JP3877336B2 - 強誘電体メモリ装置及びその駆動方法 - Google Patents
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Description
本発明は、電子機器などに内蔵されているメモリ装置のうち特に強誘電体キャパシタをメモリセルに設けた強誘電体メモリ装置に関する。
[背景技術]
最近、メモリセルのキャパシタ中に強誘電体材料からなる容量膜を配置することにより記憶データを不揮発性とした強誘電体メモリ装置が提案されている。強誘電体材料とは、図20に示すように、電圧(電界)の極性の変化に対する分極の変化がヒステリシスループを描く特性を有するものをいう。すなわち、印加する電圧(電界)を増大していくと、分極量が変化曲線に沿って増大して点Aで飽和分極値を示し、逆に電圧(電界)を減少させていくと分極が元の変化過程をたどらずに少しずつ減少し、電界を0にしても分極は0にならず、点Bにおける残留分極が残るような材料をいう。そして、強誘電体材料に負の電界を印加し、この電界を負の方向に増大させると、点Cにおいて飽和分極値を示し、電界を減少させて0にすると、点Dにおける残留分極が残る。このように、強誘電体材料とは、それまでに受けた電界の大きさと極性に応じた残留分極が残るという特性、いわゆるヒステリシス特性を有するものである。ここで、飽和分極値とは、図20に示すヒステリシス曲線の2つの変化曲線がほぼ共通の曲線になる点、つまり両者がほぼ接する点である。また、分極反転の挙動は、電圧ではなく電圧を膜厚で除した値である電界に依存するが、以下の説明では強誘電体膜の厚みは一定としているので、すべて電圧による動作特性について説明する。
そこで、強誘電体膜を2つの導体膜で挟んでなる強誘電体キャパシタをメモリセル内に設け、信号電圧の正負や大きさに応じた強誘電体膜の残留分極を記憶データとすることで、記憶データを揮発させることなく保存しておくことができ、いわゆる不揮発性メモリ装置を実現することができる。
例えば、米国特許公報4,873,664号には、以下のような2つのタイプの強誘電体メモリ装置が開示されている。
第1のタイプの不揮発性メモリ装置は、メモリセルを1ビット当たり1個のトランジスタと1個の強誘電体キャパシタ(1T1C)で構成したものである。その場合、例えば256個の本体メモリセル(ノーマルセル)毎に1個のダミーメモリセル(リファレンスセル)が設けられている。
第2のタイプの不揮発性メモリ装置は、ダミーメモリセルを設けずに、メモリセルを1ビット当たり2個のトランジスタと2個の強誘電体キャパシタ(2T2C)で構成したものである。この場合、1対の相補データが1対の強誘電体キャパシタに記憶される。
また、例えば米国特許公報4,888,733号に開示されているように、メモリセルを1ビット当たり2個のトランジスタと1個の強誘電体キャパシタ(2T1C)で構成したものもある。
また、強誘電体キャパシタ中に用いられる強誘電体材料としては、KNO3、PbLa2O3−ZrO2−TiO2、およびPbTiO3−PbZrO3などが知られている。また、PCTの国際公開第WO93/12542号公報には、PbTiO3−PbZrO3に比べて極端に疲労の少ない,強誘電体メモリ装置中の強誘電体キャパシタに適した強誘電体材料も開示されている。
ところで、一般的に現在用いられている強誘電体材料には疲労が避けられず、長時間に亘って使用されるとデータを保持する能力を失う場合がある。
そこで、米国特許5,532,953号に開示されるごとく、長時間に亘って使用されてもデータを保持する能力を失わないために、書き込みを強誘電体キャパシタを完全に飽和させるのに充分な電圧で書き込む技術がある。
以下、この公報に開示されている強誘電体メモリ装置の構成及び動作について説明する。
図21は上記従来の強誘電体メモリ装置のメモリセル部の構成を示す電気回路図である。同図において、メモリセル110内には、ビット線124及び反転ビット線126とセルプレート線122との間には、メモリセルトランジスタ112,114と、メモリセルキャパシタ116,118とが直列配置により介設されている。上記各メモリセルトランジスタ112,114のゲートはワード線120に接続されている。そして、例えば一方のメモリセルキャパシタには図20の点Bにおける残留分極(Hデータ)を与え、他方のメモリセルキャパシタには図20の点Dにおける残留分極(Lデータ)を与えておいて、この2つのメモリセルキャパシタの分極状態をデータ”1”とする。また、各メモリセルキャパシタに、データ”1”における分極状態とは逆の分極状態を与え、これをデータ”0”として記憶する。このような相補データを利用することにより、信頼性の高い強誘電体メモリ装置を構成することができる。
次に、上記従来の強誘電体メモリ装置の読み出し,書き込み(書き換えを含む),復旧動作について説明する。図22(a),(b)には、同公報中の図4A,4Bとして記載されているフローチャートである。図22(a)に示すように、時刻t3及びt4でビット線124及び反転ビット線126上にメモリセルキャパシタ112,114の電荷を放出させてデータの読み出しを行ない、時刻t5でビット線124及び反転ビット線126の電圧差を論理値H,Lまで増幅して感知する。次に、時刻t6でチャージポンプを作動させ、電源電圧を4Vから6Vに昇圧する。そして、この昇圧された電源電圧を利用して、時刻t6で書き込みを行なう。上記手順によって、読み出し,感知,書き込み動作を行なうようにしている。
また、図22(b)に示すように、読み出し,感知,復旧動作を同様の手順で行なっている。復旧動作とは、強誘電体キャパシタの分極状態を読み出し前の状態に戻す動作である。
ここで、上記公報には、書き込みパルス及び復旧パルスの幅は20ナノ秒であり、読み出しパルスの幅もこれらとほぼ同じであることが記載されている。
このように、上記従来の強誘電体メモリ装置においては、強誘電体キャパシタのコンデンサを完全に飽和させるのに必要な電圧(図20に示す点A)を与えて書き込み動作を行なっている。すなわち、チャージポンプにより昇圧された高い電圧(6V)により書き込み動作を行なっている。そして、このような書き込み方法を採用することによって、強誘電体メモリ装置のデータ保持性能を向上させ、耐用年数を延長させようとしている。
[解決課題]
しかしながら、従来の強誘電体メモリ装置においては、上述のように書き込み動作時には強誘電体キャパシタを完全に飽和させるべく通常より高い電圧で書き込んでいる。このため、例えばセルプレート線PLやセンスアンプに昇圧された電圧を供給するために、チャージポンプ回路による内部電圧昇圧回路が必要であった。このチャージポンプ回路を設けることにより、チャージポンプ回路に必要なキャパシタなどの回路要素の面積分だけ全体のレイアウト面積が大きくなることや回路が複雑になるという不利益があった。しかも、後述する本発明者らの実験データによると、強誘電体キャパシタの分極状態を完全に飽和するまで書き込み動作を行なうことは、高速動作を要求される分野においては不利益につながることもわかってきた。さらに、エンデュランス(書き換え)動作つまり分極反転動作の繰り返しを分極を完全に飽和させながら行なうと、残留分極が減小していくヒステリシス特性を示すようになってくる。すなわち、データを保持する能力を失う場合があることもわかってきた。
特に問題となるのは、用途によっては強誘電体メモリ装置が、2〜6Vという広い電圧範囲で動作することが要求されることがあるが、このような場合、常に分極を飽和させるに十分な高電圧で書き込むこと自体が困難である。
しかも、広い電圧範囲での動作が求めらえる場合に、2V程度の低電圧で書き換えを行なうと誤読み出しを生じることがあった。その場合、誤読み出しが生じるメカニズムやどのようにして誤読み出しを有効に防止するかについては、上記公報の強誘電体メモリ装置を始め、従来の強誘電体メモリ装置においては、何も考察がなされていなかった。
[発明の開示]
