JP3874369B2 - 高周波応用のための電圧―電流コンバータ - Google Patents

高周波応用のための電圧―電流コンバータ Download PDF

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Description

技術分野
この発明はスイッチ電流集積回路に用いられるタイプの集積された電圧−電流コンバータに関する。
背景技術
一般的にトランスコンダクタンス増幅器とも称される電圧−電流コンバータ(VI)は、入力電圧信号のアナログ出力電流信号へのアナログ変換を行なうアナログ回路である。
VIの逆の機能は電流−電圧コンバータ(IV)またはトランスレジスタンス増幅器により行なわれる。従来、VIよりもIVに対して研究および設計のより大きな労力が費やされてきた。これは大抵の回路が電圧領域内で機能するためである。つまり、ほとんどの「外部的アナログ語」は電圧における信号を表わす。そのため、従来、VI変換よりもIV変換のための応用の方がかなり数多くあった。
最近では、高周波アナログ集積回路の必要から電流モードまたはスイッチ電流(SI)技術と称される新しいアナログ設計技術が開発されてきた。電流モード技術では、デジタルCMOSプロセスを用いて高性能アナログ回路の実現が可能となる。電流モードICは電圧ノードICより高い周波数での動作を達成できる。なぜなら、情報は単に電流を一方の方向または他方の方向に向けるだけで送られるからである。そのため、これらの回路は、電圧ノードICに関連のある容量性負荷により生じる長い立上がり/立下がり時間および整定時間の影響を受けることがない。
電流モード回路における基本ブロックとしてのIV変換の重要性を説明するために、たとえば、低いキロヘルツから20−54Msps以上のサンプリング動作周波数範囲を有するビデオ範囲におけるアナログ−デジタルコンバータ(「ADC」)を考慮されたい。
図1を参照して、ADCの電流モード実現例には少なくともトラック・アンド・ホールド11、電圧−電流コンバータ13および電流モードADCが必要である。アナログ電圧入力信号がまず電圧領域においてトラック・アンド・ホールド11に印加され、そこでこれはサンプリングされる。サンプリングされた電圧は次に、VIコンバータ13により電流信号に変換され、電流モードADCへ届けられる。トラック・アンド・ホールド11およびVI13を入れ替えてもよい。このように、広域周波数アナログ電圧入力を直接VI13に印加してすぐに電流に変換することができる。このため、広域周波数VIコンバータが要求される。
特にデジタルCMOS技術に関する電圧−電流コンバータの文献における例はさほど多くない。差動増幅器17に基づいた基本的なVIコンバータが図2に示される。良好な差動増幅器、すなわち差動増幅器17において、正および負の入力端子にわたっての電圧降下および入力端子への電流はともに事実上ゼロである。差動増幅器17の入力端子にわたっての電圧降下が事実上ゼロであるため、正の入力端子に印加される入力信号Vinは負の入力端子においても現われ、そのため電圧−電流抵抗器RV-Iにわたって印加される。大きさがVin/RV-Iの電流IRは抵抗器RV-Iを介して発生する。差動増幅器17の正および負の入力端子に対してほとんど電流が流れないため、電流IRは負荷に供給される出力電流IOUTに非常に類似する。負荷は図示していない。そのため出力電流IOUTは、抵抗器RV-Iを通る電流であるIRと事実上等しい。
しかしながら、差動増幅器17は電圧ホロワとして配置されているため、電圧直列フィードバックは出力インピーダンスがRV-Iと等しくなる態様で出力インピーダンスを減少させる傾向がある。集積された抵抗器の値はプロセス変動の影響を受けるため、回路の利得は正確に予測できない。さらに、利得はまた、集積された抵抗器の温度係数による温度変動の影響を受ける。この結果、抵抗器RV-IをICチップの外部に配置しなければならず、回路を完全に集積化することはできなかった。
図2に示されるような差動増幅器17を組込んだトランジスタレベルVIコンバータで、出力インピーダンスが改善されたものが図3に示される。図3のVIコンバータは、「BiCMOS技術に基づいたインピーダンスブースト技術」(“Impedance Boosting Techniques Based on BiCOMS Technology,”IEEE Journal of Solid State Circuits, Vol. 28, No.2, Feb. 1993, pp. 157-161)におけるハドリ(Hadri)他の教示と、「90−dbのDC利得を有するSC回路のための高速セッティングCMOS演算増幅器」(“A Fast-Setting CMOS Op Amp for SC Circuits with 90-db DC Gain,”IEEE Journal of Solid State Circuits, Vol. 25, No.6, Dec. 1990, pp. 1379-1381)におけるボルト(Bult)他の教示とを組込んでいる。図3では、図2の差動増幅器17および抵抗器RV-Iが示されるが、差動増幅器17の出力はnMOSトランジスタ22の入力を駆動する。この構成は「ブーストされた」カスコード増幅器のように動作し、RV-I+rds22+(A+1)gm22rds22V-Iの出力インピーダンスを有し、ここでAは演算増幅器17の開ループ利得であり、gm22およびrds22はトランジスタ22の小信号トランスコンダクタンス利得および出力抵抗である。nMOSトランジスタ22および抵抗器RV-Iにおいて発生した信号電流IRを適当に分離するには、信号電流IRを反射し、負荷への出力電流IOUTを生成しなければならない。pMOSトランジスタ18−21からなるpMOSカスコードカレントミラーがこのタスクを実行するのに用いられる。
しかしながら、図3の電圧−電流コンバータの出力インピーダンスの増加は電力消費の増加および直線性の減少といった犠牲を払った上でのものである。電圧−電流コンバータは典型的に、正のアナログ電圧信号を基準接地Vref=VCC/2に関してバイポーラ電圧信号として解釈し、このバイポーラ電圧信号をユニポーラ電流に変換する。この結果、基準接地から生じるRV-Iを介したバイアス電流はVref/RV-Iとなり、この値は良好な動作を達成するのにかなり高くてもよい。たとえば、0.5mA/Vのトランスコンダクタンス利得と2.5VのVrefとでは、RV-Iは約2KΩとなり、この結果、nMOS22/RV-I分岐のみを介して2.5V/2KΩ=1.25mAのバイアス電流が生じる。
