JP3873099B2 - 基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置に係り、特に、半導体デバイス、液晶表示パネル等の製造工程における洗浄処理に用いて好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス、液晶表示パネル等の電子機器の分野においては、その製造プロセス中に被処理基板である半導体基板やガラス基板を洗浄処理する工程が必須である。このような洗浄処理としては、基板表面に付着している有機物を除去する工程が必要である。その場合、例えば、種々の洗浄液を基板に接触させて洗浄するウエット処理と、紫外線(UV)を放射するドライ処理とが選択可能であった。
【0003】
ウエット処理においては、製造工程中の種々の除去対象物質を除去すべく、超純水、電解イオン水、オゾン水、水素水等、種々の洗浄液を用いた洗浄がおこなわれるが、これら洗浄液は洗浄装置の洗浄ノズルから基板上に供給される。ところが、従来一般の洗浄用ノズルを用いた場合、洗浄液の使用量が多くなるという問題があった。
そこで、本出願人は、従来型に比べて洗浄液の使用量を大幅に削減できる省液型の洗浄用ノズルを既に出願している。この種の洗浄用ノズルの一例を図13(a)および(b)に示す。図13(a)は洗浄用ノズルの下面図、図13(b)は図13(a)のXIII−XIII線に沿う側断面図である。これらの図に示すように、洗浄用ノズル100は、一端に洗浄液Lを導入するための導入口101aを有する導入通路101と、一端に使用後の洗浄液Lを系外に排出するための排出口102aを有する排出通路102とが設けられ、導入通路101と排出通路102とをそれぞれの他端において交差させて交差部103が形成され、交差部103に基板Wに向けて開口する開口部104が設けられたものである。また、排出通路102の排出口102aには減圧ポンプ(図示略)が接続されており、減圧ポンプの吸引圧力を制御することにより、開口部104の大気と接触している洗浄液Lの圧力(洗浄液Lの表面張力と基板Wの被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧との差を制御できるようになっている。
【0004】
すなわち、開口部104の大気と接触している洗浄液Lの圧力Pw(洗浄液の表面張力と基板Wの被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧Paとの関係をPw≒Paとすることにより、開口部104を通じて基板Wに供給され、基板Wに接触した洗浄液Lは、洗浄用ノズル100の外部に漏れることなく、排出通路102に排出される。このため、洗浄用ノズル100から基板W上に供給された洗浄液Lは、基板W上の洗浄液Lを供給した部分(開口部104)以外の部分に接触することなく、基板W上から除去されることになる。このようにして、本提案の洗浄用ノズルは、従来型ノズルに比べて洗浄液の使用量を大幅に削減することができる。
また、これらの洗浄液を供給した状態で、洗浄ノズルに設けられた超音波振動子により超音波振動を付与して超音波洗浄をおこなうこともあった。
【0005】
一方、ドライ処理においては、洗浄ノズルの紫外線光源から放射された紫外線を基板等に照射して有機物等を分解除去し、基板表面の洗浄をおこなっていた。
【0006】
さらに、ウエット処理後の基板を次工程に流す前に基板の乾燥が必要である場合があるが、この場合、例えば任意の乾燥用気体、例えばエアーの供給源に接続された乾燥用ノズル、いわゆるエアーナイフと呼ばれるノズルを有する乾燥装置を用い、ノズル先端のスリットから基板に向けてエアーを吹き付けることにより基板の乾燥をおこなっていた。
このような、基板等の乾燥処理においては、乾燥ノズルから噴出するエアーの量を少なくするため、また、被処理物(基板)表面に残る気液混合物の量を少なくするため、一つのノズル内において、乾燥用気体供給部から乾燥用気体を噴射したら、その直近で気液混合物を気液混合物排出部から直ちに排出する構成のものが存在している。
上記のような洗浄処理以外にも、各処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう、様々な基板等の表面処理が存在している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなウエット処理に用いられる省液型の洗浄用ノズルにおいては、使用する洗浄液の量を削減するために、基板と洗浄ノズルとの距離を小さくしたいという要求があった。また、超音波振動子による超音波洗浄における洗浄効率低下を防止するために、基板と洗浄ノズルとの距離を小さくしたいという要求があった。
また、前述のようなUV照射によるドライ処理においても、基板表面における紫外線の照度低下を防止し、有機物等の分解洗浄効率を維持するために、紫外線洗浄用ノズルと基板との距離を小さくしたいという要求が存在していた。
さらに、乾燥ノズルから噴出するエアーの量を少なくするため、また、被処理物(基板)表面に残る気液混合物の量を少なくするため、乾燥ノズルと基板との距離を小さくしたいという要求があった。
同様に、各処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう、様々な基板等の表面処理の場合にも、処理効率の向上などのため、ノズルと基板との距離を小さくしたいという要求は存在していた。
【0008】
ここで、例えば数百mm角の基板を処理する場合には、ガラス等からなる基板に、そり、うねり等の変形を生じる可能性がある。さらに、この基板のそり、うねり等の変形は、基板のサイズが大きくなり、1000mm角程度になった場合には、基板の面法線方向に対して2mm〜3mm程度になることが予想されている。また、基板表面に各種膜を成膜した後は、一般にそり量がさらに大きくなる。
このため、各ノズルと基板表面との間隔が1mm〜1.5mm程度であると、基板がノズルに接触する可能性が生じ、これを防止するために、ノズルと基板表面との間隔をこの1mm〜1.5mm程度に比べ充分大きく設定する必要がある。その結果、基板表面における洗浄効率等が低下し、充分な効果を得ることができない可能性があるという問題があった。さらに、距離を大きく設定した場合、短い処理時間では、充分な洗浄効果を得ることができなくなる可能性があるという問題があった。
【0009】
さらに、連設されたローラーコンベア等により基板全面を接触支持しながらノズルと基板とを相対移動させて洗浄等の処理をおこなった場合には、支持部分に接触した基板表面が汚染されてしまう可能性があり、接触部の面積を小さくする必要があった。また、この汚染を防止するために基板面の端部など一部分のみを支持した場合には、基板全体のそり、うねり、たわみ等の変形が大きくなり、洗浄等の処理効率が低下する可能性があり、実用的でないという問題があった。
また、装置のコンパクト化、および、製造コストやランニングコストの低減化という要求は、常に存在している。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
▲1▼ 洗浄等の処理時に、基板等の被処理物におけるそり、うねり等の変形の矯正を図ること。
▲2▼ 洗浄等の処理用ノズルと基板との位置状態設定の正確性の向上を図ること。
▲3▼ 洗浄等の処理効率の向上を図ること。
▲4▼ 接触汚染を極小にして基板の支持を図ること。
▲5▼ 装置構成の簡略化と、製造コストの削減とを図ること。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板ガイド装置は、処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう処理に際して前記処理用ノズルに対する基板の位置を設定する基板ガイド装置であって、互いに吹出口を対向させるとともに間隔を設けて配置した一対の流体吹出ノズルと、該一対の流体吹出ノズルのそれぞれに流体を供給する流体供給手段とを有し、前記流体吹出ノズルに供給される流体が気体または液体とされてなり、この流体を前記流体吹出ノズルの吹出口から前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入される基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御するにより基板の変形を矯正しながら基板の位置を設定することことにより上記課題を解決した。
本発明においては、前記流体吹出ノズルから液体を噴出することにより、前記処理用ノズルにおける処理により基板に付着した成分のリンスをおこなうができる。
さらに、本発明においては、前記吹出口が、親水性の多孔部材により形成されていることができる。
本発明の基板ガイド装置においては、前記吹出口が、多孔部材により形成されていることが望ましい。
