JP2007191753A - アンダコート用および蒸着用マスク治具と、これを用いた電磁波シールド膜の成膜方法 - Google Patents

アンダコート用および蒸着用マスク治具と、これを用いた電磁波シールド膜の成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンダコート用マスクおよび蒸着用マスクとして兼用ができ、繰り返して使用することができて、かつ、成形品への傷やゴミの付着を発生させずに、低コストで、生産性が高く、電磁波シールド膜を成膜することができるアンダコート用および蒸着用マスク治具と、これを用いた電磁波シールド膜の成膜方法を提供する。
【解決手段】耐食性の高い金属または合金からなるケース(1)により構成され、ケース(1)は、開口部(11、12、13)を備える上型(10)と、下型(20)とからなる。開口部には、マスク部(11a、12a、13a)がそれぞれ設けられている。なお、下型(20)にも、アンダコートおよび蒸着のための開口部があってもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アンダコート用および蒸着用マスク治具と、電磁波シールド膜の成膜方法に関し、特に、各種プラスチック表面に形成されて、密着性、電磁波シールド特性および耐食性に優れる電磁波シールド膜を成膜することができるアンダコートおよび蒸着の両方に兼用できるマスク治具に関する。
電気・電子機器や携帯電話などのように、電波を発信および受信する機器には、機器の誤動作を避けるため、成形品である筐体の内側に、電磁波シールド処理が施されている。成形品に電磁波シールド処理を施すためには、中に導電性金属を混入する方法や、表面に導電性塗料を塗布する方法や、湿式メッキ法や、真空工法により金属薄膜を電磁波シールド膜として表面に形成する真空メッキ法などが、知られている。このように、電磁波シールド膜は、導電性塗装法、湿式メッキ法または真空メッキ法などにより成膜されてきたが、近年は、排水処理の問題がないことや、均一な電磁波シールド膜が得られ易いことから、蒸着で成膜する方法が一般的となっている。
蒸着による成膜では、アルミニウムを膜厚が2μm〜3μmとなるように厚く成膜する方法や、膜厚が0.5μm〜2μmである銅を第1層にした後、膜厚が0.05μm〜0.5μmであるSn−Cu−Cr合金を第2層に成膜して、第2層を保護膜とする方法が行なわれている。このような方法は、例えば、特開2003−119577号公報に記載されている。
電磁波シールド膜を成膜する基材には、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリカーボネート樹脂、または、ABSとポリカーボネートの混合樹脂で作られた成形品が多い。しかし、ポリカーボネートなどのように官能基が少ない基材の上に、直接成膜すると、第1層の銅と基材との密着が悪いために、密着不良が生じる。この問題を回避するため、一般的に、蒸着による電磁波シールド処理工程で、先ず、成形品である筐体の内側の必要個所のみに有機樹脂からなるアンダコートを、例えばスプレーガンなどにより塗布し、続いて、アンダコートを塗布した部分に電磁波シールド膜を成膜して、電磁波シールド膜と基材との密着性を上げる。
従って、電磁波シールド処理工程においては、必要個所のみにアンダコートが塗布されるように、アンダコート用マスクを用い、同じ部分のみに電磁波シールド膜が成膜されるように、蒸着用マスクを用いる。
通常は、有機樹脂を塗布するアンダコート塗布で使用されるアンダコート用マスクと、原料が無機質であり、蒸着による成膜で使用される蒸着用マスクとは、別々に用意されて、アンダコート用マスクと蒸着用マスクとを兼用しない。
アンダコートが数μmの膜厚に塗布されるために、1日に例えば10回使用したアンダコート用マスクに付着する塗料の膜厚も、数十μmになる。そのため、塗料のべたつきでハンドリングが難しくなり、また、アンダコート用マスクに付着した塗料には、多くの有機ガスが含まれているために、アンダコート用マスクを蒸着用マスクとしてそのまま真空槽に入れて、真空排気および蒸着を行うと、排気に時間がかかり、有機ガスに起因する膜質の悪化が生ずるなどの問題がある。