第2のより深刻な制約は、出力電流IOUTを生成するために信号IRを反射しなければならないことによる。このタスクはpMOSカスコードカレントミラー18−21により実行されるが、一般的にカレントミラーは高い非直線性に悩まされており、これはフィードバックを導入することによって、またはそのバイアス電流を増加することによって減少しなければならない。図3のアーキテクチャでは、カスコードカレントミラー18−21がフィードバックループの外部にある必要がある。この結果、その非直線性はそのバイアス電流を増加することによって減少しなければならない。十分な直線性レベルを達成するのに必要である、カスコードカレントミラー18−21とnMOS22/RV-I分岐との組合せにおいて生じるバイアス電流は高くなりすぎる。
最後に、必要なカレントミラー18−21はまた、電圧−電流コンバータの全体の出力インピーダンスを低減するという逆効果を生じる。
より一般的で適当な回路トポロジーは図4に従うものであり、これはどんな能動装置にもフィードバックループ外で出力電流ILを処理させることを避け、このため、より高い直線性レベルを示す。Vinは受動ネガティブフィードバックネットワーク29を有する直接増幅器27へ供給する加算ノード25に入るのが示される。抵抗ネットワークからなる受動ネガティブフィードバックネットワーク29は、フィードバック経路においてトランジスタなどの能動装置の使用により導入されるどんな非線形性をも除く。このため、フィードバックネットワーク29の利得は個々の抵抗器の大きさによってではなく抵抗ネットワークにより確立され、この結果プロセス変動の影響を受けることが少なくなる。
図5は図4に従う典型的な回路の一例である。ここに全体の受動ネガティブフィードバックを備えた3段直接増幅器が示される。利得段間でのAC結合は過度の面積上の要件により集積回路において事実上禁じられているため、回路をバイアスし、かつ最適化する上でDCおよびAC信号成分を分離することができない。全体のフィードバックを用いることで、バイアスの安定性がより高くなり、個々の利得許容度の感度抑圧の程度が高くなる。
各増幅器段はそれぞれ、バイアス電圧Vbbで制御される電流源としてそれぞれが用いられるPMOSトランジスタ31−33と、トランジスタ35−37によりそれぞれもたらされる非線形利得要素と、縮退性フィードバック抵抗器R1−R3からなる。第1の段は、Vddと接地との間で連続して接続されかつ反転増幅器を形成するトランジスタ31および35ならびに抵抗器R1からなる。入力信号VinはNMOSトランジスタ35に印加される。R1は抵抗縮退性フィードバックを形成し、これは第1の段の周波数応答を増大する。第1の段からの出力はトランジスタ35のドレインにおいて取られ、トランジスタ32および36ならびに抵抗器R2からなる第2の段へ与えられる。第2の段は第1の段とほぼ同じ態様で機能し、トランジスタ36のドレインからのその出力を、トランジスタ33および37ならびに抵抗器R3からなる第3の段へ結合する。
図5の受動ネガティブフィードバックネットワークは抵抗器R1、R3およびRfbからなる。抵抗ネットワークR1、R3およびRfbは、トランジスタ37のソースにおいて感知された出力電流ILの比例した測定量に応答し、これをACおよびDC成分の双方を含む電圧に変換し、その電圧を加算ノードとして作用するトランジスタ35のソースにおける入力へフィードバックする。このため、フィードバック電圧はフィードバック抵抗器R1、R3およびRfbの関係に依存する。
しかしながら、この回路トポロジーにはいくつかの欠点もある。十分な利得を得るためには、3つの利得段ネットワークが必要であり、この結果3つの極が生じ、そのため周波数応答および直線性が減少する。特に低コストCMOSデジタルプロセスにおいて、集積された抵抗器およびMOSトランジスタにおける許容度が大きいため、3段増幅器を同時に正しくバイアスするのは非常に複雑であり、信頼性が低い。動作点、すなわち静止点を安定化するには、コモンモードフィードバックのような特殊な技術が必要となるが、これは回路を複雑にし、その性能を低下させる傾向がある。さらに、直接増幅器は3つのカスケード接続された反転増幅段からなるため、出力信号ILは入力信号Vinと同相ではない。さらに、R1、R3およびRfbの抵抗ネットワークで達成可能なフィードバック利得は多くの応用に対して十分ではないこともあり得る。
多くの応用では、VIコンバータが非常に微細な分解能を有することが必要となる。すなわち、VIは比較的大きな入力電圧ステップを非常に小さいが精密な電流ステップに変換することができなければならない。たとえば、8ビット電流モードADCをインタフェースするには0.5mA/Vの利得が必要とされる。10ビットADCでは、0.25mA/Vの分解能が必要である。これを達成するには、図4の直接増幅器27のトランスコンダクタンス利得、つまり電圧−電流変換利得は、数ボルトの入力Vinを1ミリアンペアの何分の1かの出力ILに減じるのに十分小さくなければならない。この結果、図4の受動フィードバックネットワークのトランスレジスタンス利得または電流−電圧利得は、1ミリアンペアの何分の1かであり得る出力電流のある測定量を比較的大きなフィードバック電圧に変換して加算ノード25へ供給するために非常に高くなければならない。これは特に、オフセットおよび利得誤差を避けるためにADCのDCオフセットおよび利得精度が1最下位ビット内に含まれなければならないことを考えると明白である。これは、DC特性の精密さが上記の8ビットの例では0.5−1.0μAのオーダ、上記の10ビットの例では0.25−0.50μAのオーダであるべきであることを意味する。
図5のフィードバックネットワークのトランスレジスタンス利得が(R1*R3)/(R1+R3+Rfb)により与えられることは容易に示される。このフィードバック利得はR1およびR3にかなり依存しており、R1およびR3も直接増幅器の一体となった部分である。そのため、トランスレジスタンス利得を増加しようとする試みは、直接増幅器に要求されるバイアス条件に関する実際的な考慮により物理的に制限されている。この結果、この回路は実行可能なものとして、多くの高性能応用に必要な微同調を得るのに十分なトランスレジスタンスフィードバック利得を達成することができない。
