JP3876599B2 - ドアロック装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両におけるドアを車体に対して施解錠するドアロック装置、とくに、ドアロック装置の不正操作を防止するためのものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の車両においては、ドアパネルにキーシリンダを取り付け、車外からのキーによるキーシリンダの操作でレバーを回動させて、ドア内部に設置されたラッチ機構と上記レバーとを連結するロッドを介してラッチ機構を駆動することにより、車体に対するドアの施錠が外されるように構成されているが、適当な工具等を使用して車外からキーシリンダそのものを強引に変位させ、上記ロッドを介してラッチ機構を駆動することにより、ドアを不正に解錠させうるおそれがあり、また、上記ロッドを内索及び外索からなるケーブルに代えた場合も、静止状態の外索に対して内索が長手方向に変位できるため、上記ロッドの場合と同様に車外からキーシリンダを強引に変位させて、内索によりラッチ機構を駆動することにより、ドアを不正に解錠させうるおそれがあった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、車両におけるドアロック装置を車外から不正に操作することを容易に防止できるようにしようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかるドアロック装置は、
車両のドアに本体が取り付けられ車外からのキー操作により下方へ回動するレバーが上記本体の内端部に設けられたキーシリンダ部材と、
上記キーシリンダ部材の下方で上記ドア内部に設置され車体側と係脱するラッチ部材と、
上記本体の下側に取り付けられた腕部と、
外索及び同外索内を挿通して上記外索と相対変位可能な内索からなり、下端部が上記ラッチ部材に連結されると共に、上記内索の上端部が上記レバーに連結され、かつ、上記外索の上端部が上記腕部に連結された可撓性の配索部材と、
上記本体の内端部を上方及び側方から囲むカバー部材と
を有している。
【０００５】
従って、適当な工具等を使用して車外からキーシリンダ部材を強引に下方へ変位させて、キーシリンダ部材の本体と共にキーシリンダ部材のレバーを下方へ変位させ、キーシリンダ部材のレバー及びラッチ部材間の距離が縮められても、下端部がラッチ部材に連結された可撓性の配索部材における内索の上端部がキーシリンダ部材のレバーに連結され、かつ、外索の上端部がキーシリンダ部材の本体下側に取り付けられた腕部に連結されているため、配索部材全体が撓むことにより内索及び外索間に相対変位が生じないので、ラッチ部材が解錠方向へ駆動されることがない。
また、キーシリンダ部材における本体の内端部がカバー部材によって上方及び側方から囲まれているため、ドアパネルとドアガラスとの間へ上方から無理に工具を差し込んで、キーシリンダ部材におけるレバーを下方へ回動変位させる等の不正操作を確実に阻止することができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施形態例について説明する。
キーシリンダ部材１は本体２及びレバー３を有し、本体２が車両のドアパネル４に取り付けられていると共に、本体２のキーシリンダ部５が車外からキー操作されることにより、レバー３が矢印Ａのように下方へ回動するように構成されている。
【０００７】
また、キーシリンダ部材１下方のドア内部に設置されたラッチ部材６は、本体７がドアに固定されている一方、レバー８が矢印Ｂのように下方へ回動することにより、車体側に対するドアの施錠が外されるようになっている。
【０００８】
さらに、キーシリンダ部材１及びラッチ部材６間に配置された配索部材９は、それぞれ可撓性のある外索１０と、外索１０内を挿通して外索１０と相対変位可能な内索１１とからなり、外索１０の上端部がキーシリンダ部材１の本体２に取り付けられた腕部２´に連結され、かつ、内索１１の上端部がキーシリンダ部材１のレバー３に連結されていると共に、外索１０の下端部がラッチ部材６の本体７に連結され、かつ、内索１１の下端部がラッチ部材６のレバー８に連結されている。
【０００９】
