JP3871730B2 - 新規な第4級アンモニウム塩、その製造法及び界面活性剤組成物、並びにそれを含有する毛髪化粧料 - Google Patents

新規な第4級アンモニウム塩、その製造法及び界面活性剤組成物、並びにそれを含有する毛髪化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な第4級アンモニウム塩、その製造法及び界面活性剤組成物、並びにそれを含有する毛髪化粧料に関し、詳しくは繊維に対して優れた柔軟性を付与し、毛髪に対しては優れた柔軟性と平滑性を付与でき、さらに、生分解性が良好な新規な第4級アンモニウム塩、その製造法及び界面活性剤組成物、並びにそれを含有する毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、繊維用柔軟仕上剤又は毛髪処理剤として市販されている商品は殆どがジ(硬化牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロライドに代表されるような1分子中に2個の長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩を含む組成物である。
しかしながら、上記第4級アンモニウム塩は、処理後の残存物が河川等の自然界に放出された場合、殆ど生分解されずに蓄積するといった問題がある。その改良品としてメチルビス(硬化牛脂アルカノイルオキシエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートやジメチルビス(アルカノイルオキシエチル)アンモニウムクロライド等が市販されているが、これらのものは上記第4級アンモニウム塩と比較して生分解性は改善されているが、柔軟性、環境安全性が十分満足いく基剤とはいえない。
【0003】
従って、本発明の目的は、繊維に対して優れた柔軟性を付与し、毛髪に対しては優れた柔軟性と平滑性を付与でき、さらに生分解性が良好な第4級アンモニウム塩、及びこれを含む界面活性剤組成物並びに毛髪化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、上記目的に最適な新規な第4級アンモニウム塩を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は一般式(I)で表される新規な第4級アンモニウム塩、その製造法を提供するものである。
【0005】
【化7】
Figure 0003871730
【0006】
(式中、R1は炭素数1〜35の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は同一又は異なって、炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R4は炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、 Aは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、 Y及びZ は同一又は異なって炭素数2〜3の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、n 個の Y及び m個の Zは同一でも異なっていてもよい。n 及びm は同一又は異なってアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、 Xは陰イオン基を示す。)
また、本発明は、下記一般式(I−1)で表されるモノ体0〜60重量%、一般式(I−2)で表されるジ体0〜90重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体10〜100 重量%からなる界面活性剤組成物を提供するものである。
【0007】
【化8】
Figure 0003871730
【0008】
(式中、R1, R4, A, X, Y, Z, n 及びm は前記と同じ意味を示し、R2" 及びR3" は同一又は異なって、炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示す。)
更に本発明は、上記一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
本発明の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩において、R1は炭素数1〜35の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数7〜23の直鎖アルキル基、さらに好ましくは炭素数11〜21の直鎖アルキル基である。
【0011】
また、R2及びR3は同一又は異なって、H 又は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示すが、好ましくはR2及びR3がともに炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基であり、更に好ましくは炭素数8〜24の直鎖飽和脂肪酸から誘導されるアシル基であり、特に好ましくは炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸から誘導されるアシル基である。
【0012】
R4は炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示すが、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキシエチル基等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0013】
