JP2020118577A - 排気ガスセンサの内部抵抗測定装置 - Google Patents

排気ガスセンサの内部抵抗測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガスガスセンサの検出素子の内部抵抗の現在抵抗値Rsの値を、実測測定電流に基づいて正確に測定する内部抵抗測定装置を提供する。【解決手段】検出素子41の正側端子3aには正側電流印加回路から正側電圧Vaが印加され、負側端子3bにはバッファアンンプ70から電流検出抵抗33bを介して負側電圧Vbが印加されて正側電流Ipが流れ、その電流値は電流検出抵抗33bの両端電圧を測定して既知の所定抵抗値R33を用いて算式Ip=V33/R33によって算出され、検出素子41の発生電圧Vdは正側電流Ipを停止したときの素子電圧の差分電圧ΔV1=Va−Vbによって測定され、正側電流Ipを流したときの素子間電圧の差分電圧ΔV3と、内部抵抗42の両端電圧Vx=ΔV3−V1の値から、現在抵抗値Rs=Vx/Ipによって演算算出される。【選択図】図1

Description

本願は、空燃比を検出するための排気ガスセンサの内部抵抗測定装置に関し、更に詳しくは、排気ガスセンサの内部抵抗を検出するための測定電流のバラツキ変動の影響を抑制することができる抵抗値測定回路に関するものである。
自動車用エンジンに対する燃料噴射制御において、エアフローセンサによって検出された吸気量と、燃料噴射弁の開弁時間と燃料圧によって規定される燃料噴射量との比率を適正化する負帰還制御手段として排気管に設けられた排気ガスセンサが使用される。この排気ガスセンサは、早期に例えば700[℃]程度の活性化温度に達するようにヒータによって予備加熱され、一旦は活性化した後であっても運転状態によってセンサ温度が低下するとヒータによって再加熱を行う制御が行われるが、排気ガスセンサの環境温度は、排気ガスセンサの内部抵抗を監視することによって検出されるようになっている。
前述の排気ガスセンサとしては、排気ガス中の空気と燃料成分との重量比である空燃比を測定して、基準とする理想的な燃焼状態である理論空燃比[λ0=14.7]に対して、測定した空燃比がリッチの状態にあるか又はリーンの状態にあるかに応動して、検出電圧が急変する固定領域形式のものと、検出電圧が急変するときの空燃比の値を可変調整することができる可変領域形式のものとがある。
例えば、特許文献1の図8によれば、空燃比センサ2の図示されていない基準端には例えばDC2.5[V]のバイアス電圧Vcが印加され、空燃比センサ2にソース電流I1を流し込むときには、トランジスタTr122cを閉路してトランジスタTr112cを開路しておいて、トランジスタTr81とトランジスTr111cを介して抵抗R71に流入する電流を定電流回路6によって制御して目標電流I1とし、カレントミラー回路8の出力側トランジスタTr82を介して目標電流I1に相当するソース電流I1を供給するように構成されている。
また、空燃比センサ2からシンク電流I2を引き出すときには、トランジスタTr121cを閉路してトランジスタTr111cを開路しておいて、トランジスタTr112cを介して抵抗R71に流入する電流を定電流回路6によって制御して、カレントミラー回路8とは無関係に目標電流I2とし、この目標電流I2に相当するシンク電流I2を得るように構成されている。
従って、特許文献1によれば、一組のカレントミラー回路8と二組の電流切換え回路11c、12cと、一組のバッファアンプ62、64を含む定電流回路6を用いて、空燃比センサ2に対してソース電流I1とシンク電流I2を流すように構成されていて、この、ソース電流I1とシンク電流I2の値は、定電流回路6の入力信号電圧VBinによって調整され、この電圧値を抵抗R71の値で除算して得られるように構成されている。
また、この特許文献1の図5によれば、ステップS12においてソース電流I1を流し、ステップS13で空燃比センサ2の両端電圧を測定し、ステップS14からステップS16の所定期間においてソース電流I1に代わってシンク電流I2を流して空燃比センサ2の状態を復帰させ、ステップS17でソース電流I1とシンク電流I2を共に遮断状態にし、ステップS18において空燃比センサ2の内部インピーダンスの測定が行われている。
また、特許文献2の図1によれば、空燃比センサ3のセンサセル3aの端子5には、電圧制御部13から例えば2.9[V]の第1の電圧V01が印加され、端子7には、電圧制御部15から例えば2.5[V]の第2の電圧V02が印加されるとともに、電流印加回路19によって正負の電流が重畳されるようになっている。
電流印加回路19内の抵抗31に流れる電流I31(+Iz)は信号電圧Vpによって可変設定され、第2のスイッチ33が閉路したときにはセンサセル3aの端子7から端子5方向に流入し、抵抗37に流れる電流I37(−Iz)は信号電圧Vmによって可変設定され、第1のスイッチ35が閉路したときにはセンサセル3aの端子5から端子7方向に流出し、電流I31と電流I37は等しくなるように調整されている。そして、センサセル3aの端子間電圧は差動増幅器17によってセンサ間電圧Vsとして検出されている。
また、特許文献2の図2によれば、第1のスイッチ35を閉路する直前におけるセンサ間電圧Vsの値を電流印加前電圧Vaとして検出し、第1のスイッチ35を開路する直前におけるセンサ間電圧Vsの値を電流印加後電圧Vbとして検出し、マイコン23はその差分電圧[ΔVs=Va−Vb]の値を印可電流I37(−Iz)で割ることによってセンサセル3aのインピーダンスZを算出するようになっている。
従って、特許文献2によれば、一対のオペアンプ39、41と、一対のスイッチ33、35と、一対の抵抗31、37によって構成された電流印加回路19によってソース電流I31とシンク電流I37が供給されていて、その電流値は一対のオペアンプ39、41に入力される電圧Vp、Vmによって可変調整されるようになっている。
なお、特許文献2における図5は、起電力セル53aとポンプセル53bとを有する2セル形の可変領域空燃比センサ53が使用され、図6ではポンプセルを持たない1セル型の固定領域空燃比センサが使用されている。
特開2015−050522号公報 特開2015−203599号公報
(1)従来技術の課題の説明
前述した特許文献1及び特許文献2に開示された従来技術において、排気ガスセンサの内部抵抗Rxは、その環境温度によって大幅に変動するので、この内部抵抗に測定電流I0を流した時に発生する内部抵抗の両端電圧[Vx=Rx×I0]の値を正確に測定するためには、内部抵抗Rxの大小に応じて測定電流を減増することが望ましい。しかし、特許文献1においては、測定電流I0の設定電圧となる基準電源VBinの設定誤差と、これに基づいて測定電流I0を発生する負帰還制御回路である定電流回路6のオフセット誤差、比例ゲインのバラツキ誤差、及びカレントミラー回路8の電流ミラー比の個体バラツキ変動、温度変動、或いは抵抗R71の個体バラツキ変動、温度変動などが発生して、安定した大小の測定電流I0を得ることが困難となる課題点がある。
また、特許文献2に開示された従来技術においては、測定電流I0の設定電圧となる電圧Vp、Vmの設定誤差と、これに基づいて測定電流I0を発生する負帰還制御回路であるオペアンプ39、41におけるオフセット誤差及び比例ゲインのバラツキ誤差、抵抗31、37の個体バラツキ変動及び温度変動が発生して安定した大小の測定電流I0を得ることが困難である。そして、検出したい例えば700[℃]の環境温度近辺においては、内部抵抗Rxは急激に変化しているため、測定された環境温度の検出誤差は更に大きなものとなる課題がある。また、シンク電流とソース電流の値に制御誤差があると、排気ガスセンサの電荷が蓄積して、空燃比の検出誤差が発生する課題がある。
(2)本願の目的の説明
本願は、排気ガスセンサの内部抵抗を測定するために、この排気ガスセンサに供給される測定電流の設定及び制御精度を向上させるとともに、シンク電流とソース電流に微差があっても、排気ガスセンサに対する残留電荷の発生を抑制して空燃比の検出精度の悪化を防止することができる排気ガスセンサの内部抵抗測定装置を得ることを目的とする。
本願に開示される排気ガスセンサの内部抵抗測定装置は、
被測定気流の空燃比に応動して発生電圧Vdを出力する検出素子と、前記検出素子に含まれて環境温度によって現在抵抗値Rsが変化する内部抵抗と、前記検出素子の活性化を図るためのヒータとを備えた排気ガスセンサに対し、前記現在抵抗値Rsを測定して、前記ヒータの通電制御を行う演算制御回路部を備えた排気ガスセンサの内部抵抗測定装置であって、
前記検出素子は、負側端子にバイアス電圧発生回路によるバイアス電圧V0が印加されるとともに、正側端子に前記バイアス電圧V0よりも高い電源電圧Veが印加され、
前記検出素子の前記正側端子に正側電流Ipを供給し得る正側電流印加回路と、
グランド回路を介して負側電流Inを流出させ得る負側電流印加回路と、
を備え、
前記正側電流印加回路と前記負側電流印加回路との接続点と前記正側端子との間に正側電流検出抵抗が接続され、若しくは、前記負側端子と前記バイアス電圧発生回路との間に負側電流検出抵抗が接続され、
前記正側電流検出抵抗と前記負側電流検出抵抗とは、既知の値である所定抵抗値R33を夫々備え、
前記演算制御回路部は、
プログラムメモリと協働するマイクロプロセッサと、
前記正側端子の対グランド電位である正側電圧Vaと、前記負側端子の対グランド電位である負側電圧Vbと、監視電圧Vcとの値をデジタル変換して前記マイクロプロセッサに入力する多チャンネルAD変換器と、
を備え、
前記監視電圧Vcは、前記正側電流検出抵抗又は前記負側電流検出抵抗の一端の対グランド電位であって、前記正側電流検出抵抗を有する場合には、前記監視電圧Vcと前記正側電圧Vaとの差分電圧[ΔVca=Vc−Va]は前記正側電流検出抵抗の両端電圧V33に相当し、前記負側電流検出抵抗を有する場合には、前記負側電圧Vbと前記監視電圧Vcとの差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]は前記負側電流検出抵抗の前記両端電圧V33に相当し、
前記プログラムメモリは、均一化処理手段と発生電圧監視手段、及び測定電流検出手段と内部抵抗算出手段、となる制御プログラムを包含し、
前記均一化処理手段は、前記正側電流印加回路を駆動して所定の前記正側電流Ipを所定の付勢時間Tpにおいて発生する付勢指令信号Trpと、前記負側電流印加回路を駆動して所定の前記負側電流Inを所定の回復時間Tnにおいて発生する回復指令信号Trnとを交互に定期的に発生するとともに、前記正側電流Ipと前記付勢時間Tpとの積である正側付勢電流の積分値と、前記負側電流Inと前記回復時間Tnとの積である負側回復電流の積分値とは等しくなる関係に制御する手段であり、
前記発生電圧監視手段は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnが共に停止している通常期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧[ΔV1=Va−Vb]によって前記発生電圧Vdを測定する手段であり、
前記測定電流検出手段は、前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの通電期間において、前記差分電圧[ΔVca=Vc−Va]若しくは前記差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]である差分値ΔV2によって、前記正側電流検出抵抗又は前記負側電流検出抵抗の前記両端電圧V33を測定して、前記所定抵抗値R33に基づいて前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの値である[ΔV2/R33]を算出する手段であり、
前記内部抵抗算出手段は、前記通電期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]から、前記発生電圧監視手段により測定された前記発生電圧Vdである前記差分電圧[ΔV1=Va−Vb]を減算することにより前記現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を算出し、この両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を前記測定電流検出手段により検出された前記正側電流Ip又は前記負側電流Inで割るか、又は前記両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]と前記両端電圧V33との比率に前記所定抵抗値R33を掛け合わせることにより前記現在抵抗値Rsを算出する手段である、
ことを特徴とする。
以上のとおり、本願による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置は、排気ガスセンサにおける酸素電池素子である検出素子の内部抵抗の現在値を測定することによってその環境温度を検出し、低温環境時にはヒータを給電加熱にして検出素子の早期活性化を図るためのものであって、内部抵抗を含む検出素子に対し正方向又は負方向に測定電流を供給したときの排気ガスセンサの両端電圧の増分値を測定し、この増分電圧を測定電流で割って内部抵抗の現在値を算出するように構成されている。そして、前記増分値は測定電流を流したときの検出素子の両端電圧から、測定電流を流す前の検出素子の両端電圧を減算したものであり、前記測定電流の値は異なる入力チャンネルのAD変換器によって測定された電流検出抵抗の両端電圧を、既知の所定抵抗値R33で割って得られるものとなっている。また、測定電流は交互に印加される正側電流又は負側電流の一方が使用され、正側電流の電流時間積と負側電流の電流時間積は等しくなるように制御されている。
従って、前記増分値は、排気ガスセンサの現在の発生電圧の大小にかかわらず内部抵抗の両端電圧を正確に測定することができるとともに、前記測定電流の値は電流検出抵抗を高精度の抵抗としておくことによって正確に検出することができ、多チャンネルAD変換器は正負の入力信号を扱わない簡易なものを使用することができる効果がある。また、測定電流によって印加された電荷量と回復電流によって除去される電荷量は、それぞれの電流時間積を一致させるものであるため、正側電流と負側電流を一致させておく必要がなく、簡易な電流印加回路を適用することができる効果がある。
実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の全体ブロック図である。 固定領域型の排気ガスセンサの空燃比と発生電圧の関係を示す特性線図であって、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置に適用される。 可変領域型の排気ガスセンサにおけるポンプ電流を媒介変数とする空燃比と発生電圧の関係を示す特性線図あって、実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置に適用される。 排気ガスセンサの内部抵抗値と素子温度の関係を示す特性線図である。 実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を説明するタイムチャートによる説明図である。 実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を説明する前半フローチャートである。 実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を説明する後半フローチャートである。 図5Aにおけるステップ600の作用動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の全体ブロック図ある。 実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を補足説明する部分フローチャートである。 実施の形態1及び実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の異常監視制御の作用動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1.
