JP3875177B2 - 絞り装置及びそれを備えたビデオカメラ、デジタルスチルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、省電力機能を備えた絞り装置、及び、この絞り装置を備えたビデオカメラ、デジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等に使用されている絞り機構の一つであるガルバノ式アイリスメータの絞りは、絞り機構に電力を全く投入しないときに絞りが閉じるように、機械的なばねや、磁気を利用したばねによって付勢されている。この絞りを開放するためには、絞りを付勢しているばね力に打ち勝つ力を絞りに加える必要がある。一般的には、これらの絞り機構は駆動コイルを有し、このコイルに電流を流すことによって絞りに電磁力を付与して、絞りを開放している。従って、駆動コイルが消費する電力は、最も大きな電磁力を必要とする絞りの開放時に最大で、絞りを閉鎖したときにゼロになる。特許文献1には、アイリスメータを使用した画像撮影装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−84463号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、絞りを全開にするための電流を駆動コイルに流すのに必要とされる電圧は、常に一定であるとは限らない。即ち、駆動コイルを構成する銅線には抵抗温度係数があり、駆動コイルの直流電気抵抗値が温度によって変化するからである。従って、温度が高いほど駆動コイルの直流抵抗値は高くなり、駆動コイルに所要の電流を流すために必要な電圧も高くなる。
【0005】
図4は従来の絞り機構を開閉するための回路の一例を示し、図5はこの絞り機構を作動させたときの絞りの開度と、駆動コイルに印加される電圧の関係を示すグラフである。図4の入力端子102に信号を加えない場合には、絞り機構駆動用オペアンプ104から駆動コイル106に出力電流が流れず、絞りはばねの付勢によって閉じたままになる。絞りを開くには、入力端子102に絞りの開度に応じた電圧信号を加える。入力端子102に信号が加えられると、この信号がオペアンプ104によって増幅され、駆動コイル106に電流が流れ、マグネット108に電磁力を作用させる。絞りは、この電磁力と、絞りを付勢するばね力が釣り合った位置で停止する。絞りを全開にするときには、入力端子102に十分に大きな電圧信号を加えて、駆動コイル106に十分な電流を流し、大きな電磁力を得る。
【0006】
図5の実線は絞りの開度を示すグラフであり、破線はオペアンプ104の出力電圧を示すグラフである。入力端子102に信号を加えると、オペアンプ104の出力電圧が上昇し、それに従って、絞りは次第に開放されていく。オペアンプ104の出力電圧はその後、一旦、極大値を持った後、次第に減少する。次いで、出力電圧は、絞りが全開になった時点で急激に上昇し、オペアンプ104に加えられている電源電圧Vccとほぼ同じ電圧で一定値に落ち着く。オペアンプ104に加える電源電圧Vccは、温度上昇により駆動コイル106の電気抵抗値が高くなった場合にも十分な電流を駆動コイル106に流し、十分な駆動力を得ることができるように、高い電圧が選択されている。図5の例では、絞りを全開にするために必要とされる最大の電圧である極大値の電圧1.25Vに対して、電源電圧Vccは2.34Vに設定されている。即ち、それらの電圧の差である1.09Vが過剰に供給されていることになる。従って、絞り装置を常温で使用する場合には、駆動コイル106に過剰な電流を流していることになる。これにより、絞り装置は無駄な電力を消費してしまうので、絞り装置が組み込まれたビデオカメラ等のバッテリーの持続時間が短くなるという問題がある。
【0007】
従って、本発明は、無駄な消費電力を少なくすることができる絞り装置、及びそれを使用したビデオカメラ、デジタルスチルカメラを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の絞り装置は、駆動コイルに電流を流すことにより、閉鎖されるように付勢されている絞り羽根を付勢力に抗して開度調節する絞り機構と、この絞り機構を駆動するための電圧を供給する可変電源回路と、絞り羽根の開度に応じた電圧を駆動コイルに印加し、絞り羽根の全開時においては、可変電源回路の供給電圧とほぼ等しい電圧を駆動コイルに印加して、駆動コイルに電流を流す絞り駆動回路と、駆動コイルの温度を検出する温度センサと、常温時に絞り機構を閉じた状態から全開の状態まで作動させ、その間に駆動コイルに印加された最大の電圧である常温時印加電圧を記憶した演算器と、を有し、演算器は、温度センサによって検出された温度及び常温時印加電圧に基づいて、絞り羽根の全開時において常温時とほぼ等しい電流が常に駆動コイルに流れるように可変電源回路の出力電圧を決定することにより無駄な電力の消費を防止することを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明においては、演算器が、温度センサによって検出された温度及び常温時印加電圧に基づいて可変電源回路の出力電圧を決定し、常温時印加電圧は、常温時に絞り機構を閉じた状態から全開の状態まで作動させ、その間に駆動コイルに印加された最大の電圧として演算器に記憶されている。