JP2017161409A - 電圧検出装置、電流検出装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】入力電圧と該入力電圧を検出するための増幅回路のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能な電圧検出装置、該電圧検出装置を備える電流検出装置及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】電圧検出装置は、第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチ11と、第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチ12と、第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチ13と、第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13のオンオフを制御する制御装置とを備える。制御装置は第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオン(又はオフ)し、且つ第3スイッチ13をオフ(又はオン)した場合、差動増幅回路100で増幅した電圧をA/D変換器17で変換した結果に基づいて、第1及び第2入力部に入力される電圧の差分(又は差動増幅回路100のオフセット電圧)を検出する。【選択図】図2
Description
本発明は、2つの入力端子に入力される電圧の差分を差動増幅回路で増幅して検出する電圧検出装置、該電圧検出装置を備える電流検出装置及びコンピュータプログラムに関する。
従来、二次電池の充放電を監視する装置は、充放電電流を時系列的に検出して積算することにより、二次電池の残容量を算出している。充放電電流を検出するには、充放電電流が流れる線路に検出抵抗を直列に挿入し、検出抵抗の両端電圧を増幅器で増幅した電圧をデジタル値に変換してマイコンに取り込む構成が一般的に採用される。
二次電池の充放電電流を正確に検出するには、正確に把握された増幅率を有する増幅器で検出抵抗の両端電圧を増幅してアナログの検出電圧を得る必要がある。一方、増幅器の増幅率には誤差があり、温度変化や時間の経過に伴うドリフトも発生するため、上記検出電圧に対する補正を適時行う必要がある。
これに対し、特許文献1には、イグニッションのオフ期間の直前及び直後夫々におけるバッテリの残容量の差分と、イグニッションのオフ期間の長さとに基づいてバッテリの暗電流値を推定し、電流センサによる暗電流検出値と、推定した暗電流値との比較結果に基づいて、電流センサのゲイン(増幅率)を補正する技術が開示されている。
また、特許文献2には、通電停止時における電流センサに係る温度を標準温度として検出し、通電中の電流センサに係る温度と標準温度との差分が所定の閾値より大きいときに、通電を停止して電流センサのゼロ点補正を行うことにより、電流センサの温度ドリフトが生じた場合であっても電流センサの検出値を補正することが可能な電流センサの補正方法が記載されている。
更に、特許文献3には、電流センサが介装された主線路をリレーでバイパスしたときに電流センサの出力をオフセット値として検出することにより、主線路に流れる電流を遮断することなく電流センサのオフセット値を随時正確に検出することが可能な電流センサのオフセット値検出方法が記載されている。
更に、特許文献4には、検出抵抗の両端電圧を2つの差動アンプで検出して検出抵抗に流れる電流を検出する電流検出器において、検出抵抗に通電中に一方(又は他方)の差動アンプを検出抵抗から切り離すと共に入力電圧を0Vにしてオフセット電圧を検出することにより、電流が流れる状態においても一方(又は他方)の差動アンプのオフセットを補正して高精度に電流を検出する電流検出回路が記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、暗電流の検出精度が残容量の算出精度に大きく左右される問題があり、特許文献2に開示された技術では、通電を長時間停止して温度を計測しなければならないという制約がある。また、特許文献3に開示された技術では、主線路をバイパスする回路及びバイパス回路を遮断する手段が必要となり、特許文献4に開示された技術では、2つの差動アンプが必要となるため、何れもコスト高になるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、入力電圧と該入力電圧を検出するための増幅回路のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能な電圧検出装置、該電圧検出装置を備える電流検出装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る電圧検出装置は、差動増幅回路の第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器とを備える電圧検出装置であって、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1、第2及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備え、該制御部は、前記第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)した場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する。
本発明の一態様に係る電圧検出装置は、差動増幅回路の第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器とを備える電圧検出装置であって、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備え、該制御部は、前記第1スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)した場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する。
本発明の一態様に係る電流検出装置は、上述の電圧検出装置と、流れる電流に応じた電圧を発生する電流センサとを備え、該電流センサが発生した電圧を前記電圧検出装置に入力するようにしてあり、前記制御部は、検出した前記差分に基づいて前記電流センサに流れる電流を検出する。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器と、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1、第2及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備える電圧検出装置の前記制御部で実行可能なコンピュータプログラムであって、前記制御部に、前記第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)するステップと、前記変換器の変換結果を取得するステップと、取得した変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出するステップとを実行させる。
なお、本願は、このような特徴的な処理部を備える電圧検出装置及び電流検出装置として実現したり、係る特徴的な処理部をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができるだけでなく、係る特徴的な処理をステップとする電圧検出方法及び電流検出方法として実現することができる。また、電圧検出装置及び電流検出装置夫々の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、電圧検出装置及び電流検出装置夫々を含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、第1及び第2スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて差分が検出される。一方、第1及び第2スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
従って、入力電圧と該入力電圧を検出するための増幅回路のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
従って、入力電圧と該入力電圧を検出するための増幅回路のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る電圧検出装置は、差動増幅回路の第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器とを備える電圧検出装置であって、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1、第2及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備え、該制御部は、前記第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)した場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する。