Aは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基を示すが、好ましくは炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、さらに好ましくは炭素数2〜3の直鎖アルキレン基である。
【0014】
Y及び Zは同一又は異なって炭素数2〜3の直鎖又は分岐のアルキレン基を示すが、好ましくは同一又は異なってエチレン基又はプロピレン基であり、さらに好ましくはエチレン基である。また、n 個の Y及び m個の Zは同一でも異なっていてもよい。
【0015】
n 及びm は同一又は異なってアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数を示すが、好ましくは同一又は異なって1〜10、さらに好ましくは1〜5である。
【0016】
Xは陰イオン基を示すが、好ましくはハロゲン原子、サルフェート、炭素数1〜4の水酸基で置換されていてもよいカルボキシレート又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート(CH3SO4、C2H5SO4 等) であり、更に好ましくはCl又はCH3SO4である。
【0017】
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩の好ましい具体例としては、次のようなものが挙げられる。
【0018】
【化9】
Figure 0003871730
【0019】
【化10】
Figure 0003871730
【0020】
本発明の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩(以下、第4級アンモニウム塩(I)と略記する)は、工程(1) 及び(4) 、工程(1) 、(2) 及び(4) 、工程(1) 、(3) 及び(4) 、又は工程(1) 、(2) 、(3) 及び(4) をこの順に行うことにより製造することができる。
【0021】
工程(1)
一般式(II)
【0022】
【化11】
Figure 0003871730
【0023】
(式中、A, Y及びZ は前記と同じ意味を示し、a及びbは同一又は異なって0〜20の数を示す。)
で表されるジヒドロキシアミン体と、一般式(III)
R1COOR5 (III)
(式中、R1は前記と同じ意味を示し、R5は H又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される脂肪酸又はそのエステルを反応させてアミド化を行い一般式 (IV) で表されるジヒドロキシアミド化合物を得るか、又はアミド化とエステル化を同時に行い一般式(V)で表されるアミドエステル化合物を得る工程。
【0024】
【化12】
Figure 0003871730
【0025】
(式中、R1,A, Y, Z, a及びb は前記と同じ意味を示し、R1' は炭素数7〜35の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R1"は H又は式 -COR1'(R1'は前記の意味を示す)で表される基を示し、2つのR1" のうち少なくとも一方は式 -COR1' で表される基である。)
工程(2)
一般式 (IV) で表されるジヒドロキシアミド化合物にさらに炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを反応させ、一般式 (VI)
【0026】
【化13】
Figure 0003871730
【0027】
(式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記と同じ意味を示す。)
で表されるジヒドロキシアミド化合物を得る工程。
【0028】
工程(3)
一般式 (IV) 又は (VI) で表されるジヒドロキシアミド化合物と、一般式(VII)
R6COOR5 (VII)
(式中、R5は前記と同じ意味を示し、R6は炭素数7〜35の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
で表される脂肪酸又はそのエステルの1種又は2種以上をエステル反応させて、一般式(VIII)
【0029】
【化14】
Figure 0003871730
【0030】
(式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記と同じ意味を示し、R2'及びR3'は同一又は異なって、H 又は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、少なくとも一方は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基である。)
で表されるアミドエステル化合物を得る工程。
【0031】
工程(4)
一般式 (IV) 又は (VI) で表されるジヒドロキシアミド化合物、あるいは一般式(V)又は(VIII)で表されるアミドエステル化合物と、一般式(IX)
R4X (IX)
(式中、R4及び Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される4級化剤を反応させ、さらに必要に応じて塩交換を行い、前記一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩を得る工程。
【0032】
以下各工程について説明する。
工程(1)
本工程は、一般式(II)で表されるジヒドロキシアミン体(以下ジヒドロキシアミン体(II)と略記する)と、一般式(III) で表される脂肪酸又はそのエステル(以下脂肪酸又はそのエステル(III) と略記する)、好ましくは脂肪酸を反応させてアミド化を行い一般式 (IV) で表されるジヒドロキシアミド化合物(以下ジヒドロキシアミド化合物 (IV) と略記する)を得るか、又はアミド化とエステル化を同時に行い一般式(V)で表されるアミドエステル化合物(以下アミドエステル化合物(V)と略記する)を得る工程である。
【0033】
