JP3872531B2 - オレフィン重合用触媒成分として有用な有機ケイ素化合物とその利用 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合用触媒成分として有用な新規有機ケイ素化合物およびそれを用いたオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エチレンやα−オレフィンの単独重合体または共重合体を製造するための触媒成分として、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物及び電子供与性化合物を必須成分とする固体触媒成分が数多く提案されている。
これらの触媒は、オレフィンの重合に於て高い活性を示すとともに、α−オレフィンの重合に於ては高い立体規則性を有する重合体を与えることも知られている。
とりわけ、上記固体触媒成分を調製する際に、フタル酸エステル化合物を代表例とする芳香族エステルを電子供与性化合物として使用した場合、高い活性を発現し、かつ高い立体規則性を有する重合体が得られることも知られている(例えば、特開昭57−63310等)。近年、上記における電子供与性化合物として複数の原子を介して存在する2個のエーテル結合を有する化合物を用いた触媒系(特開平3−294304)についても提案されている。
しかしながら、この固体触媒成分を用いた触媒系から得られるオレフィン重合体は、分子量分布が狭く、成形性と剛性がともに優れた重合体を得ることは難しいという問題点を有していた。
また近年、上記の固体触媒成分に助触媒として特定の構造を有する有機ケイ素化合物を添加することによって分子量分布の広いオレフィン重合体を製造する方法が提案されている(特開平4−359904)。この方法によってかなり広い分子量分布をもつオレフィン重合体を製造することができるが、より分子量分布が広いオレフィン重合体の製造方法の確立が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は高い活性を示し、立体規則性が高くかつ分子量分布が広いオレフィン重合体を製造し得るオレフィン重合用触媒を与える新規電子供与性化合物を提供すると共に、該電子供与性化合物を利用したオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果電子供与性の新規有機ケイ素化合物の製造に成功すると共に、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および電子供与性化合物からなるオレフィン重合用固体触媒成分における電子供与性化合物の少なくとも一部として該有機ケイ素化合物を用いることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
本発明は、第一に、新規有機ケイ素化合物を提供するものであり、該有機ケイ素化合物は下記一般式(1)で表わされる化学構造を有することを特徴とするものである。
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、炭素数が3から20の分枝状飽和炭化水素基もしくは環状飽和炭化水素基であり、R3 からR8 は、それぞれ独立に、水素または炭素数が1から20の炭化水素基であり、該炭化水素基はハロゲン、酸素、窒素、リンもしくは硫黄の原子を含んでいてもよく、R9 からR12は、それぞれ独立に、水素または炭素数が1から10の炭化水素基である。)
【0008】
本発明は、第二に、オレフィン重合用固体触媒成分を提供するものであり、該固体触媒成分は、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および上記有機ケイ素化合物からなることを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、第三に、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものであり、該製造方法はマグネシウム化合物、チタン化合物およびハロゲン含有化合物からなる触媒成分に上記有機ケイ素化合物を接触させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明は、第四に、オレフィン重合用触媒を提供するものであり、該触媒は上記第三における固体触媒成分および有機アルミニウム化合物からなることを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、第五に、オレフィン重合体の製造方法を提供するものであり、該製造方法は少なくとも1種のオレフィンを上記第四における触媒の存在下に重合させることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の新規有機ケイ素化合物、オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法について具体的に説明する。本発明に係る新規有機ケイ素化合物は、前記した一般式(1)で表わされる化学構造を有する化合物である。
【0013】
式中R1 からR12は前記したとおりだが、本発明の有機ケイ素化合物は、R1 とR2 が非直鎖状炭化水素基、特に炭素数が3から20の分枝状飽和炭化水素基もしくは環状炭化水素基である点に大きな特徴を有する。R1 およびR2 の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等がある。
【0014】
本発明の有機ケイ素化合物の具体例を化合物名で示すと、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−イソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−シクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソペンチル−2−イソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソペンチル−2−シクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソペンチル−2−シクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(ジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(フェニルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(ジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(フェニルジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(ジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(フェニルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス((tert−ブチルアミノ)ジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3−(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1−(フェニルジメチルシロキシ)−3−(トリメチルシロキシ)プロパン等が例示できる。中でも特に好ましいものが、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン等がある。
【0015】
本発明の有機ケイ素化合物の製造方法は特に限定されない。以下に製造方法の一例について記すが、これらが本発明の有機ケイ素化合物の製造方法を制限するものでないことは当然である。
【0016】
一例として、対応するジオール化合物(1a)と対応するハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)との脱ハロゲン化水素反応を挙げることができる。対応するジオール化合物(1a)は、下式(1a)によって表すことができる。
【0017】
【化3】
【0018】
(式中、R1 、R2 、R9 からR12は前記のとおりである。)
【0019】
対応するジオール化合物(1a)は、既知の適宜の方法を用いて製造しうる。例えば、EUROPIAN PATENT APPLICATION 361493に記されているように、マロン酸エステル化合物に置換基R1 、R2 を導入した後にエステル基の部分を還元することにより得ることができる。また、EUROPIAN PATENT APPLICATION 487035に記されているように2重結合を有するアルデヒド化合物をアルドール縮合反応の後に、水添反応、カニッツァロ反応を行うことによって得ることもできる。
【0020】
対応するハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)は下式(1b)によって表すことができる。
【0021】
【化4】
【0022】
(R3 からR5 は、前記のとおりである。Xはハロゲン原子であり、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれでもよい。)
【0023】
該ジオール化合物(1a)と該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)との脱ハロゲン化水素反応は、適宜の溶媒中においてこれら化合物を接触させればよい。溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類を用いることができる。脱ハロゲン化水素反応を促進させるためにトリエチルアミン、イミダゾール、ピリジン、尿素等の塩基性含窒素有機化合物等を添加してもよい。
