JPH10245412A - オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造法 - Google Patents

オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造法

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JPH10245412A
JPH10245412A JP4796197A JP4796197A JPH10245412A JP H10245412 A JPH10245412 A JP H10245412A JP 4796197 A JP4796197 A JP 4796197A JP 4796197 A JP4796197 A JP 4796197A JP H10245412 A JPH10245412 A JP H10245412A
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JP
Japan
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compound
ome
group
olefin
olefin polymerization
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Application number
JP4796197A
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English (en)
Inventor
Masaki Fushimi
正樹 伏見
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10245412A publication Critical patent/JPH10245412A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高活性、高立体特異性を発現し、な
おかつ分子量分布が広いオレフィン重合体を提供し得る
オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒
及びそれを用いたオレフィン重合体の製造法を提供す
る。 【解決手段】 マグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
ロゲン化合物及び電子供与性化合物を必須成分とするオ
レフィン重合用固体触媒成分において、電子供与性化合
物としてカルボニル結合とエーテル結合をつなぐ連結基
がカルボニル基に隣接する炭素原子に3級もしくは4級
炭素原子をもつ少なくとも1個の炭化水素基を置換して
なる主鎖炭素数が2〜5の2価の脂肪族炭化水素基から
なるケトエーテル化合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンやα−オレフィンの単独重合体
あるいはこれらを主要モノマー成分とする共重合体を製
造するために用いるオレフィン重合用触媒成分の典型例
として、従来から、マグネシウム化合物、チタン化合
物、ハロゲン化合物及び電子供与性化合物を必須成分と
する固体触媒成分が数多く提案されている。
【0003】これらの固体触媒成分を用いた触媒系は、
オレフィンの重合に於いて高い活性を有するとともに、
α−オレフィンの重合に於いては高い立体特異性を発現
することもよく知られている。とりわけ、上記固体触媒
成分を調製する際に、電子供与性化合物としてフタル酸
エステル化合物を代表例とする芳香族エステルを使用し
た場合、優れた性能を発現することが知られている(例
えば、特開昭57−63310等)。また上記における
電子供与性化合物として複数の原子を介して存在する2
個のエーテル結合を有する化合物を用いた触媒系(特開
平3−294304)も提案されている。しかしなが
ら、これらの固体触媒成分を用いた触媒系から得られる
オレフィン重合体は、分子量分布が比較的狭く、成形性
と剛性がともに優れた重合体を得ることが難しかった。
近年、上記固体触媒成分に助触媒として特定の構造を有
する有機ケイ素化合物を添加することによって分子量分
布の広いオレフィン重合体を製造する方法が提案されて
いる(特開平4−359904)。しかしながら、この
触媒系を用いて得られるオレフィン重合体の分子量分布
も十分に広いとはいいがたく、より分子量分布が広いオ
レフィン重合体を与える触媒系の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高活
性、高立体特異性を発現し、なおかつ分子量分布が広い
オレフィン重合体を提供し得るオレフィン重合用固体触
媒成分、オレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフ
ィン重合体の製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、マグネシウム化合物、チ
タン化合物、ハロゲン化合物及び電子供与性化合物を必
須成分とするオレフィン重合用固体触媒成分において、
電子供与性化合物として特定の構造特性をもつケトエー
テル化合物を用いることにより上記目的が達成されるこ
とを見出し本発明に到達した。
【0006】本発明の第一は、マグネシウム化合物、チ
タン化合物、ハロゲン化合物及び電子供与性化合物を必
須成分とするオレフィン重合用固体触媒成分において、
電子供与性化合物が、カルボニル結合とエーテル結合を
つなぐ連結基がカルボニル基に隣接する炭素原子に3級
もしくは4級炭素原子をもつ少なくとも1個の炭化水素
基を置換してなる主鎖炭素数が2〜5の2価の脂肪族炭
化水素基からなるケトエーテル化合物であることを特徴
とするオレフィン重合用固体触媒である。
【0007】本発明の第二は、上記したオレフィン重合
用固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物及び所望に
より電子供与性化合物からなるオレフィン重合用触媒で
ある。
【0008】本発明の第三は、上記したオレフィン重合
用触媒を用いてオレフィン類を重合するオレフィン重合
体の製造方法である。
【0009】以下、本発明に係るオレフィン重合用固体
触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体
の製造方法について具体的に説明する。本発明に係るオ
レフィン重合用固体触媒成分は、マグネシウム化合物、
チタン化合物、ハロゲン化合物と前記した特定の構造特
性をもつケトエーテル化合物を組合せることによって得
られる固体触媒成分である。マグネシウム化合物、チタ
ン化合物及びハロゲン化合物はそれぞれ従来知られた化
合物を用いることができる。
【0010】本発明に於いて使用されるマグネシウム化
合物としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムの
様なハロゲン化マグネシウム:エトキシマグネシウム、
イソプロポキシマグネシウムの様なアルコキシマグネシ