ここで用いられるジヒドロキシアミン体(II)としては、N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、あるいはこれらのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。また、脂肪酸又はそのエステル(III) としては、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等やこれらの混合物、及びこれらのメチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエステルが挙げられる。
【0034】
本工程においては、ジヒドロキシアミン体(II)と脂肪酸又はそのエステル (III)との反応条件を変えることにより、アミド化のみ、あるいはアミド化とエステル化を同時に行い、ジヒドロキシアミド化合物 (IV) 又はアミドエステル化合物(V)又はこれらの混合物を得る。
例えば、ジヒドロキシアミド化合物 (IV) を得る場合には、ジヒドロキシアミン体(II)1モルに対し、脂肪酸又はそのエステル(III) を 0.5〜3倍モル、好ましくは 0.9〜1.5 倍モル用いて、60〜270 ℃、好ましくは80〜250 ℃の温度で、必要であればNaOHやナトリウムメチラート等のアルカリ触媒を用いて、0.5 〜30時間でアミド化反応を行い、必要に応じて未反応のジヒドロキシアミン体(II)や脂肪酸又はそのエステル(III) 等の留去、触媒の中和や除去、生成物の蒸留等の精製を行う。
また、アミドエステル化合物(V)を得る場合には、脂肪酸又はそのエステル(III) として、炭素数8〜36のものを用い、ジヒドロキシアミン体(II)1モルに対し、脂肪酸又はそのエステル(III) を 1.1〜10倍モル、好ましくは 1.2〜4倍モル用いて、60〜270 ℃、好ましくは80〜250 ℃の温度で、必要であればNaOHやナトリウムメチラート等のアルカリ触媒、p−トルエンスルホン酸、硫酸等の酸触媒を用いて、0.5 〜40時間でアミド化反応とエステル化反応を同時に行い、必要に応じて未反応のジヒドロキシアミン体(II)や脂肪酸又はそのエステル(III) 等の留去、触媒の中和や除去、吸着処理等の精製を行う。
【0035】
また、上記のアミド化及びエステル化反応時、必要に応じて、反応系内に窒素等の不活性ガスを吹き込んだり又は不活性ガス気流下で反応を行うか、もしくは減圧反応等を行ってもよい。
また、得られる生成物がジヒドロキシアミド化合物 (IV) とアミドエステル化合物(V)との混合物でも良い場合には、上記知見より適宜条件を調整すればよい。
【0036】
工程(2)
本工程は、上記工程(1) で得られたジヒドロキシアミド化合物 (IV) にさらに炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを反応させ、一般式 (VI) で表されるジヒドロキシアミド化合物(以下ジヒドロキシアミド化合物 (VI) と略記する)を得る工程である。
【0037】
炭素数2〜3のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、エチレンオキサイドが好ましい。
アルキレンオキサイドの付加反応温度は40〜200 ℃が好ましく、60〜180 ℃が更に好ましい。
【0038】
工程(3)
本工程は、ジヒドロキシアミド化合物 (IV) 又は (VI) と、一般式(VII) で表される脂肪酸又はそのエステル(以下脂肪酸又はそのエステル(VII) と略記する)、好ましくは脂肪酸の1種又は2種以上をエステル反応させて、一般式(VIII)で表されるアミドエステル化合物(以下アミドエステル化合物(VIII)と略記する)を得る工程である。
【0039】
ここで用いられる脂肪酸又はそのエステル(VII) としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等やこれらの混合物、及びこれらのメチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエステルが挙げられる。
【0040】
アミドエステル化合物(VIII)において、R2' 及びR3' がともに炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基である化合物を得る場合には、脂肪酸又はそのエステル(VII) の使用量は、ジヒドロキシアミド化合物 (IV) 又は (VI) 1モルに対し、 0.5〜10モルが好ましく、0.8 〜4モルが更に好ましい。また、アミドエステル化合物(VIII)において、R2' 又はR3' のいずれか一方が水素原子である部分エステル化物を得る場合には、このエステル化反応時における脂肪酸又はそのエステル(VII) の使用量は、ジヒドロキシアミド化合物 (IV) 又は (VI) 1モルに対し、5モル以下、好ましくは2モル以下である。
【0041】
このエステル化反応は、60〜270 ℃、好ましくは80〜250 ℃の温度で、必要であればp−トルエンスルホン酸、硫酸等の酸触媒又はNaOHやナトリウムメチラート等のアルカリ触媒等を用いて0.5 〜40時間行い、必要に応じて未反応の脂肪酸又はそのエステル(VII) 等の留去、触媒の中和や除去、吸着処理等の精製を行う。
このエステル化反応時、必要に応じて、反応系内に窒素等の不活性ガスを吹き込んだり又は不活性ガス気流下で反応を行うか、もしくは減圧反応等を行ってもよい。
【0042】
工程(4)
本工程は、上記工程で得られたジヒドロキシアミド化合物 (IV) 又は (VI) 、あるいはアミドエステル化合物(V)又は(VIII)と、一般式(IX)で表される4級化剤(以下4級化剤(IX)と略記する)を反応させ、さらに必要に応じて塩交換を行い、第4級アンモニウム塩(I)を得る工程である。
【0043】
