JP3820205B2 - 粉粒体の回収搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体搬送用コンベアの下方に設けられた受け面上にこぼれ落ちた粉粒体を回収し搬送するための粉粒体の回収搬送装置(スラッジコンベアともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば鋳物工場には、粒体たる鋳物砂の供給及び回収用のベルトコンベアが設置されている。ベルトコンベアの運転時にベルト上から砂がこぼれ落ちることは避けがたく、こぼれ砂を回収するためのスラッジコンベアをベルトコンベアの下側に併設する事例も多い。従来のスラッジコンベアは、駆動及び従動スプロケット間に左右一対のチェーンをエンドレスに張設すると共に、それら一対のチェーン間に架設されて進行方向に対しほぼ垂直な掻き板(スクレーパ)を、チェーンに沿って等間隔に複数個配列して構成されている(例えば、特許文献1参照)。そして、ベルトコンベアの下側に位置する受け面上をチェーン駆動される複数の掻き板で掻くことにより、その受け面上にこぼれ落ちた鋳物砂を所定方向に掻き寄せて回収している。
【0003】
【特許文献1】
実公平3−38178号公報(第1図及び第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスラッジコンベアにはいくつかの欠点があった。例えば、スラッジコンベアの設置長に応じてチェーンの長さを決める必要があるが、それに応じて掻き板の取付数も変える必要があり、設置環境に応じた装置の設計変更にかなりの手間と時間を要した。また、チェーン駆動であることから、ベルトコンベアの下側に十分な設置高(具体的には700mm以上の高さ)を確保する必要があった。加えて、装置の構造が複雑で製作コストが高く、設置のための工期も長期間(例えば4週間)を要していた。更には、スプロケット、チェーン、掻き板等の構成部品の摩耗が早く、頻繁に部品交換を行う必要があり、保守管理に多額の費用を要していた。
【0005】
本発明の目的は、設置環境に応じた設計変更に対応し易く、比較的狭い設置スペースに対しても安価に且つ短い工期で設置が可能であり、ランニングコストを含めた保守管理が容易な粉粒体の回収搬送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、粉粒体搬送用コンベアの下方に設けられた受け面上にこぼれ落ちた粉粒体を回収し搬送するための装置であって、フレームを備えると共に前記受け面に沿って往復動可能な走行体と、前記走行体のフレームの下側に蝶番を介して取り付けられることにより、前記蝶番の軸によって構成されるところの前記受け面の幅方向に延びる回動軸線を中心として前記走行体のフレームに対し回動可能に支持された、前記受け面の幅方向に延びる掻き板と、前記走行体をワイヤを介して往復動させるためのワイヤ駆動機構とを備え、前記走行体のフレームには、切替えレバーがその略中心部において前記掻き板の回動軸線と共通の回動軸線を中心として揺動可能に支持されており、前記切替えレバーはその上端側において前記ワイヤに作動連結されると共に、その下端側において前記掻き板と一体化されることにより、前記掻き板は前記ワイヤと作動連結されており、前記走行体を掻き寄せ方向に往動させる場合の前記ワイヤの同掻き寄せ方向への移動に応答して、前記掻き板が、前記受け面にほぼ接触して受け面上の粉粒体を掻き寄せ可能な作用位置に配置され、他方、前記走行体を前記掻き寄せ方向と反対の方向である戻り方向に復動させる場合の前記ワイヤの戻り方向への移動に応答して、前記掻き板が、前記受け面から離れて受け面上の粉粒体を掻き寄せ不能な非作用位置に切替え配置されることを特徴とする粉粒体の回収搬送装置である。
【0007】