ウム;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシ
ウムの様なマグネシウムのカルボン酸塩:ブチルエチル
マグネシウムの様なアルキルマグネシウム等を例示する
ことができる。これらは単独でもまた2種以上を併用し
てもよい。より好ましいマグネシウム化合物はハロゲン
化マグネシウム又はその前駆体(固体触媒成分の形成時
にハロゲン化マグネシウムを形成する化合物)であり、
特に塩化マグネシウム等の塩素化マグネシウム化合物が
好ましい。
【0011】本発明に於いて使用されるチタン化合物と
しては、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン等
のハロゲン化チタン:チタンブトキシド、チタンエトキ
シド等のチタンアルコキシド:フェノキシチタンクロラ
イド等のアルコキシチタンハライド等を例示することが
できる。また、これらは単独でも2種以上を併用しても
よい。より好ましいチタン化合物は、ハロゲンを含む四
価のチタン化合物であり、特に四塩化チタンが好まし
い。
【0012】本発明に於いて使用されるハロゲン化合物
は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素
を含有する化合物であり、前記したマグネシウム化合物
又はチタン化合物がハロゲンを含有する化合物である場
合にはそれらがハロゲン化合物でもありうる。好ましく
用いられるハロゲン化合物は触媒調製法によって異なる
が、具体例として、四塩化チタン、四臭化チタン等のハ
ロゲン化チタン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素等のハロ
ゲン化ケイ素、三塩化リン、五塩化リン等のハロゲン化
リン等、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,
2−トリフルオロエタノール等のハロゲン含有アルコー
ル等を例示することができる。また触媒調製法によって
はハロゲン化炭化水素、ハロゲン分子、ハロゲン化水素
酸(例えば、HCl、HBr、HI等)を用いることも
できる。
【0013】本発明の固体触媒成分の調製に於いて使用
される電子供与性化合物はカルボニル結合とエーテル結
合をつなぐ連結基がカルボニル基に隣接する炭素原子に
3級もしくは4級炭素原子をもつ少なくとも1個の炭化
水素基を置換してなる主鎖炭素数が2〜5の2価の脂肪
族炭化水素基からなるケトエーテル化合物である。
【0014】このケトエーテル化合物を一般式で示すと
下記一般式(1)で表すことができる。
【0015】
【化1】
【0016】一般式(1)に於いて、−C−Y−がカル
ボニル基とエーテル基をつなぐ連結基を構成する主鎖炭
素数が2〜5の2価の脂肪族炭化水素基であり、R2
3の少なくとも一方が3級もしくは4級炭素原子をも
つ炭化水素基であることを要する。R1 とR4 はそれぞ
れケトン残基及びエーテル残基である。
【0017】好ましくはR1 及びR4 はそれぞれ独立に
炭素数1〜20の炭化水素基、より具体的には炭素数1
〜20の脂肪族炭化水素基もしくは炭素数6〜20の芳
香族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12
のアリール基であり、R2 は少なくとも1個の3級もし
くは4級炭素原子をもつ炭素数3〜20の飽和炭化水素
基より具体的には炭素数3〜12の分枝アルキル基、炭
素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数5〜9のアルキ
ル基置換シクロアルキル基であり、R3 は水素、又は上
記のR1 及びR2に定義される基であり、Yは主鎖炭素
数が1〜4の2価の脂肪族基、より具体的には炭素数1
〜4のアルキレン基である。
【0018】R2 及びR3 の少なくとも一方に存在する
3級又は4級炭素原子はカルボニル結合の炭素から数え
て2位又は3位に存在することが好ましい。これらのケ
トエーテル化合物の具体例を下記する。なお、ここでは
化学式を簡略化するため次の略号を使用した。(Me;
メチル基、Et;エチル基、i−Pr;イソプロピル
基、n−Bu;ブチル基、i−Bu;イソブチル基、t
−Bu;tert−ブチル基、i−Pentyl;イソ
ペンチル基、c−Pentyl;シクロペンチル基、c
−Hex;シクロヘキシル基)
【0019】Me−C(=O)−CH(i−Pr)−C
2 −OMe Me−C(=O)−C(Me)(i−Pr)−CH2
OMe Me−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pr)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pr)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pr)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pr)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−CH(i−Bu)−CH2 −OMe Me−C(=O)−C(Me)(i−Bu)−CH2
OMe Me−C(=O)−C(i−Pr)(i−Bu)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−C(n−Bu)(i−Bu)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−C(i−Bu)(i−Bu)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−C(t−Bu)(i−Bu)−CH
2 −OMe Me−C(=O)−CH(t−Bu)−CH2 −OMe Me−C(=O)−CH(t−Bu)−CH2 −OEt Me−C(=O)−C(Me)(t−Bu)−CH2
OMe Me−C(=O)−CH(i−Pentyl)−CH2
−OMe Me−C(=O)−C(Me)(i−Pentyl)−
CH2 −OMe Me−C(=O)−C(i−Pr)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Me−C(=O)−C(n−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Me−C(=O)−C(i−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Me−C(=O)−C(t−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Me−C(=O)−CH(i−Pentyl)−CH2
−OEt Me−C(=O)−C(Me)(i−Pentyl)−