本態様にあっては、制御部が、差動増幅回路の第1及び第2入力部夫々に対する電圧の入力を第1及び第2スイッチでオン(又はオフ)すると共に、差動増幅回路の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチでオフ(又はオン)し、このときに差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換器で変換した結果に基づいて、差動増幅回路の入力電圧の差分(又は差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する。
これにより、第1及び第2スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1及び第2スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、外部からの電圧が差動増幅回路に入力されない状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
これにより、第1及び第2スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1及び第2スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、外部からの電圧が差動増幅回路に入力されない状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
(2)本発明の一態様に係る電圧検出装置は、差動増幅回路の第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器とを備える電圧検出装置であって、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備え、該制御部は、前記第1スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)した場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する。
本態様にあっては、制御部が、差動増幅回路の第1入力部に対する電圧の入力を第1スイッチでオン(又はオフ)すると共に、差動増幅回路の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチでオフ(又はオン)し、このときに差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換器で変換した結果に基づいて、差動増幅回路の入力電圧の差分(又は差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する。
これにより、第1スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、第2入力部に外部からの電圧が入力された状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
これにより、第1スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、第2入力部に外部からの電圧が入力された状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
(3)前記差動増幅回路の基準電位に対する所定電圧を生成する電圧源と、前記第1入力部及び電圧源間の接続をオンオフする第4スイッチと、前記第2入力部及び基準電位間の接続をオンオフする第5スイッチとを備え、前記制御部は、前記第4及び第5スイッチをオンし、且つ前記第1、第2及び第3スイッチをオフした場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差動増幅回路の差動増幅率を算出することが好ましい。
本態様にあっては、制御部が、第1及び第2スイッチをオフし、且つ差動増幅回路の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチでオフし、更に第4スイッチをオンすることによって第1入力部に所定電圧を入力すると共に、第5スイッチをオンすることによって第2入力部に基準電位の電圧を入力する。このときに差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換器で変換した結果に基づいて、差動増幅回路の差動増幅率を算出する。
これにより、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器の変換結果が所定電圧で除算されることにより差動増幅回路の差動増幅率が算出される。
これにより、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器の変換結果が所定電圧で除算されることにより差動増幅回路の差動増幅率が算出される。
(4)前記差動増幅回路の基準電位に対する所定電圧を生成する電圧源と、前記第1入力部及び電圧源間の接続をオンオフする第4スイッチとを備え、前記第2入力部は、前記基準電位に接続されており、前記制御部は、前記第4スイッチをオンし、且つ前記第1及び第3スイッチをオフした場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差動増幅回路の差動増幅率を算出することが好ましい。
本態様にあっては、第2入力部が基準電位に接続されており、制御部が、第1スイッチをオフし、且つ差動増幅回路の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチでオフし、更に第4スイッチをオンすることによって第1入力部に所定電圧を入力する。このときに差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換器で変換した結果に基づいて、差動増幅回路の差動増幅率を算出する。
これにより、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器の変換結果が所定電圧で除算されることにより差動増幅回路の差動増幅率が算出される。
これにより、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器の変換結果が所定電圧で除算されることにより差動増幅回路の差動増幅率が算出される。
(5)周囲温度を取得する取得部と、記憶部とを備え、前記制御部は、前記差動増幅回路の差動増幅率を算出した場合、算出した差動増幅率を前記取得部の取得結果に対応付けて前記記憶部に記憶し、前記差分を検出する場合、前記取得部の取得結果に対応して前記記憶部に記憶されている差動増幅率を読み出すことが好ましい。
本態様にあっては、制御部が、算出した差動増幅回路の差動増幅率を、温度センサによる周囲温度の検出結果に対応付けて記憶部に記憶しておき、差動増幅回路に入力される電圧の差分を検出する場合に、温度センサの検出結果に対応する差動増幅率を記憶部から読み出す。
これにより、A/D変換器の変換結果が差動増幅回路の増幅率で除算されて入力電圧の差分が検出される場合、そのときの周囲温度に応じた増幅率が適用される。
これにより、A/D変換器の変換結果が差動増幅回路の増幅率で除算されて入力電圧の差分が検出される場合、そのときの周囲温度に応じた増幅率が適用される。
(6)本願の一態様に係る電流検出装置は、上述の電圧検出装置と、流れる電流に応じた電圧を発生する電流センサとを備え、該電流センサが発生した電圧を前記電圧検出装置に入力するようにしてあり、前記制御部は、検出した前記差分に基づいて前記電流センサに流れる電流を検出する。
本態様にあっては、電流センサが発生した電圧が電圧検出装置に入力され、電圧検出装置が備える制御部が、入力された電圧の差分を検出し、検出した差分及び電流センサの電流−電圧変換率に基づいて、電流センサに流れる電流を検出する。
これにより、電流センサに流れる電流と、該電流を検出するための増幅回路のオフセット電圧とが時分割で検出される。
これにより、電流センサに流れる電流と、該電流を検出するための増幅回路のオフセット電圧とが時分割で検出される。
(7)本願の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器と、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1、第2及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備える電圧検出装置の前記制御部で実行可能なコンピュータプログラムであって、前記制御部に、前記第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)するステップと、前記変換器の変換結果を取得するステップと、取得した変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出するステップとを実行させる。