本発明の第1の目的は、誤読み出しが生じる原因を突き止めて、その原因を解消する手段を講ずることにより、信頼性の高い強誘電体メモリ装置及びその駆動方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、チャージポンプ回路などの余分な回路を設けることなく高速動作が可能な強誘電体メモリ装置及びその駆動方法を提供することにある。
まず、上記目的を達成するための本発明の着眼点および基本原理について説明する。既に説明したように、上記従来の書き込み方法によると、高速動作を行なう上で不利益となるとともに、そのような書き込み方法では解決できない誤読み出しの現象がある。そして、この誤読み出しの原因を突き止めた結果、その原因解消の手段を講ずることと上記従来の書き込み方法の不利益を解消することとの間に大きな関連性があることがわかった。
第1に、発明者らは、分極反転には時間依存性があり、時間とともに分極反転が進行していくことを発見した。すなわち、従来の書き込み方法において、書き込み用電圧信号のパルス幅(時間)によって強誘電体キャパシタの分極反転状態が異なることが気づかれてはいなかった。図7は、書き込み,書き換え動作時における電圧信号のパルス幅に対する分極反転量の変化について調べた結果を示す図である。同図に示すように、分極反転量Pnvは印加パルスの幅(時間)によって大きく変化することがわかる。図7に関する詳細については後述する。
第2に、このような分極反転量Pnvの時間依存特性は、強誘電体キャパシタに印加する電圧が低い領域で顕著に現れることも併せて発見した。
第3に、低温の方が分極反転は進行しにくいことも発見した。図8は、図7と同様の実験をパルス電圧を3Vに固定し、温度をパラメータとしてパルス幅に対する分極反転量Pnvの変化について調べた結果を示す図である。同図に示すように、低温になるほど分極反転が生じにくいことがわかる。このことは、多結晶体からなる強誘電体キャパシタ膜の場合には、多結晶体を構成するそれぞれのドメインにおいて分極しやすいものと分極しにくいものが存在することを暗示している。
すなわち、強誘電体キャパシタがこのようなヒステリシス特性に従った動作を行うことから、強誘電体キャパシタへのデータの書き込み時には、強誘電体膜の分極状態が完全に飽和するまで電圧を印加する必要はなく、正しく読み出しができる印加電圧または電圧印加時間であればメモリ動作は何ら問題なくできることがわかった。
さらに、後述するように、発明者らは、強誘電体キャパシタへ与えるエネルギー、すなわち印加電圧や電圧印加時間の因子を含む書き込みエネルギーによって、書き込みを行うための分極反転の進行量が決定でき、同様に印加電圧や電圧印加時間の因子を含む読み出しエネルギーによって、読み出しを行うための分極反転の進行量が決定できるということを見いだした。
以上の過程に沿って成立した本発明は、以下のような内容を有している。
本発明の第1の強誘電体メモリ装置は、ビット線と、セルプレート線と、上記ビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタと、上記ビット線と上記強誘電体キャパシタとの間に介設されるメモリセルトランジスタと、上記セルプレート線とビット線とを介して上記強誘電体キャパシタに上記強誘電体膜を分極させるための第1のエネルギーを供給する書き込み制御手段と、上記セルプレート線とビット線とを介して上記強誘電体膜キャパシタに上記強誘電体膜の分極状態を読み出すための第2のエネルギーを供給する読み出し制御手段とを備え、上記第1のエネルギーよりも上記第2のエネルギーの方が小さい。
これにより、電圧と書き込みパルス幅(時間)を必要以上に高くまたは長くしないても正常な動作が可能な誘導体メモリ装置を実現することができる。すなわち、必ずしも書き込み動作時には強誘電体キャパシタの分極を完全に飽和させることなく、読み出しに充分な分極反転を行うものである。また、書き込み時の電圧を昇圧することなく書き込みパルス幅(時間)を長くすることによって読み出しに充分な分極反転を行い、効率的な書き込みおよび読み出し動作が可能な強誘電体メモリ装置を実現することができる。
上記第1の強誘電体メモリ装置において、書き込み時に印加する電圧を上記強誘電体膜の分極を完全に飽和させるための飽和電圧よりも低くし、かつ読み出しにおける電圧値を小さくすることができる。
この動作を行う強誘電体メモリ装置では、書き込み時に完全に飽和させるまで分極反転させる必要が無いため、低電圧あるいは高速で書き込み動作が行えることと、完全に飽和させていないこととから、低消費電力動作が可能である。また、書き込みのためのチャージポンプ回路(昇圧回路)の必要も無くなることによっても低消費電力動作ができる。さらに、エンデュランス(書き換え)動作つまり分極反転動作の繰り返しを分極を完全に飽和させながら行なうと、残留分極が減小していくヒステリシス特性を示すようになってくる。すなわち、データを保持する能力を失う場合がある。それに対して、分極を飽和させないで書き込み動作を行なうものでは、エンデュランス(書き換え)動作によってデータを保持する能力が失われることはほとんどない。
上記第1の強誘電体メモリ装置において、読み出し時間(パルス幅)を書き込み時間よりも短くすることができる。
これにより、読み出し精度及び動作速度の高い強誘電体メモリ装置を得ることができる。
本発明の第2の強誘電体メモリ装置は、第1及び第2のビット線と、セルプレート線と、上記第1のビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する第1の強誘電体キャパシタと、上記第2のビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する第2の強誘電体キャパシタと、上記第1,第2のビット線と上記第1,第2の強誘電体キャパシタとの間にそれぞれ介設される第1,第2のメモリセルトランジスタと、上記第1の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギーで第1の分極状態に書き込み動作を行なった後、第2のエネルギーで上記第1の分極状態から極性が変わろうとする方向に変化した第2の分極状態まで書き換え動作を行なう一方、上記第2の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギーで第3の分極状態に書き込み動作を行なった後、第2のエネルギーで上記第3の分極状態から極性が変わろうとする方向に変化した第4の分極状態に書き換え動作を行なう書き込み・書き換え制御手段と、上記第1のエネルギーと上記第2のエネルギーとは、上記第2の分極状態が上記第1の分極状態とは逆の極性になるように与えられる。
これにより、書き込み動作の特のエネルギーと同程度のエネルギーを与えて読み出しを行なっても、誤読み出しを生じることがないことがわかった。
本発明の第3の強誘電体メモリ装置は、第1及び第2のビット線と、セルプレート線と、上記第1のビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する第1の強誘電体キャパシタと、上記第2のビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する第2の強誘電体キャパシタと、上記第1,第2のビット線と上記第1,第2の強誘電体キャパシタとの間にそれぞれ介設される第1,第2のメモリセルトランジスタと、上記第1の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギーで第1の分極状態に書き込み動作を行なった後、第2のエネルギーで上記第1の分極状態から極性が変わろうとする方向に変化した第2の分極状態まで書き換え動作を行なう一方、上記第2の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギーで第3の分極状態に書き込み動作を行なった後、第2のエネルギーで上記第3の分極状態から極性が変わろうとする方向に変化した第4の分極状態に書き換え動作を行なう書き込み・書き換え制御手段と、上記セルプレート線を介して上記第1,第2の強誘電体キャパシタの各強誘電体膜に第3のエネルギーを供給して読み出し動作を行なう読み出し制御手段とを備え、上記第第3のエネルギーは上記第2のエネルギーよりも小さい。