【0024】
該脱ハロゲン化水素反応において、該ジオール化合物(1a)に対して2倍当量以上の該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)を接触させてもよい。また、該ジオール化合物(1a)1当量に対し該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)1当量を接触させた後に、異なる該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)1当量以上と接触させ、非対称の有機ケイ素化合物(1)を合成してもよい。また、該ジオール化合物(1a)の一つのヒドロキシル基をいわゆる「保護基」(例えば、トシル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、メトキシメチル基、アセチル基等)によって保護した後に、もう一方のヒドロキシル基を該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)と反応させ、その後に「脱保護反応」を行い、その後に異なる該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)と反応させてもよい。
【0025】
本発明に係るオレフィン重合用固体触媒成分は、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物からなる触媒成分に、前記有機ケイ素化合物の1種または2種以上を接触させることにより得られる。マグネシウム化合物、チタン化合物およびハロゲン含有化合物は、これらを用いる従来知られた固体触媒成分におけると同様の化合物を用いることができるが、以下それぞれについて更に説明する。
【0026】
本発明に於て使用されるマグネシウム化合物としては塩化マグネシウム、臭化マグネシウムの様なハロゲン化マグネシウム:エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウムの様なアルコキシマグネシウム;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムの様なマグネシウムのカルボン酸塩:ブチルエチルマグネシウムの様なアルキルマグネシウム等を例示することができる。また、これらの化合物は2種以上の混合物であってもよい。それらのなかでもハロゲン化マグネシウム、もしくは触媒調製時にハロゲン化マグネシウムを形成するものが好ましく、特に好ましいのは、上記のハロゲンが塩素であるものである。
【0027】
本発明に於て使用されるチタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のハロゲン化チタン:トリクロロメトキシチタン、トリクロロエトキシチタン、トリクロロ−n−ブトキシチタン、トリクロロ−iso−ブトキシチタン、トリブロモエトキシチタン等のトリハロゲン化アルコキシチタン:ジクロロジメトキシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジ(n−ブトキシ)チタン、ジクロロジ(iso−ブトキシ)チタン、ジブロモジエトキシチタン等のジハロゲン化ジアルコキシチタン:トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリ(n−ブトキシ)チタンクロライド、トリ(iso−ブトキシ)チタンクロライド、トリエトキシチタンブロマイド等のトリアルコキシチタンハライド:チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラiso−ブトキシド等のチタンテトラアルコキシド等を例示することができる。また、これらの化合物は2種以上の混合物であってもよい。これらのなかでもハロゲンを含む四価のチタン化合物が好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
【0028】
本発明に於て使用されるハロゲン含有化合物は、ハロゲンがフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素である化合物である。用いる化合物の形態は触媒調製法に依存するが、通常四塩化チタン、四臭化チタン等のハロゲン化チタン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素等のハロゲン化ケイ素:三塩化リン、五塩化リンなどのハロゲン化リン:2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール等のハロゲン含有アルコールが代表的な例である。調製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロゲン分子、ハロゲン化水素酸(例えば、HCl、HBr、HI)等を用いることもできる。
【0029】
本発明に於いて用いられる固体触媒成分の調製法は特に制限されないが、以下のような方法が好ましい方法として例示できる。即ち、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタン及び前記有機ケイ素化合物を共粉砕し、後にハロゲン化処理する方法、ハロゲン化マグネシウム単独又は、ハロゲン化マグネシウムとケイ素化合物またはリン化合物とを共粉砕後、前記有機ケイ素化合物の共存下、チタン化合物処理、さらにハロゲン化処理する方法、マグネシウムカルボン酸塩またはアルコキシマグネシウムとチタン化合物、ハロゲン化剤および前記有機ケイ素化合物を熱処理する方法、ハロゲン化マグネシウムを有機溶媒等に溶解させ、チタン化合物の存在下、析出時または析出後、前記有機ケイ素化合物を作用させる方法、さらには、アルキルマグネシウムとハロゲン化剤を接触させる際、前記有機ケイ素化合物またはチタン化合物を加える方法等がある。
【0030】
本発明に於ける有機アルミニウム化合物としては下記一般式(2)ないし(4)で表される化合物が好ましい。
AlR13R14R15 (2)
R16R17Al−O−AlR18R19 (3)
【0031】
【化5】
【0032】
式(2)、(3)、(4)に於いて、R13、R14、R15は、それぞれ独立に、炭素数が多くとも12個の炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子であるが、それらのうち少なくとも一個は炭素水素基であり、R16、R17、R18およびR19はそれぞれ独立に、炭素数が多くとも12個の炭化水素基である。またR20は炭素数が多くとも12個の炭化水素基であり、nは1以上の整数である。
【0033】
式(2)で示される有機アルミニウム化合物のうち代表的なものとしては、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム及びトリオクチルアルミニウムのごときトリアルキルアルミニウム、更にジエチルアルミニウムハイドライド及びジイソブチルアルミニウムハイドライドのごときアルキルアルミニウムハイドライド並びにジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド及びエチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムハライドが挙げられる。
【0034】
また、式(3)で示される有機アルミニウム化合物のうち、代表的なものとしては、テトラエチルジアルミノキサン及びテトラブチルジアルミノキサンのごときアルキルジアルミノキサン類が挙げられる。
【0035】
また、式(4)は、アルミノキサンを表し、アルミニウム化合物の重合体である。R20はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭化水素基を含むが、好ましくはメチル基、エチル基である。nの値は1〜10が好ましい。
【0036】
これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライド及びアルキルアルミノキサン類が好適であり、特にトリアルキルアルミニウム類が好ましい結果を与えるため好適である。
【0037】
本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製には、必要に応じて、電子供与性化合物(E.D.)が用いられるが、この電子供与性化合物(E.D.)としては、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸素含有化合物を用いることができる。
【0038】
アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、エチルイソプロピルジメトキシシラン、プロピルイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシラン、ジ(tert−ブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジエトキシシラン、tert−ブチルブチルジメトキシシラン、tert−ブチルイソブチルジメトキシシラン、tert−ブチル(sec−ブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルアミルジメトキシシラン、tert−ブチルtert−アミルジメトキシシラン、tert−ブチルヘキシルジメトキシシラン、tert−ブチルヘプチルジメトキシシラン、tert−ブチルオクチルジメトキシシラン、tert−ブチルノニルジメトキシシラン、tert−ブチルデシルジメトキシシラン、tert−ブチル(3,3,3−トリフルオルメチルプロピル)ジメトキシシラン、tert−ブチル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、tert−ブチル(シクロヘキシル)ジメトキシシラン、tert−ブチルフェニルジメトキシシラン、sec−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、sec−ブチルtert−ブチルジメトキシシラン、sec−ブチルtert−アミルジメトキシシラン、sec−ブチルテキシルジメトキシシラン、sec−ブチルシクロペンチルジメトキシシラン、sec−ブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、sec−ブチルフェニルジメトキシシラン、tert−アミルイソプロピルジメトキシシラン、tert−アミルシクロペンチルジメトキシシラン、tert−アミルシクロヘキシルジメトキシシラン、tert−アミルフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ビス(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルイソプロピルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メシチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、アミルトリメトキシシラン、イソアミルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ノルボルネニルトリメトキシシラン、インデニルトリメトキシシラン、2−メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン、イソプロピル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン、tert−ブチル(イソブトキシ)ジメトキシシラン、tert−ブチル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、テキシル(イソプロポキシ)ジメトキシシラン、テキシル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン等がある。
【0039】
窒素含有化合物としては、具体的には、2,6−ジイソプロピルピペリジン、2,6−ジイソプロピル−4−メチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン類、2,5−ジイソプロピルアゾリジン、N−メチル−2,2,5,5−テトラメチルアゾリジンなどの2,5−置換アゾリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類、1,3−ジベンジルイミダゾリジン、1,3−ジベンジル−2−フェニルイミダゾリジンなどの置換イミダゾリン類等がある。
【0040】
リン含有化合物としては、具体的には、トリエチルホスファイト、トリn−プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn−ブチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類等がある。
【0041】
酸素含有化合物としては、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロフラン、2,2,6,6−テトラエチルテトラヒドロフランなどの2,6−置換テトラヒドロフラン類、1,1−ジメトキシ−2,3,4,5−テトラクロロシクロペンタジエン、9,9−ジメトキシフルオレン、ジフェニルジメトキシメタンなどのアセタール化合物類等がある。
【0042】
これらのうち特にアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。特に好ましいのは、tert−ブチルシクロペンチルジメトキシシラン、tert−ブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、tert−ブチルフェニルジメトキシシラン、sec−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、sec−ブチルtert−ブチルジメトキシシラン、sec−ブチルテキシルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルイソブトキシジメトキシシラン、tert−ブチルtert−ブトキシジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、テキシル(イソプロポキシ)ジメトキシシラン、テキシル(tert−ブトキシ)ジメトキシシランである。
【0043】
重合に使用されるオレフィンとしては、一般には炭素数が多くとも18個のオレフィンであり、その代表例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。重合を実施するにあたり、これらのオレフィンを単独重合してもよいが、二種以上のオレフィンを共重合してもよい(例えば、エチレンとプロピレンとの共重合)。
【0044】
オレフィンの重合に於いて、重合系に於ける有機アルミニウム化合物の使用量は、10-4〜20ミリモル/Lが好ましい。固体触媒成分中のチタン原子に対するモル比は、通常0.5〜5000である。好ましくは2〜2000であり、特に好ましくは10〜1000である。この値が0.5以下の場合には、重合活性の大幅な低下を招く。また、5000以上にしても触媒性能が更に向上することはない。
【0045】
前記のチタン含有固体触媒成分の使用量は、有機アルミニウム化合物に対してモル比で、通常0.01〜5であり、好ましくは0.01〜1である。
【0046】
電子供与性化合物(E.D.)の使用量は、有機アルミニウム化合物に対するモル比で、通常0.001〜5、好ましくは0.01〜1の範囲内である。
【0047】
本発明に係るオレフィンの重合方法では、オレフィン重合用触媒にオレフィンを予備重合させておくことが好ましい。
【0048】
予備重合で使用されるオレフィンは、後記する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても異なっていてもよいが、プロピレンを用いることが好ましい。
予備重合の際の反応温度は、−20〜100℃、好ましくは−20〜60℃の範囲である。
予備重合に於いては、水素の様な分子量調製剤を用いることができる。
予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当たり0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの重合体が生成するように行うことが望ましい。
【0049】
重合を実施するにあたり、本発明の固形触媒成分、有機アルミニウム化合物は重合容器に別個に導入して、また事前に混合してもよい。
重合は、不活性溶媒中、液体モノマー(オレフィン)中あるいは気相のいずれでも行うことができる。また、分子量調節剤(一般には、水素)を共存させてもよい。
重合温度は、−10〜180℃であり、好ましくは20〜130℃である。
その他、重合反応器の形態、重合の制御法、後処理方法等については、本触媒系固有の制限はなく、公知の適宜の方法や条件を適用することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
なお、実施例及び比較例に於いてメルトインデックス(すなわち、MFR)は、JIS K−6758−1968に従って測定した。
【0051】
ヘプタンインデックス(以下、「H.R.」と表す)は、得られた重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した後の残量を重量%で表したものである。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)により溶媒としてオルトジクロロベンゼンを用い、温度が140℃で測定した。
曲げ初期弾性率(FM)の測定は、ASTM−D−790−66に準じて行った。
各実施例に於いて、固体触媒成分の製造及び重合に使用した各化合物(有機溶媒、オレフィン、水素、チタン化合物、マグネシウム化合物等)はすべて実質的に水分を除去したものである。
また、固体触媒成分の調製及び重合については、実質的に水分が存在せず、かつ窒素などの不活性雰囲気下で行った。
【0052】
実施例及び比較例で使用した有機ケイ素化合物またはその代替として用いた固体触媒成分中への添加物及び電子供与性化合物(E.D.)の名称とそれらの略号をそれぞれ以下に示した。2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン(A)、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン(B)、フタル酸ジイソブチル(C)、2−ベンゾイル安息香酸エチル(D)、シクロペンチルtert−ブチルジメトキシシラン(E)、テキシルイソプロポキシジメトキシシラン(F)。
【0053】
実施例1
2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパンの合成