本態様にあっては、制御部でコンピュータプログラムを実行するコンピュータに、第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ第3スイッチをオフ(又はオン)するステップと、A/D変換器の変換結果を取得するステップと、取得した変換結果に基づいて、第1及び第2入力部に入力される電圧の差分(又は差動増幅回路のオフセット電圧)を検出するステップとを実行させる。
これにより、第1及び第2スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1及び第2スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、外部からの電圧が差動増幅回路に入力されない状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
これにより、第1及び第2スイッチがオンされ、更に第3スイッチがオフされた場合、第1及び第2入力部に外部からの電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1及び第2スイッチがオフされ、更に第3スイッチがオンされた場合、外部からの電圧が差動増幅回路に入力されない状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電圧検出装置、電流検出装置及びコンピュータプログラムを電池監視装置に適用した具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
本発明の実施形態に係る電圧検出装置、電流検出装置及びコンピュータプログラムを電池監視装置に適用した具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電池監視装置が搭載された車両の構成例を示すブロック図である。図中1は電池監視装置であり、電池監視装置1は、電池装置3が備えるメインバッテリ31の電圧、電流及び温度夫々を検出する電圧検出部32、電流センサ33及び温度センサ34に接続されている。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電池監視装置が搭載された車両の構成例を示すブロック図である。図中1は電池監視装置であり、電池監視装置1は、電池装置3が備えるメインバッテリ31の電圧、電流及び温度夫々を検出する電圧検出部32、電流センサ33及び温度センサ34に接続されている。
メインバッテリ31のプラス端子は、メインリレー41を介して充電リレー42の一端及び電気負荷51の一端に接続されている。充電リレー42の他端は、不図示のエンジンに連動して発電するオルタネータ6、始動リレー43、鉛蓄電池である補機バッテリ8及び他の電気負荷52夫々の一端に接続されている。始動リレー43の他端はスタータモータ7の一端に接続されている。電気負荷51,52、オルタネータ6、スタータモータ7及び補機バッテリ8夫々の他端は、接地電位に接続されている。メインバッテリ31のマイナス端子は、電流センサ33を介して接地電位に接続されている。
電池監視装置1は、電流センサ33が発生した電圧を増幅する電圧増幅装置10aと、該電圧増幅装置10aの動作を制御する制御装置(制御部に相当)20とを含んでなる。電圧増幅装置10a及び制御装置20が電圧検出装置に相当し、電圧検出装置に電流センサ33を加えたものが電流検出装置に相当する。電池監視装置1が、電流センサ33を備える電流検出装置と、制御装置20とを含んでなる場合、電池監視装置1は、電流センサ33を備えていない電池装置3を監視することとなる。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電圧増幅装置10aの構成例を示す回路図であり、図3は、制御装置20の構成例を示すブロック図である。図2では、電池装置3が備える電流センサ33がシャント抵抗Rsである場合を例示しており、電圧検出部32及び温度センサ34の図示を省略してある。図2において、電圧増幅装置10aは、オペアンプである差動増幅器16及び抵抗器R1,R2,R3,R4を有する差動増幅回路100と、該差動増幅回路100で増幅した電圧をA/D変換するA/D変換器(変換器に相当)17とを備える。
電圧増幅装置10aは、更に、抵抗器R1の一端への電圧の入力をオンオフするアナログスイッチである(以下同様)第1スイッチ11と、抵抗器R2の一端への電圧の入力をオンオフする第2スイッチ12と、抵抗器R1及びR2間の接続をオンオフする第3スイッチ13とを備える。第1スイッチ11が抵抗器R2の一端への電圧の入力をオンオフし、第2スイッチ12が抵抗器R1の一端への電圧の入力をオンオフするようにしてもよい。第1スイッチ11の一端は、メインバッテリ31及びシャント抵抗Rsの接続点であるシャント抵抗Rsの一端に接続されている。第2スイッチ12の一端は、シャント抵抗Rsの接地電位側の他端に接続されている。
第1スイッチ11から第3スイッチ13までの各スイッチの制御端子は、スイッチ制御部28に接続されている。第1スイッチ11から第3スイッチ13までの各スイッチはアナログスイッチであるが、これに限定されるものではなく、例えばフォトMOSリレー等の半導体リレーや電磁リレーであってもよい(後述する第4スイッチ14及び第5スイッチ15についても同様)。シャント抵抗Rsが介装される位置は、メインバッテリ31のマイナス端子側に限定されず、プラス端子側のメインリレー41との間に介装されていてもよい。
差動増幅回路100は、抵抗器R1の他端及び抵抗器R3の一端が差動増幅器16の反転入力端子に接続されており、抵抗器R2の他端及び抵抗器R4の一端が差動増幅器16の非反転入力端子に接続されている。抵抗器R3の他端は、差動増幅器16の出力端子に接続されている。抵抗器R4の他端は、接地電位に接続されている。抵抗器R1の一端が第1入力部に相当し、抵抗器R2の一端が第2入力部に相当する。第1スイッチ11が抵抗器R2の一端への電圧の入力をオンオフし、第2スイッチ12が抵抗器R1の一端への電圧の入力をオンオフするようにした場合は、抵抗器R2の一端が第1入力部に相当し、抵抗器R1の一端が第2入力部に相当する。
図3に移って、制御装置20は、制御の中枢となるCPU(Central Processing Unit)21と、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically EPROM:登録商標)等の不揮発性メモリを用いたROM22と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の書き換え可能なメモリを用いたRAM(記憶部に相当)23と、時間を計時するタイマ24とを備える。CPU21、ROM22、RAM23及びタイマ24は、相互にバス接続されている。
制御装置20は、更に、電圧検出部32が検出した電圧を取得する電圧取得部25と、温度センサ34が検出した温度を取得する温度取得部(取得部に相当)26と、A/D変換器17及び後述のD/A変換器18(図9参照)に対する入出力を行う変換器入出力部27と、第1スイッチ11から第5スイッチ15までの各スイッチのオンオフを制御するためのスイッチ制御部28とを備えており、これらは何れもCPU21とバス接続されている。
CPU21は、予めROM22に記憶された制御プログラムに従い、バス接続された各部の動作を制御すると共に、入出力、演算等の処理を行う。RAM23は、CPU21による処理により発生した情報を一時的に記憶する。CPU21による各処理の手順を定めたコンピュータプログラムを、不図示の手段を用いて予めRAM23にロードし、コンピュータプログラムをCPU21で実行するようにしてもよいし、制御装置20を専用のハードウェア回路で構成してもよい。電圧取得部25が電圧検出部32から取得したメインバッテリ31の電圧は、例えばメインバッテリ31のSOC(State Of Charge)の算出に用いられるが、本実施の形態1ではSOCの算出処理の説明を省略する。
上述の構成において、図1に示す各リレーは、車両における各部の状態に応じて不図示のECU(Electronic Control Unit)によりオンオフされる。メインリレー41は、車両におけるイグニッションのオンオフに応じてオンオフされる。充電リレー42は、イグニッションがオンでエンジン始動後にオンされ、イグニッションがオフの場合又はメインバッテリ31の充電状態(SOC=State Of Charge)が所定の閾値より大きい場合にオフされる。始動リレー43は、エンジンが始動される場合にオンオフされる。
図4は、メインリレー41及び充電リレー42をオンオフするECUの処理手順を示すフローチャートであり、図5は、エンジンの始動割込処理を実行するECUの処理手順を示すフローチャートである。図4の処理は、ECUの初期化の後に適時起動され、処理が終了した時は、例えば一定時間の経過後に再度起動される。図5の割込処理は、使用者によってエンジンの始動が指示された時(例えばエンジンキーがスタート位置まで回動された時)に実行される。
図4の処理が起動された場合、ECUは、イグニッションがオンであるか否かを判定し(S11)、オンである場合(S11:YES、)、メインリレー41をオンする(S12)。その後、ECUは、エンジンが回転中であるか否かを判定し(S13)、回転中ではない場合(S13:NO)、再びイグニッションの判定を行うためにステップS11に処理を移す。エンジンが回転中である場合(S13:YES)、ECUは、メインバッテリ31のSOCが所定の閾値以下であるか否かを判定し(S14)、以下である場合(S14:YES)、充電リレー42をオンして(S15)図4の処理を終了する。
