JP3875440B2 - 超薄肉容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤や化粧品等の液状物や粉体(以下、これらを単に内容物という。)を充填・保持する容器、とくに、詰め替え用の内容物を充填するのに好適な容器に関し、かかる容器を運搬する際の効率化、容器内に内容物を充填する際の作業効率の改善、使用後における容器の廃棄性の改善を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源やゴミ量の削減等を図る観点から、別売されているポンプ付きの容器をそのまま継続して使用することを前提に、内容物のみを詰め替える容器が多数用いられるようになってきている。
【0003】
かかる詰め替え容器としては、袋状の容器やアルミなどの薄いシートを複数枚重ね合わせて成形したパウチ容器あるいは特定の空間形状を有するボトル型の容器等があり、これまでに様々なタイプの容器が提案されている。
【0004】
上記の詰め替え容器のうちでも、とくに、ボトル型の容器は、高い自立性を有するため、連続ラインにおいて容器内に内容物を充填する場合、個々の容器をラインに沿って整列されるのが比較的容器であることから、自立性のほとんどない袋状の容器やパウチ容器に比較して効率的な充填を行うことが可能で、生産性を著しく向上させることができる利点がある。
【0005】
ところで、このような高い自立性を有する容器は、内部に内容物を充填する充填空間が固定化されたものであるため、かさばり、容器の製造段階から容器内に内容物を充填する段階に至るまでの流通過程で容器の効率的な運搬ができず、そのためのコストが嵩むとともに、内容物を詰め替えたのちの廃棄に際しても容器をコンパクトにして廃棄することができないところに問題を残していた。
【0006】
この点に関しては、容器自体の肉厚を薄くすることによって対処することはできるが、容器の保形性や自立性が極端に低くなるため、とくに、容器本体を把持して注ぎ口の開閉を行う場合に内容物が漏洩してしまうおそれがあり、その改善が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、容器を効率的に搬送するとともに、内容物の充填に際しての作業効率の簡便化、容器の使用後における廃棄性の改善、さらには、容器の注ぎ口の開閉に際して内容物の不用意な漏洩を回避できる新規な容器を提案するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、容器本体内に通じる注出口を有し、内容物の充填前における容器本体の充填空間そのものの縮減を可能とした、超薄肉素材からなる容器であって、前記容器は、注出口の付け根部に嵌合してその肩部近傍域において容器本体を取り囲むとともに、該容器本体の充填空間の縮減により該容器本体をその内部に収納可能とするスカート状のカバーを備え、
前記カバーに、注出口の付け根部の外径よりも小さい内径になる嵌合用の開口を設け、この開口の周りに、切り欠によって形成した複数の切り欠舌片を配設してなり、
該カバーの下端部には、該カバーを周方向に間隔をおいて切り欠き、カバー内に収納した容器本体の収納姿勢を保持するストッパー機能を備えた複数の切り欠舌片を設けたことを特徴とする超薄肉容器である。
【0010】
超薄肉素材の使用量は0.004〜0.025g / mlとするのが好ましく、素材としては例えば、高密度ポリエチレン、ポリエチエンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、あるいはポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を使用することができる。なお、本発明に適用し得る材料としては、ブロー成型に適した熱可塑性の材料であれば上記したものに限定されるものではない。
【0011】
本発明において対象とする超薄肉容器とは、具体的に、一般にボトル型の容器を整形する際に使用される素材(樹脂)の使用量0.08g / ml(600mlの容量で約50g 程度の樹脂を使用)に対して、その使用量が0.04〜0.025g / ml程度になるものをいう。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発英をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う超薄肉容器の構成を示したものであって、図における番号1は内容物の充填空間を有し、該充填空間そのものの縮減を可能とした、超薄肉素材からなる容器本体、2は容器本体1内に通じる注出口、3は注出口2の付け根部の外径Dよりも小さい内径になる嵌合用の開口dを有するスカート状のカバーであって、このカバー3は注出口2の付け根部に嵌合してその肩部近傍域において容器本体1を取り囲むようになっていて、開口dの周りには、切り欠3aによって形成した複数の切り欠舌片3bを有している。
【0013】
また、4はカバー3の下端部で該カバー3を切り欠いて形成し周方向に配列した切り欠舌片であり、この切り欠舌片4は屈曲線4aを起点にしてカバー3の内側に屈曲させ、カバー3内に収容した容器本体1の収容姿勢を保持するストッパー機能を有する。
【0014】
