JP2003009608A - 農用トラクタの走行制御装置 - Google Patents

農用トラクタの走行制御装置

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JP2003009608A
JP2003009608A JP2002083695A JP2002083695A JP2003009608A JP 2003009608 A JP2003009608 A JP 2003009608A JP 2002083695 A JP2002083695 A JP 2002083695A JP 2002083695 A JP2002083695 A JP 2002083695A JP 2003009608 A JP2003009608 A JP 2003009608A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラクタから降りた状態のオペレータが機体
の側方から車両の変速操作を行うことができる、農用ト
ラクタの走行制御装置を提供する。また、該走行制御装
置を、コンパクトかつ低コストで提供できるようにす
る。 【解決手段】 無段変速装置14の変速アーム14dに
連動連係する変速操作軸100をハンドルコラム38に
配置して、該変速操作軸100は、その軸線の方向を略
上下方向とし、かつ、中立位置で変速操作レバー41を
上下いずれか一方に回動する操作に連動して作業機を上
昇させるように構成し、昇降機構29を、ワイヤー機構
36を介して前記変速操作レバー41に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機体の側方から突
出させた変速操作レバーを操作することにより車両の変
速を行うこととした、農用トラクタの走行制御装置の構
成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、変速操作レバーの操作に応じ
て無段変速装置の変速比を変更することにより、車両を
変速させることとした、農用トラクタの走行制御装置の
技術は公知とされている。これは、変速操作レバーを手
で持って傾動する簡易な操作方法により車両の速度を操
作できる点で有用であり、広く採用されている。
【0003】ここで、無段変速装置の変速比を変更操作
するための変速操作手段は、ステップ上に配置したペダ
ルとするか、座席側部に配置したレバーとするのが通例
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで一般に、農用ト
ラクタから降りた状態でオペレータが機体を前後進させ
ることができれば便利である。例えば山間地等の急傾斜
等においては、トラクタは機体のバランスを崩しやすい
ので、オペレータがトラクタから降りた状態で操作でき
れば安心である。
【0005】この点、変速操作の方法をペダルとする構
成では、農用トラクタから降りた状態で該ペダルを踏動
することはほとんど不可能であった。残るは変速操作の
方法をレバーとする構成であるが、変速操作レバーを座
席側部に配置する従来の構成は、座席に着いた状態のオ
ペレータが操作を容易に行えることを主眼としたレイア
ウトであるため、車両から降りた状態で該レバーを操作
するのは必ずしも容易とはいえなかった。
【0006】また、農用トラクタから降りた状態で容易
に操作できるという観点からみれば、変速操作レバーの
位置は、オペレータが歩行しながら手を掛けることがで
きる位置となるよう、ある程度高い位置に配設すること
が必要とされる。また、ステアリングハンドルと同時に
操作する場合があることを考慮すれば、変速操作レバー
は、ダッシュボードの側部に配置する等、ステアリング
ハンドルに対し近い位置にあるのが望ましい。一方、機
体前部にエンジンを配置し、該エンジンの駆動力をトラ
ンスミッションに伝達することにより後輪を駆動するの
が農用トラクタの最も一般的なレイアウトであり、その
駆動力を伝達する経路の中途に主変速装置である無段変
速装置を配置するのが通例であることから、無段変速装
置は農用トラクタの下部かつ後部に配置されるのが一般
である。従って、変速操作レバーと無段変速装置は互い
に遠い位置に配置されることとなり、両者を互いに連係
させるリンク機構の構成を、複雑とならないようにコン
パクトに構成する必要もある。また、ステアリングハン
ドルの操作に応じて車輪を操向させる機構が、前記リン
ク機構と干渉しやすいことが考えられ、設計の自由度を
大きく確保する要請も考慮される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0008】即ち、請求項1においては、作業機を車両
後部に昇降機構を介して昇降自在に設けるとともに、車
輪駆動用の変速装置を具備し、ダッシュボード上のステ
アリングハンドルをハンドルコラムに支持した構成の農
用トラクタに備えられる走行制御装置であって、変速操
作レバーの操作に応じて該変速装置の変速比を変更させ
て車両を変速させるように構成したものにおいて、前記
変速装置に連動連係する変速操作軸を前記ハンドルコラ
ムに配置して、該変速操作軸は、その軸線の方向を略上
下方向とし、かつ、その軸線まわりで回転自在となるよ
う支持し、前記変速操作レバーは、その握り部を、前記
ダッシュボードの側面に開けた開口より機体略左右一方
側へ指向させ、また、その基部を前記ダッシュボード内
で前記変速操作軸に接続し、前記変速操作レバーを前進
位置から後進位置へ切り換える際、又は後進位置から前
進位置へ切り換える際には、前記変速操作レバーをいっ
たん中立位置において上下方向に回動する操作を行わな
ければならないように構成してあり、前記昇降機構は、
中立位置で変速操作レバーを上下いずれか一方に回動す
る操作に連動して作業機を上昇させるものである。
【0009】請求項2においては、前記変速装置を無段
変速装置とするものである。
【0010】請求項3においては、前記昇降機構におい
て、前記昇降機構は、連係機構を介して前記変速操作レ
バーに連結するものである。
【0011】請求項4においては、前記昇降機構の作業
機が、連係機構に接続した摩擦機構の解除によって上昇
させるものである。
【0012】請求項5においては、前記連係機構をワイ
ヤーとするものである。
【0013】請求項6においては、前記昇降機構は連係
機構を介して前記変速操作レバーに連結されるととも
に、該連係機構は、前記変速操作レバーの前後回動に連
動して前後回動する、取付ステーによって支持されてい
るものである。
【0014】請求項7に記載のごとく、作業機を車両後
部に昇降機構を介して昇降自在に設けるとともに、車輪
駆動用の変速装置を具備し、ダッシュボード上のステア
リングハンドルをハンドルコラムに支持した構成の農用
トラクタに備えられる走行制御装置であって、機体前後
方向及び上下方向に回動可能とされる変速操作レバーの
操作に応じて該変速装置の変速比を変更させて車両を変
速させるように構成したものにおいて、前記変速装置に
連動連係する変速操作軸を前記ハンドルコラムに配置し
て、該変速操作軸は、その軸線の方向を略上下方向と
し、かつ、その軸線まわりで回転自在となるよう支持
し、前記変速操作レバーは、その握り部を、前記ダッシ
ュボードの側面に開けた開口より機体略左右一方側へ指
向させ、また、その基部を前記ダッシュボード内で前記
変速操作軸に接続し、更に、前記変速操作レバーの前進
位置、中立位置、及び後進位置を規定するガイドプレー
トが、該変速操作レバーの中途部に当接可能に備えるも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。まず、本発明の走行制御装置を備える農用トラクタ
の全体構成を説明する。図1は本発明の走行制御装置を
備える農用トラクタの全体側面図である。
【0016】即ち、図1に示すこの農用トラクタ1にお
いては、互いに左右平行とされた前後板状の車両フレー
ム3・3上にエンジン26を防振支持している。後述す
る伝動カバー2の後端位置における前記車両フレーム3
・3の後端部には、トランスミッション14の前面を取
り付け、トランスミッション14の後方左右側面にはリ
アアクスルケース15が配置される。トランスミッショ
ン14の前端からは入力軸14bが、後端からはリアP
TO軸23が、それぞれ突出されて支持される。車両フ
レーム3・3の前下方にはフロントアクスルケース12
を支持しており、該フロントアクスルケース12の左右
に前輪4・4を懸架して、操向自在としている。また、
上記リアアクスルケース15には左右一対の車軸16・
16を支持しており、該車軸16・16の外端に後輪5
・5を取り付けている。車両フレーム3・3の左右両側
にはステップ6・6を略水平に配設しており、トランス
ミッション14の上方には座席7を配設し、車両フレー
ム3・3の前後中途部にはダッシュボード8を立設して
いる。該ダッシュボード8の上面には計器パネル11を
設け、更に前輪4・4を操向操作するためのステアリン
グハンドル9を突設している。
【0017】また、ダッシュボード8の左右一側側面か
ら変速操作レバー41が横向きに突出されて前後回動可
能に支持されており、該変速操作レバー41は後述する
リンク機構46により、前記トランスミッション14の
後述する変速アーム14dと連係される。変速操作レバ
ー41はその握り部41aを機体略左右方向へ向けてお
り、オペレータが該握り部41aを握って中立位置から
前方へ操作すると機体が前進し、後方へ操作すると後進
するように構成され、また、その操作量に応じて無段に
増速できるようにトランスミッション14を構成してい
る。機体左側のステップ6上には走行停止ペダル47が
枢支されており、該走行停止ペダル47を踏動すること
により変速操作レバー41が直ちに中立位置に復帰さ
れ、車両を停止できるようにしている。この詳細な構成
は後述する。