攪拌装置、滴下ロートを付した200mlフラスコ内を窒素にて置換した後、ジエチルエーテル50mlを入れた。EUROPIAN PATENT APPLICATION 487035に記載の方法で合成した2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジヒドロキシプロパン5g(26.6mmol)、及びトリメチルクロロシラン(信越化学工業(株)製)6.5g(60mmol)を前記フラスコに添加した。このフラスコを0℃に冷却した。滴下ロート内にジエチルエーテル50mlとトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)10.1g(100mmol)の混合液を加え、前記フラスコ中に滴下した。約1時間攪拌した後に水200mlを添加し、この溶液をジエチルエーテルにて抽出した。エーテル層を採取した後減圧蒸留することで目的物6.5gを得た。反応収率は74%であった。
【0054】
bp124−125℃/10mmHg,GC>99.5%,
1H−NMR(400 MH,CDCl3 );3.377(dd,4H,OCH2).1.690(sept,1H),1.378(sept,1H),1.176−1.140(m,2H,CH2),1.097−1.059(m,2H,CH2),0.851(d,6H,CH3),0.835(d,6H,CH3),0.0404(s,18H,Si−CH3)ppm,
13C−NMR(100 MH,CDCl3 );63.754,42.909,32.476,29.170,28.055,22.739,17.842,−0.592ppm,
29Si−NMR(CDCl3 );15.405ppm,
【0055】
固体触媒成分の調製1
窒素雰囲気下にて無水塩化マグネシウム(市販の無水塩化マグネシウムを乾燥塩化水素ガス気流中で約500℃に於いて15時間焼成乾燥することによって得られたもの)9.5g(0.1mol)をデカン50mlと2−エチルヘキシルアルコール39g(0.3mol)の混合液が入っている丸底フラスコに加え、130℃にて2時間加熱溶解させた。無水フタル酸2.1gを加え、更に130℃にて1時間加熱した。この溶液を室温まで冷し、20mlを滴下ロートに仕込み、30分かけて−20℃の四塩化チタン80ml中へ滴下し、4時間で110℃まで上昇させた。これに、ヘキサン5mlに有機ケイ素化合物として2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン1.66g(0.005mol)を加えた容器をゆっくりと滴下した。滴下終了後、110℃、2時間で反応させた。上澄液を除去後、新たに四塩化チタン80mlを導入し、110℃で2時間加熱した。ついで、110℃のデカン100mlで3回洗浄後、室温にてヘキサン100mlで3回洗浄した。固体を濾別後、室温にて真空下でヘキサンを留去し、固体触媒成分を得た。この触媒成分のチタン原子含有率は2.4重量%であった。
【0056】
重合及び生成重合体の物性
内容積1.5Lのステンレス製のオートクレーブに上記の方法で製造された固体触媒成分を4mg、トリエチルアルミニウムの1Mヘキサン溶液3ml(3mmol)、電子供与性化合物(E.D.)としてシクロペンチルtert−ブチルジメトキシシランの0.1Mヘキサン溶液9ml(0.9mmol)を入れ、ついで340gのプロピレン及び0.1gの水素を仕込んだ。オートクレーブを昇温し、内温を70℃に保った。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結させた。重合結果及び得られた重合体の物性値を表−1に示した。
【0057】
実施例2
重合時に、電子供与性化合物(E.D.)としてテキシルイソプロポキシジメチルシランを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0058】
実施例3
2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパンの合成攪拌装置、滴下ロートを付した200mlフラスコ内を窒素にて置換した後、ジエチルエーテル50mlを入れた。EUROPIAN PATENT APPLICATION 361493に記載の方法で合成した2,2−ジイソブチル−1,3−ジヒドロキシプロパン5g(26.6mmol)、及びトリメチルクロロシラン(信越化学工業(株)製)6.5g(60mmol)を前記フラスコに添加した。このフラスコを0℃に冷却した。滴下ロート内にジエチルエーテル50mlとトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)10.1g(100mmol)の混合液を加え、前記フラスコ中に滴下した。約1時間攪拌した後に水200mlを添加し、この溶液をジエチルエーテルにて抽出した。エーテル層を採取した後減圧蒸留することで目的物6.0gを得た。反応収率は68%であった。
bp120−123℃/10mmHg,GC>99.5%,
1H−NMR(400 MH,CDCl3);3.307(dd,4H,OCH2),1.695(sept,2H),1.135(d,4H,CH2),0.900(d,12H,CH3),0.067(s,18H,Si−CH3)ppm,
【0059】
固体触媒成分の調製2
有機ケイ素化合物として、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパンを用いた以外は、実施例1に記載した固体触媒成分の調製1と同様に行った。
【0060】
重合及び生成重合体の物性
実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0061】
実施例4
重合時に、電子供与性化合物(E.D.)としてテキシルイソプロポキシジメチルシランを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0062】
比較例1〜4
有機ケイ素化合物の代替としてフタル酸ジイソブチルまたは2−ベンゾイル安息香酸を用い、重合時に添加する電子供与性化合物(E.D.)として表−1に示した化合物を使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0063】
実施例5
固体触媒成分の製造2
金属マグネシウム12.8g(0.53mol)、オルト蟻酸エチル88ml(0.53mol)及び反応開始剤として1,2−ジブロモエタン0.5mlを加えて懸濁液を55℃に保ち、更にヘキサン100mlにn−ブチルクロリド80ml(0.80mol)を溶解した溶液を5ml加えて50分間攪拌し、残りを80分かけて滴下した。攪拌下70℃で4時間反応を行い固体状生成物を得た。50℃でヘキサンにより6回洗浄した。
【0064】
該固体生成物6.3g及びデカン50mlを反応器に入れ室温で2,2,2−トリクロロエタノール2.0mlとデカン11mlの混合溶液を30分で滴下し、終了後80℃で1時間攪拌した。固体を濾別後ヘキサン100mlで4回洗浄し、さらにトルエン100mlで2回洗浄した。
【0065】
該固体にトルエン40ml、四塩化チタン60mlを加え90℃に昇温し、有機ケイ素化合物として2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン2.49g(0.0075mol)とトルエン5mlの溶液を5分間で滴下した後、120℃で2時間攪拌した。その後、固体を90℃で濾別し90℃のトルエンで2回洗浄した。さらに該固体にトルエン40ml、四塩化チタン60mlを加え120℃で2時間攪拌した。得られた固体を110℃で濾別し、室温下ヘキサン100mlで7回洗浄した。この固体を濾別後、室温にて真空下でヘキサンを留去し固体触媒成分を得た。この触媒成分のチタン原子含有率は2.5重量%であった。
【0066】
重合及び生成重合体の物性
上記方法で得られた固体触媒成分4mgを用いた以外は、実施例1に記載の重合方法にて重合評価を行った。結果を表−1に示す。
【0067】
実施例6〜8、比較例5〜8
有機ケイ素化合物たまはその代替として用いた固体触媒成分中への添加物及び電子供与性化合物(E.D.)としてそれぞれ表−1に示した化合物を使用した以外は実施例5と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
高活性、高立体特異性を発現し、なおかつ分子量分布が広いオレフィン重合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得た有機ケイ素化合物の 1H−NMR図。
【図2】実施例で得た有機ケイ素化合物の13C−NMR図。
【図3】実施例で得た有機ケイ素化合物の29Si−NMR図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合用触媒成分として有用な新規有機ケイ素化合物およびそれを用いたオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エチレンやα−オレフィンの単独重合体または共重合体を製造するための触媒成分として、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物及び電子供与性化合物を必須成分とする固体触媒成分が数多く提案されている。
これらの触媒は、オレフィンの重合に於て高い活性を示すとともに、α−オレフィンの重合に於ては高い立体規則性を有する重合体を与えることも知られている。
とりわけ、上記固体触媒成分を調製する際に、フタル酸エステル化合物を代表例とする芳香族エステルを電子供与性化合物として使用した場合、高い活性を発現し、かつ高い立体規則性を有する重合体が得られることも知られている(例えば、特開昭57−63310等)。近年、上記における電子供与性化合物として複数の原子を介して存在する2個のエーテル結合を有する化合物を用いた触媒系(特開平3−294304)についても提案されている。