また、アンダコート用マスクには、安価で加工性が良いABS樹脂が多く用いられている。しかし、ABS樹脂は、溶剤や酸に容易に融けるので、ABS樹脂製のアンダコート用マスクに付着した塗料は、溶剤や酸で剥離することができない。従って、一定回数使用した後、ABS樹脂製のアンダコート用マスクは廃棄せざるをえず、コスト増加の要因になるという問題がある。さらに、樹脂製のアンダコート用マスクは、強度が弱いために、厚さが3mm以上、必要であり、質量の増加につながるという問題がある。これらの問題に加えて、前述のような樹脂製で、アンダコート用マスクと蒸着用マスクとを兼用しようとすると、水分の吸収が多いために、真空装置で真空排気を行う際に、時間がかかるという問題がある。
蒸着用マスクは、同じくABS樹脂で作られるが、電磁波シールド特性を得る用途では、1回の成膜により膜厚が約1μmずつ、蒸着用マスクに成膜される。そのため、蒸着用マスクに許される使用回数は、アンダコート用マスクより多くなるが、使用回数が多くなるに従い、膜厚が大きくなり、膜応力でABS樹脂の自然剥離が起きるために、やはり、一定回数、使用した後、廃棄せざるをえない。
以上のように、蒸着による成膜を行う従来の電磁波シールド処理工程は、順に、[1]アンダコート用マスクに成形品をセットし、[2]塗料を塗布してアンダコートを成膜し、[3]アンダコート用マスクから成形品を取り出し、[4]乾燥し、[5]蒸着用マスクに成形品をセットし、[6]蒸着し、[7]蒸着用マスクから成形品を取り出すというように構成され、[1]アンダコート用マスクに成形品をセットする工程と、[5]蒸着用マスクに成形品をセットする工程との2工程が、作業性を悪くするという問題点がある。また、[3]アンダコート用マスクから成形品を取り出す工程と、[7]蒸着用マスクから成形品を取り出す工程との2工程において、成形品に傷が付いたり、ゴミが付着して、不良率を高める要因にもなっていた。
なお、アンダコート用マスクと、蒸着用マスクとを兼用する従来技術として、特開2004−156098号公報に記載されたマスク治具がある。しかし、かかるマスク治具は、ABS樹脂製であり、前述の問題点を解決するものではない。
特開2003−119577号公報
特開2004−156098号公報
本発明の目的は、アンダコート用マスクおよび蒸着用マスクとして兼用ができ、繰り返して使用することができて、かつ、成形品への傷やゴミの付着を発生させずに、低コストで、生産性が高く、電磁波シールド膜を成膜することができるアンダコート用および蒸着用マスク治具と、これを用いた電磁波シールド膜の成膜方法を提供することを目的とする。
本発明のアンダコート用および蒸着用マスクは、金属製または合金製の中空ケースからなり、該中空ケースは、複数の成形品が内部に収容でき、少なくとも一方に複数の開口部を備える上型と下型からなり、該開口部にはそれぞれマスク部が設けられている。
さらに、前記開口部に取付可能な樹脂製の外付けマスクを備えることが望ましい。
さらに、前記上型の開口部が設けられた外側面の両端に位置決め構造を備えることが望ましい。
前記中空ケースが、アルミ合金、ステンレス、マグネシウム合金、チタン、または、クロム−モリブデン鋼からなることが望ましい。
また、前記外付けマスクが、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、または、ポリエチレン樹脂からなることが望ましい。
本発明の電磁波シールド膜の成膜方法は、前記のいずれかのアンダコート用および蒸着用マスク治具を用い、前記上型と下型の間の空間に複数の成形品を取り付けて固定し、前記マスク治具ごと成形品に対してアンダコート塗布を施し、成形品にアンダコート膜を成膜し、前記マスク治具ごと成形品を乾燥し、前記マスク治具を蒸着装置に装着し、前記マスク治具ごと成形品に蒸着を施し、成形品に電磁波シールド膜を成膜し、前記マスク治具から成膜後の成形品を取り出す工程を所定回数繰り返す。
前記所定回数の成膜を行った後に、前記マスク治具に付着したアンダコート膜および電磁波シールド膜を除去し、該マスク治具を再び使用することができる。
外付けマスクを用いる場合には、前記所定回数の成膜を行った後に、前記マスク治具から前記外付けマスクを取り外し、前記マスク治具に付着したアンダコート膜および電磁波シールド膜を除去し、新たな外付けマスクを取り付け、該マスク治具を再び使用することができる。
なお、前記アンダコート塗布に際して、塗料にニトリルゴム系樹脂を使用し、溶剤にメチルエチルケトンまたはキシレンを使用することが望ましい。
