JP3873081B2 - 調湿脱臭剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭性能と調湿性能とを併せ持つ調湿脱臭剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の住環境は省エネルギーを目的として高気密化,高断熱化が進み、それによって熱的なランニングコストを削減することは可能となった。ところが、その反面、高気密化されたことによって換気が不十分となり、室内で発生した水蒸気が換気されずにこもって、温度の低いところで結露が起きるという事態が発生している。この結露や高湿度状態は、アレルギーの原因となるカビ,ダニの繁殖を増長するため、室内空気の汚染等が多く見られるようになった。
【0003】
そこで、現在は、除湿器や乾燥剤を使用したり、又は、床下や壁内部に空気を強制的に流通させる等の空調システムを用いることにより、エネルギーを消費して高湿度の問題を解決している。
反対に冬季における乾燥状態も、ウイルスの伝播が増加するという問題や肌が過乾燥するという問題が生じるため、人間の生活にとって快適な状況ではない。この乾燥状態を緩和する方法としては加湿器の使用があげられるが、これもまたエネルギーを消費して問題を解決することになる。
【0004】
上記のような方法では、問題の解決はなされるものの、エネルギーを消費するためにランニングコスト,省エネルギーの面では優位な点は少ない。また、初期に設備投資が必要である。このようなことから、室内環境の湿度をコントロールする、いわゆる自律的調湿を行う調湿剤が開発されている。調湿剤はエネルギーを消費することがないので、一度施工を行えばランニングコストをかけずに半永久的に住環境の調湿を行うことができる。
【0005】
また、湿度の問題とは別に、悪臭の問題がある。すなわち、種々の発生源、例えば、日常の生活環境,工場,し尿処理場,ごみ処理場,家畜飼育場などの種々の施設から発生する不快な悪臭についても、室内環境において「悪臭公害」として問題となっている。
悪臭の原因物質には、アンモニアやアミン類(トリメチルアミン,トリエチルアミン等)等の窒素含有化合物、硫化水素,メルカプタン類(メチルメルカプタン等)等の硫黄含有化合物、アルデヒド類(ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド等)、低級脂肪酸類(蟻酸,酢酸,プロピオン酸,吉草酸等)などの数多くの化合物がある(以降においては、これらの化合物を「悪臭物質」と称することがある)。これらの悪臭物質は一般的には環境衛生上有害で、人間の健康を害するおそれがある。また、有害でない悪臭物質であっても、人によっては不快感を受けたりストレスを感じたりする場合がある。
【0006】
前述の悪臭等の悪臭物質を除去,低減するために、従来より様々な方法が用いられている。例えば、芳香剤や香料等を用いて前述の悪臭物質による臭いをマスキングしたり相殺効果によって悪臭を中和させる方法が一般的に用いられている。また、活性炭やゼオライト等の多孔性物質やベントナイト等の粘土鉱物に前述の悪臭物質を吸着させて除去する方法や、酸やアルカリ等によって悪臭物質を中和させる方法等も一般的に用いられている。
【0007】
しかしながら、芳香剤や香料等を用いたマスキング作用による感覚的脱臭方法では、悪臭物質自体が依然として存在するため、この悪臭物質による環境衛生上の問題が残る。また、この悪臭物質と芳香剤や香料等との相性が悪いと、別の悪臭を発生させる等の問題がある。
また、脱臭剤として従来から使用されている活性炭は、臭気成分によって吸着能力に大きな差があるとともに、吸着作用によるため吸着能力(すなわち脱臭能力)に限界がある。さらに、雰囲気中の水分が悪臭物質の吸着の妨げになることがあるために、活性炭を定期的に交換する必要がある。このため、管理が煩雑になるとともに、長期的な使用コストが高くなる等の欠点がある。
【0008】
さらに、酸やアルカリ等を用いて悪臭物質を中和する方法においては、悪臭物質に対応させて適切な酸やアルカリを選択して使用する必要があるため、適切な選択のための試験や操作が面倒であり、安全性やコストの面においても問題がある。
しかも、前述のマスキング作用による脱臭方法や中和による脱臭方法においては、湿度の調整(調湿性能)という機能は全く働かず、前述の吸着による脱臭方法においては、吸湿はするが放湿性は低いため調湿性能はない又は弱いという問題があった。
【0009】
このような背景から、安全性に優れ再生使用が可能な酸化分解触媒の開発が盛んに進められてきている。ここで、「酸化分解」とは、例えば鉄やアルミニウム等の金属又はそれらの酸化物を触媒として、空気中の酸素とアンモニア等の悪臭物質とを反応させて酸化し、悪臭物質を分解するというものである。
この種の酸化分解を利用する酸化分解触媒系の脱臭剤としては、例えば、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化マンガン等の遷移金属酸化物と白金とを担持させた酸化チタンからなる消臭セラミックス粉体(特開平10−165815号公報)、活性炭等の多孔性物質に一種以上の金属酢酸塩を担持したもの(特開平7−171384号公報)、ゼオライト又は珪酸マグネシウムと活性アルミナと白金属金属塩とを主剤としたもの(特開平5−98184号公報)、ゼオライトに金及び鉄の酸化物を担持したもの(特開平4−66124号公報)等が知られている。
【0010】
しかしながら、上記のような酸化分解触媒系の脱臭剤は、特定の悪臭物質については効果が認められるが、全般的にみれば酸化分解能が充分ではないこと、高価であり資源的にも希少な貴金属ないしそれらの酸化物等の添加が必要であること、酸化分解能が不充分で長期間効果が維持できないこと、及び常温等の低い温度領域では酸化分解能が著しく低下すること等の問題点を有しており、克服すべき点が多々ある。
【0011】
一方、この酸化分解技術において触媒成分を担持させる担体として、又はその担体固有の光触媒作用を利用して悪臭物質を分解する触媒として、二酸化チタンが広く知られている。
これら触媒材料として工業的に利用されている光触媒用二酸化チタンは、一般的には顔料用酸化チタンの製造方法の一つである硫酸法で製造されている。すなわち、原料であるイルメナイト鉱石(FeTiO3 )を硫酸で溶解し、チタン分を可溶性塩とした後に加水分解し、酸化チタンの前駆体であるメタチタン酸として析出させてから焼成する方法で、しかも特殊な処理工程を経て製造されている。
【0012】
この顔料用酸化チタンの製造工程においては、副産物として多量の硫酸鉄と原料鉱石由来の鉄,チタン,マンガン等の金属が溶解した硫酸酸性の廃酸とが排出され、この廃酸を中和処理することによって石膏及び前記金属等を含む中和廃泥が多量に発生する。
