JP2007332408A - 成型体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 難接着性の樹脂材料を基材として用いながら、密着性、耐食性に優れた電磁波シールド処理または光輝化処理が施された成型体を提供する。
【解決手段】 難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理を施し、該ブラスト処理が施された基材の表面に、真空めっき法により、銅膜を0.5μm〜2μm成膜し、該銅膜の上に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる保護膜を0.1μm〜0.3μm成膜することにより、基材の表面に電磁波シールド処理が施された成型体を得る。
【選択図】 なし
【解決手段】 難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理を施し、該ブラスト処理が施された基材の表面に、真空めっき法により、銅膜を0.5μm〜2μm成膜し、該銅膜の上に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる保護膜を0.1μm〜0.3μm成膜することにより、基材の表面に電磁波シールド処理が施された成型体を得る。
【選択図】 なし
Description
本発明は、難接着性の樹脂材料からなり、かつ、電磁波シールド処理または光輝化処理が必要とされる成型体およびその製造方法に関する。
携帯電話などの電波を発信および受信する機器を含む、電気機器および電子機器には、機器の誤動作を避けるために、電磁波シールド処理が施されている。電磁波シールド処理を施す方法として、筺体の基材である成型体の中に導電性金属を混入する方法、成型体の表面に導電性塗料を塗布する導電性塗装、湿式めっき法または真空めっき法により、金属薄膜を成型体の表面に形成する方法が知られている。
これらの機器には、従来、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ABSとPCの混合樹脂を基材とする成型体が用いられることが多い。
しかし、近年、特に携帯電話の分野においては、軽量化と薄肉化が求められていることから、ABS樹脂やPC樹脂などに代わって、薄くて強度があるポリアミド樹脂(ナイロン)、もしくは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、または、これらにガラス繊維を含有させた成型体を用いることが要請されている。また、これらの樹脂は、高耐熱性、高強度、耐薬品性に優れた特性を持つことから、金属を代替するものとして、コネクタ、ソケット、基板などの基材としても用いられている。これらには電磁波シールド処理を施すことのほか、装飾性を持たせるために光輝化処理を施すことも要求される。
しかしながら、ABS樹脂およびPC樹脂を除く、ポリアミド樹脂、PPS樹脂などのエンジニアリングプラスチックは、耐薬品性が高く、また、ガラスや各種添加剤で強化されていることが多いため、通常のエッチングや塗装では、塗膜と基材との間の密着が不十分であり、上記の処理にこれらの方法を用いることは適切でない。
ABS樹脂やPC樹脂などの成型体に金属薄膜を湿式めっき法により成膜する場合には、無電解めっき法が用いられている。この方法では、クロム酸エッチング、パラジウム触媒付加などが行われるので、基材と金属薄膜との密着は強固なものとなる。しかし、廃液の処理の問題、処理時間が長いという問題、成型体の両面にめっきが施されてしまうという問題などがある。また、ポリアミド樹脂やPPS樹脂などに対する湿式めっき法は、確立していない。
真空めっき法では、ABS樹脂、PC樹脂などの成型体に、たとえば、膜厚が2μm〜3μmのアルミニウム膜を形成したり、第1層に銅膜を形成し、第1層の保護膜として第2層にニッケル膜などを成膜したりすることが行われている。しかしながら、真空めっき法を用いた場合も、ポリアミド樹脂やPPS樹脂などの成型体においては、基材と金属薄膜の密着が十分ではない。
このような理由から、現段階では、ポリアミド樹脂やPPS樹脂などの成型体を用いた基材で、その表面に電磁波シールド処理や光輝化処理が直接施された例はない。
これらの樹脂からなる成型体に金属薄膜を成膜するための従来技術には、次のようなものがある。
特開平07−133361号公報には、電磁波シールド膜の密着性を上げるために、樹脂成型体の表面の油をふき取り、真4444空槽内における高周波励起プラズマによりボンバード処理し、アルミニウム膜、または、銅膜を配設することが開示されている。樹脂基材が特定されていないが、表面に官能基が多く含まれるABS樹脂やPC樹脂の成型体には、有効な手段であると思われる。しかし、基材がポリアミド樹脂またはPPS樹脂の場合には、表面官能基がほとんどないため、ボンバード処理を適用しても、基材の表面の改質がなされず、膜との密着性が弱く、適用することができない。
特開平07−070345号公報には、ガラス繊維やカーボン繊維のようなフィラー入りの樹脂成型体の表面に、水溶性塗料からなるプライマコート層を形成し、真空内で高周波励起プラズマにより、アルミニウム膜、または、銅膜を成膜する方法が記載されている。しかし、同様に、基材がポリアミド樹脂またはPPS樹脂の場合、水溶性塗料では基材を変化させられず、基材とプライマコート層の間で強い密着性が得られない。