【0018】前記トランスミッション14は左右の前記
車軸16・16を駆動するための静油圧式無段変速装置
(以下、「HST」と称する。)14aや図示せぬ副変
速機構や差動機構等によりなり、該副変速機構は歯車式
として、上記座席7の側部に配設された副変速操作レバ
ー24により切換可能とされる。また、トランスミッシ
ョン14の内部には、上記リアPTO軸23に対する入
力軸14bの動力伝達を選択的に入/切するための油圧
多板式PTOクラッチ装置27、および、リアPTO軸
23の回転方向や回転速度を変更できるPTO正逆転切
換装置28が内蔵されている。また、トランスミッショ
ン14の上面には、トラクタ1の後部に作業機を昇降自
在に連結するための昇降機構たる油圧リフト装置29が
搭載される。
【0019】該油圧リフト装置29と前述のHST14
aに関連する油圧回路について、図2を参照しながら説
明する。図2はトラクタにおける油圧回路を示した図で
ある。
【0020】前記HST14aは、可変容積型の油圧ポ
ンプ121と固定容積型の油圧モータ122とを油圧的
に連結して構成している。この油圧的に連結するための
閉回路130・130には、作動油を補給するための一
対のチェック弁131・131や、閉回路130・13
0の最大圧力を規定するリリーフバルブ132・132
や、中立範囲を拡大するための絞り133等が設けられ
ている。前記油圧ポンプ121のポンプ軸をHST14
aの入力軸14b、即ちトランスミッション14の入力
軸とし、また、この入力軸14bからギアトレーン14
0を介して二連の油圧ポンプ43・44が駆動されるよ
うになっている。これらの油圧ポンプ43・44はトラ
ンスミッション14の油溜りから油を吸込み、一方の油
圧ポンプ43から吐出された油は前記油圧リフト装置2
9用として、他方の油圧ポンプ44から吐出された油は
HST14aの作動油補給用とされる。この油圧リフト
装置29は、左右一対のリフトアーム45と、該リフト
アーム45に連結される油圧シリンダ160と、該油圧
シリンダ160に対する圧油給排を行なわせしめる方向
切換弁ユニット58とを備えて、前記一方の油圧ポンプ
43の吐出ポートと接続される。他方の油圧ポンプ44
の吐出回路には、その吐出圧力を規定するリリーフ弁6
0が接続される。そこから発生するリリーフ油はオイル
クーラ61を経てHST14aのハウジング14c内に
入り、油圧ポンプ121及び油圧モータ122を潤滑・
冷却した後、最終的にトランスミッション14の油溜り
へ戻る。また、前記油圧ポンプ44の吐出回路とHST
14aの作動油補給ポート125とをつなぐ経路中に
は、ラインフィルタ62、及び、チャージ圧力を規定す
るための減圧弁74が接続される。前記減圧弁74が減
圧作動する際に常時発生するドレン油は、前記PTOク
ラッチ装置27に対する圧油給排回路の油圧源として利
用される。該圧油給排回路には電磁弁80が介装されて
おり、該電磁弁80のソレノイド80aは、計器パネル
11上に配設した入切スイッチ111(図1に図示)に
よって、オペレータが任意にOn/Offし得るように
なっている。尚、この油圧多板式のクラッチ装置27と
電磁弁80との組み合わせに代えて、電磁クラッチを用
いることもできる。
【0021】この構成により、エンジン26の駆動力が
トランスミッション14を介してリアアクスルケース1
5に伝達され、左右一対の車軸16・16を介して左右
の後輪5・5を駆動する一方、該車軸16・16と同期
する回転がプロペラシャフト13やユニバーサルジョイ
ントを介してフロントアクスルケース12に伝達され、
左右の前輪4・4を駆動する。また、前記入切スイッチ
111をOnした場合は、前記油圧ポンプ44からの圧
油が電磁弁80を介して前記PTOクラッチ装置27に
供給されて「接」状態となるので、トランスミッション
14後端のリアPTO軸23に対してエンジン26の動
力が伝達される。従って、トラクタ1後端に接続した作
業機を、該リアPTO軸23を介して駆動できるように
している。また、前記方向切換弁ユニット58のコント
ロールバルブを切り換えることにより油圧シリンダ16
0が伸縮駆動され、前記油圧リフト装置29に連結され
た前記作業機を昇降駆動することができる。
【0022】次に、前記農用トラクタにおけるエンジン
26周辺の構成を、主に図1及び図3を参照しながら説
明する。図3はエンジンのフライホイールとトランスミ
ッションとの連動連結構成を示した左側面図である。
【0023】エンジン26の前方には図示せぬラジエー
タやバッテリー等が配置され、上方にはエアクリーナや
マフラー等を配設している。エンジン26を含むこれら
装置群の周囲は図1に示すようにフロントカバー17や
サイドカバー18・18やボンネットフード10で覆わ
れており、該ボンネットフード10はその後端を後述す
る燃料タンク取付ステー55に枢支して前方を開閉自在
としている。フロントカバー17の前照灯下部には上記
ラジエータへの外気導入口30が開口されている(図
1)。また、図3に示すように、エンジン26より後方
位置において、左右の車両フレーム3・3の外側面に垂
直フレーム53・53が固着されて上方に延出してい
る。該垂直フレーム53・53の上端には正面視門型の
燃料タンク取付ステー55が連結され、該取付ステー5
5の左右脚部に平板状の取付部材56・56が固設され
る。そして、燃料タンク21の側部に形成されたリブ2
2を該取付部材56・56に固定することで、該燃料タ
ンク21が移動不能に支持される。また、この取付ステ
ー55及び垂直ステー53に前記ダッシュボード8が固
定支持される。更に、この燃料タンク21の前面を境に
してボンネットフード10内とダッシュボード8内を仕
切るように、熱風遮蔽板35が前記垂直フレーム53・
53に取り付けられる。該熱風遮蔽板35はその上半部
を適宜折曲させて、燃料タンク21前面の形状に沿わせ
ている。前記垂直フレーム53・53の中途部にはブラ
ケット54が後向きに横架されて固着され、該ブラケッ
ト54には略上下方向で後傾状に配置された筒状のハン
ドルコラム38の基端が固設される。該ハンドルコラム
38内にはハンドル軸37が回転自在に支持され、該ハ
ンドル軸37の上端は計器パネル11の上面より突出し
て前記ステアリングハンドル9を固定している。
【0024】エンジン26の前記フライホイール48は
エンジンクランクケース26aの後面下部に位置させ、
機体前後方向にその回転軸線を向けて配置してある。そ
して該フライホイール48には、そのトルク変動を吸収
するための緩衝部材49を介してフランジ57が取り付
けられ、該フランジ57には出力軸59が固設されて、
該出力軸59は後述の伝達シャフト51や二つのユニバ
ーサルジョイント50・52を介して、後述するトラン
スミッション14のエンジン入力軸14bと連動連結さ
せて、該出力軸59を前記HST14aに対するエンジ
ン動力伝達軸としている。
【0025】次に、エンジン26の駆動力を前記トラン
スミッション14に伝達するための構成を説明する。
【0026】トランスミッション14の前面には主変速
機構としてのHST14aが配設されて前述の副変速機
構に連結され、その入力軸14bを該HSTのハウジン
グ14cより前方へ突出支持している。この入力軸14
bはHSTのハウジング14cの上部に支持されてお
り、かつ、その回転軸心がフライホイール48の回転軸
心に対し、下側かつ左右一側にオフセットされた位置に
配置される。前記ハウジング14cの一側側部には、上
記HST14aの変速比を無段に変更させるための変速
アーム14dが枢支される。そして、該変速アーム14
dには、その中立位置を規定するためのデテント機構1
4eが配設される。このデテント機構14eは、前記変
速アーム14dに固設されるカムプレート31と、該カ
ムプレート31の端縁を転動するローラ32と、基端を
ハウジング14cに枢支されその中途部に該ローラ32
を支持するアーム33と、該アーム33の先端を張引す
る付勢バネ34によりなり、変速アーム14dがその中
立位置から傾動した場合に、上記カムプレート31等に
よるカム作用により、中立位置へ復帰させるための戻し
力を該変速アーム14dに対し付与するように構成して
いる。
【0027】上記フライホイール48の回転をトランス
ミッション14の入力軸14bに伝達させるために、後
述する伝動カバー2の内部に伝達シャフト51が配置さ
れ、該伝達シャフト51の一端を第一のユニバーサルジ
ョイント50を介して、該フライホイール48に取り付
けられた出力軸59に連結し、他端を第二のユニバーサ
ルジョイント52を介して、トランスミッション14の
入力軸14bに連結している。また、前述したユニバー
サルジョイント50・52、伝達シャフト51、HST
14aの上部は、前記ステップ6・6間に跨るように車
両フレーム3・3上に載置した、断面視山形をした伝動
カバー2によって覆っている。
【0028】次に、本発明の要部である走行制御装置の
構成を、図3から図7までを主に参照しながら説明す
る。図4はダッシュボード内部の構成を示した背面図、
図5は変速操作レバーと変速操作軸とを連結する構成を
示した平面図、図6は同じく側面断面拡大図、図7は同
じく背面拡大図である。図8は燃料タンクと変速操作レ
バーとの関係を示す斜視図である。
【0029】本走行制御装置は、前記ハンドルコラム3
8の一側側部に以下の如く支持した変速操作レバー41
と、該変速操作レバー41をトランスミッション14の
変速アーム14dに連結するリンク機構46によりな
る。まず、変速操作レバー41について説明する。該変
速操作レバー41は横向きに配置され、以下に示す如
く、ダッシュボード8の一側側面の開口95を挿通させ
ながら突出させて、前後及び上下回動可能としている。
該ダッシュボード8は上側半部8tと下側半部8bとを
接合させることにより構成される。前記上側半部8t
は、その上面中央部には計器パネル8cを、また変速操
