JP2004324275A - コンクリート型枠の施工構造及びセパレータコーン - Google Patents
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Abstract
【課題】先組のコンクリート型枠に、対峙するように他方のコンクリート型枠を建て込むには、視認できないセパレータコーンのおねじが、コンクリート型枠のセパ穴に合致するようにしなければならない。しかも、セパレータは一時的に片持ち状態となるので開放端が下降しがちとなるので手間の掛かることが多かった。
【解決手段】少なくても一方のセパレータコーンCを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部412を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414が連続して設けられ、かつ前記凹部412の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴416を列設してなるコーン本体411と、一端がこのコーン本体411内ねじ穴413に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠1外面に突出させる軸足セパ56で構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】少なくても一方のセパレータコーンCを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部412を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414が連続して設けられ、かつ前記凹部412の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴416を列設してなるコーン本体411と、一端がこのコーン本体411内ねじ穴413に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠1外面に突出させる軸足セパ56で構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリートにより建築用又は土木用の壁、柱、土台などを形成する場合にセパレータによって所定の間隔に対峙させる一対のコンクリート型枠の施工構造及びこれに用いるセパレータコーンに関するものである。
従来、コンクリート型枠を対峙させて立設固定するには、大型の型枠であるとコンクリート型枠同士を繋ぐ金具、コンクリート型枠の外側に配する横バタ材、縦バタ材、コンクリート型枠を垂直に支えるための支柱、筋交い、これらを繋ぐ金具などというように極めて多くの構成部品を使用する必要があった。
しかし、本発明は、コンクリート型枠を複数庫を縦横に並べて、一対の外枠を構成し、これらを一定の間隔に保つために、型枠の内側(コンクリート打設空間側)に配置するセパレータの施工構造及びこれに用いるセパレータコーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来複数の合板製の堰板を繋げて得る大型のコンクリート型枠1、1を所定の間隔、すなわちコンクリート構造物の壁厚に合致させるようにセパレータ2を介して対峙するように建て込んでいる(特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1に開示されているコンクリート型枠1、1の内部に配置されるセパレータ2は、図6乃至図7に示すように、ロッドの両端部におねじ31を形成したセパレータ本体3と、コンクリート硬化後に取り外すセパレータコーン4よりなるものである。セパレータコーン4は、裁頭円錐形をなすプラスチック成形品、或いは木製のものからなり、軸心にはセパレータ本体3のおねじ31に螺着するめねじ41とコンクリート型枠1に穿ったセパ穴11より外側に突出するおねじ42を設けるようにしてある。
このセパレータ2をコンクリート型枠1に取り付けるには、該コンクリート型枠1の外側からフォームタイ5で固定することが必要になる。
【0004】
前記フォームタイ5は、先端部にセパレータコーン4のおねじ42にねじ込むためのねじ穴51の穴が形成してあり、後端部側にはおねじ52を設けたタイロッド53と、おねじ52にねじ込むナット54及び、コンクリート型枠1、1背面の縦桟6及び丸パイプからなる横バタ材7、7を掴持する座金55を、タイロッド53に遊嵌させてなるものである。
このフォームタイ5のタイロッド53のねじ穴51内には、コンクリート型枠1を挟んで前記セパレータコーン4のおねじ42が螺合され、このことによってセパレータ2との連結が行われると共に、座金55にて横バタ材7、7としての二つのパイプにつかむようにしてからナット54を締め付けることで、コンクリート型枠の施工が行われる。
【0005】
コンクリート型枠の施工に当たっては、例えば先組する一方のコンクリート型枠1のセパ穴11には、セパレータ2のセパレータコーン4のおねじ42を通して、フォームタイ5のねじ穴51をセパレータコーン4のおねじ42にねじこみ、横バタ材7、7を介し座金55をあてがい、次いでナット54をねじ込むことで一体として基盤上に建て込むことができる(図6)。このときセパレータ2は片持ち状態となる。
その後、他方のコンクリート型枠1を対峙するようにレッカーなどで基盤上に建て込み、セパレータコーン4の突出するおねじ42をコンクリート型枠1のセパ穴11に合わせて挿入するようにし、フォームタイ5のタイロッド体53のねじ穴51をねじ込み、横バタ材7、7を掴持する座金55をタイロッド53に通し、ナット54を締め付けることでセパレータ2を固定していた(図7)。
【0006】
【特許文献1】
