JP3872997B2 - 農用トラクタの走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の側方から突出させた変速操作レバーを操作することにより車両の変速を行うこととした、農用トラクタの走行制御装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、変速操作レバーの操作に応じて、無段変速装置の変速比を変更することにより、車両を変速させることとした、農用トラクタの走行制御装置の技術は公知とされている。これは、変速操作レバーを手で持って傾動する簡易な操作方法により車両の速度を操作できる点で有用であり、広く採用されている。
【0003】
ここで、無段変速装置の変速比を変更操作するための変速操作手段は、ステップ上に配置したペダルとするか、座席側部に配置したレバーとするのが通例であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで一般に、農用トラクタから降りた状態で、オペレータが機体を前後進させることができれば便利である。例えば山間地等の急傾斜等においては、トラクタは機体のバランスを崩しやすいので、オペレータがトラクタから降りた状態で操作できれば安心である。
【0005】
この点、変速操作の方法をペダルとする構成では、農用トラクタから降りた状態で該ペダルを踏動することはほとんど不可能であった。残るは、変速操作の方法をレバーとする構成であるが、変速操作レバーを座席側部に配置する従来の構成は、座席に着いた状態のオペレータが操作を容易に行えることを主眼としたレイアウトであるため、車両から降りた状態で該レバーを操作するのは必ずしも容易とはいえなかった。
【0006】
また、農用トラクタから降りた状態で容易に操作できるという観点からみれば、変速操作レバーの位置は、オペレータが歩行しながら手を掛けることができる位置となるよう、ある程度高い位置に配設することが必要とされる。また、ステアリングハンドルと同時に操作する場合があることを考慮すれば、変速操作レバーは、ダッシュボードの側部に配置する等、ステアリングハンドルに対し近い位置にあるのが望ましい。一方、機体前部にエンジンを配置し、該エンジンの駆動力をトランスミッションに伝達することにより後輪を駆動するのが、農用トラクタの最も一般的なレイアウトであり、その駆動力を伝達する経路の中途に主変速装置である無段変速装置を配置するのが通例であることから、無段変速装置は農用トラクタの下部かつ後部に配置されるのが一般である。
【0007】
従って、変速操作レバーと無段変速装置は互いに遠い位置に配置されることとなり、両者を互いに連係させるリンク機構の構成を、複雑とならないようにコンパクトに構成する必要もある。また、ステアリングハンドルの操作に応じて車輪を操向させる機構が、前記リンク機構と干渉しやすいことが考えられ、設計の自由度を大きく確保する要請も考慮される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
請求項1においては、車両後部に油圧リフト装置(29)を介して作業機を昇降自在に設け、車輪駆動用の静油圧式無段変速装置(14a)を具備し、ダッシュボード(8)上のハンドルコラム(38)にステアリングハンドル(9)を支持した農用トラクタから、オペレータが降車した状態で、機体を前後進操作可能とする走行制御装置において、前記静油圧式無段変速装置(14a)に連動連係する変速操作軸(100)を、前記ハンドルコラム(38)に配置して、該変速操作軸(100)は、その軸線の方向を略上下方向とし、かつ、その軸線まわりで回転自在となるよう支持し、変速操作レバー(41)は、そ の握り部(41a)を、前記ダッシュボード(8)の側面に開けた開口(95)より機体略左右一方側へ指向させ、また、その基部を前記ダッシュボード(8)内で前記変速操作軸(100)に接続し、該変速操作レバー(41)の操作に応じて該静油圧式無段変速装置(14a)の変速比を変更させて車両を変速させるように構成し、前記変速操作レバー(41)を前進位置から後進位置へ切り換える際、又は後進位置から前進位置へ切り換える際には、前記変速操作レバー(41)を一旦、中立位置において上下方向に回動する操作を行う構成とし、前記油圧リフト装置(29)は、中立位置で変速操作レバー(41)を上下いずれか一方に回動する操作に連動して作業機を上昇させるように連係機構を構成したものである。
【0010】
請求項2においては、請求項1記載の農用トラクタの走行制御装置において、該連係機構はワイヤー(109)により構成し、前記油圧リフト装置(29)は、連係機構であるワイヤー(109)を介して変速操作レバー(41)に連結し、該変速操作レバー(41)を上方回動すると張引されるワイヤー(109)が、該油圧リフト装置(29)に設けた作業機昇降アーム(126)をリフトアーム(45・45)の上げ操作の方向に連係しているものである。
【0011】
請求項3においては、請求項2記載の農用トラクタの走行制御装置において、前記変速操作レバー(41)を上方回動すると張引されるワイヤー(109)が、該油圧リフト装置(29)に設けたアーム(178)を引っ張り、カム軸(173)を回動させ、該カム軸(173)のカム部が、第二プレート(172)を第一プレート(171)から、付勢バネ(176・176)に抗して離間させて、該二枚のプレート(171・172)の間に生じていたポジションアーム(135)の圧接状態を解除し、回動フリーとなったポジションアーム(135)に連結される作業機昇降アーム(126)が、戻しバネ(170)の戻し作用によって「上昇」位置へと戻され、リフトアーム(45・45)は上昇すべく構成したものである。
【0012】
請求項4においては、請求項2記載の農用トラクタの走行制御装置において、前記油圧リフト装置(29)と変速操作レバー(41)を連係するワイヤー(109)のアウターチューブ(108)の一端が、上下方向に向けてステー(107)の先端に固設され、該ステー(107)は、前記変速操作軸(100)の上方寄りの部位に固定され、前記変速操作レバー41と略平行に延出され、該ステー(107)は、前記変速操作レバー(41)の前後回動に連動して同じく前後回動するものである。
【0013】
請求項5においては、請求項1記載の農用トラクタの走行制御装置において、前記変速操作レバー(41)の前進位置、中立位置、及び後進位置を規定するガイドプレート(105)を、該変速操作レバー(41)の中途部下方から当接可能に備え、該ガイドプレート(105)は、ハンドルコラム(38)に固定したプレート(104)の先端に固定し、該変速操作レバー(41)がガイドプレート(105)に付勢されて当接すべく、付勢バネ(71)を変速操作レバー(41)に介装したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。まず、本発明の走行制御装置を備える農用トラクタの全体構成を説明する。
【0015】
図1は本発明の走行制御装置を備える農用トラクタの全体側面図である。
【0016】
即ち、図1に示すこの農用トラクタ1においては、互いに左右平行とされた前後板状の車両フレーム3・3上にエンジン26を防振支持している。後述する伝動カバー2の後端位置における前記車両フレーム3・3の後端部には、トランスミッション14の前面を取り付け、トランスミッション14の後方左右側面にはリアアクスルケース15が配置される。トランスミッション14の前端からは入力軸14bが、後端からはリアPTO軸23が、それぞれ突出されて支持される。車両フレーム3・3の前下方にはフロントアクスルケース12を支持しており、該フロントアクスルケース12の左右に前輪4・4を懸架して、操向自在としている。また、上記リアアクスルケース15には左右一対の車軸16・16を支持しており、該車軸16・16の外端に後輪5・5を取り付けている。車両フレーム3・3の左右両側にはステップ6・6を略水平に配設しており、トランスミッション14の上方には座席7を配設し、車両フレーム3・3の前後中途部にはダッシュボード8を立設している。該ダッシュボード8の上面には計器パネル11を設け、更に前輪4・4を操向操作するためのステアリングハンドル9を突設している。
【0017】
また、ダッシュボード8の左右一側側面から変速操作レバー41が横向きに突出されて前後回動可能に支持されており、該変速操作レバー41は後述するリンク機構46により、前記トランスミッション14の後述する変速アーム14dと連係される。変速操作レバー41は、その握り部41aを機体略左右方向へ向けており、オペレータが、該握り部41aを握って中立位置から前方へ操作すると機体が前進し、後方へ操作すると後進するように構成され、また、その操作量に応じて無段に増速できるようにトランスミッション14を構成している。機体左側のステップ6上には走行停止ペダル47が枢支されており、該走行停止ペダル47を踏動することにより変速操作レバー41が直ちに中立位置に復帰され、車両を停止できるようにしている。この詳細な構成は後述する。
【0018】
前記トランスミッション14は、左右の前記車軸16・16を駆動するための静油圧式無段変速装置(以下、「HST」と称する。)14aや図示せぬ副変速機構や差動機構等によりなり、該副変速機構は歯車式として、上記座席7の側部に配設された副変速操作レバー24により切換可能とされる。また、トランスミッション14の内部には、上記リアPTO軸23に対する入力軸14bの動力伝達を選択的に入/切するための油圧多板式PTOクラッチ装置27、および、リアPTO軸23の回転方向や回転速度を変更できるPTO正逆転切換装置28が内蔵されている。また、トランスミッション14の上面には、トラクタ1の後部に作業機を昇降自在に連結するための昇降機構たる油圧リフト装置29が搭載される。
【0019】