(1)構成の詳細な説明
以下、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置について、その構成を詳細に説明する。図1は、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の全体ブロック図である。図1において、測定装置100Aの外部には、電源スイッチ10と電源端子を介して車載バッテリ1Xのバッテリ電圧Vbbが印加されており、その負極端子はグランド回路GNDによって相互に接続されている。また、排気ガスセンサ4Xは、測定装置100Aのセンサ接続端子である正側端子3aと負側端子3bとの間に接続された検出素子41と、バッテリ電圧Vbbから給電されて、検出素子41の早期活性化を図るヒータ43を含み、ヒータ43の負側端子は測定装置100Aのヒータ接続端子3cに接続されている。
図2Aは、固定領域型の排気ガスセンサの空燃比と発生電圧の関係を示す特性線図であって、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置に適用される。図2Aにおいて、縦軸は排気ガスセンサ4Xの発生電圧Vd、横軸は空燃比λを示している。実施の形態1における排気ガスセンサ4Xは、図2Aで示すとおり、空燃比λが適正理論空燃比[λ0=14.7]に等しいときに基準電圧0.5[V]を発生し、リッチ(燃料過多)であると発生電圧Vdが1[V]に接近し、リーン(空気過剰)であれば発生電圧Vdが0[V]に接近する特性を有している。
図2Bは、可変領域型の排気ガスセンサにおけるポンプ電流を媒介変数とする空燃比と発生電圧の関係を示す特性線図あって、実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置に適用される。後述する実施の形態2に排気ガスセンサ4Yは、基準電圧0.5[V]を発生するときの空燃比λが、図2Bで示すとおりポンプ素子44に流すポンプ電流によって変化し、ある空燃比の状態で発生電圧Vdが基準電圧0.5[V]となるようにポンプ電流を調整すれば、このときのポンプ電流の値によって現在の空燃比を特定できるようになっている。
図3は、排気ガスセンサの内部抵抗値と素子温度の関係を示す特性線図であって、縦軸は素子温度、横軸は現在抵抗値を示している。前述の検出素子41は、図3に一例を示すとおり、高温で低抵抗、低温で高抵抗となる現在抵抗値Rsを有し、例えば、P2点の活性化温度700[℃]においては約20[Ω]、P1点の500[℃]においては約300[Ω]の抵抗値となっている。
図1に示すように、測定装置100Aの内部では、バッテリ電圧Vbbに応動する定電圧電源11によって、グランド回路GNDに対して例えばDC5[V]に安定化された電源電圧Veが得られるようになっている。この電源電圧Veから給電される演算制御回路部2Aは、マイクロプロセッサCPUと、不揮発性のプログラムメモリPMEMと、不揮発性のデータメモリDMEMと、揮発性のRAMメモリRMEMと、多チャンネルAD変換器ADCによって構成され、多チャンネルAD変換器ADCの基準電圧Vrefは電源電圧Veと同じ電圧が使用されている。
従って、多チャンネルAD変換器ADCの入力信号電圧ADi(i=1、2、3)のデジタル変換値は、基準電圧Vrefに反比例し、[ADi/Vref]に比例した値となっており、電源電圧Veの変動によって入力信号電圧ADiが比例して変動した場合には、そのデジタル変換値は電源電圧Veの変動の影響を受けないようになっている。
演算制御回路部2Aと排気ガスセンサ4Xとの間に接続された正側電流印加回路5と、負側電流印加回路6と、バイアス電圧発生回路7は、接続回路3Aによって相互に接続されている。正側電流印加回路5は、正側指令トランジスタ51と正側電流指定抵抗31と付勢トランジスタ50との直列回路と、正側出力トランジスタ52によって構成されており、マイクロプロセッサCPUが発生する回復指令信号Trnの論理レベルを「H」にした状態で、付勢指令信号Trpの論理レベルが「H」になると、付勢トランジスタ50と正側指令トランジスタ51とが閉路して、正側電流指定抵抗31にはその抵抗値R31と電源電圧Veによって定まる付勢電流の指令電流[Ve/R31]が流れる。
正側出力トランジスタ52は、正側指令トランジスタ51に流れた電流と同じ電流が流れるカレントミラー回路を構成しており、その結果、付勢指令信号Trpの論理レベルが「H」になると、検出素子41の正側端子3aには逆流防止ダイオード35を介して正側電流[Ip=Ve/R31]が流入することになる。
なお、この逆流防止ダイオード35は、正側端子3aが車載バッテリ1Xの電源線と混触する天絡異常が発生したときに過大な逆流電流が流入するのを防ぐものとなっている。一方、検出素子41の負側端子3bには、既知の所定抵抗値R33を有する負側電流検出抵抗33bを介してバイアス電圧V0が印加されている。このバイアス電圧V0は、電源電圧Veを分圧抵抗71、72で分圧して得られる分圧電圧をバッファアンプ70を介して得られるものである。バッファアンプ70は、負荷電流による分圧電圧の変動を抑制する。
バッファアンプ70の内部又は外部には電流制限回路73が接続されていて、負側端子3bが車載バッテリ1Xの電源線に混触する天絡異常、或いは負側端子3bがグランド回路GNDと混触する地絡異常が発生したときにバッファアンプ70の過電流破損を防止するようになっている。但し、この実施の形態1では負側電流検出抵抗33bが電流制限機能を持っているので、電流制限回路73の外部接続を省略することも可能である。そして、正側出力トランジスタ52から接続点CPと正側端子3aを介して検出素子41に流入した正側電流Ipは、負側端子3bと負側電流検出抵抗33bを介してバッファアンプ70の出力回路に流入し、その大小にかかわらずバッファアンプ70の出力電圧は所定の分圧電圧であるバイアス電圧V0を維持するようになっている。
正側端子3aの電圧である正側電圧Vaは、正側電圧信号AD1として多チャンネルAD変換器ADCの第1の入力端子に入力され、負側端子3bの電圧である負側電圧Vbは、負側電圧信号AD2として多チャンネルAD変換器ADCの第2の入力端子に入力されている。バッファアンプ70の出力端子の電圧であるバイアス電圧V0は、監視電圧Vcとして多チャンネルAD変換器ADCの第3の入力端子に入力されていて、このバイアス電圧V0が監視電圧信号AD3となっている。また、負側電流検出抵抗33bの所定抵抗値R33は、既知の抵抗値としてデータメモリDMEM、又はプログラムメモリPMEMに格納されている。従って、正側電流Ipの値は、負側電圧信号AD2と監視電圧信号AD3の差分電圧を所定抵抗値R33で割って算出することができるようになっている。
なお、正側電圧Vaと負側電圧Vbが入力される前記第1の入力端子と第2の入力端子には、限流抵抗が直列接続されるとともにプルダウンダイオードによって電源電圧Veに接続されるバイパス回路36が接続されている。これは、正側端子3a又は負側端子3bが車載バッテリ1Xの電源線と混触する天絡異常が発生したときに、多チャンネルAD変換器ADCの入力端子に過電圧が印加されるのを防止するためのものである。但し、この実施の形態1においては、監視電圧Vcの入力電圧は負側電流検出抵抗33bとバッファアンプ70の出力電圧であるバイアス電圧V0によって規制されているので、バイパス回路36は不要となっている。
次に、マイクロプロセッサCPUが発生する付勢指令信号Trpの論理レベルを「L」にし、回復指令信号Trnの論理レベルを「L」にすると、回復トランジスタ60と負側指令トランジスタ61とが閉路して、負側電流指定抵抗32にはその抵抗値R32と電源電圧Veによって定まる回復電流の指令電流[Ve/R32]が流れる。
負側出力トランジスタ62は、負側指令トランジスタ61に流れる電流と同じ電流が流れるカレントミラー回路を構成しており、その結果、回復指令信号Trnの論理レベルが「L」になると、検出素子41の正側端子3aから負側電流[In=Ve/R32]が流出することになる。なお、この負側電流Inは、バッファアンプ70から負側電流検出抵抗33bを介して給電されたものとなっている。従って、負側電流Inの値は、監視電圧信号AD3と負側電圧信号AD2との差分電圧を所定抵抗値R33で割って算出することができるようになっている。
次に、マイクロプロセッサCPUが発生する付勢指令信号Trpの論理レベルを「L」とし、回復指令信号Trnの論理レベルを「H」にしている通常状態においては、正側電流Ip及び負側電流Inの流入、流出は行われず、検出素子41の発生電圧Vdはその両端電圧である正側電圧AD1と負側電圧AD2の差分電圧として測定されるようになっている。
但し、正側端子3aには高抵抗のプルダウン抵抗34(抵抗値R34)が接続されているので、検出素子41の内部抵抗42の抵抗値である現在抵抗値Rsが過大であるときには正側電圧Vaが過小となり、このような状態では、付勢指令信号Trpは論理レベル[L]で回復指令信号Trnは論理レベル「H」として、正側電流Ip又は負側電流Inである測定電流は流さないようになっている。
そして、現在抵抗値Rs<<R34の状態においては、現在抵抗値Rsは下記の式(4p)又は式(4n)によって算出される。まず、正側電流Ip及び負側電流Inを流していない通常状態において式(1)が成立する。
Vd=Va0−Vb0 ・・・・式(1)
但し、Va0とVb0は、この通常状態における正側電圧Va又は負側電圧Vbの値である。
次に、正側電流Ipを流したときには式(2p)、式(3p)、式(4p)が成立する。
Ip×Rs=Vap−(Vbp+Vd) ・・・・・・式(2p)
Ip×R33=Vbp−Vc ・・・・・・・・・・・式(3p)
∴Rs=R33×[(Vap−Vbp)−(Va0−Vb0)]
/(Vbp−Vc) ・・・・・・・・・・・・・式(4p)
但し、VapとVbpは、正側電流Ipを通電したときの正側電圧Va又は負側電圧Vbの値である。
同様に、負側電流Inを流したときには式(2n)、式(3n)、式(4n)が成立する。
In×Rs=Vbn−Van+Vd ・・・・・・・・式(2n)
In×R33=Vc−Vbn ・・・・・・・・・・・式(3n)
∴Rs=R33×[(Va0−Vb0)−(Van−Vbn)]
/(Vc−Vbn) ・・・・・・・・・・・・式(4n)
但し、VanとVbnは、負側電流Inを通電したときの正側電圧Va又は負側電圧Vbの値である。
マイクロプロセッサCPUは、検出素子41の現在抵抗値Rsの値を算出して排気ガスセンサ4Xの環境温度を推定し、この環境温度が例えば700[℃]の活性化温度に到達するまでヒータ駆動信号Hdrを発生して、ヒータ制御回路9を介してヒータ43を通電駆動するようになっている。
しかし、現在抵抗値Rsを算出するために正側電流Ip又は負側電流Inの一方のみを通電すると、検出素子41に対する充電電荷によって発生電圧Vdに誤差が発生することになるので、正側電流Ipとその通電時間Tpの積は、負側電流Inとその通電時間Tnの積と等しくなるように均等化制御を行うようになっている。そして、現在抵抗値Rsの算出は、正側電流Ip又は負側電流Inのどちらか一方の通電時に行えばよいが、この実施例では両方の測定電流で算出して平均化する処理が行われている。なお、正側電流Ip又は負側電流Inを発生するためのカレントミラートランジスタについては.図で示したような接合型トランジスタに代わって、電界効果型トランジスタを用いることもできる。
(2)作用・動作の詳細な説明
以下、図1に示すように構成された実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置100Aの作用動作について説明する。図4は、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を説明するタイムチャートによる説明図である。まず、図1において電源スイッチ10が閉路されると、図示していないエンジン始動装置と燃料噴射装置が動作して車載エンジンが運転動作を開始し、エアフローセンサで検出された吸気量と燃料噴射量の適正化を図るために、排気ガスセンサ4Xによる空燃比λの検出が行われ、この検出した空燃比λが理論空燃比λ0よりも大きいか小さいか、に応動して燃料噴射量の増量又は減量制御が行われるようになっている。以下に述べる排気ガスセンサの内部抵抗の測定装置は、排気ガスセンサ4Xnの早期活性化と活性化を維持するためのヒータ43の制御手段として、排気ガスセンサ4Xの環境温度を検出するためのものであるとともに、排気ガスセンサ4Xの異常の有無を判定するようになっている。
図4において、(A)は、付勢指令信号Trpのタイムチャートを示し、付勢時間Tpの期間において論理レベルが「H」となって、正側電流Ipの通電動作が行われる。但し、図4の(A)に点線で示す部分の、前述の付勢時間Tpと同一の時間Tpの期間においては、正側電流Ipの通電は行わないようになっている。図4の(B)は、回復指令信号Trnのタイムチャートを示し、回復時間Tnの期間において論理レベルが「L」となって、負側電流Inの通電動作が行われるようになっている。但し、図4の(B)に点線で示す部分の、前述の回復時間Tnと同一の時間Tnの期間においては、負側電流Inの通電は行わないようになっている。
なお、付勢指令信号Trpが停止してから回復指令信号Trnが発生(論理レベル「L」)するまでの期間には待機時間T0が設けられ、回復指令信号Trnが停止(論理レベル[H」)してから付勢指令信号Trpが発生する期間には休止期間Tsが設けられており、休止時間[Ts=3×T0+Tp+Tn]の関係となっている。そして、例えば[Tp≒Tn=2×T0]であり、従って、[Ts≒7×T0]となっていて、この休止期間では現在抵抗値Rsの演算を省略してマイクロプロセッサCPUの制御負担を軽減するようになっているが、発生電圧Vdの監視が行われる待機時間T0は有効となっている。
図4の(C)は、図1における各部の電圧の変遷状態を示しており、その内の電源電圧Veは、例えばDC5[V]の安定電圧であるが、実態としては例えば±0.1[%]程度の制御誤差を含んでいる。バイアス電圧V0は、監視電圧信号AD3として多チャンネルAD変換器ADCに入力され、この電圧は、分圧抵抗71、72によって分圧された例えばDC2[V]の一定電圧であるが、分圧抵抗71、72の個体バラツキ変動を含め、例えば±0.2[%]程度の制御誤差を含んでいる。
負側電圧Vbは、負側電圧信号AD2として多チャンネルAD変換器ADCに入力され、この電圧は、バイアス電圧V0に対して負側電流検出抵抗33bの両端電圧V33を代数加算したものとなっており、[Vb=Vc+Ip×R33]、又は[Vb=Vc−In×R33]となるようにバイアス電圧V0を中心にして増減し、その差分電圧[ΔV2=Vb−Vc]の値を、既知の所定抵抗値R33で割ることによって正側電流Ip及び負側電流Inを算出することができるようになっている。