また、本発明の基板ガイド装置において、前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置されるとともに、この間隙に略水平状態に位置された基板が挿入され、前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の上側に位置する流体吹出ノズルと前記基板表面との間隔が、1mmないし10mmの範囲に設定される手段か、前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の下側に位置する流体吹出ノズルと前記基板裏面との間隔が、0.1mmないし10mmの範囲に設定される手段を採用することもできる。
また、本発明の基板ガイド装置において、前記吹出口から吹き出された流体を吸引排出する流体吸引ノズルが、前記吹出口近傍に設けられることもできる。
さらに、本発明においては、前記処理用ノズルに対して前記基板の移動方向上流側および下流側にそれぞれ前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置され、互いに対向する前記吹出口の間隔が、基板の移動方向下流側に対して上流側が大きく設定されていることができる。
さらに、本発明においては、前記流体吹出ノズルには、前記流体供給手段に接続された流体供給口と、該流体供給口に連通し、流体を安定して前記吹出口面均一に噴出させるための蓄圧器となる空間部とを具備することができる。
さらに、本発明においては、前記処理用ノズルに対して前記基板の移動方向上流側および下流側にそれぞれ前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置されるとともに、前記基板を前記処理用ノズルと相対移動するための相対移動手段が設けられることができる。
本発明の洗浄装置においては、処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう処理に際して前記処理用ノズルに対する基板の位置を設定する基板ガイド装置であって、互いに吹出口を対向させるとともに間隔を設けて配置した一対の流体吹出ノズルと、該一対の流体吹出ノズルのそれぞれに流体を供給する流体供給手段とを有し、この流体を前記流体吹出ノズルの吹出口から前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入される基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御することにより基板の変形を矯正しながら基板の位置を設定する基板ガイド装置と、該基板ガイド装置の流体吹出ノズルとこの一対の流体吹出ノズルの間隙に挿入された前記基板とを相対移動させる相対移動手段を具備し、前記処理用ノズルとしてこの基板移動方向の前記流体吹出ノズル下流側に設けられ前記基板を洗浄する洗浄ノズルを具備することにより上記課題を解決した。
また、本発明の洗浄装置においては、処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう処理に際して前記処理用ノズルに対する基板の位置を設定する基板ガイド装置であって、互いに吹出口を対向させるとともに間隔を設けて配置した一対の流体吹出ノズルと、該一対の流体吹出ノズルのそれぞれに流体を供給する流体供給手段とを有し、この流体を前記流体吹出ノズルの吹出口から前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入さ れる基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御することにより基板の変形を矯正しながら基板の位置を設定する基板ガイド装置と、該基板ガイド装置の流体吹出ノズルとこの一対の流体吹出ノズルの間隙に挿入された前記基板とを相対移動させる相対移動手段を具備し、前記処理用ノズルとしてこの基板移動方向の前記流体吹出ノズル上流側に設けられ前記基板を洗浄する洗浄ノズルを具備することができる。
さらに、本発明においては、前記基板ガイド装置における前処理として、洗浄ノズルにおける洗浄処理の種類によって、オゾン水を流体として利用した有機物の分解、上流側における処理で付着した液体等のリンス、2種類以上の洗浄液間の相互コンタミネーションの防止、エアー吹き付けによる基板上の洗浄液の少量化、エアー吹き付けによる乾燥のうち、少なくとも1が選択されることができる。
さらに、本発明においては、前記基板ガイド装置における後処理として、洗浄ノズルにおける洗浄処理の種類によって、洗浄処理で付着した液体等のリンス、2種類以上の洗浄液間の相互コンタミネーションの防止、エアー吹き付けによる基板上の洗浄液の少量化、エアー吹き付けによる乾燥のうち少なくとも1が選択されることができる。
【0012】
本発明の基板ガイド装置は、一対の流体吹出ノズル前記流体吹出ノズルの吹出口から、液体または気体とされる流体を前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入される基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御した状態で基板を支持することができる。これにより、基板に対して直接接触することなく基板の接触汚染を防止した状態で基板を支持するとともに、基板面法線方向における該基板の位置設定をおこなうことが可能となり、基板におけるそり、ゆがみ等の変形を矯正した状態で、基板面方向への基板の移動を容易におこなうことが可能となる。
【0013】
本発明の基板ガイド装置は、多孔部材により形成されている吹出口の表面から一様に流体を噴出することができ、これにより、基板に対して面方向均一な圧力を生じさせて、基板面法線方向に対する基板の位置設定を所望の状態に設定することが可能となり、同時に、基板の変形矯正をその面方向における所定の範囲に亘っておこなうことが可能となる。
また、基板幅方向に延在するスリットから気体を吹き出すエアーナイフ状の構成とすることも可能である。
【0014】
また、本発明の基板ガイド装置において、流体供給手段により流体吹出ノズルに供給される流体の量を制御することにより、前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の上側に位置する流体吹出ノズルと前記基板表面との間隔を、1mmないし10mmの範囲に設定し、また、前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の下側に位置する流体吹出ノズルと前記基板裏面との間隔を、0.1mmないし10mmの範囲に設定する。これにより、基板面方向を略水平方向と一致させたこの基板の上下方向位置の設定および上下方向形状の設定を可能とすることができる。
ここで、前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の上側に位置する流体吹出ノズルと前記基板表面との間隔が、1mm未満に設定された場合には、基板と上側流体吹き出しノズルとが接触してしまう可能性が生じてしまうとともに、流体の流れの制御が難しく基板の変形矯正効果が低下し、結果として本基板ガイド装置を洗浄装置に適応した場合に洗浄効率が低下し、好ましくない。また、この上側流体吹出ノズルと前記基板表面との間隔が、10mmより大きく設定された場合には、基板のそり、ゆがみ等の変形を矯正してこの基板を所定の位置および形状に維持するために該基板に向けて噴出する流体が大量に必要となり基板を汚染する可能性が増大するという問題がある。また、このように噴出する流体が不足した場合には、流体の圧力を基板面方向に一様な状態として基板の位置設定をおこなうことが困難となり好ましくない。
また、前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の下側に位置する流体吹出ノズルと前記基板裏面との間隔は、基板がコロ等の保持体で保持されているので、上側の流体吹出ノズルと基板表面との間隔より高い制御性で維持できる。この間隔が、0.1mm未満に設定された場合には、流体の制御性が低く、引いては間隔の制御性が低下し、基板と下側流体吹き出しノズルとが接触してしまう可能性が生じてしまい、好ましくない。また、この下側流体吹出ノズルと前記基板表面との間隔が、10mmより大きく設定された場合には、基板の変形を矯正するとともに基板を支持するために基板に対して噴出する流体が大量に必要となり、かつ、その量に見合った流体供給手段としての加圧手段等を必要とするため、装置に必要な空間およびコストが増大してしまうという問題があり、また、流体の圧力を基板面方向に一様な状態、少なくとも基板幅方向に一様な状態として基板の上下方向の位置設定をおこなうことが困難となる。また、流体のミスト発生要因となり、好ましくない。
【0015】
また、本発明の基板ガイド装置において、前記吹出口から吹き出された流体を、前記吹出口近傍に設けられる流体吸引ノズルから吸引排出することにより、基板にかかる流体の圧力の制御をより容易におこなうことが可能になるとともに、基板状態に応じて選択される、空気、オゾン、水素等のガス、および、これらを含んだ液体等とされる流体を回収することができる。また、これにより、ランニングコストの削減を図ることができるとともに、本発明の基板ガイド装置を洗浄処理等の処理用ノズルと共通の構成とすることが可能となり、基板ガイド装置をこれら処理用ノズルと別構成として設けた場合に比べ、装置の製造コスト、スペース等の低減が可能となる。