この発明の目的の1つは、微同調能力および自己補償機構を備えた広域周波数電圧−電流コンバータを提供することである。この発明の別の目的は、抵抗器値の比に等しい、高く安定した予測可能なトランスレジスタンスフィードバック利得を有する、フィードバック経路に非直線性を導入しない電圧−電流コンバータを提供することである。この発明の別の目的は、全体の電圧−電流コンバータの直接増幅器のバイアス条件がトランスレジスタンスフィードバック利得ネットワークへのどんな調整にも無関係であることである。この発明の別の目的は、DCバイアス条件が安定しAC動作が最適化された集積された電圧−電流コンバータを提供することである。
発明の概要
これらの目的は、抵抗比によってのみ定められる利得を有する能動差動電流−電圧コンバータからなる全体的な能動ネガティブフィードバックネットワークを有する集積された電圧−電流コンバータにおいて達成される。
この発明の直接増幅器の電圧−電流変換は好ましくは、2段直接トランスコンダクタンス増幅器からなる。2段直接トランスコンダクタンス増幅器の第1の段は電圧−電圧コンバータまたは電圧増幅器であり、2段直接トランスコンダクタンス増幅器の第2の段は電圧−電流コンバータまたはトランスコンダクタンス増幅器である。2段直接トランスコンダクタンス増幅器は差動電流−電圧コンバータからなる全体的な能動ネガティブフィードバックネットワークを有し、差動電流−電圧コンバータはある測定量の出力電流のAC成分のみをフィードバック電圧に変換する。
電圧−電圧コンバータ、つまり2段直接トランスコンダクタンス増幅器の第1の段は、2段直接増幅器の第2の段により使用するため入力電圧信号を条件付けする役割を果たす。電圧−電圧コンバータは好ましくは、入力電圧信号をロードしないようにするために幅広い周波数範囲にわたって直線性が高く、利得が小さく、入力インピーダンスが高く、かつ2段直接増幅器の第2の段をロードしないようにするため出力インピーダンスが低い。この発明の電圧−電圧コンバータは好ましくは、第1のプルダウン抵抗器の形での局部縮退性フィードバックを有し、さらに、プルアップバイアス抵抗器または電流源を有していてもよい。電流源が用いられる場合、これは好ましくは、電圧−電圧コンバータ自体の構造と同じ構造を有する第1のバイアスツリーからのバイアス信号を受ける。
トランスコンダクタンス増幅器、つまり2段直接増幅器の第2の段は、第1の段の電圧−電圧コンバータから条件付けされた電圧信号を受取り、条件付けされた電圧信号を比例した出力電流信号に変換する。2段直接増幅器の第2の段は好ましくは第2のプルダウン抵抗器の使用により局部縮退性フィードバックを有する。第2の段のトランスコンダクタンス増幅器は好ましくは単純カスコードまたは調整されたカスコード電流源を有し、これはトランスコンダクタンス増幅器自体と同じ構造を有する第2のバイアスツリーからのバイアス信号を受ける。
この発明の全体的な能動ネガティブフィードネットワークを形成する差動電流−電圧コンバータは、局部抵抗フィードバックを有する閉ループ差動増幅器または差動増幅器からなる。この発明の差動増幅器は負の入力端子、正の入力端子および出力端子を有する。入力抵抗器は差動増幅器の負の入力端子と、2段直接増幅器の第2の段の局部縮退性フィードバックネットワークを形成する第2のプルダウン抵抗器との間で結合される。このように、第2の段の抵抗器またはトランスコンダクタンス増幅器は、全体的な能動ネガティブフィードバックの差動電流−電圧コンバータのための電流センス要素としての役割を果たす。局部フィードバック抵抗器は差動増幅器の出力端子と負の入力端子との間で結合される。差動増幅器の正の入力端子は、第2の段のプルダウン抵抗器またはトランスコンダクタンス増幅器にわたる電圧のDC成分に実質的に類似した信号を受ける。
前述のとおり、トランスコンダクタンス増幅器のための制御バイアス信号をもたらす第2のバイアスツリーの構造はトランスコンダクタンス増幅器と同じである。本質において、第2のバイアスツリーはトランスコンダクタンス増幅器のコピーである。トランスコンダクタンス増幅器はDCおよびAC成分を有する条件付けされた電圧信号を受けるため、ACおよびDC成分を有する出力電流を生じるが、第2のバイアスツリーはDC基準電圧だけを受ける。第2のバイアスツリーはトランスコンダクタンス増幅器と同じであるため、トランスコンダクタンス増幅器のDC信号に実質的に類似したDC信号を生成する。第2のバイアスツリーからのDC信号は差動増幅器の正の入力端子に供給される。本質において、トランスコンダクタンス増幅器の縮退性フィードバック抵抗器と等しい抵抗器を有する第2のバイアスツリーは差動増幅器のためのバイアス信号発生器としての役割を果たす。差動増幅器の正および負の入力の双方が実質的に同じDC電圧を受けるため、差動増幅器は出力電流のDC成分を除去し、出力電流のAC成分に対してのみ応答する。このように、出力電流のAC成分のみが、増幅されたフィードバック電圧に変換される。
【図面の簡単な説明】
図1は、電圧−電流コンバータを用いた先行技術のアナログ−デジタルコンバータのブロック図である。
図2は、先行技術の電圧−電流コンバータである。
図3は、図2に示される電圧−電流コンバータの先行技術のMOS実現例である。
図4は、先行技術の電圧−電流コンバータのブロック図である。
図5は、図4による先行技術のMOS電圧−電流コンバータである。
図6は、この発明による電圧−電流コンバータのブロック図である。
図7は、この発明の第1の実施例による電圧−電流コンバータのブロック図である。
図8は、この発明の第2の実施例による電圧−電流コンバータのブロック図である。
図9は、この発明による電圧−電流コンバータの基本的なMOS実現例である。
図10は、単純カスコード電流源の使用を示した、図9に示される回路のより詳細な説明である。
図11は、図10に示される回路の代替変形例である。
図12は、調整されたカスコード電流源の使用を示した、図9に示される回路の代替変形例である。
図13は、この発明による二重入力および二重出力を有する完全二重差動電流−電圧コンバータである。
発明を実施するためのベストモード