作レバー41の握り部41aの側には変速ガイド用の銘
板8dをそれぞれ備えている。該上側半部8tと下側半
部8bとの接合部周縁は図1に示すように後下がり状の
斜状に構成され、かつ側面視においてクランク状に切り
欠いてある。そして上側半部8tにおいては、その左右
両側側部の下縁の一定領域が上記接合部に沿って適宜幅
だけ欠切されており、この上側半部8tを下側半部8b
と接合することで、ダッシュボード8の左右両側の側面
において、該下側半部8bとの間に前記開口95・95
が形成されるように構成してある。この二つの開口95
・95のうち、機体左側の開口95からは前記変速操作
レバー41が突出し、機体右側の開口95からは図示し
ないスロットルレバーが突出する。機体左側の開口95
は変速操作レバー41のシフト操作方向を案内するため
のものであり、変速操作レバー41の中立位置に相当す
る部分には略上下方向の短い溝が形成され、この短い溝
の上端から前進用シフトガイド溝96が前方に向かって
延伸される一方、下端からは後進用シフトガイド溝97
が後方に向かって延伸されるようにし、前進用・後進用
双方のシフトガイド溝(96・97)をクランク状に連
続させた形状としている。この開口95の形状により、
オペレータが変速操作レバー41を前進位置から後進位
置へ切り換える際、あるいはその逆に切り換える際に
は、いったん変速操作レバー41を中立位置において、
上下方向に回動する操作を行わなければならないように
なっている。
【0030】前述の燃料タンク21は、ハンドルコラム
38とエンジン26とに前後を挟まれた狭いスペースに
配置されている。しかし該燃料タンク21の背面部分
は、その左右側をハンドルコラム38を抱きかかえるよ
うに後方へ延出させて膨出部21a・21aとしてあ
り、この膨出部21aを有する形状とすることで、燃料
タンク21中央部分の前後幅を短くしつつも、必要な燃
料タンク容量が確保されるようになっている。なお、機
体左側の膨出部21aの上面においては、前記変速操作
レバー41の回動軌跡近傍において凹部21bが形成し
てあり、この凹部21bを前記変速操作レバー41の中
途部が通過するようにして、該変速操作レバー41と該
膨出部21aの干渉を防止している。
【0031】該変速操作レバー41は図4に示すように
背面視で適宜折曲されており、その先端に設けた握り部
41aは上記ステアリングハンドル9の左下方位置に配
置されて、機体略左右方向(本実施例では、機体左側方
向)へ指向させている。この構成により、オペレータは
トラクタから降りた状態でも、機体の左側方に位置し
て、右手をステアリングハンドル9、左手を前記変速操
作レバー41にそれぞれおくことで、トラクタ1の進行
方向及び速度を操作できるようになっている。
【0032】次に、この変速操作レバー41と前記変速
アーム14dとを連係するためのリンク機構46を説明
する。図4に示すように、ハンドルコラム38の下部に
は下ステー99aが突設されて一側側方に延出される。
該下ステー99aには、後ろ向きに傾斜した該ハンドル
コラム38の側方に平行に配置される変速操作第一軸1
01が、その上下方向の軸線まわりで回転自在となるよ
う支持される。変速操作第一軸101の上端部はダッシ
ュボード8の上側半部8tの計器パネル8cの下方に位
置させて、後述する該変速操作軸100全体がダッシュ
ボード8内部に収まるように構成している。該変速操作
第一軸101の下方には変速操作第二軸102が鉛直上
下方向に立設されて回転自在とされ、その上端は自在継
手103を介して上記変速操作第一軸101の下端に連
結させている。一方、車両フレーム3・3間には底板8
1が水平に装架され、該底板81上面にはボス部を設け
て、該ボス部に上記変速操作第二軸102の下端を支持
させている。この変速操作第一軸101と変速操作第二
軸102、及び前記自在継手103をもって、変速操作
軸100が構成される。該変速操作軸100は図4に示
す如く、ハンドルコラム38の機体左右一側の側方に配
置され、かつ、全体としてその軸線を略上下方向に向け
ており、該軸線まわりに回動自在に支持されている。但
し、変速操作軸100を二本の軸101・102を連結
したものとする本実施例の構成は一例であって、例えば
一本の軸を「L」字状に曲げて変速操作軸を構成しても
良いし、三本以上の軸を自在継手を介して連結した構成
としても構わない。しかしながら本実施例の方が、次に
説明するように、効果的に更に優れるのである。
【0033】図5〜図7に示すように、変速操作第一軸
101の上端にはU字状片101aがその解放部分を上
に向けるように固設され、該U字状片101aの間に
は、変速操作第一軸101に対し直角に指向された支軸
66が架設される。そして、前記変速操作レバー41の
基端に設けられる筒部41bを、該支軸66に支持して
いる。これにより、変速操作レバー41が該支軸66の
軸線まわりに上下に揺動自在とされながら変速操作軸1
00上端に連結され、また、変速操作レバー41を前後
に回動した場合は、それに応じて、変速操作軸100全
体がその軸線まわりに回転されることとなる。
【0034】図6・図7に示す如く、変速操作レバー4
1の上記筒部41bにはステー70が固設されて付勢バ
ネ71の一端が取り付けられ、該付勢バネ71の他端
は、上記変速操作第一軸101の中途部に設けられたス
テー72に係止している。この付勢バネ71は上記変速
操作レバー41を上方回動方向へ付勢する役割を果たし
ており、従って、オペレータが変速操作レバー41を中
立位置から後進位置へ操作する際は、該付勢バネ71に
抗して変速操作レバー41を下方へ回動するという段階
を踏まなければならないようになっている。この構成に
より、トラクタの前進中にオペレータが何かのはずみで
変速操作レバー41に触れたような場合でも、該変速操
作レバー41は付勢バネ71により上方へ付勢されてい
るので、下側寄りの位置に形設された後進用シフトガイ
ド97に入り込むことがなく、トラクタ1がオペレータ
の意思に反して進行方向を突如反転するような事態は確
実に防止される。
【0035】前記U字状片101aの上縁には平板状の
デテントプレート65が固着され、該デテントプレート
65は基軸68を介して、ハンドルコラム38上部に固
着した上ステー99bに固定されるブラケット67に、
回動自在に取り付けられる。基軸68の軸線は上記変速
操作第一軸101の回転軸線と一致させており、変速操
作レバー41を前後方向に回動した場合は、変速操作第
一軸101及びデテントプレート65が一体となって、
前記ブラケット67に対し該変速操作第一軸101の軸
線(該基軸68の軸線)まわりに回動するように構成し
ている。
【0036】前記ブラケット67上には、変速操作レバ
ー41の操作フィーリングを良好とするための、デテン
ト機構69が設けられる。該デテント機構69は図6に
示す如くデテントボール69aをバネ付勢した通例のも
のであり、上記変速操作レバー41が中立位置にあると
きは、デテントプレート65上面に形成したデテント溝
65aに該デテントボール69aが係合するように構成
し、手の感触によりオペレータが中立位置を確認できる
ようにして、操作性を高めている。また、前記基軸68
には皿バネ73が設けられており、ブラケット67をデ
テントプレート65に対し押圧付勢することにより、両
者65・67の間に適度の摩擦力を生じさせて、いわゆ
るフリクション機構を構成している。この摩擦力は、変
速操作レバー41に連係されているトランスミッション
14の変速アーム14dにデテント機構14eからの戻
し力が加えられていることを原因とする、変速操作レバ
ー41を中立位置に戻そうとする力に抗するためのもの
であり、これにより、オペレータが変速操作レバー41
を前進又は後進位置とした状態から手を離した場合で
も、変速操作レバー41は中立位置へ復帰されず、その
操作位置が保持されるようになっている。
【0037】変速操作第二軸102の下端(即ち、変速
操作軸100の下端側)には揺動アーム63が植設され
て、該揺動アーム63の先端側(遊端側)にはプッシュ
プルロッド64の一端が枢結される。プッシュプルロッ
ド64は前記車両フレーム3・3間で機体前後方向に進
退自在に配設され、その他端を、HST14aの前記変
速アーム14dに連結させている。更に変速操作第二軸
102には、後述する中立戻し機構と連動連係するため
の、戻しアーム90が突設される。
【0038】この構成において、オペレータが変速操作
レバー41を前後方向に回動させると、該変速操作レバ
ー41の基部に連結される変速操作軸100全体が回転
され、該変速操作軸100の下端に設けられる揺動アー
ム63が水平方向で前後に揺動される。従って、該揺動
アーム63に連結されるプッシュプルロッド64が変速
アーム14dを押動又は張引して、前記HST14aの
変速比が変更されて車速が変更されることとなる。
【0039】次に、上述の走行停止ペダル47の踏動に
より強制的に変速操作レバー41を中立復帰させる、中
立戻し機構の構成を説明する。図9は走行停止ペダルを
変速操作レバー及び変速アームと連係させる構成を示し
た右側面図、図10は同じく平面断面図、図11は同じ
く斜視図である。また、図12は走行停止ペダルを踏み
込まない状態でのカム板及びピンの状態を示した、平面
断面拡大図、図13は走行停止ペダルを踏み込んだ状態
でのカム板及びピンの状態を示した、平面断面拡大図で
ある。図14はPTOクラッチ装置を入切操作するため
の電気回路を示した図である。
【0040】前記底板81の下面には、操向ブレーキペ
ダルの一対(図外)を右側のステップ6に配設させるた
めの、ブラケット82を吊下させている。該ブラケット
82の左面には、支軸83が回転自在に水平に支持され
る。そして該支軸83の一端側には、上記走行停止ペダ
ル47の基部47aを相対回転不能に固定している。こ
の走行停止ペダル47は、筒状に形成した前記基部47