本発明により、電磁波シールド処理工程は、順に、[1]アンダコート用および蒸着用マスク治具に成形品をセットし、[2]アンダコート用塗料を塗布し、[3]乾燥し、[4]蒸着し、[5]アンダコート用および蒸着用マスク治具から成形品を取り出すというように構成されて、大幅に工程が短縮され、導電性、シールド特性、密着性および耐食性に優れた電磁波シールド膜を、高い生産性で、安価に、提供できるとともに、アンダコート用および蒸着用マスク治具の再使用が可能となり、生産コストを大幅に低減することができる。
本発明を、図面を参照して説明する。図1は、本発明のアンダコート用および蒸着用マスク治具の一実施例を示す斜視図である。
本発明のアンダコート用および蒸着用マスク治具は、耐食性の高い金属または合金からなるケース(1)により構成され、該ケース(1)は、開口部(11、12、13)を備える上型(10)と、下型(20)とからなる。開口部には、マスク部(11a、12a、13a)がそれぞれ設けられている。なお、下型(20)にも、アンダコートおよび蒸着のための開口部があってもよい。
該ケース(1)の大きさは、複数の成形品を収納でき、かつ、蒸着装置に装着することが可能であればよい。図示の例では、3個の成形品を収納できるが、それ以上であっても、蒸着装置に装着できる限り採用できる。
ケース(1)の上型(10)および下型(20)を、耐食性の高い金属製または合金製とすることにより、蒸着のために真空排気を行う際に、アンダコート用および蒸着用マスク治具からのガス放出がないため、真空排気に長時間を要するという従来の問題がなく、生産性が向上し、アンダコート用および蒸着用マスク治具から発生する有機ガス起因の膜質の劣化もない。
金属および合金としては、アルミ合金、ステンレス、マグネシウム合金、チタンまたはクロム−モリブデン鋼などから選択する。アルミ合金、ステンレス、マグネシウム合金、チタンまたはクロム−モリブデン鋼などは、硝酸や塩酸溶液などに対して耐食性が高く、真空中でガス放出が少なく、加工性が良く、機械的強度に優れて、容易に通常の機械加工ができるので、好ましい。
図示のように、ケース(1)は、上型(10)および下型(20)に分割可能であり、組合せ状態にて、ケース(1)が中空の直方体を構成することが望ましい。このような形状により、真空装置に取り付け易く、しかも成形品全体を収納することができるため、成形品に傷が付いたり、ゴミが付着せず、不良率を低減することができる。なお、成形品(図示せず)は、上型(10)および下型(20)の一方に取り付けて、他方の内側面に設けられた支持体により成形品を押さえる構造が望ましく、このような構造は通常の加工方法により容易に作製することができる。
上型および/または下型に備えられた複数の開口部(11、12、13)には、それぞれマスク部(11a、12a、13a)が設けられ、開口部(11、12、13)がマスクとして機能する。
また、上型(10)には、開口部(11、12、13)のある外側面において、開口部(11、12、13)を挟む両側位置に、凹構造(図示せず)または凸構造(14、15)と、平面部(16)を備えることが望ましい。このような構造を備えることにより、成形品の仕様変更に対応して位置決めの変更を容易にすることができ、蒸着装置(図示せず)に備えられたバネ製のフックで、本発明のアンダコート用および蒸着用マスク治具を、容易に取り付けることができる。
なお、マスクの機能は、前記マスク部(11a、12a、13a)のみにより果たすことも可能であるが、さらに、開口部(11、12、13)に、一部を遮る樹脂製の外付けマスク(31、32、33)を設けることにより、マスクに、より微細な形状を与えることが可能である。
外付けマスク(31、32、33)を備え付けるためには、例えば、上型ないしは下型の内側に案内溝を設けて、一体に成型された外付けマスク部材を該案内溝に合わせるなど、任意の適切な方法を採用することができる。
外付けマスクの材質としては、成形性が良い樹脂がよく、ABS樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂またはPE(ポリエチレン)樹脂が適当であり、これらにより成形で精密に作製でき、安価で、大量に作製できる。さらに、アンダコート用および蒸着用マスク治具からのガス放出を低減する必要から、水分吸収が少ない樹脂がよく、PP樹脂、PS樹脂またはPE樹脂がより適している。
本発明の電磁波シールド膜の成膜方法について、以下に説明する。
[1]上型(10)および下型(20)の間の空間に複数の成形品を取り付けて固定する。