絞り羽根の全開時においては、この演算器によって決定された可変電源回路の出力電圧とほぼ等しい電圧が、絞り駆動回路から駆動コイルに印加される。可変電源回路の出力電圧をこのように決定することにより、絞り羽根の全開時において駆動コイルに流れる電流は、常に常温時とほぼ等しくなるので、駆動コイルに流れる電流を必要最小限に抑制することができ、無駄な電力の消費を防止することが可能になる。
【0010】
このように構成された本発明によれば、絞りを全開にした際にも、絞り機構の駆動コイルには必要にして十分な電圧が印加されるので、駆動コイルに過剰な電圧を印加することによる無駄なエネルギーを消費することがない。また、温度センサによって計測された温度に基づいて、絞り駆動回路の最大出力電圧を可変しているので、温度変化によって印加電圧が過剰になったり、不足したりすることがない。
【0011】
また、本発明において好ましくは、演算器は、常温時印加電圧を温度センサによって検出された温度及び駆動コイルの抵抗温度係数に基づいて補正することによって、出力電圧を求める。
【0012】
このように構成された本発明においては、温度センサによって検出された温度と駆動コイルの抵抗温度係数によって、駆動コイルの電気抵抗値を計算し、この電気抵抗値を有する駆動コイルに十分に電流を流すことができる出力電圧が求められる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、演算器は、温度及び駆動コイルの抵抗温度係数によって補正された前記常温時印加電圧に所定の電圧を加算した電圧を絞り駆動回路に供給するように、可変電源回路を作動させる。
また、本発明は、上記記載の絞り装置を備えたビデオカメラである。
さらに、本発明は、上記記載の絞り装置を備えたデジタルスチルカメラである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の絞り装置を説明する。図1は本発明の実施形態による絞り装置の全体構成を示す図であり、図2は本実施形態の絞り装置に備えられている絞り機構を作動させるための回路の回路図を示し、図3は本実施形態の絞り装置を作動させた場合の、絞りの開度と駆動回路の出力電圧との関係を示すグラフである。
【0016】
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態による絞り装置1は、絞り機構2と、この絞り機構2を作動させる制御部4とを有する。絞り機構2は、下絞り羽根8と、上絞り羽根10と、制御部4の指令によりこれらの絞り羽根を開閉させるアクチュエータ6と、を有する。また、アクチュエータ6には、アクチュエータ6に内蔵された駆動コイル24の温度を測定する温度センサ12が取付けられ、さらに、絞りの開度を検出する絞り開度センサ14が内蔵されている。アクチュエータ6は、駆動コイル24と、マグネット26と、制御コイル28と、を有し、駆動コイル24に電流を流すとマグネット26との間に回転駆動力が発生するように構成されている。下絞り羽根8及び上絞り羽根10は、平行移動可能に、絞り機構本体(図示せず)に重ねて取付けられ、アクチュエータ6が発生する回転力によって上下に移動されるように構成されている。下絞り羽根8及び上絞り羽根10は、ばね(図示せず)によって、絞りが閉じるように付勢されている。付勢するばね力に打ち勝って、下絞り羽根8を最大限押し下げ、上絞り羽根10を最大限引き上げたとき、下絞り羽根8と上絞り羽根10との間の開口は全開になる。また、付勢するばね力によって、下絞り羽根8が最大限引き上げられ、上絞り羽根10が最大限押し下げられたとき、これらの絞り羽根は重なり、絞り機構2が閉じる。なお、本実施形態では、温度センサ12としてサーミスタを、絞り開度センサ14としてホール素子を有するホールセンサを使用している。
【0017】