硫酸鉄及び石膏はそのまま工業的に利用することが可能であるが、前記中和廃泥については一部工業的に有効利用されてはいるが、大部分は産業廃棄物として埋立て処理されているのが現状であり、環境に多大な負荷をかけている。また、前記中和廃泥を利用するにあたっては、板状,粒状体等に成形しなければならないが、中和廃泥単味では成形強度が極めて低く、実用性に乏しかった。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−165815号公報
【特許文献2】
特開平7−171384号公報
【特許文献3】
特開平5−98184号公報
【特許文献4】
特開平4−66124号公報
【特許文献5】
特開2001−181070号公報
【特許文献6】
特開2000−288385号公報
【特許文献7】
特開平6−47277号公報
【特許文献8】
特開2002−255620号公報
【特許文献9】
特開2002−1112号公報
【特許文献10】
特開2001−302308号公報
【特許文献11】
特開2001−219059号公報
【特許文献12】
特開2000−86369号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、前述のような従来の脱臭剤には、脱臭性能と調湿性能とを併せ持つものは少なく、また、その性能も十分なものではなかった。優れた脱臭性能と調湿性能とを併せ持つ材料を使用すれば、エネルギーを消費せずに、悪臭がなく良好な湿度に調整された快適な状態に室内空間を保つことが可能となる。
そこで、本発明は、このような従来技術が有する問題点を解決し、優れた脱臭性能と調湿性能とを併せ持ち、しかも長期間にわたってそれらの性能を発揮する調湿脱臭剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の調湿脱臭剤は、金属の水酸化物及び金属の酸化物の少なくとも一方を主成分とする脱臭成分と、無機材料からなる調湿成分と、を含有しており、脱臭性能と調湿性能とを有する調湿脱臭剤であって、前記金属は鉄及びチタンであり、前記無機材料は珪藻土,珪質頁岩,活性白土,ゼオライト,セピオライト,アロフェン,イモゴライト,粘土系鉱物のうちの少なくとも一種であるとともに、前記脱臭成分は、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸と、前記製造過程において排出されるチタン,鉄の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーと、の少なくとも一方を原料とすることを特徴とする。
【0016】
このような構成であれば、脱臭性能と調湿性能とを併せ持つので、ランニングコストをかけずに半永久的に住環境等の調湿を行うことが可能であることに加えて、アンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタン,アルデヒド等の日常的,工業的に排出される悪臭物質を長期間にわたって脱臭することが可能である。さらに、本発明の調湿脱臭剤は安全性が高く、取扱いが容易である。
【0017】
また、このような構成であれば、二酸化チタンの製造工程より産出される、硫酸鉄と原料鉱石由来の鉄,チタン等の金属が溶解した硫酸酸性の廃酸を中和処理することによって生成する前記金属等を含む中和廃泥を機能性材料として有効利用することが可能であり、産業廃棄物として従来埋め立てられていた中和廃泥を有効活用することができ、環境負荷を低減することができる。
【0018】
また、硫酸法による酸化チタンの製造過程において多量に排出される硫酸酸性の廃酸や溶解残渣スラリーのような産業廃棄物を有効利用することができるので、調湿脱臭剤の製造コストを低減することができることに加えて、産業廃棄物の減量化を図ることができる。
さらに、本発明に係る請求項2の調湿脱臭剤は、請求項1に記載の調湿脱臭剤において、所定の形状に成形され、焼成されていることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明に係る請求項3の調湿脱臭剤の製造方法は、請求項2に記載の成形体状の調湿脱臭剤を製造する方法であって、前記脱臭成分及び前記調湿成分を混合する混合工程と、前記混合工程により得られた混合物を成形体とする成形工程と、を有していて、前記混合工程において前記脱臭成分及び前記調湿成分の平均粒径を制御することにより、前記成形体の脱臭性能と機械的強度とのバランスを制御することを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明に係る請求項4の調湿脱臭剤の製造方法は、請求項3に記載の調湿脱臭剤の製造方法において、前記混合工程において前記脱臭成分及び前記調湿成分を混合粉砕法により混合することを特徴とする。
前記混合工程において前記脱臭成分及び前記調湿成分の平均粒径を小さくすると、両者の親和性が高くなり均一に混合された状態となるので、成形体の機械的強度が高くなる。ただし、その半面成形体の脱臭性能は低下する。一方、平均粒径を大きくすると、両者の親和性はそれほど高くないので、成形体の機械的強度はそれほど高くはならず、脱臭性能が優れたものとなる。
【0021】
このように、前記脱臭成分及び前記調湿成分の平均粒径を制御することによって、得られる成形体の脱臭性能と機械的強度とのバランスを制御することができる。よって、調湿脱臭剤の用途,使用条件等に応じて、所望の性能(脱臭性能及び機械的強度)の成形体を製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係る調湿脱臭剤及びその製造方法の実施の形態を、以下に詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の調湿脱臭剤における脱臭成分は、酸として塩酸,硫酸,又は硝酸を用い、主として鉄,チタン,マンガン等の金属を含み、且つチタンクラスターを分散させた酸溶液中にアルカリ剤を添加することにより、前記金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を含むものをチタンクラスターに被覆させて得られる組成物である。
【0023】
ここで、チタンクラスターとはチタンの水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を含む微粒子を言い、その粒径はおよそ数nm〜1μmである。例えば、TiOSO4 、Ti2 O(SO4 )3 等の複塩を含む硫酸チタンの加水分解によって得られる水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を含むもののうち、凝集沈殿しない超微粒子のことである。
【0024】