CH2 −OEt Me−C(=O)−C(i−Pr)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Me−C(=O)−C(n−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Me−C(=O)−C(i−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Me−C(=O)−C(t−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Me−C(=O)−CH(c−Hex)−CH2 −OM
e Me−C(=O)−C(Me)(c−Hex)−CH2
−OMe Me−C(=O)−C(i−Pr)(c−Hex)−C
2 −OMe Me−C(=O)−C(n−Bu)(c−Hex)−C
2 −OMe Me−C(=O)−C(i−Bu)(c−Hex)−C
2 −OMe Me−C(=O)−C(t−Bu)(c−Hex)−C
2 −OMe
【0020】Ph−C(=O)−CH(i−Pr)−C
2 −OMe Ph−C(=O)−C(Me)(i−Pr)−CH2
OMe Ph−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pr)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pr)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pr)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pr)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−CH(i−Bu)−CH2 −OMe Ph−C(=O)−C(Me)(i−Bu)−CH2
OMe Ph−C(=O)−C(i−Pr)(i−Bu)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−C(n−Bu)(i−Bu)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−C(i−Bu)(i−Bu)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−C(t−Bu)(i−Bu)−CH
2 −OMe Ph−C(=O)−CH(t−Bu)−CH2 −OMe Ph−C(=O)−CH(t−Bu)−CH2 −OEt Ph−C(=O)−C(Me)(t−Bu)−CH2
OMe Ph−C(=O)−CH(i−Pentyl)−CH2
−OMe Ph−C(=O)−C(Me)(i−Pentyl)−
CH2 −OMe Ph−C(=O)−C(i−Pr)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Ph−C(=O)−C(n−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Ph−C(=O)−C(i−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Ph−C(=O)−C(t−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OMe Ph−C(=O)−CH(i−Pentyl)−CH2
−OEt Ph−C(=O)−C(Me)(i−Pentyl)−
CH2 −OEt Ph−C(=O)−C(i−Pr)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Ph−C(=O)−C(n−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Ph−C(=O)−C(i−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Ph−C(=O)−C(t−Bu)(i−Penty
l)−CH2 −OEt Ph−C(=O)−CH(c−Hex)−CH2 −OM
e Ph−C(=O)−C(Me)(c−Hex)−CH2
−OMe Ph−C(=O)−C(i−Pr)(c−Hex)−C
2 −OMe Ph−C(=O)−C(n−Bu)(c−Hex)−C
2 −OMe Ph−C(=O)−C(i−Bu)(c−Hex)−C
2 −OMe Ph−C(=O)−C(t−Bu)(c−Hex)−C
2 −OMe
【0021】i−Pr−C(=O)−CH(i−Pr)
−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Pr)−CH
2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pr)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pr)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pr)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pr)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(i−Bu)−CH2 −O
Me i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Bu)−CH
2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Bu)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Bu)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Bu)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Bu)−
CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(t−Bu)−CH2 −O
Me i−Pr−C(=O)−CH(t−Bu)−CH2 −O
Et i−Pr−C(=O)−C(Me)(t−Bu)−CH
2 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(i−Pentyl)−C
2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Penty
l)−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pent
yl)−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pent
yl)−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pent
yl)−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pent
yl)−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(i−Pentyl)−C
2 −OEt i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Penty