aと、オペレータが踏動するための踏面部47bと、該
踏面部47bに前記基部47aを連結する連結部47c
とからなり、前記支軸83を介して該基部47aを上記
ブラケット82に支持することにより、走行停止ペダル
47全体が枢支される。上記支軸83の他端側には、押
動アーム84が後方に向けて突設される。前記ブラケッ
ト82には更に、ベルクランク85が回動自在に支持さ
れる。該ベルクランク85は互いに略垂直とされた二本
のアーム85a・85bを有しており、第一のアーム8
5aは前方に延出され、その先端は中間リンク86を介
して、上記支軸83に取り付けられた押動アーム84に
連結している。第二のアーム85bは上記底板81に設
けた孔から上方へ延出され、その先端に連絡ロッド87
の一端を枢結している。該連絡ロッド87は前方に延出
され、以下に説明するカム板88の第一のアーム部88
aに他端を連結している。このカム板88は水平に配置
され、前記連絡ロッド87の前端を枢結するための第一
のアーム部88aと、後述するバイパス操作機構151
に信号を送るための第二のアーム部88bと、後述する
戻しアーム90のピン91を挿通させるためのカム孔8
8cと、該カム板88全体を底板81上に揺動自在に支
持するための回動基部88dと、を有している。また、
前記底板81には、後述する付勢バネ89による付勢力
を受けて回動しようとするカム板88を、その端縁を当
接させることにより静止させるための、ストッパ92を
立設している。前記カム孔88cの形状は、その左右一
側を前後幅を広く形成した領域aとし、左右他側に向か
うに従って前後幅を狭窄させていく中間域bとして、そ
の形状がおよそ三角形となるように構成してある。そし
て該カム孔88cの左右他側の端部においては、前記ピ
ン91の幅に一致させた幅の溝cを形成している。カム
板88の前記第二のアーム部88bの先端は、ワイヤ機
構36により、後述するバイパス操作機構151の入力
アーム153に連係させている。
【0041】一方、図4・図9・図10に示すように、
前述の変速操作第二軸102には戻しアーム90が突設
されており、該戻しアーム90は上記カム板88の方向
へ向けて延出され、該カム板88と重ね合わされる。こ
の戻しアーム90先端にはピン91が立設されて、該ピ
ン91は上記カム孔88c内を挿通させてある。このピ
ン91とカム孔88cとを介して該戻しアーム90とカ
ム板88とを係合させることとして、前記揺動アーム6
3とカム板88とを連動連係させているのである。従っ
て、前記変速操作レバー41の回動により変速操作軸1
00が回転されると、それに応じて戻しアーム90上の
前記ピン91がカム孔88c内を略前後方向に移動する
ようになっている。また、前記連絡ロッド87には付勢
バネ89の一端が係止されており、該付勢バネ89の他
端は底板81の適宜位置に係止して、該連絡ロッド87
の後端を前方に向けて張引して、これにより走行停止ペ
ダル47が図示の位置に直立付勢される。
【0042】また、走行停止ペダル47の踏込みを検知
するリミットスイッチ20が、該ペダル47と前記カム
板88とを連結する前述のリンク機構中に配置される。
該リミットスイッチ20は常時閉じタイプのものが用い
られ、図14に示すように、前述した電磁弁80のソレ
ノイド80aに対する電気回路中において前記入切スイ
ッチ111と直列接続される。このリミットスイッチ2
0は、走行停止ペダル47の踏込みに応じて動くリンク
の一つによって、Onされて開かれるようにしている。
本実施例においては、前記ベルクランク85の第二のア
ーム85bに小片19を突設してあり、走行停止ペダル
47の踏込み解除時には前記リミットスイッチ20の接
片を該小片19が押動してOffとする一方、走行停止
ペダル47の踏込み時にはベルクランク85の回転によ
って前記小片19がリミットスイッチ20の押動を解除
して、Onされて開かれるようになっている。
【0043】この構成の作用を説明する。前記走行停止
ペダル47が踏動されない通常時においては、前記カム
板88は図10に示す如く、前記付勢バネ89が連絡ロ
ッド87を介して加える付勢力(符号Fで示す力)によ
り、前記ストッパ92にその端縁を当接させて静止され
る。そして、この場合は、戻しアーム90上の上記ピン
91がカム孔88cの前後幅の広い領域aに位置され、
また、変速操作レバー41が中立位置にあるときのピン
91の位置(以下、この位置を、ピンの中立位置と称す
る。)91Nは、図10・図12に示す如く該前後幅の
広い領域aにおける前後中間部となるように、前記カム
板88や前記戻しアーム90の位置を調整している。従
って、かかる状態ではピン91に対するカム孔88cの
規制が働かないため、戻しアーム90は図12の太線の
矢印に示すように前後方向に自由に揺動でき、このこと
より該戻しアーム90に連係される前記変速操作レバー
41も、前進及び後進位置に自由に操作することができ
る。従って、該変速操作レバー41の操作位置に応じた
位置にHST14aの変速アーム14dが傾動されるこ
とにより、車速の変更及び進行方向の切換が行われる。
【0044】一方、オペレータが前記走行停止ペダル4
7を踏み込むと、該走行停止ペダル47の基部47aに
固定される支軸83が回転され、該支軸83に固着され
る前記押動アーム84が上方向に回動されて中間リンク
86を押動し、該中間リンク86は前記ベルクランク8
5の第一のアーム85aを押動してベルクランク85全
体を回転させ、該ベルクランク85の第二のアーム85
bは付勢バネ89に抗して連絡ロッド87を、白抜き矢
印の如く後方に張引する。該連絡ロッド87はカム板8
8に形成した前記第一のアーム部88aを張引して、カ
ム板88を図10における反時計回り方向(力Fの方向
と反対の方向)に回転させる。これによりカム孔88c
が移動されて、戻しアーム90上の前記ピン91は、カ
ム孔88cにおいて狭窄状とされた前記中間域bの端縁
に当接してガイドされ、最終的にピン91は、図13に
示すようにカム孔88c終端の溝cに入ることとなる。
ここで、この溝cに入った場合のピン91は、その位置
が中立位置91Nとなるように、溝cの前後位置が決定
されている。従って、前記ピン91は該溝cに係合する
ことにより強制的に中立位置とされ、このことより前記
戻しアーム90に変速操作軸100を介して連係される
前記変速操作レバー41も(前記フリクション機構の摩
擦力にかかわらず)中立位置に強制復帰され、トランス
ミッション14の変速アーム14dも中立位置とされ
て、前記HSTが中立位置に戻されて車両は直ちに停止
されるのである。また、前記入切スイッチ111をOn
しソレノイド80aが励磁されているときはPTOクラ
ッチ装置27が「接」状態となっているが、この状態か
ら走行停止ペダル47を踏み込むと、前述のとおり車両
が停止されるのに加えて、リミットスイッチ20がOn
され開かれてソレノイド80aへの通電が一時的に遮断
されるため、PTOクラッチ装置27が「断」状態とな
る。つまり、走行停止ペダル47が実質的に主クラッチ
ペダルとして機能するように構成しているのである。
【0045】但し、前記カム板88によるカム機構は、
一例であり、カム作用を行うものである限りは他の構成
とすることも構わない。例えば円柱カム等の、板状でな
いカムを用いることも考えられる。
【0046】尚、走行停止ペダル47を踏み込んだとき
に中立位置に戻されるべきHST14aの変速アーム1
4dが、前記リンク機構46中の組立誤差や調整不良等
の原因により、完全に中立位置まで戻りきっていない
と、トラクタが微速で走り続けてしまうことになるが、
本実施例では、このような不具合を次のような手段で解
消してある。即ち、図2に示すように、HST14aの
閉回路130・130に配設した一対の作動油補給用チ
ェック弁131・131に、該チェック弁131・13
1を外部より開放し得るようにプランジャ150・15
0を平行状に装備させてある。そして図11に示すよう
に、HST14aのハウジング14cの外壁には、これ
らのプランジャ150・150の遊端部に当接する一対
のプッシュアーム152・152と入力アーム153と
でなるバイパス操作機構151が取り付けられ、前記入
力アーム153はワイヤ機構36を介して前記カム板8
8の前記第二のアーム部88bに連結されている。
【0047】この構成の作用を説明する。前述したよう
に走行停止ペダル47を踏み込んでカム板88が戻しア
ーム90を中立位置へ戻すよう揺動するときには、その
動きが略同時に入力アーム153にも伝達され、プッシ
ュアーム152・152の各々がプランジャ150・1
50を介してチェック弁131・131を強制的に開い
てHST14aの閉回路130・130をバイパスさせ
ることにより、変速アーム14dが正確に中立位置に戻
されていなくともトラクタは確実に停止することにな
る。尚、トラクタ停止後に走行停止ペダル47の踏込み
を解除したときには、チェック弁131・131は閉じ
られて前記閉回路130・130の短絡が解除される
が、変速操作レバー41は中立位置又は中立位置近傍に
まで戻っているため、微速で走り出すことはあっても、
急発進することはないのである。
【0048】次に、前記ステアリングハンドル9の操作
に応じて、前輪4・4を操向させるための操舵機構の構
成を説明する。図15は操舵機構の構成を示した右側面
図である。
【0049】前記車両フレーム3・3の下面に装架され
る前記底板81の左側方には、その下面に操舵機構支持
フレーム93を固着している。該操舵機構支持フレーム
93には斜状の支持面を形成し、該支持面には以下に説
明する操舵機構42を付設して支持している。該操舵機
構42は、上記操舵機構支持フレーム93に一端を支持
され他端を前記ハンドル軸37に連結される入力軸40
と、該入力軸40の下端に取り付けられるピニオン94
と、前記操舵機構支持フレーム93に回動自在に支持さ
れ該ピニオン94に噛合される扇状のステアリングギア