特開平07−007283号公報、特開平06−240034号公報、特開平06−240027号公報、特開平06−157797号公報、および、特開平06−145396号公報には、樹脂成型体の表面をあらかじめ洗浄することなく、かつ、プライマコート層を配設せずに、高周波励起プラズマにより、その表面をクリーニングして、アルミニウム膜や銅膜の成膜する方法が記載されている。当該方法も、表面に官能基が多く含まれるABS樹脂やそのポリマーアロイの基材には、有効な手段であると思われるが、表面官能基がほとんどないポリアミド樹脂やPPS樹脂では、表面が十分に改質されないため、基材と膜との密着性が弱く、適用することができない。
その他、特開2001−032150号公報、特開平10−046443号公報、特開平10−008317号公報、および、特開平06−330677号公報には、ポリアミド樹脂繊維などに、スパッタリングや銀めっきにより、銀膜を成膜することが開示されているが、いずれも用途が産業用用途と異なっており、かかる用途に必要とされる密着力を得ることはできない。
特開平07−133361号公報
特開平07−070345号公報
特開平07−007283号公報
特開平07−240034号公報
特開平06−240027号公報
特開平06−157797号公報
特開平06−145396号公報
特開2001−032150号公報
特開平10−046443号公報
特開平10−008317号公報
特開平06−330677号公報
本発明は、難接着性の樹脂材料を基材として用いながら、密着性、耐食性に優れた電磁波シールド処理または光輝化処理が施された成型体を提供することを目的とする。
本発明に係る成型体の製造方法の第1態様は、難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理を施し、該ブラスト処理が施された基材の表面に、真空めっき法により、銅膜を0.5μm〜2μm成膜し、該銅膜の上に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる保護膜を0.1μm〜0.3μm成膜することにより、基材の表面に電磁波シールド処理を施すことを特徴とする。
本発明に係る成型体の製造方法の第2態様は、難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理を施し、該ブラスト処理が施された表面に、真空めっき法により、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる金属膜を0.1μm〜0.3μm成膜することにより、基材の表面に光輝化処理を施すことを特徴とする。
なお、光輝化処理を施す場合には、前記金属膜の上に、さらに、クリア塗装を施すことが好ましい。
前記難接着性の樹脂材料として、典型的には、ポリアミド樹脂、ガラス繊維含有ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ガラス繊維含有ポリフェニレンサルファイド樹脂、および、液晶ポリマーを挙げることができる。
前記ブラスト処理は、エアーでノズルから研磨材を吹きつけることにより、前記基材の表面に凹凸を形成し、その表面粗さを中心線平均粗さRa50〜500μmとする。
前記研磨材として、ガラスビーズまたはセラミックビーズを用いることが好ましい。
また、前記研磨材として、50〜500μmの大きさの微粉末を用いることが好ましい。
前記研磨材を2〜4kg/cm2の圧力で前記基材の表面に吹きつけることが好ましい。
上記成型体の製造方法により、難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理が施されており、該ブラスト処理が施された基材の表面に、0.5μm〜2μmの銅層が形成され、かつ、該銅層の上に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる0.1μm〜0.3μmの保護金属層が形成されている電磁波シールド成型体を得ることができる。
また、難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理が施されており、該ブラスト処理が施された基材の表面に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる0.1μm〜0.3μmの金属層が形成されている光輝化成型体を得ることができる。
なお、光輝化成型体には、前記金属層の上に、さらに、クリア塗膜が形成されていることが好ましい。
本発明による電磁波シールド成型体または光輝化成型体においては、電気機器または電子機器の基材として有用なポリアミド樹脂またはPPS樹脂、ないしは、液晶ポリマーなどを用いながら、かかる難接着性の基材表面に電磁波シールド膜ないしは金属膜を高い密着性をもって形成している。また、生産性の高いイオンプレーティングなどの真空めっき法を用いて製造できるため、コスト、生産性の点でも優れた成型体を提供することができる。
本発明は、ポリアミド樹脂、ガラス繊維含有ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ガラス繊維含有ポリフェニレンサルファイド樹脂、または、液晶ポリマーなどの難接着性の樹脂基材からなる成型体に、電磁波シールド処理または光輝化処理を施すものである。かかる難接着性の樹脂材料には、その他、熱可塑性樹脂として耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、機械的強度が高いエンジニアリングプラスチックで蒸着膜と接着性が低い、ポリアセタール、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、および、これらにガラス繊維を含有した樹脂がある。
これらの難接着性の樹脂材料は、表面に官能基をほとんど有しないため、また、耐薬品性が高く、ガラスや各種添加剤で強化されていることが多いため、その表面に金属膜を成膜しても高い密着性が得られず、従来の表面改質処理では、十分な改質がなされず、電磁波シールド処理ないしは光輝化処理を施す材料となり得なかった。