しかしながら、この固体触媒成分を用いた触媒系から得られるオレフィン重合体は、分子量分布が狭く、成形性と剛性がともに優れた重合体を得ることは難しいという問題点を有していた。
また近年、上記の固体触媒成分に助触媒として特定の構造を有する有機ケイ素化合物を添加することによって分子量分布の広いオレフィン重合体を製造する方法が提案されている(特開平4−359904)。この方法によってかなり広い分子量分布をもつオレフィン重合体を製造することができるが、より分子量分布が広いオレフィン重合体の製造方法の確立が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は高い活性を示し、立体規則性が高くかつ分子量分布が広いオレフィン重合体を製造し得るオレフィン重合用触媒を与える新規電子供与性化合物を提供すると共に、該電子供与性化合物を利用したオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果電子供与性の新規有機ケイ素化合物の製造に成功すると共に、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および電子供与性化合物からなるオレフィン重合用固体触媒成分における電子供与性化合物の少なくとも一部として該有機ケイ素化合物を用いることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
本発明は、第一に、新規有機ケイ素化合物を提供するものであり、該有機ケイ素化合物は下記一般式(1)で表わされる化学構造を有することを特徴とするものである。
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、炭素数が3から20の分枝状飽和炭化水素基もしくは環状飽和炭化水素基であり、R3 からR8 は、それぞれ独立に、水素または炭素数が1から20の炭化水素基であり、該炭化水素基はハロゲン、酸素、窒素、リンもしくは硫黄の原子を含んでいてもよく、R9 からR12は、それぞれ独立に、水素または炭素数が1から10の炭化水素基である。)
【0008】
本発明は、第二に、オレフィン重合用固体触媒成分を提供するものであり、該固体触媒成分は、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および上記有機ケイ素化合物からなることを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、第三に、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものであり、該製造方法はマグネシウム化合物、チタン化合物およびハロゲン含有化合物からなる触媒成分に上記有機ケイ素化合物を接触させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明は、第四に、オレフィン重合用触媒を提供するものであり、該触媒は上記第三における固体触媒成分および有機アルミニウム化合物からなることを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、第五に、オレフィン重合体の製造方法を提供するものであり、該製造方法は少なくとも1種のオレフィンを上記第四における触媒の存在下に重合させることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の新規有機ケイ素化合物、オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法について具体的に説明する。本発明に係る新規有機ケイ素化合物は、前記した一般式(1)で表わされる化学構造を有する化合物である。
【0013】
式中R1 からR12は前記したとおりだが、本発明の有機ケイ素化合物は、R1 とR2 が非直鎖状炭化水素基、特に炭素数が3から20の分枝状飽和炭化水素基もしくは環状炭化水素基である点に大きな特徴を有する。R1 およびR2 の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等がある。
【0014】
本発明の有機ケイ素化合物の具体例を化合物名で示すと、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−イソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−シクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソペンチル−2−イソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソペンチル−2−シクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソペンチル−2−シクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(ジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(フェニルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(ジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(フェニルジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(ジメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(フェニルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス((tert−ブチルアミノ)ジメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3−(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1−(フェニルジメチルシロキシ)−3−(トリメチルシロキシ)プロパン等が例示できる。中でも特に好ましいものが、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジイソヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジクロペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン等がある。
【0015】
本発明の有機ケイ素化合物の製造方法は特に限定されない。以下に製造方法の一例について記すが、これらが本発明の有機ケイ素化合物の製造方法を制限するものでないことは当然である。
【0016】
一例として、対応するジオール化合物(1a)と対応するハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)との脱ハロゲン化水素反応を挙げることができる。対応するジオール化合物(1a)は、下式(1a)によって表すことができる。
【0017】
【化3】
【0018】
(式中、R1 、R2 、R9 からR12は前記のとおりである。)
【0019】
対応するジオール化合物(1a)は、既知の適宜の方法を用いて製造しうる。例えば、EUROPIAN PATENT APPLICATION 361493に記されているように、マロン酸エステル化合物に置換基R1 、R2 を導入した後にエステル基の部分を還元することにより得ることができる。また、EUROPIAN PATENT APPLICATION 487035に記されているように2重結合を有するアルデヒド化合物をアルドール縮合反応の後に、水添反応、カニッツァロ反応を行うことによって得ることもできる。
【0020】
対応するハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)は下式(1b)によって表すことができる。
【0021】
【化4】
【0022】
(R3 からR5 は、前記のとおりである。Xはハロゲン原子であり、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれでもよい。)
【0023】
該ジオール化合物(1a)と該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)との脱ハロゲン化水素反応は、適宜の溶媒中においてこれら化合物を接触させればよい。溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類を用いることができる。脱ハロゲン化水素反応を促進させるためにトリエチルアミン、イミダゾール、ピリジン、尿素等の塩基性含窒素有機化合物等を添加してもよい。
【0024】
該脱ハロゲン化水素反応において、該ジオール化合物(1a)に対して2倍当量以上の該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)を接触させてもよい。また、該ジオール化合物(1a)1当量に対し該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)1当量を接触させた後に、異なる該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)1当量以上と接触させ、非対称の有機ケイ素化合物(1)を合成してもよい。また、該ジオール化合物(1a)の一つのヒドロキシル基をいわゆる「保護基」(例えば、トシル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、メトキシメチル基、アセチル基等)によって保護した後に、もう一方のヒドロキシル基を該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)と反応させ、その後に「脱保護反応」を行い、その後に異なる該ハロゲン化有機ケイ素化合物(1b)と反応させてもよい。