[2]治具に対して、アンダコート用塗料をスプレーガンないしは自動塗装器を用いて塗布することにより、成形品にアンダコート膜を成膜する。
塗布するアンダコート用塗料には、速乾性のゴム系を用い、1回あたりの塗装膜厚を1μm以下にすることが望ましく、このように薄く塗装するために、塗料の希釈率を調整する。また、アンダコートからガスが放出されないように、塗布したアンダコートの乾燥条件を選択することは有効であり、50℃で10分以上、乾燥させることで、溶剤を揮発させることができる。揮発しやすく、毒性が低い溶剤として、MEK(メチルエチルケトン)やキシレンを使用することが望ましい。
[3]治具ごと成型品を乾燥する。
[4]成形品を治具ごと蒸着装置に装着し、成形品に電磁波シールド膜を蒸着により成膜する。
[5]アンダコート用および蒸着用マスクから成形品を取り出す。
以上の工程を所定回数だけ行った後、外付けマスク(31、32、33)を取り外し、上型(10)および下型(20)に付着した膜を除去し、新たな外付けマスク(31、32、33)を取り付ける再生処理をする。
1回のアンダコート塗布と蒸着で、アンダコート用および蒸着用マスク治具の質量は、0.5g〜1.0g増加する。蒸着装置への装着物の質量には制限があるため、アンダコート用および蒸着用マスク治具の総質量は、徐々に増加するので、例えば100回使用した後、樹脂製の外付けマスクを外してから、アンダコート用および蒸着用マスク治具から付着した膜を除去する。
付着した膜を除去する方法としては、ブラスト処理、薬品による処理などがあるが、簡便でコストがかからないため、酸で溶解することが好ましい。耐食性の高い金属製の上型(10)および下型(20)が溶解せず、アンダコートによる塗膜と蒸着膜のみが溶解するように、硝酸、塩酸、硫酸などを使用する。従って、耐食性の高い金属製の上型(10)および下型(20)は、半永久的に使用することができ、コストの削減になる。
以上のように、アンダコート塗布と蒸着を繰り返すことにより、アンダコート用および蒸着用マスク治具の表面に成膜される塗膜および蒸着膜で、アンダコート用および蒸着用マスクの質量が増加し過ぎることによる不都合を解消でき、かつ、厚く積層した塗膜および蒸着膜の影になり、蒸着膜が成形品の隅に入り込むという問題を解消することができる。
また、アンダコート用および蒸着用マスク治具、外付けマスクおよび塗料の材質を適切に選択することにより、多数回繰り返し使用しても、有機ガス放出の低減が図られ、有機ガスに起因する膜質の悪化を抑制することができる。
本実施例では、携帯電話の筐体を製造するために、ABSとポリカーボネートの50%混合樹脂で成形した6個の成形品に、電磁波シールド膜を成膜するためのアンダコート用および蒸着用マスク治具を作製した。
アンダコート用および蒸着用マスク治具は、アルミ5000番台の材質で製作した。形状は、6つの開口部を持つ上型と下型とからなり、2分割にできる構造で、6個の成形品を収納できるケース構造である。さらに、上型の内側に設けられた案内溝に、外付けマスクが形成され、一体に成型されたPS樹脂製の外付けマスク部材を合わせることにより、開口部のそれぞれに外付けマスクを取り付けて、未使用である初期マスクを得た。
得られた初期マスクを使用して、以下のように、電磁波シールド膜を成膜した。
[1]上型および下型の間の空間に、6個の成形品を取り付けて固定し、上型と下型とを一体に固定して、自動塗装器にセットした。
[2]アンダコート塗布により成膜した。塗料としてニトリルゴム系の樹脂を用い、樹脂1gに対し、MEK5gおよびキシレン5gで、5%以下に希釈した溶剤を塗布した。
[3]成形品をアンダコート用および蒸着用マスク治具ごと、乾燥器に投入し、60℃の温度で、30分乾燥した。
成形品には、0.5μmの膜厚でアンダコート膜が成膜され、アンダコート用および蒸着用マスク治具には、平均0.8μmの膜厚でアンダコート膜が付着していた。
[4]次に、成形品をアンダコート用および蒸着用治具ごと、電子ビーム方式のイオンプレーティング蒸着装置に設置した。真空度5×10-3Paまで排気し、次に、Arガスを3.2×10-2Paまで導入した状態で、高周波出力1.0kWで励起放電を起こし、5分間放電させ、成形品の表面を乾燥および洗浄を行った。その後、均一に蒸着されるように、設置した箇所でアンダコート用および蒸着用マスク治具を自公転させながら、先ず、第1層の銅を1μmの膜厚で成膜した後、保護膜となる第2層のSn−Cu−Crを0.2μmの膜厚で成膜した。