これにより、2T2C型のメモリセル構造を有する強誘電体メモリ装置の誤読み出しを防止することができる。
本発明の第4の強誘電体メモリ装置は、ビット線と、セルプレート線と、上記ビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタと、上記ビット線と上記強誘電体キャパシタとの間に介設されるメモリセルトランジスタと、上記セルプレート線とビット線との間に、上記強誘電体キャパシタの上記強誘電体膜を分極させるための第1のエネルギーを供給する書き込み制御回路とを備え、上記書き込み制御回路は、温度変化に対して上記強誘電体膜にほぼ同じ分極状態を生ぜしめるように上記第1のエネルギーを制御するものである。
これにより、書き込み電圧を昇圧回路などを用いて高電圧にすることなく書き込みパルス幅(時間)を充分長くすることによって強誘電体キャパシタの分極反転を充分に行い、低電圧でも正常な動作が可能な誘電体メモリ装置を実現することができる。また、その結果、低温においてもできるだけ高速動作を維持することができる。
上記第4の強誘電体メモリ装置において、上記強誘電体膜の分極状態を読み出すための第2のエネルギーを供給する読み出し制御手段をさらに備え、上記第1のエネルギーよりも上記第2のエネルギーの方を小さくすることができる。
上記第4の強誘電体メモリ装置において、上記書き込み制御回路を、温度が低いときほど高い電圧で書き込みを行なうか、温度が低いほどパルス幅の大きい書き込み信号を供給するように構成することができる。
上記第4の強誘電体メモリ装置において、上記書き込み制御回路を、温度が低いほど低い電圧の内部電圧信号を発生する内部電圧発生回路と、上記内部パルス信号発生回路で発生された内部電圧信号を受けて、内部電圧信号の電圧が低いほどパルス幅の大きいパルス信号を発生する回路とにより構成することができる。
本発明の第1の強誘電体メモリ装置の駆動方法は、ビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタと、上記ビット線と上記強誘電体キャパシタとの間に介設されるメモリセルトランジスタとを有する強誘電体メモリ装置の駆動方法があって、上記強誘電体キャパシタに上記強誘電体膜を未飽和状態で分極させるための第1のエネルギーを供給する第1のステップと、上記強誘電体キャパシタに上記強誘電体膜の分極状態を読み出すための第2のエネルギーを供給する第2のステップとを備え、上記第1のエネルギーよりも上記第2のエネルギーの方が小さい。
上記第1の強誘電体メモリ装置の駆動方法において、上記第1のステップでは、所定のパルス幅を有する第1のパルス信号を供給し、上記第2のステップでは、上記所定のパルス幅よりも小さいパルス幅を有する第2のパルス信号を供給することができる。
本発明の第2の強誘電体メモリ装置の駆動方法は、第1,第2のビット線とセルプレート線との間に介設され、各々強誘電体膜を有する第1,第2の強誘電体キャパシタと、上記第1,第2のビット線と上記第1,第2の強誘電体キャパシタとの間にそれぞれ介設される第1,第2のメモリセルトランジスタとを有する強誘電体メモリ装置の駆動方法であって、上記第1の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギーで第1の分極状態に書き込み動作を行なった後、第2のエネルギーで上記第1の分極状態から逆極性の方向に変化した第2の分極状態まで書き換え動作を行なう一方、上記第2の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギーで第3の分極状態に書き込み動作を行なった後、第2のエネルギーで上記第3の分極状態から逆極性の方向に変化した第4の分極状態に書き換え動作を行なう第1のステップと、上記セルプレート線を介して上記第1,第2の強誘電体キャパシタの各強誘電体膜に第3のエネルギーを供給して読み出し動作を行なう第2のステップとを備え、上記第1のエネルギーと上記第2のエネルギーとは、上記第2の分極状態が上記第1の分極状態とは逆の極性になるように与えられる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の過程で行なった書き換え動作における電圧印加時間の影響を調べるための強誘電体キャパシタへの第1の電圧印加方法を示す図である。
図2は、本発明の過程で行なった書き換え動作における電圧印加時間の影響を調べるための強誘電体キャパシタへの第2の電圧印加方法を示す図である。
図3は、図1及び図2の書き換え電圧の印加方法によって生じる強誘電体キャパシタの分極状態の相違を比較するためのヒステリシス特性図である。
図4は、本発明の過程で行なった読み出し動作における印加電圧の影響を調べるための一方の強誘電体キャパシタへの電圧印加方法を示す図である。
図5は、本発明の過程で行なった読み出し動作における印加電圧の影響を調べるための他方の強誘電体キャパシタへの電圧印加方法を示す図である。
図6は、図4及び図5の読み出し電圧の印加方法によって生じる強誘電体キャパシタの分極状態を示すヒステリシス特性図である。
図7は、本発明の過程で行なった強誘電体メモリ装置の書き込み動作におけるHデータとLデータとの分極差の印加時間依存性を電圧をパラメータとして示す図である。
図8は、本発明の過程で行なった強誘電体メモリ装置の書き込み動作におけるHデータとLデータとの分極差の印加時間依存性を温度をパラメータとして示す図である。
図9は、本発明の第1の実施形態の強誘電体メモリ装置の主要部の構成を示す電気回路図である。
図10は、本発明の第1及び第2の実施形態の強誘電体メモリ装置の書き込み動作を示すタイミングチャートである。
図11は、本発明の第1の実施形態の強誘電体メモリ装置の読み出し動作を示すタイミングチャートである。
図12は、本発明の第1の実施形態の変形形態に係る強誘電体メモリ装置の読み出し動作を示すタイミングチャートである。
図13は、本発明の第2の実施形態の強誘電体メモリ装置の読み出し動作を示すタイミングチャートである。
図14は、本発明の第3の実施形態の強誘電体メモリ装置の書き込み及び読み出し動作時における強誘電体キャパシタの分極状態を示すヒステリシス特性図である。
図15(a),(b)は、それぞれ本発明の第4の実施形態の強誘電体メモリ装置の構成を概略的に示すブロック回路図及び内部電圧発生回路の構成例を示す電気回路図である。
図16は、本発明の第4の実施形態の強誘電体メモリ装置の内部電圧の温度依存性を示す図である。
図17(a),(b),(c)は、それぞれ本発明の第5の実施形態の強誘電体メモリ装置の構成を概略的に示すブロック回路図,内部電圧発生回路の構成例を示す電気回路図及びパルス信号発生回路の構成例を示す電気回路図である。
図18は、本発明の第5の実施形態の強誘電体メモリ装置の内部電圧の温度依存性を示す図である。
図19は、本発明の第5の実施形態の強誘電体メモリ装置のパルス信号から発生される信号のパルス幅の温度依存性を示す図である。
図21は、従来の公報に記載されている強誘電体メモリ装置中の2T2C型メモリセルの構造を示す電気回路図である。
図22(a),(b)は、従来の公報に記載されている強誘電体メモリ装置の読み出し,書き込み動作を示すタイミングチャート及び読み出し復旧動作を示すタイミングチャートである。
[最良の実施形態]
以下、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ装置を説明する前に、本発明の過程で多くの実験を行なった結果明らかになった強誘電体キャパシタの動作特性について説明する。