98と、該ステアリングギア98の機体外側端部に枢結
される出力ロッド79とによりなる。
【0050】ここで、前記ハンドル軸37を支持するハ
ンドルコラム38の基部は、前記トランスミッション1
4に対するエンジン動力伝達軸である前記出力軸59の
真上に設置しており、該ハンドルコラム38の基部から
下方に延伸されたハンドル軸37に、前記入力軸40
が、自在継手39を介して連結される。従って、該入力
軸40は該出力軸59との干渉を避けるべく、図4に示
すように下部が背面視左右一側となるよう斜状に配置さ
れる。また、該操舵機構42は、前記変速操作軸100
を設けた側とハンドルコラム38を挟んで機体左右方向
反対側に配置されるようにしている。これにより、ダッ
シュボード8内で変速操作軸100と操舵機構42やそ
の入力軸40とが互いに干渉することがなく、すっきり
とまとまったレイアウトとすることができる。
【0051】一方、上記フロントアクスルケース12の
左右両側には、回動ケース75L・75Rが図示せぬキ
ングピン軸を介して操舵自在に設けられており、左右の
該回動ケース75L・75Rからはそれぞれナックルア
ーム76・76が突設されて、左右の該ナックルアーム
76・76の先端同士がタイロッド77により連結され
る。また、左右一側(上記操舵機構42を配置した側)
の回動ケース75Lには更に舵取アーム78が設けられ
てあり、該舵取アーム78の先端には、前述した操舵機
構42の出力ロッド79を枢結させている。
【0052】この構成において、ステアリングハンドル
9を回動操作すると、ハンドル軸37が回転されて入力
軸40が回転し、ピニオン94が回転されてステアリン
グギア98を回動させ、出力ロッド79を前後に進退駆
動させる。従って、該出力ロッド79に連結される回動
ケース75L・75Rが左右方向に回動されて、前輪4
・4の方向が変更されて機体が旋回されることとなる。
【0053】次に、走行制御装置の変形例を説明する。
図16は走行制御装置の変形例を適用したトラクタの構
成を示した全体側面図、図17はガイドプレートの取付
けを示す側面図一部断面図、図18はガイドプレートの
凹部の形状を示す拡大側面図である。図19はガイドプ
レートの取付けを示す背面図である。
【0054】この変形例を適用したトラクタ1’が図1
6に示され、この図に示すトラクタ1’においては、前
記変速操作レバー41の中途を挿通させる開口95’
を、図1の場合に示すような後下がりの斜状とせず、図
16に示す如く略水平に形成している。該開口95’に
おいては、変速操作レバー41の中立位置に相当する部
分に略上下方向の短い溝が形成され、この短い溝の下端
寄りの位置から前進用シフトガイド溝96が前方に向か
って延伸される一方、上端からは後進用シフトガイド溝
97が後方に向かって延伸されるようにし、前進用・後
進用双方のシフトガイド溝(96・97)を略クランク
状に連続させた形状としている。即ち該開口95’は、
およそ前記開口95の上下を反転させた形状となってい
る。
【0055】本トラクタ1’のダッシュボード8の内部
の様子が図17に示され、この図に示すように、ハンド
ル軸37がハンドルコラム38内に回転自在に支持さ
れ、該ハンドル軸37の上端にステアリングハンドル9
を固定している。ハンドル軸37の下端は前記自在継手
39を介して入力軸40に連結させてある。そして、該
ハンドルコラム38の側部には変速操作第一軸101が
立設されて、回転自在に支持されている。前述のように
前記開口95’を側面視略水平としたことに対応させ
て、該変速操作第一軸101は側面視においてハンドル
コラム38に平行な斜状とせず略鉛直に配置され、これ
によって変速操作レバー41の前後回動方向が略水平と
なるようにしている。
【0056】該変速操作第一軸101の上端にはU字状
片101aが設けられて、該U字状片101aの間には
支軸66が、変速操作第一軸101の軸線に対し直角に
指向されて架設される。そして、前記変速操作レバー4
1の基端に設けられる筒部41bが、該支軸66に外嵌
され、回動自在とされている。これにより、変速操作レ
バー41が該支軸66の軸線まわりに上下に揺動自在と
されながら変速操作軸100上端に連結され、また、変
速操作レバー41を前後に回動した場合は、それに応じ
て、変速操作第一軸101を含む変速操作軸100全体
がその軸線まわりに回転されることとなる。
【0057】図19に示す如く、前記変速操作レバー4
1の前記筒部41b寄りの中途部においてステー70が
設けられ、該ステー70に付勢バネ71の一端が係止さ
れるとともに、該付勢バネ71の他端は、前記変速操作
軸101中途部に形設したステー72に係止される。こ
の付勢バネ71は変速操作レバー41を、前述の最初の
実施例の付勢バネ71(図4)とは逆の方向、即ち下方
回動させる方向に付勢する。従って、オペレータが変速
操作レバー41を中立位置から後進位置へ操作する際
は、該付勢バネ71に抗して変速操作レバー41を上方
へ回動するという段階を踏まなければならないようにな
っている。なお、符号112は、変速操作レバー41の
前後回動位置を保持するためのフリクション機構であ
る。前記付勢バネ71については、図19のように引張
りバネとする構成に限らない。例えば、支軸66、ある
いは変速操作レバー41の筒部41bに捩りコイルバネ
を外嵌させるようにしても、変速操作レバー41に対す
る下方回動付勢を行わせることができる。
【0058】この変形例においては図17・図19に示
すように、細長いプレート104の長手方向一側をハン
ドルコラム38の外周面(後面)に熔接してあり、該プ
レート104の他側は前記変速操作レバー41と同じ側
に延出されながら折曲され、機体前方に向けてある。プ
レート104の前記他側には、ガイドプレート105が
ボルト106・106によって固定されている。そして
図18に示すように、このガイドプレート105の上縁
には凹部105aが形成される一方、該ガイドプレート
105の位置に対応する前記変速操作レバー41の長手
方向中途部には、図18・図19に示す如く案内片25
が熔接されている(図17においては図略)。この案内
片25は、前記変速操作レバー41中途部から下方に延
出する垂直部25aと、該垂直部25a下端から連続す
る水平部25bとを有する、背面視「L」字状に構成さ
れ、後述するように、該凹部105aの底部に前記案内
片25の水平部25b下面を当接させてガイドするよう
にしている。
【0059】ガイドプレート105の拡大図である図1
8に示すように、前記凹部105aの底部の形状は、そ
の前後方向中央の領域Aが最も深くなっており、該最深
部Aより前側は相対的に若干浅い部分Bとし、該最深部
Aより後側は更に浅い部分Cとしてある。前記凹部10
5a底部の輪郭線は、最深部A・若干浅い部分B・更に
浅い部分Cのいずれにおいても、(前記変速操作軸10
1と垂直な)ほぼ水平な直線状部分を含む形状となって
おり、該直線状の輪郭部分に平行となるよう前記水平部
25b下面を構成して、該水平部25bの下面が直線状
の輪郭部分上に乗った状態で変速操作レバー41の操作
位置が保持されるようになっている。なお、以下におい
て、前記凹部105aの底部輪郭におけるほぼ水平直線
状の輪郭部分を「水平直線状部分」と称する。前記最深
部Aの前後幅は、前記案内片25の水平部25bの前後
幅より僅かに大きい幅となるよう構成し、案内片25が
前記最深部Aに係入したとき(変速操作レバー41が中
立位置にあるとき)の該変速操作レバー41の前後方向
の余計なガタつきを防止している。そして、前記付勢バ
ネ71によって下方に回動付勢される前記変速操作レバ
ー41の前記案内片25の水平部25bが前記最深部A
に入り込むときに、前記HST14aが中立状態となる
よう、該凹部105aの形状を設定している。尚、前記
ガイドプレート105は前後方向(前記変速操作レバー
41の前後回動操作に沿う方向)の長孔113及び前記
ボルト106を介して前記プレート104に取り付けて
あり、ガイドプレート105の前後位置の調整を可能と
している。
【0060】前記凹部105aにおいて、前記最深部A
と前記若干浅い部分Bとが連続する部分にはアールを形
成した段部Pが設けられており、また、前記最深部Aと
前記更に浅い部分Cとが連続する部分には、同様にアー
ルを形成した段部Qが設けられている。言い換えれば、
前記最深部Aに前記案内片25を位置させている変速操
作レバー41は、前記付勢バネ71による付勢力に抗し
てこの段部P・Qを乗り越えさせなければ、前後方向に
回動することができない。従って、中立位置にある変速
操作レバー41にオペレータが何かのはずみで手を触れ
てしまったような場合でも、変速操作レバー41が中立
位置から容易に回動してトラクタ1’が動き出すような
事態は回避される。さらには、前記若干浅い部分Bの前
後方向中途部には緩やかな段部Rが形成されており、こ
の段部Rによるデテント機構の如くの作用によって、オ
ペレータの変速操作レバー41を前方回動操作した時の
操作フィーリングが高められている。例えば、作業機と
して耕耘機を採用する場合、変速操作レバー41の前方
への操作量がこの段部Rを乗り越えない程のものである
ときは「標準速度での耕耘」に、この段部Rを乗り越え
て前方へ回動操作したときは「高速耕耘」とする。こう
すれば、オペレータは変速操作レバー41の操作時に手
に伝わる感触によって、いまの操作位置が「標準速度で
の耕耘」か「高速耕耘」かの目安を知ることができる。
【0061】中立位置にある変速操作レバー41を、前
記案内片25が前記段部Pを乗り越えるように前方へ回
動すると、該案内片25は前記最深部Aから脱出して、
前方の若干浅い部分Bに至る。このときに前記HST1
4aは前進方向に駆動されて、トラクタ1’が前進す
る。一方、中立位置にある変速操作レバー41を上方へ
引き上げて前記案内片25に前記段部Qを乗り越えさ
