JP3876029B2 - コンベヤ用落荷回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベヤ用落荷回収装置に関するものである。より詳しくは、コンベヤからこぼれ落ちた荷を支障なくかき集めさせ得るようにしたコンベヤ用落荷回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ベルトコンベヤでバラ物などの荷を搬送する場合、ベルトコンベヤの下部にベルトコンベヤの搬送方向へ往復移動可能にスクレーパを設けて、ベルトコンベヤからこぼれ落ちた荷をスクレーパなどでかき集めさせるようにすることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したようにスクレーパでベルトコンベヤからこぼれ落ちた荷をかき集めさせるようにした場合、以下のような問題があった。
【0004】
即ち、ベルトコンベヤが一方向にのみ荷を搬送するものであれば、単なるスクレーパでもこぼれ落ちた荷を支障なくかき集めさせることが可能であるが、ベルトコンベヤが往復両方向に荷を搬送するものだと、単にスクレーパを往復方向へ動かすようにするだけでは対応できない。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑み、ベルトコンベヤが往復両方向に荷を搬送するものである場合でもコンベヤからこぼれ落ちた荷を支障なくかき集めさせ得るようにしたコンベヤ用落荷回収装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、往復両方向へ荷2を搬送し得るようにしたコンベア1の下部に、コンベア1の長手方向に沿って往復移動可能に走行台車10を取付け、走行台車10の走行方向の両面に上下揺動自在にスクレーパ12,13の中間部を取付け、両スクレーパ12,13の上部間を連結ロッド14で連結すると共に、少くとも一方のスクレーパ12の上部に、走行台車10を移動させるための駆動用索17,18を固着し、コンベア1のどちらか一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ12,13を用いてこぼれた荷2をかき集めた走行台車10が、反対側へ戻される時に、反対側のスクレーパ13,12を接地しないように持上げるためのストッパ25,26を設け、走行台車10が、コンベア1の一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ12,13を用いてこぼれた荷2をかき集める場合と、コンベア1の他方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ13,12を用いてこぼれた荷2をかき集める場合とで、ストッパ25,26を切換えるためのストッパ切換装置36を設けたことを特徴とするコンベヤ用落荷回収装置にかかるものである。
【0008】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0009】
コンベア1を、正回転又は逆回転させることにより、往復方向のどちらへでも荷2を搬送させられるようにする。
【0010】
そして、コンベア1から荷2がこぼれ落ちた場合、走行台車10をコンベア1による荷2の送り方向へ移動させることにより、走行台車10の走行方向前面に取付けたスクレーパ12,13で、コンベア1からこぼれた荷2をかき集めさせるようにする。
【0011】
そして、コンベア1の一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ12,13を用いてこぼれた荷2をかき集めた走行台車10が、反対側へ戻される時には、反対側のスクレーパ13,12を、ストッパ25,26を用いて接地しないように持上げされることにより、こぼれ落ちた荷2を不用意にかき集め反対側へ運んでしまうことをなくさせるようにする。
【0012】
この際、両スクレーパ12,13の中間部を走行台車10の走行方向の両面に上下揺動自在に取付けて、両スクレーパ12,13上部間を連結ロッド14で連結させ、一方のスクレーパ12の上部に固着した駆動用索17,18で、走行台車10を移動させるようにしても良い。
【0013】
このようにすることにより、駆動用索17,18で引張った側のスクレーパ12,13が接地し、反対側のスクレーパ13,12が持上げられることになる。
【0014】