図1および図2は、強誘電体メモリ装置の書き込み動作において電圧印加時間の影響を調べるために行なった実験における強誘電体キャパシタへの書き換え電圧の印加方法を示す図である。図1及び図2において、横軸は時間を表し、縦軸は印加電圧の値を表している。
図1に示す印加方法では、時刻t11から時刻t12までリニアに増大する正の電圧を印加して、時刻t12で印加電圧が最大値V1に達すると、時刻t12からt13までリニアに減小する正の電圧を印加して時刻t13で印加電圧を0とする。この時刻t11からt13の間に強誘電体キャパシタにH書き込みを行なう。その後、時刻t14まで電圧を0にしたまま保持し、時刻t14から時刻t15まで絶対値がリニアに増大する負の電圧を印加して、時刻t15で印加電圧が最小値−V2に達すると、時刻t15からt16まで絶対値がリニアに減小する負の電圧を印加して、時刻t16で印加電圧を0とする。このとき、最小電圧−V2の絶対値は最大電圧V1の絶対値より小さくなっているとする。以上の時刻t14からt16の間に、強誘電体キャパシタにL書き込みを行なう。
図2に示す印加方法では、時刻t21から時刻t22までの間は、図1に示す時刻t11からt13におけると同様に変化する電圧を印加して、強誘電体キャパシタにH書き込みを行なう。その後、時刻t24まで電圧を0にしたまま保持し、時刻t24から時刻t25まで絶対値がリニアに増大する負の電圧を印加して、時刻t25で印加電圧が最小値−V2に達すると、時刻t25から時刻t26までの間印加電圧を−V2のままで保持する。その後、時刻t26からt27まで絶対値がリニアに減小する負の電圧を印加して、時刻t27で印加電圧を0とする。つまり、図2に示す電圧の印加方法は、L書き込み動作において負の電圧を一定時間の間保持する点が図1に示す電圧の印加方法と異なっている。
図3は、図1および図2に示す方法で電圧を強誘電体キャパシタに印加したときの強誘電体キャパシタのヒステリシス特性を示す図である。図3において、t11〜t16で示される点が強誘電体キャパシタに図1に示す方法で電圧を印加したときの分極状態を示す。図3からわかるように、強誘電体キャパシタに対して負方向に印加する電圧−V2の絶対値は、正方向の電圧V1の絶対値より小さく、強誘電体キャパシタの分極量がO以下でなく正方向の分極状態となる電圧が設定されている。また、時刻t13の点から時刻t14の点までの間は印加電圧が0であるために、強誘電体キャパシタの分極量の減少(リラクゼーション)が見られる。
次に、強誘電体キャパシタに図2に示す方法で電圧を印加した場合には、図3に示されるように、時刻t21からt25の間における強誘電体キャパシタの分極状態は、図1の時刻t11〜t15の間における分極状態と同じである。ところが、時刻t25から時刻t26までの間においては、強誘電体キャパシタに負方向の電圧−V2を一定時間の間印加しているので、図3に示される強誘電体キャパシタの分極状態が、時刻t25から時刻t26の間に印加電圧の方向(負の方向)に進行していることがわかる。つまり、強誘電体キャパシタの分極状態は、印加電圧の大きさだけでなく印加時間にも依存して変化することがわかる。つまり、印加電圧の大きさと時間とを総合的に考慮したもの、いわば書き込みエネルギーが分極の変化量と関係していることがわかる。具体的には、図3に示したようなヒステリシス特性曲線は、図1など示すある変化特性の電圧を印加したときに得られる分極状態を示しており、電圧の印加時間つまり印加電圧の周波数を変えると異なった分極状態を示す。したがって、実デバイスではその動作タイミングにあったヒステリシス特性でデバイスのタイミングを設定することが重要であることがわかる。
次に、強誘電体キャパシタの分極状態と誤読み出しとの関係について行なった実験について説明する。
図4および図5は、強誘電体メモリ装置の書き込み及び読み出し動作と誤読み出しとの関係を調べるために行なった実験における1対の強誘電体キャパシタに印加される電圧の印加方法を示す図である。図4及び図5において、横軸は時間を表し、縦軸は印加電圧の値を表している。図4は、1対の強誘電体キャパシタのうちの一方に、あるデータを書き込み,書き換え(データの反転),読み出す際に起こりうる電圧の印加状態を示し、高い電圧V1で最初のデータが書き込まれたときのセルプレート側の電圧の極性と書き換え及び読み出し動作におけるセルプレート線側電圧の極性とが逆になっている。一方、図5は、1対の強誘電体キャパシタのうちの他方における書き込み,書き換え(データの反転),読み出しのための電圧の印加状態を示し、絶対値が大きい電圧−V1で最初のデータが書き込まれたときのセルプレート側の電圧の極性と書き換え動作におけるセルプレート側電圧の極性とが逆で、最初のデータが書き込まれたときのセルプレート側電圧の極性と読み出し動作におけるセルプレート側電圧の極性とが一致している。
図4に示す書き込み,書き換え、読み出し動作においては、時刻t41から時刻t46までの間は、図1の時刻t11からt16までに示す方法で電圧を印加して、一方の強誘電体キャパシタにデータの書き込み,書き換えを行なったとする。次に、読み出し動作において、時刻t46から時刻t47までの間は印加電圧を0に保持し、時刻t47からt49までの間、絶対値がリニアに増大する負の電圧を印加する。そのとき、時刻t48では書き換え時の電圧と同じ電圧−V2が印加され、時刻t49では電圧−V1が印加されたとする。
このとき、図6に示すヒステリシス特性図では、時刻t41から変化して時刻t42を経た後時刻t43に示す分極状態になるように、一方の強誘電体キャパシタにHデータの書き込みが行なわれる。ただし、リラクゼーションにより、書き込みが行なわれた強誘電体キャパシタは、最終的には時刻t44における分極状態となっている。また、時刻t44から変化して時刻t45を経た後、点46に示す分極状態になるように、当該強誘電体キャパシタのデータ書き換え(Lデータ)が行なわれる。ただし、リラクゼーションにより、書き換えが行なわれた強誘電体キャパシタの分極状態は、最終的には時刻t47における状態となっている。このリラクゼーション現象は、強誘電体キャパシタへの印加電圧を低減する方向に変化させたときに(ここでは0)、多結晶体により構成されている強誘電体膜のドメインのうち、分極状態が変化しやすいものがもとの方向の分極方向に戻るためにおこると考えられる。次に、データの読み出し動作に相当する時刻t47からt48までの間において、この一方の強誘電体キャパシタの分極状態は、図6に示すように、時刻t48で時刻t45における分極状態とほぼ一致するように変化する。その後、例えば読み出し状態として強誘電体キャパシタに−V1の電圧が印加されるような動作をさせると、この一方の強誘電体キャパシタの分極状態は、時刻t48から時刻t49まで変化する。そして、この時刻t49に示す分極状態に相当する電圧がビット線に現れることで、データの読み出しが行なわれる。
一方、図5に示す書き込み,書き換え,読み出し動作においては、時刻t51から時刻t56までの間は、図4の時刻t41からt46までに示す方法とは逆極性の電圧を印加して、他方の強誘電体キャパシタにデータの書き込み,書き換えを行なったとする。次に、読み出し動作において、時刻t56から時刻t57までの間は、図4に示す方法と同じ極性の電圧を他方の強誘電体キャパシタに印加する。
このとき、図6に示すヒステリシス特性図では、時刻t51の点から変化して時刻t52の点を経た後時刻t53の点における分極状態になるように、一方の強誘電体キャパシタにLデータの書き込みが行なわれる。ただし、リラクゼーションにより、書き込みが行なわれた強誘電体キャパシタは、最終的には時刻t54の点における分極状態となっている。また、時刻t54の点から変化して時刻t55の点を経た後時刻t56の点における分極状態になるように、当該強誘電体キャパシタのデータ書き換え(Hデータ)が行なわれる。ただし、リラクゼーションにより、書き換えが行なわれた強誘電体キャパシタの分極状態は、最終的には時刻t57の点における状態となっている。