一方、ステップS11でイグニッションがオンではない場合(S11:NO)、ECUは、メインリレー41をオフする(S16)。このステップS16の処理を終えた場合、又はステップS14でメインバッテリ31のSOCが所定の閾値より大きい場合(S14:NO)、ECUは、充電リレー42をオフして(S17)図4の処理を終了する。
図5の始動割込処理の実行が開始された場合、ECUは、充電リレー42をオンし(S21)、メインリレー41をオフし(S22)、更に始動リレー43をオンして(S23)スタータモータ7を駆動させる。その後、ECUは、エンジンの始動が完了したか否かを判定し(S24)、完了していない場合(S24:NO)、完了するまで待機する。エンジンの始動が完了した場合(S24:YES)、ECUは、始動リレー43をオフし(S25)、メインリレー41をオンし(S26)、更に充電リレー42をオフして(S27)割り込まれたルーチンにリターンする。
本実施の形態1では、図4に示す処理にてメインリレー41がオンされた状態、即ちイグニッションがオンの状態で、シャント抵抗Rsに流れる電流と、差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で周期的に検出する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る電池監視装置1で電流及びオフセット電圧を検出するタイミングを示すタイミング図である。図6に示す3つのタイミング図は、何れも同一の時間軸を横軸にしてあり、図の上から、検出周期、シャント抵抗Rsの電流検出のタイミング、及び差動増幅回路100のオフセット電圧の検出タイミングを示してある。
図6は、本発明の実施の形態1に係る電池監視装置1で電流及びオフセット電圧を検出するタイミングを示すタイミング図である。図6に示す3つのタイミング図は、何れも同一の時間軸を横軸にしてあり、図の上から、検出周期、シャント抵抗Rsの電流検出のタイミング、及び差動増幅回路100のオフセット電圧の検出タイミングを示してある。
電流及びオフセット電圧の検出周期はTであり、周期Tにおける時間T1(T>T1)の間に、シャント抵抗Rsの電流と、差動増幅回路100のオフセット電圧とが検出される。このような検出が周期Tで繰り返される。なお、オフセット電圧を、例えばnT(nは2以上の整数)毎に検出するようにしてもよいし、適宜mT(mは1以上の任意の整数)の時間間隔をおいて検出するようにしてもよい。
次に、差動増幅回路100について詳細に説明する。ここで、差動増幅回路100の第1及び第2入力部夫々、即ち抵抗器R1及びR2夫々の一端に入力される電圧がV1及びV2である場合、差動増幅器16の反転入力端子及び非反転入力端子夫々の電圧がVin及びVipであり、差動増幅器16の出力電圧がVoであるものとする。また、抵抗器R1,R2,R3,R4の抵抗値をR1,R2,R3,R4とする。第1入力部から抵抗器R1を介して差動増幅器16の反転入力端子に流入する電流と、差動増幅器16の反転入力端子から抵抗器R3を介して差動増幅器16の出力端子に流出する電流とが等しいから、以下の式(1)が成立する。そして、式(1)は式(2)のとおりに変形される。
(V1−Vin)/R1=(Vin−Vo)/R3・・・・・・・・・・・・・(1)
Vin=(R3V1+R1Vo)/(R1+R3)・・・・・・・・・・・・・(2)
Vin=(R3V1+R1Vo)/(R1+R3)・・・・・・・・・・・・・(2)
一方、電圧V2を抵抗器R2及びR4で分圧した電圧がVipであるから、以下の式(3)が成立する。
Vip=R4V2/(R2+R4)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
差動増幅器16の反転入力端子及び非反転入力端子間では仮想短絡が成り立っており、式(2)及び式(3)の値が等しくなるから、以下の式(4)が成立し、式(4)が式(5)のとおりに変形される。
(R3V1+R1Vo)/(R1+R3)=R4V2/(R2+R4)・・・・(4)
R1Vo/(R1+R3)
=R4V2/(R2+R4)−R3V1/(R1+R3)・・・・・・・・・・(5)
R1Vo/(R1+R3)
=R4V2/(R2+R4)−R3V1/(R1+R3)・・・・・・・・・・(5)
本実施の形態1では、一般的に採用されるように「R1=R2」とし、「R3=R4」とする。このような抵抗値の関係は、差動増幅器16のバイアス電流の影響を打ち消し合うという意味でも有効である。この場合、式(5)は以下の式(6)、式(7)及び式(8)のとおりに変形される。
R1Vo/(R1+R3)
=R3V2/(R1+R3)−R3V1/(R1+R3)・・・・・・・・・・(6)
R1Vo=R3V2−R3V1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
Vo=(V2−V1)R3/R1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
=R3V2/(R1+R3)−R3V1/(R1+R3)・・・・・・・・・・(6)
R1Vo=R3V2−R3V1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
Vo=(V2−V1)R3/R1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
式(8)は、差動増幅回路100の差動増幅率が、理想的にはR3とR1との比の値で決定されることを意味する。しかしながら、たとえ各抵抗器の抵抗値の関係が上記のとおりであったとしても、差動増幅回路100出力電圧には出力換算のオフセット電圧が含まれている。このため、電池監視装置1でシャント抵抗Rsに流れる電流を算出するためにシャント抵抗Rsの両端電圧(以下、単にシャント抵抗Rsの電圧ともいう)を検出する場合、オフセット電圧を差し引いて検出する必要がある。オフセット電圧とは、一般的に入力換算のオフセット電圧を指すものであるが、本実施の形態1では出力換算のオフセット電圧を検出する。
ところで、差動増幅器16の反転入力端子及び抵抗器R1,R3の間に流れるバイアス電流と、非反転入力端子及び抵抗器R2,R4の間に流れるバイアス電流との差分に基づくオフセット電流により、差動増幅回路100の出力電圧には誤差電圧が含まれている。本実施の形態1では、出力換算のオフセット電圧にオフセット電流による誤差電圧が含まれているものとして検出する。差動増幅器16の入力部がMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成される場合は、オフセット電流の影響を無視してもよい。
イグニッションがオンの状態ではメインリレー41がオンされており、メインバッテリ31から電気負荷51に放電電流が流れる。更にエンジン始動後には充電リレー42がオンされており、オルタネータ6からメインバッテリ31に充電電流が流れる。このような状態でシャント抵抗Rsの電圧が検出される場合、制御装置20が第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオンし、その他のスイッチをオフする。これにより、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの電圧が入力される。また、出力換算のオフセット電圧が検出される場合、制御装置20が第3スイッチ13のみをオンする。これにより、第1及び第2入力部が同電位になり、シャント抵抗Rsから切り離される。
ここで差動増幅回路100の入力換算のオフセット電圧をVoffsetとし、差動増幅率をGとする。Gは例えば式(8)により、R3/R1として算出される値である。出力換算のオフセット電圧を検出するために第3スイッチ13のみがオンされた場合、差動増幅回路100の出力電圧、即ち出力換算のオフセット電圧Voffは、以下の式(9)で表される。
Voff=Voffset×G・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
一方、シャント抵抗Rsの電圧が検出される場合、接地電位を基準として検出されるべき電圧をVscとすると、差動増幅回路100の出力電圧Vocは、以下の式(10)で表される。そして、式(10)に式(9)を適用してVoffsetを消去することにより、式(11)が成立する。
Voc=(−Vsc+Voffset)×G・・・・・・・・・・・・・・・(10)
Vsc=−(Voc−Voff)/G・・・・・・・・・・・・・・・・・・(11)
Vsc=−(Voc−Voff)/G・・・・・・・・・・・・・・・・・・(11)
第1スイッチ11が抵抗器R2の一端への電圧の入力をオンオフし、第2スイッチ12が抵抗器R1の一端への電圧の入力をオンオフするようにした場合は、式(10)における「−Vsc」を「Vsc」に置き換え、式(11)の右辺先頭の「−」を削除すればよい。このように、差動増幅回路100の差動増幅率が既知である場合、差動増幅回路100の出力換算のオフセット電圧Voffを検出し、差動増幅回路100の出力電圧Vocを計測することにより、シャント抵抗Rsの電圧Vscが式(11)により検出される。