該油圧リフト装置29と前述のHST14aに関連する油圧回路について、図2を参照しながら説明する。図2はトラクタにおける油圧回路を示した図である。
【0020】
前記HST14aは、可変容積型の油圧ポンプ121と固定容積型の油圧モータ122とを油圧的に連結して構成している。この油圧的に連結するための閉回路130・130には、作動油を補給するための一対のチェック弁131・131や、閉回路130・130の最大圧力を規定するリリーフバルブ132・132や、中立範囲を拡大するための絞り133等が設けられている。前記油圧ポンプ121のポンプ軸をHST14aの入力軸14b、即ちトランスミッション14の入力軸とし、また、この入力軸14bからギアトレーン140を介して二連の油圧ポンプ43・44が駆動されるようになっている。これらの油圧ポンプ43・44はトランスミッション14の油溜りから油を吸込み、一方の油圧ポンプ43から吐出された油は前記油圧リフト装置29用として、他方の油圧ポンプ44から吐出された油はHST14aの作動油補給用とされる。この油圧リフト装置29は、左右一対のリフトアーム45と、該リフトアーム45に連結される油圧シリンダ160と、該油圧シリンダ160に対する圧油給排を行なわせしめる方向切換弁ユニット58とを備えて、前記一方の油圧ポンプ43の吐出ポートと接続される。他方の油圧ポンプ44の吐出回路には、その吐出圧力を規定するリリーフ弁60が接続される。そこから発生するリリーフ油はオイルクーラ61を経てHST14aのハウジング14c内に入り、油圧ポンプ121及び油圧モータ122を潤滑・冷却した後、最終的にトランスミッション14の油溜りへ戻る。また、前記油圧ポンプ44の吐出回路とHST14aの作動油補給ポート125とをつなぐ経路中には、ラインフィルタ62、及び、チャージ圧力を規定するための減圧弁74が接続される。前記減圧弁74が減圧作動する際に常時発生するドレン油は、前記PTOクラッチ装置27に対する圧油給排回路の油圧源として利用される。該圧油給排回路には電磁弁80が介装されており、該電磁弁80のソレノイド80aは、計器パネル11上に配設した入切スイッチ111(図1に図示)によって、オペレータが任意にOn/Offし得るようになっている。尚、この油圧多板式のクラッチ装置27と電磁弁80との組み合わせに代えて、電磁クラッチを用いることもできる。
【0021】
この構成により、エンジン26の駆動力がトランスミッション14を介してリアアクスルケース15に伝達され、左右一対の車軸16・16を介して左右の後輪5・5を駆動する一方、該車軸16・16と同期する回転がプロペラシャフト13やユニバーサルジョイントを介してフロントアクスルケース12に伝達され、左右の前輪4・4を駆動する。また、前記入切スイッチ111をOnした場合は、前記油圧ポンプ44からの圧油が電磁弁80を介して前記PTOクラッチ装置27に供給されて「接」状態となるので、トランスミッション14後端のリアPTO軸23に対してエンジン26の動力が伝達される。従って、トラクタ1後端に接続した作業機を、該リアPTO軸23を介して駆動できるようにしている。また、前記方向切換弁ユニット58のコントロールバルブを切り換えることにより油圧シリンダ160が伸縮駆動され、前記油圧リフト装置29に連結された前記作業機を昇降駆動することができる。
【0022】
次に、前記農用トラクタにおけるエンジン26周辺の構成を、主に図1及び図3を参照しながら説明する。図3はエンジンのフライホイールとトランスミッションとの連動連結構成を示した左側面図である。
【0023】
エンジン26の前方には図示せぬラジエータやバッテリー等が配置され、上方にはエアクリーナやマフラー等を配設している。エンジン26を含むこれら装置群の周囲は図1に示すようにフロントカバー17やサイドカバー18・18やボンネットフード10で覆われており、該ボンネットフード10はその後端を後述する燃料タンク取付ステー55に枢支して前方を開閉自在としている。フロントカバー17の前照灯下部には上記ラジエータへの外気導入口30が開口されている(図1)。また、図3に示すように、エンジン26より後方位置において、左右の車両フレーム3・3の外側面に垂直フレーム53・53が固着されて上方に延出している。該垂直フレーム53・53の上端には正面視門型の燃料タンク取付ステー55が連結され、該取付ステー55の左右脚部に平板状の取付部材56・56が固設される。そして、燃料タンク21の側部に形成されたリブ22を該取付部材56・56に固定することで、該燃料タンク21が移動不能に支持される。また、この取付ステー55及び垂直ステー53に前記ダッシュボード8が固定支持される。更に、この燃料タンク21の前面を境にしてボンネットフード10内とダッシュボード8内を仕切るように、熱風遮蔽板35が前記垂直フレーム53・53に取り付けられる。該熱風遮蔽板35はその上半部を適宜折曲させて、燃料タンク21前面の形状に沿わせている。前記垂直フレーム53・53の中途部にはブラケット54が後向きに横架されて固着され、該ブラケット54には略上下方向で後傾状に配置された筒状のハンドルコラム38の基端が固設される。該ハンドルコラム38内にはハンドル軸37が回転自在に支持され、該ハンドル軸37の上端は計器パネル11の上面より突出して前記ステアリングハンドル9を固定している。
【0024】
エンジン26の前記フライホイール48はエンジンクランクケース26aの後面下部に位置させ、機体前後方向にその回転軸線を向けて配置してある。そして該フライホイール48には、そのトルク変動を吸収するための緩衝部材49を介してフランジ57が取り付けられ、該フランジ57には出力軸59が固設されて、該出力軸59は後述の伝達シャフト51や二つのユニバーサルジョイント50・52を介して、後述するトランスミッション14のエンジン入力軸14bと連動連結させて、該出力軸59を前記HST14aに対するエンジン動力伝達軸としている。
【0025】
次に、エンジン26の駆動力を前記トランスミッション14に伝達するための構成を説明する。
【0026】
トランスミッション14の前面には主変速機構としてのHST14aが配設されて前述の副変速機構に連結され、その入力軸14bを該HSTのハウジング14cより前方へ突出支持している。この入力軸14bはHSTのハウジング14cの上部に支持されており、かつ、その回転軸心がフライホイール48の回転軸心に対し、下側かつ左右一側にオフセットされた位置に配置される。前記ハウジング14cの一側側部には、上記HST14aの変速比を無段に変更させるための変速アーム14dが枢支される。そして、該変速アーム14dには、その中立位置を規定するためのデテント機構14eが配設される。このデテント機構14eは、前記変速アーム14dに固設されるカムプレート31と、該カムプレート31の端縁を転動するローラ32と、基端をハウジング14cに枢支されその中途部に該ローラ32を支持するアーム33と、該アーム33の先端を張引する付勢バネ34によりなり、変速アーム14dがその中立位置から傾動した場合に、上記カムプレート31等によるカム作用により、中立位置へ復帰させるための戻し力を該変速アーム14dに対し付与するように構成している。
【0027】
上記フライホイール48の回転をトランスミッション14の入力軸14bに伝達させるために、後述する伝動カバー2の内部に伝達シャフト51が配置され、該伝達シャフト51の一端を第一のユニバーサルジョイント50を介して、該フライホイール48に取り付けられた出力軸59に連結し、他端を第二のユニバーサルジョイント52を介して、トランスミッション14の入力軸14bに連結している。また、前述したユニバーサルジョイント50・52、伝達シャフト51、HST14aの上部は、前記ステップ6・6間に跨るように車両フレーム3・3上に載置した、断面視山形をした伝動カバー2によって覆っている。
【0028】
次に、本発明の要部である走行制御装置の構成を、図3から図7までを主に参照しながら説明する。図4はダッシュボード内部の構成を示した背面図、図5は変速操作レバーと変速操作軸とを連結する構成を示した平面図、図6は同じく側面断面拡大図、図7は同じく背面拡大図である。図8は燃料タンクと変速操作レバーとの関係を示す斜視図である。
【0029】
本走行制御装置は、前記ハンドルコラム38の一側側部に以下の如く支持した変速操作レバー41と、該変速操作レバー41をトランスミッション14の変速アーム14dに連結するリンク機構46によりなる。まず、変速操作レバー41について説明する。該変速操作レバー41は横向きに配置され、以下に示す如く、ダッシュボード8の一側側面の開口95を挿通させながら突出させて、前後及び上下回動可能としている。該ダッシュボード8は上側半部8tと下側半部8bとを接合させることにより構成される。前記上側半部8tは、その上面中央部には計器パネル8cを、また変速操作レバー41の握り部41aの側には変速ガイド用の銘板8dをそれぞれ備えている。該上側半部8tと下側半部8bとの接合部周縁は図1に示すように後下がり状の斜状に構成され、かつ側面視においてクランク状に切り欠いてある。そして上側半部8tにおいては、その左右両側側部の下縁の一定領域が上記接合部に沿って適宜幅だけ欠切されており、この上側半部8tを下側半部8bと接合することで、ダッシュボード8の左右両側の側面において、該下側半部8bとの間に前記開口95・95が形成されるように構成してある。この二つの開口95・95のうち、機体左側の開口95からは前記変速操作レバー41が突出し、機体右側の開口95からは図示しないスロットルレバーが突出する。機体左側の開口95は変速操作レバー41のシフト操作方向を案内するためのものであり、変速操作レバー41の中立位置に相当する部分には略上下方向の短い溝が形成され、この短い溝の上端から前進用シフトガイド溝96が前方に向かって延伸される一方、下端からは後進用シフトガイド溝97が後方に向かって延伸されるようにし、前進用・後進用双方のシフトガイド溝(96・97)をクランク状に連続させた形状としている。この開口95の形状により、オペレータが変速操作レバー41を前進位置から後進位置へ切り換える際、あるいはその逆に切り換える際には、いったん変速操作レバー41を中立位置において、上下方向に回動する操作を行わなければならないようになっている。