このとき、一方の強誘電体キャパシタの反転後の分極と他方の強誘電体キャパシタの反転後の分極量との間には、分極量Pnvだけの差が生じているが、この分極量Pnvは、本来反転されるべき分極とは逆極性になっているので、負の値となっている。
次に、データの読み出し動作に相当する時刻t57の点からt59の点までの間において、時刻t58の点では主として分極状態が変化しやすいものが負の分極方向に変化するため時刻t52の点から時刻t53の点までの間の変化曲線に近づくように動作する。次に、時刻t59では、時刻t52の点に近づくように動作する。そして、この時刻t59の点における分極状態に相当する電圧がビット線に現れることで、データの読み出しが行なわれる。
ところが、時刻t49,t59(実際には同じとき)の点における読み出しにおいては、L書き換えを行なったはずの強誘電体キャパシタにおける時刻t47の点から時刻t49の点までの分極の変化量と、H書き換えを行なったはずの強誘電体キャパシタにおける時刻t57の点から時刻t59の点までの分極の変化量とを比べると、L書き込みを行なったはずの強誘電体キャパシタの方が大きい。すなわち、強誘電体キャパシタから読み出される電荷量はL書き込みを行なったはずの強誘電体キャパシタの方が大きくなるので、この読み出しでは、読み出しデータが正しいデータとは逆になる。例えばデータ”1”と読むべきものをデータ”0”と誤読み出しを行なってしまうことになる。これは、分極差Pnvが負の値になっているからであって、分極差Pnvが正の値であれば、H書き換えデータとL書き換えデータの読み出し時における分極の変化量の大小関係の逆転は生じないことがわかる。
一方、時刻t48,t58の点においては、L書き換えを行なったはずの強誘電体キャパシタにおける時刻t47の点から時刻t48の点までの分極の変化量と、H書き換えを行なったはずの強誘電体キャパシタにおける時刻t57の点から時刻t58の点までの分極の変化量とを比べると、H書き込みを行なったはずの強誘電体キャパシタの方が大きいので、この読み出しでは正しくデータを読み出すことができる。
このことは、書き込み動作におけるエネルギーよりも小さなエネルギーで読み出すことにより誤読み出しが防止できることと、データ書き換えを分極状態が正負反転する条件で行なうことにより誤読み出しが防止できることとを示唆している。この2つの事項は、強誘電体メモリ装置の構成や駆動方法にとって、誤読み出しを防止するためには極めて重要なことである。
次に、本発明者らの実験で明らかになった強誘電体キャパシタの分極の書き込み,書き換えの際の印加電圧や温度に対する依存特性について説明する。
図7は、書き込み,書き換え動作時における電圧信号のパルス幅に対する分極差Pnvの変化について調べた結果を示す図である。強誘電体材料としては、ストロンチウム,ビスマス,チタン及びニオブからなるSBTと呼ばれる材料を用い、強誘電体膜の厚みは240nmである。また、実験は25℃の下で行なわれた。同図において、横軸は、強誘電体キャパシタの両電極間に印加されるパルス信号のパルス幅(時間)を示し、縦軸は分極差Pnvを示す。各変化曲線に添付した電圧値はパルス信号の電圧を示す。ここでの分極反転は、書き込み動作時には分極が十分飽和するまで高電圧かつ長時間の電圧を印加し、その後、同図に示す電圧値及びパルス幅を有する書き換え信号を供給することによりデータの書き換えを行なっている。そして、分極差Pnvは、図6に示すような書き換え後の極性が書き換え前の極性と変わらない場合を負の値とし、後述する図14に示すように、書き換え後の極性が書き換え前の極性と反転している場合を正の値としている。
図8は、図7と同様の実験を、パルス電圧を3Vに固定し、温度をパラメータとしてパルス幅に対する分極差Pnvの変化について調べた結果を示す図である。同図からわかるように、低温になるほど分極反転が生じにくいことがわかる。図7及び図8のデータから、低電圧,低温での分極反転(書き換え)には時間がかかることがわかる。強誘電体キャパシタ膜は、一般的には多結晶体であることが多く、その場合には多結晶体を構成するそれぞれのドメインにおいて分極しやすいものと分極しにくいものが存在する。そして、この多結晶体からなる強誘電体キャパシタに電圧を印加していくと、分極しやすいものから分極反転が開始され、これらの分極しやすいものの分極反転時に生成あるいは吸収される電荷量が小さいことにより、上述の法則でもって動作するようなヒステリシス特性が生じると考えられる。
ここで示されたパルス信号のパルス幅は先に示した書き込み時や読みだ支持のエネルギーと関係しているものである。
そこで、以下の実施形態においては、以上のような実験で得られた強誘電体キャパシタの特性を活かすことにより、動作の高速化,誤読み出しの防止などの目的を達成することができる具体的な強誘電体メモリ装置の構造や駆動方法について説明する。
(第1の実施形態)
図9は、本実施形態に係る2T2Cタイプの強誘電体メモリ装置の構成を示す電気回路図である。同図において、1はメモリセル(Memory Cell)を、2はビット線電圧制御回路(Bitline Voltage Control Circuit)を、3はセンスアンプ回路(Sense Amp. Circuit)をそれぞれ示している。また、BL,/BLはビット線(/BLは反転ビット線ともいう)を、SN,/SNはデータ蓄積ノードを、WLはワード線を、CPはセルプレート線を、BP2はビット線電圧制御信号線を、SAEはセンスアンプ制御信号線をそれぞれ示している。
メモリセル回路1において、メモリセルトランジスタ11,12のドレインはビット線BL,/BLに、ソースはデータ蓄積ノードSN,/SNに、ゲートはワード線W1にそれぞれ接続されている。そして、データ蓄積ノードSN,/SNとセルプレート線CPとの間には、それぞれ強誘電体膜を有するメモリセルキャパシタ13,14が介設されている。そして、一方のメモリセルキャパシタ113には、セルプレート側電極に論理電圧L(0V),ビット線側電極に論理電圧Hを印加して、図20の点Bにおける残留分極(Hデータ)を与える。また、他方のメモリセルキャパシタ14にはセルプレート側電極に論理電圧H,ビット線側電極に論理電圧L(0V)を印加して、図20の点Dにおける残留分極(Lデータとする)を与える。以上のような2つのメモリセルキャパシタ13,14の分極状態をデータ”1”として、その逆の分極状態をデータ”0”とする相補データを利用する構成となっている。
ビット線電圧制御回路2において、ビット線BL,/BLと接地の間にはそれぞれ電圧制御用のNMOSトランジスタ21,22が介設されており、ビット線電圧制御信号線BP2は、このNMOSトランジスタ21,22のゲートに接続されている。
センスアンプ回路3において、センスアンプ信号線SAEには、第1,第2インバータ31,32が直列に接続されている。そして、第1インバータ31の出力は駆動パルス印加用のPMOSトランジスタ34のゲートに接続されている。また、ビット線BL,/BL間には、差動増幅型センスアンプを構成する2つのPMOSトランジスタ35,36が設けられており、このPMOSトランジスタ35,36の共通ドレインにPMOSトランジスタ34のソースが接続され、PMOSトランジスタ34のドレインは電源電圧供給端子に接続されている。さらに、第2インバータ32の出力は、駆動パルス印加用のNMOSトランジスタ39のゲートに接続されている。ビット線BL,/BL間には、もう1つの差動増幅型センスアンプを構成する2つのNMOSトランジスタ37,38が設けられており、このNMOSトランジスタ37,38の共通ソースにNMOSトランジスタ39のドレインが接続され、NMOSトランジスタ39のソースは接地に接続されている。すなわち、センスアンプ信号線SAEの制御信号により、各MOSトランジスタ34,39を動作させて、2つの差動増幅型センスアンプに起動パルスを印加して、ビット線BL,/BL間の電圧差(データ)を増幅するようにしている。