図6には、この発明の概略図が示される。この発明は直接増幅器42を含む。当該技術においては公知であるように、直接増幅器は入力と、出力と、その間の1つ以上の利得段とを含むが、出力から入力へのフィードバックはない。好ましくは、この発明の直接増幅器は2つの段43および45を有する。第1の段43は、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低い電圧−電圧コンバータ、つまり電圧増幅器である。第1の段43は、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが高い第2の段45、つまり電圧−電流コンバータすなわちトランスコンダクタンス増幅器に供給する。第2の段の電圧−電流コンバータ45は電流IOUTを出力し、これは利得が好ましくは1よりかなり大きい能動ネガティブフィードバック差動電流−電圧コンバータ47により感知される。差動電流−電圧コンバータ47はまた、バイアス発生器40からのバイアス信号を受ける第2の入力を有する。バイアス発生器40からのバイアス信号は典型的にDC電圧信号であるが、DC電流信号であってもよい。
バイアス発生器40は好ましくは、IOUTのDC成分の、電圧または電流での、ある測定量に等しいバイアス信号を生成し、その両方の入力のコモンモード信号を除去するプロセスにおいて差動電流−電圧コンバータ47がIOUTのAC成分のみに比例する増幅されたAC電圧信号を出力するようにする。このように、フィードバックネットワークはDCバイアス、温度またはプロセスドリフトによりさほど影響を受けない。差動電流−電圧コンバータ47からの出力は加算ノード41において入力信号Vinから減算され、それによって直接増幅器42の両方の段43および45を含む全体的なフィードバックネットワークを形成する。
図7では、この発明の理想化された概略図が回路の形態で示されている。ここでも、2段直接増幅器は電圧−電圧コンバータまたは電圧増幅器43と、その後に続く電圧−電流コンバータまたはトランスコンダクタンス増幅器45とにより構成され、能動ネガティブフィードバックが差動電流−電圧コンバータネットワーク47からなるのが示される。差動電流−電圧コンバータフィードバックネットワーク47は抵抗器Rs2、抵抗器Rs1および閉ループ差動増幅器50からなり、閉ループ差動増幅器50は入力抵抗器REおよび局部フィードバック抵抗器RFを含む。
入力信号Vinは電圧増幅器43に印加され、電圧増幅器43は高い入力インピーダンスRi1をもたらし、Vinに対するいかなるローディング効果をも最小にし、それによって図7の電圧−電流コンバータ全体の直線性を改善する。ノードVbにおけるRs1にわたっての電圧とVinとの電圧差はRi1にわたっての電圧降下Vi1を形成し、これは依存性電圧源49により、トランスレジスタンス利得Av1により増幅されるVi1に等しい出力電圧として反射される。
依存性電圧源49の出力は低出力インピーダンスRo1を介してトランスコンダクタンス増幅器45の高入力インピーダンスRi2へ与えられる。Ri2にわたっての電圧降下Vi2は、トランスコンダクタンス利得がGm2である電圧依存電流源48によって電流として反射される。電圧依存電流源48は出力インピーダンスRo2と並列に接続され、出力インピーダンスRo2は図7の回路全体の直線性を改善するために高くされる。トランスコンダクタンス増幅器45から出力される出力電流IOUTは、抵抗器44とキャパシタ46との並列組合せにより象徴される負荷39に印加される。
出力電流IOUTはまたRs2を通って流れ、ノードVaにおいて感知される。ノードVaはREを介して差動増幅器50の反転すなわち負の入力端子に結合される。差動増幅器50の出力は局部フィード抵抗器RFを介して同じ反転入力にフィードバックされ、それによって局部閉ループネガティブフィードバックネットワークを形成する。差動増幅器50の非反転すなわち正の入力端子は基準電圧VBIASに結合される。
上に説明したとおり、VBIASはバイアス発生器40により生成され、好ましくはノードVaにおける電圧のDC成分と等しい。このように、差動増幅器50はすべてのコモンモードおよびドリフト電圧を除去すると同時に、出力電流IOUTのAC成分のみを変換し増幅する。そのため、直接増幅器のDCバイアス条件はACフィードバック回路とは別に最適化できる。このことで、この発明のVIコンバータのDC動作点を、フィードバック利得へのどんな悪影響をも問題にせずに好都合に負荷39の電位と一致させることができる。さらに、この動作点を温度においてもプロセス変動に関しても可能な限り安定にすべきであることに注目されたい。さらに重要なのは、閉ループ差動増幅器50の利得は直接増幅器に影響を与えることなく調整できることである。
局部閉ループ差動増幅器50は、所与の動作周波数範囲にわたって−RF/REの一定した利得を有する。そのため、Vaにおいて感知された電圧は−RF/REの利得により増幅されノードVbにおいてRs1にわたって印加される。局部ループ差動増幅器50からの−RF/RE利得とRs1およびRs2との組合せにより、電流−電圧能動ネガティブフィードバックネットワーク47が形成される。ネガティブフィードバックネットワーク47のフィードバック利得の大きさβはRs2*RF/REである。2段直接増幅器を含む全体的な電圧−電流コンバータの開ループ利得が1よりかなり大きいと仮定すると、全体的な電圧−電流コンバータ全体の利得全体は単純にβの逆数またはRE/(RF*Rs2)である。RFおよびREは閉ループ差動増幅器50だけの部分であるため、全体的な電圧−電流コンバータおよび能動フィードバックネットワーク47の利得を、2段直接増幅器43−45のバイアス条件に影響を与えることなく調整できる。
図8にはこの発明の好ましい実施例の第2の概略図が示される。図8の構成は図7の構成と実質的に同じであり、全体的なフィードバックネットワーク47は図7のものと同じであるが、2段直接増幅器の第1および第2の段43および45は接続され、局部ネガティブ縮退性フィードバックネットワークを形成する。ノードVbは第1の段43、つまり電圧増幅器の出力の基準接地に結合され、段43の出力電流がRs1を介してサンプリングされ、同じ段43の入力の基準接地に電圧としてフィードバックされる。換言すれば、Rs1は電圧増幅器43のための縮退性抵抗器として動作する。