以下では、上述した制御装置20の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係る電池監視装置1でシャント抵抗Rsの電流を検出するCPU21の処理手順を示すフローチャートである。図7に手順を示す処理は、上述した周期T毎に起動される。周期Tは、タイマ24が計時する。図7の処理が起動される前に、不図示の初期化ステップにて第1スイッチ11から第3スイッチ13までの全てのスイッチはオフされている。この場合、差動増幅器16は抵抗器R3により100%の負帰還がかかって増幅率が1の非反転増幅器とみなされ、非反転入力端子が抵抗器R4により0Vに固定されるため、出力電圧が0Vとなる。この状態を各スイッチの基準状態とする。
図7の処理が起動された場合、CPU21は、IG(イグニッション)がオンであるか否かを判定し(S31)、IGがオンではない場合(S31:NO)、特段の処理を行わずに図7の処理を終了する。IGがオンである場合(S31:YES)、CPU21は、スイッチ制御部28により(以下、各スイッチについて同様)、第1スイッチ11をオンする(S32)と共に、第2スイッチ12をオンする(S33)。これにより、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力される。
その後、CPU21は、変換器入出力部27により、A/D変換器17の変換結果を取り込んで(S34)RAM23に記憶した後、第1スイッチ11をオフし(S35)、更に第2スイッチ12をオフして(S36)各スイッチを基準状態に戻す。ここでの変換結果は式(11)に対応するものであり、変換結果Aとする。以下、他の変換結果を変換結果B,C,・・・と異なる符号を付して区別する。
次いで、CPU21は、第3スイッチ13をオンして(S37)第1及び第2入力部を同電位にし、A/D変換器17の変換結果Bを取り込んで(S38)RAM23に記憶する。その後、CPU21は、第3スイッチ13をオフして(S39)各スイッチを基準状態に戻す。変換結果Bは式(9)に対応する出力換算のオフセット電圧である。つまり、ステップS38はオフセット電圧を検出するステップとも言える。変換結果Bを差動増幅率Gで除算するステップを設けた場合は、該ステップにて入力換算のオフセット電圧が検出される。
最後に、CPU21は、式(11)の右辺のVoc及びVoff夫々に変換結果A及びBを適用してシャント抵抗Rsの電圧Vscを検出し(S40)、更に検出結果をシャント抵抗Rsの抵抗値で除算することにより、シャント抵抗Rsに流れる電流、即ちメインバッテリ31の充放電電流を検出して(S41)図7の処理を終了する。
なお、本実施の形態1にあっては、差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する場合、第3スイッチ13をオンし、且つ第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオフしたが、これに限定されるものではない。例えば、第3スイッチ13をオンし、且つ第1スイッチ11又は第2スイッチ12の何れか一方をオンしてもよい。この場合は、後述する実施の形態2で差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する場合と同様の構成となり、同様の効果を奏する。
以上のように本実施の形態1によれば、制御装置20が、差動増幅回路100の第1及び第2入力部夫々に対する電圧の入力を第1スイッチ11及び第2スイッチ12でオン(又はオフ)すると共に、差動増幅回路100の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチ13でオフ(又はオン)し、このときに差動増幅回路100で増幅した電圧をA/D変換器17で変換した結果に基づいて、差動増幅回路100の入力電圧の差分(又は差動増幅回路100のオフセット電圧)を周期T毎に検出する。
これにより、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオンされ、更に第3スイッチ13がオフされた場合、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオフされ、更に第3スイッチ13がオンされた場合、シャント抵抗Rsからの電圧が差動増幅回路100に入力されない状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
従って、電圧検出装置の入力電圧と該入力電圧を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
これにより、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオンされ、更に第3スイッチ13がオフされた場合、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオフされ、更に第3スイッチ13がオンされた場合、シャント抵抗Rsからの電圧が差動増幅回路100に入力されない状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
従って、電圧検出装置の入力電圧と該入力電圧を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
また、実施の形態1によれば、制御装置20でコンピュータプログラムを実行するCPU21に、第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオン(又はオフ)するステップS32,33(又は、初期化ステップ及びステップS35)と、第3スイッチ13をオフ(又はオン)する初期化ステップ(又はステップS37)と、A/D変換器17の変換結果を取得するステップS34(又はS38)と、取得した変換結果に基づいて、第1及び第2入力部に入力される電圧の差分(又は差動増幅回路100のオフセット電圧)を検出するステップS40(又はS38)とを周期T毎に実行させる。
従って、電圧検出装置の入力電圧と該入力電圧を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
従って、電圧検出装置の入力電圧と該入力電圧を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1が、第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオフし、且つ第3スイッチ13をオンして差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する形態であるのに対し、実施の形態2は、第2スイッチ12を導線に置き換えてあり、導線に置き換えられていない第1スイッチ11をオフし、且つ第3スイッチ13をオンして差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する形態である。本実施の形態2にあっても、実施の形態1と同様に、シャント抵抗Rsが介装される位置は、メインバッテリ31のマイナス端子側に限定されず、プラス端子側のメインリレー41との間に介装されていてもよい。
実施の形態1が、第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオフし、且つ第3スイッチ13をオンして差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する形態であるのに対し、実施の形態2は、第2スイッチ12を導線に置き換えてあり、導線に置き換えられていない第1スイッチ11をオフし、且つ第3スイッチ13をオンして差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する形態である。本実施の形態2にあっても、実施の形態1と同様に、シャント抵抗Rsが介装される位置は、メインバッテリ31のマイナス端子側に限定されず、プラス端子側のメインリレー41との間に介装されていてもよい。
図8は、本発明の実施の形態2に係る電圧増幅装置10bの構成例を示す回路図である。実施の形態2に係る電圧増幅装置10bは、実施の形態1の図2に示す電圧増幅装置10aと比較して、第2スイッチ12を導線に置き換えてある。この場合と、第2スイッチ12を残して第1スイッチ11を導線に置き換えた場合とで、本質的な違いはない。以下、制御装置20が導線に置き換えられていない第1スイッチ11をオンオフするものとして説明する。実施の形態2に係る制御装置20の構成については、実施の形態1の図3に示すものと同様である。その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する場合、実施の形態1では、第1及び第2入力部をシャント抵抗Rsから切り離していた。この場合、電圧検出装置の入力電圧を検出する場合と比較して、差動増幅器16のバイアス電流がR1及びR2に流れなくなるため、差動増幅回路100の出力電圧において、バイアス電流の差分に基づくオフセット電流による誤差電圧の大きさに違いが生じる。つまり、式(9)及び(10)の左辺に含まれる誤差電圧に僅かな違いが発生し、その結果、式(11)で算出されるVscに「(誤差電圧の違い)/G」の影響が残ることとなる。