4級化反応は、4級化剤(IX)を、ジヒドロキシアミド化合物 (IV) 又は (VI) 、あるいはアミドエステル化合物(V)又は(VIII)1モルに対し、 0.9〜10倍モル、好ましくは0.95〜2.0 倍モル用いて、30〜140 ℃、好ましくは40〜100 ℃の温度で、必要であれば溶媒を用いて 0.1〜20時間行う。その後、常法に従い後処理を行い、更に必要に応じてイオン交換樹脂等を用いて塩交換を行い、第4級アンモニウム塩(I)を得ることができる。
ここで用いられる4級化剤(IX)としては、メチルクロライド等の低級アルキルハライド、ジメチル硫酸やジエチル硫酸等のジ低級アルキル硫酸等が挙げられる。4級化反応の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等が挙げられる。
【0044】
本発明の第4級アンモニウム塩(I)は、新規な界面活性剤であり、繊維に対して優れた柔軟性を付与でき、生分解性の優れた柔軟基剤として有用である。また毛髪に対しても優れた柔軟性と平滑性を付与でき、毛髪化粧料であるヘアリンス、ヘアトリートメント等にも応用することができる。
【0045】
本発明においては、上記のようにして得られた第4級アンモニウム塩(I)のうち、上記一般式(I−1)で表されるモノ体0〜60重量%、一般式(I−2)で表されるジ体0〜90重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体0〜100 重量%からなる界面活性剤組成物が特に柔軟性の点で好ましく、更に、一般式(I−1)で表されるモノ体0〜50重量%、一般式(I−2)で表されるジ体0〜80重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体10〜100 重量%からなる界面活性剤組成物が好ましい。
【0046】
この界面活性剤組成物は、上記モノ体、ジ体及びトリ体を上記配合組成になるように混合することにより得ることができるが、上記の工程(1) あるいは(3) におけるエステル化反応時に、脂肪酸又はそのエステル(III) 又は(VII) の使用量及びエステル化の反応率を変化させ任意のエステル化度(0を超え2以下)にすることで混合組成(一般的には平衡組成)物を得、さらに4級化剤(IX)を用いて反応させ、必要に応じて塩交換を行うことにより混合組成物として直接得ることもできる。
【0047】
本発明の毛髪化粧料は、第4級アンモニウム塩(I)を必須成分として含有するものであるが、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、特に、上記一般式(I−1)で表されるモノ体0〜60重量%、特に0〜50重量%、一般式(I−2)で表されるジ体0〜90重量%、特に0〜80重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体0〜100 重量%、特に10〜100 重量%からなる界面活性剤組成物を含有するものが好ましい。
【0048】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、スタイリングローション、スタイリングムース、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、シャンプー、洗い流さないコンディショニング剤、永久又は塩基性ヘアカラー、パーマ剤等に用いることができる。
この場合、本発明の第4級アンモニウム塩(I)は、本発明の毛髪化粧料中に 0.1重量%以上配合するのが好ましく、特に 0.1〜20重量%、更に 0.1〜10重量%配合するのが好ましい。
【0049】
本発明の毛髪化粧料には、本発明の第4級アンモニウム塩(I)に加え、更に油脂類やシリコーン類を単独又は組み合わせて用いることができる。
油脂類としては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素類、液状ラノリン、ラノリン脂肪酸等のラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸類、アルキル基又はアルケニル基を有する長鎖アミドアミン等の油脂類、ミンクオイル、オリーブ油等の動植物性油脂等を挙げることができる。これらの中でも炭素数12〜24の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪酸由来のモノグリセリド、炭素数12〜26の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール及び高級脂肪酸が好ましく、特にオレイン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド等の脂肪酸モノグリセリド、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキンアルコール、ベヘニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、18−メチルイコサン酸、ヤシ油脂肪酸等の高級脂肪酸が好ましい。
【0050】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンの他、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等の各種変性シリコーンが挙げられる。
これら油脂類やシリコーン類を配合する場合には、本発明の毛髪化粧料中に0.01重量%以上配合するのが好ましく、特に0.01〜30重量%、更に0.05〜20重量%配合するのが好ましい。
【0051】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分以外に、必要に応じて従来型のモノ又はジ(長鎖アルキル)第4級アンモニウム塩のようなカチオン性活性剤やノニオン活性剤、グリセリン、尿素等の保湿剤、カチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド等の高分子物質、α−ヒドロキシカルボン酸類、芳香族スルホン酸類、色素、香料、噴射剤、溶剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0052】