また、キーシリンダ部材１の本体２に取り付けられたカバー１２は、本体２の内端部を上方及び側方から完全に囲むと共に、昇降するドアガラス１３が干渉しないように配置されている。
【００１０】
すなわち、キーシリンダ部材１のキーシリンダ部５が車外からキー操作されることにより、レバー３が矢印Ａのように下方へ回動させられると、上下端部がそれぞれキーシリンダ部材１の本体２に取り付けられた腕部２´とラッチ部材６の本体７とに連結されて定置状態にある外索１０に対し、上端部がキーシリンダ部材１のレバー３に連結された内索１１が外索１０と相対的に下方へ変位するので、ラッチ部材６のレバー８に連結された内索１１の下端部がレバー８を矢印Ｂのように下方へ回動させて、車体側に対するドアの施錠を外すことができる。
【００１１】
他方、図に２点鎖線で示すように、適当な工具等を使用して車外から強引にキーシリンダ部材１を下方へ回動変位させることにより、車体側に対するドアの施錠を外そうとした場合、外索１０及び内索１１の各下端部がそれぞれ静止状態にあるラッチ部材６の本体７及びレバー８に連結されているので、キーシリンダ部材１の本体２に取り付けられた腕部２´と共にキーシリンダ部材１のレバー３も下方へ回動変位して、キーシリンダ部材１のレバー３及びラッチ部材６間の距離が縮められても、キーシリンダ部材１の本体２に取り付けられた腕部２´に上端部が連結されている可撓性の外索１０が屈曲すると同時に、キーシリンダ部材１のレバー３に上端部が連結されている可撓性の内索１１も同様に屈曲して、外索１０及び内索１１間にとくに相対変位が生じず、従って、ラッチ部材６のレバー８が内索１１によって押し下げられることはないため、車体側に対するドアの施錠は外れないまま保持されることとなる結果、キーシリンダ部材１の不正操作を容易に防止して、車両の盗難といった不具合を抑止することができる。
【００１２】
また、キーシリンダ部材１にカバー１２が取り付けられているため、ドアパネル４とドアガラス１３との間へ上方から無理に工具を差し込んで、キーシリンダ部材１のレバー３を不正に下方へ回動変位させる等の不正操作を確実に阻止することができるので、この面からも車両の盗難防止を図ることができる。
【００１３】
【発明の効果】
本発明にかかるドアロック装置においては、適当な工具等を使用して車外からキーシリンダ部材を強引に下方へ変位させても、下端部がラッチ部材に連結された配索部材における内索の上端部がレバーに連結され、かつ、外索の上端部がキーシリンダ部材の本体に取り付けられた腕部に連結されているため、配索部材全体が撓むことにより内索及び外索間に相対変位が生じないので、ラッチ部材が解錠方向へ駆動されることはなく、従って、キーシリンダ部材の不正操作を容易に防止することができる。
また、キーシリンダ部材における本体の内端部がカバー部材によって上方及び側方から囲まれているため、ドアパネルとドアガラスとの間へ上方から無理に工具を差し込んで、キーシリンダ部材におけるレバーを下方へ回動変位させる等の不正操作を確実に阻止することができるので、車両の盗難防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態例における要部の正面図
【図２】上記実施形態例における要部の側面図
【符号の説明】
１ キーシリンダ部材
２ 本体
３ レバー
４ ドアパネル
６ ラッチ部材
７ 本体
８ レバー
９ 配索部材
１０ 外索
１１ 内索
１２ カバー

Claims (2)

1. 車両のドアに本体が取り付けられ車外からのキー操作により下方へ回動するレバーが上記本体の内端部に設けられたキーシリンダ部材と、
   上記キーシリンダ部材の下方で上記ドア内部に設置され車体側と係脱するラッチ部材と、
   上記本体の下側に取り付けられた腕部と、
   外索及び同外索内を挿通して上記外索と相対変位可能な内索からなり、下端部が上記ラッチ部材に連結されると共に、上記内索の上端部が上記レバーに連結され、かつ、上記外索の上端部が上記腕部に連結された可撓性の配索部材と、
   上記本体の内端部を上方及び側方から囲むカバー部材と
   を有するドアロック装置。
2. 請求項１において、上記レバーが下方へ回動することにより、上記車体側に対する上記ドアの施錠が外されるドアロック装置。

Images