実公昭59−29076号公報(第2図、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、コンクリート型枠1、1の間には、図示しないが鉄骨や鉄筋が配設され、かつ多数のセパレータ2が取り付けられている。このようにコンクリート施工環境では、先組のセパレータ2を取り付けたコンクリート型枠1に、対峙するように他方のコンクリート型枠1を建て込むには、視認できないセパレータコーン4のおねじ42が、コンクリート型枠1のセパ穴11に合致するようにしなければならない。
しかも、実際には大型のコンクリート型枠1であると多数のセパレータ2を配置することになり、しかも、セパレータは一時的に片持ち状態となるので開放端が下降しがちとなり、全てのセパレータコーン4の突出するおねじ42とコンクリート型枠1のセパ穴11を合わせるのに手間の掛かることが多かった。
このように、従来のセパレータ2及びフォームタイ5は、これを用いてコンクリート型枠1、1を対峙するように施工する場合、作業性が悪かった。
【0008】
そこで、出願人は、かって特願2002−184314号として、セパレータ2の一方のセパレータコーン411を、コンクリート型枠1に内接するのみとし、加えて、セパレータコーン411の軸心の貫通穴には、コンクリート型枠1側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412と逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414を形成するようにし、そして、他方のフォームタイ5に、コンクリート型枠1に内接するのみのセパレータコーン411のねじ穴413にねじ込むおねじ56a(軸足56)を設けるようにしたセパレータコーンを提案した。
【0009】
このような構成を採用したことにより、セパレータの施工に際して、先組の型枠1にセパレータ2を予め組み付け、他方の型枠1の外側からおねじ56aを備えたフォームタイ5を締め込む際に、セパレータコーン411に擂鉢状の拡開させたセンタリング用凹部412があるので、若干の位置ずれがあっても、しかも型枠1の外からそのセパレータコーン411のねじ穴413が視認できなくても容易かつ確実に両者の螺合連結を果たすことができ、セパレータコーン411と軸足56との円滑な組み付けが支障を生じることなくできるのである。
【0010】
しかし、発明者の経験によると、上述のセパレータコーン411では、時として解体時に外れなくなることがあった。
そこで、この発明の目的は、コンクリートの養生硬化後に確実に外れる拡開したセンタリング用凹部を備えるセパレータコーンを開発することで上記の不都合を確実に解消できるセパレータコーンの構造と、これを用いたコンクリート型枠の施工構造を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的の実現に向けた研究の中で発明者は、先に、特願2002−184314号として新規なセパレータコーンを提案した。本発明には前記先行提案したセパレータコーンと比較すると、次のような特徴を有するものである。
すなわち、本発明は、一対のコンクリート型枠を、セパレータ本体及びセパレータ本体の両端部に螺着しかつ前記コンクリート型枠のコンクリート打設側内面に当接させ、かつコンクリート型枠のセパ穴を介して外面に突出させるセパレータコーンによって所定の間隔に対峙させ、コンクリート型枠外面に突出するセパレータコーンにフォームタイのタイロッドを締結して組み立てる施工構造であって、 少なくても一方のセパレータコーンを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出させる軸足セパで構成するようにしたことを特徴とするコンクリート型枠の施工構造である。
【0012】
なお、本発明において、前記フォームタイは、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方のフォームタイのタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたものであることが好ましく、そして、このフォームタイのタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにすることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明は、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出させる軸足セパで構成するようにしたことを特徴とするセパレータコーンを提案する。
【0014】
なお、本発明において、上記セパレータコーンは、コーン本体の前記凹部の穴底に取り外し用の欠込み溝を有することが好ましく、前記軸足セパは、フォームタイ側の端部にスパナー掛け用のネック部を有することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態に即して説明する。
本発明に係るコンクリート型枠の施工方法では、図1に示す通り、セパレータ2、フォームタイ5を用いてコンクリート型枠1を組み立てることになる。
前記セパレータ2は、ロッドの両端部におねじ31を形成したセパレータ本体3と、このセパレータ本体3の両端部に螺着してコンクリート内面に接触させると共に、コンクリート硬化後には取り外すセパレータコーン4、Cよりなるものである。
かかるセパレータコーン4は、裁頭円錐形をなすプラスチック成形品、或いは木製品からなり、軸心にはセパレータ本体3のおねじ31を螺着するめねじ41と、そしてコンクリート型枠1に穿ったセパ穴11より外側に突出させるるおねじ42が設けてある。
【0016】
前記セパレータ2をコンクリート型枠1、1同士を一定の間隔を介在させて固定するには、該コンクリート型枠1の外側からフォームタイ5で締め付けることが必要でなる。
すなわち、先組する一方のコンクリート型枠1のセパ穴11には、セパレータ2のセパレータコーン4のおねじ42を通して、フォームタイ5のねじ穴51をセパレータコーン4のおねじ42にねじこみ、横バタ材7、7を介し座金55をあてがい、次いでナット54をねじ込むことで一体として基盤上に建て込むことになる(図6)。このときセパレータ2は片持ち状態となる。