上記のような構成になる容器においては、容器を開封して液状物を取り出す際に、図2に示すようにカバー3を把持することにより、容器本体1には余計な力がかからないので、内容物が不用意に漏洩するようなことはない。
【0015】
容器内に内容物を充填する前の搬送においては、図3に示すように、容器本体1を潰して充填空間を縮減しカバー3内に収容することによってコンパクトにできるので、一定の搬送ボックスにより多くの容器を詰め込むことができる。
【0016】
容器をコンパクトにまとめた状態でカバー3の切り欠舌片4を内側に屈曲させることにより、切り欠舌片4がストッパーとして機能するため、容器本体1がカバー3から簡単に露出することがなく搬送過程での容器本体1の破損を回避することが可能になる。
【0017】
容器本体1をカバー3に収納した状態の外観を図4に、カバー3のみの外観を図5にそれぞれ示す。
【0018】
容器本体1に内容物を充填するには、注出口2を通して容器本体1内に圧縮空気などを吹き込み図6に示すように容器本体1を膨らませ、その後に充填ノズル等を使用して充填する。
【0019】
カバー3に設けたストッパー機能を有する切り欠舌片4は、圧縮空気の吹き込みに際してもとの位置に容易に復帰することができるものであるのがよく、このような容器は、図6に示す如く、容器本体内への圧縮空気等の吹き込みだけで内容物の充填を行う状態にできるので充填作業を簡便に行い得る。
使用ずみの容器は、上掲図3に示した如く、容器本体1の充填空間を縮減させてカバー3内に収納することによりコンパクトにできるので廃棄に際してかさばるようなことはない。
【0020】
容器本体1は、射出成形等によって成形したプリフォームを例えば2軸延伸ブロー成形法に従って製造することができる。
【0021】
カバー3については、ある程度の保形性を保つことができる程度の厚さを有する樹脂性のシートを圧空成形等によって製造することができる。
カバー3の成形に際しては、注出口2の付け根部に嵌合する開口dは該注出口2の付け根部の外径Dよりも小さくしておく必要があり、これによって、カバー3を容器本体1に確実に保持できる。
【0022】
本発明においては、開口dの周りに切り欠によって形成した切り欠舌片3aを設けたが、これによって開口dの径が注出口2の外径より小さくても比較的容易に嵌合させることができる。
【0023】
カバー3を容器本体1に装着するには、容器本体1をその径方向に潰した状態にしてそれを開口dに通して装着すればよい。
【0024】
カバー3は、シート状の素材を用いて作製できるので、シート状態で予め印刷等(加飾)をおこなっておくことにより、商品の表示ラベルとしての機能をもたせることができるので、バラエティーに富む容器の製造が可能になる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、内容物の充填前においては、容器をコンパクトにまとめておくこができるので、容器の運搬効率を改善することが可能であり、また、内容物の充填ラインに効率よく配列できるので充填作業の簡便化を図ることができる。さらに、カバーを把持することにより容器本体に余計な力がかからないので容器から内容物を取り出す際に不用意な漏洩がないうえ、容器の使用後においては小さくできるので廃棄性も極めて優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う超薄肉容器の構成を示した図である。
【図2】本発明に従う超薄肉容器から内容物を取り出している状態を示した図である。
【図3】容器本体を縮減した状態を示した図である。
【図4】容器本体をカバーに収納した状態の外観を示した図である。
【図5】カバーの外観を示した図である。
【図6】本発明に従う超薄肉容器に圧縮空気を吹き込んだ状態を示した図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 注出口
3 カバー
3a 切り欠
3b 切り欠舌片
4 切り欠舌片
4a 屈曲線
D 付け根部の外径
d 開口

Claims (3)

  1. 容器本体内に通じる注出口を有し、内容物の充填前における容器本体の充填空間そのものの縮減を可能とした、超薄肉素材からなる容器であって、
    前記容器は、注出口の付け根部に嵌合して少なくともその肩部近傍域において容器本体を取り囲むとともに、該容器本体の充填空間の縮減により該容器本体をその内部に収納可能とするスカート状のカバーを備え、
    前記カバーに、注出口の付け根部の外径よりも小さい内径になる嵌合用の開口を設け、この開口の周りに、切り欠によって形成した複数の切り欠舌片を配設してなり、
    該カバーの下端部には、該カバーを周方向に間隔をおいて切り欠き、カバー内に収納した容器本体の収納姿勢を保持するストッパー機能を備えた複数の切り欠舌片を設けたことを特徴とする超薄肉容器。
  2. 容器を構成する超薄肉素材の使用量が 0.004 0.025g / ml である請求項1記載の超薄肉容器。
  3. 容器は、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートあるいは、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなるものである、請求項1又は2に記載の超薄肉容器。
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