同様に、ノードVaは第2の段45、つまりトランスコンダクタンス増幅器の入力の基準接地に結合され、Rs2を介してサンプリングされた出力電流IOUTが第2の段45の入力の基準接地へ電圧としてフィードバックされるようにする。すなわち、Rs2はトランスコンダクタンス増幅器45のための縮退性抵抗器として動作する。
Rs1およびRs2も2段直接増幅器の全体的な能動ネガティブフィードバックネットワーク47の一部を形成するが、依然として全体的なフィードバックネットワーク47のフィード利得を、第1の段43または第2の段45のいずれかのバイアス条件に影響を与えることなく任意に設定することができる。上述のように、これは全体的なフィードバックネットワーク47の利得が、差動増幅器50に属しかつRFおよびREを含む局部フィードバックネットワークを変えることによって調整できるためである。差動増幅器50の局部フィードバックネットワークは別個の組の抵抗器RFおよびREからなるため、これらはRs1またはRs2に影響を与えることなく、よって2段直接増幅器に影響を与えることなく調整することができる。
この発明の電圧−電流コンバータは2段直接増幅器の第1の段43および第2の段45を適当に選択することによりさまざまな基準に対して最適化できる。言い換えるなら、第1の段の電圧増幅器43および第2の段のトランスコンダクタンス増幅器45を実現するにはさまざまな方法がある。図9から図13には、いくつかの可能な実現例が例示により示される。当業者はこの発明のVIを実現するさらなる方法が存在し、そのためこの発明が図9から図13に示される例の回路に限定されないことを理解するであろう。
図8の回路のトランジスタレベルの解決法は図9に示される。図8の第1の段43を形成する電圧増幅器は図9に示され、出力プルアップバイアス抵抗器Ro1、NMOSトランジスタ56および再生フィードバック抵抗器Rs1からなる。当該技術においては公知であるように、反転電圧増幅器のこの構成の入力インピーダンスは高く、出力インピーダンスは低く、周波数応答は広域である。この反転増幅器の出力インピーダンスが低いことにより、図9の全体的な電圧−電流コンバータの直線性が改善される。入力信号VINはNMOSトランジスタ56の制御ゲートに印加され、NMOSトランジスタ56のドレインにおいて反転された電圧出力を生じる。
NMOSトランジスタ56の反転された出力はNMOSトランジスタ57の制御ゲートに与えられる。NMOSトランジスタ57はNMOSトランジスタ59に結合されて単純カスコード58として示され、これは図8に示されるように第2の段45のトランスコンダクタンス増幅器への入力段を形成する。カスコード回路58、定電流源ISRC60およびカスコードバイアス電圧Vcbはカスコードトランスコンダクタンス利得段を形成し、これは、高周波動作において入力に現れる有効容量を減少し、同時に単一のトランジスタが入力段として用いられる場合に利用可能であるよりもはるかに高い出力インピーダンスおよびトランスコンダクタンス利得をもたらすという利点を有する。カスコードバイアス電圧Vcbは、トランジスタ69、71および73からなる独立して供給するCMOSバイアス回路源によりもたらされる。さらに、その直線性および周波数応答をさらに改善するため、フィードバックキャパシタCcがNMOSトランジスタ57のゲートにおけるトランスコンダクタンス増幅器の入力とNMOSトランジスタ59のドレインにおけるトランスコンダクタンス増幅器の出力との間で結合される。
図8の第2の段45を形成する図9のトランスコンダクタンス増幅器は反転増幅器であるが、図9の第1の段であるトランジスタ56のドレインから反転された信号を受けるため、出力電流IOUTは反転されておらず、入力信号VINと同相である。
電流IOUTは、定電流源ISRC60により供給されたDC成分から、NMOSトランジスタ57の制御ゲートにおいてAC変動により導入されたAC成分を減じたものからなる。電流IRS2はISRC60からIOUTを減じたものであり、そのためIOUTに比例する。IRS2はトランジスタ57のソースにおいてカスコード回路58を去り、NMOSトランジスタ57のソースと接地との間に結合される感知抵抗器Rs2を通過する。電流IRS2は、IOUTのDC成分に比例するDC成分と、IOUTのAC成分の逆数に比例するAC成分とを有する。そのため、IRS2はIOUTのある測定量を示すゲージ電流である。このため、電流IRS2が感知抵抗器Rs2を通過すると、IOUTに比例する電圧VaがRs2にわたって発生する。上述のように、電圧Vaは抵抗器REを介して差動増幅器50の反転入力へ印加され、ノードVbにおいて増幅された差動電圧を生じる。
図9では、差動増幅器50の例示的なトランジスタレベルの解決法が示される。差動増幅器の数多くのトランジスタレベルの実現例が公知である。差動増幅器50の選択されるトランジスタレベルの実現例はこの発明では重要ではない。差動増幅器50はPMOSトランジスタ79および81からなるカスコード電流源を有し、PMOSトランジスタ79および81はそれぞれ、基準電圧Vb1およびVb2により制御される。PMOSトランジスタ81のドレインにおいて、電流経路が2つの差動経路に分割され、これらはPMOSトランジスタ75および77により制御される。トランジスタ75および77のドレインは今度は、NOMOSトランジスタ83および85からできたカレントミラーのそれぞれ対応の分岐を介して接地に結合される。
PMOSトランジスタ77のゲートは差動増幅器50の反転入力を構成し、入力抵抗器REに結合される。同様に、PMOSトランジスタ77のドレインは差動増幅器50の出力を構成し、局部フィードバック抵抗器RFを介してそのゲートにおいて入力に結合される。
PMOSトランジスタ75のゲートは差動増幅器50の非反転入力を構成し、基準バイアス電圧VBIASに結合される。上述のとおり、VBIASは好ましくはIOUTのDC成分を表わす値を有し、差動増幅器50がIOUTのDC成分を除去しIOUTのAC成分の電圧を表わすもののみを増幅するようにする。そのため、この場合、VBIASは好ましくはノードVaにおける電圧のDC成分と等しい。
これを達成するには、VBIASは、トランスコンダクタンス増幅器に非常に類似したバイアスツリーから取除かれるが、少しのAC変動も導入しない。VBIASは、感知抵抗器Rs2と等しく、かつ上述のカスコードトランスコンダクタンス利得段の定電流源ISRC60と等しい第2の定電流源ISRC68からバイアスDC電流を受けるバイアス感知抵抗器Rbにより発生する。このことにより、Vaにおける電圧のDC成分に等しいバイアス抵抗器Rbにわたっての電圧降下VBIASが発生する。
