JP3869744B2 - 折り畳み自転車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、折り畳み自転車に関し、特に、一動作で、下端に前後のホイールが並列に配置された縦型に折り畳むことの出来る折り畳み自転車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、持ち運びを容易にするために多くの形式の折り畳み自転車がある。例えば、自転車の前後方向を二つ折りにする形式のものや、自転車本体からホイールを外し、自転車本体のフレームを分解してコンパクトに折り畳む形式のもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
前者の形式のものは、自動車のトランク内に収納して運搬することは困難であるという問題がある。又、後者の形式のものは、多くの部品に分解しなければならず分解に時間と手間がかかるとともに、組み立てる場合にも同様に時間と手間がかかり不便である。
【0004】
請求項1に係る発明は、自転車本体機構と、ハンドル操作機構と、サドル機構と、駆動停止機構とを備えた折り畳み自転車において、自転車本体機構は、少なくとも1カ所の係合箇所を有し、この係合箇所において互いに折り畳み組立方向に回動自在に連結されたフレームと、この2本のフレームが自転車本体の略中央部において交叉するとともに、この交叉箇所における係合箇所を、折り畳み組立方向に回動自在に連結するとともに、この交叉箇所の側面には、組立状態においてそれぞれ垂直方向端部が互いに対向する当接面を構成するバックル取付部を設け、このバックル取付部にバックルを回動自在に取り付けて、施錠、解除動作を行う固定手段を設け、
一方のフレームの両端部は、互いに並列に配置された一方のフレームの前部ポストフレームと他方のフレームの後部ポストフレームの一端部に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、
他方のフレームの前側端部は、前部ポストフレームの他端に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、他方のフレームの後側端部は、後部ポストフレームの下端部と回動自在に連結するとともに、さらに、他方のフレームの後部サスアームを介してホイールの固定軸に固定し、
ハンドル操作機構は、ハンドル部分を支持する左右ハンドルリンクアームをそれぞれ係合箇所を介して回動自在にハンドルポストに連結し、このハンドルポストは前部ポストフレームに係合箇所を介して回動自在に連結し、
固定手段を解除して自転車本体機構を垂直方向に二つに折り畳み可能に構成するとともに、ハンドル部分をハンドルポストに並行に折り畳み可能に構成したものである。
【0005】
請求項2に係わる発明は、フレームは、前部メインフレームと後部リンクアームとよりなり、他方のフレームは、後部メインフレームと前部リンクアームとにより構成したものである。
【0006】
請求項3に係わる発明は、2本のフレームの前記交叉箇所を回動軸として、前記自転車本体機構の前記各係合箇所は、リンクモーションにより折り畳み組立方向に回動するようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
この発明の第1の実施例を、図1〜図45に基づいて詳細に説明する。
この発明の折り畳み自転車は、自転車本体のフレームを構成する自転車本体機構と、ハンドル部分の構成及び操作に必要なハンドル操作機構と、サドル20部分の構成及び操作するサドル機構と、駆動力を伝達し、停止する駆動停止機構とにより構成されている。
【0008】
さらに、自転車本体機構は、前部メインフレーム1、後部メインフレーム2、前部ポストフレーム3、後部ポストフレーム4、前部リンクアーム5、後部リンクアーム6により構成される自転車本体のフレームと、さらに、このフレームを連結するための固定手段7(以下、バックル7と記す)、ジョイント8、ジョイント9とにより構成されている。なお、一方のフレームは、前部メインフレーム1、前部ポストフレーム3、前部リンクアーム5により構成されており、他方のフレームは、後部メインフレーム2、後部ポストフレーム4、後部リンクアーム6により構成されている。
ハンドル操作機構は、主として、ハンドルポスト10、フロントフォーク11、ハンドルジョイント12、左ハンドルリンクアーム13、右ハンドルリンクアーム14、ハンドルパイプ15、ブレーキクランク16、ブレーキレバー17とにより構成されている。
【0009】
サドル機構は、主としてサドルポスト18、サドルハンドル19、サドル20とにより構成されており、駆動停止機構は、主として、クランクシャフト21、スペーサ22、23、クランクギア24、左クランクアーム25、右クランクアーム26、クランクアームマウント27、クランクノブ28、ペダル29、ペダルクランク30、ホイール31、ブレーキディスク32、前部ホイール33、後部ホイールスペーサ34、スプロケット35、駆動ベルト36とにより構成されている。