図10及び図11は、本実施形態における強誘電体メモリ装置のデータ”1”の書き込みを読み出しの動作を示すタイミングチャートである。
図10に示すように、時刻t61で、ビット線BL及び反転ビット線/BLにそれぞれ論理電圧H(V3)及び論理電圧L(0V)を印加しておき、時刻t62でワード線WLの電圧を立ち上げてメモリセルトランジスタ11,12をオンにするとともに、セルプレート線CPに論理電圧H(V3)を印加する。このとき、メモリセルキャパシタ14のセルプレート側電極の電位がHになり、ビット線側電極の電位が0になることでLデータが書き込まれる(図20の点Dに示す分極状態)。次に、時刻t63で、セルプレート線CPに論理電圧L(0V)を印加する。このとき、メモリセルキャパシタ13のセルプレート側電極の単位が0になり、ビット線側電極の電位がHになることでHデータが書き込まれる(図20の点Bに示す分極状態)。次に、時刻t64でビット線BLに印加する電圧を0Vに立ち下げた後、時刻t65でワード線WLの電圧をOVに立ち下げてメモリセルトランジスタ11,12をオフにする。これにより、書き込み動作を終了する。
次に、図11に示すように、時刻t71でワード線WLの電圧を立ち上げてメモリセルトランジスタ11,12をオンにした後、時刻t72で、セルプレート線CPに電圧V4(V4<V3)を印加する。これにより、ビット線BL及び反転ビット線/BLには、それぞれメモリセルキャパシタ13,14の分極状態及び配線容量に応じた電圧が現れる。このとき、Hデータを記憶しているメモリセルキャパシタ13につながるビット線BLの電位は、Lデータを記憶しているメモリセルキャパシタ14につながる反転ビット線/BLの電位よりも高い。そして、時刻t73で、両者の電位差がセンスアンプSAEで論理電圧H(V4)と論理電圧L(0V)とに増幅されて、データ”1”として感知される。同時に、時刻t73からt74の間にLデータの再書き込みを行ない、その後、時刻t74でセルプレート線CPの電圧を0Vに落としてHデータの再書き込みを行なった後、時刻t75でビット線BLの電位をOVに、時刻t76でワード線WLの電位を0Vに落として、読み出し動作を終了する。
本実施形態に係る強誘電体メモリ装置の駆動方法によると、書き込み動作において、メモリセルキャパシタ13,14のいずれにおいても、セルプレート側電極とビット線側電極との間には電圧V3が印加されるが、読み出し動作時には、セルプレート側電極には電圧V3よりも低い電圧V4が印加される。実際に強誘電体キャパシタに印加される電圧は、ビット線容量(配線容量)とメモリセルキャパシタの容量との比で定まる電圧でるため、V4よりも低い電圧となる。また、書き込み時間(パルス幅)はLデータの書き込み時間がtWLでHデータの書き込み時間がtWHである。読み出し時間はtRで、各時間tWL、tWH、tRはほぼ同じ値である。すなわち、書き込みエネルギーが読み出しエネルギーよりも大きい状態で動作している。
したがって、本実施形態のような強誘電体メモリ装置の駆動方法、あるいはこのような駆動方法を行なうように設計された強誘電体メモリ装置では、書き込みは分極の飽和状態まで行なわなくても、図6の時刻t49,t59における読み出しのような誤読み出しを生じることなく、ある書き込みエネルギーで書き込んだ情報分のみを読み出すこととなり、正しい情報を読み出すことができる。そして、図6に示すような書き換え時における分極の反転が行なわれなかった場合でも、時刻t73からt75の間の再書き込みにおいて、本来のHデータとLデータとに相当する分極状態に近づくので、早ければ1回の読み出し,再書き込み動作により、遅くとも何回目かの読み出し,再書き込み動作により、正常な分極状態に戻ることができる。
−第1の実施形態の変形形態−
図12は、第2の実施形態の変形形態における強誘電体メモリ装置の読み出し方法を示すタイミングチャートである。
図12に示すように、時刻t81でワード線WLの電圧を立ち上げてメモリセルトランジスタ11,12をオンにした後、時刻t82で、セルプレート線CPに電圧V4(V4<V3)を印加する。これにより、ビット線BL及び反転ビット線/BLには、それぞれメモリセルキャパシタ13,14の分極状態及び配線容量に応じた電圧が現れる。その後、時刻t83でセルプレート線CPの電位を0Vに落とすと、ビット線BL及び反転ビット線/BLの電位は少しずつ低下するが、このときにも、Hデータを記憶しているメモリセルキャパシタ13につながるビット線BLの電位は、Lデータを記憶しているメモリセルキャパシタ14につながる反転ビット線/BLの電位よりも高い。そして、時刻t84で、両者の電位差がセンスアンプSAEで論理電圧Hと論理電圧L(0V)とに増幅されて、データ”1”として感知される。この時刻t82からt83までの時間tR(パルス幅)は、図10に示す時間tWLやtWHよりも短い。同時に、時刻t84からt85の間にHデータの再書き込みを行なった後、時刻t85でビット線BLの電位をOVに、時刻t86でワード線WLの電位を0Vに落として、読み出し動作を終了する。
本実施形態に係る強誘電体メモリ装置の駆動方法によると、書き込み動作において、メモリセルキャパシタ13,14のいずれにおいても、セルプレート側電極とビット線側電極との間には電圧V3が印加されるが、読み出し動作時には、セルプレート側電極には電圧V3よりも低い電圧V4が印加される。一方、読み出し時間はtRで、L,H書き込み時間tWL,tWHとはほぼ同じ値である。すなわち、書き込みエネルギーが読み出しエネルギーよりも大きい状態で動作しているので、第1の実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、ここでは書き込みパルスは1回の書き込みパルスで行なっているが、複数回の書き込みパルスに分けて電圧を印加することも可能であり、このときの書き込みエネルギーを決める書き込みパルス幅は、上記複数回の書き込みパルス幅を加算した値にほぼ等しくなる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、書き込み電圧と読み出し電圧は同じ電圧であって、書き込み時間と読み出し時間の差によって書き込みエネルギーと読み出しエネルギーの大きさを制御する駆動方法について説明する。
本実施形態においても、データの書き込み方法は、既に説明した図10のタイミングチャートに従うものとする。そして、図13は、本実施形態における読み出し動作を示すタイミングチャートである。
図13に示すように、時刻t91でワード線WLの電圧を論理電圧LからHに立ち上げてメモリセルトランジスタ11,12をオンにした後、時刻t92で、セルプレート線CPに電圧V3を印加する。これにより、ビット線BL及び反転ビット線/BLには、それぞれメモリセルキャパシタ13,14の分極状態及び配線容量に応じた電圧が現れる。このとき、Hデータを記憶しているメモリセルキャパシタ13につながるビット線BLの電位は、Lデータを記憶しているメモリセルキャパシタ14につながる反転ビット線/BLの電位よりも高い。そして、時刻t93で、両者の電位差がセンスアンプSAEで論理電圧Hと論理電圧L(0V)とに増幅されて、データ”1”として感知される。この時刻t92からt93までの時間tR(パルス幅)は、図10に示す時間tWLやtWHよりも短い。同時に、時刻t93からt94の間にLデータの再書き込み(復旧)を行ない、その後、時刻t94でセルプレート線CPの電圧を0Vに落としてHデータの再書き込みを行なった後、時刻t95でビット線BLの電位をOVに、時刻t96でワード線WLの電位を0Vに落として、読み出し動作を終了する。
本実施形態に係る強誘電体メモリ装置の駆動方法によると、書き込みおよび読み出し電圧はともにV3と変わらないが、読み出し時間が書き込み時間よりも短い。すなわち、読み出し時間はtRで、H,Lデータの書き込み時間tWL、tWHよりも短い時間である。したがって、第1の実施形態と同様に、書き込みエネルギーが読み出しエネルギーよりも大きい状態で動作している。