l)−CH2 −OEt i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pent
yl)−CH2 −OEt i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pent
yl)−CH2 −OEt i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pent
yl)−CH2 −OEt i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pent
yl)−CH2 −OEt i−Pr−C(=O)−CH(c−Hex)−CH2
OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(c−Hex)−C
2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(c−Hex)
−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(c−Hex)
−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(c−Hex)
−CH2 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(c−Hex)
−CH2 −OMe
【0022】i−Pr−C(=O)−CH(i−Pr)
−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Pr)−C2
4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pr)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pr)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pr)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pr)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(i−Bu)−C2 4
OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Bu)−C2
4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Bu)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Bu)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Bu)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Bu)−
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(t−Bu)−C2 4
OMe i−Pr−C(=O)−CH(t−Bu)−C2 4
OEt i−Pr−C(=O)−C(Me)(t−Bu)−C2
4 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(i−Pentyl)−C
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Penty
l)−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pent
yl)−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pent
yl)−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pent
yl)−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pent
yl)−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(i−Pentyl)−C
2 4 −OEt i−Pr−C(=O)−C(Me)(i−Penty
l)−C2 4 −OEt i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(i−Pent
yl)−C2 4 −OEt i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(i−Pent
yl)−C2 4 −OEt i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(i−Pent
yl)−C2 4 −OEt i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(i−Pent
yl)−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−CH(c−Hex)−C2 4
−OMe i−Pr−C(=O)−C(Me)(c−Hex)−C
2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Pr)(c−Hex)
−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(n−Bu)(c−Hex)
−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(i−Bu)(c−Hex)
−C2 4 −OMe i−Pr−C(=O)−C(t−Bu)(c−Hex)
−C2 4 −OMe
【0023】本発明に係る固体触媒成分の調製法は特に
制限されずマグネシウム化合物、チタン化合物及びハロ
ゲン化合物の反応による固体触媒成分の製造の適宜の時
点(たとえば形成時又は形成後)に上記のケトエーテル
化合物による処理を組合せることにより所望の固体触媒
成分を製造することができる。具体的には例えばハロゲ
ン化マグネシウム、ハロゲン化チタン及びケトエーテル
化合物を共粉砕し、次いでハロゲン化処理し、高活性化
を計る等の方法がとられる。ハロゲン化マグネシウム単
独又はハロゲン化マグネシウムとケイ素化合物またはリ
ン化合物との共粉砕後、ケトエーテル化合物共存下に、
チタン化合物処理、ハロゲン化処理をしてもよい。ま
た、マグネシウムカルボン酸塩またはアルコキシマグネ
シウムとチタン化合物、ハロゲン化剤及びケトエーテル
化合物を熱処理し、高活性化してもよい。ハロゲン化マ
グネシウムを有機溶媒等に溶解させ、チタン化合物存在
下析出時または析出後、ケトエーテル化合物を作用させ
てもよい。また、アルキルマグネシウムにハロゲン化剤
を作用させる際、ケトエーテル化合物、チタン化合物を
その調製過程に加えてもよい。
【0024】かくして調製された固体触媒成分中のケト
エーテル化合物からなる電子供与性化合物(E.D.)