この回収搬送装置によれば、ワイヤ駆動機構によりワイヤを介して走行体が、受け面に沿って所定の掻き寄せ方向に又は前記所定の掻き寄せ方向と反対方向に往復移動される。例えば、走行体が掻き寄せ方向に往動される場合、ワイヤの同方向への移動に応答して走行体の掻き板が作用位置に配置されると共に、粉粒体搬送用コンベアから受け面上にこぼれ落ちた粉粒体が、往動する走行体の掻き板により掻き寄せ回収されながら受け面の一方の端部に向けて搬送される。当該受け面の一方の端部又はその近傍に搬出部(例えば搬出シュートやホッパー)を設けておけば、掻き寄せ回収された粉粒体をその搬出部に送り込むことができる。他方、走行体が前記掻き寄せ方向と反対方向(即ち戻り方向)に復動される場合、ワイヤの同方向への移動に応答して走行体の掻き板が非作用位置に切替え配置されると共に、掻き板による粉粒体の回収を行うことなく走行体が往動開始位置に戻される。このように、ワイヤ及び走行体の移動方向に応じて掻き板が作用位置又は非作用位置に切替えられ、受け面上にこぼれ落ちた粉粒体が当該受け面の一方の端部に向けて選択的に搬送される。また、この構成によれば、掻き板及び回動軸線は受け面の幅方向に延びており、掻き板はその回動軸線を中心として前後方向(受け面の長手方向)に回動可能となっている。このため、前記作用位置に配置されるとき、掻き板は前記受け面に対してほぼ直立した姿勢をとることで受け面にほぼ接触することができる。他方、前記非作用位置に配置されるとき、掻き板は受け面に対して平行に近い姿勢をとることで受け面から離れることができる。更に、この構成によれば、ワイヤ駆動機構によるワイヤの移動方向制御に応じて当該ワイヤに作動連結された切替えレバーの揺動が制御され、それに伴って切替えレバーに一体化された掻き板の配置切替えが行われる。つまり、ワイヤ駆動機構によりワイヤを所定方向に移動させることにより、掻き板の配置切替えと走行体への動力伝達とを一度に達成することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の粉粒体の回収搬送装置において、前記掻き板が前記作用位置に配置されることで、前記蝶番(27)を構成する二つの可動片(27b,27c)が前記蝶番の軸(27a)を中心として180度の最大拡開状態となり、それ以上拡開不能となったときに、前記掻き板が前記走行体のフレームの真下に配置されると共に前記受け面に対して直立した姿勢をとるように前記蝶番が利用されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、図6に示すように、上側の可動片(27b)が走行体のフレーム(21)に固定されている場合、下側の可動片(27c)及びそれに固着された掻き板(28)は、矢印A方向への回動が許容されて二点鎖線で示すような姿勢をとることができる。その一方で、二つの可動片(27b,27c)の最大拡開状態を超える回動を規制するという蝶番(27)の構造的制約により、下側の可動片(27c)及び掻き板(28)は矢印B方向に回動することができない。
【0012】
(付記)以下に本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件を列挙する。
付記1.請求項1及び2に記載の回収搬送装置は、前記受け面の長手方向に延設された左右一対のガイドレールを更に備えており、前記走行体の左右両側部には前記一対のガイドレールに対応する一対のホイールが設けられていること。この構成によれば、ガイドレールと走行体のガイドローラとの対応関係に基づき、走行体が受け面の長手方向に沿って往復動可能となる。そして、ワイヤ駆動機構によるワイヤの移動に応じて走行体が移動される。
【0013】
付記2.請求項1及び2並びに付記1に記載の回収搬送装置において、前記ワイヤ駆動機構は、前記受け面の長手方向両端部のうちの一端側に配設されたモータ駆動される駆動ローラと、他端側に配設されたリターンローラとを少なくとも具備しており、前記ワイヤは、駆動ローラ及びリターンローラ間に無端状に架け渡されていること。この構成によれば、受け面の長手方向両端に分かれて位置する駆動ローラ及びリターンローラによりワイヤ駆動機構の主要部が構成されるため、駆動系の簡素化が図られ、狭い設置スペースに対しても回収搬送装置の設置が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、砂搬送用ベルトコンベアに併設された砂の回収搬送装置の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、右下がりに傾斜した砂搬送用ベルトコンベアBCの下側には、その長手方向に沿って基台10が延設されている。この基台10の上面(天井面)は前記ベルトコンベアBCとほぼ平行とされ、その結果右下がりに傾斜している。そして、基台10の右端部近傍には、こぼれ砂の搬出部又は搬出領域としての搬出シュート(又はホッパー)11が設置されている。
【0016】