酸溶液中のチタンクラスターの濃度(TiO2 換算)は、中和剤を添加した際に(中和時に)チタンクラスターを安定させて、前記金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を良好に被覆させるためには、1〜10g/Lとする必要がある。
さらに、前記酸溶液として、酸化チタンの製造過程で排出される硫酸酸性の廃酸を用いることが可能である。イルメナイト鉱物を原料とする硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸は、鉄,チタン,マンガンを主成分とし、その他の成分として珪素,マグネシウム,銅,アルミニウム,ナトリウム,カリウム,カルシウム等を含み、微量成分として他の遷移金属を含んでいてもよい。
【0025】
つまり、本発明における脱臭成分の製造において用いる前述のチタンクラスターを分散させた酸性溶液及びチタンクラスターを形成させた酸性溶液として、イルメナイト鉱石を原料とする硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸や、イルメナイト鉱石の未溶解成分を主成分としチタン,鉄等の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーを使用することが可能である。
【0026】
このような溶解残渣スラリーを原料として本発明の脱臭成分を製造する方法について、以下に詳細に説明する。
まず、前記廃酸に中和剤を加えてpHを1〜4に調整する(一次中和工程)。次に、一次中和工程で析出した析出物を除去して得られた溶液に前記溶解残渣スラリーを混合し、酸化雰囲気下において中和剤を加えてpHを8.2〜9.5に調整する(二次中和工程)。
【0027】
二次中和工程において析出した析出物は、取り出した後に、40〜120℃での乾燥又は900℃以下での焼成を行う。あるいは、40〜120℃での乾燥を行った後に、さらに900℃以下での焼成を行ってもよい。
かくして、二次中和工程において析出した析出物を、上記のような条件で乾燥又は焼成すれば、比表面積が10m2 /g以上であり、半径2nm以上の細孔の容積が0.020cm3 /g以上である脱臭成分が得られる。
【0028】
このとき乾燥の温度が40℃未満であると、乾燥に長時間を要してしまう。一方、120℃を超えると金属の水酸化物が保有する構造水の脱水が始まるので、もはや乾燥とは言えない。また、焼成の場合は、ある温度までは金属の水酸化物が保有する構造水の脱水による細孔の容積の増加が認められる。その後、焼成温度が高くなるにともなって粒子の成長や焼結が進み完全な酸化物の形となり、比表面積,細孔の容積ともに減少していく。焼成の温度が900℃を超えると、比表面積及び細孔の容積が前述の範囲外の数値となる。すなわち、焼成を900℃以下の温度で行えば、あるレベル以上の脱臭性能を維持し、且つ、脱臭剤としての安定性,加工性を付与できる。
【0029】
さらには、二次中和工程において析出した析出物は、乾燥又は焼成の前に水で洗浄することが好ましい。そうすれば、中和時に生成した副生成物が除去されるので、脱臭剤の比表面積が大きくなり、脱臭性能を向上させることができる。
前記中和工程に用いる中和剤としては、炭酸カルシウム,ドロマイト,消石灰,水酸化ナトリウム等の一般的な中和剤を用いることができる。
【0030】
本発明の脱臭成分は、細孔半径が2nm以下のミクロポアと呼ばれる微細な細孔と、細孔半径が2〜10nm程度のメソポアと呼ばれる細孔とを多く有し、その比表面積は3m2 /g以上である。そして、この脱臭成分のみでも脱臭性能,吸放湿性,調湿性を有している。
ここで、吸放湿性とは、ある材料が置かれた雰囲気が低湿度側に変化した場合には、前記材料は吸湿していた湿度を放湿し、高湿度側に変化した場合には前記材料は雰囲気中の水分を吸湿する性能を意味する。この吸放湿性には、所定の湿度域においてその機能を絶大に発揮する場合と、どの湿度域においても単調に機能する場合とがある。そして、調湿性とは、所定の湿度域において吸放湿性を絶大に発揮して、雰囲気を一定の湿度に保つ性能を言う。
【0031】
また、本発明の脱臭成分は、粉体の粒径が0.01〜100μmである。また、その中和過程により生成したと思われる細孔が多数存在し、比表面積が10〜500m2 /gと大きく、その細孔容積は0.050〜0.600cm3 /gである。
このような本発明の脱臭成分は、アンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタン,アルデヒド等の日常的,工業的に排出される悪臭物質に対して優れた脱臭効果を有し、長期間にわたって有効な脱臭能を持続することができる。また、安全性が高く、取扱いが容易である。
【0032】
また、本発明の脱臭成分は、本発明の技術的思想に基づいてさらに変形することも可能である。すなわち、アンモニア,硫化水素,メチルメルカプタン等の悪臭物質の種類が特定されている環境において本発明の脱臭成分を使用する場合、例えばアンモニアが多量に存在している場合には、脱臭成分中のアルミニウム元素の含有量を増やすと、特にアンモニアを効率的に脱臭することができる。このように、脱臭成分に含有されている金属の量及び種類を、環境に応じて適宜選択するとよい。
【0033】
さらに、本発明の脱臭成分には、脱臭に効果のあることが公知の他の物質を、添加物として含有させることも可能である。また、脱臭機能に著しい影響を与えない範囲の量であれば、上記以外の物質、例えば銅,ニッケル,バナジウム,クロム,ジルコニウム,ニオブ,スカンジウム,イットリウム等の遷移金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方や、亜鉛,アルミニウムに代表される両性金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を共存させても問題ない。また、酸に難溶な酸化珪素や、石膏に代表される難溶解性硫酸塩等を共存させても何ら問題ない。
【0034】
本発明の脱臭成分は、得られたままの形態(粉体)においても脱臭剤として利用することが可能であるが、比表面積や細孔の容積を著しく低下させない適切な方法であれば、造粒,成形等を行って取扱いに便利な形状とすることも可能である。
成形する場合には、成形体に強度を付与するため又は他の性能を付与するため、例えば調湿性能を有するような無機材料と混合して成形することが望ましい。調湿性能を有する無機材料を調湿成分とし、前記脱臭成分を混合すれば、前記無機材料が有する吸放湿性,調湿性を阻害することなく脱臭性能を向上させて、脱臭性能と調湿性能とを併せ持つ調湿脱臭剤を得ることができる。
【0035】
このような調湿成分としては、例えば、珪藻土,珪質頁岩,活性白土,ゼオライト,セピオライト,アロフェン,イモゴライト等の多孔質な無機調湿材料、カオリナイト,モンモリロナイト等の多孔質ではない層状鉱物、木節粘土,蛙目粘土等の一般的な粘土、さらには長石、石英、珪砂等があげられる。なお、詳細は後述するが、条件を調節することにより、調湿脱臭剤の脱臭性能と機械的強度とを任意に調整することができる。