【0030】
前述の燃料タンク21は、ハンドルコラム38とエンジン26とに前後を挟まれた狭いスペースに配置されている。しかし該燃料タンク21の背面部分は、その左右側をハンドルコラム38を抱きかかえるように後方へ延出させて膨出部21a・21aとしてあり、この膨出部21aを有する形状とすることで、燃料タンク21中央部分の前後幅を短くしつつも、必要な燃料タンク容量が確保されるようになっている。なお、機体左側の膨出部21aの上面においては、前記変速操作レバー41の回動軌跡近傍において凹部21bが形成してあり、この凹部21bを前記変速操作レバー41の中途部が通過するようにして、該変速操作レバー41と該膨出部21aの干渉を防止している。
【0031】
該変速操作レバー41は図4に示すように背面視で適宜折曲されており、その先端に設けた握り部41aは上記ステアリングハンドル9の左下方位置に配置されて、機体略左右方向(本実施例では、機体左側方向)へ指向させている。この構成により、オペレータはトラクタから降りた状態でも、機体の左側方に位置して、右手をステアリングハンドル9、左手を前記変速操作レバー41にそれぞれおくことで、トラクタ1の進行方向及び速度を操作できるようになっている。
【0032】
次に、この変速操作レバー41と前記変速アーム14dとを連係するためのリンク機構46を説明する。図4に示すように、ハンドルコラム38の下部には下ステー99aが突設されて一側側方に延出される。該下ステー99aには、後ろ向きに傾斜した該ハンドルコラム38の側方に平行に配置される変速操作第一軸101が、その上下方向の軸線まわりで回転自在となるよう支持される。変速操作第一軸101の上端部はダッシュボード8の上側半部8tの計器パネル8cの下方に位置させて、後述する該変速操作軸100全体がダッシュボード8内部に収まるように構成している。該変速操作第一軸101の下方には変速操作第二軸102が鉛直上下方向に立設されて回転自在とされ、その上端は自在継手103を介して上記変速操作第一軸101の下端に連結させている。一方、車両フレーム3・3間には底板81が水平に装架され、該底板81上面にはボス部を設けて、該ボス部に上記変速操作第二軸102の下端を支持させている。この変速操作第一軸101と変速操作第二軸102、及び前記自在継手103をもって、変速操作軸100が構成される。該変速操作軸100は図4に示す如く、ハンドルコラム38の機体左右一側の側方に配置され、かつ、全体としてその軸線を略上下方向に向けており、該軸線まわりに回動自在に支持されている。但し、変速操作軸100を二本の軸101・102を連結したものとする本実施例の構成は一例であって、例えば一本の軸を「L」字状に曲げて変速操作軸を構成しても良いし、三本以上の軸を自在継手を介して連結した構成としても構わない。しかしながら本実施例の方が、次に説明するように、効果的に更に優れるのである。
【0033】
図5〜図7に示すように、変速操作第一軸101の上端にはU字状片101aがその解放部分を上に向けるように固設され、該U字状片101aの間には、変速操作第一軸101に対し直角に指向された支軸66が架設される。そして、前記変速操作レバー41の基端に設けられる筒部41bを、該支軸66に支持している。これにより、変速操作レバー41が該支軸66の軸線まわりに上下に揺動自在とされながら変速操作軸100上端に連結され、また、変速操作レバー41を前後に回動した場合は、それに応じて、変速操作軸100全体がその軸線まわりに回転されることとなる。
【0034】
図6・図7に示す如く、変速操作レバー41の上記筒部41bにはステー70が固設されて付勢バネ71の一端が取り付けられ、該付勢バネ71の他端は、上記変速操作第一軸101の中途部に設けられたステー72に係止している。この付勢バネ71は上記変速操作レバー41を上方回動方向へ付勢する役割を果たしており、従って、オペレータが変速操作レバー41を中立位置から後進位置へ操作する際は、該付勢バネ71に抗して変速操作レバー41を下方へ回動するという段階を踏まなければならないようになっている。この構成により、トラクタの前進中にオペレータが何かのはずみで変速操作レバー41に触れたような場合でも、該変速操作レバー41は付勢バネ71により上方へ付勢されているので、下側寄りの位置に形設された後進用シフトガイド97に入り込むことがなく、トラクタ1がオペレータの意思に反して進行方向を突如反転するような事態は確実に防止される。
【0035】
前記U字状片101aの上縁には平板状のデテントプレート65が固着され、該デテントプレート65は基軸68を介して、ハンドルコラム38上部に固着した上ステー99bに固定されるブラケット67に、回動自在に取り付けられる。基軸68の軸線は上記変速操作第一軸101の回転軸線と一致させており、変速操作レバー41を前後方向に回動した場合は、変速操作第一軸101及びデテントプレート65が一体となって、前記ブラケット67に対し該変速操作第一軸101の軸線(該基軸68の軸線)まわりに回動するように構成している。
【0036】
前記ブラケット67上には、変速操作レバー41の操作フィーリングを良好とするための、デテント機構69が設けられる。該デテント機構69は図6に示す如くデテントボール69aをバネ付勢した通例のものであり、上記変速操作レバー41が中立位置にあるときは、デテントプレート65上面に形成したデテント溝65aに該デテントボール69aが係合するように構成し、手の感触によりオペレータが中立位置を確認できるようにして、操作性を高めている。また、前記基軸68には皿バネ73が設けられており、ブラケット67をデテントプレート65に対し押圧付勢することにより、両者65・67の間に適度の摩擦力を生じさせて、いわゆるフリクション機構を構成している。この摩擦力は、変速操作レバー41に連係されているトランスミッション14の変速アーム14dにデテント機構14eからの戻し力が加えられていることを原因とする、変速操作レバー41を中立位置に戻そうとする力に抗するためのものであり、これにより、オペレータが変速操作レバー41を前進又は後進位置とした状態から手を離した場合でも、変速操作レバー41は中立位置へ復帰されず、その操作位置が保持されるようになっている。
【0037】
変速操作第二軸102の下端(即ち、変速操作軸100の下端側)には揺動アーム63が植設されて、該揺動アーム63の先端側(遊端側)にはプッシュプルロッド64の一端が枢結される。プッシュプルロッド64は前記車両フレーム3・3間で機体前後方向に進退自在に配設され、その他端を、HST14aの前記変速アーム14dに連結させている。更に変速操作第二軸102には、後述する中立戻し機構と連動連係するための、戻しアーム90が突設される。
【0038】
この構成において、オペレータが変速操作レバー41を前後方向に回動させると、該変速操作レバー41の基部に連結される変速操作軸100全体が回転され、該変速操作軸100の下端に設けられる揺動アーム63が水平方向で前後に揺動される。従って、該揺動アーム63に連結されるプッシュプルロッド64が変速アーム14dを押動又は張引して、前記HST14aの変速比が変更されて車速が変更されることとなる。
【0039】
次に、上述の走行停止ペダル47の踏動により強制的に変速操作レバー41を中立復帰させる、中立戻し機構の構成を説明する。図9は走行停止ペダルを変速操作レバー及び変速アームと連係させる構成を示した右側面図、図10は同じく平面断面図、図11は同じく斜視図である。また、図12は走行停止ペダルを踏み込まない状態でのカム板及びピンの状態を示した、平面断面拡大図、図13は走行停止ペダルを踏み込んだ状態でのカム板及びピンの状態を示した、平面断面拡大図である。図14はPTOクラッチ装置を入切操作するための電気回路を示した図である。
【0040】
前記底板81の下面には、操向ブレーキペダルの一対(図外)を右側のステップ6に配設させるための、ブラケット82を吊下させている。該ブラケット82の左面には、支軸83が回転自在に水平に支持される。そして該支軸83の一端側には、上記走行停止ペダル47の基部47aを相対回転不能に固定している。この走行停止ペダル47は、筒状に形成した前記基部47aと、オペレータが踏動するための踏面部47bと、該踏面部47bに前記基部47aを連結する連結部47cとからなり、前記支軸83を介して該基部47aを上記ブラケット82に支持することにより、走行停止ペダル47全体が枢支される。上記支軸83の他端側には、押動アーム84が後方に向けて突設される。前記ブラケット82には更に、ベルクランク85が回動自在に支持される。該ベルクランク85は互いに略垂直とされた二本のアーム85a・85bを有しており、第一のアーム85aは前方に延出され、その先端は中間リンク86を介して、上記支軸83に取り付けられた押動アーム84に連結している。第二のアーム85bは上記底板81に設けた孔から上方へ延出され、その先端に連絡ロッド87の一端を枢結している。該連絡ロッド87は前方に延出され、以下に説明するカム板88の第一のアーム部88aに他端を連結している。このカム板88は水平に配置され、前記連絡ロッド87の前端を枢結するための第一のアーム部88aと、後述するバイパス操作機構151に信号を送るための第二のアーム部88bと、後述する戻しアーム90のピン91を挿通させるためのカム孔88cと、該カム板88全体を底板81上に揺動自在に支持するための回動基部88dと、を有している。また、前記底板81には、後述する付勢バネ89による付勢力を受けて回動しようとするカム板88を、その端縁を当接させることにより静止させるための、ストッパ92を立設している。前記カム孔88cの形状は、その左右一側を前後幅を広く形成した領域aとし、左右他側に向かうに従って前後幅を狭窄させていく中間域bとして、その形状がおよそ三角形となるように構成してある。そして該カム孔88cの左右他側の端部においては、前記ピン91の幅に一致させた幅の溝cを形成している。カム板88の前記第二のアーム部88bの先端は、ワイヤ機構36により、後述するバイパス操作機構151の入力アーム153に連係させている。