【0016】
さらに、本発明の基板ガイド装置において、互いに対向する吹出口の間隔を、基板の移動方向下流側に対して上流側を大きく設定することが可能である。これにより、基板ガイド装置の対向する吹出口の間に相対移動する基板先端が位置した際に、基板のそり、ゆがみ等の変形が発生していたとしても、基板ガイド装置には接触することなく基板が相対移動続けることができる。そして、基板は相対移動するにしたがい、この基板のそり、ゆがみ等の変形をしだいに矯正しながら基板ガイド装置吹出口下流側に相対移動してゆき、基板が基板ガイド装置吹出口下流側に位置した際に、基板の変形が最も矯正された状態で基板ガイド装置からさらに下流側に相対移動することができる。これにより、そり、ゆがみ等の変形が大きな基板であっても、基板ガイド装置に接触することなく、その変形を矯正することができる。
また、本発明の基板ガイド装置において、流体吹出ノズルおよび流体吸引ノズルが基板相対移動方向に並設された場合には、それらの対向するノズルどうしの間隔において、その上流側の間隔を下流側の間隔に対して大きく設定することにより、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
本発明の洗浄装置においては、上記基板ガイド装置により基板を支持し、基板のそり、ゆがみ等の変形を矯正して、かつ、その基板面法線方向位置を設定した状態で、相対移動手段により基板と洗浄ノズルとを相対移動させることで、基板ガイド装置下流側に位置する洗浄ノズルにおいてこの基板を洗浄することができる。このため、洗浄ノズルと、基板とが接触する可能性を低減することが可能となるとともに、同時に、洗浄ノズルと基板表面との間隔を制御することが可能となるため、洗浄ノズルと基板表面との距離に依存する洗浄処理の効率が低減することを防止することができる。
さらに、洗浄ノズルにおける洗浄処理に対応して、基板ガイド装置から噴出する流体の種類および状態を選択することが可能であり、洗浄処理に対する前処理を基板ガイド装置から基板に噴出する流体により、選択しておこなうことが可能となる。
例えば、基板ガイド装置における前処理としては、洗浄ノズルにおける洗浄処理の種類によって、オゾン水を流体として利用した有機物の分解、上流側における処理で付着した液体等のリンス、2種類以上の洗浄液間の相互コンタミネーションの防止、エアー吹き付けによる基板上の洗浄液の少量化、エアー吹き付けによる乾燥等を選択することが可能である。また、基板の変形矯正に対しては、基板ガイド装置において噴出する流体として気体を選択することにより最もその効果を高くすることができる。
【0018】
本発明の洗浄装置においては、相対移動手段により基板と洗浄ノズルとを相対移動させることで、基板ガイド装置上流側に位置する洗浄ノズルにおいてこの基板を洗浄する際に、上記基板ガイド装置により基板を支持し、基板のそり、ゆがみ等の変形を矯正して、かつ、その基板面法線方向位置を設定することができる。このため、洗浄ノズルと、基板とが接触する可能性を低減することが可能となるとともに、同時に、洗浄ノズルと基板表面との間隔を制御することが可能となるため、洗浄ノズルと基板表面との距離に依存する洗浄処理の効率が低減することを防止することができる。
さらに、洗浄ノズルにおける洗浄処理に対応して、基板ガイド装置から噴出する流体の種類および状態を選択することが可能であり、洗浄処理に対する後処理を基板ガイド装置から基板に噴出する流体により、選択しておこなうことが可能となる。
例えば、基板ガイド装置における後処理としては、洗浄ノズルにおける洗浄処理の種類によって、洗浄処理で付着した液体等のリンス、2種類以上の洗浄液間の相互コンタミネーションの防止、エアー吹き付けによる基板上の洗浄液の少量化、エアー吹き付けによる乾燥等を選択することが可能である。また、基板の変形矯正に対しては、基板ガイド装置において噴出する流体として気体を選択することにより最もその効果を高くすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る基板ガイド装置の第1の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態の基板ガイド装置を示す斜視図、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。本実施の形態の基板ガイド装置は、例えば矩形のガラス基板(被処理物)を処理する際に用いられるものであり、図において、符号10は基板、201は基板ガイド装置である。
【0020】
本実施の形態の基板ガイド装置201は、図1,図2に示すように、ともに細長い箱状の一対のエアー吹出ノズル(流体吹出ノズル)201a,201bが、互いにその吹出口202a,202bを対向させるとともに、間隔を設けて上下方向に配置されている。エアー吹出ノズル201a,201bは、基板表面に向けてエアー(乾燥用気体)を噴出する機能を有するものであり、その吹出口202a,202bからエアーを噴出するための多数の貫通孔を有するものである。エアー吹出ノズル201aの上側、および、エアー吹出ノズル201bの下側には、それぞれ2つの流体供給口203a,203bが設けられている。エアー吹出ノズル201a,201bの使用時には、これら流体供給口203a,203bに接続されたエアー供給手段(流体供給手段)から、エアー(流体)が供給される。
【0021】
エアー吹出ノズル201a,201bは、図1,図2に示すように、吹出口202a,202bの開口した箱状のケーシング204a,204bの内部に、多数の貫通孔を有する多孔質材205a,205bが収容、固定されている。この多孔質材205a,205bは、使用時に基板10に対向するケーシング204a,204bの吹出口202a,202b側面を覆うように収容・固定されるとともに、ケーシング204a,204bの内部には、エアーを安定して吹出口202a,202b面均一に噴出させるために、いわゆる蓄圧器となる空間部206a,206bが設けられ、この空間部206a,206bに流体供給口203a,203bが連通される。図において、空間部206a,206bは、流体供給口203a,203b近傍のみにあり、ケーシング204a,204b内部の大部分に多孔質材205a,205bが収容されているが、空間部206a,206bを、ケーシング204a,204b内部の大きな部分を占有するように構成することも可能であり、この場合には、レギュレーターとしての空間部206a,206bにより、エアー(流体)の圧力を、より一層吹出口202a,202bの面方向均一にすることができる。また、流体供給口203a,203bを多数設けることも可能であり、この場合、吹出口202a,202bの面方向において噴出するエアーを均等にすることができる。
【0022】
これら、エアー吹出ノズル201a,201bは、吹出口202a,202bーを形成する多孔質材205a,205bの表面がそれぞれ、平行になるように位置されている。
多孔質材205a,205bには、例えば金属、プラスティック、セラミック等が用いられ、この多孔質材205a,205bの基板10に対向する面、すなわち、吹出口202a,202bとなる面は、表面粗さが小さく、うねりが小さいことが望ましい。この流体供給口203a,203bには、流体供給手段が接続されている。
【0023】
エアー供給手段は、エアー吹出ノズル201a,201bにエアーを供給するためのエアー供給部と、このエアー供給部から供給されるエアーの量を制御する制御部とを有するものとされ、例えば圧縮空気とされる気体(エアー)の圧力を、基板10の材質、縦横厚みの大きさ寸法、重量等に対応して制御する。
さらに詳細には、流体供給部は、例えば300kPa程度の圧力を生じることが可能な構成とされる。
また、エアー供給手段の制御部は、一対のエアー吹出ノズル201a,201bに供給するエアー(流体)の量を、基板10の上側に位置するエアー吹出ノズル201aと前記基板10表面との間隔L1 が、1mmないし10mmの範囲に設定され、また、前記基板10の下側に位置するエアー吹出ノズル201bと前記基板10裏面との間隔L2 が、0.1mmないし10mmの範囲に設定されるように制御する。これにより、基板10面方向を略水平方向としたこの基板10の上下方向位置の設定および上下方向形状の設定を可能とする。
【0024】
ここで、前記一対のエアー吹出ノズル201a,201bのうち前記基板10の上側に位置するエアー吹出ノズル201aと前記基板10表面との間隔L1 が、1mm未満に設定された場合には、基板10と上側のエアー吹出ノズル201aとが接触してしまう可能性が生じてしまうとともに、流体の流れの制御が難しく基板の変形矯正効果が低下し、結果として本基板ガイド装置を洗浄装置に適応した場合に洗浄効率が低下し、好ましくない。また、この上側のエアー吹出ノズル201aと前記基板10表面との間隔L1 が、10mmより大きく設定された場合には、基板10のそり、ゆがみ等の変形を矯正してこの基板10を所定の位置および形状に維持するために該基板10に向けて噴出するエアー(流体)が大量に必要となり基板10を汚染する可能性が増大するとともにコストが増大するという問題がある。さらに、噴出するエアーが不足した場合には、エアーの圧力を基板10面方向に一様な状態として基板10の位置設定をおこなうことが困難となり、好ましくない。