しかし、戻り動作の時に、対応するスクレーパ13,12が接地されていると、こぼれ落ちた荷2を不用意にかき集めて反対側へ運んでしまうこととなるので、ストッパ25,26を設けて、コンベア1のどちらか一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ12,13を用いてこぼれた荷2をかき集めた走行台車10が、反対側へ戻される時に、反対側のスクレーパ13,12を接地しないように持上げさせるようにし、走行台車10が、コンベア1の一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ12,13を用いてこぼれた荷2をかき集める場合と、コンベア1の他方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ13,12を用いてこぼれた荷2をかき集める場合とで、ストッパ切換装置36でストッパ25,26を切換えさせるようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0016】
図1〜図4は、本発明の実施の形態の一例である。
【0017】
図中、1は往復両方向へ荷2を搬送し得るようにしたコンベア、3はコンベア1へ荷2を供給するための荷供給装置、4はコンベア1が設置される床面、5,6は床面4におけるコンベア1の両端位置に設けられたシュートである。
【0018】
そして、本発明では、床面4におけるコンベア1の下側の位置に落荷回収装置7を設ける。
【0019】
該落荷回収装置7は、図1に示すように、コンベア1の真下に、こぼれ落ちた荷2を受けるための樋状をした落荷回収板8を設け、落荷回収板8の両端にコンベア1の長手方向に延びる走行レール9を設け、該走行レール9にコンベア1の長手方向へ往復移動自在に走行台車10を取付け、走行台車10の走行方向の両面に水平な枢支ピン11を用いて上下揺動自在にスクレーパ12,13の中間部を取付け、両スクレーパ12,13の上部間を連結ロッド14で連結すると共に、一方のスクレーパ12の上部に、ウインチなどの駆動装置15,16に巻取られたワイヤロープなどの駆動用索17,18を固縛する。
【0020】
尚、図1では、図面の便宜上、走行台車10のローラ19が落荷回収板8と同じ高さに設けられた走行レール9の上に乗せられているよう描かれているが、実際には、走行レール9は落荷回収板8よりも一段高い位置に設けられ、且つ、走行台車10のローラ19は、台車本体20の上側に取付けられて、走行台車10が走行レール9に懸垂支持される形となる。
【0021】
又、図1では、ウインチなどの駆動装置15,16は、往復動用に各一台設けられて、それぞれに巻取られたワイヤロープなどの駆動用索17,18を一方のスクレーパ12の上部に固縛させるように描かれているが、一方を空転されるドラムとして一台の駆動装置15,16に巻取られたワイヤロープなどの駆動用索17,18の先端部を一方のスクレーパ12の上部に直接固縛させると共に、後端部を空転されるドラムに掛け回した後、一方のスクレーパ12の上部に固縛させるようにするなどしても良い。尚、図中、21はワイヤロープなどの駆動用索17,18に取付けられたターンバックルなどの張力調節機構である。
【0022】
そして、図2・図3に示すように、走行台車10の移動方向中央部に幅方向へ延びる操作軸22を軸受23を介して支持し、操作軸22の中間部にブラケット24の中間部を固着して、ブラケット24の両端部に先端が各スクレーパ12,13へ向けて延びる対のストッパ25,26の後端をそれぞれ、先端が台車本体20の前後の面に対して突出収納可能となるように枢着すると共に、操作軸22の両端部にブラケット24の傾き方向を選択するための可動側ストライカ27,28を固着し、可動側ストライカ27,28と走行台車10との間に、可動側ストライカ27,28の傾きを安定させるためのスプリングなどの弾性体29を介装する。
【0023】
更に、コンベア1の両端部下部に、走行台車10の前進時の停止位置を検出するための前進用リミットスイッチ30,31を設けると共に、走行台車10の後進時の停止位置を検出する後進用リミットスイッチ32,33を設け、同じ側に設けられた前進用リミットスイッチ30,31と後進用リミットスイッチ32,33の間の位置にストッパ25,26の傾きを切換えるための固定側ストライカ34,35を設けて、ストッパ切換装置36を構成する。
【0024】
次に、作動について説明する。
【0025】
荷供給装置3を用いてコンベア1の中央部へ荷2を供給し、コンベア1の搬送面を図1中右方向か左方向へ動かすことにより、いずれか一方のシュート5,6へ荷2を落下させるようにする。