なお、正側電流Ip及び負側電流Inは、図示しないフィルタ回路によって漸増若しくは漸減するようになっており、図4の(C)に示す正側電圧Va及び負側電圧Vbの増減の傾斜はこの影響を示している。従って、差分電圧[ΔV2=Vb−Vc]の算出は、付勢指令信号Trp又は回復指令信号Trnが通電停止する直前のタイミングで行われるようになっている。正側電圧Vaは、正側電圧信号AD1として多チャンネルAD変換器ADCに入力され、この電圧は正側電流Ip及び負側電流Inが流れているか否かに応じて次のとおりに変化する。即ち、まず、待機時間T0及び休止時間Tsの時間帯の周期で、付勢指令信号Trp又は回復指令信号Trnが通電指令を発生する直前の状態においては、差分電圧[ΔV1=Va−Vb]は検出素子41の発生電圧Vd(内部抵抗の影響を受けない検出素子41の両端電圧)に等しくなっている。
次に、正側電流Ipが流れているときの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]の値は、検出素子41のこの時点における発生電圧Vdと検出素子41の現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=Ip×Rs]を加算したものとなるが、この時点における発生電圧Vdは先に検出された待機時間T0及び休止時間Tsにおける発生電圧Vdと同じ値である。従って、[ΔV3=Vd+Ip×Rs]が成立して、この算式から現在抵抗値Rsが算出されるものである。同様に、負側電流Inが流れているときの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]の値は、検出素子41のこの時点における発生電圧Vdから検出素子41の現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=In×Rs]を減算したものとなるが、この時点における発生電圧Vdは先に検出された待機時間T0及び休止期間Tsにおける発生電圧Vdと同じ値である。従って、差分電圧[ΔV3=Vd−In×Rs]が成立して、この算式から現在抵抗値Rsが算出されるものである。
なお、図4の(C)において、(1)は差分電圧[ΔV1=Va−Vb=Vd]を示し、(2)は差分電圧[ΔV2=Vb−Vc=Ip×R33]を示し、(3)は差分電圧[ΔV3=Va−Vb=Vd+Ip×Rs]を示し、(4)は[In×R33]を示し、(5)は[Vd−In×Rs]をそれぞれ示している。
以下、図1のとおり構成された実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置100Aについて、その作用動作を説明する。5Aは、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を説明する前半フローチャート、図5Bは、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を説明する後半フローチャートである。図5Aにおいて、ステップ500は、マイクロプロセッサCPUが排気ガスセンサ4Xの検出素子41の現在抵抗値Rsを算出するための制御動作の開始ステップである。
続くステップ600は、図4における付勢指令信号Trpと回復指令信号Ttnの発生順序を指定する判定期間の種別設定ステップであり、運転開始後の待機時間T0による待機期間の次には付勢時間Tpによる付勢期間が指定され、続いて、待機時間T0による待機期間が指定され、更に続いて回復時間Tnによる回復期間と休止時間Tsによる休止期間が指定される。以降は付勢時間Tpによる付勢期間と待機時間T0による待機期間と回復時間Tnによる回復期間が順次繰り返して指定されるようになっていて、その詳細は図6に基づいて後述する。なお、点線で図示したステップ800は、後述の実施の形態2に適用されるものであり、その詳細は図8に基づいて後述する。
続くステップ501は、ステップ600が待機時間T0(休止時間Ts中の待機時間T0を含む)を指定しているかどうかを判定し、検出素子41の発生電圧Vdの値を読出す検出期間であるかどうかを決定する種別判定ステップであり、検出期間であればYESの判定を行ってステップ502へ移行し、検出期間でなければNOの判定を行ってステップ510pへ移行する。ステップ502は、付勢指令信号Trpと回復指令信号Trnを共に通電停止して、正側電流Ipと負側電流Inとをゼロにする測定電流停止ステップである。続くステップ503は、正側電圧信号AD1による正側電圧Vaのデジタル変換値から、負側電圧信号AD2による負側電圧Vbのデジタル変換値を減算して、その差分電圧ΔV1によって検出素子41の発生電圧Vdを演算し、順次更新記憶する発生電圧監視手段となるものである。続くステップ504は、ステップ600で指定された待機時間T0又は休止時間Tsが経過したかどうかを判定し、目標時間が経過するとYESの判定を行ってステップ510pへ移行し、目標時間が経過していなければNOの判定を行って動作終了ステップ509へ移行する目標時間の経過判定ステップである。
なお、マイクロプロセッサCPUは、動作終了ステップ509に続いて他の制御プログラムを実行し、例えば5[msec]である所定の制限時間以内に動作開始ステップ500に復帰して、以降の制御フローを繰返して実行するようになっている。そして、ステップ600ではステップ504の判定がNOであったことによって再びステップ501へ復帰するようになっている。
ステップ510pは、ステップ600が付勢指令信号Trpの発生期間であることを指定しているかどうかを判定し、該当期間であればYESの判定を行ってステップ511pへ移行し、該当期間でなければNOの判定を行って、中継端子CNT1を介して図5Bのステップ510nへ移行する種別判定ステップである。続くステップ511pは、付勢指令信号Trpによって正側電流Ipが発生する測定開始ステップである。続くステップ512pは、負側電圧信号AD2による負側電圧Vbのデジタル変換値から、監視電圧信号AD3による監視電圧Vcのデジタル変換値を減算して、その差分電圧[ΔV2=Vb−Vc]の値を既知の所定抵抗値R33で割ることによって正側電流Ipを演算し、順次更新記憶する測定電流監視手段となるステップである。但し、点線で示した実施の形態2のステップ512pの場合には、差分電圧[ΔV2=Vc−Va]となる。
続くステップ513pは、正側電流Ipの通電期間における正側電圧信号AD1による正側電圧Vaのデジタル変換値から、負側電圧信号AD2による負側電圧Vbのデジタル変換値を減算して、その差分電圧[ΔV3=Va−Vb]を算出するとともに、ステップ503で算出記憶された発生電圧Vdの値を更に減算することによって両端電圧[ΔVx=ΔV3−Vd]を算出し、これをステップ512pで算出記憶された正側電流Ipの値で割ることによって現在抵抗値[Rs=ΔVx/Ip]を算出記憶する内部抵抗算出手段となるステップである。
続くステップ514pは、ステップ512pで算出された正側電流Ipの値と、ステップ510pがYESの判定を行った以降の経過時間の積である電流時間積を算出記憶する電流時間積算出ステップである。続くステップ515pは、ステップ600で指定された付勢時間Tpが経過したかどうかを判定し、目標時間が経過するとYESの判定を行って中継端子CNT1を介して図5Bのステップ510nへ移行し、目標時間が経過していなければNOの判定を行って動作終了ステップ509へ移行する目標時間の経過判定ステップである。
なお、マイクロプロセッサCPUは、動作終了ステップ509に続いて他の制御プログラムを実行し、例えば5[msec]である所定の制限時間以内に動作開始ステップ500に復帰して、以降の制御フローを繰返して実行するようになっている。そして、ステップ600ではステップ515pの判定がNOであったことによって再びステップ510pへ復帰するようになっている。
図5Bにおいて、ステップ510nは、ステップ600が回復指令信号Trnによる通電期間を指定しているかどうかを判定し、該当期間を指定していればYESの判定を行ってステップ511nへ移行し、該当期間を指定していなければNOの判定を行って動作終了ステップ509へ移行する種別判定ステップである。続くステップ511nは、回復指令信号Trnによって負側電流Inが発生する測定開始ステップである。続くステップ512nは、監視電圧信号AD3による監視電圧Vcのデジタル変換値から負側電圧信号AD2による負側電圧Vbのデジタル変換値を減算して、その差分電圧[ΔV2=Vc−Vb]の値を既知の所定抵抗値R33で割ることによって負側電流Inを演算し、順次更新記憶する測定電流検出手段となるステップである。但し、点線で示した実施の形態2の場合には差分電圧[ΔV2=Va−Vc]となる。
続くステップ513nは、負側電流Inの通電期間における負側電圧信号AD2による負側電圧Vbのデジタル変換値から、正側電圧信号AD1による正側電圧Vaのデジタル変換値を減算して、その差分電圧[ΔV3=Vb−Va]を算出するとともに、ステップ503で算出記憶された発生電圧Vdの値を加算することによって両端電圧[ΔVx=Vb−Va+Vd]を算出し、これをステップ512nで算出記憶された負側電流Inの値で割ることによって現在抵抗値[Rs=ΔVx/In]を算出記憶する内部抵抗算出手段となるステップである。
続くステップ514nは、ステップ514pで算出記憶された正側電流の電流時間積[Ip×Tp]の値を、ステップ512nで算出された負側電流Inの値で割って、相互の電流時間積が合致するための回復時間Tnを算出する均一化処理手段となるステップである。続くステップ515nは、ステップ514nで算出された回復時間Tnが経過したかどうかを判定し、目標時間が経過していればYESの判定を行ってステップ505へ移行し、目標時間が経過していなければNOの判定を行って動作終了ステップ509へ移行する目標時間の経過判定ステップである。
なお、マイクロプロセッサCPUは、動作終了ステップ509に続いて他の制御プログラムを実行し、例えば5[msec]である所定の制限時間以内に動作開始ステップ500に復帰して、以降の制御フローを繰返して実行するようになっている。そして、ステップ600では、ステップ515nの判定がNOであったことによって再びステップ510nへ復帰するようになっている。ステップ505は、ステップ503で算出された発生電圧Vdについて、例えば4点以上の所定点数Nの最新値を順次加算して、点数Nで割って得られる移動平均値を算出する移動平均化手段となるステップである。
なお、この移動平均化手段で扱われる発生電圧Vdは、図4における休止時間Tsを含む全ての待機時間T0の周期に算出されたものであり、移動平均化された発生電圧Vdの値が基準電圧0.5[V]よりも大きければリッチ状態であり、その差分値に応じて燃料噴射量の減量が行われ、移動平均化された発生電圧Vdの値が基準電圧0.5[V]よりも小さければリーン状態であり、その差分値に応じて燃料噴射量の増量が行われるようになっている。従って、正側電流Ipの電流時間積と負側電流Inの電流時間積に微差があって、発生電圧Vdに帯電誤差が発生しても、帯電誤差の増量分と減量分が移動平均化によって相殺されて、正しい発生電圧Vdを検出することができるようになっている。なお、点線で図示されているステップ805は、実施の形態2においてポンプ電流の読出しを行うステップとなっている。
続くステップ506は、ステップ513pにおいて正側電流Ipによって算出された現在抵抗値Rsの値と、ステップ513nにおいて負側電流Inによって算出された現在抵抗値Rsの値とを加算して「2」で割った平均抵抗を算出する平均化手段となるステップである。従って、正側電流Ipによって測定された現在抵抗値Rsと、負側電流Inによって測定され現在抵抗値Rsとの測定誤差が平均化されて、より確からしい現在抵抗値Rsを算出することができるようになっている。なお、ステップ506に続いて動作終了ステップ509へ移行する。
次に、図5Aにおけるステップ600の作用動作を説明する。図6は、図5Aにおけるステップ600の作用動作を説明するフローチャートである。図6において、ステップ600は、図5Aにおける動作開始ステップ500に続いて実行されるサブルーチンプログラムの開始ステップである。続くステップ601は、正側電圧Vaの値を示す正側電圧信号AD1のデジタル変換値がゼロであるときにYESの判定を行ってステップ602aへ移行し、ゼロではないときにNOの判定を行ってステップ602bへ移行するゼロ電圧判定ステップである。
ステップ602aは、素子異常検出手段となるステップであり、ここでは検出素子41の断線異常報知が行われて後述のステップ604bへ移行するようになっている。ステップ602bは、正側電圧Vaの値を示す正側電圧信号AD1のデジタル変換値が、バイアス電圧V0の値を示す監視電圧信号AD3以下であるときにYESの判定を行ってステップ603aへ移行し、監視電圧信号AD3以下ではないときにNOの判定を行ってステップ603bへ移行する過小電圧判定ステップである。ステップ603aは、付勢指令信号Trp及び回復指令信号Trnによる通電を禁止してステップ604aへ移行する測定電流禁止手段となるステップである。
ステップ603bは、付勢指令信号Trp及び回復指令信号Trnによる通電禁止を解除してステップ604aへ移行する測定電流発生許可のステップである。ステップ604aは、現在が図4における待機時間T0であるかどうかを判定し、待機期間T0であればYESの判定を行ってステップ604bへ移行し、待機時間T0でなければNOの判定を行ってステップ605aへ移行する待機時間帯判定ステップである。ステップ604bは、付勢指令信号Trp及び回復指令信号Trnによる通電を禁止して、復帰ステップ609を介して図5Aのステップ501へ移行する待機時間帯指定ステップである。
ステップ605aは、現在が図4における付勢時間Tpによる付勢期間であるかどうかを判定し、付勢時間Tpによる付勢期間であればYESの判定を行ってステップ605bへ移行し、付勢時間Tpによる付勢期間でなければNOの判定を行ってステップ606aへ移行する付勢時間帯判定ステップである。ステップ605bは、付勢指令信号Trpの発生を許可して、復帰ステップ609を介して図5Aのステップ510pへ移行する付勢時間帯指定ステップである。