これに対して、本発明では、これらの難接着性の樹脂基材に対して、ブラスト処理を施すことにより、真空めっき法によりその表面に金属膜を成膜することを可能にしている。
ブラスト処理は、ブラストガンを用いて、圧縮エアーにより粉状の研磨材を基材に吹きつけ、その表面を粗化する方法である。本発明では、かかるブラスト処理により、基材の表面に表面粗さで中心線平均粗さRa50〜500μmとなるように凹凸を形成する。
研磨材としては、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、植物種、金属ビーズ、セラミックビーズなどがあるが、ガラス繊維が添加された難接着性の樹脂材料に用いる場合には、その表面の硬度が高いので、樹脂ビーズや植物種では、その基材表面を粗化することができない。また、金属ビーズでは、表面が磨耗する可能性があるため、好ましくない。よって、ガラスビーズ、または、酸化アルミナ、炭化珪素などのセラミックビーズといった高硬度の研磨材を用いることが望ましい。
研磨材の大きさは、50μm〜500μmとすることが好ましい。研磨材の大きさが50μm以下では、基材の表面に凹凸が十分に形成されず、基材と成膜された膜との間に強い密着性が得られないため、好ましくない。また、500μm以上では、表面の凹凸が大きくなりすぎて、光輝感が損なわれ、また、成膜された膜の抵抗値が大きくなるため、好ましくない。
研磨材を基材の表面に吹きつける際の圧力は、2〜4kg/cm2とすることが好ましい。吹きつけ圧力が、2kg/cm2以下では、基材の表面の凹凸が少なく、十分な密着性が得られないため、好ましくない。4kg/cm2以上では、基材が変形したり、研磨材が基材に埋め込まれた状態になったり、表面に異物が付着する不良が発生したりするため、好ましくない。
電磁波シールド成型体または光輝化成型体を得るためには、ブラスト処理が施された難接着性の樹脂基材の表面に、直接、電磁波シールド膜または光輝化膜を成膜する。これらの膜の形成には、均一に成膜でき、環境性に優れた真空めっき法により行うことが好ましいが、本発明により、かかる真空めっき法を用いて、基材との密着性が高い膜を得ることが可能となる。真空めっき法としては、電子銃で高融点ターゲットを溶解し、金属を蒸発させ、基材に膜を形成するイオンプレーティング法、もしくは、合金成分を成膜でき、均一な膜厚を得られるスパッタリング法を用いることが好ましい。
電磁波シールド処理が施された成型体を得る場合には、基材の表面にブラスト処理を施した後、その基材の上に、第1層目の電磁波シールド膜として、銅膜を成膜する。電磁波シールド特性を得るためには、膜厚を0.5μm〜2μmとする。銅の膜厚が0.5μm未満では、銅膜の表面抵抗値が高くなり、十分なシールド特性が得られない。一方、2μmを超えると、表面抵抗値が下がらないばかりか、膜応力が強くなり、耐熱試験などで剥離する可能性が高くなってしまう。さらに、成膜時間が伸び、製造コストも高くなるため、好ましくない。
銅膜の上に、第2層目の保護膜として、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる保護膜を、膜厚が0.1μm〜0.3μmとなるように成膜する。この保護膜の膜厚が0.1μm以下では、膜にピンホールが発生し、製品の立ち面では、さらに膜が薄くなり、未接着部分が発生する可能性があるため、好ましくない。0.3μm以上では、耐食性はほとんど変化なく、膜応力が上がることにより、膜にクラックが入り、Cuを腐食させる可能性があるため、好ましくない。
この第2層目の保護膜を施すことにより、成型体の耐湿性や耐酸性などが向上し、民生用や産業用に用いることが可能となる。なお、これらの保護膜の形成において、ニッケル、クロム、またはこれらの合金を用いると、耐食性の高い保護膜が得られ、一方、錫−銅−クロム合金や錫−銅−ニッケル合金は、錫の融点が低いため、真空めっき法において、早い成膜速度が得られる。
一方、光輝化成型体を得る場合には、電磁波シールド成型体における成膜工程において、銅膜を成膜せずに、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる膜を光輝化膜として成膜し、さらに、当該光輝化膜の上に、耐候性に優れたアクリル樹脂やポリエステル樹脂などのクリア塗装を施す。これにより、光輝感を保ち耐環境性に優れた光輝化成型体が得られ、装飾性が要求される外装部品や車載用途などにおいて広範囲に適用することが可能となる。
(実施例1)
基材として、ポリアミド樹脂とガラス繊維が50%ずつ配合された50×50mm、厚さ2mmサイズのレニー(登録商標)1022H基材(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)を用いた。
基材として、ポリアミド樹脂とガラス繊維が50%ずつ配合された50×50mm、厚さ2mmサイズのレニー(登録商標)1022H基材(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)を用いた。
粒径100μmのガラスビーズを研磨材として用い、ノズル径が2mmのブラストガン(アネスト岩田株式会社製、TL2)を用いて、圧力2kg/cm2、10秒間の条件で、エアーにより研磨材を基材に直接吹きつけることにより、ブラスト処理を行った。
ブラスト処理後、基材の表面にエアーブローを施し、表面に残存するガラスビーズを吹き飛ばした。
その後、基材をイオンプレーティング装置(神港製作所製株式会社、AAIH−W36200SBT)に設置した。基材の表面に、第1層目として銅膜を、電流値500mA、時間5分の成膜条件で、膜厚が1μmとなるように成膜した。次に、成膜した銅膜の表面に、第2層目としてニッケル膜を、電流値800mA、時間10分の成膜条件で、膜厚が0.2μmとなるように成膜して、電磁波シールド成型体を得た。