【0017】
本発明において、施工能率を上げるためにとくに採用したセパレータ2のセパレータコーンCは、コーン本体411と、この本体411に対して着脱可能に螺着する別体の軸足セパ56とからなるものである。
このセパレータコーンCのコーン本体411は、外形は裁頭円錐形をなし、コンクリート型枠1に接する側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412を備え、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414を連続して設けられ、このねじ穴414(フォームタイ5側)には軸足セパ56が着脱可能に取り付けられている。
この凹部412の存在が、本発明に係るセパレータコーンCの最も特徴的な構成であり、コンクリート型枠施工時に、この凹部412に型枠1の外側から、セパ穴11を介して軸足セパ56を挿入して前記ねじ穴413に螺合させ、該セパレータコーンCと軸足セパ56とを連結するときに、前記凹部412が見えない状態でも自動的にセンタリングできることから確実に連結することができる。
【0018】
図示した符号415は、コーン本体411の凹部412の穴底に形成した取り外し用の欠込み溝で、コンクリート硬化後にコンクリート型枠1を外したとき、コンクリート内に埋設状態で残るコーン本体411を電動ドライバー等を差し込んで回し、コーン本体3より外して再利用に供するために設けてある(図4)。
本発明のセパレータコーンCは、上記の構成に加えて、コンクリート型枠1側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴416が列設されている。このテーパ穴416を設けたことにより、コンクリート内から該セパレータコーンCを取り外すとき、周壁を内向きに倒れ易くするので、取り外しが容易になる。
【0019】
前記コーン本体411は、鍔を備えた金属製パイプ417にめねじを切り、このパイプを囲繞するようにプラスチックで被覆した状態に成形したものが好ましく、この金属製パイプ417は、プラスチックコーン本体418に対応して着脱可能に取り付けたものであって、外側のプラスチックが変形しても、それを取り替えることで、中の金属パイプ417の方は複数回の使用に耐えることができるようになっておりコスト的にも有利である。
【0020】
フォームタイ5は、従来品と同様の構成、すなわち、先端部にセパレータコーン4のおねじ42や軸足セパ56にねじ込むために螺設したねじ穴51が形成してあり、後端部側にはおねじ52を設けたタイロッド53と、おねじ52にねじ込むナット54及び、コンクリート型枠1、1背面の縦桟6及び丸パイプからなる横バタ材7、7を掴持する座金55を、タイロッド53に遊嵌させてなるものである。
【0021】
本発明に係るセパレータコーンCは、コーン本体411にコンクリート型枠1を貫通させるおねじを固定せず、別途、着脱可能な軸足セパ56(図3)を採用し、この軸足セパ56をコーン本体411およびタイロッド53の双方に螺合させるようになっている。
即ち、この軸足セパ56は、両端部におねじ56a、56bを形成した両ねじボルトであり、一端をコーン本体411内のねじ穴413に着脱可能に螺着させ、他端はコンクリート型枠1のセパ穴11から型枠11外に突出させるようにする。そして、この軸足セパ56の軸方向の中央部には平坦面56b、56bが形成してあり、この位置にレンチなどを使ってフォームタイ5のタイロッド53のねじ穴51にねじ込めるようにしてある。なお、この軸足セパ56には、フォームタイ5側のおねじ56a先端を、同様に削って形成したスパナ掛け用のネック部56cが設けてある。
【0022】
次に、本発明に係るコンクリート施工方法の一例について述べる。
複数の合板製の堰板を左右方向に並列させ、縦桟6に打ちつけることにより一枚の外壁側のコンクリート型枠1とし、外側には横バタ材7、7を添わせ、必要に応じて別途、縦バタ材で補強する。
次に、セパレータ本体3のおねじ31の一方に、めねじ41を設けると共に突出するおねじ42を備えた従来型のセパレータコーン4をねじ込み、このセパレータ本体3の他方には、コンクリート型枠1側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412を有する本発明に係るセパレータコーンCをねじ込む。このセパレータコーンCの軸心部には連続する逆向きの一対のねじ穴413、414を有し、前期凹部412のまわりにテーパ穴416が設けてある。セパレータ2はコーン本体411のねじ穴414にセパレータ本体3をねじ込む。
そして、前記セパレータ2のセパレータコーン4を外壁側のコンクリート型枠1のセパ穴11よりおねじ42を突出させ、このおねじ42にフォームタイ5のねじ穴51をねじ込み、フォームタイ5の座金55及びナット54で横バタ材7、7を止めてコンクリート型枠1を形成し、レッカー作業にて予め地面に設けた図示しない支柱、筋交いなどのサポート金具で基盤に建て込み、まず先組のコンクリート型枠1を構築する。
【0023】
次に複数の合板製の堰板を左右方向に並列させ、縦桟6に打ちつけることで内壁側のコンクリート型枠1とし、外側には横バタ材7、7を添わせ、必要に応じて別途縦バタ材で補強する他方のコンクリート型枠1をレッカーで吊り上げて、先組のセパレータ2を取り付けたコンクリート型枠1と対峙するように、後組のコンクリート型枠1を配置する。このときにコンクリート型枠1、1の対応するセパ穴11は平行位置となるようにする。
【0024】
フォームタイ5先端のねじ穴51に、両端側におねじ56a、56aを設けた軸足セパ56のネック部56c側を、平坦面56b、56bをレンチにて挟んでねじ込み、フォームタイ5の先端におねじ56aが突出するようにしておく。
そしてフォームタイ5の軸足セパ56の他端のおねじ56aを、コンクリート型枠1のセパ穴11を通してコーン本体411にねじ込み、フォームタイ5のナット54及び座金55で横バタ材7、7を止め、支柱、筋交いなどのサポート金具で基盤に垂直に建て込むのである。