図8の全体的な差動能動フィードバックネットワーク47を終了するため、図9において、ノードVbにおける差動増幅器50の出力は、2段直接増幅器の第1の段である電圧増幅器の縮退性抵抗器Rs1およびNMOSトランジスタ56のソースに与えられる。
図10では、図9のVBIAS発生分岐および定電流源60および68がさらに規定される。図9に類似する機能および接続を有する図10における回路構成要素は図9に類似する参照文字により識別され、上記に説明される通りである。
図9の定電流源ISRC60および68が確実に類似した電流値を有するようにするため、これらは図10のカレントミラーとして実現され、より特定的にはカスコード電流源として実現される。カスコード電流源はその出力において低いローディング効果を生じる。PMOSトランジスタ61および62はカスコード電流源60を形成し、ダイオード接続されたPMOSトランジスタ63および64からなるバイアスカスコード電流源68に応答してISRCを発生する。一致するトランジスタ対61/63および62/64の制御ゲートがともに結合されるため、バイアスカスコード電流源68における電流はカスコード電流源60に反射される。
カスコード電流源60および68の電流はNMOSトランジスタ66および65からなる第3のカスコード回路67により設定される。カスコード回路67はバイアスカスコード電流源68とバイアス感知抵抗器Rbとの間の単一の電流経路に沿って結合される。そのため、バイアスカスコード電流源68における電流ISRC、よってカスコード電流源60における電流は、カスコード回路67により定められる。NMOSトランジスタ66はNMOSトランジスタ59と一致するようにされ、NMOSトランジスタ65はトランジスタ57と一致するようにされる。さらに、NMOSトランジスタ66はNMOSトランジスタ59と同じ基準カスコードバイアス電圧Vcbを共用する。カスコード電流源60および68のバイアスDC電流ISRCは入力トランジスタ65のゲートに印加されるDC基準電圧Vrefにより設定される。そのため、カスコード回路68および67ならびに抵抗器Rbからなるバイアスツリーの構造はカスコード回路60および58ならびに抵抗器Rs2からなるトランスコンダクタンス増幅器の構造と同じである。このように、差動増幅器50の反転および非反転入力におけるDCローディングおよび電圧条件はプロセス、温度およびドリフト変動を通じて同様に維持される。また、図10では、差動増幅器50のPMOSトランジスタ79および81を制御するバイアス電圧Vb1およびVb2がPMOSトランジスタ63および64の制御ゲートにおいて発生されるのが示される。
図11では、この発明の第2の実施例が示される。図10に類似する機能および接続を有する図11における回路構成要素は図10に類似した参照文字により識別され、上記に説明される通りである。図10の電圧増幅器の出力プルアップ抵抗器Ro1は図11においては、電圧増幅器自体の構造と同じ構造を有する第2のバイアスツリーにより制御される単純カスコード電流源72により置き換えられている。2段直接増幅器の第1の段である電圧増幅器において電流源を用いることにより、図11の全体的な電圧−電流コンバータの高い出力インピーダンスが生じるが、また、直線性が減少し、よって性能が低下する。電流源72からのDC電流はバイアスツリーカスコード電流源74により制御され、NMOSトランジスタ55の制御ゲートに印加されるVrefと第2のバイアス抵抗器Rb1とにより設定される。トランジスタ52、54、および56ならびに抵抗器Rs1はそれぞれ、抵抗器51、53および55ならびに抵抗器Rb1と一致する。トランジスタ56は、カスコード回路74におけるDC電流を反射するカスコード回路72からのDC電流で供給される。
図12には、この発明の第3の実施例が示される。図10に類似した機能および接続を有するすべての構成要素は図10に類似する参照文字により識別され、上記に説明される通りである。図12では再び、出力プルアップ抵抗器Ro1が2段直接増幅器の第1の段、すなわち電圧増幅器において用いられる。上述のとおり、この結果、直線性はより良好になるが、出力インピーダンスは低くなる。図12の全体的な電圧−電流コンバータの出力インピーダンスを改善するため、2段直接増幅器の第2の段、すなわちトランスコンダクタンス増幅器において、調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器が用いられる。
調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器91a−97aはセルフバイアスされていない。むしろ、図10および図11の単純カスコードトランスコンダクタンス増幅器の場合のように、調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器91a−97aは調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器の利得段91a−97aと同じ構造を有するバイアスツリー91b−97bによりバイアスされる。唯一の相違点は、利得段91a−97aがバイアスツリー91b−97bにおける電流を反射するために、調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器の2つの分岐をともに結合する装置、この場合はPMOSトランジスタ91b、が必然的にダイオード接続されたものであることである。利得段と同じ回路構造を有するバイアスツリーを用いることにより、DCバイアスおよび温度変動もプロセスドリフトも効果的に取消される。
図12の調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器は図10の単純カスコードトランスコンダクタンス増幅器よりも高い入力インピーダンスをもたらし、そのため図12の第1の段、すなわち電圧増幅器のより低い出力インピーダンスを補償する。さらに、調整されたカスコードトランスコンダクタンヌ増幅器のトランスコンダクタンス利得はより高く、出力インピーダンスがより高く、周波数範囲もより広い。さらに、調整されたカスコードトランスコンダクタンス増幅器の電圧スイングはより大きく、より良好に負荷の電圧に調整できる。