[5]アンダコート用および蒸着用マスク治具から成形品を取り出した。
使用したアンダコート用および蒸着用マスク治具をそのままとして、新たに用意した6個の成形品に電磁波シールド膜を成膜するように、以上の工程を繰り返した。
以上の工程を100回、行ったところ、アンダコート用および蒸着用マスクには、特に大きな変化はなく、成形品に付着した膜の剥離もなかった。得られた成形品について、表1に示した試験項目で評価を行ったところ、初期マスクを用いて得られた電磁波シールド膜と、100回目に得られた電磁波シールド膜とも、表1に示した結果が得られた。
Figure 2007191753
100回の処理を終えたアンダコート用および蒸着用マスク治具では、付着したアンダコートによる塗膜と蒸着膜とで、質量が53g増加していた。
その後、外付けマスクを取り外し、アンダコート用および蒸着用マスク治具を硝酸の希釈液に付け、50℃の温度に保ち、6時間放置した後に、剥離したマスク表面の溶解物を除去し、水洗いを行った。
洗浄後のアンダコート用および蒸着用マスク治具に、新たな外付けマスクを取り付けたところ、質量は、初期マスクに対して−5%〜+5%の範囲で収まっており、再使用に全く問題がなかった。
本発明のアンダコート用および蒸着用マスクの一実施例を示す斜視図である。
符号の説明
10 上型
11、12、13 開口部
11a、12a、13a マスク部
14、15 凸構造
16 平面部
20 下型
31、32、33 外付けマスク

Claims (9)

  1. 金属製または合金製の中空ケースからなり、該中空ケースは、複数の成形品が内部に収容でき、少なくとも一方に複数の開口部を備える上型と下型からなり、該開口部にはそれぞれマスク部が設けられていることを特徴とするアンダコート用および蒸着用マスク治具。
  2. 前記開口部に取付可能な樹脂製の外付けマスクをさらに備える請求項1に記載のマスク治具。
  3. 前記上型の開口部が設けられた外側面の両端に位置決め構造をさらに備える請求項1または2に記載のマスク治具。
  4. 前記中空ケースが、アルミ合金、ステンレス、マグネシウム合金、チタン、または、クロム−モリブデン鋼からなる請求項1〜3のいずれかに記載のマスク治具。
  5. 前記外付けマスクが、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、または、ポリエチレン樹脂からなる請求項2に記載のマスク治具。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアンダコート用および蒸着用マスク治具を用い、前記上型と下型の間の空間に複数の成形品を取り付けて固定し、前記マスク治具ごと成形品に対してアンダコート塗布を施し、成形品にアンダコート膜を成膜し、前記マスク治具ごと成形品を乾燥し、前記マスク治具を蒸着装置に装着し、前記マスク治具ごと成形品に蒸着を施し、成形品に電磁波シールド膜を成膜し、前記マスク治具から成膜後の成形品を取り出す工程を所定回数繰り返すことを特徴とする電磁波シールド膜の成膜方法。
  7. 前記所定回数の成膜を行った後に、前記マスク治具に付着したアンダコート膜および電磁波シールド膜を除去し、該マスク治具を再び使用することを特徴とする請求項6に記載の成膜方法。
  8. 請求項2または5に記載のアンダコート用および蒸着用マスク治具を用い、前記上型と下型の間の空間に複数の成形品を取り付けて固定し、前記マスク治具ごと成形品に対してアンダコート塗布を施し、成形品にアンダコート膜を成膜し、前記マスク治具ごと成形品を乾燥し、前記マスク治具を蒸着装置に装着し、前記マスク治具ごと成形品に蒸着を施し、成形品に電磁波シールド膜を成膜し、前記マスク治具から成膜後の成形品を取り出す工程を所定回数繰り返し、該所定回数の成膜を行った後に、前記マスク治具から前記外付けマスクを取り外し、前記マスク治具に付着したアンダコート膜および電磁波シールド膜を除去し、新たな外付けマスクを取り付け、該マスク治具を再び使用することを特徴とする成膜方法。
  9. 前記アンダコート塗布に際して、塗料にニトリルゴム系樹脂を使用し、溶剤にメチルエチルケトンまたはキシレンを使用することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の成膜方法。
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