得られた成型体について、外観検査、初期テープ付着試験、60℃×95%×240hの耐湿試験を行った後のテープ付着試験、85℃×240hの耐熱試験を行った後のテープ付着試験、表面抵抗値の測定を行った。その評価結果を表1に示す。
(実施例2)
基材として、50×50mm、厚さ2mmサイズで、ガラス40%含有のPPS樹脂であるTS401基材(東洋紡績株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、ブラスト処理を行った。
基材として、50×50mm、厚さ2mmサイズで、ガラス40%含有のPPS樹脂であるTS401基材(東洋紡績株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、ブラスト処理を行った。
基材表面にエアーブローを施した後、その基材をイオンプレーティング装置に設置した。基材表面に第1層目として銅膜を、電流値500mA、時間8分の成膜条件で、膜厚が1.5μmとなるように成膜した。次に、成膜した銅膜の表面に、第2層目として錫−銅−クロム合金膜を、電流値250mA、時間4分の成膜条件で、膜厚が0.2μmとなるように成膜した。
得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果を表2に示す。
(実施例3)
研磨材として、粒径100μmの酸化アルミナ粒径を用いた以外は、実施例1と同様に成型体を得た。得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果は、実施例1と同様であった。
研磨材として、粒径100μmの酸化アルミナ粒径を用いた以外は、実施例1と同様に成型体を得た。得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果は、実施例1と同様であった。
(実施例4)
保護膜として、ハステロイG(登録商標;Ni−6.5Mo−22Cr−19.5Fe−2Cu−1W−1Co)(三菱マテリアル株式会社製)を0.1μm成膜した以外は、実施例1と同様に成型体を得た。得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果は、実施例1と同様であった。
保護膜として、ハステロイG(登録商標;Ni−6.5Mo−22Cr−19.5Fe−2Cu−1W−1Co)(三菱マテリアル株式会社製)を0.1μm成膜した以外は、実施例1と同様に成型体を得た。得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果は、実施例1と同様であった。
(実施例5)
保護膜として、錫−銅−ニッケル合金を0.2μm成膜した以外は、実施例1と同様に成型体を得た。得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果は、実施例1と同様であった。
保護膜として、錫−銅−ニッケル合金を0.2μm成膜した以外は、実施例1と同様に成型体を得た。得られた成型体について、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果は、実施例1と同様であった。
(実施例6)
実施例1と同様に、基材の表面にブレスト処理を行い、エアーブローを施した後、銅膜を成膜しないで、イオンプレーティング装置を用いて、錫−銅−クロム合金を、基板表面に膜厚が0.1μmとなるように成膜した。その上に、スプレー塗装により、アクリルトップコート(藤倉化成株式会社製、ET5406A)の膜を10μm形成し、80℃、30分の条件で乾燥させて、光輝化成型体を得た。
実施例1と同様に、基材の表面にブレスト処理を行い、エアーブローを施した後、銅膜を成膜しないで、イオンプレーティング装置を用いて、錫−銅−クロム合金を、基板表面に膜厚が0.1μmとなるように成膜した。その上に、スプレー塗装により、アクリルトップコート(藤倉化成株式会社製、ET5406A)の膜を10μm形成し、80℃、30分の条件で乾燥させて、光輝化成型体を得た。
この成型体の外観は、クロム色で58%(550nm波長)の反射率を有していた。
得られた成型体について、表面抵抗値の測定を除き、実施例1と同様の試験および測定を行った。その評価結果を表3に示す。
(実施例7)
液晶ポリマー(デュポン社製、ゼナイト(登録商標))製のコネクタに対して、実施例1と同様の処理を行い、電磁波シールド成型体を作製した。実施例1と同様の試験および測定を行ったところ、その性能は実施例1と同様であった。
液晶ポリマー(デュポン社製、ゼナイト(登録商標))製のコネクタに対して、実施例1と同様の処理を行い、電磁波シールド成型体を作製した。実施例1と同様の試験および測定を行ったところ、その性能は実施例1と同様であった。
(比較例1)
実施例1で用いたものと同じ基材の表面に、ナイロン用接着剤(セメダイン株式会社製、PPX)をメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)で10%に希釈したものを、アンダーコートとして、0.5μm塗布した。その後は、実施例1と同様に電磁波シールド処理を施して、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、50/100と大きく剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