せ、後方へ回動した場合は、該案内片25は前記最深部
Aから脱出して、後方の更に浅い部分Cに至る。このと
きに前記HST14aは後進方向に駆動されて、トラク
タ1’は後進することとなる。このように、前記ガイド
プレート105は、その上縁に形成する凹部105aの
輪郭によって、前記変速操作レバー41の前進位置・中
立位置・後進位置を規定している。言い換えれば、ガイ
ドプレート105を設けるという簡単な構成によって、
変速操作レバー41をその有する操作位置に確実に操作
できる構成が達成できるのである。
【0062】前記変速操作レバー41の中途部を前記凹
部105aに直接当接させる構成とせず、該中途部に設
けた前記案内片25の水平部25bを該凹部105aに
当接させる構成としているのは、変速操作レバー41を
「微速前進」又は「微速後進」においた場合でも、その
操作位置を安定して保持させるためである。即ち、仮
に、前記変速操作レバー41の中途部を前記凹部105
aの底部に直接当接させる構成とすると、変速操作レバ
ー41が断面円形であって前記「水平直線状部分」に点
接触することとなり、また、前記段部P・Qがアールを
伴う形状となっている関係上、「微速前進」位置又は
「微速後進」位置にある変速操作レバー41は、その下
端部分が前記段部P・Qのアールに至ったときに前記付
勢バネ71の下方付勢作用により該アールを滑り落ちて
最深部Aに落下してしまうので、変速レバー41が中立
位置へ自然に動いてしまう。結局、トラクタ1’の微速
前進あるいは微速後進状態を保持したいオペレータは、
変速操作レバー41の操作位置が動かないように手で保
持せざるを得ないのである。その点、本構成によれば、
前記凹部105aの底縁に直接当接するのは前記案内片
25の平坦な水平部25bであるから、変速操作レバー
41が中立位置に近い操作位置にあったとしても、該水
平部25bが前記若干浅い部分Bあるいは更に浅い部分
Cにおける「水平直線状部分」に乗った状態が保持され
るのである。例えば図18には、変速操作レバー41が
微速前進位置にある状態が鎖線で図示されている。この
状態では水平部25bの略半部が前記若干浅い部分Bに
乗っているので、段部Pのアール部分を滑り落ちること
は回避される。このように、微速前進あるいは微速後進
位置にある該変速操作レバー41が前記段部P・Qのア
ールを最深部A(中立位置)に向けて自然に滑り落ちる
ことが防止されるので、トラクタ1’がオペレータの意
思に反して停止することはない。
【0063】なお、ガイドプレート105は、前記ハン
ドルコラム38に熔接することで堅牢に固着された前記
プレート104にボルト106で固定されている構成と
なっているから、前記ボルト106を強力に締結してい
る限りは、前記ガイドプレート105の前後位置が通常
の使用に伴ってズレて、変速操作レバー41の操作位置
がズレてしまうような事態は防止されることになる。
【0064】そして、ガイドプレート105に形成され
る前記凹部105aは、変速操作レバー41の前進・中
立・後進の操作位置を規定すると同時に、各操作位置か
ら他の操作位置まで移行させる際の操作経路をも規定す
る。本変形例では、前記凹部105aの輪郭形状(図1
8に示す各部分A・B・Cや段部P・Qを含む)は、前
記開口95’の側面視略クランク状の形状に対応させ
て、変速操作レバー41の操作経路も該開口95’の形
状に沿った略クランク状となるよう、設定しているので
ある。但し、本変形例における操作経路は一例であって
これに限られるものではなく、前記凹部105aの輪郭
形状を種々設定することによって、変速操作レバー41
の操作経路を任意に設定できることになる。
【0065】次に、前記変速操作レバー41を油圧リフ
ト装置29に連係させる構成を説明する。図20は油圧
リフト装置の右側面図、図21は同じく背面断面図、図
22はアームの張引によってフリクション機構が解除さ
れる様子を示した平面断面図、図23は油圧リフト装置
の底面図である。
【0066】即ち図19に示すように、前記変速操作第
一軸101の上方寄りの部位にはステー107の基端が
熔接され、該ステー107は前記変速操作レバー41と
略平行に延出されている。ステー107の先端には、ア
ウターチューブ108の一端が上下方向に向けられて固
定される。前記変速操作レバー41の中途部上面にはネ
ジ止め部110が熔接され、該ネジ止め部110に、前
記アウターチューブ108内を挿通されるワイヤー10
9の一端がネジ止めされ連結されている。このワイヤー
109は後述するように、変速操作レバー41と前記油
圧リフト装置29を連係させる連係機構としての機能を
果たす。
【0067】このように、アウターチューブ108の端
部を支持するステー107が前記変速操作第一軸101
に固設されていることから、変速操作レバー41の前後
回動操作によって変速操作第一軸101が回動すると、
それに応じてステー107も前後に回動することにな
る。従って、前記ネジ止め部110の前記ステー107
先端に対する前後方向相対位置は、前記変速操作レバー
41の前後回動によっても殆ど変化しない。結局、前記
ワイヤー109には、前記変速操作レバー41の上下回
動操作の情報のみが入力されることになる。即ち、前記
変速操作レバー41の前後回動位置に無関係に、変速操
作レバー41が上方回動されればワイヤー109の一端
が上方に張引され、変速操作レバー41が下方回動され
れば該ワイヤー109の前記張引は解除される。
【0068】前記ワイヤー109を挿通させるアウター
チューブ108の他端は、トラクタ1’後部の前記油圧
リフト装置29に向けて延出される。該油圧リフト装置
29の側面図が図20に示され、この油圧リフト装置2
9は、運転席に向けて上方に延出される作業機昇降レバ
ー126(図16においては図示せず)の前後回動操作
に応じて、該油圧リフト装置29のリフトアーム45を
上下回動させ、該リフトアーム45に連結する前記作業
機の昇降を行わせるものである。該作業機昇降レバー1
26は図20に示すように、前方回動したときは作業機
を下降させ、後方回動したときは作業機を上昇させるよ
うに構成している。
【0069】該作業機昇降レバー126の基部を外嵌さ
せる支点軸126aは該油圧リフト装置29のケーシン
グ139の一側側面に固設され、また、該作業機昇降レ
バー126の基部にはアーム127が固設されて下方に
延出されている。該アーム127の先端にはロッド12
8の前端が枢結される。
【0070】一方、前記作業機昇降レバー126の後方
位置においては図20や図21に示すように、前記油圧
リフト装置29のケーシング139側面に支軸129が
水平方向に横支され、回転自在とされている。油圧リフ
ト装置29の外側に延出する該支軸129の部分にはポ
ジションアーム135が固定され、該ポジションアーム
135の一端に前記ロッド128の後端が枢結される。
これによって、該ポジションアーム135と前記作業機
昇降レバー126とが連係される。尚、作業機昇降レバ
ー126と前記ケーシング139の適宜位置との間には
戻しバネ170が弾装されて、該作業機昇降レバー12
6を「上昇」方向に向けて常時張引付勢している。この
戻しバネ170に抗して作業機昇降レバー126の操作
位置を摩擦によって保持するフリクション機構149
が、前記ポジションレバー135に配設される。
【0071】このフリクション機構149の構成を説明
する。図20・図21に示すように、ケース139の前
記ポジションアーム135を配置した側に、第一プレー
ト171が取り付けられている。該第一プレート171
は側面視長方形状として、該ケース139に対しボルト
175(図20)を用いて固定されている。そして、こ
の第一プレート171よりケース139から離れた位置
に、第二プレート172が配置される。該第二プレート
172は第一プレート171に平行に取り付けられる。
具体的には、第一プレート171及び第二プレート17
2に設けてある孔にそれぞれケース139側から二本の
ボルト179を挿通し、各ボルト179にはナット18
0を取り付けるとともに、各ボルト179・179の軸
部に付勢バネ176を外嵌している。該付勢バネ176
は第二プレート172とナット180との間に配置さ
れ、その弾発力によって第二プレート171を第一プレ
ート171側へ付勢するようにしている。
【0072】第一プレート171と第二プレート172
との間には、ポジションアーム135の上部が挿入され
ている。ポジションアーム135の該挿入部分において
は、第一プレート171を向く面及び第二プレートを向
く面に、それぞれ嵌合突起174・174が形成され、
各嵌合突起174にはフリクション部材177が嵌合さ
れる。このフリクション部材177は側面視において図
20に示す如くリング状に形成されており、ポジション
アーム135の第一プレート171を向く面及び第二プ
レート172を向く面のそれぞれに配置される。この構
成において、前記付勢バネ176によって付勢される第
二プレート172がフリクション部材177に接触し、
第一プレート171側へ押し付けることで、前記戻しバ
ネ170に抗してポジションアーム135を保持するた
めの摩擦力を発生させている。従って、通常では、作業
機昇降レバー126から手を離した場合でも、該レバー
126が前記戻しバネ170によって「上昇」位置に戻
ることはなく、その操作位置が保持される。
【0073】実際にオペレータが作業機昇降レバー12
6を操作する際は、前記摩擦力を上回る操作力で該レバ
ー126を回動操作することになる。なお、図20に示
すように、前記二本のボルト179・179のうち後側
のボルト179の軸部によって前記ポジションアーム1
35の回動範囲の一側が規制され、また、第一プレート
に設けたピン181によって前記ポジションアーム13
5の回動範囲の他側が規制されているので、この作業機
昇降レバー126の操作範囲(回動範囲)も該ポジショ
ンアーム135の回動範囲に応じて定められることにな