【0025】
本発明に係るオレフィン重合用固体触媒成分は、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物からなる触媒成分に、前記有機ケイ素化合物の1種または2種以上を接触させることにより得られる。マグネシウム化合物、チタン化合物およびハロゲン含有化合物は、これらを用いる従来知られた固体触媒成分におけると同様の化合物を用いることができるが、以下それぞれについて更に説明する。
【0026】
本発明に於て使用されるマグネシウム化合物としては塩化マグネシウム、臭化マグネシウムの様なハロゲン化マグネシウム:エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウムの様なアルコキシマグネシウム;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムの様なマグネシウムのカルボン酸塩:ブチルエチルマグネシウムの様なアルキルマグネシウム等を例示することができる。また、これらの化合物は2種以上の混合物であってもよい。それらのなかでもハロゲン化マグネシウム、もしくは触媒調製時にハロゲン化マグネシウムを形成するものが好ましく、特に好ましいのは、上記のハロゲンが塩素であるものである。
【0027】
本発明に於て使用されるチタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のハロゲン化チタン:トリクロロメトキシチタン、トリクロロエトキシチタン、トリクロロ−n−ブトキシチタン、トリクロロ−iso−ブトキシチタン、トリブロモエトキシチタン等のトリハロゲン化アルコキシチタン:ジクロロジメトキシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジ(n−ブトキシ)チタン、ジクロロジ(iso−ブトキシ)チタン、ジブロモジエトキシチタン等のジハロゲン化ジアルコキシチタン:トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリ(n−ブトキシ)チタンクロライド、トリ(iso−ブトキシ)チタンクロライド、トリエトキシチタンブロマイド等のトリアルコキシチタンハライド:チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラiso−ブトキシド等のチタンテトラアルコキシド等を例示することができる。また、これらの化合物は2種以上の混合物であってもよい。これらのなかでもハロゲンを含む四価のチタン化合物が好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
【0028】
本発明に於て使用されるハロゲン含有化合物は、ハロゲンがフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素である化合物である。用いる化合物の形態は触媒調製法に依存するが、通常四塩化チタン、四臭化チタン等のハロゲン化チタン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素等のハロゲン化ケイ素:三塩化リン、五塩化リンなどのハロゲン化リン:2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール等のハロゲン含有アルコールが代表的な例である。調製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロゲン分子、ハロゲン化水素酸(例えば、HCl、HBr、HI)等を用いることもできる。
【0029】
本発明に於いて用いられる固体触媒成分の調製法は特に制限されないが、以下のような方法が好ましい方法として例示できる。即ち、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタン及び前記有機ケイ素化合物を共粉砕し、後にハロゲン化処理する方法、ハロゲン化マグネシウム単独又は、ハロゲン化マグネシウムとケイ素化合物またはリン化合物とを共粉砕後、前記有機ケイ素化合物の共存下、チタン化合物処理、さらにハロゲン化処理する方法、マグネシウムカルボン酸塩またはアルコキシマグネシウムとチタン化合物、ハロゲン化剤および前記有機ケイ素化合物を熱処理する方法、ハロゲン化マグネシウムを有機溶媒等に溶解させ、チタン化合物の存在下、析出時または析出後、前記有機ケイ素化合物を作用させる方法、さらには、アルキルマグネシウムとハロゲン化剤を接触させる際、前記有機ケイ素化合物またはチタン化合物を加える方法等がある。
【0030】
本発明に於ける有機アルミニウム化合物としては下記一般式(2)ないし(4)で表される化合物が好ましい。
AlR13R14R15 (2)
R16R17Al−O−AlR18R19 (3)
【0031】
【化5】
【0032】
式(2)、(3)、(4)に於いて、R13、R14、R15は、それぞれ独立に、炭素数が多くとも12個の炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子であるが、それらのうち少なくとも一個は炭素水素基であり、R16、R17、R18およびR19はそれぞれ独立に、炭素数が多くとも12個の炭化水素基である。またR20は炭素数が多くとも12個の炭化水素基であり、nは1以上の整数である。
【0033】
式(2)で示される有機アルミニウム化合物のうち代表的なものとしては、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム及びトリオクチルアルミニウムのごときトリアルキルアルミニウム、更にジエチルアルミニウムハイドライド及びジイソブチルアルミニウムハイドライドのごときアルキルアルミニウムハイドライド並びにジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド及びエチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムハライドが挙げられる。
【0034】
また、式(3)で示される有機アルミニウム化合物のうち、代表的なものとしては、テトラエチルジアルミノキサン及びテトラブチルジアルミノキサンのごときアルキルジアルミノキサン類が挙げられる。
【0035】
また、式(4)は、アルミノキサンを表し、アルミニウム化合物の重合体である。R20はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭化水素基を含むが、好ましくはメチル基、エチル基である。nの値は1〜10が好ましい。
【0036】
これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライド及びアルキルアルミノキサン類が好適であり、特にトリアルキルアルミニウム類が好ましい結果を与えるため好適である。
【0037】
本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製には、必要に応じて、電子供与性化合物(E.D.)が用いられるが、この電子供与性化合物(E.D.)としては、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸素含有化合物を用いることができる。
【0038】
アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、エチルイソプロピルジメトキシシラン、プロピルイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシラン、ジ(tert−ブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジエトキシシラン、tert−ブチルブチルジメトキシシラン、tert−ブチルイソブチルジメトキシシラン、tert−ブチル(sec−ブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルアミルジメトキシシラン、tert−ブチルtert−アミルジメトキシシラン、tert−ブチルヘキシルジメトキシシラン、tert−ブチルヘプチルジメトキシシラン、tert−ブチルオクチルジメトキシシラン、tert−ブチルノニルジメトキシシラン、tert−ブチルデシルジメトキシシラン、tert−ブチル(3,3,3−トリフルオルメチルプロピル)ジメトキシシラン、tert−ブチル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、tert−ブチル(シクロヘキシル)ジメトキシシラン、tert−ブチルフェニルジメトキシシラン、sec−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、sec−ブチルtert−ブチルジメトキシシラン、sec−ブチルtert−アミルジメトキシシラン、sec−ブチルテキシルジメトキシシラン、sec−ブチルシクロペンチルジメトキシシラン、sec−ブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