JP3792289B2 - 新規第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料 - Google Patents

新規第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料に関するものである。更に詳細には、新規な界面活性剤で、布帛、毛髪等の柔軟剤の基剤として使用される新規な第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、布帛や毛髪用の柔軟剤などに使用される界面活性剤は、界面活性能のほかに安全性、皮膚に対して低刺激性、生分解性などの諸特性に優れたものが要望されている。現在、柔軟剤などに使用されている界面活性剤としては、下記式(A) で表されるジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、あるいは下記式(B) で表されるジ長鎖アルキルイミダゾリンなどが良く知られている。
【0003】
【化5】
Figure 0003792289
【0004】
(式中、 Rは長鎖アルキル基を示す。〕
【0005】
【化6】
Figure 0003792289
【0006】
(式中、Rは前記と同じ意味を示し、R'は長鎖アルキル基を示し、Eは -O-、-NH-又は-S- を示す。)
これらの界面活性剤を用いた柔軟剤は一般的に、布帛や毛髪に対する柔軟性や、ふっくら感が優れており、広く使用されてきた。しかし、これらの界面活性剤は一般的に、安全性や柔軟剤の基剤としての性能に優れる反面、生分解性に問題があり、使用後、川や海の中で容易に分解せず、長期にわたり存在する問題があった。
【0007】
従って、本発明の課題は繊維や毛髪の柔軟効果に優れ、かつ生分解性がより優れ、柔軟剤基剤や毛髪処理基剤として適した化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記現状に鑑み、布帛や毛髪用の柔軟剤として優れ、且つ安全性が高く、更に生分解性の良好な化合物を得るべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(1) で表される新規第4級アンモニウム塩が本発明の目的に合致することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、一般式(1) で表される第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料を提供するものである。
【0009】
【化7】
Figure 0003792289
【0010】
〔式中、R1, R2及びR3は同一又は異なって炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、R4は H、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、R5及びR6は同一又は異なって、炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルカノイル基、アルケノイル基あるいはヒドロキシアルカノイル基、X は陰イオン基を示す。〕
また、本発明は一般式(1) で表される第4級アンモニウム塩の製造中間体として有用である、下記一般式(4) で表されるアミノエステルを提供するものである。
【0011】
【化8】
Figure 0003792289
【0012】
〔式中、R1, R2, R4, R5及びR6は前記と同じ意味を示す。〕
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
前記一般式(1) で表される第4級アンモニウム塩に関する報告は従来の刊行物等になく、かかる本発明の第4級アンモニウム塩は新規化合物である。
【0014】
本発明の一般式(1) で表される第4級アンモニウム塩において、R1, R2及びR3は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基を示すが、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基等の基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
【0015】
また、R4は H、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基を示すが、具体的には H、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基等の基が挙げられ、好ましくは H、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、更に好ましくは H、メチル基又はエチル基である。
【0016】
R5及びR6は同一又は異なって、炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルカノイル基、アルケノイル基あるいはヒドロキシアルカノイル基を示す。炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルカノイル基、アルケノイル基あるいはヒドロキシアルカノイル基の具体例としては、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、イソオクタデカノイル基、ヒドロキシオクタデカノイル基、エイコサノイル基、ベヘノイル基や、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム脂肪酸、硬化パーム脂肪酸、パームステアリン酸、硬化パームステアリン酸等の脂肪酸から水酸基を除いた残基が挙げられ、好ましくは炭素数8〜22の直鎖アルカノイル基、更に好ましくはオクタデカノイル基もしくはヘキサデカノイル基又はこれらの混合のアルカノイル基である。
【0017】