【0041】
一方、図4・図9・図10に示すように、前述の変速操作第二軸102には戻しアーム90が突設されており、該戻しアーム90は上記カム板88の方向へ向けて延出され、該カム板88と重ね合わされる。この戻しアーム90先端にはピン91が立設されて、該ピン91は上記カム孔88c内を挿通させてある。このピン91とカム孔88cとを介して該戻しアーム90とカム板88とを係合させることとして、前記揺動アーム63とカム板88とを連動連係させているのである。従って、前記変速操作レバー41の回動により変速操作軸100が回転されると、それに応じて戻しアーム90上の前記ピン91がカム孔88c内を略前後方向に移動するようになっている。また、前記連絡ロッド87には付勢バネ89の一端が係止されており、該付勢バネ89の他端は底板81の適宜位置に係止して、該連絡ロッド87の後端を前方に向けて張引して、これにより走行停止ペダル47が図示の位置に直立付勢される。
【0042】
また、走行停止ペダル47の踏込みを検知するリミットスイッチ20が、該ペダル47と前記カム板88とを連結する前述のリンク機構中に配置される。該リミットスイッチ20は常時閉じタイプのものが用いられ、図14に示すように、前述した電磁弁80のソレノイド80aに対する電気回路中において前記入切スイッチ111と直列接続される。このリミットスイッチ20は、走行停止ペダル47の踏込みに応じて動くリンクの一つによって、Onされて開かれるようにしている。本実施例においては、前記ベルクランク85の第二のアーム85bに小片19を突設してあり、走行停止ペダル47の踏込み解除時には前記リミットスイッチ20の接片を該小片19が押動してOffとする一方、走行停止ペダル47の踏込み時にはベルクランク85の回転によって前記小片19がリミットスイッチ20の押動を解除して、Onされて開かれるようになっている。
【0043】
この構成の作用を説明する。前記走行停止ペダル47が踏動されない通常時においては、前記カム板88は図10に示す如く、前記付勢バネ89が連絡ロッド87を介して加える付勢力(符号Fで示す力)により、前記ストッパ92にその端縁を当接させて静止される。そして、この場合は、戻しアーム90上の上記ピン91がカム孔88cの前後幅の広い領域aに位置され、また、変速操作レバー41が中立位置にあるときのピン91の位置(以下、この位置を、ピンの中立位置と称する。)91Nは、図10・図12に示す如く該前後幅の広い領域aにおける前後中間部となるように、前記カム板88や前記戻しアーム90の位置を調整している。従って、かかる状態ではピン91に対するカム孔88cの規制が働かないため、戻しアーム90は図12の太線の矢印に示すように前後方向に自由に揺動でき、このことより該戻しアーム90に連係される前記変速操作レバー41も、前進及び後進位置に自由に操作することができる。従って、該変速操作レバー41の操作位置に応じた位置にHST14aの変速アーム14dが傾動されることにより、車速の変更及び進行方向の切換が行われる。
【0044】
一方、オペレータが前記走行停止ペダル47を踏み込むと、該走行停止ペダル47の基部47aに固定される支軸83が回転され、該支軸83に固着される前記押動アーム84が上方向に回動されて中間リンク86を押動し、該中間リンク86は前記ベルクランク85の第一のアーム85aを押動してベルクランク85全体を回転させ、該ベルクランク85の第二のアーム85bは付勢バネ89に抗して連絡ロッド87を、白抜き矢印の如く後方に張引する。該連絡ロッド87はカム板88に形成した前記第一のアーム部88aを張引して、カム板88を図10における反時計回り方向(力Fの方向と反対の方向)に回転させる。これによりカム孔88cが移動されて、戻しアーム90上の前記ピン91は、カム孔88cにおいて狭窄状とされた前記中間域bの端縁に当接してガイドされ、最終的にピン91は、図13に示すようにカム孔88c終端の溝cに入ることとなる。ここで、この溝cに入った場合のピン91は、その位置が中立位置91Nとなるように、溝cの前後位置が決定されている。従って、前記ピン91は該溝cに係合することにより強制的に中立位置とされ、このことより前記戻しアーム90に変速操作軸100を介して連係される前記変速操作レバー41も(前記フリクション機構の摩擦力にかかわらず)中立位置に強制復帰され、トランスミッション14の変速アーム14dも中立位置とされて、前記HSTが中立位置に戻されて車両は直ちに停止されるのである。また、前記入切スイッチ111をOnしソレノイド80aが励磁されているときはPTOクラッチ装置27が「接」状態となっているが、この状態から走行停止ペダル47を踏み込むと、前述のとおり車両が停止されるのに加えて、リミットスイッチ20がOnされ開かれてソレノイド80aへの通電が一時的に遮断されるため、PTOクラッチ装置27が「断」状態となる。つまり、走行停止ペダル47が実質的に主クラッチペダルとして機能するように構成しているのである。
【0045】
但し、前記カム板88によるカム機構は、一例であり、カム作用を行うものである限りは他の構成とすることも構わない。例えば円柱カム等の、板状でないカムを用いることも考えられる。
【0046】
尚、走行停止ペダル47を踏み込んだときに中立位置に戻されるべきHST14aの変速アーム14dが、前記リンク機構46中の組立誤差や調整不良等の原因により、完全に中立位置まで戻りきっていないと、トラクタが微速で走り続けてしまうことになるが、本実施例では、このような不具合を次のような手段で解消してある。即ち、図2に示すように、HST14aの閉回路130・130に配設した一対の作動油補給用チェック弁131・131に、該チェック弁131・131を外部より開放し得るようにプランジャ150・150を平行状に装備させてある。そして図11に示すように、HST14aのハウジング14cの外壁には、これらのプランジャ150・150の遊端部に当接する一対のプッシュアーム152・152と入力アーム153とでなるバイパス操作機構151が取り付けられ、前記入力アーム153はワイヤ機構36を介して前記カム板88の前記第二のアーム部88bに連結されている。
【0047】
この構成の作用を説明する。前述したように走行停止ペダル47を踏み込んでカム板88が戻しアーム90を中立位置へ戻すよう揺動するときには、その動きが略同時に入力アーム153にも伝達され、プッシュアーム152・152の各々がプランジャ150・150を介してチェック弁131・131を強制的に開いてHST14aの閉回路130・130をバイパスさせることにより、変速アーム14dが正確に中立位置に戻されていなくともトラクタは確実に停止することになる。尚、トラクタ停止後に走行停止ペダル47の踏込みを解除したときには、チェック弁131・131は閉じられて前記閉回路130・130の短絡が解除されるが、変速操作レバー41は中立位置又は中立位置近傍にまで戻っているため、微速で走り出すことはあっても、急発進することはないのである。
【0048】
次に、前記ステアリングハンドル9の操作に応じて、前輪4・4を操向させるための操舵機構の構成を説明する。図15は操舵機構の構成を示した右側面図である。
【0049】
前記車両フレーム3・3の下面に装架される前記底板81の左側方には、その下面に操舵機構支持フレーム93を固着している。該操舵機構支持フレーム93には斜状の支持面を形成し、該支持面には以下に説明する操舵機構42を付設して支持している。該操舵機構42は、上記操舵機構支持フレーム93に一端を支持され他端を前記ハンドル軸37に連結される入力軸40と、該入力軸40の下端に取り付けられるピニオン94と、前記操舵機構支持フレーム93に回動自在に支持され該ピニオン94に噛合される扇状のステアリングギア98と、該ステアリングギア98の機体外側端部に枢結される出力ロッド79とによりなる。
【0050】
ここで、前記ハンドル軸37を支持するハンドルコラム38の基部は、前記トランスミッション14に対するエンジン動力伝達軸である前記出力軸59の真上に設置しており、該ハンドルコラム38の基部から下方に延伸されたハンドル軸37に、前記入力軸40が、自在継手39を介して連結される。従って、該入力軸40は該出力軸59との干渉を避けるべく、図4に示すように下部が背面視左右一側となるよう斜状に配置される。また、該操舵機構42は、前記変速操作軸100を設けた側とハンドルコラム38を挟んで機体左右方向反対側に配置されるようにしている。これにより、ダッシュボード8内で変速操作軸100と操舵機構42やその入力軸40とが互いに干渉することがなく、すっきりとまとまったレイアウトとすることができる。
【0051】
一方、上記フロントアクスルケース12の左右両側には、回動ケース75L・75Rが図示せぬキングピン軸を介して操舵自在に設けられており、左右の該回動ケース75L・75Rからはそれぞれナックルアーム76・76が突設されて、左右の該ナックルアーム76・76の先端同士がタイロッド77により連結される。また、左右一側(上記操舵機構42を配置した側)の回動ケース75Lには更に舵取アーム78が設けられてあり、該舵取アーム78の先端には、前述した操舵機構42の出力ロッド79を枢結させている。
【0052】
この構成において、ステアリングハンドル9を回動操作すると、ハンドル軸37が回転されて入力軸40が回転し、ピニオン94が回転されてステアリングギア98を回動させ、出力ロッド79を前後に進退駆動させる。従って、該出力ロッド79に連結される回動ケース75L・75Rが左右方向に回動されて、前輪4・4の方向が変更されて機体が旋回されることとなる。