図2は、絞り機構2を開閉させる制御部4の回路図を示す。図2に示すように、制御部4は、絞り駆動回路である絞り駆動用オペアンプ16と、この絞り駆動用オペアンプ16の出力電圧をデジタル信号に変換するA/D変換器18と、このA/D変換器18からの信号に基づいて駆動コイルに印加すべき電圧を計算する演算器であるマイクロプロセッサユニット20と、このマイクロプロセッサユニット20の出力信号に基づいて絞り駆動用オペアンプ16に所定の電源電圧を供給する可変電源回路22と、を有する。さらに、制御部4は、アクチュエータ6に内蔵された絞り開度センサ14の出力信号を増幅し、増幅した信号をA/D変換器18に送るセンサアンプ30を有する。
【0018】
可変電源回路22は、マイクロプロセッサユニット20が出力したデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器32と、このD/A変換器32からの出力電圧に基づいて絞り駆動用オペアンプ16に電源電圧を供給する電源用オペアンプ34と、を有する。
【0019】
絞り駆動用オペアンプ16のマイナス側入力端子には、電気抵抗器を介して絞り制御信号Sが入力され、プラス側入力端子は、一定の基準電圧Vrefに接続されている。また、この基準電圧Vrefは、制御コイル28及び電気抵抗器を介してオペアンプ16のマイナス側入力端子に接続される。従って、絞り制御信号Sが入力されていないときは、オペアンプ16のプラス側、マイナス側入力端子は同電位となり、オペアンプ16は出力を発生しない。また、絞り駆動用オペアンプ16の出力端子には、アクチュエータ6に内蔵された駆動コイル24が接続され、駆動コイル24には、オペアンプ16の出力電圧に応じた電流が流れるようになっている。さらに、オペアンプ16の出力は、A/D変換器18の入力端子にも接続されている。また、アクチュエータ6に内蔵された絞り開度センサ14の出力は、センサアンプ30を介してA/D変換器18に入力されている。さらに、アクチュエータ6に取付けられた温度センサ12の出力信号もA/D変換器18に入力される。A/D変換器18の出力はマイクロプロセッサユニット20に接続され、絞り駆動用オペアンプ16の出力、センサアンプ30の出力信号、温度センサ12の出力信号を夫々変換したデジタル信号がマイクロプロセッサユニット20に入力される。
【0020】
マイクロプロセッサユニット20は、温度センサ12からA/D変換器18を介して入力された温度に基づいて、絞りを全開にするために駆動コイル24に印加する必要のある電圧を計算し、計算結果を可変電源回路22に出力する。可変電源回路22のD/A変換器32は、マイクロプロセッサユニット20から送られたデジタル信号をアナログ信号に変換し、可変電源回路22の電源用オペアンプ34のプラス側入力端子に入力する。電源用オペアンプ34の出力端子は、電源用オペアンプ34のマイナス側の入力端子、及び、絞り駆動用オペアンプ16のプラス側電源端子に直接接続されている。従って、電源用オペアンプ34の電圧利得は、0dBであり、電源用オペアンプ34は電力増幅のみ行い、オペアンプ16の電源端子には、D/A変換器32の出力電圧と同じ電圧が印加されることになる。また、電源用オペアンプ34のプラス側電源端子には、駆動コイル24に印加すべき最大の電圧よりも十分に大きい電圧Vccが供給され、マイナス側電源端子はアースに接続されている。
【0021】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態による絞り装置1が、ビデオカメラに組み込まれた場合の作用を説明する。まず、本実施形態の絞り装置1の作用の概要を説明する。図3の実線は絞りの開度を示すグラフであり、破線は絞り駆動用オペアンプ16の出力電圧を示すグラフである。まず、駆動用オペアンプ16の入力端子に加える絞り制御信号Sをゼロから増大させていくと、図3の破線に示すように、オペアンプ16の出力端子に出力電圧が現れ、駆動コイル24に電流が流れる。駆動コイル24に電流が流れると、アクチュエータ6の駆動コイル24とマグネット26の間に電磁力が働き、アクチュエータ6が回動される。アクチュエータ6の回動は、絞り羽根を付勢するばね力に打ち勝って、下絞り羽根8を押し下げ、上絞り羽根10を引き上げて、絞りを開口させる。また、アクチュエータ6の回動は、絞り開度センサ14によって検出され、その出力信号はセンサアンプ30を介してA/D変換器18に入力される。
【0022】
