JP3873700B2 - 電磁波シールド膜の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド膜の製造方法に関し、特に、各種プラスチックに真空成膜で電磁波シールド膜を形成する製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子機器や、携帯電話など、電波を発信、受信する機器には、機器の誤動作を避けるために、筐体の内側に電磁波シールド膜が導電性塗装、湿式メッキ、真空メッキ法などで成膜される。この内で、クリーンな処理方法である真空メッキ法が、近年、増加している。真空メッキ法では、アルミ膜や、銅とニッケルの積層膜などが多く成膜される。
【0003】
真空メッキ法として、特開平6−145396号公報、特開平6−157797号公報、特開平6−240027号公報、特開平6−240034号公報、特開平6−240035号公報などに、予め洗浄することなく、プライマーコート層を設けずに、ABS樹脂やポリカーボネート(以下、PCという)などのプラスチック成形品の表面に、高周波励起プラズマにより各種の成膜を施すことが記載されている。これらの公報の技術で使用される成形品は、ABSまたはABS/PC系ポリマーアロイ(以下、ABS/PCという)である。
【0004】
一方、PCは、真空メッキ法で成膜した膜が密着しにくい樹脂であり、高周波プラズマに曝されても、表面にはエッチング効果は見られない。
【0005】
また、PC成分が50質量%程度のABS/PCだと、プライマーコートを塗布しなくても密着している。しかし、近年、強度を増すために、ABS単体の筐体がほとんど無くなってきているように、ABS/PCも、PC成分が上がってきている。PC成分が高いABS/PCでは、単に高周波プラズマに曝されたのみでは、真空メッキ法で成膜した膜の密着不良が発生する問題がある。
【0006】
このようなPC成分が高いABS/PCには、専用のプライマーコートが塗布され、ABS、ABS/PCおよびPCのそれぞれに専用の塗料があるが、塗り分けが面倒で、費用的にも効率的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ABS、ABS/PC、PCなどの内で、単に高周波プラズマや直流プラズマに曝した程度では表面改質されない樹脂に、それぞれアンダーコートを塗り分けることなく、一種類のプライマーコートを塗布することで、真空メッキ法で成膜した膜に、高い密着性が得られるプライマーコートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁波シールド膜の製造方法は、ABS樹脂、PC、およびABS/PC系ポリマーアロイ(ABS/PC)のいずれかで作られた成形品に、膜厚が0.2〜1.2μmとなるように、ポリウレタン樹脂をアンダーコートとして塗布し、60〜80℃で15〜30分熱風乾燥し、金属薄膜を成膜する。金属被膜は、蒸着、イオンプレーティングおよびスパッタリングのいずれかの方法で成膜するのが好ましい。
【0009】
前記ポリウレタン樹脂は、アセトン、トルエンおよびMEK(メチルエチルケトン)からなる群から選ばれる1種以上の溶剤で希釈し、固形分を5〜15質量%とする。
【0010】
前記熱風乾燥の後に、アンダーコートの表面に、アルゴンイオンボンバードを行うことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
前述のように、ABS/PC、PCなどは、真空メッキ法で成膜した膜は密着しずらい。ABS、ABS/PCおよびPCの3種類からなる基材の表面に、真空メッキ法で成膜した膜が、高い密着性で密着するように、ポリウレタン樹脂をプライマーコートとして、該基材の表面に塗布する。
【0012】
ポリウレタン樹脂とは、分子内にウレタン結合を持ち、2価以上の多価アルコールに、過剰のジイソシアネートを反応させて得られ、末端にイソシアネート基を持つ。ポリウレタン樹脂には、2液型ポリウレタン、ブロック型ポリウレタン、湿気硬化型ポリウレタン等があり、反応性に富み、硬化後は、硬度、耐薬品性、耐候性に優れる。
【0013】
本発明では、ポリウレタン樹脂に、希釈溶剤として、トルエン、アセトンおよびMEKを用いる。これらの溶剤は、ABS/PCやPCの基材の表面を若干溶解するので、基材とプライマーが混合し合って、密着性がより高まる効果がある。なお、アルコール系の溶剤や、溶解力が弱い溶剤だと、ポリウレタン樹脂が溶解しない。
【0014】
ポリウレタン樹脂は、前記希釈溶剤により、樹脂の固形分が5〜15質量%になるように、希釈するのが望ましい。そして、得られる膜厚として、0.2〜1.2μmだけ基材上に塗装するのが望ましい。
【0015】
樹脂の固形分が5質量%以下では、溶剤分が多すぎ、塗装後、基材が溶解したり、膜厚が0.2μm以下になり、塗装強度が得られず、層間剥離を起こす。樹脂の固形分が15質量%を超えると、膜厚が必要以上に増加し、経済的に不利になる。また、含有溶剤量も増加するので、塗料が乾燥するまでに、溶剤により基材が溶解する可能性がある。膜厚が上記の範囲になるように、樹脂の固形分が5〜15質量%になるように、希釈するのが適当である。
【0016】
その後、塗料を60〜80℃で熱風乾燥する。時間は、15〜30分程度でよい。乾燥温度および乾燥時間は、それぞれの範囲であれば、特に厳密に管理する必要はない。
【0017】
乾燥が終了した成形品を真空チャンバーにセットし、真空度が4×10-3Pa〜7×10-3Paとなるまで排気し、次にArガスを3×10-2Pa〜4×10-2Paとなるまで導入し、高周波出力0.5〜1.0kWで励起放電を起こし、1〜10分程度のアルゴンイオンボンバードを行う。