また、本発明の第4級アンモニウム塩(I)、特に上記一般式(I−1)で表されるモノ体0〜60重量%、一般式(I−2)で表されるジ体0〜90重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体0〜100 重量%からなる界面活性剤組成物は、柔軟仕上剤の柔軟基剤としても有用であり、繊維に対して十分な柔軟性を付与することができる。
かかる柔軟基剤は、柔軟仕上剤中に好ましくは0.5 〜50重量%、更に好ましくは2〜20重量%配合され、その他、従来の柔軟仕上剤に配合される成分、例えば粘度調整剤、保存安定性向上剤、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、顔料、染料、消泡剤、香料等を適宜配合することにより、柔軟性の優れた柔軟仕上剤とすることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の第4級アンモニウム塩(I)の製造実施例、本発明の界面活性剤組成物の実施例及び本発明の毛髪化粧料の処方例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの製造実施例、実施例、処方例に限定されるものではない。
なお、例中の%は特記しない限り重量基準である。また、実施例6は参考例である。
【0054】
製造実施例1
攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコにステアリン酸568gとN−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン324gを仕込み、150 ℃まで昇温し、6時間アミド化反応を行い、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−ステアロイルアミノプロピルアミンを得た。
【0055】
次に攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコにラウリン酸200gと上記で得たN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−ステアロイルアミノプロピルアミン214gを仕込み、190 ℃まで昇温し、8時間脱水反応し、アミド・ジエステル反応物を得た。
【0056】
さらに、攪拌機、温度計のついたオートクレーブに上記のアミド・ジエステル反応物317g、イソプロピルアルコール80g、メチルクロライド26gを仕込み、90℃で8時間反応させた。反応後、過剰のメチルクロライドとイソプロピルアルコールを留去し、さらにアセトンによる晶析を行い、乾燥後、粉末状の下記式(A)で表される化合物(以下化合物Aと略記) 332gを得た。
1H−NMR、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0057】
【化15】
Figure 0003871730
【0058】
1H−NMRスペクトル(CDCl3 、内部標準TMS)
2.0 〜2.22 ppm (t 6H) -CH2CH 2 CO-
2.32 ppm (t 2H) NHCH2CH 2 CH2-N+
3.25 ppm (t 2H) NHCH 2 CH2CH2-N+
3.65 ppm (s 3H) CH 3 -N+-
3.75〜3.9 ppm ( 6H) NHCH2CH2CH 2 -N+-CH 2 CH2OCO
4.53 ppm (t 4H) N+-CH2CH 2 OCO
IRスペクトル(KBr錠剤)
1741cm-1、1651cm-1
製造実施例2
攪拌機、温度計、冷却管のついた4つ口フラスコに製造実施例1と同様にして合成したN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−ステアロイルアミノプロピルアミン214g、イソプロピルアルコール110gを仕込み、60℃まで昇温し、その温度を保ちながらジメチル硫酸61.8gを1時間かけて滴下後、60℃で2時間熟成した。反応後、イソプロピルアルコールを留去し、乾燥後、粉末状の下記式(B)で表される化合物(モノアルキル体、以下化合物Bと略記)270gを得た。
1H−NMR、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0059】
【化16】
Figure 0003871730
【0060】
1H−NMRスペクトル(CDCl3 、内部標準TMS)
0.88 ppm (t 3H) CH 3 -(CH2)14-CH2-CH2CO-
1.25 ppm (t 28H) CH3-(CH 2 ) 14 -CH2-CH2CO-
1.6 ppm (t 2H) CH3-(CH2)14-CH 2 -CH2CO-
2.07 ppm (t 2H) CH3-(CH2)14-CH2-CH 2 CO-
2.35 ppm (t 2H) NHCH2CH 2 CH2-N+
3.25 ppm (t 2H) NHCH 2 CH2CH2-N+
3.70 ppm (s 3H) CH 3 -N+-
3.8 〜4.1 ppm ( 10H) NHCH2CH2CH 2 -N+-CH 2 -CH 2 OH
IRスペクトル(KBr錠剤)
1652cm-1
製造実施例3
攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコにステアリン酸568gとN−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン162gを仕込み、 170℃まで昇温し6時間脱水反応を行い、さらに温度計とキャピラリィを具備したナシ型フラスコにて分留し、アミド・モノエステル化物を得た。