この状態の動作を行うように設計された強誘電体メモリ装置では、ある書き込みエネルギーで書き込んだ情報分のみを読み出すこととなり、正しい情報を読み出すことができる。特に、本実施形態の駆動方法の方が、第1の実施形態に比べて電圧を制御する回路を必要とせずパルス時間で制御できるため回路的に簡単である。
このとき、デバイスの仕様温度範囲で、後述の実施形態の方法により、温度とパルス幅の関係を強誘電体キャパシタの特性にあわせて設定することができる。具体的には、先に示した図8の特性を考慮して低温でパルス幅を長くするように設定することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、読み出しエネルギーの大きさ如何に拘わらず誤読み出しを生じることのない強誘電体メモリ装置について説明する。第1の実施形態や第2の実施形態のように書き込みエネルギーが読み出しエネルギーよりも大きい状態とすれば正常に動作することができるが、本実施形態では読み出しエネルギーが大きい場合でも正常に動作させる強誘電体メモリ装置とするものである。
図14は、本実施形態における強誘電体メモリ装置の書き込み(書き換え),読み出し方法による分極状態の変化を示すための強誘電体キャパシタのヒステシス特性図である。本実施形態においても、図4及び図5に示す書き込み,書き換え,読み出し動作が行なわれたものとし、図14に示す時刻t41〜t49及び時刻t51〜t59は図3及び図4に示す時刻に対応している。
図14において、Lデータに書き換えた後の状態が時刻t47の点の状態であり、Hデータに書き換えた後の状態が時刻t57の点の状態である。Lデータに相当する分極状態は原点Oより下の負の極性を有し、Hデータに相当する分極状態は原点Oより上の正の極性を有する。したがって、分極差Pnvは正の値である。このように、本実施形態における書き換え方法の特徴は、書き換え動作により分極反転した後のHデータとLデータとの分極状態の差Pnvが正の値となる電圧およびパルス幅で書き換え動作を行う点である。このような書き換え方法は、上述の図7または図8のデータより書き込み電圧及び書き込みパルス幅の関係から、分極差Pnvが正の値となるように設定することにより、確実に再現することができる。既に説明したように、図7および図8の分極差Pnvはリラクゼーション後のデータである。従来のように、図7,図8の特性がわかっていなかった状態では、強誘電体キャパシタの分極を未飽和状態のままにした書き換えを行ないながら図14のような正の分極差を確実に再現することは困難である。
その結果、本実施形態における時刻t49,t59の点における読み出しにおいては、L書き換えを行なった強誘電体キャパシタにおける時刻t47の点から時刻t49の点までの分極の変化量と、H書き換えを行なった強誘電体キャパシタにおける時刻t57の点から時刻t59の点までの分極の変化量とを比べると、H書き込みを行なったはずの強誘電体キャパシタの方が大きいので、この読み出しでは、読み出しデータが正しいデータに、一致する。ここでは、電圧V5で書き換えており、書き換え電圧はV5以上であればよい。
すなわち、本実施形態では、図7及び図8の特性を把握しておいて、分極反転後でリラクゼーション後のHの分極状態がLの分極状態よりも正の方向にある状態の書き込み動作とすることにより、強誘電体キャパシタの分極が未飽和状態である書き込み(書き換え)を行なっても、いかなる読み出し電圧および読み出しパルス幅(時間)でも正常に動作するという効果を発揮することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態においては、内部電圧発生回路により内部電圧の最適な設定により書き込みエネルギーの温度依存性を少なくした強誘電体メモリ装置について説明する。
図15(a)は、本実施形態に係る強誘電体メモリ装置の特徴部分の構成を示すブロック回路図である。図15(a)に示すように、本実施形態に係る強誘電体メモリ装置は、外部電圧VDDを入力とし、内部電圧VDDI1を発生する内部電圧発生回路50Aを備えている。そして、この内部電圧VDDI1が、図9に示すようなメモリセル1をアレイ状に配置したメモリセルアレイ60に入力され、この内部電圧VDDI1によりメイルセルキャパシタのデータの書き込み(書き換え)が行なわれる。
図16は、本実施形態で用いられる内部電圧VDDI1の温度依存特性の例を示す図である。同図に示すように、温度が低くなるにつれて高い内部電圧VDDI1を出力するように設計されている。その場合、書き込み(書き換えを含む)電圧の印加時間(パルス幅)は一定であることが前提である。このような設定は、図7及び図8に示すような分極差Pnvの温度依存性が把握されたことによって、初めて可能となったものである。
本実施形態の強誘電体メモリ装置によると、図15(a)に示す回路構成を採って低温で書き込み電圧を高くするように設定することにより、低温で書き換えにくくなるという強誘電体キャパシタの特性を補償するようになり、誤読み出しを生じないために充分な分極状態を生ぜしめる書き換えを広い温度範囲で実現できるようになる。すなわち、低温でも充分な書き込み動作が可能となり、書き込み特性の温度依存性が少なくなり、低温動作が可能となる。
図15(b)は、上記内部電圧発生回路50Aの構成の例を示す電気回路図である。同図に示すように、内部電圧発生回路50Aは、外部電圧VDDを入力して基準電圧VREFを発生する基準電圧発生回路51と、基準電圧発生回路51から発生される基準電圧VREFを受けて、この基準電圧VREFを増幅して内部電圧VDDI1を出力するカレントミラー増幅器52とにより構成することができる。ここで、基準電圧VREFは、基準電圧発生回路51内のPチャネル型MOSトランジスタのしきい値により決定されるので、基準電圧VREFに低温で高電圧になるような温度依存性をもたせることは容易である。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、内部電圧発生回路の電圧を電圧源としたパルス信号発生回路により書き込みエネルギーの温度依存性に起因する分極状態のばらつきを少なくした強誘電体メモリ装置について説明する。
図17(a)は、本実施形態に係る強誘電体メモリ装置の特徴部分の構成を示すブロック回路図である。図17(a)に示すように、本実施形態に係る強誘電体メモリ装置は、外部電圧VDDを入力とし、内部電圧VDDI2を発生する内部電圧発生回路50Bと、この内部電圧VDDI2を受けて、パルス信号Sを出力するパルス信号発生回路70とを備えている。
図18は、内部電圧発生回路50Bから出力される内部電圧VDDI2の温度依存特性の例を示す図である。また、図19は、パルス信号発生回路70から出力されるパルス信号Sのパルス幅Wsの温度依存性を示す図である。図18及び図19に示すように、内部電圧VDDI2は温度が低くなるにつれて低い電圧となるように設計されているので、パルス信号発生回路70から発生される信号Sのパルス信号幅(Ws)は低温になるほど長くなる。その結果、この信号Sを書き込み(書き換えを含む)パルス信号として用いることにより、書き込みエネルギーの温度依存性を補償して、所望の分極状態が得られる。このような設定は、図7及び図8に示すような分極差Pnvの温度依存性が把握されたことによって、初めて可能となったものである。
本実施形態によると、低温で書き込みパルス幅を長くすることにより低温で書き換えにくくなるという強誘電体キャパシタの特性を補償するようになり誤読み出しを生じないために充分な分極を生ぜしめる書き換えを広い温度範囲で実現できるようになる。具体的には、低温での書き込みパルス幅を強誘電体キャパシタの分極反転特性にあったように長くすることで、低温でも充分な分極状態となるような書き込み動作が可能となり、書き込み特性の温度依存性が少なくなり、低温動作を可能とするものである。