ステップ606aは、現在が図4における回復時間Tnによる回復期間であるかどうかを判定し、回復時間Tnによる回復期間であればYESの判定を行ってステップ606bへ移行し、回復時間Tnによる回復期間でなければNOの判定を行ってステップ604bへ移行する回復時間帯判定ステップである。ステップ606bは、回復指令信号Trnによる通電を許可して、復帰ステップ609を介して図5Bのステップ510nへ移行する回復時間帯指定ステップである。
なお、このフローチャートにおいては、待機時間T0と付勢時間Tpと回復時間Tnの経過時間の計測は図5Aにおけるステップ504とステップ515pと図5Bにおけるステップ515nにおいて行われており、それぞれのステップにおいて目標時間未達の場合は未達フラグをセットして動作終了ステップ509へ移行し、目標時間到達の場合はこの未達フラグをリセットして次ステップへ移行するようになっている。そして、図6のステップ604aとステップ605aとステップ606aでは、前述の未達フラグの状態を監視して、未達フラグがリセットされていることにより次の期間への移行が行われるようになっている。しかし、目標時間に対する経過時間をステップ600の中で行って、ステップ600によって発生電圧Vdの検出タイミング及び現在抵抗値Rsの測定タイミングを直接指定することも可能である。
図9は、実施の形態1及び後述の実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の異常監視制御の作用動作を説明するフローチャートである。図9において、ステップ900は、異常検出動作を開始するステップである。ステップ901aでは、負側電圧Vbが「0」に等しいか若しくは近似的に「0」に等しいか否かを判定し、[Vb≒0]であればYESの判定を行ってステップ901bへ進む。ステップ901bでは、負側電圧Vbがバイアス電圧V0の「0.5」倍より小さければ負側端子3bに地絡異常が発生していると判断して地絡異常を検出し、ステップ908bに進んで異常報知等の異常処置を行い、ステップ909に進んで処理を終了する。ステップ901bは、負側端子の地絡異常検出手段を構成する。
ステップ901aにおいて[Vb≒0]でなければNOの判定を行ってステップ902aへ進む。ステップ902aは、負側電圧Vbが電源電圧Veに等しいか若しくは近似的に電源電圧Veに等しいか否かを判定するステップであって、[Vb≒Ve]であればYESの判定を行ってステップ902bに進む。ステップ902bでは、負側電圧Vbが電源電圧Veの[0.8]倍より大きければ負側端子3bに天絡異常が発生していると判断して負側端子3bの天絡異常を検出し、ステップ908bに進んで異常報知等の異常処置を行い、ステップ909に進んで処理を終了する。ステップ902bは、負側端子の天絡異常検出手段を構成する。
ステップ902aにおいて[Vb≒Ve]でなければNOの判定を行ってステップ903aに進む。ステップ903aは、正側電圧Vaが「0」に等しいか若しくは近似的に「0」に等しいか否かを判定するステップであって、[Va≒0]であればYESの判定を行ってステップ903bに進む。ステップ903bでは、正側電圧Vaがバイアス電圧V0の[0.5]倍より小さければ正側端子3aに地絡異常が発生していると判断して正側端子3aの地絡異常を検出し、ステップ908bに進んで異常報知等の異常処置を行い、ステップ909に進んで処理を終了する。ステップ903bは、正側端子の地絡異常検出手段を構成する。
ステップ903aにおいて[Va≒0]でなければNOの判定を行ってステップ904aに進む。ステップ904aは、正側電圧Vaが電源電圧Veに等しいか若しくは近似的に電源電圧Veに等しいか否かを判定するステップであって、[Va≒Ve]であればYESの判定を行ってステップ904bに進む。ステップ904bでは、正側電圧Vaが電源電圧Veの[0.8]倍より大きければ正側端子3aに天絡異常が発生していると判断して正側端子3aの天絡異常を検出し、ステップ908bに進んで異常報知等の異常処置を行い、ステップ909に進んで処理を終了する。ステップ904bは、正側端子の天絡異常検出手段を構成する。
ステップ904aにおいて[Va≒Ve]でなければNOの判定を行ってステップ905aに進む。ステップ905aは、正側電圧Vaが負側電圧Vbに等しいか若しくは近似的に負側電圧Vbに等しいか否かを判定するステップであって、[Va≒Vb]であればYESの判定を行ってステップ905bに進む。ステップ905bでは、[Va−Vb≦Ip×Rsmin]であれば検出素子41が短絡異常であるとの判定を行い、ステップ908bに進んで異常報知等の異常処置を行い、ステップ909に進んで処理を終了する。ステップ905bは、検出素子の短絡異常検出手段を構成する。
ステップ905aにおいて[Va≒Vb]でなければNOの判定を行ってステップ906aに進む。ステップ906aは、付勢指令信号Trpが存在しているか否かを判定するステップであって、付勢指令信号Trpが存在していればYESの判定を行ってステップ906bに進む。ステップ906bは、[Vb=V0で且つVa≒Ve]であるか否かを判定するステップであり、[Vb=V0で且つVa≒Ve]であればYESの判定を行ってステップ908aへ進み、ステップ908aにおいて検出素子41の断線異常を検出し、ステップ908bに進んで異常報知等の異常処置を行い、ステップ909に進んで処理を終了する。ステップ908aは、検出素子の断線異常検出手段を構成する。ステップ906bにおいて、[Vb=V0で且つVa≒Ve]でなければNO判定を行って処理を終了する。
ステップ906aにおいて付勢指令信号Trpが存在していないと判定すれば、NOの判定を行ってステップ907aに進む。ステップ907aは、回復指令信号Trnが存在しているか否かを判定するステップであり、回復指令信号Trnが存在していればYESの判定を行ってステップ907bに進む。ステップ907bは、[Vb=V0で且つVa≒0]であるか否かを判定するステップであり、[Vb=V0で且つVa≒0]であればYESの判定を行って前述のステップ908aに進み、[Vb=V0で且つVa≒0]でなければNOの判定を行ってステップ909に進んで処理を終了する。
ステップ907aにおいて回復指令信号Trnが存在していなければNOの判定を行ってステップ907cに進む。ステップ907cは、[Va≒0]であるか否かを判定するステップであり、[Va≒0]であれば前述のステップ908aに進み、[Va≒0]でなければNOの判定を行ってステップ909に進んで処理を終了する。
(3)実施の形態1の要点と特徴
以上のとおり、実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置は、被測定気流の空燃比に応動して発生電圧Vdを出力する検出素子41と、この検出素子に含まれて環境温度によって現在抵抗値Rsが変化する内部抵抗42と、前記検出素子41の早期活性化を図るためのヒータ43とを備えた排気ガスセンサ4Xに対し前記現在抵抗値Rsを測定して、前記ヒータ43の通電制御を行う演算制御回路部2Aと、を備えた排気ガスセンサの内部抵抗測定装置100Aであって、
前記検出素子41の負側端子3bには、バイアス電圧発生回路7によるバイアス電圧V0が印加されるとともに、
前記検出素子41の正側端子3aには、前記バイアス電圧V0よりも高い電源電圧Veから正側電流Ipを供給することができる正側電流印加回路5と、グランド回路GNDを介して負側電流Inを流出させることができる負側電流印加回路6とが接続され、
前記負側端子3bと前記バイアス電圧発生回路7との間には負側電流検出抵抗33bが接続され、
前記負側電流検出抵抗33bの抵抗値は、既知の値である所定抵抗値R33となってお
り、
前記演算制御回路部2Aは、
プログラムメモリPMEMと協働するマイクロプロセッサCPUと、
前記正側端子3aの対グランド電位である正側電圧Vaと、前記負側端子3bの対グランド電位である負側電圧Vbと、監視電圧Vcとの値をデジタル変換して前記マイクロプロセッサCPUに入力する多チャンネルAD変換器ADCと、
を備え、
前記監視電圧Vcは、前記負側電流検出抵抗33bの一端の対グランド電位であって、前記負側電圧Vbと前記監視電圧Vcとの差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]は,前記負側電流検出抵抗33bの前記両端電圧V33に相当している。
そして、前記プログラムメモリPMEMは、均一化処理手段514nと発生電圧監視手段503、及び測定電流検出手段512p、512nと内部抵抗算出手段513p、513nとなる制御プログラムを包含し、
前記均一化処理手段514nは、前記正側電流印加回路5を駆動して所定の前記正側電流Ipを所定の付勢時間Tpにおいて発生する付勢指令信号Trpと、前記負側電流印加回路6を駆動して所定の前記負側電流Inを所定の回復時間Tnにおいて発生する回復指令信号Trnとを交互に定期的に発生するとともに、前記正側電流Ipと前記付勢時間Tpとの積である正側付勢電流の積分値と、前記負側電流Inと前記回復時間Tnとの積である負側回復電流の積分値とは等しくなる関係に制御する手段であり、
前記発生電圧監視手段503は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnが共に停止している通常期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧[ΔV1=Va−Vb]により前記発生電圧Vdを測定する手段であり、
前記測定電流検出手段512p、512nは、前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの通電期間において、前記差分電圧ΔVbcである差分電圧ΔV2によって、前記負側電流検出抵抗33bの前記両端電圧V33を測定して、前記所定抵抗値R33を基にして前記正側電流Ip又は負側電流Inの値である[ΔV2/R33]を算出する手段であり、
前記内部抵抗算出手段513p、513nは、前記通電期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]から、前記発生電圧監視手段503によって測定された前記発生電圧Vdである前記差分電圧ΔV1を減算することによって前記現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を算出し、この両端電圧Vxを前記測定電流検出手段512p、512nによって検出された前記正側電流Ip又は前記負側電流Inで割るか、又は前記両端電圧Vxと前記両端電圧V33との比率に前記所定抵抗値R33を掛け合わせることによって前記現在抵抗値Rsを算出する手段となっている。
前記内部抵抗算出手段513p、513nは、前記正側電流Ipを通電した場合と、前記負側電流Inを通電した場合の両方に適用され、両方の電流で測定された2種類の前記現在抵抗値Rsの平均値を正式の前記現在抵抗値Rsとして決定する平均化手段506を備えているとともに、
前記発生電圧監視手段503は、定期的に交互に印加される正側電流Ipと負側電流Inが共に停止しているときに検出された前記発生電圧Vdの移動平均値を算出する移動平均化手段505を備えている。
以上のとおり、本願の請求項2に関連し、内部抵抗算出手段は正負の測定電流によって算出された現在抵抗値Rsの平均値を算出する平均化手段を備えているとともに、発生電圧監視手段は正側電流Ipと負側電流Inが共に停止している時期における発生電圧Vdの移動平均値が適用されるようになっている。
従って、均一化処理手段による電流時間積に誤差があっても、検出された現在抵抗値Rs及び発生電圧Vdの精度が悪化しない特徴がある。これは、後述の実施の形態2についても同様である。
前記負側端子3b又は前記負側電流検出抵抗33bを介して前記負側端子3bに印加される前記バイアス電圧V0は、前記電源電圧Veを一対の分圧抵抗71、72で分圧して得られる中間電圧を、バッファアンプ70によって変動抑制したものであり、
前記分圧抵抗71、72による分圧比は、前記発生電圧Vdがゼロである場合の1/2から、前記発生電圧Vdが最大値である場合の[(1−Vd/Ve)/2]の範囲に設定されている。
以上のとおり、本願の請求項3に関連し、前記バイアス電圧V0は、前記電源電圧Veを一対の分圧抵抗で分圧して、バッファアンプによって変動抑制したものであり、その分圧比は排気ガスセンサの発生電圧の有無を想定した1/2以下の値となっている。
従って、バッファアンプの出力は、排気ガスセンサに対し負側電流を流すときの電流源となるものであるとともに、現在抵抗値Rsの両端電圧Vxは、正側電流Ip又は負側電流Inのいずれの場合であってもほぼ均等な電圧となるようにすることができる特徴がある。これは、後述の実施の形態2についても同様である。
前記正側電流印加回路5は、
前記電源電圧Veを発生する前記正側電圧である定電圧電源11と前記正側端子3aとの間に接続された正側出力トランジスタ52と、この正側出力トランジスタ52に対してカレントミラー回路で接続された正側指令トランジスタ51と、前記付勢指令信号Trpが発生したときに閉路駆動されて、正側電流指定抵抗31を介して前記正側指令トランジスタ51に前記正側電流Ipの指令電流を供給する付勢トランジスタ50を備え、
前記付勢指令信号Trpが発生すると、前記正側出力トランジスタ52に流れる前記正側電流Ipは、前記電源電圧Veを前記正側電流指定抵抗31の正側抵抗値R31で割って得られる前記指令電流に等しくなり、
前記負側電流印加回路6は、
前記正側端子3aと前記グランド回路GNDとの間に接続された負側出力トランジスタ62と、この負側出力トランジスタ62に対してカレントミラー回路で接続された負側指令トランジスタ61と、前記回復指令信号Trnが発生したときに閉路駆動されて、負側電流指定抵抗32を介して前記負側指令トランジスタ61に前記負側電流Inの指令電流を供給する回復トランジスタ60を備え、
前記回復指令信号Trnが発生すると、前記負側出力トランジスタ62に流れる前記負側電流Inは、前記電源電圧Veを前記負側電流指定抵抗32の負側抵抗値R32で割って得られる前記指令電流に等しくなり、前記電源電圧Veは、前記多チャンネルAD変換器ADCの端子に基準電圧Vrefとして接続される。
以上のとおり、本願の請求項4に関連し、正側電流印加回路による正側電流と、負側電流印加回路による負側電流は、多チャンネルAD変換器の基準電圧端子に印加される電圧と同一で電圧である電源電圧Veを、正側電流指定抵抗又は負側電流指定抵抗の各抵抗値で割って得られる正側又は負側の指令電流となっている。
従って、前記指令電流に基づいて電流検出抵抗の両端に発生する両端電圧V33は、電源電圧Veの増減変動に対して比例して増減するが、多チャンネルAD変換器における基準電圧も電源電圧Veに比例して変動しているので、そのデジタル変換値は電源電圧Veの変動の影響を受けることがなく、高精度に両端電圧V33を測定することができる特徴がある。これは、後述の実施の形態2についても同様である。