の好ましい割合は、調製法によっても異なるが、通常チ
タン:マグネシウム:E.D.のモル比で示して、1:
1〜1000:16-6〜100の範囲、特に1:2〜1
00:10-4〜10の範囲が好ましい。E.D.がこの
範囲より少ないと立体規則性が低下し、逆に多すぎると
活性が低下するので好ましくない。尚ハロゲンはチタン
1モルに対し0.1〜1000モル、特に10〜100
モルの範囲が好ましい。
【0025】本発明におけるオレフィン重合用触媒は上
記の固体触媒成分に有機アルミニウム化合物を組合せた
ものである。本発明における有機アルミニウム化合物と
しては代表的なものは下記一般式(3)ないし(5)で
表される。 AlR8 9 10 (3) R1112Al−O−AlR1314 (4)
【0026】
【化2】
【0027】(3)、(4)式及び(5)式に於いて、
8 、R9 及びR10はそれぞれ独立に炭素数が12以下
の炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子であって、
それらのうち少なくとも1個は炭化水素基であり、
11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に炭素数が1
2以下の炭化水素基である。またR15は、炭素数が12
以下の炭化水素基であり、nは1以上の整数である。
【0028】(3)式で示される有機アルミニウム化合
物の代表例としては、トリエチルアルミニウム、トリプ
ロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム及び
トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウ
ム、更にジエチルアルミニウムハイドライド及びジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニ
ウムハイドライド並びにジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアミニウムブロマイド及びエチルアルミニ
ウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムハライ
ドが挙げられる。
【0029】また、(4)式で示される有機アルミニウ
ム化合物の代表例としては、テトラエチルジアルミノキ
サン及びテトラブチルジアルミノキサン等のアルキルジ
アルミノキサン類が挙げられる。
【0030】また、(5)式は、アルミノキサンを表
し、アルミニウム化合物の重合体である。R19はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を
含むが、好ましくはメチル基、エチル基である。nの値
は1〜10が好ましい。
【0031】これらの有機アルミニウム化合物のうち、
トリアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハラ
イド及びアルキルアルミノキサン類が好適であり、特に
トリアルキルアルミニウム類が好ましい結果を与える。
【0032】本発明に係るオレフィン重合用触媒を用い
てオレフィン類を重合する際には必要に応じて、電子供
与性化合物(E.D.2)が用いられるが、この電子供
与性化合物(E.D.2)としては、アルコキシ基を有
する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合
物、酸素含有化合物を用いることが好ましい。このうち
特にアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いるこ
とが好ましい。電子供与性化合物(E.D.2)の使用
量は、有機アルミニウム化合物に対するモル比が0.0
01〜5の範囲、特に0.01〜1の範囲が好ましい。
【0033】アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラブトキシシラン、テトライソブトキシ
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエト
キシシラン、エチルイソプロピルジメトキシシラン、プ
ロピルイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピル
ジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イ
ソプロピルイソブチルジメトキシシラン、ジ(tert
−ブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルメチル
ジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシ
シラン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、
tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、te
rt−ブチルイソプロピルジエトキシシラン、tert
−ブチルブチルジメトキシシラン、tert−ブチルイ
ソブチルジメトキシシラン、tert−ブチル(sec
−ブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルアミル
ジメトキシシラン、tert−ブチル(tert−アミ
ル)ジメトキシシラン、tert−ブチルヘキシルジメ
トキシシラン、tert−ブチルヘプチルジメトキシシ
ラン、tert−ブチルオクチルジメトキシシラン、t
ert−ブチルノニルジメトキシシラン、tert−ブ
チルデシルジメトキシシラン、tert−ブチル(3,
3,3−トリフルオルメチルプロピル)ジメトキシシラ
ン、tert−ブチル(シクロペンチル)ジメトキシシ
ラン、tert−ブチル(シクロヘキシル)ジメトキシ
シラン、tert−ブチルフェニルジメトキシシラン、