Xは陰イオン基を示すが、好ましくはCl、Br等のハロゲン原子、サルフェート、炭素数1〜4の水酸基で置換されていてもよいカルボキシレート又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート(CH3SO4、C2H5SO4等)、更に好ましくはCl又はCH3SO4 、特に好ましくはClである。
【0018】
一般式(1) で表される好ましい第4級アンモニウム塩として、例えば次のようなものが挙げられる。
【0019】
【化9】
Figure 0003792289
【0020】
上記一般式(1) で表される本発明の第4級アンモニウム塩(以下、第4級アンモニウム塩(1) と略記する)は、次の製造方法1により製造することができる。
【0021】
製造方法1:
一般式(2)
【0022】
【化10】
Figure 0003792289
【0023】
〔式中、R1,R2及びR4は前記と同じ意味を示す。〕
で表されるアミノアルコールと、一般式(3)
R7Y (3)
〔式中、R7は炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルカノイル基、アルケノイル基あるいはヒドロキシアルカノイル基を示し、 YはOH、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子を示す。〕
で表される長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪酸ハライドの1種又は2種以上とを反応させ、得られた一般式(4)
【0024】
【化11】
Figure 0003792289
【0025】
〔式中、R1, R2, R4, R5及びR6は前記と同じ意味を示す。〕
で表されるアミノエステルを、一般式(5)
R3X (5)
〔式中、R3及びX は前記と同じ意味を示す。〕
で表される4級化剤と反応させ、必要に応じて塩交換を行い、第4級アンモニウム塩(1) を得る方法。
【0026】
以下、第4級アンモニウム塩(1) の製造方法の詳細を説明する。
まず初めに、一般式(2) で表されるアミノアルコール(以下、アミノアルコール(2) と略記する)と一般式(3) で表される長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪酸ハライド(以下、長鎖脂肪酸又はその誘導体(3) と略記する)とを反応させて、一般式(4) で表されるアミノエステル(以下、アミノエステル(4) と略記する)を得る。
【0027】
ここで使用されるアミノアルコール(2) としては、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ジヒドロキシエチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジヒドロキシエチルアミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ジヒドロキシエチルアミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができる。
【0028】
このアミノアルコール(2) は市販のものをそのまま用いてもよいし、あるいは2−アミノ−1, 3−プロパンジオールを、ロイカルト法や還元メチル化法等の既存のアルキル化法によりアルキル化することにより調製しても良い。また、2−ジヒドロキシアルキルアミノ−1, 3−プロパンジオールの場合は、2−アミノ−1, 3−プロパンジオールのアルキレンオキサイド付加等によって調製してもよい。更に、特開昭53−135948号公報に開示の方法に従い、2−アミノ−1, 3−プロパンジオールとホルマリンを反応させて得ることもできる。
【0029】
本発明で用いられる長鎖脂肪酸又はその誘導体(3) としては、例えばオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、ヒドロキシオクタデカン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム脂肪酸、硬化パーム脂肪酸、パームステアリン酸、硬化パームステアリン酸等の脂肪酸、そのメチルエステル、エチルエステル、脂肪酸クロライド等を挙げることができる。
【0030】
このアミノアルコール(2) と長鎖脂肪酸又はその誘導体(3) との反応の場合、エステル化反応における反応温度は脂肪酸の場合は80〜 240℃が好ましく、さらに好ましくは 100〜200 ℃である。脂肪酸エステルを用いた場合は50〜 240℃が好ましく、さらに好ましくは80〜 200℃である。脂肪酸ハライドを用いた場合は0〜200 ℃が好ましく、さらに好ましくは10〜100 ℃である。反応温度がこの範囲であると適度の収率で着色の少ない生成物が得られ好ましい。
脂肪酸又は脂肪酸エステルを用いた場合では脱アルコールを促進するために触媒を用いても良い。このときの触媒は一般的なエステル化触媒が挙げられ、アルカリ触媒、金属触媒等が用いられる。また、脂肪酸ハライドを用いた場合には発生するハロゲン化水素をトラップする目的としてアルカリトラップ剤を用いても良い。
【0031】
このエステル化反応における〔長鎖脂肪酸又はその誘導体(3) /アミノアルコール(2) 〕のモル比は1/1〜4/1が好ましく、さらに好ましくは 1.5/1〜3/1である。この範囲内では、アミノアルコール(2) 及び長鎖脂肪酸又はその誘導体(3) の反応系内への残存量が少ないため好ましい。
【0032】
反応圧力は、常圧又は減圧の何れでも良いが、副生する水又は低級アルコールを効率よく除去するために減圧反応が好ましい。具体的には5〜400mmHg 、さらに好ましくは10〜200mmHg である。反応圧力を示す数値が5mmHg以上であると、反応途中に未反応のアミノアルコール(2)あるいは長鎖脂肪酸又はその誘導体(3)が系外に除外される恐れがなく、また400mmHg 以下では生成するアミノエステル(4) の収率が低下しないので好ましい。
