図3に示すように、コーン本体411が、金属製の漏斗状キャップ413、鍔付の金属製パイプ418及び筒上部412を有するプラスチック製コーン419を別途製作して、分解組立て可能に嵌め合わせてなる分解・組立て型コーンとして構成されている。
【0025】
なお、前記金属製パイプ418は、その外周が多角形状としてあって, 前記プラスチック製コーン419内に嵌め合わせたときに回転しないように工夫されている。また、このプラスチック製コーン419の前記コンクリート型枠1’に対面する側の端部には、前記漏斗状キャップ413が前記金属製パイプ418の一端部に着脱可能に嵌着されていると共に, 金属製パイプ18には取り外し用の欠込み溝417が形成してある。
このような構成とすることで、プラスチック製コーン419が変形しても、そのコーンのみを取り替えることで、傷みの少ない金属製パイプ418や漏斗状キャップ413は多数回の使用にも耐えることができる。
【0026】
本発明に係るセパレータコーンCは、コーン本体411に対しコンクリート型枠1’を貫通させるおねじを固定せず、前記金属パイプ418に螺着させる着脱可能な軸足セパ56(図3)を別途設けることとし、この軸足セパ56をコーン本体411およびタイロッド53の双方に螺合させるようになっている。
即ち、この軸足セパ56は、両端部におねじ56a、56bを形成した両ねじボルトであり、一端をコーン本体411内のねじ穴413に着脱可能に螺着し、他端はコンクリート型枠1のセパ穴11からコンクリート型枠1’外に突出させるようにする。そして、この軸足セパ56の軸方向の中央部には平坦面56b、56bが形成してあり、この位置にレンチなどを使って締付具5のタイロッド53のねじ穴51にねじ込めるようにしてある。なお、この軸足セパ56には、締付具5側のおねじ56a先端を、同様に削って形成したスパナ掛け用のネック部56cが設けてある。
【0027】
締付用締付具5は、従来品と同様の構成、すなわち、先端部にセパレータコーン4のおねじ42や軸足セパ56にねじ込むために螺設したねじ穴51が形成してあり、後端部側にはおねじ52を設けたタイロッド53と、おねじ52にねじ込むナット54及び、コンクリート型枠1、1’背面の縦桟6及び丸パイプからなる横バタ材7、7を掴持する座金55を、タイロッド53に遊嵌させてなるものである。
【0028】
次に、本発明に係るコンクリート型枠施工方法の一例について述べる。
複数の合板製の堰板を左右方向に並列させ、縦桟6に打ちつけることにより一枚の外壁側のコンクリート型枠1とし、外側には横バタ材7、7を添わせ、必要に応じて別途、縦バタ材で補強する。
一方、セパレータ本体3のおねじ31の一方に、めねじ41を設けると共に突出するおねじ42を備えた従来型のセパレータコーン4をねじ込み、このセパレータ本体3の他方のおねじ31には、コンクリート型枠1’側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部414を有する本発明に係るセパレータコーンCのコーン本体411をねじ穴416にてねじ込む。
そして、前記セパレータ2のセパレータコーン4を外壁側のコンクリート型枠1のセパ穴11よりおねじ42を突出させ、このおねじ42に締付具5のねじ穴51をねじ込み、締付具5の座金55及びナット54で横バタ材7、7を止めてコンクリート型枠1を形成し、レッカー作業にて予め地面に設けた図示しない支柱、筋交いなどのサポート金具で基盤に建て込み、まず先組のコンクリート型枠1を構築する。
【0029】
次に、複数の合板製の堰板を左右方向に並列させ、縦桟6に打ちつけることで内壁側のコンクリート型枠1’とし、外側には横バタ材7、7を添わせ、必要に応じて別途縦バタ材で補強する。このコンクリート型枠1’を、レッカーで吊り上げて、先組のセパレータ2を取り付けたコンクリート型枠1と対峙するようにを配置して後組のコンクリート型枠1’とする。このときにコンクリート型枠1、1’の対応するセパ穴11は平行位置となるようにする。
【0030】
締付具5先端のねじ穴51に、両端側におねじ56a、56aを設けた軸足セパ56のネック部56c側を、平坦面56b、56bをレンチにて挟んでねじ込み、締付具5の先端におねじ56aが突出するようにしておく。
そして、締付具5の軸足セパ56の他端のおねじ56aを、コンクリート型枠1’のセパ穴11を通してコーン本体411にねじ込み、締付具5のナット54及び座金55で横バタ材7、7を止め、支柱、筋交いなどのサポート金具で基盤に垂直に建て込むのである。
【0031】
その後、対峙させたコンクリート型枠1、1’相互間の空間内にコンクリートを打設し、養生硬化後にコンクリート型枠1、1’を脱型解体する。このとき、まずセパレータコーンC側から外すようにする。すなわち、コンクリート型枠1’側の締付具5のナット54を緩めつつ、横バタ材7、7を外し、座金55を取り外す。次いで、締付具5のタイロッド53を緩めるように回転させると、軸足セパ56が一体に外れることになる。軸足セパ56がコンクリート型枠1’の外側に突出したままで締付具5が外れた場合は、軸足セパ56のネック部56cをレンチなどで回転させることで軸足セパ56を取り外すことになる。