【0026】
この際、コンベア1から荷2がこぼれ落ちる場合があるので、こぼれ落ちた荷2をかき集めて、対応するシュート5,6へ落下させる必要が生じる。
【0027】
そこで、本発明では、コンベア1の下部へ落荷回収装置7を設け、以下のようにして、こぼれ落ちた荷2をかき集めさせるようにする。
【0028】
先ず、落荷回収装置7の台車本体20を、図中右側のシュート5へ向けて移動させる時は主として右側のウインチなどの駆動装置15を用い、反対に、図中左側のシュート6へ向けて移動させる時は主として左側のウインチなどの駆動装置16を用いるようにする。
【0029】
そして、右側のシュート5へかき集めた荷2を落下させる時は前進用リミットスイッチ30で、又、左側のシュート6へ向けて台車本体20を戻す時は後進用リミットスイッチ32でその停止位置を検出させるようにする。反対に、左側のシュート6へかき集めて荷2を落下させる時は前進用リミットスイッチ31で、又、右側のシュート5へ向けて台車本体20を戻す時は後進用リミットスイッチ33でその停止位置を検出させるようにする。
【0030】
そして、コンベア1からこぼれ落ちた荷2をかき集めて図1中右側のシュート5へ落下させる場合、上記したように落荷回収装置7の台車本体20は、右側に設けられたウインチなどの駆動装置15に巻取られたワイヤロープなどの駆動用索17によって右側のスクレーパ12の上部を右側へ引張られて走行レール9上を進むことになるので、右側のスクレーパ12は、図2に実線で示すように、中間部の枢支ピン11を中心として下部が時計回りに回動し、落荷回収板8の底面に接触された状態となる。
【0031】
この時、同時に、左側のスクレーパ13は、連結ロッド14を介して上部を図中右側へ引張られることとなるので、図2に実線で示すように、中間部の枢支ピン11を中心として下部が時計回りに回動し、落荷回収板8の底面から離れた状態となる。
【0032】
これにより、右側のスクレーパ12によって、こぼれ落ちた荷2をかき集めて図1中右側のシュート5へ支障なく落下させることが可能となる。
【0033】
このようにして、コンベア1からこぼれ落ちた荷2をかき集めて図1中右側のシュート5へ落下させる場合、上記したように落荷回収装置7の台車本体20は、図中右側の前進用リミットスイッチ30と図中左側の後進用リミットスイッチ32の範囲を移動されることとなるので、かき集めた荷2を右側のシュート5へ落下させた台車本体20が図中右側の前進用リミットスイッチ30で停止される時に、前進用リミットスイッチ30の手前の位置に設けられた固定側ストライカ34に台車本体20に取付けた可動側ストライカ27が当り、可動側ストライカ27が、図2に示すように、左側に倒されることとなる。
【0034】
可動側ストライカ27が左側に倒されると、可動側ストライカ27に、操作軸22、ブラケット24を介して取付けられた右側のストッパ25は、先端が台車本体20から突出しない状態となり、反対に、左側のストッパ26は、先端が台車本体20から突出した状態となる。
【0035】
すると、右側のシュート5へ荷2を落下させた台車本体20を、その後、左側のウインチなどの駆動装置16を用いて左側のシュート6へ向けて引戻す時に、左側のスクレーパ13が駆動装置16の駆動用索18に引張られて、中間部の枢支ピン11を中心として下部が反時計回りに回動されても、図2に仮想線で示すように、先端が台車本体20から突出された左側のストッパ26によって停止されて、落荷回収板8の底面に接触されるのが防止される。
【0036】
これにより、台車本体20を左側へ戻す時に、左側のスクレーパ13が落荷回収板8にこぼれ落ちた荷2を不用意にかき集めて反対側へ運んでしまうことがなくなり、支障なく、台車本体20を引き戻させることが可能となる。
【0037】
反対に、コンベア1からこぼれ落ちた荷2をかき集めて図1中左側のシュート6へ落下させる場合、上記したように落荷回収装置7の台車本体20は、左側に設けられたウインチなどの駆動装置16に巻取られたワイヤロープなどの駆動用索18によって右側のスクレーパ12の上部を左側へ引張られて走行レール9上を進むことになるので、スクレーパ12は、図4に仮想線で示すように、中間部の枢支ピン11を中心として下部が反時計回りに回動し、落荷回収板8の底面から大きく離れた状態となる。
【0038】
これにより、左側のスクレーパ13は、連結ロッド14を介して上部を図中左側へ引張られることとなるので、図4に仮想線で示すように、中間部の枢支ピン11を中心として下部が反時計回りに回動し、落荷回収板8の底面に接触された状態となる。