【0025】
対峙させたコンクリート型枠1、1間にコンクートを打設し、養生硬化後にコンクリート型枠1、1を解体する。このとき、まずセパレータコーン411側から外すようにする。フォームタイ5のナット54を緩めつつ、横バタ材7、7を外し、座金55を取り外す。次いで、フォームタイ5のタイロッド53を緩めるように回転させると軸足セパ56が一体に外れることになる。軸足セパ56がコンクリート型枠1の外側に突出したままでフォームタイ5が外れた場合は、軸足セパ56のネック部56cをレンチなどで回転させることで軸足セパ56を取り外すことになる。
【0026】
すると、このコンクリート型枠1の外側には支えるものが全くなくなるので、コンクリート型枠1はフリーとなり、クレーンで簡単に吊りあげることができる。従来のフォームタイ5では、セパレータコーンのねじ棒がコンクリート型枠1を貫通しているので、これを避けるために、コンクリート型枠1を立てたまま平行移動させる面倒な手間が必要であったが、本発明方法では、この作業が不要となる。
【0027】
次に、セパレータコーン4、コーン本体411を外して、それによって生じた窪みにモルタルを充填して表面を平滑にするのであるが、コーン本体411には欠込み溝415があるので、ここに電動ドライバーを差し込み回転させることで簡単に取り外すことができる。
【0028】
なお、軸足セパ56をコンクリート型枠1のセパ穴11を通してコーン本体411にねじ込み取り付けてから、フォームタイ5のねじ穴51に軸足セパ56のおねじ56aにねじ込むようにすることもできる。
これまでの説明では、フォームタイ5を同一の構造のものを採用したものとした。そこで、一方のコーン本体411がコンクリート型枠1のセパ穴11から外におねじ42が突き出ることがなく、ねじ穴413を備えたものであるので、締結のために軸足セパ56で補うようにした。
しかし、フォームタイ5の一方を、先端にコーン本体411のねじ穴413にねじ込むことができるねじ棒を一体に備える構成とすれば軸足セパ56は不要となる。
また、実施の形態では一方側のセパレータコーンCをコーン本体411と軸足セパ56とより構成したものとしたが、双方に軸足セパ56を別途設けるようにしたものとしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成からなるもので、コンクリート型枠の施工構造としては、少なくても一方のセパレータコーンを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出する軸足セパとから構成するようにしたもので、一方の外枠にセパレータを取り付けて建て込み、他方の外枠を対峙させて建て込むときに、コンクリート型枠のセパ穴にセパレータのセパレータコーンのおねじを厳密に合致させる必要も手間もなくなったのである。
【0030】
そして、このセパレータコーンにコンクリート型枠側より放射状に多数のテーパ穴を設けるように形成したので、セパレータコーンが固化したコンクリート層内に閉じ込められて外れないということが起こらなくなったのである。
【0031】
また、本発明に係る施工構造では、フォームタイは、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方のフォームタイのタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたので、フォームタイを従来と同様な構造のものを採用したので、この施工構造を採用する場合の初期費用を押えることができるのである。
【0032】
また、本発明に係る施工構造では、フォームタイのタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにしたので、作業手順が良好で組み立てがすみやかになるのである。
【0033】
また、本発明に係るセパレータコーンは、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体を採用したので、特に、テーパ穴の採用によりコーン本体が硬化したコンクリート内に閉じ込められ外れないということがなく、繰り返し使用することができトータルとすれば経済的になるのである。
また、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出する軸足セパを採用したので、先組のコンクリート型枠にセパレータを取り付け建て込んだ後、微細な傾きやセパレータの自重による開放端のささいな下降があっても、先組のコンクリート型枠と対峙させるコンクリート型枠を建て込み、軸足セパや予め軸足をねじ込んだフォームタイをコンクリート型枠のセパ穴からねじ込むに際して擂鉢状のセンタリング用凹部によって補正され、確実に締め付けることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るフォームタイとセパレータコーンの取り付け状態の要部断面図である。
【図2】この発明に係るコンクリート型枠へのセパレータとフォームタイの組付状態の要部断面図である。
【図3】フォームタイに取り付ける軸足セパの正面図である。
【図4】この発明に係るセパレータコーンの斜視図である。
【図5】A、Bはこの発明に係るセパレータコーンの断面図である。
【図6】従来のコンクリート型枠へのセパレータの施工方法を示す断面図である。
【図7】従来の外枠へのセパレータ及びフォームタイの組付状態を示す断面図である。
【図8】出願人の提案したセパレータコーンの使用状態の断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート型枠
2 セパレータ
3 セパレータ本体
4 セパレータコーン
C セパレータコーン
411 コーン本体
56 軸足セパ
5 フォームタイ
53 タイロッド
54 ナット
55 座金
6 縦桟
7 横バタ材