【0053】
次に、走行制御装置の変形例を説明する。図16は走行制御装置の変形例を適用したトラクタの構成を示した全体側面図、図17はガイドプレートの取付けを示す側面図一部断面図、図18はガイドプレートの凹部の形状を示す拡大側面図である。図19はガイドプレートの取付けを示す背面図である。
【0054】
この変形例を適用したトラクタ1’が図16に示され、この図に示すトラクタ1’においては、前記変速操作レバー41の中途を挿通させる開口95’を、図1の場合に示すような後下がりの斜状とせず、図16に示す如く略水平に形成している。該開口95’においては、変速操作レバー41の中立位置に相当する部分に略上下方向の短い溝が形成され、この短い溝の下端寄りの位置から前進用シフトガイド溝96が前方に向かって延伸される一方、上端からは後進用シフトガイド溝97が後方に向かって延伸されるようにし、前進用・後進用双方のシフトガイド溝(96・97)を略クランク状に連続させた形状としている。即ち該開口95’は、およそ前記開口95の上下を反転させた形状となっている。
【0055】
本トラクタ1’のダッシュボード8の内部の様子が図17に示され、この図に示すように、ハンドル軸37がハンドルコラム38内に回転自在に支持され、該ハンドル軸37の上端にステアリングハンドル9を固定している。ハンドル軸37の下端は前記自在継手39を介して入力軸40に連結させてある。そして、該ハンドルコラム38の側部には変速操作第一軸101が立設されて、回転自在に支持されている。前述のように前記開口95’を側面視略水平としたことに対応させて、該変速操作第一軸101は側面視においてハンドルコラム38に平行な斜状とせず略鉛直に配置され、これによって変速操作レバー41の前後回動方向が略水平となるようにしている。
【0056】
該変速操作第一軸101の上端にはU字状片101aが設けられて、該U字状片101aの間には支軸66が、変速操作第一軸101の軸線に対し直角に指向されて架設される。そして、前記変速操作レバー41の基端に設けられる筒部41bが、該支軸66に外嵌され、回動自在とされている。これにより、変速操作レバー41が該支軸66の軸線まわりに上下に揺動自在とされながら変速操作軸100上端に連結され、また、変速操作レバー41を前後に回動した場合は、それに応じて、変速操作第一軸101を含む変速操作軸100全体がその軸線まわりに回転されることとなる。
【0057】
図19に示す如く、前記変速操作レバー41の前記筒部41b寄りの中途部においてステー70が設けられ、該ステー70に付勢バネ71の一端が係止されるとともに、該付勢バネ71の他端は、前記変速操作軸101中途部に形設したステー72に係止される。この付勢バネ71は変速操作レバー41を、前述の最初の実施例の付勢バネ71(図4)とは逆の方向、即ち下方回動させる方向に付勢する。従って、オペレータが変速操作レバー41を中立位置から後進位置へ操作する際は、該付勢バネ71に抗して変速操作レバー41を上方へ回動するという段階を踏まなければならないようになっている。なお、符号112は、変速操作レバー41の前後回動位置を保持するためのフリクション機構である。前記付勢バネ71については、図19のように引張りバネとする構成に限らない。例えば、支軸66、あるいは変速操作レバー41の筒部41bに捩りコイルバネを外嵌させるようにしても、変速操作レバー41に対する下方回動付勢を行わせることができる。
【0058】
この変形例においては図17・図19に示すように、細長いプレート104の長手方向一側をハンドルコラム38の外周面(後面)に熔接してあり、該プレート104の他側は前記変速操作レバー41と同じ側に延出されながら折曲され、機体前方に向けてある。プレート104の前記他側には、ガイドプレート105がボルト106・106によって固定されている。そして図18に示すように、このガイドプレート105の上縁には凹部105aが形成される一方、該ガイドプレート105の位置に対応する前記変速操作レバー41の長手方向中途部には、図18・図19に示す如く案内片25が熔接されている(図17においては図略)。この案内片25は、前記変速操作レバー41中途部から下方に延出する垂直部25aと、該垂直部25a下端から連続する水平部25bとを有する、背面視「L」字状に構成され、後述するように、該凹部105aの底部に前記案内片25の水平部25b下面を当接させてガイドするようにしている。
【0059】
ガイドプレート105の拡大図である図18に示すように、前記凹部105aの底部の形状は、その前後方向中央の領域Aが最も深くなっており、該最深部Aより前側は相対的に若干浅い部分Bとし、該最深部Aより後側は更に浅い部分Cとしてある。前記凹部105a底部の輪郭線は、最深部A・若干浅い部分B・更に浅い部分Cのいずれにおいても、(前記変速操作軸101と垂直な)ほぼ水平な直線状部分を含む形状となっており、該直線状の輪郭部分に平行となるよう前記水平部25b下面を構成して、該水平部25bの下面が直線状の輪郭部分上に乗った状態で変速操作レバー41の操作位置が保持されるようになっている。なお、以下において、前記凹部105aの底部輪郭におけるほぼ水平直線状の輪郭部分を「水平直線状部分」と称する。前記最深部Aの前後幅は、前記案内片25の水平部25bの前後幅より僅かに大きい幅となるよう構成し、案内片25が前記最深部Aに係入したとき(変速操作レバー41が中立位置にあるとき)の該変速操作レバー41の前後方向の余計なガタつきを防止している。そして、前記付勢バネ71によって下方に回動付勢される前記変速操作レバー41の前記案内片25の水平部25bが前記最深部Aに入り込むときに、前記HST14aが中立状態となるよう、該凹部105aの形状を設定している。尚、前記ガイドプレート105は前後方向(前記変速操作レバー41の前後回動操作に沿う方向)の長孔113及び前記ボルト106を介して前記プレート104に取り付けてあり、ガイドプレート105の前後位置の調整を可能としている。
【0060】
前記凹部105aにおいて、前記最深部Aと前記若干浅い部分Bとが連続する部分にはアールを形成した段部Pが設けられており、また、前記最深部Aと前記更に浅い部分Cとが連続する部分には、同様にアールを形成した段部Qが設けられている。言い換えれば、前記最深部Aに前記案内片25を位置させている変速操作レバー41は、前記付勢バネ71による付勢力に抗してこの段部P・Qを乗り越えさせなければ、前後方向に回動することができない。従って、中立位置にある変速操作レバー41にオペレータが何かのはずみで手を触れてしまったような場合でも、変速操作レバー41が中立位置から容易に回動してトラクタ1’が動き出すような事態は回避される。さらには、前記若干浅い部分Bの前後方向中途部には緩やかな段部Rが形成されており、この段部Rによるデテント機構の如くの作用によって、オペレータの変速操作レバー41を前方回動操作した時の操作フィーリングが高められている。例えば、作業機として耕耘機を採用する場合、変速操作レバー41の前方への操作量がこの段部Rを乗り越えない程のものであるときは「標準速度での耕耘」に、この段部Rを乗り越えて前方へ回動操作したときは「高速耕耘」とする。こうすれば、オペレータは変速操作レバー41の操作時に手に伝わる感触によって、いまの操作位置が「標準速度での耕耘」か「高速耕耘」かの目安を知ることができる。
【0061】
中立位置にある変速操作レバー41を、前記案内片25が前記段部Pを乗り越えるように前方へ回動すると、該案内片25は前記最深部Aから脱出して、前方の若干浅い部分Bに至る。このときに前記HST14aは前進方向に駆動されて、トラクタ1’が前進する。一方、中立位置にある変速操作レバー41を上方へ引き上げて前記案内片25に前記段部Qを乗り越えさせ、後方へ回動した場合は、該案内片25は前記最深部Aから脱出して、後方の更に浅い部分Cに至る。このときに前記HST14aは後進方向に駆動されて、トラクタ1’は後進することとなる。このように、前記ガイドプレート105は、その上縁に形成する凹部105aの輪郭によって、前記変速操作レバー41の前進位置・中立位置・後進位置を規定している。言い換えれば、ガイドプレート105を設けるという簡単な構成によって、変速操作レバー41をその有する操作位置に確実に操作できる構成が達成できるのである。
【0062】
前記変速操作レバー41の中途部を前記凹部105aに直接当接させる構成とせず、該中途部に設けた前記案内片25の水平部25bを該凹部105aに当接させる構成としているのは、変速操作レバー41を「微速前進」又は「微速後進」においた場合でも、その操作位置を安定して保持させるためである。即ち、仮に、前記変速操作レバー41の中途部を前記凹部105aの底部に直接当接させる構成とすると、変速操作レバー41が断面円形であって前記「水平直線状部分」に点接触することとなり、また、前記段部P・Qがアールを伴う形状となっている関係上、「微速前進」位置又は「微速後進」位置にある変速操作レバー41は、その下端部分が前記段部P・Qのアールに至ったときに前記付勢バネ71の下方付勢作用により該アールを滑り落ちて最深部Aに落下してしまうので、変速レバー41が中立位置へ自然に動いてしまう。結局、トラクタ1’の微速前進あるいは微速後進状態を保持したいオペレータは、変速操作レバー41の操作位置が動かないように手で保持せざるを得ないのである。その点、本構成によれば、前記凹部105aの底縁に直接当接するのは前記案内片25の平坦な水平部25bであるから、変速操作レバー41が中立位置に近い操作位置にあったとしても、該水平部25bが前記若干浅い部分Bあるいは更に浅い部分Cにおける「水平直線状部分」に乗った状態が保持されるのである。例えば図18には、変速操作レバー41が微速前進位置にある状態が鎖線で図示されている。この状態では水平部25bの略半部が前記若干浅い部分Bに乗っているので、段部Pのアール部分を滑り落ちることは回避される。このように、微速前進あるいは微速後進位置にある該変速操作レバー41が前記段部P・Qのアールを最深部A(中立位置)に向けて自然に滑り落ちることが防止されるので、トラクタ1’がオペレータの意思に反して停止することはない。