前記正側端子3aと前記グランド回路GNDとの間には、プルダウン抵抗34が接続されており、
前記プルダウン抵抗34は、前記検出素子41の前記現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の高抵抗であり、
前記プログラムメモリPMEMは、更に、素子異常検出手段602aと測定電流禁止手段603aとなる制御プログラムを包含し、
前記素子異常検出手段602aは、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnを停止している通常状態において、前記正側電圧Vaが発生していないことによって前記検出素子41の断線異常であると判定する手段であり、
前記測定電流禁止手段603aは、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnを停止している通常状態において、前記正側電圧Vaの値が前記バイアス電圧V0未満となっているときに、前記付勢指令信号Trp及び前記回復指令信号Trnによる正側電流Ip及び負側電流Inの発生を禁止する手段となっている。
以上のとおり、本願の請求項5に関連し、検出素子の正側端子には高抵抗のプルダウン抵抗が接続されていて、プログラムメモリには素子異常検出手段と測定電流禁止手段となる制御プログラムが設けられている。
従って、正側電圧Vaを監視することによって検出素子の断線異常を検出することができるとともに、検出素子の内部抵抗が高抵抗の低温状態に置いては正側電流Ip及び負側電流Inの発生を待機しておくことができる特徴がある。
前記プログラムメモリPMEMは、更に検出素子の断線異常検出手段908aとなる制御プログラムを包含しているとともに、前記正側端子3aと前記グランド回路GNDとの間にはプルダウン抵抗34が接続されており、
前記プルダウン抵抗34は、前記検出素子41の前記現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の高抵抗であり、
前記検出素子の断線異常検出手段908aは、前記検出素子41の負側端子3bに対して前記バイアス電圧発生回路7による前記バイアス電圧V0が印加されている状態において、前記正側電流印加回路5によって前記正側電流Ipを供給した場合に、前記正側電圧Vaが前記電源電圧Veに接近した値である第1の電圧以上となるか、若しくは、前記検出素子41の負側端子3bに対して前記バイアス電圧発生回路7による前記バイアス電圧V0が印加されている状態において、前記負側電流印加回路6によって前記負側電流Inを供給した場合に、前記正側電圧Vaが前記グランド回路GNDの電位に接近した値である第2の電圧以下となったときに前記検出素子41の断線異常が発生したと判定する手段であり、
前記第1の電圧は、前記正側電流Ipと前記プルダウン抵抗34の抵抗値R34との積を下限とし、前記電源電圧Veを上限とする電圧であり、
前記第2の電圧は、前記バイアス電圧V0の1/2未満の電圧であり、
前記検出素子の断線異常検出手段908aは、更に、前記検出素子41の負側端子3bに対して前記正側電流Ip及び前記負側電流Inが通電されていないときに、前記正側電圧Vaが前記グランド回路GNDの電位に接近した値である前記第2の電圧以下となったときに前記検出素子41の断線異常が発生したと判定する手段を包含している。
以上のとおり、本願の請求項8に関連し、検出素子の正側端子には高抵抗のプルダウン抵抗が接続されていて、検出素子の断線異常の有無は検出素子に正側電流Ip又は負側電流Inを流すための付勢指令信号又は回復指令信号を発生したときの検出素子の正側電圧Vaの有無によって判定されるようになっている。
従って、正常運転中に常時断線異常の有無が判定されているので、検出素子による空燃比の検出結果に対する信頼性が向上する特徴がある。
また、プルダウン抵抗が設けられていることによって、付勢指令信号及び回復指令信号を発生していない通常期間においても正側電圧Vaを監視することによって検出素子の断線異常の有無が判定できるようになっている。
実施の形態2.
(1)構成の詳細な説明
次に、実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置100Bについて、図1によるものとの相違点を中心にしてその構成を詳細に説明する。図7は、実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の全体ブロック図ある。図7において、排気ガスセンサの内部抵抗測定装置100B(以下、測定装置100Bと称することがある)には、図1の実施の形態1による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置と同様に、車載バッテリ1Xと排気ガスセンサ4Yとが外部接続されている。測定装置100Bの内部でも実施の形態1と同様に、定電圧電源11と、演算制御回路2Bと、正側電流印加回路5と、負側電流印加回路6と、バイアス電圧発生回路7と、ヒータ制御回路9が設けられている。
そして、正側端子3aの正側電圧Vaは、正側電圧信号AD1として多チャンネルAD変換器ADCに入力されているとともに、正側端子3aは正側電流検出抵抗33aを介して監視電圧Vcとなる監視電圧信号AD3が多チャンネルAD変換器ADCに入力されていて、正側電流検出抵抗33aにはプルダウン抵抗34が接続されている。また、バッファアンプ70の出力端子に接続されている負側端子3bの負側電圧Vbは、負側電圧信号AD2として多チャンネルAD変換器ADCに入力され、バッファアンプ70の出力回路には電流制限回路73が外付け又は内蔵されている。
図7に示す実施の形態2による測定装置100Bは、実施の形態1と比較すると下記(1)から(5)の点が異なる。
(1)排気ガスセンサ4Yの正側端子3aに対して、正側電源から正方向測定電流を供給する正側電流印加回路5における正側指令トランジスタ51には、図1の正側電流指定抵抗31と付勢トランジスタ50との直列回路に代わって、第1の正側電流指定抵抗31aと第1の付勢トランジスタ50aとの直列回路と、第2の正側電流指定抵抗31bと第2の付勢トランジスタ50bとの直列回路とが並列接続されていることである。
(2)また、排気ガスセンサ4Yの負側端子3bに対して、負側電源となるバイアス電圧V0から負方向測定電流を供給する負側電流印加回路6における負側指令トランジスタ61には、図1の負側電流指定抵抗32と回復トランジスタ60との直列回路に代わって、第1の負側電流指定抵抗32aと第1の回復トランジスタ60aとの直列回路と、第2の負側電流指定抵抗32bと第2の回復トランジスタ60bとの直列回路とが並列接続されていることである。
(3)また、図5Aにおけるステップ512pでは、差分電圧[ΔV2=Vb−Vc]に代わって差分電圧[ΔV2=Vc−Va]が使用され、図5Bにおけるステップ512nでは、差分電圧[ΔV2=Vc−Vb]に代わって差分電圧[ΔV2=Va−Vc]が使用されるようになっている。
(4)また、前述の演算制御回路部2Bは、図1の付勢指令信号Trpに代わって、第1の付勢トランジスタ50aを駆動する第1の付勢指令信号Trpa、及び第2の付勢トランジスタ50bを駆動する第2の付勢指令信号Trpbのどちらか一方又は両方を発生し、また、図1の回復指令信号Trnに代わって、第1の回復トランジスタ60aを駆動する第1の回復指令信号Trna、及び第2の回復トランジスタ60bを駆動する第2の回復指令信号Trnbのどちらか一方又は両方を発生するようになっている。そして、第1の付勢指令信号Trpa又は第2の付勢指令信号Trpbの論理レベルが「H」のときには第1の測定電流又は第2の測定電流となる正側電流Ipが流れ、第1の回復指令信号Trna又は第2の回復指令信号Trnbの論理レベルが「L」のときには第1の測定電流又は第2の測定電流となる負側電流Inが流れ、第2の測定電流は第1の測定電流よりは大きくなるように設定されている。
(5)排気ガスセンサ4Yはポンプ素子44を備え、このポンプ素子44にはポンプ素子駆動回路80からポンプ電流となるソース電流又はシンク電流が流入若しくは流出し、ポンプ素子駆動回路80の入力回路には、図2Bにおける基準電圧0.5[V]に相当する比較基準電圧と、マイクロプロセッサCPUが発生するポンプ電流制御信号Pdrが入力されている。
そして、このポンプ電流制御信号Pdrは、検出素子41に対して正側電流Ip及び負側電流Inを流していない状態における正側電圧Vaと負側電圧Vbとの差分電圧[ΔV1=Va−Vb]、即ち検出素子41の発生電圧Vdに比例したアナログ信号電圧であって、発生電圧Vdが大きければシンク電流が増大し、発生電圧Vdが小さければソース電流が増大するように負帰還制御が行われている。その結果、発生電圧Vdは基準電圧0.5[V]に等しくなるようにポンプ電流が流れ、発生電圧Vdは基準電圧0.5[V]に等しくなっているときのポンプ電流の値を読み出せば、その時点におおける排気ガスの空燃比λが読み出せるようになっていて、このポンプ電流対空燃比の特性データはデータメモリDMEMに格納されている。
なお、検出素子41の電流検出抵抗を図1のように負側電流検出抵抗33bとした場合には、この負側電流検出抵抗33bの両端電圧V33を監視することによってポンプ電流の測定も行うことができるものである。
(2)作用・動作の詳細な説明
以下、図7のとおり構成された実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置100Bについて、図1のものとの相違点を中心としてその作用動作を詳細に説明する。なお、実施の形態2においても、図4で示されたタイムチャートと図5Aと図5Bで示されたフローチャートが適用されているが、図5Aにおけるステップ600(図6参照)に代わって、後述の図8で示されたステップ800が使用されている。また、図5Aにおけるステップ512pと図5Bにおけるステップ512nでは、前述したとおり差分電圧ΔV2の算式が異なっている。
更に、図5Bにおけるステップ805ではポンプ素子44に流れるポンプ電流の測定が行われて、ポンプ電流対空燃比のデータテーブルから現状の空燃比が算出され、図示しない燃料噴射制御プログラムによって燃料噴射量の負帰還制御が行われるようになっている。まず、図7において、電源スイッチ10が閉路されると、図示していないエンジン始動装置と燃料噴射装置が動作して車載エンジンが運転動作を開始し、エアフローセンサで検出された吸気量と燃料噴射量の適正化を図るために排気ガスセンサ4Yによって測定された現在の空燃比λと理論空燃比[λ0=14.7]との差分値に比例して燃料噴射量の増減調整が行われて、実働空燃比が理論空燃比λ0と等しくなるように負帰還制御が行われるようになっている。以下に述べる実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗の測定装置100Bは、排気ガスセンサを早期活性化するためのヒータの制御手段として排気ガスセンサの環境温度を検出するためのものであるとともに、排気ガスセンサの異常の有無を判定するようになっている。
図8は、実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の作用動作を補足説明する部分フローチャートである。図8において、前述の図6と同じ動作を行うステップについては図6と同じステップの符号が付されている。図8において、ステップ800は、図5Aにおける動作開始ステップ500に続いて実行されるサブルーチンプログラムの開始ステップである。続くステップ601は、正側電圧Vaの値を示す正側電圧信号AD1のデジタル変換値がゼロであるときにYESの判定を行ってステップ602aへ移行し、デジタル変換値がゼロではないときにNOの判定を行ってステップ802bへ移行するゼロ電圧判定ステップである。
ステップ602aは、素子異常検出手段となるステップであり、ここでは検出素子41の断線異常報知が行われて後述のステップ604bへ移行するようになっている。ステップ802bは、正側電圧Vaの値を示す正側電圧信号AD1のデジタル変換値が、バイアス電圧V0と負側電圧Vbの値を示す負側電圧信号AD2以下であるときにYESの判定を行ってステップ803aへ移行し、正側電圧信号AD1のデジタル変換値が負側電圧信号AD2以下ではないときにNOの判定を行ってステップ803bへ移行する過小電圧判定ステップであって、電流切換手段を構成する。ステップ803aは、第1の付勢指令信号Trpa及び第1の回復指令信号Trnaの発生を許可してステップ604aへ移行する第1の測定電流許可手段となるステップである。
ステップ803bは、第2の付勢指令信号Trpb及び第2の回復指令信号Trnbの発生を許可してステップ604aへ移行する第2の測定電流許可手段となるステップである。ステップ604aは、現在が図4における待機時間T0による待機期間であるかどうかを判定し、その待機期間であればYESの判定を行ってステップ604bへ移行し、その待機期間でなければNOの判定を行ってステップ605aへ移行する待機時間帯判定ステップである。ステップ604bは、第1の付勢指令信号Trpa及び第2の付勢指令信号Trpbと、第1の回復指令信号Trna及び第2の回復指令信号Trnbの発生を禁止して、復帰ステップ809を介して図5Aのステップ501へ移行する待機時間帯指定ステップである。
ステップ605aは、現在が図4における付勢時間Tpによる付勢期間であるかどうかを判定し、その付勢期間であればYESの判定を行ってステップ605bへ移行し、その付勢期間でなければNOの判定を行ってステップ606aへ移行する付勢時間帯判定ステップである。ステップ605bは、第1の付勢指令信号Trpa又は第2の付勢指令信号Trpbの発生を許可して、復帰ステップ809を介して図5Aのステップ510pへ移行する付勢時間帯指定ステップであり、第1の付勢指令信号Trpa又は第2の付勢指令信号Trpbのどちらが許可されるかはステップ803a又はステップ803bで決定される。
ステップ606aは、現在が図4における回復時間Tnによる回復期間であるかどうかを判定し、その回復期間であればYESの判定を行ってステップ606bへ移行し、その回復期間でなければNOの判定を行ってステップ604bへ移行する回復時間帯判定ステップである。ステップ606bは、第1の回復指令信号Trna又は第2の回復指令信号Trnbの発生を許可して、復帰ステップ809を介して図5Bのステップ510nへ移行する回復時間帯指定ステップであり、第1の回復指令信号Trna又は第2の回復指令信号Trnbのどちらが許可されるかはステップ803a又はステップ803bで決定されている。