【0032】
すると、このコンクリート型枠1’の外側には支えるものが全くなくなるので、コンクリート型枠1’はフリーとなり、クレーンで簡単に吊りあげることができる。この点、従来のコンクリート型枠の施工工事では、締付具5をゆるめた外した時点ではまだ、従来型セパレータコーン4のおねじ42がコンクリート型枠1’のセパ穴11中を貫通したままの状態になっているので、コンクリート型枠1を立てたまま平行移動させなければ解体ができず面倒な手間が必要であったが、本発明では、この作業が不要となる。
【0033】
次に、セパレータコーン4、コーン本体411を外して、それによって生じた窪みにモルタルを充填して表面を平滑にする。このとき、コーン本体411には欠込み溝415があるので、この溝415に電動ドライバーを差し込み回転させることでコーン本体411を簡単に取り外すことができる。
【0034】
なお、軸足セパ56をコンクリート型枠1のセパ穴11を通してコーン本体411にねじ込み取り付けてから、締付具5のねじ穴51に軸足セパ56のおねじ56aにねじ込むようにすることもできる。
【0035】
これまでの説明では、締付具5を同一の構造のものを採用したものとした。そこで、一方のコーン本体411がコンクリート型枠1のセパ穴11から外におねじ42が突き出ることがなく、ねじ穴413を備えたものであるので、締結のために軸足セパ56で補うようにした。
しかし、締付具5の一方を、先端にコーン本体411のねじ穴413にねじ込むことができるねじ棒を一体に備える構成とすれば軸足セパ56は不要となる。
また、実施の形態では一方側のセパレータコーンCをコーン本体411と軸足セパ56とより構成したものとしたが、双方に軸足セパ56を別途設けるようにしたものとしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成からなるもので、コンクリート型枠の施工構造としては、少なくても一方のセパレータコーンを、外形形状を裁頭円錐形となし、コンクリート型枠側を肉薄の筒状部とすると共に、漏斗状キャップを別途嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、そして軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられたコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出する軸足セパとから構成される分解・組立て型の構造としたので、一方の外枠にセパレータを取り付けて建て込み、他方の外枠を対峙させて建て込むときに、コンクリート型枠のセパ穴にセパレータのセパレータコーンのおねじを厳密に合致させる必要も手間もなくなるという効果がある。
【0037】
そして、前記セパレータコーンは、コンクリート型枠の軸方向で端側を肉薄にして筒状部に形成したので、セパレータコーンが固化したコンクリート層内に閉じ込められて外れないという障害がなくなる。
【0038】
また、本発明に係る型枠施工構造では、締付具は、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方の締付具のタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたので、締付具を従来と同様な構造のものを採用したので、この施工構造を採用する
場合の初期費用を抑えることができる。
【0039】
また、本発明に係る施工構造では、締付具のタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにしたので、作業手順が良好で組み立てがすみやかになる。
【0040】
また、本発明に係るセパレータコーンは、外形形状を裁頭円錐形とし、コンリート型枠側を肉薄に形成して筒状部とすると共に漏斗状キャップを別途嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を形成し、そして軸中心には両端から逆向きに螺設され一対のねじ穴が連続して設けられたコーン本体を採用したので、特に、コンクリート型枠側を肉薄にして筒状部としたので、コーン本体が硬化したコンクリート内に閉じ込められ外れないということがなく、繰り返し使用することができ総合的には経済的になる。
【0041】
また、コーン本体を、金属製の漏斗状キャップ、鍔付の金属製パイプ及びプラスチック製コーンのそれぞれを別途製作し、分解・組立て型のコーンとして構成すれば、たとえ、プラスチック製コーンが損傷しても、その損傷したコーンのみを取り替えることで、キャップや金属製パイプについては多数回の使用に耐えることができるようになり、コスト的に有利である。
【0042】
また、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出する軸足セパを採用したので、先組のコンクリート型枠にセパレータを取り付け建て込んだ後、微細な傾きやセパレータの自重による開放端のささいな下降があっても、先組のコンクリート型枠と対峙させるコンクリート型枠を建て込み、軸足セパや予め軸足をねじ込んだ締付具をコンクリート型枠のセパ穴からねじ込むに際して擂鉢状のセンタリング用凹部によって補正され、確実に締め付けることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る締付具とセパレータコーンの取り付け状態の要部断面図である。