【0063】
なお、ガイドプレート105は、前記ハンドルコラム38に熔接することで堅牢に固着された前記プレート104にボルト106で固定されている構成となっているから、前記ボルト106を強力に締結している限りは、前記ガイドプレート105の前後位置が通常の使用に伴ってズレて、変速操作レバー41の操作位置がズレてしまうような事態は防止されることになる。
【0064】
そして、ガイドプレート105に形成される前記凹部105aは、変速操作レバー41の前進・中立・後進の操作位置を規定すると同時に、各操作位置から他の操作位置まで移行させる際の操作経路をも規定する。本変形例では、前記凹部105aの輪郭形状(図18に示す各部分A・B・Cや段部P・Qを含む)は、前記開口95’の側面視略クランク状の形状に対応させて、変速操作レバー41の操作経路も該開口95’の形状に沿った略クランク状となるよう、設定しているのである。但し、本変形例における操作経路は一例であってこれに限られるものではなく、前記凹部105aの輪郭形状を種々設定することによって、変速操作レバー41の操作経路を任意に設定できることになる。
【0065】
次に、前記変速操作レバー41を油圧リフト装置29に連係させる構成を説明する。図20は油圧リフト装置の右側面図、図21は同じく背面断面図、図22はアームの張引によってフリクション機構が解除される様子を示した平面断面図、図23は油圧リフト装置の底面図である。
【0066】
即ち図19に示すように、前記変速操作第一軸101の上方寄りの部位にはステー107の基端が熔接され、該ステー107は前記変速操作レバー41と略平行に延出されている。ステー107の先端には、アウターチューブ108の一端が上下方向に向けられて固定される。前記変速操作レバー41の中途部上面にはネジ止め部110が熔接され、該ネジ止め部110に、前記アウターチューブ108内を挿通されるワイヤー109の一端がネジ止めされ連結されている。このワイヤー109は後述するように、変速操作レバー41と前記油圧リフト装置29を連係させる連係機構としての機能を果たす。
【0067】
このように、アウターチューブ108の端部を支持するステー107が前記変速操作第一軸101に固設されていることから、変速操作レバー41の前後回動操作によって変速操作第一軸101が回動すると、それに応じてステー107も前後に回動することになる。従って、前記ネジ止め部110の前記ステー107先端に対する前後方向相対位置は、前記変速操作レバー41の前後回動によっても殆ど変化しない。結局、前記ワイヤー109には、前記変速操作レバー41の上下回動操作の情報のみが入力されることになる。即ち、前記変速操作レバー41の前後回動位置に無関係に、変速操作レバー41が上方回動されればワイヤー109の一端が上方に張引され、変速操作レバー41が下方回動されれば該ワイヤー109の前記張引は解除される。
【0068】
前記ワイヤー109を挿通させるアウターチューブ108の他端は、トラクタ1’後部の前記油圧リフト装置29に向けて延出される。該油圧リフト装置29の側面図が図20に示され、この油圧リフト装置29は、運転席に向けて上方に延出される作業機昇降レバー126(図16においては図示せず)の前後回動操作に応じて、該油圧リフト装置29のリフトアーム45を上下回動させ、該リフトアーム45に連結する前記作業機の昇降を行わせるものである。該作業機昇降レバー126は図20に示すように、前方回動したときは作業機を下降させ、後方回動したときは作業機を上昇させるように構成している。
【0069】
該作業機昇降レバー126の基部を外嵌させる支点軸126aは該油圧リフト装置29のケーシング139の一側側面に固設され、また、該作業機昇降レバー126の基部にはアーム127が固設されて下方に延出されている。該アーム127の先端にはロッド128の前端が枢結される。
【0070】
一方、前記作業機昇降レバー126の後方位置においては図20や図21に示すように、前記油圧リフト装置29のケーシング139側面に支軸129が水平方向に横支され、回転自在とされている。油圧リフト装置29の外側に延出する該支軸129の部分にはポジションアーム135が固定され、該ポジションアーム135の一端に前記ロッド128の後端が枢結される。これによって、該ポジションアーム135と前記作業機昇降レバー126とが連係される。尚、作業機昇降レバー126と前記ケーシング139の適宜位置との間には戻しバネ170が弾装されて、該作業機昇降レバー126を「上昇」方向に向けて常時張引付勢している。この戻しバネ170に抗して作業機昇降レバー126の操作位置を摩擦によって保持するフリクション機構149が、前記ポジションレバー135に配設される。
【0071】
このフリクション機構149の構成を説明する。図20・図21に示すように、ケース139の前記ポジションアーム135を配置した側に、第一プレート171が取り付けられている。該第一プレート171は側面視長方形状として、該ケース139に対しボルト175(図20)を用いて固定されている。そして、この第一プレート171よりケース139から離れた位置に、第二プレート172が配置される。該第二プレート172は第一プレート171に平行に取り付けられる。具体的には、第一プレート171及び第二プレート172に設けてある孔にそれぞれケース139側から二本のボルト179を挿通し、各ボルト179にはナット180を取り付けるとともに、各ボルト179・179の軸部に付勢バネ176を外嵌している。該付勢バネ176は第二プレート172とナット180との間に配置され、その弾発力によって第二プレート171を第一プレート171側へ付勢するようにしている。
【0072】
第一プレート171と第二プレート172との間には、ポジションアーム135の上部が挿入されている。ポジションアーム135の該挿入部分においては、第一プレート171を向く面及び第二プレートを向く面に、それぞれ嵌合突起174・174が形成され、各嵌合突起174にはフリクション部材177が嵌合される。このフリクション部材177は側面視において図20に示す如くリング状に形成されており、ポジションアーム135の第一プレート171を向く面及び第二プレート172を向く面のそれぞれに配置される。この構成において、前記付勢バネ176によって付勢される第二プレート172がフリクション部材177に接触し、第一プレート171側へ押し付けることで、前記戻しバネ170に抗してポジションアーム135を保持するための摩擦力を発生させている。従って、通常では、作業機昇降レバー126から手を離した場合でも、該レバー126が前記戻しバネ170によって「上昇」位置に戻ることはなく、その操作位置が保持される。
【0073】
実際にオペレータが作業機昇降レバー126を操作する際は、前記摩擦力を上回る操作力で該レバー126を回動操作することになる。なお、図20に示すように、前記二本のボルト179・179のうち後側のボルト179の軸部によって前記ポジションアーム135の回動範囲の一側が規制され、また、第一プレートに設けたピン181によって前記ポジションアーム135の回動範囲の他側が規制されているので、この作業機昇降レバー126の操作範囲(回動範囲)も該ポジションアーム135の回動範囲に応じて定められることになる。
【0074】
ケース139側に位置する前記第一プレート171にはカム軸173が回転自在に支持されて、該カム軸173は二枚のプレート171・172に挟まれた位置で上下方向に向けられて配置されている。該カム軸173の第二プレート172側に接する部位は平面状に欠切されて、カム部が形成されている。また、カム軸173の上端にはアーム178の基端が固設されて、該アーム178の先端に前記ワイヤ109の端部が連結されている。ワイヤ109を挿通させるアウタチューブ108は、図20に示すようにケース139の側壁の適宜位置に固定されている。
【0075】
図22の(a)には前記変速操作レバー41を上方回動する前の状態、同図(b)には上方回動した後の状態が、それぞれ示される。このように、変速操作レバー41を上方回動すると、前述の如く張引されるワイヤー109がアーム178を引っ張ってカム軸173を回動させ、該カム軸173のカム部が第二プレート172を第一プレート171から前記付勢バネ176・176に抗して離間させて、二枚のプレート171・172とフリクション部材177間に生じていた圧接状態を解除させる。回動フリーとなったポジションアーム135に連結される作業機昇降アーム126は、前記戻しバネ170(図20)の戻し作用によって「上昇」位置へと戻され、リフトアーム45・45は後述するように上昇される。このように、前記変速操作レバー41を上方回動すると、作業機が自動的に上昇するように構成されているのである。
【0076】
図21に示すように、前記支軸129は前記油圧リフト装置29のケーシング139内部に延出されて、その内端にはアーム136が固設され、該アーム136の先端には円柱状の押動体137が形成されている。従って、前記ポジションアーム135の回動操作に応じて支軸129が回転され、前記押動体137が前後に変位することとなる。
【0077】
一方、前記ケーシング139にはリフトアーム駆動軸138が左右水平方向に配置され、回転自在に支持されている。該リフトアーム駆動軸138の両端は該ケーシング139外に延出され、その端部に左右一対の前記リフトアーム45の基端をそれぞれ固定している。前記リフトアーム駆動軸138の左右中央部には入力アーム141が固定されて下方に延出され、該入力アーム141は、前記油圧シリンダ160の可動部分に連結されている。図2に示すように、油圧シリンダ160には、前記エンジン26の回転を受けて駆動される前述の油圧ポンプ43からの圧油が、前述の方向切換弁ユニット58を介して供給される。