【0025】
また、基板10の下側に位置する流体吹出ノズル201bと前記基板10表面との間隔L2 は、基板が図示しないコロ等の保持体で保持されているので、上側の流体吹出ノズルと基板表面との間隔より高い制御性で維持できる。この間隔L2 が、0.1mm未満に設定された場合には、流体の制御性が低く、引いては間隔の制御性が低下し、基板10と下側の流体吹き出しノズル201bとが接触してしまう可能性が生じてしまい、好ましくない。また、この下側のエアー吹出ノズル201bと前記基板10表面との間隔L2 が、10mmより大きく設定された場合には、基板10の変形を矯正するとともに基板10を支持するためにこの基板10に対して噴出するエアーが大量に必要となり、かつ、その量に見合ったエアー供給手段としてのコンプレッサー等加圧手段を必要とするため、基板ガイド装置201に必要な空間およびコストが増大してしまうという問題があり、また、エアーの圧力を基板10面方向に一様な状態、少なくとも基板10幅方向(図において矢印Kと直交する方向)に一様な状態として、基板10の上下方向の形状、および、位置設定をおこなうことが困難となる。また、流体のミスト発生要因となり、好ましくない。
【0026】
本実施形態の基板ガイド装置201は、図1,図2に示すように、上下一対のエアー吹出ノズル201a,201bにおいて、エアー供給手段により供給されたエアーを、それぞれ空間部206a,206bを経由して多孔質材205a,205bの多数の貫通孔を通して噴出させる(図2中にエアーの流れを実線の矢印で示す)。この際、エアー供給手段によって、供給するエアー(流体)の量が、エアー吹出ノズル201aと前記基板10表面との間隔L1 を1mmないし10mmの範囲に、また、エアー吹出ノズル201bと前記基板10裏面との間隔L2 を、0.1mmないし10mmの範囲に、それぞれ設定する。このように制御されたエアーの圧力により、エアー吹出ノズル201a,201bの間に位置する基板10が、このエアー吹出ノズル201a,201bに対する上下方向位置を規定されることになる。同時に、基板10の上下方向におけるそり、ゆがみ等の変形を矯正することができる。
【0027】
[第2の実施の形態]
以下、本発明に係る基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置の第2の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図3は本実施の形態の洗浄装置を示す模式図、図4は、図3の洗浄装置における表面洗浄ノズルを示す下面図、図5は図4のV−V線に沿って洗浄ノズルを示す断面図である。本実施の形態の洗浄装置は、例えば矩形のガラス基板(被処理物)を洗浄する際に用いられるものであり、図1ないし図2に示す第1実施形態と共通の構成要素には共通の符号を付けてその説明を省略する。
【0028】
図において、符号200は洗浄装置であり、この洗浄装置200は、洗浄ノズル210と、この洗浄ノズル210の基板10移動方向の上流側と下流側にそれぞれ一対、つまり2対の基板ガイド装置201,201と、基板10を洗浄ノズル210と相対移動するための図示しない相対移動手段とを具備している。
この基板ガイド装置201,201は、それぞれ図1ないし図2に示す第1の実施の形態と略同等の構成とされ、エアー吹出ノズル(流体吹出ノズル)201a,201bが、それぞれ流体供給手段(エアー供給手段)208,208に接続されている。
【0029】
本実施の形態の洗浄用ノズル210は、図4および図5に示すように、基板10の表面を超音波洗浄するための表面洗浄ノズル210Aと、基板10の裏面をウエット処理により洗浄するための裏面洗浄ノズル210Bとからなり、これら、表面洗浄ノズル210Aと裏面洗浄ノズル210Bとが上下方向に配置されている。
【0030】
表面洗浄ノズル210Aは、図4および図5に示すように、ケーシング212がその短手方向に3つの領域に分割されており、両端がそれぞれ洗浄液導入部213、洗浄液排出部214であり、中央が超音波振動子収容部215である。洗浄液導入部213の上面に洗浄液導入管216(導入通路)がノズルの長手方向に離間して2本設けられ、同様に、洗浄液排出部214の上面には洗浄液排出管217(排出通路)が2本設けられている。各洗浄液導入管216の上端は開口してここから洗浄液L(処理液)を導入するための導入口216aとなり、下端はケーシング212の内部で基板10(被処理基板)に向けて開口する導入開口部216bとなっている。同様に、各洗浄液排出管217の上端は開口してここから使用後の洗浄液Wを外部に排出するための排出口217aとなり、下端はケーシング212の内部で基板10に向けて開口する排出開口部217bとなっている。洗浄液排出管217の排出口217aは、減圧ポンプ(図示せず)に接続し、減圧ポンプの吸引力を制御することにより、使用後の洗浄液Wの圧力と大気圧との差を制御し、洗浄液Lを確実に排出するようにしている。
【0031】
また、超音波振動子収容部215の内部には、洗浄液Wに超音波振動を付与することで超音波洗浄をおこなうための超音波振動子218(超音波振動付与手段)が収容されている。超音波振動子収容部215の中央には超音波振動子215を制御するためのケーブル221が設けられている。
【0032】
図5に示すように、導入開口部216bの内部には、多孔質材からなる洗浄液供給部材222(処理液供給部材)が装入されている。多孔質材として、具体的にはフッ素樹脂、ポリエチレン等のプラスティック、SUS316等の金属、アルミナ、シリコン酸化物等のセラミックス、表面に親水基を持たせる親水処理をおこなったプラスティック、TiO2 のような金属酸化物等の材料を用いることができ、特に、シリコン酸化物、アルミナ、親水処理を施したプラスティック等のような親水性材料であれば、より好ましい。あるいは、洗浄液供給部材222全体を親水性材料としなくても、少なくとも基板10上の洗浄液Wに接する部分のみを親水性材料で形成しても良いし、表面を親水性処理しても良い。いずれにしても、洗浄液供給部材222が多孔質材で形成されたことによって、洗浄液導入管216から導入開口部216b内に洗浄液Wが供給された際に洗浄液供給部材222の多数の貫通孔を通じて基板10表面に洗浄液Wが供給される。
【0033】
一方、排出開口部217bの内部にも、多孔質材からなる洗浄液排出部材223(処理液排出部材)が装入されている。洗浄液排出部材223に使用される多孔質材も、洗浄液供給部材222に使用されるものと同様の材料を用いることができる。ここで、1つのノズル内で洗浄液供給部材222と洗浄液排出部材223に用いられる多孔質材が、同種であっても異種であっても一向に差し支えない。洗浄液排出部材223が多孔質材で形成されたことによって、基板10上に残る使用後の洗浄液Wが洗浄液排出部材223の多数の貫通孔から吸引され、洗浄液排出管217を通じてノズル外部に排出される。
【0034】
裏面洗浄ノズル210Bは、図5に示すように、表面洗浄ノズル210Aと上下方向に対向するよう設けられて、表面洗浄ノズル210Aと略同等の構成とされ、共通の構成要素には同一の符号を付けその説明を省略する。この裏面洗浄ノズル210Bが、表面洗浄ノズル210Aと異なる点は、超音波振動子218,ケーブル221が設けられていない点である。
【0035】
次に、上記構成の洗浄用ノズル210のシーケンスを説明する。
この洗浄用ノズル210を用いて従来の技術の項で述べたような省液型ノズルを実現する場合、基板10表面および裏面の洗浄液Wが、洗浄用ノズル210と基板10との間の空間外に流れないように洗浄液Wの圧力と大気圧との差を制御し、両ノズル210A,210Bの洗浄液排出管217を通して洗浄液を吸引排出するための排水用ポンプ(図示略)を洗浄液排出管217に接続してノズル装置を構成する。さらに、両ノズル210A,210Bの洗浄液導入管216には任意の洗浄液供給手段が接続される。
また、図5においては、相対移動手段によって移動される基板10の洗浄用ノズル210に対する移動方向を矢印Kで示している。
【0036】
まず最初に、表面洗浄ノズル210Aの超音波振動子218を作動させない状態で、基板10の先端、もしくは、基板10の被洗浄部位先端が洗浄液供給部材222の下方にさしかかったところで、両ノズル210A,210Bの洗浄液供給部材222から基板10上に洗浄液Wが供給される。さらに基板10が移動すると、表面洗浄ノズル210Aの超音波振動子218の下方位置に洗浄液Wが流れ込むようになる。