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリートにより建築用又は土木用の壁、柱、土台などを形成する場合にセパレータによって所定の間隔に対峙させる一対のコンクリート型枠の施工構造及びこれに用いるセパレータコーンに関するものである。
従来、コンクリート型枠を対峙させて立設固定するには、大型の型枠であるとコンクリート型枠同士を繋ぐ金具、コンクリート型枠の外側に配する横バタ材、縦バタ材、コンクリート型枠を垂直に支えるための支柱、筋交い、これらを繋ぐ金具などというように極めて多くの構成部品を使用する必要があった。
しかし、本発明は、コンクリート型枠を複数庫を縦横に並べて、一対の外枠を構成し、これらを一定の間隔に保つために、型枠の内側(コンクリート打設空間側)に配置するセパレータの施工構造及びこれに用いるセパレータコーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来複数の合板製の堰板を繋げて得る大型のコンクリート型枠1、1を所定の間隔、すなわちコンクリート構造物の壁厚に合致させるようにセパレータ2を介して対峙するように建て込んでいる(特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1に開示されているコンクリート型枠1、1の内部に配置されるセパレータ2は、図6乃至図7に示すように、ロッドの両端部におねじ31を形成したセパレータ本体3と、コンクリート硬化後に取り外すセパレータコーン4よりなるものである。セパレータコーン4は、裁頭円錐形をなすプラスチック成形品、或いは木製のものからなり、軸心にはセパレータ本体3のおねじ31に螺着するめねじ41とコンクリート型枠1に穿ったセパ穴11より外側に突出するおねじ42を設けるようにしてある。
このセパレータ2をコンクリート型枠1に取り付けるには、該コンクリート型枠1の外側からフォームタイ5で固定することが必要になる。
【0004】
前記フォームタイ5は、先端部にセパレータコーン4のおねじ42にねじ込むためのねじ穴51の穴が形成してあり、後端部側にはおねじ52を設けたタイロッド53と、おねじ52にねじ込むナット54及び、コンクリート型枠1、1背面の縦桟6及び丸パイプからなる横バタ材7、7を掴持する座金55を、タイロッド53に遊嵌させてなるものである。
このフォームタイ5のタイロッド53のねじ穴51内には、コンクリート型枠1を挟んで前記セパレータコーン4のおねじ42が螺合され、このことによってセパレータ2との連結が行われると共に、座金55にて横バタ材7、7としての二つのパイプにつかむようにしてからナット54を締め付けることで、コンクリート型枠の施工が行われる。
【0005】
コンクリート型枠の施工に当たっては、例えば先組する一方のコンクリート型枠1のセパ穴11には、セパレータ2のセパレータコーン4のおねじ42を通して、フォームタイ5のねじ穴51をセパレータコーン4のおねじ42にねじこみ、横バタ材7、7を介し座金55をあてがい、次いでナット54をねじ込むことで一体として基盤上に建て込むことができる(図6)。このときセパレータ2は片持ち状態となる。
その後、他方のコンクリート型枠1を対峙するようにレッカーなどで基盤上に建て込み、セパレータコーン4の突出するおねじ42をコンクリート型枠1のセパ穴11に合わせて挿入するようにし、フォームタイ5のタイロッド体53のねじ穴51をねじ込み、横バタ材7、7を掴持する座金55をタイロッド53に通し、ナット54を締め付けることでセパレータ2を固定していた(図7)。
【0006】
【特許文献1】
実公昭59−29076号公報(第2図、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、コンクリート型枠1、1の間には、図示しないが鉄骨や鉄筋が配設され、かつ多数のセパレータ2が取り付けられている。このようにコンクリート施工環境では、先組のセパレータ2を取り付けたコンクリート型枠1に、対峙するように他方のコンクリート型枠1を建て込むには、視認できないセパレータコーン4のおねじ42が、コンクリート型枠1のセパ穴11に合致するようにしなければならない。
しかも、実際には大型のコンクリート型枠1であると多数のセパレータ2を配置することになり、しかも、セパレータは一時的に片持ち状態となるので開放端が下降しがちとなり、全てのセパレータコーン4の突出するおねじ42とコンクリート型枠1のセパ穴11を合わせるのに手間の掛かることが多かった。
このように、従来のセパレータ2及びフォームタイ5は、これを用いてコンクリート型枠1、1を対峙するように施工する場合、作業性が悪かった。
【0008】
そこで、出願人は、かって特願2002−184314号として、セパレータ2の一方のセパレータコーン411を、コンクリート型枠1に内接するのみとし、加えて、セパレータコーン411の軸心の貫通穴には、コンクリート型枠1側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412と逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414を形成するようにし、そして、他方のフォームタイ5に、コンクリート型枠1に内接するのみのセパレータコーン411のねじ穴413にねじ込むおねじ56a(軸足56)を設けるようにしたセパレータコーンを提案した。
【0009】
このような構成を採用したことにより、セパレータの施工に際して、先組の型枠1にセパレータ2を予め組み付け、他方の型枠1の外側からおねじ56aを備えたフォームタイ5を締め込む際に、セパレータコーン411に擂鉢状の拡開させたセンタリング用凹部412があるので、若干の位置ずれがあっても、しかも型枠1の外からそのセパレータコーン411のねじ穴413が視認できなくても容易かつ確実に両者の螺合連結を果たすことができ、セパレータコーン411と軸足56との円滑な組み付けが支障を生じることなくできるのである。
【0010】