【0036】
本発明の脱臭成分は、焼結温度が700〜900℃の範囲にあるため、他の成分に混合し成形することによって、他の成分のみからなる成形体よりも機械的強度を向上させることが可能である。
例えば、前記成形体を主に脱臭剤として使用する場合には、機械的強度はそれほど必要としないので、脱臭成分と調湿成分との混合は通常の混合方法により行えばよい。通常の混合方法で混合すると、脱臭成分及び調湿成分の平均粒径は比較的大きいので、両者の親和性はそれほど高くはならない。その結果、成形体の機械的強度はそれほど高くはならず、脱臭性能が優れたものとなる。
【0037】
逆に、前記成形体に機械的強度が必要な場合は、混合粉砕法等のような強力な混合方法を用いるとよい。そうすると、脱臭成分及び調湿成分の平均粒径が小さくなるので、両者の親和性が高くなり均一に混合された状態となる。その結果、前記成形体の機械的強度が高くなる。ただし、その半面成形体の脱臭性能は若干低くなる。このように、脱臭成分及び調湿成分の平均粒径を制御することによって、得られる成形体の脱臭性能と機械的強度とのバランスを制御することができる。
【0038】
脱臭成分と調湿成分とを混合する際には、モルタルミキサーのような粉体の混合装置を用いることができる。あるいは、ボールミル,ポットミル,トロンミル,ハンマークラッシャー,ジョークラッシャー,遊星ミル,ジェットミル,アトライター等のような一般的な粉砕機を用いることもできる。粉砕機等を用いて脱臭成分と調湿成分とを混合粉砕すると、粉体の均一化が図られ、さらにメカノケミカル現象を利用して高機能,高強度な成形体を製造することができる。
【0039】
混合粉砕は、乾式でも湿式でも行うことが可能である。ただし、湿式粉砕ではエネルギーが水に逃げることから、高いメカノケミカル現象を利用するためには乾式で行う方が望ましい。
脱臭成分と調湿成分との配合比率は、本発明の調湿脱臭剤に強力な脱臭性能を付与したい場合には脱臭成分を多くし、強力な調湿性能を付与したい場合には調湿成分を多くするとよい。特に、本発明の脱臭成分は、少量でも優れた脱臭性能を発揮するので、調湿脱臭剤の10質量%程度でも高い脱臭性能を付与することができる。
【0040】
この調湿脱臭剤は、得られたままの形態(粉体)においても調湿脱臭剤として利用することが可能であるが、比表面積や細孔の容積を著しく低下させない適切な方法であれば、造粒,成形等を施して取扱いに便利な形状として使用することも可能である。
例えば、打錠成形,押出し成形等により自由に成形して、成形体を得ることができる。この時、バインダーは添加してもよいし、しなくてもよい。また、一般的な焼成により焼結させて、ペレット状,板状,ハニカム状等の成形体に成形することも可能である。ただし、焼成温度が高いと脱臭成分が焼結し比表面積の減少などが起き、脱臭性能が低下するので、焼成温度は1000℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましい。
【0041】
さらに、本発明の調湿脱臭剤及び該調湿脱臭剤の造粒品,成形品は、悪臭物質との接触を妨げない材質,構造の容器又は包装部材等に充填することにより、輸送,保管,使用,交換,回収等が容易な形態とすることが可能である。
あるいは、得られたままの粉体状の調湿脱臭剤を適当な方法で分散スラリーとし、不織布や他の材料で形成されたハニカム構造を有する部材を該スラリー中に浸漬して、前記部材に調湿脱臭剤を含浸するか、又は該スラリーをそれら表面に塗布等の方法により担持させると、より効率良く悪臭物質の除去及び調湿を行うことが可能な調湿脱臭器を構成することができる。
【0042】
得られた成形体は、そのまま使用することもできるが、ガス透過性を有するフィルムで包むか、あるいはガス透過性を有する容器中に入れて使用してもよい。あるいは、成形体をガス透過性の容器に入れ、送風機等により悪臭物質を含む気流を該成形体に送気すると、悪臭物質の存在する空間から悪臭物質を除去する効果が向上するので好ましい。
【0043】
同様に、悪臭物質との接触を著しく妨げることがないように、含浸,塗布,混合等の適宜の方法によって、本発明の調湿脱臭剤及び該調湿脱臭剤の造粒品,成形品等を既存の材料に包含させれば、既存の材料に脱臭性能を付与することができる。
なお、本発明の調湿脱臭剤及び該調湿脱臭剤の造粒品,成形品等は、その吸着能が優れているので、脱臭性能が期待できないような使用条件においても、悪臭物質、特に硫黄系悪臭物質に対し有効な脱臭剤である。また、本発明の調湿脱臭剤は悪臭物質の吸着,分解を著しく阻害しない範囲においては、湿潤状態で使用することができる。
【0044】
〔実施例〕
以下に、具体的な実施例をあげて、本発明の調湿脱臭剤をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔脱臭成分について〕
脱臭成分の原料には、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸及び溶解残渣スラリーを使用した。この廃酸は、鉄濃度が13g/L、チタン濃度がTiO2 換算で2.5g/L、マンガン濃度が1.2g/L、遊離硫酸濃度が68g/Lで、pHが1以下の硫酸酸性の溶液である。
【0045】
また、溶解残渣スラリーは、鉄濃度が15g/L(そのうち可溶性の鉄分が1.5g/L)、チタン濃度がTiO2 換算で166g/L(そのうち可溶性のチタン分が2.8g/L)、マンガン濃度が1.5g/L、遊離硫酸濃度が43g/Lで、pHが1以下の硫酸酸性のスラリーである。
まず、チタンクラスター分散酸溶液を調製するため、廃酸の液温を30〜40℃の範囲に保持した。そして、炭酸カルシウムを中和剤として用いて一次中和を行い、中和後のpHを3.0に調整した。そうすると、石膏が析出するので遠心分離機で濾別した。この濾液は、チタンクラスターをTiO2 換算で1.2g/Lを含み、鉄濃度が12.4g/L、遊離硫酸濃度が8g/Lであった。
【0046】
次に、この濾液に溶解残渣スラリーを添加し、均一なスラリーとした。そして、液温を40〜50℃の範囲に保持しながら、アルカリ性中和剤である水酸化ナトリウムを使用して酸化雰囲気下で二次中和を行い、中和後のpHを9.0に調整した(アルカリ性中和剤の代わりに塩基性中和剤を使用してもよい)。二次中和後の析出物を含むスラリーをレーキ式ドルシックナーで濃縮した後、フィルタープレスにて脱水し、得られた析出物を100℃で乾燥して脱臭成分を得た。
【0047】
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、Fe2 O3 ;47.1質量%、CaO;0.8質量%、SO3 ;5.0質量%、TiO2 ;17.4質量%、MnO2 ;5.2質量%、SiO2 ;7.2質量%、Al2 O3 ;2.2質量%であった。