【図2】 この発明に係るコンクリート型枠へのセパレータと締付具の組付状態の要部断面図である。
【図3】 締付具に取り付ける軸足セパの正面図である。
【図4】 この発明に係るセパレータコーン本体の斜視図A及び分解斜視図Bである。
【図5】 A、Bはこの発明に係るセパレータコーンの断面図である。
【図6】 従来のコンクリート型枠へのセパレータの施工方法を示す断面図である。
【図7】 従来の外枠へのセパレータ及び締付具の組付状態を示す断面図である。
【図8】 出願人の提案したセパレータコーンの使用状態の断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート型枠
2 セパレータ
3 セパレータ本体
4 セパレータコーン
C セパレータコーン
411 コーン本体
56 軸足セパ
5 締付具
53 タイロッド
54 ナット
55 座金
6 縦桟
7 横バタ材
Claims (8)
- 一対のコンクリート型枠を、セパレータ本体及びこのセパレータ本体の両端部に螺着して用いるものであって前記コンクリート型枠のコンクリート打設側内面に当接させると共に、軸足セパをコンクリート型枠に設けたセパ穴を介して外面に突出させるセパレータコーンとによって所定の間隔に対峙させ、コンクリート型枠外面に突出する前記軸足セパに締付具のタイロッドを締結してコンクリート打設空間を形造る施工構造であって、
少なくても一方の前記セパレータコーンを、外形形状を裁頭円錐形とし、かつコンクリート型枠側に、肉薄の筒状部とすると共に漏斗状キャップを別途嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を形成し、そして軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられたコーン本体と、一端がこのコーン本体内の前記ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端はコンクリート型枠外面に突出させるようにしてなる軸足セパとで構成される分解・組立て型の構造としたことを特徴とするコンクリート型枠の施工構造。 - コーン本体を、センタリング用凹部を構成するための金属製の漏斗状キャップ、逆向きに螺設されたねじ穴を構成するための鍔付の金属製パイプ及びコーン本体の外形を形造るプラスチック製コーンにて構成すると共に、これらを分解・組立て可能に嵌め合わせるものにて構成したことを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠の施工構造。
- 締付具は、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、この締付具のタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパを螺着するようにしたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠の施工構造。
- 前記締付具は、タイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着して固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにしたものとすることを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠の施工構造。
- セパレータコーンを、外形形状を裁頭円錐形とし、かつコンクリート型枠側に、肉薄の筒状部とすると共に漏斗状キャップを別途嵌め込んで擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を形成し、そして軸中心には両端から逆向きに螺設され一対のねじ穴が連続して設けられたコーン本体と、一端がこのコーン本体内前記ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端はコンクリート型枠外面に突出させるよういしてなる軸足セパとで構成される分解・組立て型の構造としたことを特徴とするセパレータコーン。
- コーン本体を、センタリング用凹部を構成するための金属製の漏斗状キャップ、逆向きに螺設されたねじ穴を構成するための鍔付の金属製パイプ及びコーン本体の外形を形造るプラスチック製コーンにて構成すると共に、これらを分解・組立て可能に嵌め合わせるものにて構成したことを特徴とする請求項5記載のセパレータコーン。
- コーン本体の前記凹部の穴底に取り外し用の欠込み溝を有することを特徴とする請求項5記載のセパレータコーン。
- 前記軸足セパは、締付具側の端部にスパナー掛け用のネック部を有することを特徴とする請求項5記載のセパレータコーン。
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