なお、このフローチャートにおいても、待機時間T0と付勢時間Tpと回復時間Tnの経過時間の計測は、図5Aにおけるステップ504と、図5Bにおけるステップ515pとステップ515nにおいて行われており、それぞれのステップにおいて、目標時間未達の場合は未達フラグをセットして動作終了ステップ509へ移行し、目標時間到達の場合はこの未達フラグをリセットして次ステップへ移行するようになっている。そして、図6のステップ604aとステップ605aとステップ606aでは、前述の未達フラグの状態を監視して、未達フラグがリセットされていることにより次の期間への移行が行われるようになっている。
以上の説明では、第1の付勢指令信号Trpaと第2の付勢指令信号Trpbは、どちらか一方が指定されるようになっているが、第2の付勢指令信号Trpbを指定するときには第1の付勢指令信号Trpaも合わせて指定することも可能であり、これは回復指令信号についても同様である。
なお、実態としては、[第1の付勢指令信号Trpaによる第1の付勢電流<<第2の付勢指令信号Trpbによる第2付勢電流]、[第1の回復指令信号Trnaによる第1の回復電流<<第2の回復指令信号Trnbによる第2の回復電流]の関係にあり、第1の付勢指令信号Trpaと第2の付勢指令信号Trpbとを同時に発生すると、第2の付勢指令信号Trpbを単独発生した場合に比べて付勢電流が微増することになる。これは、回復電流の場合でも同様であり、実際に測定された正側電流Ipと負側電流Inとの間に相違がある場合には、付勢指令電流又は回復指令電流を微調整して、実際に測定された正側電流Ipと負側電流Inとの値を一致させる方向に調整することも可能となるものである。
以上の説明では、実施の形態1ではポンプ素子を持たない固定領域の空燃比を測定する排気ガスセンサ4Xが使用され、実施の形態2ではポンプ素子を有する可変領域の空燃比を測定する排気ガスセンサ4Yが使用されているが、これを相互に入れ換えて使用することができる。また、実施の形態1における正側電流印加回路5と負側電流印加回路6とは、1個の付勢トランジスタ50と1個の回復トランジスタ60を備えているのに対し、実施の形態2における正側電流印加回路5と負側電流印加回路6とは、一対の付勢トランジスタ50a、50bと、一対の回復トランジスタ60a、60bを備えているが、これを相互に入れ換えて使用することができる。その他、電流検出抵抗の接続位置及びプルダウン抵抗34の接続位置も相互に変更することが可能である。
なお、実施の形態2による排気ガスセンサの内部抵抗測定装置の異常監視制御の作用動作は、前述の実施の形態1で説明した図9のフローチャートによる動作と同様であるので説明を省略する。
(3)実施の形態2の要点と特徴
以上のとおり、本願の実施の形態2に於ける排気ガスセンサの内部抵抗測定装置は、被測定気流の空燃比に応動して発生電圧Vdを出力する検出素子41と、この検出素子に含まれ環境温度によって現在抵抗値Rsが変化する内部抵抗42と、前記検出素子41の早期活性化を図るためのヒータ43とを備えた排気ガスセンサ4Yに対し、前記現在抵抗値Rsを測定して、前記ヒータ43の通電制御を行う演算制御回路部2Bを備えた排気ガスセンサの内部抵抗測定装置 100Bであって、
前記検出素子41の負側端子3bにはバイアス電圧発生回路7によるバイアス電圧V0が印加されるとともに、正側端子3aには前記バイアス電圧V0よりも高い電源電圧Veから正側電流Ipを供給することができる正側電流印加回路5と、グランド回路GNDを介して負側電流Inを流出させることができる負側電流印加回路6とが接続され、
前記正側電流印加回路5と前記負側電流印加回路6との接続点CPと前記正側端子3aとの間には、正側電流検出抵抗33aが接続され、
前記正側電流検出抵抗33aの抵抗値は、既知の値である所定抵抗値R33となっており、
前記演算制御回路部2Bは、
プログラムメモリPMEMと協働するマイクロプロセッサCPUと、前記正側端子3aの対グランド電位である正側電圧Vaと、前記負側端子3bの対グランド電位である負側電圧Vbと、監視電圧Vcとの値をデジタル変換して前記マイクロプロセッサCPUに入力する多チャンネルAD変換器ADCを備え、
前記監視電圧Vcは、前記正側電流検出抵抗33aの一端の対グランド電位であって、前記監視電圧Vcと前記正側電圧Vaとの差分電圧[ΔVca=Vc−Va]は、前記正側電流検出抵抗33aの両端電圧V33に相当している。
そして、前記プログラムメモリPMEMは、均一化処理手段514nと発生電圧監視手段503、及び測定電流検出手段512p、512nと、内部抵抗算出手段513p、513nとなる制御プログラムを包含し、
前記均一化処理手段514nは、前記正側電流印加回路5を駆動して所定の前記正側電流Ipを所定の付勢時間Tpにおいて発生する付勢指令信号Trpと、前記負側電流印加回路6を駆動して所定の前記負側電流Inを所定の回復時間Tnにおいて発生する回復指令信号Trnとを交互に定期的に発生するとともに、前記正側電流Ipと前記付勢時間Tpとの積である正側付勢電流の積分値と、前記負側電流Inと前記回復時間Tnとの積である負側回復電流の積分値とは等しくなる関係に制御する手段であり、
前記発生電圧監視手段503は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnが共に停止している通常期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧[ΔV1=Va−Vb]よって前記発生電圧Vdを測定する手段であり、
前記測定電流検出手段512p、512nは、前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの通電期間において、前記差分電圧ΔVcaである差分値ΔV2[ΔV2=Va−Vc]によって、前記正側電流検出抵抗33aの前記両端電圧V33を測定して、前記所定抵抗値R33を基にして前記正側電流Ip又は負側電流Inの値である[ΔV2/R33]を算出する手段であり、
前記内部抵抗算出手段513p、513nは、前記通電期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]から、前記発生電圧監視手段503によって測定された前記発生電圧Vdである前記差分電圧[ΔV1=Va−Vb]を減算することによって前記現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を算出し、この両端電圧Vxを前記測定電流検出手段512p、512nによって検出された前記正側電流Ip又は前記負側電流Inで割るか、又は前記両端電圧Vxと前記両端電圧V33との比率に前記所定抵抗値R33を掛け合わせることによって前記現在抵抗値Rsを算出する手段となっている。
前記正側電流印加回路5は、前記電源電圧Veを発生する前記正側電源である定電圧電源11と前記正側電流検出抵抗33aとの間に接続された正側出力トランジスタ52と、この正側出力トランジスタ52に対してカレントミラー回路で接続された正側指令トランジスタ51と、前記付勢指令信号Trpが発生したときに閉路駆動されて、正側電流指定抵抗31を介して前記正側指令トランジスタ51に前記正側電流Ipの指令電流を供給する付勢トランジスタ50を備え、
前記付勢指令信号Trpが発生すると、前記正側出力トランジスタ52に流れる前記正側電流Ipは、前記電源電圧Veを前記正側電流指定抵抗31の正側抵抗値R31で割って得られる前記指令電流に等しくなり、
前記負側電流印加回路6は、前記正側電流検出抵抗33aと前記グランド回路GNDとの間に接続された負側出力トランジスタ62と、この負側出力トランジスタ62に対してカレントミラー回路で接続された負側指令トランジスタ61と、前記回復指令信号Trnが発生したときに閉路駆動されて、負側電流指定抵抗32を介して前記負側指令トランジスタ61に前記負側電流Inの指令電流を供給する回復トランジスタ60を備え、
前記回復指令信号Trnが発生すると、前記負側出力トランジスタ62に流れる前記負側電流Inは、前記電源電圧Veを前記負側電流指定抵抗32の負側抵抗値R32で割って得られる前記指令電流に等しくなり、
前記電源電圧Veは、前記多チャンネルAD変換器ADCの端子に基準電圧Vrefとして接続されている。
以上のとおり、本願の請求項4に関連し、正側電流印加回路による正側電流と、負側電流印加回路による負側電流は、多チャンネルAD変換器の基準電圧端子に印加される電圧と同一で電圧である電源電圧Veを、正側電流指定抵抗又は負側電流指定抵抗の各抵抗値で割って得られる正側又は負側の指令電流となっている。
従って、前記指令電流に基づいて電流検出抵抗の両端に発生する両端電圧V33は、電源電圧Veの増減変動に対して比例して増減するが、多チャンネルAD変換器における基準電圧も電源電圧Veに比例して変動しているので、そのデジタル変換値は電源電圧Veの変動の影響を受けることがなく、高精度に両端電圧V33を測定することができる特徴がある。これは、実施の形態1と同様である。
前記正側指令トランジスタ51には、前記正側電流指定抵抗31と前記付勢トランジスタ50との直列回路に代わって、第1の正側電流指定抵抗31aと第1の付勢トランジスタ50aとの直列回路と、第2の正側電流指定抵抗31bと第2の付勢トランジスタ50bとの少なくとも二つの直列回路とが並列接続され、
前記負側指令トランジスタ61には、前記負側電流指定抵抗32と前記回復トランジスタ60との直列回路に代わって、第1の負側電流指定抵抗32aと第1の回復トランジスタ60aとの直列回路と、第2の負側電流指定抵抗32bと第2の回復トランジスタ60bとの少なくとも二つの直列回路とが並列接続され、
前記演算制御回路部2Bは、前記付勢指令信号Trpに代わって、前記第1の付勢トランジスタ50aを駆動する第1の付勢指令信号Trpa、及び前記第2の付勢トランジスタ50bを駆動する第2の付勢指令信号Trpbの内の何れか一方又は両方を発生し、前記演算制御回路部2Bはまた、前記回復指令信号Trnに代わって、前記第1の回復トランジスタ60aを駆動する第一回復指令信号Trna、及び前記第2の回復トランジスタ60bを駆動する第2の回復指令信号Trnbの内の何れか一方又は両方を発生する電流切換手段802bを備えている。
以上のとおり、本願の請求項6に関連し、正側指令トランジスタに接続される正側電流指定抵抗は、第1の付勢トランジスタ及び第2の付勢トランジスタの一方又は両方を閉路することによって、第1の正側電流指定抵抗、又は第2の正側電流指定抵抗、又はその並列抵抗、による3段階の設定変更が可能となっている。
同様に、負側指令トランジスタに接続される負側電流指定抵抗は、第1の回復トランジスタ、及び第2の回復トランジスタの一方又は両方を閉路することによって、第1の負側電流指定抵抗、又は第2の負側電流指定抵抗、又はその並列抵抗、による3段階の設定変更が可能となっている。
従って、環境温度によって大幅に変動する現在抵抗値Rsの現在状態に対応して、現在抵抗Rsの両端電圧Vxが過小であれば正負の測定電流を増加させ、両端電圧Vxが過大であれば、正負の測定電流を減少させて、バイアス電圧V0と検出電圧Vdと両端電圧Vxの加算値が電源電圧Ve以上とならないように制限しながら、高精度に現在抵抗値Rsの測定を行うことができる特徴がある。
なお、正側電流指定抵抗と付勢トランジスタとの直列回路を3回路として3点の付勢指令信号で選択接続し、負側電流指定抵抗と回復トランジスタとの直列回路を3回路として3点の回復指令信号で選択接続すれば、8種類の正側電流と8種類の負側電流を用いてよ
り高精度に現在抵抗値Rsの測定を行うことができる特徴がある。
前記正側端子3a又は前記正側端子3aに直列接続された低抵抗の前記正側電流検出抵抗33aと、前記グランド回路GNDとの間には、プルダウン抵抗34が接続されており、
前記プルダウン抵抗34は、前記検出素子41の現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の高抵抗であり、
前記プログラムメモリPMEMは更に、素子異常検出手段602aと第1の測定電流許可手段803aと第2の測定電流許可手段803bとなる制御プログラムを包含し、
前記素子異常検出手段602aは、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnを停止している通常状態において、前記正側電圧Vaが発生していないことによって前記検出素子41の断線異常であると判定する手段であり、
前記第1の測定電流許可手段803aは、前記正側電圧Vaの値が前記バイアス電圧V0未満となっているときに、前記付勢指令信号Trp及び前記回復指令信号Trnによる前記正側電流Ip及び前記負側電流Inの値を第1のレベルの電流に制限する手段であるとともに、
前記第2の測定電流許可手段803bは、前記正側電圧Vaの値が前記バイアス電圧V0以上となっているときに、前記付勢指令信号Trp及び前記回復指令信号Trnによる前記正側電流Ip及び前記負側電流Inの値を第2のレベルの電流に設定する手段であって、
前記第2のレベルの電流は、前記第1のレベルの電流よりも大きな値となっている。
以上のとおり、本願の請求項7に関連し、検出素子の正側端子又は正側電流検出抵抗には高抵抗のプルダウン抵抗が接続されていて、プログラムメモリには素子異常検出手段と第1の測定電流許可手段及び第2の測定電流許可手段となる制御プログラムが設けられている。
従って、正側電圧Vaを監視することによって検出素子の断線異常を検出することができるとともに、検出素子の内部抵抗が高抵抗の低温状態においては正側電流Ip及び負側電流Inの発生を第1のレベルの電流に抑制しておくことによって早期に内部抵抗の測定を可能にし、内部抵抗の減少にともなって第2のレベルの電流に増加させることによって活性化前後における内部抵抗を正確に測定することができる特徴がある。
前記プログラムメモリPMEMは更に、検出素子の断線異常検出手段908aとなる制御プログラムを包含しているとともに、
前記正側端子3a又はこの正側端子に直列接続されている前記正側電流検出抵抗33aと前記グランド回路GNDとの間にはプルダウン抵抗34が接続されていて、
前記プルダウン抵抗34は、前記検出素子41の前記現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の高抵抗であり、