〔調湿成分について〕
調湿成分である無機材料としては、珪質頁岩,蛙目粘土,活性白土,鹿沼土を用いた。
【0048】
珪質頁岩は、北海道天北地方にて産出される稚内層珪質頁岩を用いた。この粉体の最大粒径は1mm以下で、平均粒径は48.5μmである。また、その比表面積は112.0m2 /g、細孔容積は0.2775cm3 /gで、細孔分布は半径3.13nmにピークを有していた。さらに、含有される鉱物は、非晶質シリカ,オパールCT,石英,長石であった。
【0049】
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、SiO2 ;79.5質量%、Al2 O3 ;8.6質量%、Fe2 O3 ;1.8質量%、CaO;0.2質量%、TiO2 ;0.3質量%であった。
活性白土は水澤化学社製ガレオンアースNSを用いた。この粉体の最大粒径は212μm以下で、平均粒径は16.7μmである。また、その比表面積は244.9m2 /g、細孔容積は0.4298cm3 /gで、細孔分布は半径1.9nmにピークを有していた。さらに、含有される鉱物は、クリストバライト,石英,長石であった。
【0050】
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、SiO2 ;74.5質量%、Al2 O3 ;13質量%、Fe2 O3 ;4.0質量%、CaO;0.2質量%、TiO2 ;0.3質量%であった。
鹿沼土は、鹿沼地方で産出されるものを用いた。この粉体の最大粒径は212μm以下で、平均粒径は25.5μmであった。また、その比表面積は292.3m2 /g、細孔容積は0.6441cm3 /gで、細孔分布は半径2.07nmにピークを有していた。さらに、含有される鉱物は、非晶質シリカ,アロフェンであった。
【0051】
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、SiO2 ;48.8質量%、Al2 O3 ;31.3質量%、Fe2 O3 ;2.3質量%、CaO;1.0質量%、TiO2 ;0.3質量%であった。
蛙目粘土は、愛知県瀬戸地方産出のものを使用した。この粉体の最大粒径は22.8μm以下で、平均粒径は4.2μmであった。また、その比表面積は35.3m2 /g、細孔容積は0.2447cm3 /gで、細孔分布は半径19.1nmにピークを有していた。さらに、含有される鉱物は、カオリナイト,石英,長石であった。
【0052】
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、SiO2 ;50.4質量%、Al2 O3 ;33.9質量%、Fe2 O3 ;0.9質量%、CaO;0.2質量%、TiO2 ;0.6質量%であった。
〔成形体の作製について〕
後述の試験に用いた成形体は、以下の方法により作製した。
【0053】
前述のようにして得た脱臭成分を110℃で乾燥したもの10質量部と、調湿成分(無機材料)90質量部と、をミキサーで混合した。この混合物10.0gと成形助剤である水1.0gとを混合し、3.4cm角の金型に充填した。そして、乾式プレス成型器により、26.1MPaの圧力で40秒間保持して成形体を得た。得られた成形体を600〜1000℃の温度で2時間保持して焼成し、セラミックとした。なお、焼成温度には、400℃/hの昇温速度で昇温した。
【0054】
無機材料として珪質頁岩を使用し、700℃で焼成したものを実施例1とし、同じく800℃で焼成したものを実施例2とした。また、無機材料として蛙目粘土を使用し、700℃で焼成したものを実施例3とし、同じく800℃で焼成したものを実施例4とした。さらに、無機材料として活性白土を使用し、700℃で焼成したものを実施例5とし、同じく800℃で焼成したものを実施例6とした。さらに、無機材料として鹿沼土を使用し、700℃で焼成したものを実施例7とし、同じく800℃で焼成したものを実施例8とした。
【0055】
また、比較例として、脱臭成分は使用せず調湿成分(無機材料)のみを使用した成形体と、調湿成分は使用せず脱臭成分のみを使用した成形体とを作製した。成形体の作製方法は前述の実施例と同様である。無機材料として珪質頁岩を使用し、700℃で焼成したものを比較例1とし、同じく800℃で焼成したものを比較例2とした。また、無機材料として蛙目粘土を使用し、700℃で焼成したものを比較例3とし、同じく800℃で焼成したものを比較例4とした。さらに、無機材料として活性白土を使用し、700℃で焼成したものを比較例5とし、同じく800℃で焼成したものを比較例6とした。さらに、無機材料として鹿沼土を使用し、700℃で焼成したものを比較例7とし、同じく800℃で焼成したものを比較例8とした。さらに、乾燥した脱臭成分のみを使用し、700℃で焼成したものを比較例9とし、同じく800℃で焼成したものを比較例10とした。
【0056】
次に、100℃で乾燥した脱臭成分と調湿成分である珪質頁岩とを、乾式混合したものと湿式混合したものについて、それぞれ成形体を作製した。
まず、乾式混合について説明する。脱臭成分10質量部と珪質頁岩90質量部とを合計300g量り取り、内容積1.6Lのポットに磁器ボール1500gとともに入れた。そして、乾燥状態下、88.5min-1の回転速度で48時間撹拌して、乾式ポットミル粉砕を行った。この粉体の粒度は最大粒径20μm、平均粒径4.4μmであり、比表面積は103m2 /gであった。
【0057】
湿式混合について説明する。脱臭成分10質量部と珪質頁岩90質量部とを合計300g量り取り、内容積1.6Lのポットに水600g及び磁器ボール1500gとともに入れた。そして、88.5min-1の回転速度で48時間撹拌して、湿式ポットミル粉砕を行った。この粉体の粒度は最大粒径15μm、平均粒径1.4μmであり、比表面積は115m2 /gであった。
【0058】
このようにして微粉砕混合を行った粉体10.0gと成形助剤である水1.0gとを混合し、3.4cm角の金型に充填した。そして、乾式プレス成型器により、26.1MPaの圧力で40秒間保持して成形体を得た。得られた成形体を600〜1000℃の温度で2時間保持して焼成し、セラミックとした。なお、焼成温度には、400℃/hの昇温速度で昇温した。
【0059】
乾式混合した粉体を用い且つ700℃で焼成したものを実施例9とし、同じく800℃で焼成したものを実施例10とした。また、湿式混合した粉体を用い且つ700℃で焼成したものを実施例11とし、同じく800℃で焼成したものを実施例12とした。
また、比較例として、脱臭成分と珪質頁岩との配合比を0質量部:100質量部とした以外は全く同様にして成形体を作製した。乾式混合した粉体を用い且つ700℃で焼成したものを比較例11とし、同じく800℃で焼成したものを比較例12とした。また、湿式混合した粉体を用い且つ700℃で焼成したものを比較例13とし、同じく800℃で焼成したものを比較例14とした。