さらに基板10が移動し、両ノズル210A,210Bの洗浄液排出部材223の間に到達した時点で排水用ポンプを作動させ、両ノズル210A,210Bの洗浄液供給部材222から基板10上に供給された洗浄液Wを洗浄液排出部材223から排出する。この段階で洗浄液Wは基板10表面および裏面を定常的に流れるようになるので、これと同時に表面洗浄ノズル210Aの超音波振動子218を作動させることにより基板10の超音波洗浄がおこなわれる。
最後に、基板10の終端が両ノズル210A,210Bの洗浄液供給部材222の間を通り過ぎたところで洗浄液Wの供給を停止するとともに、表面洗浄ノズル210Aの超音波振動子218を停止する。そして、最後に基板10表面および裏面に残った洗浄液Wを両ノズル210A,210Bの洗浄液排出部材223から排出する。
このようにして、基板10の表面全域を超音波洗浄するとともに、基板10の裏面全域をウエット処理洗浄することができる。
【0037】
本実施形態の洗浄装置200においては、上述したように、洗浄ノズル210により基板10表面の超音波洗浄および基板10裏面のウエット洗浄をおこなうが、この際、図1ないし図2に示す第1実施形態で説明したように、基板ガイド部材201,201においては、流体供給手段208,208により制御されて噴出されたエアーの圧力により、エアー吹出ノズル201a,201bの間に位置する基板10が、このエアー吹出ノズル201a,201bに対する上下方向位置を規定されることになる。同時に、基板10の上下方向におけるそり、ゆがみ等の変形を矯正することができる。
したがって、この状態において相対移動手段により基板10と洗浄ノズル210とを基板10の面内方向に相対移動させることで、上流側の基板ガイド装置201により、基板10を支持するとともに、基板10の変形を矯正し、かつ、その基板10面法線方向位置を設定した状態で、洗浄ノズル210の両ノズル210A,210Bの間に基板10を挿入することができる。このため、洗浄ノズル210と、基板10とが接触する可能性を低減することが可能となる。
さらに、上流側の基板ガイド装置201により、基板10を支持するとともに、基板10の変形を矯正し、かつ、その基板10面法線方向位置を設定した状態で、表面洗浄ノズル210Aと基板10表面との間隔、および裏面洗浄ノズル210Bと基板10裏面との間隔を、それぞれ制御することが可能となる。このため、洗浄ノズル210と基板10表面または裏面との距離に依存する洗浄処理の効率、つまり、表面洗浄ノズル210Aにおける超音波洗浄の効率、および、裏面洗浄ノズル210Bにおけるウエット処理洗浄の効率が低減することを防止するとともに、同時に、これらの処理における洗浄液Wの使用量を低減することが可能となる。
【0038】
また、洗浄ノズル210により基板10表面の超音波洗浄および基板10裏面のウエット処理洗浄をおこなう際、洗浄ノズル210下流側の基板ガイド装置201により、基板10を支持するとともに、基板10の変形を矯正し、かつ、その基板10面法線方向位置を設定した状態で、洗浄ノズル210の両ノズル210A,210Bの間における基板10の位置設定をおこなうことができる。
したがって、洗浄ノズル210の上流側の基板ガイド装置201のみにより、基板10の位置設定をおこなう場合よりも、より位置精度を向上することができ、上記の洗浄ノズル210と基板10表面または裏面との距離に依存する洗浄処理の効率をより一層向上することが可能となる。
【0039】
なお、洗浄ノズル210における洗浄処理に対応して、基板ガイド装置201,201から噴出する流体の種類および状態を選択することが可能である。本実施形態の場合にはエアーを選択し、洗浄ノズル210上流下流両側の基板ガイド装置201,201を、乾燥用のエアー吹き出し手段として洗浄処理工程に組み込むことが可能である。
また、洗浄ノズル210では、超音波振動子218のかわりに、紫外線光源を設け、同時に紫外線透過可能な構造とすることにより、紫外線オゾン洗浄による有機物の分解除去処理可能な洗浄装置としてもよい。
さらに、この洗浄ノズル210を、さらに上流側に位置する洗浄等のウエット処理工程に対する純水を使用したリンス工程に使用することも可能である。
また、洗浄ノズル210を、それぞれ、両洗浄ノズル210A,210Bを上下逆の構造とすること、上下とも超音波洗浄または紫外線洗浄の可能な構造、上下ともウエット処理洗浄のみの構造、あるいは、表面洗浄ノズル210A、または裏面洗浄ノズル210Bのみの構成とすることも可能である。
【0040】
[第3の実施の形態]
以下、本発明に係る基板ガイド装置第3の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図6は本実施の形態の基板ガイド装置を示す断面図である。
本実施の形態の基板ガイド装置は、例えば矩形のガラス基板(被処理物)を処理する際に用いられるものであり、図において、図1ないし図2に示す第1実施形態と共通の構成要素には共通の符号を付けてその説明を省略する。
本実施形態において、図1,図2に示す第1実施形態と異なるところは、各流体吹出ノズルがそれぞれ傾けて配置された点である。
【0041】
本実施形態の基板ガイド装置201においては、エアー吹出ノズル(流体吹出ノズル)201a,201bが、それぞれ基板10の面方向に対して平行ではない状態に配置されており、互いに対向する吹出口202a,202bの間隔が、図に矢印Kで示す基板10の移動方向下流側に対して上流側が大きく設定されている。
この吹出口202a,202bの間隔は、吹出口202aと基板10の表面との間隔が、図6に示すように、エアー吹出ノズル201aの最上流側では間隔L1Aに、また、最下流側が間隔L1Bに設定されている。また、吹出口202bと基板10の裏面との間隔が、図6に示すように、エアー吹出ノズル201bの最上流側では間隔L2Aに、また、最下流側が間隔L2Bに設定されている。
ここで、それぞれの間隔は、それぞれ、
L1A>L1B
L2A>L2B
となるように設定されている。
勿論、このような基板10と吹出口202a,202bとの間隔は、上記のエアー吹出ノズル201a,201bの配置のみならず、基板ガイド装置201の使用状態におけるエアー供給手段(流体供給手段)によるエアー(流体)の供給制御によって実現されるものである。ここで、上記の基板10と吹出口202a,202bとの間隔は、L1AおよびL2Aは10mm以下、L1Bは1mm以上、L2Bは0.1mm以上に、それぞれ設定されるものとする。
【0042】
上記のような構造の基板ガイド装置201においては、前述した図1,図2に示すの第1実施形態と同等の効果を奏するとともに、この様な構成としたことにより、基板ガイド装置201の対向する吹出口202a,202bの間に相対移動する基板10先端が位置した際に、基板10の反り、歪み等の変形が発生していたとしても、吹出口202a,202bの間隔を上記のように上流側が大きく設定しているため、基板ガイド装置201のエアー吹出ノズル201a,201bに接触することなく、この基板10は矢印K方向に相対移動続けることができる。
そして、基板10は矢印K方向に相対移動するにしたがって、噴出されるエアーの圧力によって基板10の変形が次第に矯正されながら、基板ガイド装置201下流側に相対移動してゆき、基板10は、基板ガイド装置201最下流側に位置した際に、基板10の変形が最も矯正された状態となる。したがって、このように位置矯正された状態のまま、基板ガイド装置201からさらに下流側に相対移動することができる。これにより、基板10の変形が大きい状態であっても、基板ガイド装置201のエアー吹出ノズル201a,201bに接触することなく、接触汚染を起こさずに基板10の変形を矯正することができる。
【0043】
[第4の実施の形態]
以下、本発明に係る基板ガイド装置の第4の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図7は本実施の形態の基板ガイド装置を示す斜視図、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
本実施の形態の基板ガイド装置が、図1,図2に示した第1実施形態、図6に示した第3実施形態と異なるところは、流体吸引ノズルを有する点である。それ以外の共通の構成要素に対しては、同一の符号を付け説明を省略する。図において、符号230は基板ガイド装置である。
【0044】
本実施形態の基板ガイド装置230においては、図7,図8に示すように、流体吹出ノズル201a,201bの下流側に、それぞれ、流体吸引ノズル201c,201dが設けられた構成とされている。これら、流体吸引ノズル201c,201dは、第1の実施形態の流体吹出ノズル201a,201bをその下流側にもう一つ連結したものであり、それぞれの構造は第1の実施の形態の流体吹出ノズル201a,201bとほぼ変わらないものとされる。ここで、基板10上側のノズル230Aにおいては流体吹出ノズル201aと流体吸引ノズル201cとが、また、基板10下側のノズル230Bにおいては流体吹出ノズル201bと流体吸引ノズル201dとが、それぞれ相互に固定されている。
本実施形態においては、流体吹出ノズル201a,201bに連結される流体供給手段は、流体として液体、特に、純水を供給するものとされる。