【0033】
上記のようにして得られたアミノエステル(4) は新規化合物である。
アミノエステル(4) の代表的な化合物を以下に例示する。
【0034】
【化12】
Figure 0003792289
【0035】
尚、この反応において、アミノアルコール(2) として、R1及び/又はR2が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である化合物を用いた場合には、このヒドロキシアルキル基が長鎖脂肪酸又はその誘導体(3) によりアシル化されて下記に例示するような化合物を副生する。
【0036】
【化13】
Figure 0003792289
【0037】
このような副生物は、晶析やクロマトグラフィー等で精製して取り除くこともできるが、特に問題がなければそのまま次の4級化反応を行っても良い。
【0038】
4級化反応は、上記で得られたアミノエステル(4) を一般式(5) で表される4級化剤(以下、4級化剤(5) と略記する)で4級化して、第4級アンモニウム塩(1) を得る反応である。
【0039】
ここで用いられる4級化剤(5) としては、メチルクロライド等の低級アルキルハライド、ジメチル硫酸等のジ低級アルキル硫酸等があげられる。4級化反応の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等が挙げられる。
【0040】
このアミノエステル(4) と4級化剤(5) との反応温度は70〜 120℃が好ましい。また、この4級化反応における、〔4級化剤(5) /アミノエステル(4) 〕のモル比は 0.8〜2.0 が好ましく、さらに好ましくは0.95〜1.5 である。この条件で 0.5〜10時間かけて無溶媒あるいは溶媒中で4級化反応を行えば反応が完結し、その後、常法に従い後処理を行い、さらに必要ならば、イオン交換樹脂等を用いて塩交換を行えば、必要な対イオンを有する第4級アンモニウム塩(1) を得ることができる。
【0041】
尚、この4級化反応において、上記副生物も4級化されて、下記に例示するような化合物を副生する。
【0042】
【化14】
Figure 0003792289
【0043】
このような副生物は、用途上支障のある場合には晶析やクロマトグラフィー等で精製して取り除くこともできるが、特に問題がなければそのまま毛髪処理剤等に使用してもよい。
【0044】
本発明の第4級アンモニウム塩(1) 、アミノエステル(4) は赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルでその構造を確認することができる。
【0045】
本発明の第4級アンモニウム塩(1) は、新規な界面活性剤であり、繊維に対して優れた柔軟性を付与でき、生分解性の優れた柔軟基剤として有用である。また毛髪に対しても優れた柔軟性と平滑性を付与でき、毛髪化粧料にも応用することができる。
【0046】
本発明の毛髪化粧料は、第4級アンモニウム塩(1) を必須成分として含有するものであり、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、スタイリングローション、スタイリングムース、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、シャンプー、洗い流さないコンディショニング剤、永久又は塩基性ヘアカラー、パーマ剤等に用いることができる。
この場合、本発明の第4級アンモニウム塩(1) は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、本発明の毛髪化粧料中に 0.1重量%以上配合するのが好ましく、特に 0.1〜20重量%、更に 0.1〜10重量%配合するのが好ましい。
【0047】
本発明の毛髪化粧料には、本発明の第4級アンモニウム塩(1) に加え、更に油脂類やシリコーン類を単独又は組み合わせて用いることができる。
油脂類としては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素類、液状ラノリン、ラノリン脂肪酸等のラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸類、アルキル基又はアルケニル基を有する長鎖アミドアミン等の油脂類、ミンクオイル、オリーブ油等の動植物性油脂等を挙げることができる。これらの中でも炭素数12〜24の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪酸由来のモノグリセリド、炭素数12〜26の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール及び高級脂肪酸が好ましく、特にオレイン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド等の脂肪酸モノグリセリド、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキンアルコール、ベヘニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、18−メチルイコサン酸、ヤシ油脂肪酸等の高級脂肪酸が好ましい。
【0048】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンの他、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等の各種変性シリコーンが挙げられる。
これら油脂類やシリコーン類を配合する場合には、本発明の毛髪化粧料中に0.01重量%以上配合するのが好ましく、特に0.01〜30重量%、更に0.05〜20重量%配合するのが好ましい。