【0060】
なお、乾式ポットミル粉砕を行った珪質頁岩の最大粒径は40μmで、平均粒径は6.1μmであった。また、湿式ポットミル粉砕を行った珪質頁岩の最大粒径は12μmで、平均粒径は1.8μmであった。そして、比表面積は、双方とも120m2 /gであった。
〔評価方法について〕
実施例及び比較例の成形体の評価方法は以下の通りである。
(1)元素分析
蛍光X線測定装置(島津製作所株式会社製 LAB CENTER XRF1700)を用いて、30kV・20mAのCu−Kα線でX線強度を測定し、ファンダメンタルパラメータ法(FP法)により各成分の含有量を算出した。なお、サンプルには、調湿脱臭剤の粉末をプレス成形したものを用いた。
(2)BET法比表面積、細孔分布測定
BET比表面積測定装置(CARLO−ERBA社製 Sorptomatic 1990)を用いて、液体窒素温度における窒素ガス吸着量Vm(cm3 /g)を測定し比表面積を求めた。また、細孔分布は、脱着側のDH法(Dollimore−Heal法)により算出した。
(3)X線回折
石英ガラスホルダーに粉末試料を詰め、X線回折装置(理学電機株式会社製 RINT2100型)に装着した後、30kV,20mAのCu−Kα線で、2°/minの走査速度で3〜70°まで走査した。そして、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)ファイルにより検索し、化合物の同定を行った。
(4)粒度分布測定
粒度分布測定器(株式会社堀場製作所製 HORIBA LA−920S)を用い、相対屈折率1.15の値を用いて算出した。
(5)機械的強度測定
オートグラフ(株式会社島津製作所製 AGS−G)を用い、JIS規格A5209−1994に準じた方法により測定した。条件は、スパン20mm、加圧速度0.05mm/sである。
(6)水蒸気吸着等温線測定
全自動水蒸気吸着等温線測定器(日本ベル株式会社製 BELSORP18)を用いて、25℃における水蒸気の吸着等温線を測定した。これにより調湿性能を評価した。サンプル量は0.1g、吸着温度は25℃であり、相対圧10〜96%の間で吸着,脱着を行った。
(7)水蒸気吸放湿試験
試料には、調湿脱臭剤の粉末を成形した立方体状の成形体を用いた。そして、この成形体の表面のうち吸放湿させる一面を残して、他の5面はシールにて不透湿とした。このような試料を恒温恒湿槽(タバイエスペック株式会社製 PDR−4ST)内に入れ、温度25℃,相対湿度50%RHで重量が平衡になるまで放置した。そして、この試料を温度25℃,相対湿度90%RHで24時間吸湿させた後、温度25℃,相対湿度50%で24時間放湿させ、その時の試料の質量を測定した。
【0061】
各測定値から下記式を用いて吸湿量(g/m2 )及び吸放湿性(g/m2 )を評価した。
吸湿量=(測定した質量−初期の質量)/(試料の表面積)
吸放湿性=24時間吸湿後の吸湿量−24時間放湿後の吸湿量
なお、式中の「初期の質量」とは平衡時の試料の質量であり、「試料の表面積」とは、試料の表面のうち吸放湿させる一面の面積である。
(8)悪臭物質の脱臭試験
悪臭物質の種類毎にテドラーバッグ(容量3.0L)を用意し、100℃で乾燥させた成形体を封入した。そこに、所定濃度に調整した悪臭物質であるアンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタン,及びホルムアルデヒドガスをそれぞれテドラーバッグに封入した。なお、成形体は封入しておらず悪臭物質のみを封入した対照用テドラーバッグもそれぞれ用意した。
【0062】
これらのテドラーバッグについて、25℃において1時間の吸着を行った後に40℃において1時間の脱着を行うサイクル試験を行った。そして、サイクル試験中の所定の経過時間(10,20,40,60,70,90,120分)ごとに、悪臭物質の残留濃度を測定した。残留濃度測定にはガス検知管(アンモニア検知管,硫化水素検知管,二酸化硫黄検知管,メチルメルカプタン検知管,及びホルムアルデヒド検知管で、いずれもガステック社製である)を用いた。なお、成形体は(7)の試験と同様に立方体状であり、表面のうち一面(約3.4cm×3.4cm)を残して他の5面はシールしてある。
【0063】
そして、測定結果から下記式を用いて吸着速度を算出した。
R=0.1227×(C−C0)/s/S
R:ガス吸着速度(μmol/s/m2 )
0.1227:係数(3(L)/22.4(L/mol)×273/298(K))
C:測定濃度(ppm)
C0:初期濃度(ppm)
s:測定時間(s)
S:試料の表面積(m2 )
なお、アンモニア及び二酸化硫黄の吸着速度は測定開始後10分時の測定結果を用いて算出し、硫化水素及びメチルメルカプタンの吸着速度は測定開始後60分時の測定結果を用いて算出した。
(9)悪臭物質の脱臭繰り返し試験
悪臭物質の種類毎にテドラーバッグ(容量3.0L)を用意し、100℃で乾燥させた成形体を封入した。そこに、所定濃度に調整した悪臭物質であるアンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,及びメチルメルカプタンをそれぞれテドラーバッグに封入した。なお、成形体は封入しておらず悪臭物質のみを封入した対照用テドラーバッグもそれぞれ用意した。
【0064】
これらのテドラーバッグを25℃で24時間放置し、その後の悪臭物質の濃度を測定した。そして、初期濃度の50%以下の濃度になったら、テドラーバッグ内の悪臭物質を初期濃度のものに置換し24時間放置するという操作を20回以上繰り返した。
悪臭物質の濃度測定には、前述と同様のガス検知管を用いた。なお、成形体は(7)の試験と同様に立方体状であり、表面のうち一面(約3.4cm×3.4cm)を残して他の5面はシールしてある。
【0065】
次に、実施例及び比較例の成形体に対して、上記(6)〜(9)の評価を行った結果について説明する。
〔水蒸気吸着等温線測定の結果について〕
調湿性は水蒸気吸着等温線を測定することにより把握することができ、水蒸気吸着等温線が急激に立ち上がる湿度において、その材料は自律的に調湿すると言える。また、その吸湿率自体が高ければ高いほど、優れた調湿効果が得られると言える。すなわち、調湿性を判断する上で重要になる項目は、水蒸気吸着等温線の立ち上がりの湿度と吸湿率である。
【0066】
図1は、実施例2と比較例2の水蒸気吸着等温線測定結果を示すグラフである。脱臭成分を添加した場合(実施例2)であっても、添加していない比較例2とほぼ同レベルの水蒸気吸着等温線測定結果が得られた。よって、少量(おおよそ20質量%以下)の添加であれば、脱臭成分が調湿性に大きな悪影響を及ぼすことはないと言える。
【0067】