図3に示すように、絞り開度センサ14の出力信号は、絞り制御信号Sに従って、絞りの開口と共に増大し、絞りが全開になった位置で一定値になる。一方、絞りが閉じた状態から全開になるまでの間に、駆動用オペアンプ16の出力電圧は、一旦、極大値をとって再び減少する。次いで、出力電圧は、絞りが全開になった位置で再び増大し、絞りが全開になっている間、電源用オペアンプ34から供給される駆動用オペアンプ16の電源電圧とほぼ等しい一定の最大値をとる。絞りが全開になるまでの間にオペアンプ16の出力電圧が極大値を持つのは、アクチュエータ6の構造により、駆動コイル24に一定の電流が流れても、アクチュエータ6の回転位置によりアクチュエータ6が発生するトルクは一定ではなく、変化するためである。本実施形態においては、この極大値の電圧を、常温時印加電圧として、絞り装置1の組立て時にマイクロプロセッサユニット20に記憶させている。なお、本実施形態において、極大値の電圧は、常温で、1.25Vである。次に、絞り制御信号Sを減少させていくと、絞りは全開の状態から次第に閉じ始める。この時、オペアンプ16の出力電圧は、最大値から減少し、その後、一旦、極大値をとって、絞りが閉じた状態でゼロになる。
【0023】
次に、本実施形態の絞り装置1の実使用時の作用を説明する。本実施形態の絞り装置1を組み込んだビデオカメラが使用される場合、オペアンプ16の入力端子には、ビデオカメラの撮影者の手動の操作、或いは、ビデオカメラの自動露出制御回路(図示せず)等によって生成された信号Sが入力される。絞り装置1は、上述したように、入力された信号Sに応じて絞りを開閉させる。絞りを全開にするレベルの信号Sが入力された場合、駆動用オペアンプ16は、オペアンプ16に供給されている電源電圧よりもオペアンプ16による僅かな電圧降下分だけ低い電圧を出力し、駆動コイル24に電流を流す。ビデオカメラが常温下にある場合、駆動用オペアンプ16には、上述のように、マイクロプロセッサユニット20に予め記憶させておいた電源電圧が供給される。
【0024】
ビデオカメラの周囲温度の変化は、アクチュエータ6に取付けられた温度センサ12によって検出され、検出値は、A/D変換器18を介してマイクロプロセッサユニット20に入力される。マイクロプロセッサユニット20は、駆動コイル24を構成する銅線の抵抗温度係数に基づいて、駆動コイル24の電気抵抗を計算し、駆動コイル24に印加すべき電圧を求める。常温(20゜C)時において、絞りを全開にするために駆動コイル24に印加する必要のある電圧は、前述の通り1.25Vであり、駆動コイル24の直流電気抵抗は50Ωであるので、このとき駆動コイル24に流れる電圧は25mAである。
【0025】
ここで、銅線の抵抗温度係数αは、0.00393Ω/゜Cであるので、駆動コイル24の温度が、例えば、70゜Cになった場合には、駆動コイル24の電気抵抗R+70は、
R+70=R+20(1+α(T−20))
=50×(1+0.00393×(70−20))=59.8Ω
と、計算される。従って、駆動コイル24に常温時と同じ25mAの電流を流して、アクチュエータ6に常温時と同じだけのトルクを発生させるためには、駆動コイル24に59.8Ω×0.025A=1.495Vの電圧を印加する必要がある。マイクロプロセッサユニット20は、抵抗温度係数αに基づいて計算された駆動コイル24の電気抵抗を使用して、駆動コイル24に印加すべき電圧を計算する。
【0026】
また、実際には、絞りを閉じるために駆動コイル24に流す必要がある電流は絞り装置1の置かれた姿勢や、経時変化によっても変化する。また、駆動用オペアンプ16から出力される最大出力電圧は、オペアンプ16に電源電圧として印加される電圧よりも若干、電圧降下している。従って、マイクロプロセッサユニット20は、これらの影響を考慮して、上記の計算された電圧に所定の電圧βを加えた値を出力している。本実施形態においては、この電圧βを、常温時の所要電圧の10%に相当する0.125Vとしている。マイクロプロセッサユニット20は、以上の計算により求められた電圧に相当するデジタルデータを、可変電源回路22に出力する。
【0027】
可変電源回路22のD/A変換器32は、マイクロプロセッサユニット20から送られたデジタルデータをアナログの電圧に変換する。即ち、マイクロプロセッサユニット20において計算された値の電圧がD/A変換器32から出力される。D/A変換器32から出力された電圧は、電源用オペアンプ34に入力され、電力増幅されて電源電圧として駆動用オペアンプ16に印加される。駆動用オペアンプ16には、電源用オペアンプ34から可変の電源電圧が印加されるため、駆動用オペアンプ16に絞りを全開にする信号Sが入力されて電源電圧とほぼ等しい電圧がオペアンプ16から出力される場合にも、駆動コイル24に過剰な電圧が印加されることはない。また、駆動用オペアンプ16の電源電圧を温度により変化させているので、駆動コイル24の温度が変化した場合にも、駆動コイル24に必要にして十分な電流が流れる。
【0028】
本発明の実施形態の絞り装置1によれば、駆動コイル24の温度に応じて駆動用オペアンプ16の電源電圧を可変しているので、常温時にも、温度が変化したときにも駆動コイル24には必要にして十分な電圧が印加され、絞り装置が無駄な電力を消費することがない。