次に、攪拌機、温度計、冷却管のついた4つ口フラスコにアミド・モノエステル化物277.6g、イソプロピルアルコール110gを仕込み、60℃まで昇温し、その温度を保ちながらジメチル硫酸49.4g を30分かけて滴下後、60℃で3時間熟成した。反応後、イソプロピルアルコールを留去し、さらにアセトンによる晶析を行い、乾燥後、粉末状の下記式(C)で表される化合物(ジアルキル体、以下化合物Cと略記)320gを得た。
1H−NMR、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0061】
【化17】
Figure 0003871730
【0062】
1H−NMRスペクトル(CDCl3 、内部標準TMS)
0.86 ppm (t 6H) CH 3 -(CH2)14-CH2-CH2CO-
1.23 ppm (t 56H) CH3-(CH 2 ) 14 -CH2-CH2CO-
1.62ppm (t 4H) CH3-(CH2)14-CH 2 -CH2CO-
2.05〜2.25ppm (t 4H) CH3-(CH2)14-CH2-CH 2 CO-
2.35 ppm (t 2H) NHCH2CH 2 CH2-N+
3.22 ppm (t 2H) NHCH 2 CH2CH2-N+
3.35 ppm (t 2H) NHCH2CH2CH 2 -N+
3.70 ppm (s 3H) CH 3 -N+-
3.80〜4.1 ppm ( 6H) N+-CH 2 CH2OCO、N+-CH 2 CH2OH
4.50 ppm (t 2H) N+-CH2CH 2 OCO
IRスペクトル(KBr錠剤)
1743cm-1、1650cm-1
製造実施例4
攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコにステアリン酸341gとN−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン64.8g を仕込み、 180℃まで昇温し、12時間脱水反応を行い、アミド・ジエステル反応物を得た。
次に、攪拌機、温度計、冷却管のついた4つ口フラスコにアミド・ジエステル反応物288g、イソプロピルアルコール144gを仕込み、65℃まで昇温し、その温度を保ちながらジメチル硫酸37.1g を30分かけて滴下後、65℃で5時間熟成した。反応後、イソプロピルアルコールを留去し、さらにアセトンによる晶析を行い、乾燥後、粉末状の下記式(D)で表される化合物(トリアルキル体、以下化合物Dと略記)315gを得た。
1H−NMR、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0063】
【化18】
Figure 0003871730
【0064】
1H−NMRスペクトル(CDCl3 、内部標準TMS)
0.9 ppm (t 9H) CH 3 -(CH2)14-CH2-CH2CO-
1.3 ppm (t 84H) CH3-(CH 2 ) 14 -CH2-CH2CO-
1.65ppm (t 6H) CH3-(CH2)14-CH 2 -CH2CO-
2.05〜2.25ppm (t 6H) CH3-(CH2)14-CH2-CH 2 CO-
2.35 ppm (t 2H) NHCH2CH 2 CH2-N+
3.25 ppm (t 2H) NHCH 2 CH2CH2-N+
3.7 ppm (s 3H) CH 3 -N+-
3.78〜3.9 ppm ( 6H) NHCH2CH2CH 2 -N+-CH 2 CH2OCO
4.55 ppm (t 4H) N+-CH2CH 2 OCO
IRスペクトル(KBr錠剤)
1743cm-1、1650cm-1
製造実施例5
攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコにカプリル酸144gとエチレンジアミン120.2gを仕込み、120 ℃で5時間アミド化反応を行った後、温度計とキャピラリィを具備したナシ型フラスコにて未反応のエチレンジアミンを留去後、さらにアミド化反応物を分留して、モノアミド化合物を得た。
次に攪拌機、温度計のついたオートクレーブに上記モノアミド化合物93.1g を仕込み、80℃、5時間でエチレンオキサイド88gを反応させ、モノアミドエチレンオキサイド付加物(平均EO付加4モル)を得た。
【0065】
次に攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコにパルミチン酸153.6gと上記モノアミドエチレンオキサイド付加物144.8gを仕込み、170 ℃まで昇温し、8時間脱水反応をし、アミド・エステル反応物(平均エステル化度1.5 モル)を得た。
さらに、攪拌機、温度計、冷却管のついた4つ口フラスコに上記アミド・エステル反応物215.7g、イソプロピルアルコール100g、ジメチル硫酸37.1gを仕込み、60℃で5時間反応させた。反応後、イソプロピルアルコールを留去し、乾燥後、粉末状の下記式(E)で表される化合物(トリアルキル体含量55%、以下化合物Eと略記) 245gを得た。
1H−NMR、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0066】
【化19】
Figure 0003871730
【0067】
(式中、n+m=4、R はH 又は -COC15H31を示し、平均エステル化度=1.5 モルである。)
Figure 0003871730
製造実施例6
オートクレーブに製造実施例1と同様にして合成したN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−ステアロイルアミノプロピルアミン214gを仕込み、90℃、6時間でエチレンオキサイド88gを反応させ、モノアミドエチレンオキサイド付加物(平均EO付加6モル) を得た。