そこで本実施の形態2では、差動増幅回路100のオフセット電圧を検出する場合に、第1入力部をシャント抵抗Rsの一端に接続するか、又は第2入力部をシャント抵抗Rsの他端に接続することにより、電圧検出装置の入力電圧を検出する場合と比較して、オフセット電流に違いが生じないようにする。
具体的には、制御装置20が第1スイッチ11をオフし、且つ第3スイッチ13をオンした場合、抵抗器R1及びR2の一端が共にシャント抵抗Rsの他端に接続される。一方、電圧検出装置の入力電圧を検出するために、制御装置20が第1スイッチ11をオンし、且つ第3スイッチ13をオフした場合、抵抗器R1及びR2夫々の一端がシャント抵抗Rsの一端及び他端に接続される。これら2つの場合において、抵抗器R1及びR2の一端同士の間にシャント抵抗Rsが接続されるか否かの違いがあるが、一般的には、抵抗器R1及びR2の抵抗値より遙かに小さい抵抗値を有するシャント抵抗Rsが選択されるため、実質的な違いは生じない。
以下では、上述した制御装置20の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。本発明の実施の形態2に係る電池監視装置1でシャント抵抗Rsの電流を検出するCPU21の処理手順を示すフローチャートは、実施の形態1の図7に示す処理のうち、第2スイッチ12をオンするステップS33及びオフするステップS36を削除したものとなるため、図7を用いて簡略化して説明する。
図7で代用される処理が起動されてステップS32の処理が実行された場合、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力される。この状態で、CPU21は、A/D変換器17の変換結果Aを取り込んで(S34)RAM23に記憶する。その後、CPU21は、第1スイッチ11をオフして(S35)各スイッチを基準状態に戻す。
次いで、CPU21は、第3スイッチ13をオンして(S37)第1及び第2入力部を同電位にし、A/D変換器17の変換結果Bを取り込んで(S38)RAM23に記憶する。ステップS39以下の説明は省略する。
なお、第2スイッチ12を残して第1スイッチ11を導線に置き換えた場合は、図7の処理のうち、ステップS32を削除して、ステップS33で第2スイッチ12をオンし、更に、ステップS35を削除して、ステップS36で第2スイッチ12をオフにすればよい。
以上のように本実施の形態2によれば、制御装置20が、差動増幅回路100の第1入力部に対する電圧の入力を、第1スイッチ11でオン(又はオフ)すると共に、差動増幅回路100の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチ13でオフ(又はオン)し、このときに差動増幅回路100で増幅した電圧をA/D変換器17で変換した結果に基づいて、差動増幅回路100の入力電圧の差分(又は差動増幅回路100のオフセット電圧)を周期T毎に検出する。
これにより、第1スイッチ11がオンされ、更に第3スイッチ13がオフされた場合、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1スイッチ11がオフされ、更に第3スイッチ13がオンされた場合、第2入力部にシャント抵抗Rsの他端の電圧が入力された状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
従って、電圧検出装置の入力電圧と該入力電圧を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
これにより、第1スイッチ11がオンされ、更に第3スイッチ13がオフされた場合、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力されて入力電圧の差分が検出される。一方、第1スイッチ11がオフされ、更に第3スイッチ13がオンされた場合、第2入力部にシャント抵抗Rsの他端の電圧が入力された状態で第1及び第2入力部が同電位になるため、オフセット電圧が検出される。
従って、電圧検出装置の入力電圧と該入力電圧を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
更に、実施の形態1又は2によれば、シャント抵抗Rsが発生した電圧が電圧検出装置に入力され、電圧検出装置が備える制御装置20が、入力された電圧の差分を検出し、検出した差分及びシャント抵抗Rsの抵抗値に基づいて、シャント抵抗Rsに流れる電流を検出する。
従って、電流検出装置のシャント抵抗Rsに流れる電流と、該電流を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
従って、電流検出装置のシャント抵抗Rsに流れる電流と、該電流を検出するための差動増幅回路100のオフセット電圧とを時分割で検出することが可能となる。
(実施の形態3)
実施の形態1及び2が、差動増幅回路100の差動増幅率(以下、ゲインと言う)Gを一定の値として扱う形態であるのに対し、実施の形態3は、周囲温度の変化に応じてゲインを算出し、算出して記憶したゲインを周囲温度に応じて読み出す形態である。
実施の形態1及び2が、差動増幅回路100の差動増幅率(以下、ゲインと言う)Gを一定の値として扱う形態であるのに対し、実施の形態3は、周囲温度の変化に応じてゲインを算出し、算出して記憶したゲインを周囲温度に応じて読み出す形態である。
図9は、本発明の実施の形態3に係る電圧増幅装置10cの構成例を示す回路図である。実施の形態3に係る電圧増幅装置10cは、実施の形態1の図2に示す電圧増幅装置10aと比較して、デジタル値をアナログの電圧に変換するD/A変換器(電圧源に相当)18と、第1入力部(即ち抵抗器R1の一端)及びD/A変換器18の出力端子間の接続をオンオフする第4スイッチ14と、第2入力部(即ち抵抗器R2の一端)及び接地電位間の接続をオンオフする第5スイッチ15とを更に備える点が異なる。
第4スイッチ14及び第5スイッチ15の制御端子は、スイッチ制御部28に接続されている。実施の形態3に係る制御装置20の構成については、実施の形態1の図3に示すものと同様である。制御装置20は、電圧増幅装置10cと熱的に結合されていることが好ましい。これが満たされない場合は、温度センサ34とは異なる温度センサで差動増幅器16の周囲温度を検出し、検出結果を温度取得部26で取得するようにしてもよい。その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態1及び2にあっては、「R1=R2」及び「R3=R4」の関係により式(8)が成立し、R3/R1の値がゲインとして予め算出されていることが前提であった。しかしながら、R1からR4までの各抵抗器の抵抗値には誤差が含まれており、温度変化や経時変化による誤差も含まれる。ゲインを正確に計測するには、差動増幅回路100の第1及び第2入力部間に測定のための電圧を印加する必要がある。
そこで、本実施の形態3では、第1及び第2入力部間に所定電圧を印加したときの差動増幅回路100の出力電圧からオフセット電圧を減算し、減算結果を所定電圧で除算してゲインを精密に計測する。第1及び第2入力部間に所定電圧を印加するには、第1及び第2入力部夫々に、電圧差が所定電圧である第1及び第2電圧を印加する方法があるが、電圧源が2つ必要となるため、第2入力部に接地電位の電圧を入力し、第1入力部に所定電圧を入力する。
具体的には、制御装置20が第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13をオフし、且つ第4スイッチ14及び第5スイッチ15をオンすることにより、第1入力部にD/A変換器18から所定電圧が入力され、第2入力部に接地電位の電圧が入力される。このときの差動増幅回路100の出力電圧をVodとし、所定電圧をVnとした場合、以下の式(12)が成立する。そして、式(12)に式(9)を適用してVoffsetを消去することにより、ゲイン(G)が以下の式(13)により算出される。
Vod=(−Vn+Voffset)×G・・・・・・・・・・・・・・・・(12)
G=(Voff−Vod)/Vn・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(13)
G=(Voff−Vod)/Vn・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(13)
第1スイッチ11が抵抗器R2の一端への電圧の入力をオンオフし、第2スイッチ12が抵抗器R1の一端への電圧の入力をオンオフするようにした場合は、第1入力部に相当する抵抗器R2の一端に第4スイッチ14がVnを印加する構成とし、式(12)及び(13)における「−Vn」を「Vn」に置き換えればよい。
制御装置20が計測したゲインは、計測時の周囲温度に対応付けてRAM23に記憶される。その後、制御装置20がシャント抵抗Rsの電圧を検出する場合、検出時の周囲温度に対応するゲインがRAM23から読み出される。
制御装置20が計測したゲインは、計測時の周囲温度に対応付けてRAM23に記憶される。その後、制御装置20がシャント抵抗Rsの電圧を検出する場合、検出時の周囲温度に対応するゲインがRAM23から読み出される。