前記検出素子の断線異常検出手段908aは、前記検出素子41の負側端子3bに対して前記バイアス電圧発生回路7による前記バイアス電圧V0が印加されている状態において、前記正側電流印加回路5によって前記正側電流Ipを供給した場合に、前記正側電圧Vaが前記電源電圧Veに接近した値である第1の電圧以上となるか、若しくは、前記検出素子41の負側端子3bに対して前記バイアス電圧発生回路7による前記バイアス電圧V0が印加されている状態において、前記負側電流印加回路6によって前記負側電流Inを供給した場合に、前記正側電圧Vaが前記グランド回路GNDの電位に接近した値である第2の電圧以下となったときに前記検出素子41の断線異常が発生したと判定する手段であり、
前記第一電圧は、前記正側電流Ipと前記プルダウン抵抗34の抵抗値R34との積を下限とし、前記電源電圧Veを上限とする電圧であり、
前記第2の電圧は、前記バイアス電圧V0の1/2未満の電圧であり、
前記検出素子の断線異常検出手段908aは更に、前記検出素子41の負側端子3bに対して前記正側電流Ip及び前記負側電流Inが通電されていないときに、前記正側電圧Vaが前記グランド回路GNDの電位に接近した値である前記第2の電圧以下となったときに前記検出素子41の断線異常が発生したと判定する手段を包含している。
以上のとおり、本願の請求項8に関連し、検出素子の正側端子には高抵抗のプルダウン抵抗が接続されていて、検出素子の断線異常の有無は検出素子に正側電流Ip又は負側電流Inを流すための付勢指令信号又は回復指令信号を発生したときの検出素子の正側電圧Vaの有無によって判定されるようになっている。
従って、正常運転中に常時断線異常の有無が判定されているので、検出素子による空燃比の検出結果に対する信頼性が向上する特徴がある。
また、プルダウン抵抗が設けられていることによって、付勢指令信号及び回復指令信号を発生していない通常期間においても正側電圧Vaを監視することによって検出素子の断線異常の有無が判定できるようになっている。
前記負側端子3b又は前記負側電流検出抵抗33bを介して前記負側端子3bに接続される前記バイアス電圧発生回路7は、前記バイアス電圧V0の出力回路となるバッファアンプ70を備えるとともに、
前記バッファアンプ70の出力回路には電流制限回路73が内蔵又は外付け接続されており、
前記正側出力トランジスタ52から前記負側出力トランジスタ62との前記接続点CPに至る径路には、前記正側端子3aから前記正側出力トランジスタ52に至る逆流電流の発生を防止する逆流防止ダイオード35が接続され、
前記多チャンネルAD変換器ADCのアナログ入力信号AD1、AD2、AD3の内の少なくとも前記正側端子3a又は負側端子3bに接続される入力回路には、バイパス回路36の限流抵抗が直列接続され、
前記限流抵抗と前記多チャンネルAD変換器ADCの入力端子との接続点は、プルダウンダイオードを介して前記電源電圧Veに接続されており、
前記プログラムメモリPMEMは更に、前記正側電流Ip及び前記負側電流Inの通電指令の有無に関わらず作用して、前記検出素子41の前記正側端子3a又は前記負側端子3bが、前記グランド回路GNDと混触する正側又は負側端子の地絡異常検出手段903b、901b、及び前記正側端子3a又は前記負側端子3bが車載バッテリ1Xの電源線と混触する正側又は負側端子の天絡異常検出手段904b、902b、及び前記正側端子3aと前記負側端子3bとが相互に短絡接続される検出素子41の短絡異常検出手段905bを備えている。
そして、前記負側端子の地絡異常検出手段901bは、前記負側電圧Vbが「0」に接近した値であって、少なくとも前記バイアス電圧V0として設定されている目標電圧の1/2以下の電圧であることによって負側端子3bがグランド回路GNDと混触していると判定する手段であり、
前記正側端子の地絡異常検出手段903bは、前記正側電圧Vaが「0」に接近した値であって、少なくとも前記バイアス電圧V0として設定されている目標電圧の1/2以下の電圧であることによって正側端子3aがグランド回路GNDと混触していると判定する手段であり、
前記負側端子の天絡異常検出手段902bは、前記負側電圧Vbが前記電源電圧Veに接近した値であって、少なくとも前記電源電圧Veして設定されている目標電圧の80[%]以上の電圧であることによって負側端子3bが前記車載バッテリ1Xの電源線と混触していると判定する手段であり、
前記正側端子の天絡異常検出手段904bは、前記正側電圧Vaが前記電源電圧Veに接近した値であって、少なくとも前記電源電圧Veして設定されている目標電圧の80[%]以上の電圧であることによって正側端子3aが前記車載バッテリ1Xの電源線と混触していると判定する手段であり、
前記検出素子の短絡異常検出手段905bは、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧が、前記正側電流Ip及び前記負側電流Inとして予定されている最小電流と、前記検出素子41の内部抵抗42の現在抵抗値Rsの最小値との積よりも小さいことによって、前記正側端子3aと前記負側端子3bとが短絡接続されていると判定する手段となっている。
以上のとおり、本願の請求項9に関連し、検出素子の正側端子及び負側端子の相互の短絡異常、及び電源線との天絡異常とグランド回路に対する地絡異常については、正側電流Ip及び負側電流Inの通電の有無とは無関係に常時監視されている。
そして、負側端子の天絡異常又は地絡異常にともなうバッファアンプの損傷は、バッファアンプに内蔵又は外付けされた電流制限回路によって保護され、正側端子の天絡異常に対しては、逆流防止ダイオードとバイパス回路によって保護されるとともに、正側及び負側電流印加回路の正側出力トランジスタ及び負側出力トランジスタはカレントミラー回路によって定電流制御が行われているので、天絡又は地絡に伴って過大電流が流れないように保護されている。
従って、検出された異常要因に応じて異常報知を行って、定められた異常処理を行うことができる特徴がある。これは、実施の形態1についても同様であるが、実施の形態1の場合には負側端子3bとバッファアンプ70との間に低抵抗の負側電流検出抵抗33bが接続されている。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、1つ、又は複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合又は省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1X 車載バッテリ、2A、2B 演算制御回路部、3a 正側端子、3b 負側端子、
4X、4Y 排気ガスセンサ、5 正側電流印加回路、6 負側電流印加回路、
7 バイアス電圧発生回路、11 定電圧電源、31 正側電流指定抵抗、
31a 第1の正側電流指定抵抗、31b 第2の正側電流指定抵抗、
32 負側電流指定抵抗、32a 第1の負側電流指定抵抗、
32b 第2の負側電流指定抵抗、33a 正側電流検出抵抗、
33b 負側電流検出抵抗、34 プルダウン抵抗、35 逆流防止ダイオード、
36 バイパス回路、41 検出素子、42 内部抵抗、43 ヒータ、
50 付勢トランジスタ、50a 第1の付勢トランジスタ、
50b 第2の付勢トランジスタ、51 正側指令トランジスタ、
52 正側出力トランジスタ、60 回復トランジスタ、
60a 第1の回復トランジスタ、60b 第2の回復トランジスタ、
61 負側指令トランジスタ、62 負側出力トランジスタ、70 バッファアンプ、
71、72 分圧抵抗、73 電流制限回路、
100A、100B 排気ガスセンサの内部抵抗測定装置、
503 発生電圧監視手段、505 移動平均化手段、506 平均化手段、
512p、512n 測定電流検出手段、513p、513n 内部抵抗算出手段、
514n 均一化処理手段、602a 素子異常検出手段、802b 電流切換手段、
803a 第1の測定電流許可手段、803b 第2の測定電流許可手段、
901b 負側端子の地絡異常検出手段、902b 負側端子の天絡異常検出手段、
603a 測定電流禁止手段、903b 正側端子の地絡異常検出手段、
904b 正側端子の天絡異常検出手段、905b 検出素子の短絡異常検出手段、
908a 検出素子の断線異常検出手段
本願に開示される排気ガスセンサの内部抵抗測定装置は、
被測定気流の空燃比に応動して発生電圧Vdを出力する検出素子と、前記検出素子に含まれて環境温度によって現在抵抗値Rsが変化する内部抵抗と、前記検出素子の活性化を図るためのヒータとを備えた排気ガスセンサに対し、前記現在抵抗値Rsを測定して、前記ヒータの通電制御を行う演算制御回路部を備えた排気ガスセンサの内部抵抗測定装置であって、
前記検出素子は、負側端子にバイアス電圧発生回路によるバイアス電圧V0が印加されるとともに、正側端子に前記バイアス電圧V0よりも高い電源電圧Veが印加され、
前記検出素子の前記正側端子に正側電流Ipを供給し得る正側電流印加回路と、
グランド回路を介して負側電流Inを流出させ得る負側電流印加回路と、
を備え、
前記正側電流印加回路と前記負側電流印加回路との接続点と前記正側端子との間に正側電流検出抵抗が接続され、若しくは、前記負側端子と前記バイアス電圧発生回路との間に負側電流検出抵抗が接続され、
前記正側電流検出抵抗若しくは前記負側電流検出抵抗は、既知の値である所定抵抗値R33を備え、
前記演算制御回路部は、
プログラムメモリと協働するマイクロプロセッサと、
前記正側端子の対グランド電位である正側電圧Vaと、前記負側端子の対グランド電位である負側電圧Vbと、監視電圧Vcとの値をデジタル変換して前記マイクロプロセッサに入力する多チャンネルAD変換器と、
を備え、
前記監視電圧Vcは、前記正側電流検出抵抗又は前記負側電流検出抵抗の一端の対グランド電位であって、前記正側電流検出抵抗を有する場合には、前記監視電圧Vcと前記正側電圧Vaとの差分電圧[ΔVca=Vc−Va]は前記正側電流検出抵抗の両端電圧V33に相当し、前記負側電流検出抵抗を有する場合には、前記負側電圧Vbと前記監視電圧Vcとの差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]は前記負側電流検出抵抗の前記両端電圧V33に相当し、
前記プログラムメモリは、均一化処理手段と発生電圧監視手段、及び測定電流検出手段と内部抵抗算出手段、となる制御プログラムを包含し、
前記均一化処理手段は、前記正側電流印加回路を駆動して所定の前記正側電流Ipを所定の付勢時間Tpにおいて発生する付勢指令信号Trpと、前記負側電流印加回路を駆動して所定の前記負側電流Inを所定の回復時間Tnにおいて発生する回復指令信号Trnとを交互に定期的に発生するとともに、前記正側電流Ipと前記付勢時間Tpとの積である正側付勢電流の積分値と、前記負側電流Inと前記回復時間Tnとの積である負側回復電流の積分値とは等しくなる関係に制御する手段であり、
前記発生電圧監視手段は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnが共に停止している通常期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧[ΔV1=Va−Vb]によって前記発生電圧Vdを測定する手段であり、
前記測定電流検出手段は、前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの通電期間において、前記差分電圧[ΔVca=Vc−Va]若しくは前記差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]である差分値ΔV2によって、前記正側電流検出抵抗又は前記負側電流検出抵抗の前記両端電圧V33を測定して、前記所定抵抗値R33に基づいて前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの値である[ΔV2/R33]を算出する手段であり、
前記内部抵抗算出手段は、前記通電期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]から、前記発生電圧監視手段により測定された前記発生電圧Vdである前記差分電圧[ΔV1=Va−Vb]を減算することにより前記現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を算出し、この両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を前記測定電流検出手段により検出された前記正側電流Ip又は前記負側電流Inで割るか、又は前記両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]と前記両端電圧V33との比率に前記所定抵抗値R33を掛け合わせることにより前記現在抵抗値Rsを算出する手段である、
ことを特徴とする。

Claims (9)

  1. 被測定気流の空燃比に応動して発生電圧Vdを出力する検出素子と、前記検出素子に含まれて環境温度によって現在抵抗値Rsが変化する内部抵抗と、前記検出素子の活性化を図るためのヒータとを備えた排気ガスセンサに対し、前記現在抵抗値Rsを測定して、前記ヒータの通電制御を行う演算制御回路部を備えた排気ガスセンサの内部抵抗測定装置であって、
    前記検出素子は、負側端子にバイアス電圧発生回路によるバイアス電圧V0が印加されるとともに、正側端子に前記バイアス電圧V0よりも高い電源電圧Veが印加され、
    前記検出素子の前記正側端子に正側電流Ipを供給し得る正側電流印加回路と、
    グランド回路を介して負側電流Inを流出させ得る負側電流印加回路と、
    を備え、
    前記正側電流印加回路と前記負側電流印加回路との接続点と前記正側端子との間に正側電流検出抵抗が接続され、若しくは、前記負側端子と前記バイアス電圧発生回路との間に負側電流検出抵抗が接続され、
    前記正側電流検出抵抗と前記負側電流検出抵抗とは、既知の値である所定抵抗値R33を夫々備え、
    前記演算制御回路部は、
    プログラムメモリと協働するマイクロプロセッサと、
    前記正側端子の対グランド電位である正側電圧Vaと、前記負側端子の対グランド電位である負側電圧Vbと、監視電圧Vcとの値をデジタル変換して前記マイクロプロセッサに入力する多チャンネルAD変換器と、
    を備え、
    前記監視電圧Vcは、前記正側電流検出抵抗又は前記負側電流検出抵抗の一端の対グランド電位であって、前記正側電流検出抵抗を有する場合には、前記監視電圧Vcと前記正側電圧Vaとの差分電圧[ΔVca=Vc−Va]は前記正側電流検出抵抗の両端電圧V33に相当し、前記負側電流検出抵抗を有する場合には、前記負側電圧Vbと前記監視電圧Vcとの差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]は前記負側電流検出抵抗の前記両端電圧V33に相当し、