しかし、発明者の経験によると、上述のセパレータコーン411では、時として解体時に外れなくなることがあった。
そこで、この発明の目的は、コンクリートの養生硬化後に確実に外れる拡開したセンタリング用凹部を備えるセパレータコーンを開発することで上記の不都合を確実に解消できるセパレータコーンの構造と、これを用いたコンクリート型枠の施工構造を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的の実現に向けた研究の中で発明者は、先に、特願2002−184314号として新規なセパレータコーンを提案した。本発明には前記先行提案したセパレータコーンと比較すると、次のような特徴を有するものである。
すなわち、本発明は、一対のコンクリート型枠を、セパレータ本体及びセパレータ本体の両端部に螺着しかつ前記コンクリート型枠のコンクリート打設側内面に当接させ、かつコンクリート型枠のセパ穴を介して外面に突出させるセパレータコーンによって所定の間隔に対峙させ、コンクリート型枠外面に突出するセパレータコーンにフォームタイのタイロッドを締結して組み立てる施工構造であって、 少なくても一方のセパレータコーンを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出させる軸足セパで構成するようにしたことを特徴とするコンクリート型枠の施工構造である。
【0012】
なお、本発明において、前記フォームタイは、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方のフォームタイのタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたものであることが好ましく、そして、このフォームタイのタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにすることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明は、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出させる軸足セパで構成するようにしたことを特徴とするセパレータコーンを提案する。
【0014】
なお、本発明において、上記セパレータコーンは、コーン本体の前記凹部の穴底に取り外し用の欠込み溝を有することが好ましく、前記軸足セパは、フォームタイ側の端部にスパナー掛け用のネック部を有することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態に即して説明する。
本発明に係るコンクリート型枠の施工方法では、図1に示す通り、セパレータ2、フォームタイ5を用いてコンクリート型枠1を組み立てることになる。
前記セパレータ2は、ロッドの両端部におねじ31を形成したセパレータ本体3と、このセパレータ本体3の両端部に螺着してコンクリート内面に接触させると共に、コンクリート硬化後には取り外すセパレータコーン4、Cよりなるものである。
かかるセパレータコーン4は、裁頭円錐形をなすプラスチック成形品、或いは木製品からなり、軸心にはセパレータ本体3のおねじ31を螺着するめねじ41と、そしてコンクリート型枠1に穿ったセパ穴11より外側に突出させるるおねじ42が設けてある。
【0016】
前記セパレータ2をコンクリート型枠1、1同士を一定の間隔を介在させて固定するには、該コンクリート型枠1の外側からフォームタイ5で締め付けることが必要でなる。
すなわち、先組する一方のコンクリート型枠1のセパ穴11には、セパレータ2のセパレータコーン4のおねじ42を通して、フォームタイ5のねじ穴51をセパレータコーン4のおねじ42にねじこみ、横バタ材7、7を介し座金55をあてがい、次いでナット54をねじ込むことで一体として基盤上に建て込むことになる(図6)。このときセパレータ2は片持ち状態となる。
【0017】
本発明において、施工能率を上げるためにとくに採用したセパレータ2のセパレータコーンCは、コーン本体411と、この本体411に対して着脱可能に螺着する別体の軸足セパ56とからなるものである。
このセパレータコーンCのコーン本体411は、外形は裁頭円錐形をなし、コンクリート型枠1に接する側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412を備え、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴413、414を連続して設けられ、このねじ穴414(フォームタイ5側)には軸足セパ56が着脱可能に取り付けられている。
この凹部412の存在が、本発明に係るセパレータコーンCの最も特徴的な構成であり、コンクリート型枠施工時に、この凹部412に型枠1の外側から、セパ穴11を介して軸足セパ56を挿入して前記ねじ穴413に螺合させ、該セパレータコーンCと軸足セパ56とを連結するときに、前記凹部412が見えない状態でも自動的にセンタリングできることから確実に連結することができる。
【0018】
図示した符号415は、コーン本体411の凹部412の穴底に形成した取り外し用の欠込み溝で、コンクリート硬化後にコンクリート型枠1を外したとき、コンクリート内に埋設状態で残るコーン本体411を電動ドライバー等を差し込んで回し、コーン本体3より外して再利用に供するために設けてある(図4)。
本発明のセパレータコーンCは、上記の構成に加えて、コンクリート型枠1側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴416が列設されている。このテーパ穴416を設けたことにより、コンクリート内から該セパレータコーンCを取り外すとき、周壁を内向きに倒れ易くするので、取り外しが容易になる。
【0019】