、sec−ブチルフェニルジメトキシシラン、tert−アミルイソプロピルジメトキシシラン、tert−アミルシクロペンチルジメトキシシラン、tert−アミルシクロヘキシルジメトキシシラン、tert−アミルフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ビス(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルイソプロピルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メシチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、アミルトリメトキシシラン、イソアミルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ノルボルネニルトリメトキシシラン、インデニルトリメトキシシラン、2−メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン、イソプロピル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン、tert−ブチル(イソブトキシ)ジメトキシシラン、tert−ブチル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、テキシル(イソプロポキシ)ジメトキシシラン、テキシル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン等がある。
【0039】
窒素含有化合物としては、具体的には、2,6−ジイソプロピルピペリジン、2,6−ジイソプロピル−4−メチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン類、2,5−ジイソプロピルアゾリジン、N−メチル−2,2,5,5−テトラメチルアゾリジンなどの2,5−置換アゾリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類、1,3−ジベンジルイミダゾリジン、1,3−ジベンジル−2−フェニルイミダゾリジンなどの置換イミダゾリン類等がある。
【0040】
リン含有化合物としては、具体的には、トリエチルホスファイト、トリn−プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn−ブチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類等がある。
【0041】
酸素含有化合物としては、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロフラン、2,2,6,6−テトラエチルテトラヒドロフランなどの2,6−置換テトラヒドロフラン類、1,1−ジメトキシ−2,3,4,5−テトラクロロシクロペンタジエン、9,9−ジメトキシフルオレン、ジフェニルジメトキシメタンなどのアセタール化合物類等がある。
【0042】
これらのうち特にアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。特に好ましいのは、tert−ブチルシクロペンチルジメトキシシラン、tert−ブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、tert−ブチルフェニルジメトキシシラン、sec−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、sec−ブチルtert−ブチルジメトキシシラン、sec−ブチルテキシルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルイソブトキシジメトキシシラン、tert−ブチルtert−ブトキシジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、テキシル(イソプロポキシ)ジメトキシシラン、テキシル(tert−ブトキシ)ジメトキシシランである。
【0043】
重合に使用されるオレフィンとしては、一般には炭素数が多くとも18個のオレフィンであり、その代表例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。重合を実施するにあたり、これらのオレフィンを単独重合してもよいが、二種以上のオレフィンを共重合してもよい(例えば、エチレンとプロピレンとの共重合)。
【0044】
オレフィンの重合に於いて、重合系に於ける有機アルミニウム化合物の使用量は、10-4〜20ミリモル/Lが好ましい。固体触媒成分中のチタン原子に対するモル比は、通常0.5〜5000である。好ましくは2〜2000であり、特に好ましくは10〜1000である。この値が0.5以下の場合には、重合活性の大幅な低下を招く。また、5000以上にしても触媒性能が更に向上することはない。
【0045】
前記のチタン含有固体触媒成分の使用量は、有機アルミニウム化合物に対してモル比で、通常0.01〜5であり、好ましくは0.01〜1である。
【0046】
電子供与性化合物(E.D.)の使用量は、有機アルミニウム化合物に対するモル比で、通常0.001〜5、好ましくは0.01〜1の範囲内である。
【0047】
本発明に係るオレフィンの重合方法では、オレフィン重合用触媒にオレフィンを予備重合させておくことが好ましい。
【0048】
予備重合で使用されるオレフィンは、後記する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても異なっていてもよいが、プロピレンを用いることが好ましい。
予備重合の際の反応温度は、−20〜100℃、好ましくは−20〜60℃の範囲である。
予備重合に於いては、水素の様な分子量調製剤を用いることができる。
予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当たり0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの重合体が生成するように行うことが望ましい。
【0049】
重合を実施するにあたり、本発明の固形触媒成分、有機アルミニウム化合物は重合容器に別個に導入して、また事前に混合してもよい。
重合は、不活性溶媒中、液体モノマー(オレフィン)中あるいは気相のいずれでも行うことができる。また、分子量調節剤(一般には、水素)を共存させてもよい。
重合温度は、−10〜180℃であり、好ましくは20〜130℃である。
その他、重合反応器の形態、重合の制御法、後処理方法等については、本触媒系固有の制限はなく、公知の適宜の方法や条件を適用することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
なお、実施例及び比較例に於いてメルトインデックス(すなわち、MFR)は、JIS K−6758−1968に従って測定した。
【0051】
ヘプタンインデックス(以下、「H.R.」と表す)は、得られた重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した後の残量を重量%で表したものである。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)により溶媒としてオルトジクロロベンゼンを用い、温度が140℃で測定した。
曲げ初期弾性率(FM)の測定は、ASTM−D−790−66に準じて行った。
各実施例に於いて、固体触媒成分の製造及び重合に使用した各化合物(有機溶媒、オレフィン、水素、チタン化合物、マグネシウム化合物等)はすべて実質的に水分を除去したものである。
また、固体触媒成分の調製及び重合については、実質的に水分が存在せず、かつ窒素などの不活性雰囲気下で行った。
【0052】
実施例及び比較例で使用した有機ケイ素化合物またはその代替として用いた固体触媒成分中への添加物及び電子供与性化合物(E.D.)の名称とそれらの略号をそれぞれ以下に示した。2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン(A)、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン(B)、フタル酸ジイソブチル(C)、2−ベンゾイル安息香酸エチル(D)、シクロペンチルtert−ブチルジメトキシシラン(E)、テキシルイソプロポキシジメトキシシラン(F)。
【0053】
実施例1
2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパンの合成
攪拌装置、滴下ロートを付した200mlフラスコ内を窒素にて置換した後、ジエチルエーテル50mlを入れた。EUROPIAN PATENT APPLICATION 487035に記載の方法で合成した2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジヒドロキシプロパン5g(26.6mmol)、及びトリメチルクロロシラン(信越化学工業(株)製)6.5g(60mmol)を前記フラスコに添加した。このフラスコを0℃に冷却した。滴下ロート内にジエチルエーテル50mlとトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)10.1g(100mmol)の混合液を加え、前記フラスコ中に滴下した。約1時間攪拌した後に水200mlを添加し、この溶液をジエチルエーテルにて抽出した。エーテル層を採取した後減圧蒸留することで目的物6.5gを得た。反応収率は74%であった。