図4に示すように、基台10上には樋状のシュート12(図1及び図2では図示略)が設置され、その樋状シュート12の底壁には、ベルトコンベアBCとほぼ平行に延びる受け板13が設けられている。受け板13の表面(上面)は、ベルトコンベアBCからのこぼれ砂を受け止める受け面13aを構成する。受け面13aとベルトコンベアBCとの間隔は、例えば30〜40cmに設定されている。更に図2及び図4に示すように、樋状シュート12の左右側壁の各々の内側には、左右一対のガイドレール14,14が樋状シュート12の長手方向に沿って設けられている。左右のガイドレール14,14間には、走行体20が両ガイドレールに沿って往復動可能に支持されている。
【0017】
図3及び図4に示すように、走行体20は、樋状シュート12の幅方向に延びる主フレーム材21と、その主フレーム材の左右両側に固設された左右一対のサイドフレーム材22,22と、主フレーム材とサイドフレーム材とを斜めに連結する4つの補強フレーム材23とを備え、これらの金属製フレーム材21,22及び23によって走行体20のフレーム(即ち主骨格)が構成されている。
【0018】
各サイドフレーム材22の前部及び後部付近には、正面「コ」字状のブラケット24を介してホイール25が回転可能に装着されている。各ホイール25の外周部にはガイドレール14と噛み合う溝が形成されており、走行体の前後左右に都合4つ設けられたホイール25により、走行体20がガイドレール14に沿って往復動可能に支持されている。
【0019】
尚、各サイドフレーム22には、ホイール25の上方にあって前記ベルトコンベアBCからこぼれ落ちた砂がホイール25やガイドレール14に直接降りかかるのを防止するための砂よけ板26が1つ又は複数装着されている(図3では一方のサイドフレーム22につき、大小3つの砂よけ板26が装着されている)。各サイドフレーム22の前後に位置する砂よけ板26は、後述するリミットスイッチと係合可能な係合部としても機能する。
【0020】
図3、図4及び図6に示すように、主フレーム材21の下側には、複数の蝶番27(本例では4つ)を介して掻き板28が回動可能に取り付けられている。掻き板28は、主フレーム材21に沿って(即ち受け面13aの幅方向に)延びる横長の板材であり、例えば硬質樹脂(例えばニューライト)で作られている。主フレーム材21と掻き板28とを連結する複数の蝶番27は、走行体20の幅方向に沿って一列に配列され、各蝶番27の軸27aにより共通の回動軸線が構成されている。
【0021】
尚、図6に実線で示すように、蝶番27を構成する二つの可動片27b,27cが軸27aを中心として180度の最大拡開状態となったときに、掻き板28が主フレーム材21の真下に配置されると共に受け面13aに対して直立した姿勢をとるように蝶番27が利用されている。このため、上側の可動片27bが主フレーム材21に固定されている場合、下側の可動片27c及びそれに固着された掻き板28は、矢印A方向への回動が許容されて二点鎖線で示すような姿勢をとることができる。しかしその一方で、二つの可動片27b,27cの最大拡開状態を超える回動を規制するという蝶番27の構造的制約により、下側の可動片27c及び掻き板28は矢印B方向に回動することができない。
【0022】
更に図3、図4並びに図5(A)及び(B)に示すように、主フレーム材21の中央部で蝶番27が取り付けられている側と同じ側には、平面「コ」字状の取付け金具29が固着されている。この取付け金具29には、側面から見てクランク状に折れ曲がった形をした切替えレバー30が支軸31を中心として前後方向に揺動可能に支持されている。この支軸31の回動軸線は、前記複数の蝶番の軸27aにより構成される回動軸線と一致(共通)している。切替えレバー30の下端部は、ネジやボルト等の締結具を用いて前記掻き板28の中央部分に締結されている。つまり掻き板28は切替えレバー30の下端部と一体化されている。他方、切替えレバー30の上端部は、連結ピン32を介してワイヤ連結具35に対し回動自在に連結されている。
【0023】
図3及び図4に示すように、ワイヤ連結具35は平面長方形状をなすと共に、その中央に平面長方形状の開口部35aが貫設されている。この開口部35a内には切替えレバー30の上端部が挿入配置され、そのレバー上端部は、幅方向に延びる連結ピン32によりワイヤ連結具35に連結されている。ワイヤ連結具35の前端部及び後端部にはそれぞれワイヤWの両端部が連結されている。ワイヤ連結具35を介在させてワイヤWの両端部を連結することにより、当該ワイヤWは、実質的にエンドレス(無端状)となっている。