【0078】
前記ポジションアーム135を設けた左右反対側の前記ケーシング139側面には、支軸144が回転自在に支架され、その外端に設けたフィードバックアーム145は、リンク機構146を介して、前記リフトアーム45に連結されている。支軸144の内端側にはアーム147が固設され、該アーム147の先端には円柱状の押動体148が形成されている。これによって、前記リフトアーム45の回動角が押動体148の前後位置としてフィードバックされることになる。
【0079】
前記二つの押動体137・148の前方にフィードバックリンク154が左右方向に配置され、該フィードバックリンク154は背面視略「U」字状に形成されて、上方に向けて延出される両端部分が前記押動体137・148に接触可能とされている。一方、前記油圧シリンダ160に対する圧油の供給/供給停止を切り換える前記方向切換弁ユニット58が図22に示すように前記フィードバックリンク154の前方に設けられる。該方向切換弁ユニット58のメインスプール155は前後方向に配置されて軸方向摺動自在とされ、該メインスプール155の後端は後方に延出されて、該延出部分には連結片156を固設している。該連結片156には、前記フィードバックリンク154の左右中央部がピン157を介して枢結されている。前記メインスプール155には戻しバネ158が設けられている。
【0080】
このような構成の作用を、図20に示す前記作業機昇降レバー126をオペレータが「上昇」側に操作した場合を例にとって説明する。作業機昇降レバー126が回動されると、該昇降レバー126にアーム127及びロッド128を介して連係される前記ポジションアーム135が回動されて、図21に示す支軸129が回転する。支軸129にアーム136を介して設けられる押動体137が前方に変位し、前記フィードバックリンク154の一端側を押動して傾動させる。これによって、該フィードバックリンク154の中央部に連結されるメインスプール155が前方に押動される。この結果、方向切換弁ユニット58内において圧油が切り替えられ、前記油圧シリンダ160は圧油が供給されて伸張駆動し、リフトアーム45が上方回動して作業機が上昇する。
【0081】
図21に示すフィードバックアーム145はリフトアーム45と上述の如く連係されているので、該フィードバックアーム145は前記リフトアーム45の上方回動に従って回動され、これによって支軸144にアーム147を介して設けられる押動体148が後方へ変位する。該フィードバックリンク154の中央部分もそれに伴って後方へ変位し、メインスプール155も前記戻しバネ158の作用によって後方に戻る。この結果、前記方向切換弁ユニット58において圧油の供給が停止されて、油圧シリンダ142は伸張駆動を停止し、前記作業機は元の位置から上昇された新しい位置で保持される。
【0082】
以上の構成に加えて図21に示すように(図23においては図略)、前記油圧リフト装置29にはオペレータ側で設定可能なデプス操作レバー161が設けられており、該デプス操作レバー161の設定値が、前記支軸129に回転自在に外嵌された筒軸162を介してアーム163に伝達され、該アーム163の先端に形成された円柱状の押動片164の前後位置として入力される。一方、作業機の昇降位置は、図示しないリンク機構を介してアーム165に入力され、該アーム165から前記支軸144上に回転自在に外嵌された筒軸166を経由してアーム167へとフィードバックされ、該アーム167の先端に形成した円柱状の押動片168が前後移動する。そして、以上の二つの押動片164・168に接触可能にデプスフィードバックリンク169が配置される。このデプスフィードバックリンク169は、前記フィードバックリンク154と同様に「U」字状に構成され、その左右中央部を前記ピン157を介して前記連結片156に枢結させている。このように、前記作業機昇降レバー126による作業機昇降のフィードバック制御に加えて、デプス操作レバー161による作業機昇降のフィードバック制御をも行わせるようにしているのである。
【0083】
そして前述のとおり、前記ポジションアーム135の位置を保持するフリクション機構149にはワイヤー109が連結され(図20)、該ワイヤー109によって前記変速操作レバー41と連係されている。従って、変速操作レバー41が上方に回動されたときは、前記ワイヤー109が前記フリクション機構149による前記ポジションアーム135の操作位置の保持を解除させ、前記戻しバネ170が前記作業機昇降レバー126を「上昇」側に回動するよう張引して、該作業機昇降レバー126に連結されるポジションアーム135は回動される。この結果、前述の如くメインスプール155が押動されて方向切換弁ユニット58が切り替えられ、油圧シリンダ160が伸張駆動してリフトアーム45が上方回動し、作業機が上昇するのである。
【0084】
ここで、図16に示すように、変速操作レバー41の中途部を挿通させる開口95’は、その中立位置に相当する部分において上下方向の短い溝を有しており、また、この変速操作レバー41は、図19に示す付勢バネ71によって下方回動方向に付勢されている。従って、停止状態にあるトラクタ1’を後進させるべく、中立位置にある前記変速操作レバー41を後方へ回動するには、変速操作レバー41の握り部41aを持ち上げて前記上下方向の短い溝内において変速操作レバー41を上方へ移動させた上で、該短い溝の上端から後方に伸びるガイド溝97に前記変速操作レバー41の中途部を入り込ませるようにしなければならない。この上方回動操作が前記ワイヤー109に入力され、前述の如く油圧リフト装置29がリフトアーム45を上昇回動して、作業機が上昇されるのである。言い換えれば、本構成は、トラクタ1’を後進させる際には必ず作業機が上昇する構成となっている。これは、作業機(例えば、ロータリー耕耘装置)を下降させて作業を行わせるのは通例トラクタ1’を前進させながらであり、後進時にはそのような作業を行わないことに対応させた、合理的なものである。
【0085】
従って、本変形例のトラクタ1’においては、前進しながら作業機による作業を行わせている状態においてトラクタを後進させる場合には、前進位置にある変速操作レバー41を中立位置に操作することでトラクタ1’が停止され、そして、該変速操作レバー41を後進位置におくべく、前記開口95’の上下方向の短い溝内を前記付勢バネ71に抗して上方に回動した時点で作業機が上昇される。更に、変速操作レバー41をその上方回動状態を保持しながら後進用シフトガイド溝97に入り込ませることで、作業機の上昇状態を保ったままトラクタ1’は後進を始める。以上のように、オペレータは作業機昇降レバー126に手を触れることなく、変速操作レバー41のみの操作によって、トラクタ1’の進行方向反転と作業機の上昇を、スマートかつ合理的に連携させつつ行わせることができる。
【0086】
なお、変速操作レバー41と油圧リフト装置29とを連係させる構成は、前記ワイヤー109に限らず、他の構成のリンク機構(例えば、アームやロッドを用いたようなもの)であっても構わない。ただし、変速操作レバー41は車両前後中途部の高い位置に配置される一方、油圧リフト装置29は車両後端に設けられるのが通例であり、両者41・29の間の距離が長いことから、前記構成のようにワイヤー109を用いると、このような長距離間の連係がコンパクトかつ簡易な構成で達成できる点で有利である。
【0087】
以上に本発明の実施例を説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【0088】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0089】
請求項1の如く、車両後部に油圧リフト装置(29)を介して作業機を昇降自在に設け、車輪駆動用の静油圧式無段変速装置(14a)を具備し、ダッシュボード(8)上のハンドルコラム(38)にステアリングハンドル(9)を支持した農用トラクタから、オペレータが降車した状態で、機体を前後進操作可能とする走行制御装置において、前記静油圧式無段変速装置(14a)に連動連係する変速操作軸(100)を、前記ハンドルコラム(38)に配置して、該変速操作軸(100)は、その軸線の方向を略上下方向とし、かつ、その軸線まわりで回転自在となるよう支持し、変速操作レバー(41)は、その握り部(41a)を、前記ダッシュボード(8)の側面に開けた開口(95)より機体略左右一方側へ指向させ、また、その基部を前記ダッシュボード(8)内で前記変速操作軸(100)に接続し、該変速操作レバー(41)の操作に応じて該静油圧式無段変速装置(14a)の変速比を変更させて車両を変速させるように構成し、前記変速操作レバー(41)を前進位置から後進位置へ切り換える際、又は後進位置から前進位置へ切り換える際には、前記変速操作レバー(41)を一旦、中立位置において上下方向に回動する操作を行う構成とし、前記油圧リフト装置(29)は、中立位置で変速操作レバー(41)を上下いずれか一方に回動する操作に連動して作業機を上昇させるように構成したので、オペレータが降車した状態で、農用トラクタの走行制御を行なうことが可能となったのである。
また、変速操作レバーを前進側から後進側へ、あるいはその逆へ反転操作させる場合には、前記付勢バネに抗して変速操作レバーを上下方向に回動することをオペレータに強制する構成であるから、不用意な変速操作レバーの反転操作により突然にトラクタの進行方向が反転するような事態が防止され、オペレータが激しい変速ショックを感じることが少なくなる。
また、変速操作レバーの操作のみで、トラクタの進行方向反転と作業機の上昇をスマートかつ合理的に連携させつつ行わせることができる。