る。
【0074】ケース139側に位置する前記第一プレー
ト171にはカム軸173が回転自在に支持されて、該
カム軸173は二枚のプレート171・172に挟まれ
た位置で上下方向に向けられて配置されている。該カム
軸173の第二プレート172側に接する部位は平面状
に欠切されて、カム部が形成されている。また、カム軸
173の上端にはアーム178の基端が固設されて、該
アーム178の先端に前記ワイヤ109の端部が連結さ
れている。ワイヤ109を挿通させるアウタチューブ1
08は、図20に示すようにケース139の側壁の適宜
位置に固定されている。
【0075】図22の(a)には前記変速操作レバー4
1を上方回動する前の状態、同図(b)には上方回動し
た後の状態が、それぞれ示される。このように、変速操
作レバー41を上方回動すると、前述の如く張引される
ワイヤー109がアーム178を引っ張ってカム軸17
3を回動させ、該カム軸173のカム部が第二プレート
172を第一プレート171から前記付勢バネ176・
176に抗して離間させて、二枚のプレート171・1
72とフリクション部材177間に生じていた圧接状態
を解除させる。回動フリーとなったポジションアーム1
35に連結される作業機昇降アーム126は、前記戻し
バネ170(図20)の戻し作用によって「上昇」位置
へと戻され、リフトアーム45・45は後述するように
上昇される。このように、前記変速操作レバー41を上
方回動すると、作業機が自動的に上昇するように構成さ
れているのである。
【0076】図21に示すように、前記支軸129は前
記油圧リフト装置29のケーシング139内部に延出さ
れて、その内端にはアーム136が固設され、該アーム
136の先端には円柱状の押動体137が形成されてい
る。従って、前記ポジションアーム135の回動操作に
応じて支軸129が回転され、前記押動体137が前後
に変位することとなる。
【0077】一方、前記ケーシング139にはリフトア
ーム駆動軸138が左右水平方向に配置され、回転自在
に支持されている。該リフトアーム駆動軸138の両端
は該ケーシング139外に延出され、その端部に左右一
対の前記リフトアーム45の基端をそれぞれ固定してい
る。前記リフトアーム駆動軸138の左右中央部には入
力アーム141が固定されて下方に延出され、該入力ア
ーム141は、前記油圧シリンダ160の可動部分に連
結されている。図2に示すように、油圧シリンダ160
には、前記エンジン26の回転を受けて駆動される前述
の油圧ポンプ43からの圧油が、前述の方向切換弁ユニ
ット58を介して供給される。
【0078】前記ポジションアーム135を設けた左右
反対側の前記ケーシング139側面には、支軸144が
回転自在に支架され、その外端に設けたフィードバック
アーム145は、リンク機構146を介して、前記リフ
トアーム45に連結されている。支軸144の内端側に
はアーム147が固設され、該アーム147の先端には
円柱状の押動体148が形成されている。これによっ
て、前記リフトアーム45の回動角が押動体148の前
後位置としてフィードバックされることになる。
【0079】前記二つの押動体137・148の前方に
フィードバックリンク154が左右方向に配置され、該
フィードバックリンク154は背面視略「U」字状に形
成されて、上方に向けて延出される両端部分が前記押動
体137・148に接触可能とされている。一方、前記
油圧シリンダ160に対する圧油の供給/供給停止を切
り換える前記方向切換弁ユニット58が図22に示すよ
うに前記フィードバックリンク154の前方に設けられ
る。該方向切換弁ユニット58のメインスプール155
は前後方向に配置されて軸方向摺動自在とされ、該メイ
ンスプール155の後端は後方に延出されて、該延出部
分には連結片156を固設している。該連結片156に
は、前記フィードバックリンク154の左右中央部がピ
ン157を介して枢結されている。前記メインスプール
155には戻しバネ158が設けられている。
【0080】このような構成の作用を、図20に示す前
記作業機昇降レバー126をオペレータが「上昇」側に
操作した場合を例にとって説明する。作業機昇降レバー
126が回動されると、該昇降レバー126にアーム1
27及びロッド128を介して連係される前記ポジショ
ンアーム135が回動されて、図21に示す支軸129
が回転する。支軸129にアーム136を介して設けら
れる押動体137が前方に変位し、前記フィードバック
リンク154の一端側を押動して傾動させる。これによ
って、該フィードバックリンク154の中央部に連結さ
れるメインスプール155が前方に押動される。この結
果、方向切換弁ユニット58内において圧油が切り替え
られ、前記油圧シリンダ160は圧油が供給されて伸張
駆動し、リフトアーム45が上方回動して作業機が上昇
する。
【0081】図21に示すフィードバックアーム145
はリフトアーム45と上述の如く連係されているので、
該フィードバックアーム145は前記リフトアーム45
の上方回動に従って回動され、これによって支軸144
にアーム147を介して設けられる押動体148が後方
へ変位する。該フィードバックリンク154の中央部分
もそれに伴って後方へ変位し、メインスプール155も
前記戻しバネ158の作用によって後方に戻る。この結
果、前記方向切換弁ユニット58において圧油の供給が
停止されて、油圧シリンダ142は伸張駆動を停止し、
前記作業機は元の位置から上昇された新しい位置で保持
される。
【0082】以上の構成に加えて図21に示すように
(図23においては図略)、前記油圧リフト装置29に
はオペレータ側で設定可能なデプス操作レバー161が
設けられており、該デプス操作レバー161の設定値
が、前記支軸129に回転自在に外嵌された筒軸162
を介してアーム163に伝達され、該アーム163の先
端に形成された円柱状の押動片164の前後位置として
入力される。一方、作業機の昇降位置は、図示しないリ
ンク機構を介してアーム165に入力され、該アーム1
65から前記支軸144上に回転自在に外嵌された筒軸
166を経由してアーム167へとフィードバックさ
れ、該アーム167の先端に形成した円柱状の押動片1
68が前後移動する。そして、以上の二つの押動片16
4・168に接触可能にデプスフィードバックリンク1
69が配置される。このデプスフィードバックリンク1
69は、前記フィードバックリンク154と同様に
「U」字状に構成され、その左右中央部を前記ピン15
7を介して前記連結片156に枢結させている。このよ
うに、前記作業機昇降レバー126による作業機昇降の
フィードバック制御に加えて、デプス操作レバー161
による作業機昇降のフィードバック制御をも行わせるよ
うにしているのである。
【0083】そして前述のとおり、前記ポジションアー
ム135の位置を保持するフリクション機構149には
ワイヤー109が連結され(図20)、該ワイヤー10
9によって前記変速操作レバー41と連係されている。
従って、変速操作レバー41が上方に回動されたとき
は、前記ワイヤー109が前記フリクション機構149
による前記ポジションアーム135の操作位置の保持を
解除させ、前記戻しバネ170が前記作業機昇降レバー
126を「上昇」側に回動するよう張引して、該作業機
昇降レバー126に連結されるポジションアーム135
は回動される。この結果、前述の如くメインスプール1
55が押動されて方向切換弁ユニット58が切り替えら
れ、油圧シリンダ160が伸張駆動してリフトアーム4
5が上方回動し、作業機が上昇するのである。
【0084】ここで、図16に示すように、変速操作レ
バー41の中途部を挿通させる開口95’は、その中立
位置に相当する部分において上下方向の短い溝を有して
おり、また、この変速操作レバー41は、図19に示す
付勢バネ71によって下方回動方向に付勢されている。
従って、停止状態にあるトラクタ1’を後進させるべ
く、中立位置にある前記変速操作レバー41を後方へ回
動するには、変速操作レバー41の握り部41aを持ち
上げて前記上下方向の短い溝内において変速操作レバー
41を上方へ移動させた上で、該短い溝の上端から後方
に伸びるガイド溝97に前記変速操作レバー41の中途
部を入り込ませるようにしなければならない。この上方
回動操作が前記ワイヤー109に入力され、前述の如く
油圧リフト装置29がリフトアーム45を上昇回動し
て、作業機が上昇されるのである。言い換えれば、本構
成は、トラクタ1’を後進させる際には必ず作業機が上
昇する構成となっている。これは、作業機(例えば、ロ
ータリー耕耘装置)を下降させて作業を行わせるのは通
例トラクタ1’を前進させながらであり、後進時にはそ
のような作業を行わないことに対応させた、合理的なも
のである。
【0085】従って、本変形例のトラクタ1’において
は、前進しながら作業機による作業を行わせている状態
においてトラクタを後進させる場合には、前進位置にあ
る変速操作レバー41を中立位置に操作することでトラ
クタ1’が停止され、そして、該変速操作レバー41を
後進位置におくべく、前記開口95’の上下方向の短い
溝内を前記付勢バネ71に抗して上方に回動した時点で
作業機が上昇される。更に、変速操作レバー41をその
上方回動状態を保持しながら後進用シフトガイド溝97
に入り込ませることで、作業機の上昇状態を保ったまま
トラクタ1’は後進を始める。以上のように、オペレー
タは作業機昇降レバー126に手を触れることなく、変
速操作レバー41のみの操作によって、トラクタ1’の
進行方向反転と作業機の上昇を、スマートかつ合理的に
連携させつつ行わせることができる。
【0086】なお、変速操作レバー41と油圧リフト装
置29とを連係させる構成は、前記ワイヤー109に限
らず、他の構成のリンク機構(例えば、アームやロッド
を用いたようなもの)であっても構わない。ただし、変
速操作レバー41は車両前後中途部の高い位置に配置さ