sec−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、sec
−ブチル(tert−ブチル)ジメトキシシラン、se
c−ブチル(tert−アミル)ジメトキシシラン、s
ec−ブチルテキシルジメトキシシラン、sec−ブチ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、sec−ブチルシ
クロヘキシルジメトキシシラン、sec−ブチルフェニ
ルジメトキシシラン、tert−アミルイソプロピルジ
メトキシシラン、tert−アミルシクロペンチルジメ
トキシシラン、tert−アミルシクロヘキシルジメト
キシシラン、tert−アミルフェニルジメトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチ
ルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルシク
ロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルフェニル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシ
ラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、
シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ビス(2−
メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,
3−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
【0034】ジフェニルジメトキシシラン、フェニルイ
ソプロピルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、メシチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピル
トリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメト
キシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、アミ
ルトリメトキシシラン、イソアミルトリメトキシシラ
ン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシ
ルトリメトキシシラン、ノルボルナントリメトキシシラ
ン、インデニルトリメトキシシラン、2−メチルシクロ
ペンチルトリメトキシシラン、
【0035】シクロペンチル(tert−ブトキシ)ジ
メトキシシラン、イソプロピル(tert−ブトキシ)
ジメトキシシラン、tert−ブチル(イソブトキシ)
ジメトキシシラン、tert−ブチル(tert−ブト
キシ)ジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラ
ン、テキシル(イソプロポキシ)ジメトキシシラン、テ
キシル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン等が挙
げられる。
【0036】以上に例示したアルコキシ基を有する有機
ケイ素化合物の中でも、特に好ましいものは、下記一般
式(2)で表される化合物である。 R5 6 Si(OR7 2 (2) ここでR5 は、炭素数が3以上の分枝状炭化水素基、ま
たは炭素数が6以上の芳香族炭化水素基であり、R
6 は、炭化水素基あるいはアルコキシ基であり、R7
炭化水素基であり、R5 、R6 と同一でも異なっていて
もよい。炭化水素基及びアルコキシ基の炭素数は1〜2
0が好ましい。
【0037】これらの具体例としては、tert−ブチ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、tert−ブチル
シクロヘキシルジメトキシシラン、tert−ブチルフ
ェニルジメトキシシラン、sec−ブチルイソプロピル
ジメトキシシラン、sec−ブチル(tert−ブチ
ル)ジメトキシラン、sec−ブチルテキシルジメトキ
シシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロ
ペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチ
ルシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルフ
ェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメト
キシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシ
ラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、sec−
ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルイソブト
キシジメトキシシラン、tert−ブチル(tert−
ブトキシ)ジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシ
ラン、テキシル(イソプロポキシ)ジメトキシシラン、
テキシル(tert−ブトキシ)ジメトキシシラン等が
挙げられる。
【0038】窒素含有化合物の具体例としては、2,6
−ジイソプロピルピペリジン、2,6−ジイソプロピル
−4−メチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン等の2,6−置換ピペリジン
類、2,5−ジイソプロピルアゾリジン、N−メチル−
2,2,5,5−テトラメチルアゾリジン等の2,5−
置換アゾリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルメ
チレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメ
チレンジアミン等の置換メチレンジアミン類、1,3−
ジベンジルイミダゾリジン、1,3−ジベンジル−2−
フェニルイミダゾリジン等の置換イミダゾリン類等が挙
げられる。
【0039】リン含有化合物の具体例としては、トリエ
チルホスファイト、トリn−プロピルホスファイト、ト
リイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファ
イト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn−ブチ
ルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの
亜リン酸エステル類等が挙げられる。
【0040】酸素含有化合物の具体例としては、2,
2,6,6−テトラメチルテトラヒドロフラン、2,
2,6,6−テトラエチルテトラヒドロフランなどの
2,6−置換テトラヒドロフラン類、1,1−ジメトキ
シ−2,3,4,5−テトラクロロシクロペンタジエ
ン、9,9−ジメトキシフルオレン、フェニルジメトキ
シメタン等のアセタール化合物類等が挙げられる。
【0041】本発明におけるオレフィン類の重合におい
て用いるオレフィンは特に限定されないがエチレン及び
炭素数18以下のα−オレフィンが好ましく、その代表
例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等
が挙げられる。重合を実施するにあたり、これらのオレ
フィンを単独重合してもよいが、二種以上のオレフィン
を共重合してもよい(例えば、エチレンとプロピレンと
の共重合)。
【0042】オレフィンの重合に於いて、重合系に於け
る有機アルミニウム化合物の使用量は、通常10-4ミリ
モル/L以上であり、10-2ミリモル/L以上が好適で
ある。また、固体触媒成分中のチタン原子に対するその
使用割合は、モル比で通常0.5以上であり、好ましく
は2以上、とりわけ10以上が好適である。なお、有機
アルミニウム化合物の使用量が少なすぎる場合には、重
合活性の大幅な低下を招く。なお、重合系内に於ける有
機アルミニウム化合物の使用量が20ミリモル/L以上
でかつチタン原子に対する割合が、モル比で1000以
上の場合、更にこれらの値を高くしても触媒性能が更に
向上することはない。
【0043】α−オレフィン重合体の立体規則性を向上
させることを目的として本発明に係る固体触媒成分を使
用する場合、非常に少量でもその目的は達成されるが、
通常有機アルミニウム化合物1モルに対して0.01〜
5モル、好ましくは0.01〜1の比率で使用される。
【0044】本発明に係るオレフィンの重合方法では、
オレフィン重合用触媒にオレフィンを予備重合させてお
くことが好ましい。予備重合で使用されるオレフィン
は、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であ
っても異なっていてもよいが、プロピレンを用いること
が好ましい。
【0045】予備重合の際の反応温度は、−20〜10
0℃、好ましくは−20〜60℃の範囲である。予備重
合に於いては、水素の様な分子量調製剤を用いることが
できる。予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り
0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500g、特
に好ましくは1〜200gの重合体が生成するように行
なうことが望ましい。
【0046】重合を実施するにあたり、本発明の固形触
媒成分、有機アルミニウム化合物は重合容器に別個に導
入してもよいが、それらを事前に混合して用いてもよ
い。重合は、不活性溶媒中、液体モノマー(オレフィ
ン)中あるいは気相のいずれでも行なうことができる。
また、実用可能な溶融流れを有する重合体を得るため
に、分子量調節剤(一般には、水素)を共存させてもよ
い。
【0047】重合温度は、一般には−10℃ないし18
0℃であり、実用的には20℃以上130℃以下であ
る。その他、重合反応器の形態、重合の制御法、後処理
方法等については、本発明の触媒系に固有の制限はな
く、公知のいずれの方法を適用することもできる。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。なお、実施例及び比較例に於いてメトルインデ
ックス(すなわち、MFR)は、JIS K−6758
−1995に従って測定した。ヘプタンインデックス
(すなわち、H.R.(%))は、得られた重合体を沸
騰n−ヘプタンで6時間抽出した後の残量を%で表した
ものである。重量平均分子量(Mw)および数平均分子
量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(以下「GPC」という)により溶媒としてオルトジ
クロロベンゼンを用い、温度が140℃で測定した。各
実施例に於いて、固体触媒成分の製造及び重合に使用し
た各化合物(有機溶媒、オレフィン、水素、チタン化合
物、マグネシウム化合物等)はすべて実質的に水分を除
去したものである。また、固体触媒成分の調製及び重合
については、実質的に水分が存在せず、かつ窒素などの
不活性雰囲気下で行なった。
【0049】〔実施例1〕 固体触媒成分の調製1 窒素雰囲気下にて無水塩化マグネシウム(市販の無水塩
化マグネシウムを乾燥塩化水素ガス気流中で約500℃
に於いて15時間焼成乾燥することによって得られたも
の)9.5g(0.1mol)をデカン50mlと2−
エチルヘキシルアルコール39g(0.3mol)の混
合液が入っている三口フラスコに加え、130℃にて2
時間加熱溶解させた。無水フタル酸2.1gを加え、更
に130℃にて1時間加熱した。この溶液を室温まで冷
し、20mlを滴下ロートに仕込み、30分かけて−2
0℃の四塩化チタン80ml中へ滴下し、4時間で11