【0054】
bp124−125℃/10mmHg,GC>99.5%,
1H−NMR(400 MH,CDCl3 );3.377(dd,4H,OCH2).1.690(sept,1H),1.378(sept,1H),1.176−1.140(m,2H,CH2),1.097−1.059(m,2H,CH2),0.851(d,6H,CH3),0.835(d,6H,CH3),0.0404(s,18H,Si−CH3)ppm,
13C−NMR(100 MH,CDCl3 );63.754,42.909,32.476,29.170,28.055,22.739,17.842,−0.592ppm,
29Si−NMR(CDCl3 );15.405ppm,
【0055】
固体触媒成分の調製1
窒素雰囲気下にて無水塩化マグネシウム(市販の無水塩化マグネシウムを乾燥塩化水素ガス気流中で約500℃に於いて15時間焼成乾燥することによって得られたもの)9.5g(0.1mol)をデカン50mlと2−エチルヘキシルアルコール39g(0.3mol)の混合液が入っている丸底フラスコに加え、130℃にて2時間加熱溶解させた。無水フタル酸2.1gを加え、更に130℃にて1時間加熱した。この溶液を室温まで冷し、20mlを滴下ロートに仕込み、30分かけて−20℃の四塩化チタン80ml中へ滴下し、4時間で110℃まで上昇させた。これに、ヘキサン5mlに有機ケイ素化合物として2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン1.66g(0.005mol)を加えた容器をゆっくりと滴下した。滴下終了後、110℃、2時間で反応させた。上澄液を除去後、新たに四塩化チタン80mlを導入し、110℃で2時間加熱した。ついで、110℃のデカン100mlで3回洗浄後、室温にてヘキサン100mlで3回洗浄した。固体を濾別後、室温にて真空下でヘキサンを留去し、固体触媒成分を得た。この触媒成分のチタン原子含有率は2.4重量%であった。
【0056】
重合及び生成重合体の物性
内容積1.5Lのステンレス製のオートクレーブに上記の方法で製造された固体触媒成分を4mg、トリエチルアルミニウムの1Mヘキサン溶液3ml(3mmol)、電子供与性化合物(E.D.)としてシクロペンチルtert−ブチルジメトキシシランの0.1Mヘキサン溶液9ml(0.9mmol)を入れ、ついで340gのプロピレン及び0.1gの水素を仕込んだ。オートクレーブを昇温し、内温を70℃に保った。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結させた。重合結果及び得られた重合体の物性値を表−1に示した。
【0057】
実施例2
重合時に、電子供与性化合物(E.D.)としてテキシルイソプロポキシジメチルシランを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0058】
実施例3
2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパンの合成攪拌装置、滴下ロートを付した200mlフラスコ内を窒素にて置換した後、ジエチルエーテル50mlを入れた。EUROPIAN PATENT APPLICATION 361493に記載の方法で合成した2,2−ジイソブチル−1,3−ジヒドロキシプロパン5g(26.6mmol)、及びトリメチルクロロシラン(信越化学工業(株)製)6.5g(60mmol)を前記フラスコに添加した。このフラスコを0℃に冷却した。滴下ロート内にジエチルエーテル50mlとトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)10.1g(100mmol)の混合液を加え、前記フラスコ中に滴下した。約1時間攪拌した後に水200mlを添加し、この溶液をジエチルエーテルにて抽出した。エーテル層を採取した後減圧蒸留することで目的物6.0gを得た。反応収率は68%であった。
bp120−123℃/10mmHg,GC>99.5%,
1H−NMR(400 MH,CDCl3);3.307(dd,4H,OCH2),1.695(sept,2H),1.135(d,4H,CH2),0.900(d,12H,CH3),0.067(s,18H,Si−CH3)ppm,
【0059】
固体触媒成分の調製2
有機ケイ素化合物として、2,2−ジイソブチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパンを用いた以外は、実施例1に記載した固体触媒成分の調製1と同様に行った。
【0060】
重合及び生成重合体の物性
実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0061】
実施例4
重合時に、電子供与性化合物(E.D.)としてテキシルイソプロポキシジメチルシランを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0062】
比較例1〜4
有機ケイ素化合物の代替としてフタル酸ジイソブチルまたは2−ベンゾイル安息香酸を用い、重合時に添加する電子供与性化合物(E.D.)として表−1に示した化合物を使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0063】
実施例5
固体触媒成分の製造2
金属マグネシウム12.8g(0.53mol)、オルト蟻酸エチル88ml(0.53mol)及び反応開始剤として1,2−ジブロモエタン0.5mlを加えて懸濁液を55℃に保ち、更にヘキサン100mlにn−ブチルクロリド80ml(0.80mol)を溶解した溶液を5ml加えて50分間攪拌し、残りを80分かけて滴下した。攪拌下70℃で4時間反応を行い固体状生成物を得た。50℃でヘキサンにより6回洗浄した。
【0064】
該固体生成物6.3g及びデカン50mlを反応器に入れ室温で2,2,2−トリクロロエタノール2.0mlとデカン11mlの混合溶液を30分で滴下し、終了後80℃で1時間攪拌した。固体を濾別後ヘキサン100mlで4回洗浄し、さらにトルエン100mlで2回洗浄した。
【0065】
該固体にトルエン40ml、四塩化チタン60mlを加え90℃に昇温し、有機ケイ素化合物として2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ビス(トリメチルシロキシ)プロパン2.49g(0.0075mol)とトルエン5mlの溶液を5分間で滴下した後、120℃で2時間攪拌した。その後、固体を90℃で濾別し90℃のトルエンで2回洗浄した。さらに該固体にトルエン40ml、四塩化チタン60mlを加え120℃で2時間攪拌した。得られた固体を110℃で濾別し、室温下ヘキサン100mlで7回洗浄した。この固体を濾別後、室温にて真空下でヘキサンを留去し固体触媒成分を得た。この触媒成分のチタン原子含有率は2.5重量%であった。
【0066】
重合及び生成重合体の物性
上記方法で得られた固体触媒成分4mgを用いた以外は、実施例1に記載の重合方法にて重合評価を行った。結果を表−1に示す。
【0067】
実施例6〜8、比較例5〜8
有機ケイ素化合物たまはその代替として用いた固体触媒成分中への添加物及び電子供与性化合物(E.D.)としてそれぞれ表−1に示した化合物を使用した以外は実施例5と同様に行った。結果を表−1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
高活性、高立体特異性を発現し、なおかつ分子量分布が広いオレフィン重合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得た有機ケイ素化合物の 1H−NMR図。
【図2】実施例で得た有機ケイ素化合物の13C−NMR図。
【図3】実施例で得た有機ケイ素化合物の29Si−NMR図。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表されることを特徴とする有機ケイ素化合物。
- 一般式(1)のR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数が3から6の分枝飽和炭化水素基であることを特徴とする請求項1記載の有機ケイ素化合物。
- 一般式(1)のR9からR12が、それぞれ水素であることを特徴とする請求項1または2記載の有機ケイ素化合物。
- マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および請求項1ないし3のいずれかに記載の有機ケイ素化合物からなることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成分。
- マグネシウム化合物、チタン化合物およびハロゲン含有化合物からなる触媒成分に、請求項1ないし3のいずれかに記載の有機ケイ素化合物を接触させることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
- 請求項4に記載のオレフィン重合用固体触媒成分および有機アルミニウム化合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
- さらに該有機ケイ素化合物以外の電子供与性化合物を含む請求項6記載のオレフィン重合用触媒。
- 少なくとも1種のオレフィンを請求項6または7のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下にさせることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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