また、前記油圧リフト装置は、連係機構を介して変速操作レバーに連結したので、変速操作レバーの操作と昇降機構とを確実に連動させる構成が達成できる。
【0090】
請求項2の如く、該連係機構はワイヤー(109)により構成し、前記油圧リフト装置(29)は、連係機構であるワイヤー(109)を介して変速操作レバー(41)に連結し、該変速操作レバー(41)を上方回動すると張引されるワイヤー(109)が、該油圧リフト装置(29)に設けた作業機昇降アーム(126)をリフトアーム(45・45)の上げ操作の方向に連係しているので、変速操作レバーを中立位置で上下いずれかに回動する操作に連動して作業機を上昇させる構成であるから、前進して作業機による作業を行わせている状態のトラクタを後進させる際には、変速操作レバーを中立位置に操作してトラクタを停止させ、該変速操作レバーを該中立位置で上下いずれかに回動することで作業機を自動的に上昇させ、その上で変速操作レバーを後進側に回動して作業機を上昇させたままトラクタを後進させる、といったように、変速操作レバーの操作のみで、トラクタの進行方向反転と作業機の上昇をスマートかつ合理的に連携させつつ行わせることができる。
【0091】
請求項3の如く、前記変速操作レバー(41)を上方回動すると張引されるワイヤー(109)が、該油圧リフト装置(29)に設けたアーム(178)を引っ張り、カム軸(173)を回動させ、該カム軸(173)のカム部が、第二プレート(172)を第一プレート(171)から、付勢バネ(176・176)に抗して離間させて、該二枚のプレ ート(171・172)の間に生じていたポジションアーム(135)の圧接状態を解除し、回動フリーとなったポジションアーム(135)に連結される作業機昇降アーム(126)が、戻しバネ(170)の戻し作用によって「上昇」位置へと戻され、リフトアーム(45・45)は上昇すべく構成したので、互いに遠い位置に配置されるのが通例である変速操作レバーと昇降機構とを、ワイヤーによる簡単かつコンパクトな構成にて連係させることができる。
【0092】
請求項4の如く、前記油圧リフト装置(29)と変速操作レバー(41)を連係するワイヤー(109)のアウターチューブ(108)の一端が、上下方向に向けてステー(107)の先端に固設され、該ステー(107)は、前記変速操作軸(100)の上方寄りの部位に固定され、前記変速操作レバー41と略平行に延出され、該ステー(107)は、前記変速操作レバー(41)の前後回動に連動して同じく前後回動するので、取付ステーと前記変速操作レバーの前後相対位置が殆ど変化しない構成となるから、変速操作レバーの取付ステーに対する上下相対位置の情報のみを該連係機構に入力させることができる。従って、前記変速操作レバーの上下回動に作業機の昇降機構を連係させる構成が、簡素な構成にて達成できる。
【0093】
請求項5の如く、前記変速操作レバー(41)の前進位置、中立位置、及び後進位置を規定するガイドプレート(105)を、該変速操作レバー(41)の中途部下方から当接可能に備え、該ガイドプレート(105)は、ハンドルコラム(38)に固定したプレート(104)の先端に固定し、該変速操作レバー(41)がガイドプレート(105)に付勢されて当接すべく、付勢バネ(71)を変速操作レバー(41)に介装したので、ガイドプレートによって前記変速操作レバーの操作位置が規定されることとなるから、変速操作レバーを確実に操作できる構成が簡単な構成にて達成でき、また、変速操作レバーを機体前後方向や上下方向に回動させる任意の回動操作経路を、ガイドプレートの形状を種々設定することによって容易に設定できる。
また、変速操作レバーが後進側に操作されると自動的に作業機が上昇されることとなるから、作業機を下降させての作業はトラクタ前進時にのみ行い、トラクタ後進時には行わない、通例の使用状態に対応させた合理的な機能を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走行制御装置を備える農用トラクタの全体側面図。
【図2】 トラクタにおける油圧回路を示した図。
【図3】 エンジンのフライホイールとトランスミッションとの連動連結構成を示した左側面図。
【図4】 ダッシュボード内部の構成を示した背面図。
【図5】 変速操作レバーと変速操作軸とを連結する構成を示した平面図。
【図6】 同じく側面断面拡大図。
【図7】 同じく背面拡大図。
【図8】 燃料タンクと変速操作レバーとの関係を示す斜視図。
【図9】 走行停止ペダルを変速操作レバー及び変速アームと連係させる構成を示した右側面図。
【図10】 同じく平面断面図。
【図11】 同じく斜視図。
【図12】 走行停止ペダルを踏み込まない状態でのカム板及びピンの状態を示した、平面断面拡大図。
【図13】 走行停止ペダルを踏み込んだ状態でのカム板及びピンの状態を示した、平面断面拡大図。
【図14】 PTOクラッチ装置を入切操作するための電気回路を示した図。
【図15】 操舵機構の構成を示した右側面図。
【図16】 走行制御装置の変形例を適用したトラクタの構成を示した全体側面図。
【図17】 ガイドプレートの取付けを示す側面図一部断面図。
【図18】 ガイドプレートの凹部の形状を示す拡大側面図。
【図19】 ガイドプレートの取付けを示す背面図。
【図20】 油圧リフト装置の右側面図。
【図21】 同じく背面断面図。
【図22】 ワイヤによるアームの張引によってフリクション機構が解除される様子を示した平面断面図。(a)にはアームの張引前の状態が、(b)にはアームの張引後の状態が、それぞれ示される。
【図23】 油圧リフト装置の底面図。
【符号の説明】
1 農用トラクタ
4 前輪(操向可能な車輪)
8 ダッシュボード
9 ステアリングハンドル
14d 変速アーム
38 ハンドルコラム
41 変速操作レバー
41a 握り部
47 走行停止ペダル
59 出力軸(エンジン動力伝達軸)
63 揺動アーム
64 プッシュプルロッド
88 カム板(カム体)
95 開口
100 変速操作軸
Claims (5)
- 車両後部に油圧リフト装置(29)を介して作業機を昇降自在に設け、車輪駆動用の静油圧式無段変速装置(14a)を具備し、ダッシュボード(8)上のハンドルコラム(38)にステアリングハンドル(9)を支持した農用トラクタから、オペレータが降車した状態で、機体を前後進操作可能とする走行制御装置において、前記静油圧式無段変速装置(14a)に連動連係する変速操作軸(100)を、前記ハンドルコラム(38)に配置して、該変速操作軸(100)は、その軸線の方向を略上下方向とし、かつ、その軸線まわりで回転自在となるよう支持し、変速操作レバー(41)は、その握り部(41a)を、前記ダッシュボード(8)の側面に開けた開口(95)より機体略左右一方側へ指向させ、また、その基部を前記ダッシュボード(8)内で前記変速操作軸(100)に接続し、該変速操作レバー(41)の操作に応じて該静油圧式無段変速装置(14a)の変速比を変更させて車両を変速させるように構成し、前記変速操作レバー(41)を前進位置から後進位置へ切り換える際、又は後進位置から前進位置へ切り換える際には、前記変速操作レバー(41)を一旦、中立位置において上下方向に回動する操作を行う構成とし、前記油圧リフト装置(29)は、中立位置で変速操作レバー(41)を上下いずれか一方に回動する操作に連動して作業機を上昇させる連係機構を構成したことを特徴とする農用トラクタの走行制御装置。
- 請求項1記載の農用トラクタの走行制御装置において、該連係機構はワイヤー(109)により構成し、前記油圧リフト装置(29)は、連係機構であるワイヤー(109)を介して変速操作レバー(41)に連結し、該変速操作レバー(41)を上方回動すると張引されるワイヤー(109)が、該油圧リフト装置(29)に設けた作業機昇降アーム(126)をリフトアーム(45・45)の上げ操作の方向に連係していることを特徴とする農用トラクタの走行制御装置。
- 請求項2記載の農用トラクタの走行制御装置において、前記変速操作レバー(41)を上方回動すると張引されるワイヤー(109)が、該油圧リフト装置(29)に設けたアーム(178)を引っ張り、カム軸(173)を回動させ、該カム軸(173)のカム部が、第二プレート(172)を第一プレート(171)から、付勢バネ(176・176)に抗して離間させて、該二枚のプレート(171・172)の間に生じていたポジションアーム(135)の圧接状態を解除し、回動フリーとなったポジションアーム(135)に連結される作業機昇降アーム(126)が、戻しバネ(170)の戻し作用によって「上昇」位置へと戻され、リフトアーム(45・45)は上昇すべく構成したことを特徴とする農用トラクタの走行制御装置。
- 請求項2記載の農用トラクタの走行制御装置において、前記油圧リフト装置(29)と変速操作レバー(41)を連係するワイヤー(109)のアウターチューブ(108)の一端が、上下方向に向けてステー(107)の先端に固設され、該ステー(107)は、前記変速操作軸(100)の上方寄りの部位に固定され、前記変速操作レバー41と略平行に延出され、該ステー(107)は、前記変速操作レバー(41)の前後回動に連動して同じく前後回動することを特徴とする農用トラクタの走行制御装置。
- 請求項1記載の農用トラクタの走行制御装置において、前記変速操作レバー(41)の前進位置、中立位置、及び後進位置を規定するガイドプレート(105)を、該変速操作レバー(41)の中途部下方から当接可能に備え、該ガイドプレート(105)は、ハンドルコラム(38)に固定したプレート(104)の先端に固定し、
該変速操作レバー(41)がガイドプレート(105)に付勢されて当接すべく、付勢バネ(71)を変速操作レバー(41)に介装したことを特徴とする農用トラクタの走行制御装置。
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