実施例1で用いたものと同じ基材の表面に、ナイロン用接着剤(セメダイン株式会社製、PPX)をメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)で10%に希釈したものを、アンダーコートとして、0.5μm塗布した。その後は、実施例1と同様に電磁波シールド処理を施して、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、50/100と大きく剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
(比較例2)
ABS基材やPC基材に対しては良好に接着するゴム系アンダーコート(コニシ株式会社製、ボンドG17)を用いた以外は、比較例1と同様にして電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、80/100で剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
ABS基材やPC基材に対しては良好に接着するゴム系アンダーコート(コニシ株式会社製、ボンドG17)を用いた以外は、比較例1と同様にして電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、80/100で剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
(比較例3)
ウレタン樹脂とエポキシ樹脂が1:1で配合された樹脂に湿気硬化タイプの硬化剤アミンを入れた1液タイプの塗料を作製した。実施例1で用いたものと同じ基材の表面に、この1液タイプの塗料をメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)で固形分15%に希釈したものを、アンダーコートとして、エアースプレーガンを用いて、2気圧で、3μm塗布した。これを大気乾燥器で、70℃で、30分乾燥し、その後、実施例1と同様に電磁波シールド処理を施し、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、30/100と大きく剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
ウレタン樹脂とエポキシ樹脂が1:1で配合された樹脂に湿気硬化タイプの硬化剤アミンを入れた1液タイプの塗料を作製した。実施例1で用いたものと同じ基材の表面に、この1液タイプの塗料をメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)で固形分15%に希釈したものを、アンダーコートとして、エアースプレーガンを用いて、2気圧で、3μm塗布した。これを大気乾燥器で、70℃で、30分乾燥し、その後、実施例1と同様に電磁波シールド処理を施し、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、30/100と大きく剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
(比較例4)
ナイロン用の印刷インク(太陽精機株式会社製、油性ナイロン用一般向け)をメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)で10%に希釈したものを、アンダーコートとして、0.5μm塗布したこと以外は、比較例1と同様にして電磁波シールド成型体を得たが、インクと銅膜の間で大きく剥離した。
ナイロン用の印刷インク(太陽精機株式会社製、油性ナイロン用一般向け)をメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)で10%に希釈したものを、アンダーコートとして、0.5μm塗布したこと以外は、比較例1と同様にして電磁波シールド成型体を得たが、インクと銅膜の間で大きく剥離した。
(比較例5)
ブラスト処理に粒径700μmのガラスビーズを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の表面抵抗値は0.60Ω/□であり、実施例1の成型体の表面抵抗値と比較して2倍であった。
ブラスト処理に粒径700μmのガラスビーズを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の表面抵抗値は0.60Ω/□であり、実施例1の成型体の表面抵抗値と比較して2倍であった。
(比較例6)
ブラスト処理に粒径20μmのガラスビーズを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、30/100と大きく剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
ブラスト処理に粒径20μmのガラスビーズを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、30/100と大きく剥離した。剥離個所は、アンダーコートと銅膜の間であった。
(比較例7)
クロム酸溶液(奥野製薬工業株式会社製、表面調整剤)をエッチング液として用い、実施例1と同じ基材にエッチング処理を施し、エッチング処理が施された基材に、実施例1と同様に電磁波シールド処理を施し、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、剥離は見られなかったが、基材の端が1mmほど浮き上がり、変形してしまった。
クロム酸溶液(奥野製薬工業株式会社製、表面調整剤)をエッチング液として用い、実施例1と同じ基材にエッチング処理を施し、エッチング処理が施された基材に、実施例1と同様に電磁波シールド処理を施し、電磁波シールド成型体を得た。得られた成型体の初期付着(碁盤目テープ付着試験)を測定したところ、剥離は見られなかったが、基材の端が1mmほど浮き上がり、変形してしまった。