トランジスタ91a−93aおよび電流源94aは利得段91a−97aの調整されたカスコード電流源を形成し、これはバイアスツリー91b−97bの調整されたカスコード電流源91b−94bにおける電流を反射する。2つの調整された電流源91a−94aおよび91b−94bは、PMOSトランジスタ91aおよび91bの制御ゲート間での共通接続によりカレントミラーを形成する。PMOSトランジスタ91bがダイオード接続されているため、調整されたカスコードバイアスツリーのDC電流は、NMOSトランジスタ65の制御ゲートに印加される基準電圧Vrefにより確立される。
利得段91a−97aおよびバイアスツリー91b−97bの双方の入力段もまた、調整されたカスコード回路からなる。利得段91a−97aの調整されたカスコード入力段はNMOSトランジスタ57、95aおよび96aと電流源97aとからなる。電流源97aおよびNMOSトランジスタ95aはともに増幅器を形成し、これは今度はソースホロワとして用いられるNMOSトランジスタ96aとともにフィードバックループを形成する。このため、NMOSトランジスタ57のドレインにおける電圧は自己調整され、この結果、上に説明したカスコードトランスコンダクタンス増幅器の動作特徴が改善される。バイアスツリーの入力段はNMOSトランジスタ65、95bおよび96bと電流源97bとからなり、増幅器段の入力段とほぼ同じ態様で機能する。
図13では、この発明による完全差動電圧−電流コンバータが示される。図13の回路は、差動増幅器50の正の入力にバイアス電圧VBIASを印加する代わりに、入力信号VINの負のノードに応答する第2の電圧−電流コンバータから第2のフィードバック入力を付与することを除いて、図10の回路とほぼ同様に機能する。換言すれば、図13の回路は共通の差動増幅器50、共通のカスコードバイアス電圧Vcb発生器69−73および共通のバイアスツリー63−66を共用する2つの電圧−電流コンバータとして機能する。ここでも、バイアスツリー63−66は正の利得段57p−62pおよび負の利得段57n−62nと同じ構造を有する。
ある電圧−電流コンバータはVINの正の出力端子に応答し、各々の参照文字名称の終わりにおいて文字「p」により識別される。第2の電圧−電流コンバータはVINの負の出力端子に応答し、各々の参照文字名称の終わりにおいて文字「n」により識別される。図10に類似する機能および接続を有する図13の回路構成要素は、適当な文字「p」または「n」とともに図10と類似する参照文字により識別され、上に説明される通りである。
図13の電圧−電流コンバータの双方が共通の差動増幅器50を共用するために、差動増幅器50は二重出力を有するのが示される。すなわち、これは正の出力とその補数である負の出力とを有する。差動増幅器50の正の出力は、VINの正の出力に応答する直接増幅器の第1の段に結合される。すなわち、差動増幅器50の正の出力はNMOSトランジスタ56pのソースに与えられる。同様に、差動増幅器50の負の出力は、NMOSトランジスタ56nのソースであるVINの負の出力に応答する直接増幅器の第1の段に結合される。
図13の回路の周波数応答は、それぞれ正および負の電圧−電流コンバータの入力と出力との間で結合される直列接続されたフィードフォワード抵抗器RfwおよびフィードフォワードキャパシタCfwの使用によりさらに向上される。たとえば、RfwpおよびCfwpは肯定応答の第1のVIの入力、つまりトランジスタ56pの制御ゲートと、肯定応答のVIの出力、つまりトランジスタ59pのドレインとの間で結合される。同様に、RfwnおよびCfwmは、否定応答の第2のVIの入力、つまりトランジスタ56nの制御ゲートと、否定応答のViの出力、つまりトランジスタ59nのドレインとの間で結合される。このように、2つの出力電流IOUTpおよびIOUTnは、IOUTnがIOUTpとは180°だけ位相が外れた状態で常に利用可能である。

Claims (16)

  1. フィードバックネットワークを備えた電圧−電流コンバータであって
    入力電圧ノード、基準電圧ノードおよび出力ノードを有する直接増幅器を含み、前記直接増幅器は前記出力ノード上で出力電流を発生するために有効であり、前記出力電流は前記入力電圧ノードと前記基準電圧ノードとの電圧差に比例しており、前記出力電流はDC出力電流成分およびAC出力電流成分を有し、前記直接増幅器はさらに、前記出力電流に比例するゲージ電流を発生するために有効であり、前記ゲージ電流は前記DC出力電流成分に比例するDCゲージ成分を有し、かつ前記AC出力電流成分に比例するACゲージ成分を有し、前記コンバータはさらに
    前記DCゲージ成分に比例するDCバイアス信号を発生するための手段と、
    前記出力電流に応答し、かつ前記AC出力電流成分に比例するフィードバック電圧信号を発生するために有効である電流−電圧コンバータとを含み、前記フィードバック電圧信号は前記直接増幅器の前記基準電圧ノードに結合されており、前記電流−電圧コンバータは、前記DCバイアス信号を受ける第1の差動入力リードと、前記ゲージ電流を受ける第2の差動入力リードと、前記フィードバック電圧信号を生成する出力フィードバックリードとをさらに含む、電圧−電流コンバータ。
  2. 前記電流−電圧コンバータのフィードバック利得の大きさは1とは異なり、前記フィードバック電圧信号は前記AC出力電流成分のみに比例する、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  3. 前記DCバイアス信号は前記DC出力電流成分に実質的に類似する、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  4. 前記電流−電圧コンバータは、局部フィードバックネットワークを有し、かつ前記直接増幅器から独立した局部利得の大きさを有する差動増幅器を含み、前記差動増幅器は前記基準電圧ノードに結合される出力リードを有し、かつそれぞれ前記第1および第2の差動入力リードに応答する第3および第4の入力リードを有する、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  5. 前記電流−電圧コンバータは閉ループ電圧増幅器と、前記出力フィードバックリードと基準接地レールとの間に結合される第1のセンス抵抗器と、前記第2の差動入力と前記基準接地レールとの間に結合される第2のセンス抵抗器とを含み、前記閉ループ電圧増幅器は前記出力フィードバックリードに結合される局部出力端子を有し、前記第1の差動入力リードに応答する第1の局部入力端子を有し、前記第2の差動入力リードに応答する第2の局部入力端子を有する、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  6. 前記閉ループ電源増幅器は局部入力抵抗器および局部フィードバック抵抗器を含み、前記閉ループ電圧増幅器は、前記局部フィードバック抵抗器の前記局部入力抵抗器に対する比に比例する利得の大きさを有する、請求項5に記載の電圧−電流コンバータ。