次に、攪拌機、温度計、脱水管、N2 導入管を具備した4つ口フラスコに上記モノアミドエチレンオキサイド付加物(平均EO付加6モル)241.6gとステアリン酸227.2gを仕込み、 180℃まで昇温し、15時間脱水反応を行い、アミド・ジエステル反応物を得た。
【0068】
次に、攪拌機、温度計、冷却管のついた4つ口フラスコに上記アミド・ジエステル反応物340.8g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、65℃まで昇温し、その温度を保ちながらジメチル硫酸37.1g を1時間かけて滴下後、65℃で5時間熟成した。反応後、イソプロピルアルコールを留去し、さらにアセトンによる晶析を行い、乾燥後、粉末状の下記式(F)で表される化合物(以下化合物Fと略記) 365gを得た。
1H−NMR、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0069】
【化20】
Figure 0003871730
【0070】
(式中、n+m=6である。)
水酸基価=4、鹸化価=89
1H−NMRスペクトル(CDCl3 、内部標準TMS)
2.35 ppm (t 2H) NHCH2CH 2 CH2-N+
3.25 ppm (t 2H) NHCH 2 CH2CH2-N+
3.7 ppm (s 3H) CH 3 -N+-
3.5 〜4.05ppm ( 22H) NHCH2CH2CH 2 -N+-(CH 2 -CH 2 O)n-1-CH 2 CH2OCO
4.2 〜4.6 ppm ( 4H) N+-(CH2CH2)n-1-CH2CH 2 OCO
IRスペクトル(KBr錠剤)
1742cm-1、1650cm-1
実施例1〜8
表1に示す組成の界面活性剤組成物について、下記基準で柔軟性を評価した。結果を表1に示す。
【0071】
<柔軟性の評価方法>
(1) 分散液の調製方法
柔軟性を評価する界面活性剤組成物にイソプロピルアルコールを 0.5重量%加え溶融し、この溶融物を攪拌下、60℃に保持された脱イオン水中に徐々に滴下し、界面活性剤組成物5重量%を含有するエマルジョンを調製した。その後、NaCl0.01重量%をエマルジョンの中に添加し、冷却した。
【0072】
(2) 処理、評価
市販の木綿タオルを市販洗剤“アタック”(花王(株)製、登録商標)にて5回繰り返し洗濯をし、布についている洗剤を除去した後、上記(1) で調製した分散液を布の重量の 1.5%投入し、25℃、浴比1/30で3分間攪拌下で処理した後、室内で乾燥後、20℃、65%RHの恒温、恒湿室にて24時間放置した。これらの布について、柔軟性の評価を行った。柔軟性の評価は、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライドで同様に調製、処理した布を対照にして一対比較を行い、下記の基準で評価した。
【0073】
Figure 0003871730
【0074】
【表1】
Figure 0003871730
【0075】
処方例1(ヘアリンス)
下記組成のヘアリンスを製造した。得られたヘアリンスは、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0076】
<組成>
実施例3の界面活性剤組成物 1.0重量%
セチルアルコール 3.0重量%
ベヘン酸 1.0重量%
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 3.0重量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.5重量%
水 91.1重量%
香料 0.4重量%
処方例2(スタイリングローション)
下記組成のスタイリングローションを製造した。得られたスタイリングローションは、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0077】
Figure 0003871730
処方例3(コンディショニングフォーム)
下記組成のコンディショニングフォームを製造した。得られたコンディショニングフォームは、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0078】
Figure 0003871730
【0079】
【発明の効果】
本発明の第4級アンモニウム塩(I)及び界面活性剤組成物は柔軟性を有し、且つ微生物による分解性も容易である。かかる第4級アンモニウム塩(I)を主成分とした毛髪化粧料は、毛髪に対して優れた柔軟性を示し、皮膚に対して低刺激性である。

Claims (8)

  1. 一般式(I)で表される新規な第4級アンモニウム塩。
    Figure 0003871730
    (式中、R1は炭素数1〜35の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は同一又は異なって、炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R4は炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、 Aは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、 Y及びZ は同一又は異なって炭素数2〜3の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、n 個の Y及び m個の Zは同一でも異なっていてもよい。n 及びm は同一又は異なってアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、 Xは陰イオン基を示す。)