れる一方、油圧リフト装置29は車両後端に設けられる
のが通例であり、両者41・29の間の距離が長いこと
から、前記構成のようにワイヤー109を用いると、こ
のような長距離間の連係がコンパクトかつ簡易な構成で
達成できる点で有利である。
【0087】以上に本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的範囲は上記の実施例に限定されるものではな
く、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる
本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及
ぶものである。
【0088】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0089】変速操作レバーを前進側から後進側へ、あ
るいはその逆へ反転操作させる場合には、前記付勢バネ
に抗して変速操作レバーを上下方向に回動することをオ
ペレータに強制する構成であるから、不用意な変速操作
レバーの反転操作により突然にトラクタの進行方向が反
転するような事態が防止され、オペレータが激しい変速
ショックを感じることが少なくなる。
【0090】変速操作レバーを中立位置で上下いずれか
に回動する操作に連動して作業機を上昇させる構成であ
るから、前進して作業機による作業を行わせている状態
のトラクタを後進させる際には、変速操作レバーを中立
位置に操作してトラクタを停止させ、該変速操作レバー
を該中立位置で上下いずれかに回動することで作業機を
自動的に上昇させ、その上で変速操作レバーを後進側に
回動して作業機を上昇させたままトラクタを後進させ
る、といったように、変速操作レバーの操作のみで、ト
ラクタの進行方向反転と作業機の上昇をスマートかつ合
理的に連携させつつ行わせることができる。
【0091】変速操作レバーの操作と昇降機構とを確実
に連動させる構成が達成できる。
【0092】互いに遠い位置に配置されるのが通例であ
る変速操作レバーと昇降機構とを、ワイヤーによる簡単
かつコンパクトな構成にて連係させることができる。
【0093】取付ステーと前記変速操作レバーの前後相
対位置が殆ど変化しない構成となるから、変速操作レバ
ーの取付ステーに対する上下相対位置の情報のみを該連
係機構に入力させることができる。従って、前記変速操
作レバーの上下回動に作業機の昇降機構を連係させる構
成が、簡素な構成にて達成できる。
【0094】ガイドプレートによって前記変速操作レバ
ーの操作位置が規定されることとなるから、変速操作レ
バーを確実に操作できる構成が簡単な構成にて達成で
き、また、変速操作レバーを機体前後方向や上下方向に
回動させる任意の回動操作経路を、ガイドプレートの形
状を種々設定することによって容易に設定できる。ま
た、変速操作レバーが後進側に操作されると自動的に作
業機が上昇されることとなるから、作業機を下降させて
の作業はトラクタ前進時にのみ行い、トラクタ後進時に
は行わない、通例の使用状態に対応させた合理的な機能
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行制御装置を備える農用トラクタの
全体側面図。
【図2】トラクタにおける油圧回路を示した図。
【図3】エンジンのフライホイールとトランスミッショ
ンとの連動連結構成を示した左側面図。
【図4】ダッシュボード内部の構成を示した背面図。
【図5】変速操作レバーと変速操作軸とを連結する構成
を示した平面図。
【図6】同じく側面断面拡大図。
【図7】同じく背面拡大図。
【図8】燃料タンクと変速操作レバーとの関係を示す斜
視図。
【図9】走行停止ペダルを変速操作レバー及び変速アー
ムと連係させる構成を示した右側面図。
【図10】同じく平面断面図。
【図11】同じく斜視図。
【図12】走行停止ペダルを踏み込まない状態でのカム
板及びピンの状態を示した、平面断面拡大図。
【図13】走行停止ペダルを踏み込んだ状態でのカム板
及びピンの状態を示した、平面断面拡大図。
【図14】PTOクラッチ装置を入切操作するための電
気回路を示した図。
【図15】操舵機構の構成を示した右側面図。
【図16】走行制御装置の変形例を適用したトラクタの
構成を示した全体側面図。
【図17】ガイドプレートの取付けを示す側面図一部断
面図。
【図18】ガイドプレートの凹部の形状を示す拡大側面
図。
【図19】ガイドプレートの取付けを示す背面図。
【図20】油圧リフト装置の右側面図。
【図21】同じく背面断面図。
【図22】ワイヤによるアームの張引によってフリクシ
ョン機構が解除される様子を示した平面断面図。(a)
にはアームの張引前の状態が、(b)にはアームの張引
後の状態が、それぞれ示される。
【図23】油圧リフト装置の底面図。
【符号の説明】
1 農用トラクタ 4 前輪(操向可能な車輪) 8 ダッシュボード 9 ステアリングハンドル 14d 変速アーム 38 ハンドルコラム 41 変速操作レバー 41a 握り部 47 走行停止ペダル 59 出力軸(エンジン動力伝達軸) 63 揺動アーム 64 プッシュプルロッド 88 カム板(カム体) 95 開口 100 変速操作軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 61/34 F16H 61/34 61/36 61/36 63/06 63/06 63/26 63/26 (72)発明者 後藤 崇士 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目18番1号 株式 会社神崎高級工機製作所内 Fターム(参考) 2B304 KA02 KA08 KA16 LA02 LB05 MA02 MB02 PA01 PA15 PD02 PD32 3D040 AA23 AB04 AC01 AC29 AC30 AC62 AF00 AF07 AF19 3J067 AA01 AA27 AC42 BA43 BB05 FB01 FB61 FB83 GA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業機を車両後部に昇降機構を介して昇
    降自在に設けるとともに、車輪駆動用の変速装置を具備
    し、ダッシュボード上のステアリングハンドルをハンド
    ルコラムに支持した構成の農用トラクタに備えられる走
    行制御装置であって、変速操作レバーの操作に応じて該
    変速装置の変速比を変更させて車両を変速させるように
    構成したものにおいて、 前記変速装置に連動連係する変速操作軸を前記ハンドル
    コラムに配置して、該変速操作軸は、その軸線の方向を
    略上下方向とし、かつ、その軸線まわりで回転自在とな
    るよう支持し、 前記変速操作レバーは、その握り部を、前記ダッシュボ
    ードの側面に開けた開口より機体略左右一方側へ指向さ
    せ、また、その基部を前記ダッシュボード内で前記変速
    操作軸に接続し、 前記変速操作レバーを前進位置から後進位置へ切り換え
    る際、又は後進位置から前進位置へ切り換える際には、
    前記変速操作レバーをいったん中立位置において上下方
    向に回動する操作を行わなければならないように構成し
    てあり、前記昇降機構は、中立位置で変速操作レバーを
    上下いずれか一方に回動する操作に連動して作業機を上
    昇させるように構成してある、 農用トラクタの走行制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速装置を無段変速装置とすること
    を特徴とする、 請求項1に記載の農用トラクタの走行制御装置。
  3. 【請求項3】 前記昇降機構において、前記昇降機構
    は、連係機構を介して前記変速操作レバーに連結してい
    ることを特徴とする、農用トラクタの走行制御装置。
  4. 【請求項4】 前記昇降機構の作業機が、連係機構に接
    続した摩擦機構の解除によって上昇することを特徴とす
    る、 請求項3に記載の農用トラクタの走行制御装置。
  5. 【請求項5】 前記連係機構はワイヤーである、請求項
    4記載の農用トラクタの走行制御装置。
  6. 【請求項6】 前記昇降機構は連係機構を介して前記変
    速操作レバーに連結されるとともに、該連係機構は、前
    記変速操作レバーの前後回動に連動して前後回動する、
    取付ステーによって支持されていることを特徴とする、 請求項1に記載の農用トラクタの走行制御装置。
  7. 【請求項7】 作業機を車両後部に昇降機構を介して昇
    降自在に設けるとともに、車輪駆動用の変速装置を具備
    し、ダッシュボード上のステアリングハンドルをハンド
    ルコラムに支持した構成の農用トラクタに備えられる走
    行制御装置であって、機体前後方向及び上下方向に回動
    可能とされる変速操作レバーの操作に応じて該変速装置
    の変速比を変更させて車両を変速させるように構成した
    ものにおいて、 前記変速装置に連動連係する変速操作軸を前記ハンドル
    コラムに配置して、該変速操作軸は、その軸線の方向を
    略上下方向とし、かつ、その軸線まわりで回転自在とな
    るよう支持し、 前記変速操作レバーは、その握り部を、前記ダッシュボ
    ードの側面に開けた開口より機体略左右一方側へ指向さ
    せ、また、その基部を前記ダッシュボード内で前記変速
    操作軸に接続し、 更に、前記変速操作レバーの前進位置、中立位置、及び
    後進位置を規定するガイドプレートが、該変速操作レバ
    ーの中途部に当接可能に備えられたことを特徴とする、 農用トラクタの走行制御装置。
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