以下では、上述した制御装置20の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態3に係る電池監視装置1でシャント抵抗Rsの電流を検出するCPU21の処理手順を示すフローチャートである。図10に手順を示す処理は、周期T毎に起動される。但し、電池監視装置1が搭載された車両における各種の起動時間が経過して後に、図10に示す処理が起動されるものとする。
図10の処理が起動される前に、不図示の初期化ステップにて第1スイッチ11から第5スイッチ15までの各スイッチがオフされている。図10に示す処理のうち、ステップS52からS59までは実施の形態1の図7に示すステップS32からS39までと同様であるため、これらのステップの説明の大部分を省略する。
図10の処理が起動された場合、CPU21は、IG(イグニッション)がオンであるか否かを判定し(S51)、IGがオンである場合(S51:YES)、ステップS52からS59までの処理を実行して、変換結果A及びBを取り込み、各スイッチを基準状態に戻す。変換結果A及びB夫々は、式(11)及び(9)に対応するものであり、RAM23に記憶される。
次いで、CPU21は、温度取得部26により温度センサ34が検出した周囲温度を取り込み(S591)、取り込んだ周囲温度に対応してRAM23に記憶されている差動増幅回路100のゲインを読み出す(S592)。ここでRAM23から読み出すゲインは、後述するステップS82で記憶されたものである。
次いで、CPU21は、式(11)の右辺のVoc及びVoff夫々に変換結果A及びBを適用し、更にGにRAM23から読み出したゲインを適用してシャント抵抗Rsの電圧Vscを検出する(S60)。その後、CPU21は、検出結果をシャント抵抗Rsの抵抗値で除算することにより、シャント抵抗Rsに流れる電流、即ちメインバッテリ31の充放電電流を検出して(S61)図10の処理を終了する。
一方、ステップS51でIGがオンではない場合(S51:NO)、CPU21は、D/A変換器18にデジタル値を設定して所定電圧を生成させた(S71)後、第4スイッチ14をオンする(S72)と共に、第5スイッチ15をオンする(S73)。これにより、第1及び第2入力部間に所定電圧が入力される。
その後、CPU21は、変換器入出力部27により、A/D変換器17の変換結果Cを取り込んで(S74)RAM23に記憶した後、第4スイッチ14をオフし(S75)、更に第5スイッチ15をオフして(S76)各スイッチを基準状態に戻す。ここでの変換結果Cは式(12)に対応するものである。
次いで、CPU21は、第3スイッチ13をオンして(S77)第1及び第2入力部を同電位にし、A/D変換器17の変換結果Dを取り込んで(S78)RAM23に記憶する。その後、CPU21は、第3スイッチ13をオフして(S79)各スイッチを基準状態に戻す。変換結果Dは式(9)に対応する出力換算のオフセット電圧である。
次いで、CPU21は、式(13)の右辺のVod及びVoff夫々に変換結果C及びDを適用して差動増幅回路100のゲイン(G)を算出する(S80)と共に、温度取得部26により周囲温度を取り込む(S81)。その後、CPU21は、取り込んだ周囲温度に対応付けて、算出した差動増幅回路100のゲインをRAM23に記憶し(S82)、図10の処理を終了する。
なお、ステップS71からS82までの処理を、ステップS61に続けて実行するようにしてもよいし、周期Tとは異なる周期で実行するようにしてもよい。また、ステップS71からS82までの処理を実行中にシャント抵抗Rsに流れる電流が0であることが明らかな場合は、ステップS77で第3スイッチに代えて第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオンし、ステップS79で第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオフするようにしてもよい。
以上のように本実施の形態3によれば、制御装置20が、第1スイッチ11及び第2スイッチ12をオフし、且つ差動増幅回路100の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチ13でオフし、更に第4スイッチ14をオンすることによって第1入力部に所定電圧を入力すると共に、第5スイッチ15をオンすることによって第2入力部に接地電位の電圧を入力する。このときに差動増幅回路100で増幅した電圧をA/D変換器17で変換した結果に基づいて、差動増幅回路100のゲインを算出する。
従って、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器17の変換結果を所定電圧で除算することにより差動増幅回路100のゲイン(差動増幅率)を算出することが可能となる。
従って、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器17の変換結果を所定電圧で除算することにより差動増幅回路100のゲイン(差動増幅率)を算出することが可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態3が、第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13をオフし、且つ第4スイッチ14及び第5スイッチ15をオンして第1及び第2入力部間に所定電圧を入力する形態であるのに対し、実施の形態4は、第2スイッチ12を導線に置き換えて接地電位に接続してあり、第4スイッチ14をオンして第1入力部に所定電圧を入力する形態である。
実施の形態3が、第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13をオフし、且つ第4スイッチ14及び第5スイッチ15をオンして第1及び第2入力部間に所定電圧を入力する形態であるのに対し、実施の形態4は、第2スイッチ12を導線に置き換えて接地電位に接続してあり、第4スイッチ14をオンして第1入力部に所定電圧を入力する形態である。
図11は、本発明の実施の形態4に係る電圧増幅装置10dの構成例を示す回路図である。実施の形態3に係る電圧増幅装置10dは、実施の形態3の図9に示す電圧増幅装置10cと比較して、第2スイッチ12を導線に置き換えて接地電位に接続してあり、且つ第5スイッチ15を削除してある。この場合と、第2スイッチ12を残して第1スイッチ11を導線に置き換え、且つ第4スイッチ14を削除した場合とで、本質的な違いはない。但し、第1スイッチ11を導線に置き換える場合は、第1スイッチ11の一端を接地電位に接続し、第2スイッチ12の一端をシャント抵抗Rsの一端(即ちメインバッテリ31及びシャント抵抗Rsの接続点)に接続する。
実施の形態4に係る制御装置20の構成については、実施の形態1の図3に示すものと同様である。その他、実施の形態1及び3に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態4では、第2入力部を接地電位に接続してあり、制御装置20が第1スイッチ11及び第3スイッチ13をオフし、且つ第4スイッチ14をオンすることにより、第1入力部にD/A変換器18から所定電圧が入力される。このときの差動増幅回路100の出力電圧Vodと、所定電圧Vnとの間に式(12)が成立する。そして、式(12)に式(9)を適用してVoffsetを消去することにより、ゲイン(G)が式(13)により算出される。
以下では、上述した制御装置20の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。本発明の実施の形態4に係る電池監視装置1でシャント抵抗Rsの電流を検出するCPU21の処理手順を示すフローチャートは、実施の形態3の図10に示す処理のうち、第2スイッチ12をオンするステップS53及びオフするステップS56を削除し、且つ第5スイッチ15をオンするステップS73及びオフするステップS76を削除したものとなるため、図10を用いて簡略化して説明する。
図10で代用される処理が起動されてIGがオンと判定され(S51:YES)、更にステップS52の処理が実行された場合、第1及び第2入力部にシャント抵抗Rsの両端電圧が入力される。この状態で、CPU21は、A/D変換器17の変換結果Aを取り込んで(S54)RAM23に記憶する。その後、CPU21は、第1スイッチ11をオフして(S55)各スイッチを基準状態に戻す。
次いで、CPU21は、第3スイッチ13をオンして(S57)第1及び第2入力部を同電位にし、A/D変換器17の変換結果Bを取り込んで(S58)RAM23に記憶する。ステップS59からS61までについては説明を省略する。
一方、ステップS51でIGがオンではない場合(S51:NO)、CPU21は、ステップS71及びS73の処理を実行する。これにより、第1及び第2入力部間に所定電圧が入力される。この状態で、CPU21は、A/D変換器17の変換結果Cを取り込んで(S74)RAM23に記憶する。その後、CPU21は、第4スイッチ14をオフして(S75)各スイッチを基準状態に戻す。
次いで、CPU21は、第3スイッチ13をオンして(S77)第1及び第2入力部を同電位にし、A/D変換器17の変換結果Dを取り込んで(S78)RAM23に記憶する。ステップS79からS81までについては説明を省略する。
以上のように本実施の形態4によれば、第2入力部が接地電位に接続されており、制御装置20が、第1スイッチ11をオフし、且つ差動増幅回路100の第1及び第2入力部間の接続を第3スイッチ13でオフし、更に第4スイッチ14をオンすることによって第1入力部に所定電圧を入力する。このときに差動増幅回路100で増幅した電圧をA/D変換器17で変換した結果に基づいて、差動増幅回路100のゲインを算出する。