【0029】
ここで、絞りを全開にした場合における、本発明の実施形態の絞り装置1の消費電力と、従来の絞り装置の消費電力とを比較する。本実施形態の絞り装置では、常温時において、常温時印加電圧である1.25Vと、電圧βである0.125Vとを加えた1.375Vが駆動コイルに印加される。従って、駆動コイルによって消費される消費電力は、
1.375V × 1.375V / 50Ω = 0.038W
となる。一方、従来の絞り装置では、絞りの全開時には常に2.34Vの電圧が駆動コイルに印加されているので、消費電力は、
2.34V × 2.34V / 50Ω = 0.11W
となる。従って、本実施形態の絞り装置は、従来の絞り装置に対して、
(1−(0.038W/0.11W))×100=65.5%
消費電力を削減していることになる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、絞り装置をビデオカメラに組み込んだ場合を説明したが、本発明の絞り装置は、デジタルスチルカメラ等、任意の光学機器の絞りとして使用することができる。また、上述した実施形態では、絞り機構としてガルバノ式アイリスメータを使用しているが他の形式の絞り機構を使用することもできる。さらに、上述した実施形態では、演算器としてデジタル演算を行うマイクロプロセッサユニットを使用しているが、同等の演算を行うことができるアナログコンピュータを使用することもできる。この場合には、A/D変換器、D/A変換器を使用せず、演算器はセンサから入力されたアナログ信号を基に、アナログ電圧を出力する。また、上述した実施形態では、絞り駆動回路、及び、可変電源回路としてオペアンプを使用しているが、これらの回路を複数のトランジスタ等を組合せたディスクリート構成とすることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、無駄な消費電力を少なくすることができる絞り装置、及びそれを使用したビデオカメラ、デジタルスチルカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による絞り装置の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態の絞り装置に備えられている絞り機構を作動させるための回路の回路図を示す。
【図3】本発明の実施形態において、絞りの開度と駆動回路の出力電圧との関係を示すグラフである。
【図4】従来の絞り装置の絞り機構を開閉するための回路の一例を示す回路図である。
【図5】従来の絞り機構を作動させたときの絞りの開度と、駆動コイルに印加される電圧の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 本発明の実施形態による絞り装置
2 絞り機構
4 制御部
6 アクチュエータ
8 下絞り羽根
10 上絞り羽根
12 温度センサ
14 絞り開度センサ
16 絞り駆動用オペアンプ
18 A/D変換器
20 マイクロプロセッサユニット
22 可変電源回路
24 駆動コイル24
26 マグネット
28 制御コイル
30 センサアンプ
32 D/A変換器
34 電源用オペアンプ
Claims (3)
- 駆動コイルに電流を流すことにより、閉鎖されるように付勢されている絞り羽根を付勢力に抗して開度調節する絞り機構と、
この絞り機構を駆動するための電圧を供給する可変電源回路と、
前記絞り羽根の開度に応じた電圧を前記駆動コイルに印加し、前記絞り羽根の全開時においては、前記可変電源回路の供給電圧とほぼ等しい電圧を前記駆動コイルに印加して、前記駆動コイルに電流を流す絞り駆動回路と、
前記駆動コイルの温度を検出する温度センサと、
常温時に絞り機構を閉じた状態から全開の状態まで作動させ、その間に前記駆動コイルに印加された最大の電圧である常温時印加電圧を記憶した演算器と、を有し、
前記演算器は、前記温度センサによって検出された温度及び前記常温時印加電圧に基づいて、前記絞り羽根の全開時において常温時とほぼ等しい電流が常に前記駆動コイルに流れるように前記可変電源回路の出力電圧を決定すると共に、前記演算器は、温度及び駆動コイルの抵抗温度係数によって補正された前記常温時印加電圧に所定の電圧を加算した電圧を前記絞り駆動回路に供給するように、前記可変電源回路を作動させることにより無駄な電力の消費を防止することを特徴とする絞り装置。 - 上記請求項1に記載の絞り装置を備えたビデオカメラ。
- 上記請求項1に記載の絞り装置を備えたデジタルスチルカメラ。
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