【0045】
流体吸引ノズル201c,201dは、図7,図8に示すように、吸引口202c,202dの開口した箱状のケーシング204c,204dの内部に、多数の貫通孔を有する多孔質材205c,205dが収容、固定されている。この多孔質材205c,205dは、使用時に基板10に対向するケーシング204c,204dの吸引口202c,202d側の面を覆うように収容・固定されている。多孔質材205c,205dには、ケーシング204c,204dの内部において、空間部206c,206dを介して流体排出口203c,203dが連通される。
【0046】
これら、流体吸引ノズル201c,201dは、吸引口202c,202dを形成する多孔質材205c,205dの表面がそれぞれ平行、かつ、吹出口202a,202bを形成する多孔質材205a,205bの表面とも平行になるように位置されている。
多孔質材205c,205dには、例えば金属、プラスティック、セラミック等が用いられ、この多孔質材205c,205dの基板10に対向する面、すなわち、吸引口202c,202dとなる面は、表面粗さが小さく、うねりが小さいことが望ましい。この流体排出口203c,203dには、流体排出手段が接続されている。
【0047】
流体排出手段は、流体吹出ノズル201a,201bから噴出されて基板10の表面および裏面に接触した流体(純水)を、流体吸引ノズル201c,201dを介して吸引排出する(図8中に洗浄液等の流体の流れを実線の矢印で示す)。ここで、この吸引排出量を制御する制御部と、吸引排出された流体を貯留する部分とを有するものとされる。
【0048】
本実施形態の基板ガイド装置230においては、流体吹出ノズル201a,201bから吹き出す流体を液体としたことにより、前述の各実施形態と同様に、基板10の両ノズル230A,230Bに対する位置設定をおこない、基板10の変形を矯正することができるとともに、流体吸引ノズル201c,201dを設け、流体排出手段により流体吹出ノズル201a,201bから吹き出す流体を吸引排出することにより、基板10にかかる流体の圧力の制御をより容易におこなうことが可能になる。同時に、流体として、液体を流体吹出ノズル201a,201bから噴出するとともに、流体吸引ノズル201c,201dを介して吸引排出することにより、図3ないし図5に示す第2実施形態における洗浄ノズル210のように、基板ガイド装置230と基板10との間の空間外に流れないように流体の圧力と大気圧との差を制御した状態で、基板10表面および裏面の洗浄(ここでは、純水によるリンス処理)等の処理をおこなうことができる。ここで、前述の第2実施形態のように、基板10の表面および裏面に接触している流体の量を制御して、流体(純水)が基板10上に満遍なく行き渡り、液溜まりが生じることがなく、かつ、基板10付近から垂れない程度に確実に排出するようにしている。
【0049】
なお、本実施形態の基板ガイド装置230に供給する流体として、オゾン水、水素水、酸素水、窒素水、純水等を選択することにより、オゾン水による有機物分解処理、水素水によるパーティクル再付着防止、純水等によるリンスのような処理をおこなうことも可能である。
【0050】
[第5の実施の形態]
以下、本発明に係る基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置の第5の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図9は本実施の形態の洗浄装置を示す模式図である。本実施の形態の洗浄装置は、例えば矩形のガラス基板(被処理物)を洗浄する際に用いられるものであり、図1ないし図8に示す第1ないし第4の実施形態と共通の構成要素には共通の符号を付けてその説明を省略する。
【0051】
本実施形態においては、図3ないし図5に示す第2実施形態の洗浄装置200において、洗浄ノズル210の上流側に設けられた基板ガイド装置が図6に示す第3実施形態と略同等の構成を有するものとされ、かつ、洗浄ノズル210の下流側に設けられた基板ガイド装置が図7,図8に示す第4実施形態のものとされている。
【0052】
ここで、洗浄ノズル210の下流側に設けられた基板ガイド装置230においては、流体吹出ノズル201a,201bに液体(純水)を供給する流体供給手段231が接続され、流体吸引ノズル201c,201dに液体を吸引排出する流体排出手段232が接続される。
【0053】
このような洗浄装置200によれば、前述の図1ないし図8に示す第1ないし第4の実施形態と同等の効果を奏するとともに、洗浄ノズル210の上流側では、基板ガイド装置201において噴出する流体として気体を選択することにより、基板10の変形矯正に対して最も高い効果を得ることができる。同時に、洗浄ノズル210の下流側では、この洗浄ノズル210において使用した洗浄液Wの除去をおこなうリンス処理を、基板ガイド装置230によりおこなうことができる。これにより、洗浄装置200として、基板ガイド装置とリンス装置とを別々の構成として設けた場合に比べて、製造コストの低減を図ることができ、基板10の変形矯正用の流体によりリンスをおこなうことができるので、ランニングコストを低減することができるという効果を奏する。
【0054】
[第6の実施の形態]
以下、本発明の第6の実施の形態を図10および図11を参照して説明する。図10は本実施の形態の基板ガイド装置を示す斜視図、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図である。本実施の形態の基板ガイド装置は、例えば矩形のガラス基板(被処理物)を処理する際に用いられるものであり、基板10の変形矯正以外に、基板10の表面と裏面の双方を同時に乾燥し得る乾燥用ノズル25とされる。
【0055】
本実施の形態の乾燥用ノズル25は、図10および図11に示すように、図1ないし図9に示す第1ないし第5の実施の形態の基板ガイド装置と同様に、上下対称な構成とされている。したがって、図10および図11において、上側および下側とで共通の構成要素については、上側のノズルでは「*a」、下側のノズルでは「*b」と添字を付けて同一の符号を付す。
【0056】
本実施の形態の乾燥用ノズル(基板ガイド装置)25は、図10,図11に示すように、ともに細長い箱状の乾燥用気体供給部(流体吹出ノズル)2a,2bと気液混合物排出部(流体吸引ノズル)3a,3bとが、基板10表面に沿う方向に隣接並置されている。乾燥用気体供給部2a,2bは、基板表面に向けてエアー(乾燥用気体)を噴出する機能を有するものであり、気液混合物排出部3a,3bは、基板10表面から所定距離離間して配置されることにより乾燥前に基板10表面および裏面における液体の液厚を一定にする機能を有するとともにエアーと液体との気液混合物を基板表面から排出するための多数の貫通孔を有するものである。乾燥用気体供給部2a,2bの長手方向の一端面にエアー供給口4a,4bが設けられ、気液混合物排出部3a,3bの上面には2つの気液混合物排出口5a,5bが設けられている。乾燥用ノズル25の使用時には、エアー供給口4a,4bに例えば製造ライン内の任意のエアー供給源(流体供給手段)が接続され、気液混合物排出口5a,5bには排液及び排気機能を持つポンプ等の任意の吸引手段(流体排出手段)が接続される。
【0057】
乾燥用気体供給部2a,2bは、図10,図11に示すように、箱状のケーシング6a,6bの内部に、内管7a,7bと外管8a,8bの2重管からなるエアー供給用チューブ9a,9b(気体導入路)が収容されている。エアー供給用チューブ9a,9bを構成する内管7a,7bと外管8a,8bは、ともにその内面および外面が研磨処理され、これらの管からの発塵がないようにされている。これにより、基板10上に噴出されるエアー中に塵埃等が含まれることがなく、基板10が汚染されることがない。一例として、エアー供給用チューブ9a,9bを構成する内管7a,7bおよび外管8a,8bにはステンレス(SUS316L)が用いられ、表面にGEP−W処理(神鋼パンテック(株)による)が施されている。そして、エアー供給用チューブ9a,9bは、溶接等の手段によりそれぞれ上下2箇所の固定部11a,11a,11b,11bでケーシング6a,6bに対して固定されている。
【0058】
内管7a,7bの一部には開口部22a,22bが設けられ、この開口部22a,22bにエアー均一供給用抵抗部材12a,12bが組み込まれ、ネジ13a,13b等の固定手段により内管7a,7bに固定されている。エアー均一供給用抵抗部材12a,12bは、エアー供給用チューブ9a,9bの一端から内管7a,7b内に導入されたエアーを内管7a,7bと外管8a,8bとの間の空間に均一に放出するために、エアーが透過可能な材料で構成され、かつエアー透過時にはある程度の抵抗を有している。つまり、エアー均一供給用抵抗部材12a,12b内をエアーが透過する際にある程度の抵抗があるために、エアー供給用チューブ9a,9bの一端のみからエアーを内管7a,7b内に供給しても、エアーが内管7a,7b内に均一に拡散した後にエアー均一供給用抵抗部材12a,12b内を通って内管7a,7bと外管8a,8bとの間の空間に流出し、乾燥用気体供給部2a,2bの長手方向のどの位置からもエアーが均一に噴射される。エアー均一供給用抵抗部材12a,12bは、例えば多孔質セラミック等の材料で形成されるが、周知のフィルター材料の使用も可能である。