特に、本実施形態の構成の場合には、第4の実施形態に比べて強誘電体キャパシタに印加する電圧源を変えるのではなくパルス幅を制御するという制御方法であるため低消費電流化が可能である。
図17(b)は、上記内部電圧発生回路50Bの構成の例を示す電気回路図である。同図に示すように、内部電圧発生回路50Bは、外部電圧VDDを入力して基準電圧VREFを発生する基準電圧発生回路53と、基準電圧発生回路53から発生される基準電圧VREFを受けて、この基準電圧VREFを増幅して内部電圧VDDI2を出力するカレントミラー増幅器52とにより構成することができる。このカレントミラー増幅器52の構成は、例えば上記図15(b)に示すとおりである。ここで、基準電圧VREFは、基準電圧発生回路53内のNチャネル型MOSトランジスタのしきい値により決定されるので、基準電圧VREFに低温で低電圧になるような温度依存性をもたせることは容易である。
また、図17(c)は、上記パルス信号発生回路70の構成の例を示す電気回路図である。
なお、上記第4の実施形態と第5の実施形態を併用することも可能である。
本発明で開示した強誘電体キャパシタの動作特性を利用することによって、強誘電体キャパシタの分極減小であるリラクゼーションや、高電圧の印加や高温での保存による強誘電体キャパシタの分極の偏り現象であるインプリントの影響を考慮して安定して動作するデバイスを実現することができる。また、ここでは2T2C型メモリセル構成での実施形態として説明しているが1T1C型メモリセルを配置した強誘電体メモリ装置や、2T1C型メモリセルを配置した強誘電体メモリ装置にも応用できる。それらの場合にも、メモリセル中の強誘電体キャパシタの分極状態は、2T2C型メモリセル中の個々の強誘電体キャパシタの分極状態と基本的に異なることがないからである。
[産業上の利用分野]
本発明の強誘電体メモリ装置は、例えば各種電子機器に収納される半導体メモリ装置として使用でき、特に、不揮発性のRAMに適している。
Claims (11)
- 第1及び第2のビット線と、
セルプレート線と、
上記第1のビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する第1の強誘電体キャパシタと、
上記第2のビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する第2の強誘電体キャパシタと、
上記第1、第2のビット線と上記第1、第2の強誘電体キャパシタとの間にそれぞれ介設される第1、第2のメモリセルトランジスタと、
上記セルプレート線と上記第1、第2のビット線とを介して上記第1、第2の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に第1のエネルギー及び上記第1のエネルギーよりも小さい第2のエネルギーを供給する書き込み・書き換え制御手段とを備え、
上記書き込み・書き換え制御手段は、上記第1の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に対して、上記第1のエネルギーを供給して上記第1の強誘電体キャパシタの強誘電体膜を第1の分極状態に分極させてデータ反転書き込みを行い、上記第2のエネルギーを供給して上記第1の分極状態から逆極性の方向に変化した未飽和状態の第2の分極状態への書き換えを行い、且つ、上記第2の強誘電体キャパシタの強誘電体膜に対して、上記第1のエネルギーを供給して上記第2の強誘電体キャパシタの強誘電体膜を第3の分極状態に分極させてデータ反転書き込みを行い、上記第2のエネルギーを供給して上記第3の分極状態から逆極性の方向に変化した未飽和状態の第4の分極状態への書き換えを行うことを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - 請求項1の強誘電体メモリ装置において、
上記セルプレート線を介して上記第1、第2の強誘電体キャパシタの各強誘電体膜に上記第1のエネルギーよりも小さい第3のエネルギーを供給して分極状態の読み出しを行なう読み出し制御手段をさらに備えていることを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - 請求項1又は2の強誘電体メモリ装置において、
上記第1の分極状態と上記第3の分極状態とは、逆極性であることを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - ビット線と、
セルプレート線と、
上記ビット線と上記セルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタと、
上記ビット線と上記強誘電体キャパシタとの間に介設されるメモリセルトランジスタと、
上記セルプレート線とビット線との間に、上記強誘電体キャパシタの上記強誘電体膜を分極させるための第1のエネルギーを供給する書き込み制御回路とを備え、
上記書き込み制御回路は、温度変化に対して上記強誘電体膜にほぼ同じ分極状態を生ぜしめるように上記第1のエネルギーを制御することを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - 請求項4の強誘電体メモリ装置において、
上記強誘電体膜の分極状態を読み出すための第2のエネルギーを供給する読み出し制御手段をさらに備え、
上記第1のエネルギーよりも上記第2のエネルギーの方が小さいことを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - 請求項4又は5の強誘電体メモリ装置において、
上記書き込み制御回路は、温度が低いときほど高い電圧で書き込みを行なうよう制御することを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - 請求項4又は5の強誘電体メモリ装置において、
上記書き込み制御回路は、温度が低いほどパルス幅の大きい書き込み信号を供給するように構成されていることを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - 請求項7の強誘電体メモリ装置において、
上記書き込み制御回路は、
温度が低いほど低い電圧の内部電圧信号を発生する内部電圧発生回路と、
上記内部電圧発生回路で発生された内部電圧信号を受けて、内部電圧信号の電圧が低いほどパルス幅の大きいパルス信号を発生する回路と
により構成されていることを特徴とする強誘電体メモリ装置。 - ビット線とセルプレート線との間に介設され、強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタと、上記ビット線と上記強誘電体キャパシタとの間に介設されたメモリセルトランジスタとを有する強誘電体メモリ装置の駆動方法であって、
上記強誘電体キャパシタの強誘電体膜に、第1のエネルギーで第1の分極状態である反転データを書き込む第1のステップと、
上記強誘電体キャパシタの強誘電体膜に、第2のエネルギーで上記第1の分極状態から逆極性の方向に変化した未飽和状態の第2の分極状態に書き換える第2のステップとを備え、
上記第1のエネルギーよりも上記第2のエネルギーの方が小さいことを特徴とする強誘電体メモリ装置の駆動方法。 - 請求項9の強誘電体メモリ装置の駆動方法において、
上記第1のステップでは、所定のパルス幅を有する第1のパルス信号を供給し、
上記第2のステップでは、上記所定のパルス幅よりも小さいパルス幅を有する第2のパルス信号を供給することを特徴とする強誘電体メモリ装置の駆動方法。 - 請求項9の強誘電体メモリ装置の駆動方法において、
上記セルプレート線を介して上記強誘電体キャパシタの強誘電体膜に上記第2のエネルギーよりも小さい第3のエネルギーを供給して分極状態の読み出しを行なう第3のステップをさらに備えていることを特徴とする強誘電体メモリ装置の駆動方法。
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