    前記プログラムメモリは、均一化処理手段と発生電圧監視手段、及び測定電流検出手段と内部抵抗算出手段、となる制御プログラムを包含し、
    前記均一化処理手段は、前記正側電流印加回路を駆動して所定の前記正側電流Ipを所定の付勢時間Tpにおいて発生する付勢指令信号Trpと、前記負側電流印加回路を駆動して所定の前記負側電流Inを所定の回復時間Tnにおいて発生する回復指令信号Trnとを交互に定期的に発生するとともに、前記正側電流Ipと前記付勢時間Tpとの積である正側付勢電流の積分値と、前記負側電流Inと前記回復時間Tnとの積である負側回復電流の積分値とは等しくなる関係に制御する手段であり、
    前記発生電圧監視手段は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnが共に停止している通常期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧[ΔV1=Va−Vb]によって前記発生電圧Vdを測定する手段であり、
    前記測定電流検出手段は、前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの通電期間において、前記差分電圧[ΔVca=Vc−Va]若しくは前記差分電圧[ΔVbc=Vb−Vc]である差分値ΔV2によって、前記正側電流検出抵抗又は前記負側電流検出抵抗の前記両端電圧V33を測定して、前記所定抵抗値R33に基づいて前記正側電流Ip又は前記負側電流Inの値である[ΔV2/R33]を算出する手段であり、
    前記内部抵抗算出手段は、前記通電期間において、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbの差分電圧[ΔV3=Va−Vb]から、前記発生電圧監視手段により測定された前記発生電圧Vdである前記差分電圧[ΔV1=Va−Vb]を減算することにより前記現在抵抗値Rsの両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を算出し、この両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]を前記測定電流検出手段により検出された前記正側電流Ip又は前記負側電流Inで割るか、又は前記両端電圧[Vx=ΔV3−ΔV1]と前記両端電圧V33との比率に前記所定抵抗値R33を掛け合わせることにより前記現在抵抗値Rsを算出する手段である、
    ことを特徴とする排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  2. 前記内部抵抗算出手段は、前記正側電流Ipを通電した場合と、前記負側電流Inを通電した場合の両方に適用され、前記正側電流Ipと前記負側電流Inの両方の電流で測定された2種類の前記現在抵抗値Rsの平均値を正式の前記現在抵抗値Rsとして決定する平均化手段を備えているとともに、
    前記発生電圧監視手段は、定期的に交互に印加される前記正側電流Ipと前記負側電流Inが共に停止しているときに検出された前記発生電圧Vdの移動平均値を算出する移動平均化手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  3. 前記負側端子又は前記負側電流検出抵抗を介して前記負側端子に印加される前記バイアス電圧V0は、前記電源電圧Veを一対の分圧抵抗により分圧して得られる分圧電圧を、バッファアンプにより変動抑制したものであり、
    前記分圧抵抗による分圧比は、前記発生電圧Vdが「0」である場合の[1/2]から前記発生電圧Vdが最大値である場合の[(1−Vd/Ve)/2]の範囲に設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  4. 前記正側電流印加回路は、前記電源電圧Veを発生する前記正側電圧Vaである定電圧電源と前記正側端子又は前記正側電流検出抵抗との間に接続された正側出力トランジスタと、前記正側出力トランジスタに対してカレントミラー回路で接続された正側指令トランジスタと、前記付勢指令信号Trpが発生したときに閉路駆動されて、正側電流指定抵抗を介して前記正側指令トランジスタに前記正側電流Ipの指令電流を供給する付勢トランジスタとを備え、
    前記付勢指令信号Trpが発生すると、前記正側出力トランジスタに流れる前記正側電流Ipは、前記電源電圧Veを前記正側電流指定抵抗の正側抵抗値R31で割って得られる前記指令電流に等しくなり、
    前記負側電流印加回路は、前記正側端子又は前記正側電流検出抵抗と前記グランド回路との間に接続された負側出力トランジスタと、前記負側出力トランジスタに対してカレントミラー回路により接続された負側指令トランジスタと、前記回復指令信号Trnが発生したときに閉路駆動されて、負側電流指定抵抗を介して前記負側指令トランジスタに前記負側電流Inの指令電流を供給する回復トランジスタとを備え、
    前記回復指令信号Trnが発生すると、前記負側出力トランジスタに流れる前記負側電流Inは、前記電源電圧Veを前記負側電流指定抵抗の負側抵抗値R32で割って得られる前記指令電流に等しくなり、
    前記電源電圧Veは、前記多チャンネルAD変換器の端子に基準電圧Vrefとして接続されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか1項に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  5. 前記正側端子又は前記正側電流検出抵抗と前記グランド回路との間には、プルダウン抵抗が接続されており、
    前記プルダウン抵抗は、前記検出素子の前記現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の抵抗値を有し、
    前記プログラムメモリは更に、素子異常検出手段と測定電流禁止手段となる制御プログラムを包含し、
    前記素子異常検出手段は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnを停止している通常状態において、前記正側電圧Vaが発生していないことによって前記検出素子の断線異常であると判定する手段であり、
    前記測定電流禁止手段は、前記付勢指令信号Trpと前記回復指令信号Trnを停止している通常状態において、前記正側電圧Vaの値が前記バイアス電圧V0未満となっているときに、前記付勢指令信号Trp及び前記回復指令信号Trnによる正側電流Ip及び負側電流Inの発生を禁止する手段である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  6. 前記正側指令トランジスタには、前記正側電流指定抵抗と前記付勢トランジスタとの直列回路に代わって、第1の正側電流指定抵抗と第1の付勢トランジスタとの直列回路と、第2の正側電流指定抵抗と第2の付勢トランジスタとの少なくとも二つの直列回路とが並列接続され、
    前記負側指令トランジスタには、前記負側電流指定抵抗と前記回復トランジスタとの直列回路に代わって、第1の負側電流指定抵抗と第1の回復トランジスタとの直列回路と、第2の負側電流指定抵抗と第2の回復トランジスタとの少なくとも二つの直列回路とが並列接続され、
    前記演算制御回路部は、前記付勢指令信号Trpに代わって、前記第1の付勢トランジスタを駆動する第1の付勢指令信号Trpa、及び前記第2の付勢トランジスタを駆動する第2の付勢指令信号Trpbのうちの何れか一方又は両方を発生し、
    前記演算制御回路部はまた、前記回復指令信号Trnに代わって、前記第1の回復トランジスタを駆動する第1の回復指令信号Trna、及び前記第2の回復トランジスタを駆動する第2の回復指令信号Trnbのうちの何れか一方又は両方を発生する電流切換手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  7. 前記正側端子又は前記正側電流検出抵抗と前記グランド回路との間には、プルダウン抵抗が接続されており、
    前記プルダウン抵抗は、前記検出素子の前記現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の抵抗値を有し、
    前記プログラムメモリは更に、素子異常検出手段と第1の測定電流許可手段と第2の測定電流許可手段となる制御プログラムを包含し、
    前記素子異常検出手段は、前記第1の付勢指令信号Trpa及び前記第2の付勢指令信号Trpbと前記第1の回復指令信号Trna及び前記第2の回復指令信号Trnbとを停止している通常状態において、前記正側電圧Vaが発生していないことによって前記検出素子の断線異常であると判定する手段であり、
    前記第1の測定電流許可手段は、前記正側電圧Vaの値が前記バイアス電圧V0未満となっているときに、前記第1の付勢指令信号Trpa及び前記第2の付勢指令信号Trpbと、前記第1の回復指令信号Trna及び前記第2の回復指令信号Trnbとによる前記正側電流Ip及び前記負側電流Inの値を第1のレベルの電流に制限する手段であるとともに、
    前記第2の測定電流許可手段は、前記正側電圧Vaの値が前記バイアス電圧V0以上となっているときに、前記第1の付勢指令信号Trpa及び前記第2の付勢指令信号Trpbと、前記第1の回復指令信号Trna及び前記第2の回復指令信号Trnbとによる前記正側電流Ip及び前記負側電流Inの値を第2のレベルの電流に設定する手段であって、
    前記第2のレベルの電流は、前記第1のレベルの電流よりも大きな値となっている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  8. 前記プログラムメモリは更に、前記検出素子の断線異常検出手段となる制御プログラムを包含しているとともに、
    前記正側端子又はこの正側端子に直列接続されている前記正側電流検出抵抗と前記グランド回路との間にはプルダウン抵抗が接続されており、
    前記プルダウン抵抗は、前記検出素子の前記現在抵抗値Rsの最大値と同等以上の抵抗値を有し、
    前記検出素子の断線異常検出手段は、前記検出素子の負側端子に対して前記バイアス電圧発生回路による前記バイアス電圧V0が印加されている状態において、前記正側電流印加回路により前記正側電流Ipを供給した場合に、前記正側電圧Vaが前記電源電圧Veに接近した値である第1の電圧以上となるか、若しくは、前記検出素子の負側端子に対して前記バイアス電圧発生回路による前記バイアス電圧V0が印加されている状態において、前記負側電流印加回路によって前記負側電流Inを供給した場合に、前記正側電圧Vaが前記グランド回路の電位に接近した値である第2の電圧以下となったときに前記検出素子の断線異常が発生したと判定する手段であり、
    前記第1の電圧は、前記正側電流Ipと前記プルダウン抵抗の抵抗値R34と積を下限とし、前記電源電圧Veを上限とする電圧であり、
    前記第2の電圧は、前記バイアス電圧V0の[1/2]未満の電圧であり、
    前記検出素子の断線異常検出手段は更に、前記検出素子の負側端子に対して前記正側電流Ip及び前記負側電流Inが通電されていないときに、前記正側電圧Vaが前記グランド回路の電位に接近した値である前記第2の電圧以下となったときに前記検出素子の断線異常が発生したと判定する手段を包含している、
    ことを特徴とする請求項4に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
  9. 前記負側端子又は前記負側電流検出抵抗を介して前記負側端子に接続される前記バイアス電圧発生回路は、前記バイアス電圧V0の出力回路となるバッファアンプを備えるとともに、
    前記バッファアンプの出力回路には、電流制限回路が内蔵又は外付け接続されており、
    前記正側出力トランジスタから前記負側出力トランジスタとの接続点に至る径路には、前記正側端子から前記正側出力トランジスタに至る逆流電流の発生を防止する逆流防止ダイオードが接続され、
    前記多チャンネルAD変換器のアナログ入力回路のうちの少なくとも前記正側端子又は前記負側端子に接続される入力回路には、バイパス回路の限流抵抗が直列接続され、
    前記限流抵抗と前記多チャンネルAD変換器の入力端子との接続点は、プルダウンダイオードを介して前記電源電圧Veに接続され、
    前記プログラムメモリは更に、
    前記正側電流Ip及び前記負側電流Inの通電指令の有無に関わらず作用して、前記検出素子の前記正側端子又は前記負側端子が、前記グランド回路と混触する前記正側端子又は前記負側端子の地絡異常検出手段と、
    前記正側端子又は前記負側端子が車載バッテリの電源線と混触する前記正側端子又は前記負側端子の天絡異常検出手段と、
    前記正側端子と前記負側端子とが相互に短絡接続される検出素子の短絡異常検出手段と、を備え、
    前記負側端子の地絡異常検出手段は、前記負側電圧Vbが「0」に接近した値であって、少なくとも前記バイアス電圧V0として設定されている目標電圧の[1/2]以下の電圧であることによって前記負側端子が前記グランド回路と混触していると判定する手段であり、
    前記正側端子の地絡異常検出手段は、前記正側電圧Vaが「0」に接近した値であって、少なくとも前記バイアス電圧V0として設定されている目標電圧の[1/2]以下の電圧であることによって前記正側端子が前記グランド回路と混触していると判定する手段であり、
    前記負側端子の天絡異常検出手段は、前記負側電圧Vbが前記電源電圧Veに接近した値であって、少なくとも前記電源電圧Veして設定されている目標電圧の80[%]以上の電圧であることによって前記負側端子が前記車載バッテリの電源線と混触していると判定する手段であり、
    前記正側端子の天絡異常検出手段は、前記正側電圧Vaが前記電源電圧Veに接近した値であって、少なくとも前記電源電圧Veして設定されている目標電圧の80[%]以上の電圧であることによって前記正側端子が前記車載バッテリの電源線と混触していると判定する手段であり、
    前記検出素子の短絡異常検出手段は、前記正側電圧Vaと前記負側電圧Vbとの差分電圧が、前記正側電流Ip及び前記負側電流Inとして予定されている最小電流と、前記検出素子の内部抵抗の現在抵抗値Rsの最小値との積よりも小さいことによって、前記正側端子と前記負側端子とが短絡接続されていると判定する手段である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の排気ガスセンサの内部抵抗測定装置。
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