【0024】
図1及び図2に示すように、ワイヤWを介して走行体20をガイドレール14に沿って往復動させるためのワイヤ駆動機構は、基台10の一端側(図1及び図2では左側)に配設された駆動部40と、基台10の他端側(両図では右側)に配設されたリターンローラ37とから構成されている。
【0025】
図7に示すように、ワイヤ駆動機構の駆動部40は、減速機構付き駆動モータ41と、その駆動モータ41により正逆両方向に回転可能な駆動ローラ42と、補助ローラ43と、テンションローラ44とを備えている。走行体20のワイヤ連結具35の一端部から延びるワイヤWは、駆動ローラ42に数回巻回された後、補助ローラ43及びテンションローラ44を経由してリターンローラ37に向かって延び、リターンローラ37を経由してワイヤ連結具35の他端部に戻されている。このように、ワイヤ連結具35を介して走行体20に連結されたワイヤWは、駆動部40とリターンローラ37との間で無端状に架け渡されている。更に駆動部40は、テンションローラ44を所定方向に付勢するバネ45を具備しており、そのバネ力の設定に基づきワイヤWの張力が調整されている。
【0026】
尚、図2に示すように、一方のガイドレール14に隣接した位置であってワイヤ駆動機構の駆動部40及びリターンローラ37のそれぞれの近傍には、走行体20の接近又は到着を検知するためのリミットスイッチS1,S2が設けられている。これらのリミットスイッチS1,S2は、ワイヤ駆動機構の制御装置(図示略)と電気的に接続されており、リミットスイッチS1,S2からの検知信号は走行体20の走行制御に利用される。ちなみに上記制御装置は、駆動モータ41の回転をシーケンス制御することにより、所定時間間隔(例えば20分間隔)ごとに走行体20を受け板13に沿って一往復させるというような走行制御を行う。
【0027】
次に、本実施形態の砂の回収搬送装置の作用を説明する。回収搬送装置の非作動時、走行体20は、例えば図2に示すように駆動部40近傍の待機位置に停止している。この待機位置では、例えば走行体20の後側隅の砂よけ板26の一つがリミットスイッチS1に係合する。
【0028】
予め定められた走行開始予定時間になると、制御装置により駆動モータ41の正方向回転が開始され、ワイヤWが掻き寄せ方向に走行を開始する。するとワイヤWによってワイヤ連結具35も掻き寄せ方向に引っ張られ(図5(A)参照)、支軸31を中心として切替えレバー30が反時計方向に回動される。これに伴って、掻き板28が図5(A)に実線で示す作用位置に切替え配置される。作用位置に配置された掻き板28は、受け面13aに対してほぼ直立した姿勢をとると共に、掻き板28の下端縁が受け面13aに密接し、受け面13a上に散らばったこぼれ砂を掻き寄せ回収可能な状態となる。
【0029】
掻き板28が図5(A)に実線で示す作用位置に配置されると、掻き板28を支持する蝶番27が最大拡開状態となり、それ以上拡開不能となる。こうして切替えレバー30の反時計方向への回動が規制されると、ワイヤWがワイヤ連結具35を引っ張ろうとする力が走行体20に直接伝達されることになり、ワイヤWに引っ張られることで走行体20が掻き寄せ方向に走行を開始する。走行体20が駆動部40からリターンローラ37に向かって走行するに従い、受け面13aと接触する掻き板28によって受け面13a上のこぼれ砂が掻き集められ、搬出シュート11に向けて搬送される。
【0030】
走行体20がリターンローラ37の近くにまで達すると、掻き板28によって掻き集められた砂は、受け面13aの一端に開口した搬出シュート11内に送り込まれ、搬出シュート11を経由して再回収される。走行体20の掻き板28が搬出シュート11に差しかかるか又は通過した時点で、走行体20の前側隅の砂よけ板26の一つがリミットスイッチS2に係合する。リミットスイッチS2からの検知信号により、走行体20がリターンローラ37の手前にまで到達したことを検知した制御装置は、駆動モータ41の正方向回転を停止した後、駆動モータ41を逆方向回転させる。すると、ワイヤWは、掻き寄せ方向から戻り方向(掻き寄せ方向と反対の方向)に走行方向を逆転させる。
【0031】