従って、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器17の変換結果を所定電圧で除算することにより差動増幅回路100のゲイン(差動増幅率)を算出することが可能となる。
従って、第1及び第2入力部間に入力される電圧の差分が所定電圧となるため、A/D変換器17の変換結果を所定電圧で除算することにより差動増幅回路100のゲイン(差動増幅率)を算出することが可能となる。
更に、実施の形態4又は5によれば、制御装置20が、算出した差動増幅回路100のゲインを、温度センサ34による周囲温度の検出結果に対応付けてRAM23に記憶しておき、差動増幅回路100に入力される電圧の差分を検出する場合に、温度センサ34の検出結果に対応するゲインをRAM23から読み出す。
従って、A/D変換器17の変換結果が差動増幅回路100のゲインで除算されて入力電圧の差分が検出される場合、そのときの周囲温度に応じたゲインを適用することが可能となる。
従って、A/D変換器17の変換結果が差動増幅回路100のゲインで除算されて入力電圧の差分が検出される場合、そのときの周囲温度に応じたゲインを適用することが可能となる。
1 電池監視装置
10a、10b、10c、10d 電圧増幅装置
11 第1スイッチ
12 第2スイッチ
13 第3スイッチ
14 第4スイッチ
15 第5スイッチ
R1、R2、R3、R4 抵抗器
16 差動増幅器
17 A/D変換器
18 D/A変換器
20 制御装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 タイマ
25 電圧取得部
26 温度取得部
27 変換器入出力部
28 スイッチ制御部
3 電池装置
31 メインバッテリ
32 電圧検出部
33 電流センサ
34 温度センサ
Rs シャント抵抗
41 メインリレー
42 充電リレー
43 始動リレー
51、52 電気負荷
6 オルタネータ
7 スタータモータ
8 補機バッテリ
10a、10b、10c、10d 電圧増幅装置
11 第1スイッチ
12 第2スイッチ
13 第3スイッチ
14 第4スイッチ
15 第5スイッチ
R1、R2、R3、R4 抵抗器
16 差動増幅器
17 A/D変換器
18 D/A変換器
20 制御装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 タイマ
25 電圧取得部
26 温度取得部
27 変換器入出力部
28 スイッチ制御部
3 電池装置
31 メインバッテリ
32 電圧検出部
33 電流センサ
34 温度センサ
Rs シャント抵抗
41 メインリレー
42 充電リレー
43 始動リレー
51、52 電気負荷
6 オルタネータ
7 スタータモータ
8 補機バッテリ
Claims (7)
- 差動増幅回路の第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器とを備える電圧検出装置であって、
前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、
前記第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチと、
前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、
前記第1、第2及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部と
を備え、
該制御部は、前記第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)した場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する電圧検出装置。 - 差動増幅回路の第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器とを備える電圧検出装置であって、
前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、
前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、
前記第1及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部と
を備え、
該制御部は、前記第1スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)した場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出する電圧検出装置。 - 前記差動増幅回路の基準電位に対する所定電圧を生成する電圧源と、
前記第1入力部及び電圧源間の接続をオンオフする第4スイッチと、
前記第2入力部及び基準電位間の接続をオンオフする第5スイッチと
を備え、
前記制御部は、前記第4及び第5スイッチをオンし、且つ前記第1、第2及び第3スイッチをオフした場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差動増幅回路の差動増幅率を算出する
請求項1に記載の電圧検出装置。 - 前記差動増幅回路の基準電位に対する所定電圧を生成する電圧源と、
前記第1入力部及び電圧源間の接続をオンオフする第4スイッチと
を備え、
前記第2入力部は、前記基準電位に接続されており、
前記制御部は、前記第4スイッチをオンし、且つ前記第1及び第3スイッチをオフした場合、前記変換器の変換結果に基づいて、前記差動増幅回路の差動増幅率を算出する
請求項2に記載の電圧検出装置。 - 周囲温度を取得する取得部と、
記憶部と
を備え、
前記制御部は、
前記差動増幅回路の差動増幅率を算出した場合、算出した差動増幅率を前記取得部の取得結果に対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記差分を検出する場合、前記取得部の取得結果に対応して前記記憶部に記憶されている差動増幅率を読み出す
請求項3又は4に記載の電圧検出装置。 - 請求項1から5の何れかに記載の電圧検出装置と、
流れる電流に応じた電圧を発生する電流センサと
を備え、
該電流センサが発生した電圧を前記電圧検出装置に入力するようにしてあり、
前記制御部は、検出した前記差分に基づいて前記電流センサに流れる電流を検出する電流検出装置。 - 第1及び第2入力部に入力される電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、該差動増幅回路で増幅した電圧をA/D変換する変換器と、前記第1入力部への電圧の入力をオンオフする第1スイッチと、前記第2入力部への電圧の入力をオンオフする第2スイッチと、前記第1及び第2入力部間の接続をオンオフする第3スイッチと、前記第1、第2及び第3スイッチのオンオフを制御する制御部とを備える電圧検出装置の前記制御部で実行可能なコンピュータプログラムであって、
前記制御部に、
前記第1及び第2スイッチをオン(又はオフ)し、且つ前記第3スイッチをオフ(又はオン)するステップと、
前記変換器の変換結果を取得するステップと、
取得した変換結果に基づいて、前記差分(又は前記差動増幅回路のオフセット電圧)を検出するステップと
を実行させるためのコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2016047320A JP2017161409A (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 電圧検出装置、電流検出装置及びコンピュータプログラム |
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JP2016047320A Pending JP2017161409A (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 電圧検出装置、電流検出装置及びコンピュータプログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023162246A1 (ja) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | ファナック株式会社 | 電流検出装置及びこれを備えるモータ駆動装置 |
US11761991B2 (en) | 2021-03-30 | 2023-09-19 | Seiko Epson Corporation | Current detection circuit, circuit device, and solenoid control device |
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-
2016
- 2016-03-10 JP JP2016047320A patent/JP2017161409A/ja active Pending
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