【0049】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分以外に、必要に応じて従来型のモノ又はジ(長鎖アルキル)第4級アンモニウム塩のようなカチオン性活性剤やノニオン活性剤、グリセリン、尿素等の保湿剤、カチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド等の高分子物質、α−ヒドロキシカルボン酸類、芳香族スルホン酸類、色素、香料、噴射剤、溶剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の第4級アンモニウム塩(1) の製造実施例、及び本発明の毛髪化粧料の処方例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例、処方例に限定されるものではない。
【0051】
実施例1
攪拌機、温度計、蒸留塔を備えた1リットル容−4ツ口フラスコに、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール 119g(1.0モル)、オクタデカン酸 596g(2.1モル) を仕込み、 180℃で攪拌した。反応途中で生成する水を蒸留塔で留去しながら反応を行った。ガスクロマトグラフィーにて10時間後に反応系内における2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオールが消失したのを確認した後、反応系を 200℃、1mmHgにして、過剰のオクタデカン酸を系外に除去し、淡黄色の固体 650g(収率97%)を得た。
得られた物質をIR分析、NMR分析にて、下記構造式を有する2−ジメチルアミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンであることを確認した。
【0052】
【化15】
Figure 0003792289
【0053】
IR分析、NMR分析結果
<IR分析>
1743cm-1 (5.74μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
<NMR分析>
溶媒CDCl3 、内部標準TMS
4.2ppm (dd,4H) C-CH 2 -OCO
2.9ppm (m,1H) N-CH
2.4ppm (s,6H) CH 3 -N 。
【0054】
実施例2
攪拌機、温度計、圧力計の付いた 0.5リットルオートクレーブに実施例1で得られた2−ジメチルアミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパン100g、メチルクロライド11g、イソプロピルアルコール80gを入れ、90℃まで昇温した。そのままの温度で6時間攪拌し、反応を終結させた。反応後、過剰のメチルクロライドを留去し、淡黄色固体の下記の構造式を有する2−トリメチルアンモニオ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパン クロライド180 g(収率98%)を得た。
【0055】
【化16】
Figure 0003792289
【0056】
IR分析、NMR分析結果
<IR分析>
1740cm-1 (5.75μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0057】
<NMR分析>
溶媒CDCl3 、内部標準TMS
4.6ppm (dd,4H) C-CH 2 -OCO
4.5ppm (m,1H) N-CH
3.6ppm (s,9H) CH 3 -N
実施例3
原料アミノアルコールとして、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオールの代わりに2−ジメチルアミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いる以外実施例1と同様に行い、淡黄色固体を得た(収率95%)。得られた化合物は下記構造式を有する2−ジメチルアミノ−2−メチル−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンであることを実施例1と同様の方法で確認した。
【0058】
【化17】
Figure 0003792289
【0059】
<IR分析>
1743cm-1 (5.74μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0060】
実施例4
実施例3で得られた2−ジメチルアミノ−2−メチル−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンを2−ジメチルアミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンの代わりに用いる以外は実施例2と同様に行い、淡黄色固体を得た(収率98%)。得られた化合物は下記構造式を有するものであることを実施例2と同様の方法で確認した。
【0061】
【化18】
Figure 0003792289
【0062】
<IR分析>
1740cm-1 (5.73μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0063】
実施例5
原料アミノアルコールとして2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオールの代わりに2−ジメチルアミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用い、オクタデカン酸の代わりに硬化牛脂脂肪酸を用いる以外は実施例1と同様に行い、淡黄色固体を得た(収率95%)。得られた化合物は下記構造式を有する2−ジメチルアミノ−2−エチル−1,3−ジ(アルカノイルオキシ)プロパンであることを実施例1と同様の方法で確認した。
【0064】
【化19】
Figure 0003792289
【0065】
(式中、R8は硬化牛脂脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。)
<IR分析>