0℃まで上昇させた。これに、ヘキサン5mlに電子供
与性化合物(E.D.)として(1−t−ブチル−2−
メトキシエチル)メチルケトン(BMMK)0.79g
(0.005mol)を加えた溶液をゆっくりと滴下し
た。滴下終了後、110℃、2時間で反応させた。上澄
液を除去後、新たに四塩化チタン80mlを導入し、1
10℃で2時間加熱した。ついで、110℃のデカン1
00mlで3回洗浄後、室温にてヘキサン100mlで
3回洗浄した。固体を濾別後、室温にてドライアップす
ることでヘキサンを留去し、固体触媒成分を得た。この
触媒成分のチタン原子含有率は、2.8重量%であっ
た。
【0050】重合及び生成重合体の物性 内容積1.5Lのステンレス製のオートクレーブに上記
の方法で製造された固体触媒成分を4.3mg、トリエ
チルアルミニウムの1Mヘキサン溶液3ml(3mmo
l)、電子供与性化合物(E.D.2)としてシクロペ
ンチル(tert−ブチル)ジメトキシシラン(CPT
BS)の0.1Mヘキサン溶液9ml(0.9mmo
l)を入れ、ついで340gのプロピレン及び0.1g
の水素を仕込んだ。オートクレーブを昇温し、内温を7
0℃に保った。1時間後、内容ガスを放出して重合を終
結させた。重合結果及び得られた重合体の物性値を表−
1に示した。
【0051】〔実施例2〜4、比較例1〜3〕電子供与
性化合物(E.D.)として(1−t−ブチル−2−エ
トキシエチル)メチルケトン(BEMK)、(1−イソ
プロピル−1−メチル−2−メトキシエチル)フェニル
ケトン(PMPK)、(1−イソペンチル−1−メチル
−2−メトキシエチル)(イソプロピル)ケトン(PM
IPK)、安息香酸エチル(EB)、フタル酸イソブチ
ル(DIBP),2,2−ジイソブチル−1,3−ジメ
トキシプロパン(DBMP)を使用した以外は実施例1
と同様な方法により固体触媒成分を調製し、重合評価を
行なった。結果を表−1に示した。
【0052】〔実施例5〕 固体触媒成分の製造2 金属マグネシウム12.8g(0.53mol)、オル
ト蟻酸エチル88ml(0.53mol)及び反応開始
剤として1,2−ジブロモエタン0.5mlを加えて懸
濁液を55℃に保ち、更にヘキサン100mlにn−ブ
チルクロリド80ml(0.80mol)を溶解した溶
液を5ml加えて50分間攪拌し、残りを80分かけて
滴下した。攪拌下70℃で4時間反応を行ない固体状生
成物を得た。50℃でヘキサンにより6回洗浄した。該
固体生成物6.3g及びデカン50mlを反応器に入れ
室温で2,2,2−トリクロロエタノール2.0mlと
デカン11mlの混合溶液を30分で滴下し、終了後8
0℃で1時間攪拌した。固体を濾別後ヘキサン100m
lで4回洗浄し、さらにトルエン100mlで2回洗浄
した。該固体にトルエン40ml、四塩化チタン60m
lを加え90℃に昇温し、電子供与性化合物(E.
D.)として(1−t−ブチル−2−メトキシエチル)
メチルケトン(BMMK)1.18g(0.0075m
ol)とトルエン5mlの溶液を5分間で滴下した後、
120℃で2時間攪拌した。その後、固体を90℃で濾
別し90℃のトルエンで2回洗浄した。さらに該固体に
トルエン40ml、四塩化チタン60mlを加え120
℃で2時間攪拌した。得られた固体を110℃で濾別
し、室温下ヘキサン100mlで7回洗浄した。この固
体を濾別後、室温にてドライアップすることでヘキサン
を留去し固体触媒成分を得た。この触媒成分のチタン原
子含有率は2.8重量%であった。 重合及び生成重合体の物性 上記方法で得られた固体触媒成分5.2mgを用いた以
外は、実施例1に記載の重合方法にて重合評価を行なっ
た。結果を表−2に示す。
【0053】〔実施例6〜8〕電子供与性化合物(E.
D.2)としてテキシル(イソプロポキシ)ジメトキシ
シラン(TOPS)、テキシルブチルジメトキシシラン
(TBS)及び9.9−ジメトキシフルオレノン(DM
F)を使用した以外は実施例5と同様な方法により固体
触媒成分を調製し、重合評価を行なった。結果を表−2
に示した。
【0054】
【発明の効果】本発明により、高活性、高立体特異性を
発現し、なおかつ分子量分布が広いオレフィン重合体を
提供することが可能となった。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒調製工程を示すフローチャー
トである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
    ロゲン化合物及び電子供与性化合物を必須成分とするオ
    レフィン重合用固体触媒成分において、電子供与性化合
    物が、カルボニル結合とエーテル結合をつなぐ連結基が
    カルボニル基に隣接する炭素原子に3級もしくは4級炭
    素原子をもつ少なくとも1個の炭化水素基を置換してな
    る主鎖炭素数が2〜5の2価の脂肪族炭化水素基からな
    るケトエーテル化合物であることを特徴とするオレフィ
    ン重合用固体触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオレフィン重合用固体触
    媒成分及び有機アルミニウム化合物からなるオレフィン
    重合用触媒。
  3. 【請求項3】 さらに第3成分として電子供与性化合物
    を組合せてなる請求項2記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 第3成分として用いる電子供与性化合物
    がアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物である請求項
    3記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載のオ
    レフィン重合用触媒を用いてオレフィン類を重合するオ
    レフィン重合体の製造方法。
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