Claims (13)
- 難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理を施し、該ブラスト処理が施された基材の表面に、真空めっき法により、銅膜を0.5μm〜2μm成膜し、該銅膜の上に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる保護膜を0.1μm〜0.3μm成膜することにより、基材の表面に電磁波シールド処理を施すことを特徴とする成型体の製造方法。
- 難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理を施し、該ブラスト処理が施された表面に、真空めっき法により、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる金属膜を0.1μm〜0.3μm成膜することにより、基材の表面に光輝化処理を施すことを特徴とする成型体の製造方法。
- 前記金属膜の上に、さらに、クリア塗装を施すことを特徴とする請求項2に記載の成型体の製造方法。
- 前記難接着性の樹脂材料として、ポリアミド樹脂、ガラス繊維含有ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ガラス繊維含有ポリフェニレンサルファイド樹脂、および、液晶ポリマーの何れかを用いる請求項1〜3の何れかに記載の成型体の製造方法。
- 前記ブラスト処理において、研磨材として、ガラスビーズまたはセラミックビーズを用いることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の成型体の製造方法。
- 前記ブラスト処理において、研磨材として、50〜500μmの大きさの微粉末を用いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の成型体の製造方法。
- 前記ブラスト処理において、研磨材を2〜4kg/cm2の圧力で前記基材の表面に吹きつけることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の成型体の製造方法。
- 前記ブラスト処理により、前記基材の表面粗さを中心線平均粗さRa50〜500μmとすることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の成型体の製造方法。
- 難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理が施されており、該ブラスト処理が施された基材の表面に、0.5μm〜2μmの銅層が形成され、かつ、該銅層の上に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくとも1種からなる0.1μm〜0.3μmの保護層が形成されていることを特徴とする電磁波シールド成型体。
- 前記難接着性の樹脂材料が、ポリアミド樹脂、ガラス繊維含有ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ガラス繊維含有ポリフェニレンサルファイド樹脂、および、液晶ポリマーの何れかである請求項9に記載の電磁波シールド成型体。
- 難接着性の樹脂材料からなる基材の表面にブラスト処理が施されており、該ブラスト処理が施された基材の表面に、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、錫−銅−クロム合金、および、錫−銅−ニッケル合金から選択される少なくも1種からなる0.1μm〜0.3μmの金属層が形成されていることを特徴とする光輝化成型体。
- 前記金属層の上に、さらに、クリア塗膜が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の光輝化成型体。
- 前記難接着性の樹脂材料が、ポリアミド樹脂、ガラス繊維含有ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ガラス繊維含有ポリフェニレンサルファイド樹脂、および、液晶ポリマーの何れかである請求項11または12に記載の光輝化成型体。
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Cited By (3)
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KR101431613B1 (ko) | 2013-07-25 | 2014-08-22 | (주)에스앤에스켐 | 전자파 차폐층 형성 방법 |
US9646908B2 (en) | 2015-07-23 | 2017-05-09 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method for manufacturing semiconductor device and semiconductor device |
WO2023166783A1 (ja) * | 2022-03-02 | 2023-09-07 | Jx金属株式会社 | 電磁波遮蔽材料、被覆材又は外装材及び電気・電子機器 |
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2006
- 2006-06-13 JP JP2006163428A patent/JP2007332408A/ja active Pending
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