  7. 前記電流−電圧コンバータは前記ゲージ電流を感知するための手段と、差動増幅器と、局部入力抵抗器と、局部フィードバック抵抗器とを含み、前記差動増幅器は正の入力端子、負の入力端子および局部出力端子を含み、前記局部入力抵抗器は前記負の入力端子と前記ゲージ電流を感知するための前記手段との間で結合されており、前記局部フィードバック抵抗器は前記負の入力端子と前記局部出力端子との間で結合されており、前記局部出力端子は前記出力フィードバックリードに結合されており、前記正の入力端子は前記第1の差動入力に結合される、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  8. 前記直接増幅器は少なくとも第1の段および第2の段を含み、前記第1の段は前記入力電圧ノードおよび前記基準電圧ノードに結合される電圧−電圧コンバータを含み、前記電圧−電圧コンバータは前記入力電圧ノードと前記基準電圧ノードとの電圧差に比例する中間電圧信号を発生するために有効であり、前記第2の段は、前記中間電圧に応答し、かつ前記出力電流を発生するために有効であるトランスコンダクタンス増幅器を含み、前記出力電流は前記中間電圧信号に比例する、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  9. 前記2段直接増幅器の前記第1の段はフィードバックを有する、請求項8に記載の電圧−電流コンバータ。
  10. 前記第1の段は付加的に制御信号を発生するバイアス源を含み、前記電圧−電圧コンバータは電流源を有し、前記電流源は前記制御信号に応答する、請求項8に記載の電圧−電流コンバータ。
  11. 前記トランスコンダクタンス増幅器は出力ノードおよび電流源を有し、前記電流源は前記出力ノードに供給する、請求項8に記載の電圧−電流コンバータ。
  12. 前記電流源は調整されていないカスコード電流源および調整されたカスコード電流源のうちのいずれか一方である、請求項11に記載の電圧−電流コンバータ。
  13. 前記直接増幅器は少なくとも第1の段および第2の段を含み、
    前記第1の段は前記入力電圧ノード、前記基準電圧ノードおよび第1のフィードバック抵抗器を含む電圧−電圧コンバータを含み、前記第1のフィードバック抵抗器は前記基準電圧ノードと基準接地レールとの間で結合されており、前記電圧−電圧コンバータは、前記入力電圧ノードと前記基準電圧ノードとの電圧差に比例する中間電圧を発生するために有効であり、
    前記第2の段は前記中間電圧に応答し、第2の基準電圧ノード、第2のフィードバック抵抗器および前記出力ノードを有するトランスコンダクタンス増幅器を含み、前記第2のフィードバック抵抗器は前記第2の基準電圧ノードと前記基準接地レールとの間で結合されており、前記トランスコンダクタンス増幅器は前記出力ノード上で前記出力電流を発生するために有効であり、前記出力電流は前記中間電圧と前記第2の基準電圧ノードとの電圧差に比例しており、前記第2のフィードバック抵抗器は、前記DC出力電流成分に比例するDCセンス成分と前記AC出力電流成分に比例するACセンス成分とを有する電圧センス信号を発生し、
    前記電流−電圧コンバータは能動フィードバックネットワークを形成し、前記能動フィードバックネットワークは
    (a) 第1の局部入力リード、第2の局部入力リードおよび局部出力リードを有する差動増幅器を含み、前記局部入力リードは前記電圧−電圧コンバータの前記基準電圧ノードに結合されており、前記ネットワークはさらに
    (b) 前記第1の局部入力リードに結合される前記DCバイアス信号と、
    (c) 前記第2の局部入力リードと前記トランスコンダクタンス増幅器の前記第2の基準ノードとの間で結合される局部入力抵抗器と、
    (d) 前記第2の局部入力リードと前記局部出力リードとの間で結合される局部フィードバック抵抗器とを含む、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  14. 前記第2の段はバイアス源をさらに含み、前記トランスコンダクタンス増幅器は入力段および電流源を有し、前記入力段は前記出力ノードに結合される第1の電流端子と、前記第2の基準電圧ノードに結合される第2の電流端子と、前記中間電圧に応答する制御入力とを有し、前記制御入力は前記第1の電流端子と前記第2の電流端子との間での導電の量を変化させるために有効であり、前記電流源は前記出力ノードに供給するよう結合され、かつ前記バイアス源により確立される静止動作点をさらに有する、請求項13に記載の電圧−電流コンバータ。
  15. 前記電圧−電圧コンバータは、前記入力電圧ノードに結合される制御ゲート電極と、前記基準電圧ノードに結合されるソース電極と、前記中間電圧を発生するドレイン電力とを有するMOSトランジスタとプルアップ抵抗器とを含み、前記プルアップ抵抗器は前記ドレイン電極に結合される、請求項13に記載の電圧−電流コンバータ。
  16. 前記第1の段はバイアス源を含み、前記電圧−電圧コンバータはMOSトランジスタおよび電流源を含み、前記MOSトランジスタは前記入力電圧ノードに結合される制御ゲート電極と、前記基準電圧ノードに結合されるソース電極と、前記中間電圧を発生するドレイン電極とを有し、前記電流源は前記ドレイン電極に供給するよう結合され、かつさらに前記バイアス源により確立される静止動作点を有する、請求項13に記載の電圧−電流コンバータ。
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