ワイヤWが戻り方向に走行を開始すると、図5(B)に示すように、ワイヤWによってワイヤ連結具35も戻り方向に引っ張られ、支軸31を中心として切替えレバー30が時計方向に回動される。これに伴って、掻き板28が図5(B)に実線で示す非作用位置に切替え配置される。非作用位置に配置された掻き板28は、受け面13aに対して平行に近い姿勢をとると共に、掻き板28の下端縁が受け面13aから離れて、受け面13a上のこぼれ砂を掻き寄せ回収不能な状態となる。
【0032】
切替えレバー30が支軸31を中心として前記作用位置(図5(A)参照)から非作用位置(図5(B)参照)に切替え回動される過程で、連結ピン32は円弧状の軌跡を描くと共に受け面13aからの高さを変化させる。連結ピン32の高さが変化する際にはワイヤ連結具35の姿勢及び高さも微妙に変化するため、駆動部40とリターンローラ37とを最短経路で結んでいるワイヤWは、ワイヤ連結具35の姿勢及び高さの変化に応じて一時的に折れ曲がる格好となる。ただし、切替えレバー30が図5(A)の状態から図5(B)の状態への移行を完了することで、連結ピン32の高さ並びにワイヤ連結具35の姿勢及び高さが元の状態に戻るため、切替えレバー30が図5(B)の非作用位置に切り替わった時点で、駆動部40とリターンローラ37とを結ぶワイヤWは最短経路に沿った状態を回復する。それ以後更にワイヤWを戻り方向に引っ張っても、切替えレバー30が時計方向に更に回動することはなく、ワイヤWの張力と走行体20の慣性との均衡に基づき、切替えレバー30は図5(B)に実線で示す姿勢にほぼ保たれる。その後は、ワイヤWがワイヤ連結具35を引っ張ろうとする力は走行体20に直接伝達されることになり、ワイヤWに引っ張られることで走行体20が戻り方向に走行を開始する。
【0033】
走行体20がリターンローラ37から駆動部40に向かって走行しても、掻き板28が受け面13aから離れているため、受け面13a上のこぼれ砂が掻き集められることはない。走行体20が駆動部40の近くに達すると、走行体20の後側隅の砂よけ板26の一つがリミットスイッチS1に係合する。リミットスイッチS1からの検知信号により、走行体20が駆動部40の直近位置(即ち待機位置)にまで到達したことを検知した制御装置は、駆動モータ41の逆方向回転を停止し、走行体20を待機位置に停止させる。そして、走行体20の掻き板28は、次に駆動モータ41の正方向回転が開始されるまでの間、非作用位置に配置されたままとなる。
【0034】
(効果)本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、走行体20をワイヤWにより駆動すると共に、走行体20に装着される掻き板28をワイヤWの走行方向に応じて作用位置と非作用位置との間で切替え配置可能としたことにより、従来のチェーン駆動方式のスラッジコンベアに比べて構造を大幅に簡素化することができた。また、回収搬送装置の構造の簡素化により、設置環境に応じた設計変更に対応し易くなると共に、従来のスラッジコンベアに比べて設置コストを大幅に低減することが可能となる。更には設置のための工期も大幅に短縮することができた(本実施形態の回収搬送装置の工期は約3日間)。
【0035】
本実施形態の回収搬送装置によれば、ベルトコンベアBCの下側に例えば30〜40cm程度の設置高を確保できれば容易に設置できるため、狭い設置環境にも柔軟に対応することができる。また、ワイヤ駆動としたことで、装置のランニングコストを含めた保守管理が従来よりも容易となった。例えばランニングコストに関わる消費電力について、こぼれ砂の搬送能力が同程度の場合、チェーン駆動方式のスラッジコンベアでは1.5kWhであったのに対し、本実施形態の回収搬送装置では0.75kWhとほぼ半分で済んだ。
【0036】
更に本実施形態では、切替え配置可能な掻き板28を具備した走行体20により、受け面13a上にこぼれ落ちた砂の全てが、当該受け板13の一方の端部に設けられた搬出シュート11に選択的に搬送される。つまり、受け板13の両端部のそれぞれに搬出部又は搬出領域を設ける必要がなくなった。
【0037】
(変更例)本発明の実施形態を以下のように変更してもよい。
上記実施形態では、搬出シュート11をリターンローラ37の近傍に設置したが、搬出シュート11の設置個所は駆動部40の近傍としてもよい。但し、その場合には、走行体20の向き(頭尾)を反転させ、リターンローラ37から搬出シュート11に向かう方向を掻き寄せ方向とする必要がある。