図2は、実施例4と比較例4の水蒸気吸着等温線測定結果を示すグラフである。図1の場合と同様に、脱臭成分を添加した場合(実施例4)であっても、添加していない比較例4とほぼ同レベルの水蒸気吸着等温線測定結果が得られた。よって、少量(おおよそ20質量%以下)の添加であれば、脱臭成分が調湿性に大きな悪影響を及ぼすことはないと言える。
【0068】
図3は、実施例6と比較例6の水蒸気吸着等温線測定結果を示すグラフである。脱臭成分を添加した場合(実施例6)は、添加していない比較例6よりも吸湿率が若干劣っていた。しかし、水蒸気吸着等温線の立ち上がりの湿度はそれほど変わらないので、脱臭成分が調湿性に与える悪影響は軽微であると言える。
図4は、実施例8と比較例8の水蒸気吸着等温線測定結果を示すグラフである。脱臭成分を添加した場合(実施例8)は、添加していない比較例8よりも吸湿率が若干劣っていたが、脱臭成分が調湿性に与える悪影響は軽微であると言える。
【0069】
これらの結果から、脱臭成分の添加による調湿性への影響は小さく、調湿成分が有する調湿性がほぼそのまま発揮されることが分かる。
〔水蒸気吸放湿試験の結果について〕
次に、実施例9〜12について水蒸気吸放湿試験を行った結果を説明する。表1に、実施例9〜12及び比較例11〜14について水蒸気吸放湿試験を行った結果と、その結果から算出された吸放湿性の値とを示す。
【0070】
【表1】
【0071】
脱臭成分を添加したものと添加しないものとの比較(例えば、実施例9と比較例11との比較)から、脱臭成分の添加による吸放湿性への影響は小さく、調湿成分が有する吸放湿性がほぼそのまま発揮されることが分かる。
〔悪臭物質の脱臭試験の結果について〕
次に、実施例1〜8及び比較例1〜10について、悪臭物質の脱臭試験を行った結果を説明する。
【0072】
まず、悪臭物質がアンモニアである場合について説明する。なお、アンモニアの場合は、初期濃度(封入したアンモニアの濃度)は100ppmである。脱臭試験の結果、実施例1〜8と比較例1〜10とでアンモニアの吸着効果に差異はなく、また、40℃においても吸着したアンモニアは脱離しなかった。
次に、悪臭物質が硫化水素である場合について説明する。なお、硫化水素の場合は、初期濃度は20ppmである。表2及び表3から明らかなように、実施例1〜8及び比較例1〜10はいずれも、吸着した硫化水素が40℃においても脱離しなかった。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
さらに、悪臭物質が二酸化硫黄である場合について説明する。なお、二酸化硫黄の場合は、初期濃度は100ppmである。脱臭試験の結果、実施例1〜8と比較例1〜10とで二酸化硫黄の吸着効果に差異はなく、また、吸着した二酸化硫黄は40℃においても脱離しなかった。
さらに、悪臭物質がメチルメルカプタンである場合について説明する。なお、メチルメルカプタンの場合は、初期濃度は20ppmである。表4及び表5から明らかなように、実施例1〜8及び比較例1〜10はいずれも、40℃において吸着したメチルメルカプタンが40℃においても脱離しなかった。
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
ここで、悪臭物質がアンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタンである場合について、実施例1〜8及び比較例1〜10のガス吸着速度を算出した結果を表6に示す。
【0079】
【表6】
【0080】
アンモニア及び二酸化硫黄については、脱臭成分よりも調湿成分の方が吸着性に優れているものがあることから、脱臭成分を添加することによるガス吸着速度の向上は僅かであった。この場合においても、調湿成分のガス吸着性が高いため、脱臭成分の添加により調湿成分のガス吸着性が悪影響を受けることはなく、高いガス吸着性が得られた。
【0081】
また、硫化水素については、それぞれ対応する比較例のガス吸着速度を1とした場合のガス吸着速度を算出して比較すると、実施例1は2.4、実施例2は7.2、実施例3は69、実施例4は20、実施例5は2.5、実施例6は3.2、実施例7は1.6、実施例8は7.5であった。よって、脱臭成分を添加することによりガス吸着速度が格段に向上したと言える。
【0082】
さらに、メチルメルカプタンについては、それぞれ対応する比較例のガス吸着速度を1とした場合のガス吸着速度を算出して比較すると、実施例1は8.5、実施例2は5、実施例3は極めて大きな増加、実施例4は15、実施例5は23、実施例6は6、実施例7は1.3、実施例8は22.5であった。よって、脱臭成分を添加することによりガス吸着速度が格段に向上したと言える。
【0083】
以上の結果から、前述のような脱臭成分と調湿成分とを混合することにより、アンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタンに代表される塩基性,酸性の悪臭物質全般に対して高いガス吸着性を有する調湿脱臭剤を製造することができることが分かる。
次に、実施例9〜12及び比較例11〜14について、悪臭物質の脱臭試験を行った結果を説明する。
【0084】
まず、悪臭物質がアンモニアである場合について説明する。なお、アンモニアの場合は、初期濃度は100ppmである。表7から明らかなように、実施例9〜12及び比較例11〜14はいずれも、アンモニアのガス吸着速度及びガス吸着量が高かった。
【0085】
【表7】
【0086】
次に、悪臭物質が硫化水素である場合について説明する。なお、硫化水素の場合は、初期濃度は20ppmである。表8から明らかなように、実施例9〜12の方が比較例11〜14よりも硫化水素の濃度が大きく減少しており、ガス吸着性が優れていることが分かる。
【0087】
【表8】
【0088】
次に、悪臭物質がホルムアルデヒドである場合について説明する。なお、ホルムアルデヒドの場合は、初期濃度は20ppmである。実施例9〜12と比較例11〜14の吸着効果の比較から、脱臭成分を添加した場合、ガス吸着速度は変わらないか又は10%向上することが分かった。
ここで、悪臭物質がアンモニア,硫化水素である場合について、実施例9〜12及び比較例11〜14のガス吸着速度を算出した結果を表9に示す。
【0089】
【表9】
【0090】
アンモニアについては、脱臭成分よりも調湿成分の方が吸着性に優れていることから、脱臭成分を添加することによるガス吸着速度の向上は僅かであった。この場合においても、調湿成分のガス吸着性が高いため、脱臭成分の添加により調湿成分のガス吸着性が悪影響を受けることはなく、高いガス吸着性が得られた。また、硫化水素については、それぞれ対応する比較例のガス吸着速度を1とした場合のガス吸着速度を算出して比較すると、実施例9は1.7、実施例10は1.6、実施例11は1.7、実施例12は1.6であった。よって、脱臭成分を添加することによりガス吸着速度が格段に向上したと言える。