1743cm-1 (5.74μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0066】
実施例6
実施例5で得られた2−ジメチルアミノ−2−エチル−1,3−ジ(アルカノイルオキシ)プロパンを2−ジメチルアミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンの代わりに用いる以外は実施例2と同様に行い、淡黄色固体を得た(収率98%)。得られた化合物は下記構造式を有するものであることを実施例2と同様の方法で確認した。
【0067】
【化20】
Figure 0003792289
【0068】
(式中、R8は前記と同じ意味を示す。)
<IR分析>
1740cm-1 (5.75μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0069】
実施例7
実施例5で得られた2−ジメチルオキシアミノ−2−エチル−1,3−ジ(アルカノイルオキシ)プロパンを2−ジメチルアミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンの代わりに用い、ジメチル硫酸をメチルクロライドの代わりに用いる以外は実施例2と同様に行い、淡黄色固体を得た(収率92%)。得られた化合物は下記構造式を有するものであることを実施例2と同様の方法で確認した。
【0070】
【化21】
Figure 0003792289
【0071】
(式中、R8は前記と同じ意味を示す。)
<IR分析>
1737cm-1 (5.76μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0072】
実施例8
原料アミノアルコールとして2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオールの代わりに2−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3−プロパンジオールを用いる以外は実施例1と同様に行い、、淡黄色固体を得た(収率97%)。得られた化合物は下記構造式を有する2−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンであることを実施例1と同様の方法で確認した。
【0073】
【化22】
Figure 0003792289
【0074】
<IR分析>
1740cm-1 (5.73μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0075】
実施例9
実施例8で得られた2−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンを2−ジメチルアミノ−1,3−ジ(オクタデカノイルオキシ)プロパンの代わりに用いる以外は実施例2と同様に行い、淡黄色固体を得た(収率95%)。得られた化合物は下記の構造式を有するものであることを実施例2と同様の方法で確認した。
【0076】
【化23】
Figure 0003792289
【0077】
<IR分析>
1737cm-1 (5.76μ) においてエステル特有の強い吸収が認められた。
【0078】
処方例1(ヘアリンス)
下記組成のヘアリンスを製造した。得られたヘアリンスは、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0079】
<組成>
第4級アンモニウム塩(実施例2) 1.0重量%
セチルアルコール 3.0重量%
ベヘン酸 1.0重量%
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 3.0重量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.5重量%
水 91.1重量%
香料 0.4重量%
処方例2(スタイリングローション)
下記組成のスタイリングローションを製造した。得られたスタイリングローションは、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0080】
Figure 0003792289
処方例3(コンディショニングフォーム)
下記組成のコンディショニングフォームを製造した。得られたコンディショニングフォームは、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0081】
Figure 0003792289
【0082】
【発明の効果】
本発明によって得られた第4級アンモニウム塩(1) は柔軟性を有し、且つ微生物による分解も容易である。またかかる第4級アンモニウム塩(1) を主成分とした毛髪化粧料は、毛髪に対して優れた柔軟性を示し、皮膚に対して低刺激性である。

Claims (2)

  1. 一般式(1) で表される第4級アンモニウム塩を含有する毛髪化粧料
    Figure 0003792289
    〔式中、R1, R2及びR3は同一又は異なって炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、R4は H、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、R5及びR6は同一又は異なって、炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルカノイル基、アルケノイル基あるいはヒドロキシアルカノイル基、X は陰イオン基を示す。〕
  2. 一般式(1) において、R1, R2及びR3がメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、R4が H、メチル基又はエチル基、R5及びR6が炭素数8〜22の直鎖アルカノイル基、 XがCl又はCH3SO4である請求項1記載の毛髪化粧料
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