前記コーン本体411は、鍔を備えた金属製パイプ417にめねじを切り、このパイプを囲繞するようにプラスチックで被覆した状態に成形したものが好ましく、この金属製パイプ417は、プラスチックコーン本体418に対応して着脱可能に取り付けたものであって、外側のプラスチックが変形しても、それを取り替えることで、中の金属パイプ417の方は複数回の使用に耐えることができるようになっておりコスト的にも有利である。
【0020】
フォームタイ5は、従来品と同様の構成、すなわち、先端部にセパレータコーン4のおねじ42や軸足セパ56にねじ込むために螺設したねじ穴51が形成してあり、後端部側にはおねじ52を設けたタイロッド53と、おねじ52にねじ込むナット54及び、コンクリート型枠1、1背面の縦桟6及び丸パイプからなる横バタ材7、7を掴持する座金55を、タイロッド53に遊嵌させてなるものである。
【0021】
本発明に係るセパレータコーンCは、コーン本体411にコンクリート型枠1を貫通させるおねじを固定せず、別途、着脱可能な軸足セパ56(図3)を採用し、この軸足セパ56をコーン本体411およびタイロッド53の双方に螺合させるようになっている。
即ち、この軸足セパ56は、両端部におねじ56a、56bを形成した両ねじボルトであり、一端をコーン本体411内のねじ穴413に着脱可能に螺着させ、他端はコンクリート型枠1のセパ穴11から型枠11外に突出させるようにする。そして、この軸足セパ56の軸方向の中央部には平坦面56b、56bが形成してあり、この位置にレンチなどを使ってフォームタイ5のタイロッド53のねじ穴51にねじ込めるようにしてある。なお、この軸足セパ56には、フォームタイ5側のおねじ56a先端を、同様に削って形成したスパナ掛け用のネック部56cが設けてある。
【0022】
次に、本発明に係るコンクリート施工方法の一例について述べる。
複数の合板製の堰板を左右方向に並列させ、縦桟6に打ちつけることにより一枚の外壁側のコンクリート型枠1とし、外側には横バタ材7、7を添わせ、必要に応じて別途、縦バタ材で補強する。
次に、セパレータ本体3のおねじ31の一方に、めねじ41を設けると共に突出するおねじ42を備えた従来型のセパレータコーン4をねじ込み、このセパレータ本体3の他方には、コンクリート型枠1側に擂鉢状に拡開させたセンタリング用凹部412を有する本発明に係るセパレータコーンCをねじ込む。このセパレータコーンCの軸心部には連続する逆向きの一対のねじ穴413、414を有し、前期凹部412のまわりにテーパ穴416が設けてある。セパレータ2はコーン本体411のねじ穴414にセパレータ本体3をねじ込む。
そして、前記セパレータ2のセパレータコーン4を外壁側のコンクリート型枠1のセパ穴11よりおねじ42を突出させ、このおねじ42にフォームタイ5のねじ穴51をねじ込み、フォームタイ5の座金55及びナット54で横バタ材7、7を止めてコンクリート型枠1を形成し、レッカー作業にて予め地面に設けた図示しない支柱、筋交いなどのサポート金具で基盤に建て込み、まず先組のコンクリート型枠1を構築する。
【0023】
次に複数の合板製の堰板を左右方向に並列させ、縦桟6に打ちつけることで内壁側のコンクリート型枠1とし、外側には横バタ材7、7を添わせ、必要に応じて別途縦バタ材で補強する他方のコンクリート型枠1をレッカーで吊り上げて、先組のセパレータ2を取り付けたコンクリート型枠1と対峙するように、後組のコンクリート型枠1を配置する。このときにコンクリート型枠1、1の対応するセパ穴11は平行位置となるようにする。
【0024】
フォームタイ5先端のねじ穴51に、両端側におねじ56a、56aを設けた軸足セパ56のネック部56c側を、平坦面56b、56bをレンチにて挟んでねじ込み、フォームタイ5の先端におねじ56aが突出するようにしておく。
そしてフォームタイ5の軸足セパ56の他端のおねじ56aを、コンクリート型枠1のセパ穴11を通してコーン本体411にねじ込み、フォームタイ5のナット54及び座金55で横バタ材7、7を止め、支柱、筋交いなどのサポート金具で基盤に垂直に建て込むのである。
【0025】
対峙させたコンクリート型枠1、1間にコンクートを打設し、養生硬化後にコンクリート型枠1、1を解体する。このとき、まずセパレータコーン411側から外すようにする。フォームタイ5のナット54を緩めつつ、横バタ材7、7を外し、座金55を取り外す。次いで、フォームタイ5のタイロッド53を緩めるように回転させると軸足セパ56が一体に外れることになる。軸足セパ56がコンクリート型枠1の外側に突出したままでフォームタイ5が外れた場合は、軸足セパ56のネック部56cをレンチなどで回転させることで軸足セパ56を取り外すことになる。
【0026】
すると、このコンクリート型枠1の外側には支えるものが全くなくなるので、コンクリート型枠1はフリーとなり、クレーンで簡単に吊りあげることができる。従来のフォームタイ5では、セパレータコーンのねじ棒がコンクリート型枠1を貫通しているので、これを避けるために、コンクリート型枠1を立てたまま平行移動させる面倒な手間が必要であったが、本発明方法では、この作業が不要となる。
【0027】
次に、セパレータコーン4、コーン本体411を外して、それによって生じた窪みにモルタルを充填して表面を平滑にするのであるが、コーン本体411には欠込み溝415があるので、ここに電動ドライバーを差し込み回転させることで簡単に取り外すことができる。
【0028】
なお、軸足セパ56をコンクリート型枠1のセパ穴11を通してコーン本体411にねじ込み取り付けてから、フォームタイ5のねじ穴51に軸足セパ56のおねじ56aにねじ込むようにすることもできる。
これまでの説明では、フォームタイ5を同一の構造のものを採用したものとした。そこで、一方のコーン本体411がコンクリート型枠1のセパ穴11から外におねじ42が突き出ることがなく、ねじ穴413を備えたものであるので、締結のために軸足セパ56で補うようにした。
しかし、フォームタイ5の一方を、先端にコーン本体411のねじ穴413にねじ込むことができるねじ棒を一体に備える構成とすれば軸足セパ56は不要となる。