【0091】
〔悪臭物質の脱臭繰り返し試験の結果について〕
実施例2,比較例2,及び比較例10について、悪臭物質の脱臭繰り返し試験を行った。
悪臭物質がアンモニアである場合の結果を図5に示す。図5から、比較例10、すなわち脱臭成分のみの場合は、アンモニアのガス吸着速度が遅いことが分かる。これに対して、実施例2の場合は、アンモニアのガス吸着速度が極めて早く、且つ30回の繰り返し試験によっても吸着性が飽和に達していないことが分かる。よって、実施例2はアンモニアに対し高い吸着性を有していると言える。
【0092】
次に、悪臭物質が硫化水素である場合の結果を図6に示す。図6から、比較例2、すなわち珪質頁岩のみの場合は、硫化水素のガス吸着速度が極めて遅いことが分かる。これに対して、実施例2の場合は、硫化水素のガス吸着速度が極めて早く、且つ20回以上の繰り返し試験によっても吸着性が飽和に達していないことが分かる。よって、実施例2は硫化水素に対し高い吸着性を有していると言える。
【0093】
次に、悪臭物質が二酸化硫黄である場合の結果を図7に示す。図7から、実施例2,比較例2,及び比較例10のいずれの場合でも、二酸化硫黄のガス吸着速度が早く、且つ20回以上の繰り返し試験によっても吸着性が飽和に達していないことが分かる。よって、実施例2は二酸化硫黄に対し高い吸着性を有していると言える。
【0094】
次に、悪臭物質がメチルメルカプタンである場合の結果を図8に示す。図8から、比較例2、すなわち珪質頁岩のみの場合は、メチルメルカプタンのガス吸着速度が極めて遅いことが分かる。これに対して、実施例2の場合は、メチルメルカプタンのガス吸着速度が極めて早く、且つ20回以上の繰り返し試験によっても吸着性が飽和に達していないことが分かる。よって、実施例2はメチルメルカプタンに対し高い吸着性を有していると言える。
【0095】
以上の結果から、前述のような脱臭成分と調湿成分とからなり焼成を行った成形体は、悪臭物質の脱臭に対し極めて効果が高く、長期間にわたっての使用に耐え得るものであることが分かる。
〔機械的強度測定の結果について〕
実施例9〜12及び比較例11〜14について、機械的強度(曲げ強度)を測定した結果を表10に示す。
【0096】
【表10】
【0097】
それぞれ対応する比較例の機械的強度を1とした場合の機械的強度を算出して比較すると、実施例9は1.2、実施例10は1.1、実施例11は1.6、実施例12は1.2であった。
よって、脱臭成分と調湿成分とを均一になるように混合粉砕することにより、ガス吸着性能が向上することに加えて、機械的強度も向上することが分かった。機械的強度は、湿式で混合粉砕を行うよりも乾式で行った方がより向上したため、メカノケミカル的な機構により強度向上が生じていると考えられる。
【0098】
以上のような各種試験結果から、本実施例の成形体はいずれも高い調湿効果を有しており、且つ、アンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタンに対して有効な脱臭効果を有していることが分かった。そして、吸着物の脱離が、温度40℃においてもほとんどないことが分かった。
また、混合粉砕を行うことにより、高い機械的強度を得ることができることが分かった。
【0099】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る請求項1の調湿脱臭剤は、脱臭成分と調湿成分とを備えているので、優れた脱臭性能と調湿性能とを併せ持ち、しかも長期間にわたってそれらの性能を発揮する。特に、産業廃棄物を原料として製造されるものであるので、製造コストが低いことに加えて、環境負荷の低減と産業廃棄物の減量化とに寄与する。
【0100】
また、本発明に係る請求項3の調湿脱臭剤の製造方法によれば、脱臭性能と機械的強度とのバランスを任意に制御して成形体を製造することができる。特に、本発明に係る請求項4の調湿脱臭剤の製造方法によれば、高い機械的強度を有する成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の調湿脱臭剤の水蒸気吸着等温線を示すグラフである。
【図2】実施例4の調湿脱臭剤の水蒸気吸着等温線を示すグラフである。
【図3】実施例6の調湿脱臭剤の水蒸気吸着等温線を示すグラフである。
【図4】実施例8の調湿脱臭剤の水蒸気吸着等温線を示すグラフである。
【図5】実施例2の調湿脱臭剤についてアンモニアの脱臭繰り返し試験を行った結果を示すグラフである。
【図6】実施例2の調湿脱臭剤について硫化水素の脱臭繰り返し試験を行った結果を示すグラフである。
【図7】実施例2の調湿脱臭剤について二酸化硫黄の脱臭繰り返し試験を行った結果を示すグラフである。
【図8】実施例2の調湿脱臭剤についてメチルメルカプタンの脱臭繰り返し試験を行った結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 金属の水酸化物及び金属の酸化物の少なくとも一方を主成分とする脱臭成分と、無機材料からなる調湿成分と、を含有しており、脱臭性能と調湿性能とを有する調湿脱臭剤であって、
前記金属は鉄及びチタンであり、前記無機材料は珪藻土,珪質頁岩,活性白土,ゼオライト,セピオライト,アロフェン,イモゴライト,粘土系鉱物のうちの少なくとも一種であるとともに、
前記脱臭成分は、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸と、前記製造過程において排出されるチタン,鉄の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーと、の少なくとも一方を原料とすることを特徴とする調湿脱臭剤。 - 所定の形状に成形され、焼成されていることを特徴とする請求項1に記載の調湿脱臭剤。
- 請求項2に記載の成形体状の調湿脱臭剤を製造する方法であって、
前記脱臭成分及び前記調湿成分を混合する混合工程と、前記混合工程により得られた混合物を成形体とする成形工程と、を有していて、
前記混合工程において前記脱臭成分及び前記調湿成分の平均粒径を制御することにより、前記成形体の脱臭性能と機械的強度とのバランスを制御することを特徴とする調湿脱臭剤の製造方法。 - 前記混合工程において前記脱臭成分及び前記調湿成分を混合粉砕法により混合することを特徴とする請求項3に記載の調湿脱臭剤の製造方法。
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JP2003035007A JP3873081B2 (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 調湿脱臭剤及びその製造方法 |
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