【0059】
また、エアー均一供給用抵抗部材12a,12bの取付位置のほぼ反対側にあたる内管7a,7bの外面には、略三角形状に突出したエアー流れ方向制御部14a,14bが溶接等により固定される一方、エアー流れ方向制御部14a,14bの取付位置に対応する外管8a,8b上の位置に開口部23a,23bが形成され、開口部23a,23bにはエアーを噴出するためのノズル部15a,15bが先端を気液混合物排出部3a,3b側に向けて溶接等により固定されている。ノズル部15a,15bの傾きは、基板10表面の法線とのなす角度が5°〜30°程度となるようにすることが望ましい。そして、ケーシング6a,6bの下面には、図10,図11に示すように、長手方向に延びるエアー噴出スリット16a,16bが形成され、エアー噴出スリット16a,16b内にノズル部15a,15bの先端が位置しており、ノズル部15a,15b先端とケーシング6a,6bのエアー噴出スリット16a,16bとの間の間隙が封止部17a,17bにより封止されている。この構成により、内管7a,7b内に供給したエアーは、エアー均一供給用抵抗部材12a,12b内を通って内管7a,7bと外管8a,8bとの間の空間に流出し、この空間内を周方向に流れ、エアー流れ方向制御部14a,14bの形状によりノズル部15a,15bに誘導され、ノズル部15a,15b先端、すなわち乾燥用気体供給部2a,2bの下面のエアー噴出スリット16a,16bから基板10に向けて噴射される(図11中にエアーの流れを破線の矢印で示す)。
【0060】
気液混合物排出部3a,3bは、図11に示すように、箱状のケーシング18a,18bの内部に、多数の貫通孔を有する多孔質材19a,19bが収容、固定されている。この多孔質材19a,19bには、例えば金属、プラスティック、セラミック等が用いられるが、少なくとも基板10に対向する部分が親水性を有することが好ましい。その場合、基板10表面の気液混合物と多孔質材19a,19bとの接触性が良くなり、気液混合物の排出を効率良くおこなうことができる。また、多孔質材19a,19bの基板10に対向する面は、表面粗さが小さく、うねりが小さいことが望ましい。この乾燥用ノズル25を使用する際には、ケーシング18a上面およびケーシング18b下面に設けられた気液混合物排出口5a,5bにポンプ等の吸引手段が接続され、基板10表面および裏面の気液混合物が多孔質材19a,19bの多数の貫通孔を通って気液混合物排出口5a,5bから排出される(図11中に気液混合物の流れを実線の矢印で示す)。また、乾燥用気体供給部2a,2bと気液混合物排出部3a,3bとはそれぞれのケーシング6a,18a、およびケーシング6b,18b同士がネジ20a,20bにより固定されている。
【0061】
上記構成の乾燥用ノズル25は、例えば洗浄等のウエット処理後の基板10を処理可能なものとされ、乾燥用気体供給部2a,2bと気液混合物排出部3a,3bとが基板10表面および裏面に沿う方向に隣接並置されており、使用時には基板10表面および裏面が気液混合物排出部3a,3b、乾燥用気体供給部2a,2bの順に対向する方向(図11に矢印Kで示す基板10の移動方向)に乾燥用ノズル25と基板10とを相対移動させて基板10の乾燥をおこなうことができる。まず、濡れた基板10表面の上方および裏面の下方に、後述するように設定された距離だけ離間して配置された気液混合物排出部3a,3bが通過すると、基板10表面および裏面に盛り上がるように付着していた液体21が押しのけられて、液厚が一定かつ薄くなる。次に、一定液厚となった液体21が付着した基板10表面および裏面に向けて乾燥用気体供給部2a,2bのエアー噴出スリット16a,16bからエアーが噴射されることにより、液体21が気液混合物排出部3a,3b側に吹き寄せられ、エアーが噴射された部分の基板10が乾燥する。そして、気液混合物排出部3a,3bの近傍に吹き寄せられた液体とエアーとが混合した気液混合物が、気液混合物排出部3a,3bの多孔質材19a,19bの多数の貫通孔を通じて基板10表面および裏面から吸引、排出される。このようにして、基板10表面および裏面の全域を乾燥させることができる。
【0062】
同時に、本実施形態の乾燥用ノズル(基板ガイド装置)25においては、前述の各実施形態と同様に、乾燥用気体供給部2a,2bに供給する流体(エアー)の量と、気液混合物排出部3a,3bから吸引除去する気液混合物の量とを制御することによって基板10にかかる圧力を制御し、図11に示すように、乾燥用気体供給部2aおよび気液混合物排出部3aと基板10表面との間隔L1 が、1mmないし10mmの範囲に設定され、また、乾燥用気体供給部2bおよび気液混合物排出部3bと基板10裏面との間隔間隔L2 が、0.1mmないし10mmの範囲に設定される。このように制御されたエアーの圧力により、上下の乾燥用ノズル25の間に位置する基板10が、この乾燥用ノズル25に対する上下方向位置を規定されることになる。同時に、基板10の上下方向におけるそり、ゆがみ等の変形を矯正することができる。
【0063】
[第7の実施の形態]
以下、本発明に係る基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置の第7の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図12は本実施の形態の洗浄装置を示す模式図である。本実施の形態の洗浄装置は、例えば矩形のガラス基板(被処理物)を洗浄する際に用いられるものであり、図1ないし図11に示す第1ないし第6の実施形態と共通の構成要素には共通の符号を付けてその説明を省略する。
【0064】
本実施形態においては、図9に示す第5実施形態の洗浄装置200において、洗浄ノズル210の上流側に設けられた基板ガイド装置が図7,図8に示す第4実施形態と略同等の構成を有する基板ガイド装置230とされ、かつ、洗浄ノズル210の下流側に設けられた基板ガイド装置が図10,図11に示す第6実施形態の基板ガイド装置25と略同等の構成を有するものとされている。
【0065】
ここで、基板ガイド装置230においては、流体吹出ノズル201a,201bに、液体(ここではオゾン水)を供給する流体供給手段231が接続されるとともに、流体吸引ノズル201c,201dに、液体を吸引排出する流体排出手段232が接続される。
また、基板ガイド装置(乾燥用ノズル)25においては、乾燥用気体供給部(流体吹出ノズル)2a,2bに流体(エアー;乾燥用気体)を供給する流体供給手段(エアー供給源)233が接続され、気液混合物排出部(流体吸引ノズル)3a,3bから流体(気液混合物)を吸引除去する流体排出手段(吸引手段)234が接続されている。
【0066】
このような洗浄装置によれば、前述の図1ないし図11に示す第1ないし第6の実施形態と同等の効果を奏するとともに、洗浄ノズル210の上流側では、基板ガイド装置230において噴出する流体として液体を選択して、基板10の変形矯正をおこなうと同時に、この流体として、オゾン水を選択することにより、洗浄ノズル210の洗浄液Wによる洗浄処理に先立ち、基板10表面および裏面に対して有機物分解処理をおこなうことができる。
また、洗浄ノズル210における洗浄液Wの除去をおこなう乾燥処理を、乾燥用エアーを噴出する乾燥ノズル(基板ガイド装置)25によりおこなうことができる。これにより、洗浄装置200として、基板ガイド装置と有機物分解処理ノズルと乾燥ノズルとを別々の構成として設けた場合に比べて、装置に必要なスペースを低減でき、製造コストの低減が図れ、基板10の変形矯正用の流体によって有機物分解処理および乾燥処理をおこなうことができるので、ランニングコストを低減することができるという効果を奏する。
【0067】
【発明の効果】
本発明の基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置によれば、流体を吹出して基板の変形矯正および位置設定をおこなうことにより、接触汚染を防止して基板を支持が可能で、洗浄等の処理用ノズルと基板との位置状態設定の正確性の向上を図り、洗浄等の処理効率を向上し、装置構成の簡略化と、製造コストの削減とを図るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る基板ガイド装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1のII−II線に沿って基板ガイド装置を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置の第2の実施の形態における洗浄装置を示す模式図である。
【図4】 図3の洗浄装置における表面洗浄ノズルを示す下面図である。
【図5】 図4のV−V線に沿って洗浄ノズルを示す断面図である。