  2. 一般式(I)において、R1が炭素数7〜23の直鎖アルキル基、R2及びR3が同一又は異なって炭素数8〜24の直鎖飽和脂肪酸から誘導されるアシル基、R4がメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、 Aが炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、 Y及び Zがエチレン基又はプロピレン基、n 及びm が同一又は異なって1〜10の数、 Xがハロゲン原子、サルフェート、炭素数1〜4の水酸基で置換されていてもよいカルボキシレート又は炭素数1〜4のアルキルサルフェートである請求項記載の第4級アンモニウム塩。
  3. 一般式(I)において、R1が炭素数11〜21の直鎖アルキル基、R2及びR3が同一又は異なって炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸から誘導されるアシル基、R4がメチル基、 Aが炭素数2〜3の直鎖アルキレン基、 Y及び Zがエチレン基、n 及びm が同一又は異なって1〜5の数、 XがCl又はCH3SO4である請求項記載の第4級アンモニウム塩。
  4. 下記工程(1-2) 及び (4) 、工程 (1-1)、(3) 及び(4) 、又は工程 (1-1) 、(2) 、(3) 及び(4) をこの順に行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の第4級アンモニウム塩の製造法。
    工程(1-1)
    一般式(II)
    Figure 0003871730
    (式中、A, Y及びZ は前記と同じ意味を示し、a及びbは同一又は異なって0〜20の数を示す。)
    で表されるジヒドロキシアミン体と、一般式(III)
    R1COOR5 (III)
    (式中、R1は前記と同じ意味を示し、R5は H又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表される脂肪酸又はそのエステルを反応させてアミド化を行い、下記一般式 (IV) で表されるジヒドロキシアミド化合物を得る工程。
    工程 (1-2)
    前記一般式( II )で表されるジヒドロキシアミン体と、一般式 (III')
    R 1' COOR 5 (III')
    (式中、 R 1' は炭素数7〜 35 の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、 R 5 は前記と同じ意味を示す。)
    で表される脂肪酸又はそのエステルを反応させて、アミド化とエステル化を同時に行い一般式(V)で表されるアミドエステル化合物を得る工程。
    Figure 0003871730
    (式中、R1R 1' A, Y, Z, a及びb は前記と同じ意味を示し、R 1" は式 -COR1'(R1'は前記の意味を示す)で表される基を示す。)
    工程(2)
    一般式 (IV) で表されるジヒドロキシアミド化合物(但し、a及びbが20の場合を除く)にさらに炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを反応させ、一般式 (VI)
    Figure 0003871730
    (式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記と同じ意味を示す。)
    で表されるジヒドロキシアミド化合物を得る工程。
    工程(3)
    一般式 (IV) 又は (VI) で表されるジヒドロキシアミド化合物と、一般式(VII)
    R6COOR5 (VII)
    (式中、R5は前記と同じ意味を示し、R6は炭素数7〜35の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
    で表される脂肪酸又はそのエステルの1種又は2種以上をエステル反応させて、一般式(VIII)
    Figure 0003871730
    (式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記と同じ意味を示し、R2'及びR3'は同一又は異なって、炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示す。)
    で表されるアミドエステル化合物を得る工程。
    工程(4)
    一般式(V)又は(VIII)で表されるアミドエステル化合物と、一般式(IX)
    R4X (IX)
    (式中、R4及び Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される4級化剤を反応させ、さらに必要に応じて塩交換を行い、前記一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩を得る工程。
  5. 下記一般式(I−1)で表されるモノ体0〜60重量%、一般式(I−2)で表されるジ体0〜90重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体10〜100 重量%からなる界面活性剤組成物。
    Figure 0003871730
    (式中、R1, R4, A, X, Y, Z, n 及びm は前記と同じ意味を示し、R2"及びR3"は同一又は異なって、炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル基を示す。)
  6. 一般式(I−1)で表されるモノ体0〜50重量%、一般式(I−2)で表されるジ体25〜80重量%、及び一般式(I−3)で表されるトリ体10〜75 重量%からなる請求項記載の界面活性剤組成物。
  7. 請求項1記載の第4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
  8. 請求項5又は6記載の界面活性剤組成物を含有する請求項記載の毛髪化粧料。
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