また、実施の形態では一方側のセパレータコーンCをコーン本体411と軸足セパ56とより構成したものとしたが、双方に軸足セパ56を別途設けるようにしたものとしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成からなるもので、コンクリート型枠の施工構造としては、少なくても一方のセパレータコーンを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出する軸足セパとから構成するようにしたもので、一方の外枠にセパレータを取り付けて建て込み、他方の外枠を対峙させて建て込むときに、コンクリート型枠のセパ穴にセパレータのセパレータコーンのおねじを厳密に合致させる必要も手間もなくなったのである。
【0030】
そして、このセパレータコーンにコンクリート型枠側より放射状に多数のテーパ穴を設けるように形成したので、セパレータコーンが固化したコンクリート層内に閉じ込められて外れないということが起こらなくなったのである。
【0031】
また、本発明に係る施工構造では、フォームタイは、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方のフォームタイのタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたので、フォームタイを従来と同様な構造のものを採用したので、この施工構造を採用する場合の初期費用を押えることができるのである。
【0032】
また、本発明に係る施工構造では、フォームタイのタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにしたので、作業手順が良好で組み立てがすみやかになるのである。
【0033】
また、本発明に係るセパレータコーンは、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体を採用したので、特に、テーパ穴の採用によりコーン本体が硬化したコンクリート内に閉じ込められ外れないということがなく、繰り返し使用することができトータルとすれば経済的になるのである。
また、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出する軸足セパを採用したので、先組のコンクリート型枠にセパレータを取り付け建て込んだ後、微細な傾きやセパレータの自重による開放端のささいな下降があっても、先組のコンクリート型枠と対峙させるコンクリート型枠を建て込み、軸足セパや予め軸足をねじ込んだフォームタイをコンクリート型枠のセパ穴からねじ込むに際して擂鉢状のセンタリング用凹部によって補正され、確実に締め付けることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るフォームタイとセパレータコーンの取り付け状態の要部断面図である。
【図2】この発明に係るコンクリート型枠へのセパレータとフォームタイの組付状態の要部断面図である。
【図3】フォームタイに取り付ける軸足セパの正面図である。
【図4】この発明に係るセパレータコーンの斜視図である。
【図5】A、Bはこの発明に係るセパレータコーンの断面図である。
【図6】従来のコンクリート型枠へのセパレータの施工方法を示す断面図である。
【図7】従来の外枠へのセパレータ及びフォームタイの組付状態を示す断面図である。
【図8】出願人の提案したセパレータコーンの使用状態の断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート型枠
2 セパレータ
3 セパレータ本体
4 セパレータコーン
C セパレータコーン
411 コーン本体
56 軸足セパ
5 フォームタイ
53 タイロッド
54 ナット
55 座金
6 縦桟
7 横バタ材
Claims (6)
- 一対のコンクリート型枠を、セパレータ本体及びセパレータ本体の両端部に螺着しかつ前記コンクリート型枠のコンクリート打設側内面に当接させ、かつコンクリート型枠のセパ穴を介して外面に突出させるセパレータコーンによって所定の間隔に対峙させ、コンクリート型枠外面に突出するセパレータコーンにフォームタイのタイロッドを締結して組み立てる施工構造であって、少なくても一方のセパレータコーンを、裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出させる軸足セパで構成するようにしたことを特徴とするコンクリート型枠の施工構造。
- フォームタイは、タイロッドとバタ材を止めるナット及び座金からなり、少なくとも一方のフォームタイのタイロッド先端部に、前記コーン本体に螺着された軸足セパに締め込むようにしたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠の施工構造。
- 前記フォームタイのタイロッド先端部に、軸足セパの一端を予め螺着固定し、コンクリート型枠のセパ穴よりコーン本体に締め込むようにしたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠の施工構造。
- 裁頭円錐形の外形形状をなし、コンクリート型枠側に擂鉢状に拡開したセンタリング用凹部を有すると共に、軸中心には両端から逆向きに螺設された一対のねじ穴が連続して設けられ、かつ前記凹部の外周部まわりには、コンクリート型枠側に向かって放射状に並ぶ複数のテーパ穴を列設してなるコーン本体と、一端がこのコーン本体内ねじ穴に着脱可能に螺着され、他端がコンクリート型枠外面に突出させる軸足セパで構成するようにしたことを特徴とするセパレータコーン。
- コーン本体の前記凹部の穴底に取り外し用の欠込み溝を有することを特徴とする請求項4記載のセパレータコーン。
- 前記軸足セパは、フォームタイ側の端部にスパナー掛け用のネック部を有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載のセパレータコーン。
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