【図6】 本発明に係る基板ガイド装置の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図7】 本発明に係る基板ガイド装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線に沿って基板ガイド装置を示す断面図である。
【図9】 本発明に係る基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置の第5の実施の形態における洗浄装置を示す模式図である。
【図10】 本発明に係る基板ガイド装置の第6の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】 図10のXI−XI線沿って洗浄ノズルを示す断面図である。
【図12】 本発明に係る基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置の第7の実施の形態における洗浄装置を示す模式図である。
【図13】 従来の省液型ノズルの一例を示す図であって、図13(a)は洗浄用ノズルの下面図、図13(b)は図13(a)のXIII−XIII線に沿う側断面図である。
【符号の説明】
W…洗浄液
2a,2b…乾燥用気体供給部(流体吹出ノズル)
3a,3b…気液混合物排出部(流体吸引ノズル)
4a,4b…エアー供給口
5a,5b…気液混合物排出口
6a,6b…ケーシング
7a,7b…内管
8a,8b…外管
9a,9b…エアー供給用チューブ
10…基板
11a,11b…固定部
12a,12b…エアー均一供給用抵抗部材
13a,13b,20a,20b…ネジ
14a,14b…エアー流れ方向制御部
15a,15b…ノズル部
16a,16b…エアー噴出スリット
17a,17b…封止部
18a,18b,204a,204b,204c,204d…ケーシング
19a,19b,205a,205b,205c,205d…多孔質材
21…液体
22a,22b,23a,23b…開口部
25…乾燥用ノズル(基板ガイド装置)
200…洗浄装置
201,230…基板ガイド装置
201a,201b…エアー吹出ノズル(流体吹出ノズル)
201c,201d…流体吸引ノズル
202a,202b…吹出口
202c,202d…吸引口
203a,203b…流体供給口
203c,203d…流体排出口
206a,206b,206c,206d…空間部
208…エアー供給手段(流体供給手段)
210…洗浄ノズル
230A…上側ノズル
230B…下側ノズル
231,233…流体供給手段
232,234…流体排出手段
Claims (14)
- 処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう処理に際して前記処理用ノズルに対する基板の位置を設定する基板ガイド装置であって、
互いに吹出口を対向させるとともに間隔を設けて配置した一対の流体吹出ノズルと、該一対の流体吹出ノズルのそれぞれに流体を供給する流体供給手段とを有し、
前記流体吹出ノズルに供給される流体が気体または液体とされてなり、
この流体を前記流体吹出ノズルの吹出口から前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入される基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御することにより基板の変形を矯正しながら基板の位置を設定することを特徴とする基板ガイド装置。 - 前記流体吹出ノズルから液体を噴出することにより、前記処理用ノズルにおける処理により基板に付着した成分のリンスをおこなうことを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。
- 前記吹出口が、親水性の多孔部材により形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。
- 前記吹出口が、多孔部材により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の基板ガイド装置。
- 前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置されるとともに、この間隙に略水平状態に位置された基板が挿入され、
前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の上側に位置する流体吹出ノズルと前記基板表面との間隔が、1mmないし10mmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。 - 前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置されるとともに、この間隙に略水平状態に位置された基板が挿入され、
前記一対の流体吹出ノズルのうち前記基板の下側に位置する流体吹出ノズルと前記基板裏面との間隔が、0.1mmないし10mmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。 - 前記吹出口から吹き出された流体を吸引排出する流体吸引ノズルが、前記吹出口近傍に設けられることを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。
- 前記処理用ノズルに対して前記基板の移動方向上流側および下流側にそれぞれ前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置され、互いに対向する前記吹出口の間隔が、基板の移動方向下流側に対して上流側が大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。
- 前記流体吹出ノズルには、前記流体供給手段に接続された流体供給口と、該流体供給口に連通し、流体を安定して前記吹出口面均一に噴出させるための蓄圧器となる空間部とを具備することを特徴とする請求項4記載の基板ガイド装置。
- 前記処理用ノズルに対して前記基板の移動方向上流側および下流側にそれぞれ前記一対の流体吹出ノズルが上下方向に間隔を設けて配置されるとともに、前記基板を前記処理用ノズルと相対移動するための相対移動手段が設けられることを特徴とする請求項1記載の基板ガイド装置。
- 処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう処理に際して前記処理用ノズルに対する基板の位置を設定する基板ガイド装置であって、互いに吹出口を対向させるとともに間隔を設けて配置した一対の流体吹出ノズルと、該一対の流体吹出ノズルのそれぞれに流体を供給する流体供給手段とを有し、この流体を前記流体吹出ノズルの吹出口から前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入される基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御することにより基板の変形を矯正しながら基板の位置を設定する基板ガイド装置と、
該基板ガイド装置の流体吹出ノズルとこの一対の流体吹出ノズルの間隙に挿入された前記基板とを相対移動させる相対移動手段とを具備し、前記処理用ノズルとしてこの基板移動方向の前記流体吹出ノズル下流側に設けられ前記基板を洗浄する洗浄ノズルを具備することを特徴とする洗浄装置。 - 処理用ノズルと基板とを相対移動させることによりおこなう処理に際して前記処理用ノズルに対する基板の位置を設定する基板ガイド装置であって、互いに吹出口を対向させるとともに間隔を設けて配置した一対の流体吹出ノズルと、該一対の流体吹出ノズルのそれぞれに流体を供給する流体供給手段とを有し、この流体を前記流体吹出ノズルの吹出口から前記間隙に吹き出すことにより、該間隙に挿入される基板と前記流体吹出ノズルとの相対距離を制御することにより基板の変形を矯正しながら基板の位置を設定する基板ガイド装置と、
該基板ガイド装置の流体吹出ノズルとこの一対の流体吹出ノズルの間隙に挿入された前記基板とを相対移動させる相対移動手段とを具備し、前記処理用ノズルとして
この基板移動方向の前記流体吹出ノズル上流側に設けられ前記基板を洗浄する洗浄ノズルを具備することを特徴とする洗浄装置。 - 前記基板ガイド装置における前処理として、洗浄ノズルにおける洗浄処理の種類によって、オゾン水を流体として利用した有機物の分解、上流側における処理で付着した液体等のリンス、2種類以上の洗浄液間の相互コンタミネーションの防止、エアー吹き付けによる基板上の洗浄液の少量化、エアー吹き付けによる乾燥のうち、少なくとも1が選択されることを特徴とする請求項11記載の洗浄装置。
- 前記基板ガイド装置における後処理として、洗浄ノズルにおける洗浄処理の種類によって、洗浄処理で付着した液体等のリンス、2種類以上の洗浄液間の相互コンタミネーションの防止、エアー吹き付けによる基板上の洗浄液の少量化、エアー吹き付けによる乾燥のうち少なくとも1が選択されることを特徴とする請求項12記載の洗浄装置。
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