【0038】
(用語の定義)本明細書において「ワイヤ」とは、所定の張力を付与した状態で走行体を引っ張ることが可能な線状材および繰り返し単位の線状連結体を意味するものであり、狭義のワイヤに限定されず、縄、ロープ、強靱なテープの類をも含む概念である。同様に「ワイヤ駆動機構」とは、前述のような線状材および繰り返し単位の線状連結体を所定方向に駆動又は走行させるための機構を意味するものである。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の粉粒体の回収搬送装置によれば、切替え配置可能な掻き板を少なくとも一つ具備した走行体をワイヤを介して駆動する構成としたので、従来のチェーン駆動方式のスラッジコンベアに比べて構造が簡素である。このため、設置環境に応じた設計変更に対応し易く、比較的狭い設置スペースに対しても安価に且つ短い工期で設置が可能であり、ランニングコストを含めた保守管理が容易となる。
【0040】
また本発明によれば、切替え配置可能な掻き板を具備した走行体により、受け面上にこぼれ落ちた粉粒体が当該受け面の一方の端部に向けて選択的に搬送される。このため、搬出シュートやホッパー等の搬出部を前記受け面の一方の端部又はその近傍にのみ設けておけば良く、受け面の両端部にそれぞれ搬出部を設ける必要がなく、狭い設置スペースへの設置が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルトコンベア及び本発明の回収搬送装置の概要を示す側面図。
【図2】回収搬送装置の概要を示す平面図。
【図3】回収搬送装置を構成する走行体の平面図。
【図4】回収搬送装置を構成する走行体の正面図。
【図5】(A)及び(B)は、走行体の側面方向から見た切替えレバー及び掻き板の作動状況を説明するための概略図。
【図6】走行体の側面方向から見た掻き板の取付け状況を示す概略図。
【図7】回収搬送装置を構成するワイヤ駆動機構の駆動部を示す平面図。
【符号の説明】
13…受け板、13a…受け面、14…ガイドレール、20…走行体、21,22及び23…走行体のフレームを構成するフレーム材、25…走行体のホイール、28…掻き板、30…切替えレバー、37…リターンローラ、40…駆動部(37,40はワイヤ駆動機構を構成する)、BC…砂搬送用ベルトコンベア、W…ワイヤ。
Claims (2)
- 粉粒体搬送用コンベアの下方に設けられた受け面上にこぼれ落ちた粉粒体を回収し搬送するための装置であって、
フレームを備えると共に前記受け面に沿って往復動可能な走行体と、
前記走行体のフレームの下側に蝶番を介して取り付けられることにより、前記蝶番の軸によって構成されるところの前記受け面の幅方向に延びる回動軸線を中心として前記走行体のフレームに対し回動可能に支持された、前記受け面の幅方向に延びる掻き板と、
前記走行体をワイヤを介して往復動させるためのワイヤ駆動機構とを備え、
前記走行体のフレームには、切替えレバーがその略中心部において前記掻き板の回動軸線と共通の回動軸線を中心として揺動可能に支持されており、前記切替えレバーはその上端側において前記ワイヤに作動連結されると共に、その下端側において前記掻き板と一体化されることにより、前記掻き板は前記ワイヤと作動連結されており、
前記走行体を掻き寄せ方向に往動させる場合の前記ワイヤの同掻き寄せ方向への移動に応答して、前記掻き板が、前記受け面にほぼ接触して受け面上の粉粒体を掻き寄せ可能な作用位置に配置され、他方、前記走行体を前記掻き寄せ方向と反対の方向である戻り方向に復動させる場合の前記ワイヤの戻り方向への移動に応答して、前記掻き板が、前記受け面から離れて受け面上の粉粒体を掻き寄せ不能な非作用位置に切替え配置されることを特徴とする粉粒体の回収搬送装置。 - 前記掻き板が前記作用位置に配置されることで、前記蝶番(27)を構成する二つの可動片(27b,27c)が前記蝶番の軸(27a)を中心として180度の最大拡開状態となり、それ以上拡開不能となったときに、前記掻き板が前記走行体のフレームの真下に配置されると共に前記受け面に対して直立した姿勢をとるように前記蝶番が利用されていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の回収搬送装置。
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