【0039】
これにより、左側のスクレーパ13によって、こぼれ落ちた荷2をかき集めて図1中左側のシュート6へ支障なく落下させることが可能となる。
【0040】
このようにして、コンベア1からこぼれ落ちた荷2をかき集めて図1中左側のシュート6へ落下させる場合、上記したように落荷回収装置7の台車本体20は、図中左側の前進用リミットスイッチ31と図中右側の後進用リミットスイッチ33の範囲を移動されることとなるので、かき集めた荷2を左側のシュート6へ落下させた台車本体20が図中左側の前進用リミットスイッチ31で停止される時に、前進用リミットスイッチ31の手前の位置に設けられた固定側ストライカ35に台車本体20に取付けた可動側ストライカ28が当り、可動側ストライカ28が、図4に示すように、右側に倒されることとなる。
【0041】
可動側ストライカ28が右側に倒されると、可動側ストライカ28に、操作軸22、ブラケット24を介して取付けられた左側のストッパ26は、先端が台車本体20から突出しない状態となり、反対に、右側のストッパ25は、先端が台車本体20から突出した状態となる。
【0042】
すると、左側のシュート6へ荷2を落下させた台車本体20を、その後、右側のウインチなどの駆動装置15を用いて右側のシュート5へ向けて引戻す時に、右側のスクレーパ12が駆動装置15の駆動用索17に引張られて、中間部の枢支ピン11を中心として下部が時計回りに回動されても、図2に実線で示すように、先端が台車本体20から突出された右側のストッパ25によって停止されて、落荷回収板8の底面に接触されるのが防止される。
【0043】
これにより、台車本体20を右側へ戻す時に、右側のスクレーパ12が落荷回収板8にこぼれ落ちた荷2を不用意にかき集めて反対側へ運んでしまうことがなくなり、支障なく、台車本体20を引き戻させることが可能となる。
【0044】
このように、本発明によれば、往復両方向に対して荷2を搬送するコンベヤ1に対しても、コンベヤ1からこぼれ落ちた荷2を支障なくかき集めさせることができるようになる。
【0045】
尚、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンベヤ用落荷回収装置によれば、コンベヤ1からこぼれた荷2を支障なくかき集めさせることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の全体概略側面図である。
【図2】図1の走行台車本体の拡大した側方断面図である。
【図3】図2のIII−III矢視図である。
【図4】本発明の作動を示す図2と同様の側方断面図である。
【符号の説明】
1 コンベア
2 荷
10 走行台車
12,13 スクレーパ
14 連結ロッド
17,18 駆動用索
25,26 ストッパ
36 ストッパ切換装置
Claims (1)
- 往復両方向へ荷(2)を搬送し得るようにしたコンベア(1)の下部に、コンベア(1)の長手方向に沿って往復移動可能に走行台車(10)を取付け、走行台車(10)の走行方向の両面に上下揺動自在にスクレーパ(12)(13)の中間部を取付け、両スクレーパ(12)(13)の上部間を連結ロッド(14)で連結すると共に、少くとも一方のスクレーパ(12)の上部に、走行台車(10)を移動させるための駆動用索(17)(18)を固着し、コンベア(1)のどちらか一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ(12)(13)を用いてこぼれた荷(2)をかき集めた走行台車(10)が、反対側へ戻される時に、反対側のスクレーパ(13)(12)を接地しないように持上げるためのストッパ(25)(26)を設け、走行台車(10)が、コンベア(1)の一方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ(12)(13)を用いてこぼれた荷(2)をかき集める場合と、コンベア(1)の他方の端部の側へ進みながら対応する側のスクレーパ(13)(12)を用いてこぼれた荷(2)をかき集める場合とで、ストッパ(25)(26)を切換えるためのストッパ切換装置(36)を設けたことを特徴とするコンベヤ用落荷回収装置。
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Country Status (1)
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