【0018】
以上の処理で、プライマーコートの乾燥および反応が完了し、表面の水分および汚れが除去できる。
【0019】
アルゴンイオンボンバードの時間は、作業性を考えて1〜5分が望ましい。この処理の後に続けて、銅−ニッケル、銀、錫合金のいずれかを、膜厚で1〜2μm形成して、電磁波シールド膜を形成する。
【0020】
(実施例1)
ポリウレタン樹脂(セメダイン社製、型番セメダイン700)に、ポリウレタン樹脂の質量の約1/10のイソシアネートを添加した。さらに、ポリウレタン樹脂の10gに対し、トルエンおよびMEKを希釈溶剤としてそれぞれ30g添加し、撹拌して塗料を得た。この塗料をエアースプレーガンに入れ、PC成分70質量%のABS/PCアロイ成形品および100%PC成形品の四方向からそれぞれ塗装し、0.2μm以上、0.7μm以下の膜厚にした。これらを60℃で30分熱風乾燥させた。
【0021】
次に、真空チャンバーに投入、セットし、真空度5×10-3Paまで排気した。さらに、Arガスを3.2×10-2Paまで導入した。この状態で高周波出力1.0kWで励起放電を起こし、5分放電させた。続けて、銅を膜厚が1μmとなるように成膜し、さらにニッケルを膜厚が0.2μmとなるように成膜した。
【0022】
以上により、電磁波シールドを施したPC成分70質量%のABS/PCアロイ成形品および100%PC成形品を30個ずつ得た。
【0023】
電磁波シールドの密着試験を行った。
【0024】
初期付着試験では、セロハンテープを用いて、45度斜めから一気に引き剥がしたが、100目の切り目に対して密着しているます目の数は100/100で、剥離しなかった。湿度95%、96h後の剥離試験でも、試験数に対する良品の割合が100/100で、剥離は見られなかった。
【0025】
(実施例2)
ポリウレタン樹脂の10gに対し、アセトンおよびMEKを希釈溶剤として、それぞれ40g添加したことと、銅を膜厚が1μmとなるように成膜した後に、錫−3質量%銅を膜厚が0.2μmとなるように成膜したこと以外は、実施例1と同様にして、電磁波シールドを施したPC成分70質量%のABS/PCアロイ成形品および100%PC成形品を30個ずつ得た。
【0026】
電磁波シールドの密着試験を行った。
【0027】
初期付着試験では、セロハンテープを用いて、45度斜めから一気に引き剥がしたが、試験数に対する良品の割合が100/100で、剥離しなかった。湿度95%、96h後の剥離試験でも、試験数に対する良品の割合が100/100で、剥離は見られなかった。
【0028】
(比較例1)
塗装、乾燥までは、実施例1と同様に行い、真空チャンバーに投入、セットし、真空度5×10-3Paまで排気した。さらに、Arガスを3.2×10-2Paまで導入した。続けて、すなわち励起放電なしに、銅を膜厚が1μmとなるように成膜し、さらにニッケルを膜厚が0.2μmとなるように成膜した。
【0029】
以上により、電磁波シールドを施したPC成分70質量%のABS/PCアロイ成形品および100%PC成形品を30個ずつ得た。
【0030】
電磁波シールドの密着試験を行った。
【0031】
初期付着試験では、セロハンテープを用いて、45度斜めから一気に引き剥がしたが、試験数に対する良品の割合が50/100で、大きな剥離を生じた。
【0032】
(比較例2)
希釈溶剤を、ポリウレタン樹脂の10gに対し、アセトンおよびMEKをそれぞれ100g添加したことと、これにより、膜厚が0.05μm以上、0.2μm未満になったこと以外は、実施例1と同様にして、電磁波シールドを施したPC成分70質量%のABS/PCアロイ成形品および100%PC成形品を30個ずつ得た。
【0033】
電磁波シールドの密着試験を行った。
【0034】
初期付着試験では、セロハンテープを用いて、45度斜めから一気に引き剥がしたが、試験数に対する良品の割合が80/100で、剥離した。
【0035】
(比較例3)
市販のアクリル製ABS用アンダーコートを、ABS、ABS/PCおよびPCのそれぞれに、20μmの厚さで塗布し、80℃、1h熱風乾燥した。続けて、銅を膜厚が1μmとなるように成膜し、さらにニッケルを膜厚が0.2μmとなるように成膜して、電磁波シールドを施したABS、ABS/PCおよびPC成形品を30個ずつ得た。
【0036】
電磁波シールドの密着試験を行った。
【0037】
初期付着試験では、セロハンテープを用いて、45度斜めから一気に引き剥がしたが、ABS以外は、全て剥離した。
【0038】
【発明の効果】
本発明により、高周波励起のみでは、電磁波シールド膜と密着しずらいABS/PCおよびPCに、同じプライマーコートで、高い密着性で基材と電磁波シールド膜を接合させることができる。

Claims (3)

  1. ABS樹脂、ポリカーボネート、およびABS/PC系ポリマーアロイのいずれかで作られた成形品に、ポリウレタン樹脂を、アセトン、トルエンおよびMEKからなる群から選ばれる1種以上の溶剤で希釈し、固形分を5〜15質量%としたものをアンダーコートとして、膜厚が0.2〜1.2μmとなるように塗布し、熱風乾燥し、励起放電により該アンダーコートの表面にアルゴンイオンボンバードを施した後、該アンダーコート上に金属薄膜を真空成膜することを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。
  2. 真空成膜、蒸着、イオンプレーティングおよびスパッタリングのいずれかの方法により行う請求項1に記載の電磁波シールド膜の製造方法。
  3. 前記熱風乾燥、60〜80℃で15〜30分間行う請求項1に記載の電磁波シールド膜の製造方法。
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