【0010】
図1〜図6は、この発明による自転車の組立状態(即ち、使用時における状態)を示す図で、自転車を正面に見て、図1は左側面図、図2は右側面図、図3は平面図、図4は正面図、図5は背面図、図6は底面図である。図7〜図12は、この発明による自転車が、折り畳まれるプロセスをそれぞれ左側面から見た状態を示す図で、図7はハンドル部分を折り畳んだ状態を示す図、図8はハンドル部分を支持するハンドルポスト10を180度回動するとともに、ペダル29を折り畳んだ状態を示す図、図9は固定手段(この実施例の場合は、バックルを用いている。以下、バックルと記す)を解除し、前部メインフレーム1及び後部メインフレーム2を折り畳み始める状態を示す図、図10〜図11は、引き続き折り畳む状態を示す図、図12は折り畳みが完了した状態を示す正面図である。
【0011】
図13〜図35は、いずれもこの発明による自転車を構成する部品図で、図13〜図20は、自転車本体機構を構成する部品図、図21〜図27は、ハンドル操作機構を構成する部品図、図28はサドル機構を構成する部品図、図29〜図35図は、駆動停止機構を構成する部品図である。
【0012】
図12、図36〜図40は、この発明による自転車の折り畳んだ状態(即ち、運搬時における状態)を示す6面図で、図12は正面図、図36は右側面図、図37は左側面図、図38は上面図、図39は背面図、図40は底面図である。なお、この実施例においては、図1〜図6に示す6面図を基準にして、各部品図についてもそれぞれ同一方向から見た左右側面図、平面図、正面図……として記載されている。又、ハンドル方向を前側あるいは前部、サドル方向を後側あるいは後部と称する。
【0013】
自転車本体機構を構成する部品図において、図13は前部メインフレーム1を示す図、図14は後部メインフレーム2を示す図、図15は前部ポストフレーム3を示す図、図16は後部ポストフレーム4を示す図、図17は前部リンクアームを示す図、図18はバックル7を示す図、図19は前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所及び後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所をそれぞれ回動自在に連結するジョイント8を示す図、図20は前部リンクアーム5とポストフレーム3との係合箇所及び後部リンクアーム6と後部ポストフレーム4との係合箇所を回動自在に連結するジョイント9を示す図である。
【0014】
ハンドル操作機構を構成する部品図において、図21はハンドルポスト10を示す図、図22はフロントフォーク11を示す図、図23はハンドルジョイント12を示す図、図24は右ハンドルリンクアーム13を示す図、図25は左ハンドルリンクアームを示す図、図26はブレーキランプ16を示す図、図27はブレーキレバー17を示す図である。
【0015】
サドル機構を構成する部品図において、図28はサドルポスト18を示す図である。
駆動・停止機構を構成する部品図において、図29はクランクギア24を示す図、図30は左クランクアーム25を示す図、図31は右クランクアーム26を示す図、図32はクランクアームマウント27を示す図、図33はクランクノブ28を示す図、図34はペダル29を示す図、図35はペダルクランク30を示す図である。
【0016】
この発明の自転車本体機構は、2本のフレームが自転車本体の略中央部において交叉しており、この交叉箇所における係合箇所は、折り畳み組立方向に回動自在に連結するとともに、この交叉箇所の側面には、組立状態においてそれぞれ垂直方向端部が互いに対向する当接面を構成するバックル取付部を設け、このバックル取付部にバックルを回動自在に取り付けて、施錠、解除動作を行う固定手段が設けられている。そして、各フレームは、少なくとも1カ所の係合箇所を有しており、この係合箇所において互いに折り畳み組立方向に回動自在に連結されている。さらに、一方のフレームの両端部は、互いに並列に配置された一方のフレームの前部ポストフレームと他方のフレームの後部ポストフレームの一端部に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、他方のフレームの前側端部は、前部ポストフレームの他端に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、他方のフレームの後側端部は、後部ポストフレームの下端部と回動自在に連結するとともに、さらに、他方のフレームの後部サスアームを介してホイールの固定軸に固定されて自転車本体機構の主要部が構成されている。従って、固定手段を解除すれば、自転車本体は垂直方向に二つに折り畳みことが出来るように構成されている。
【0017】
以下、図1〜図6及び図13〜図20に示す各部品図において、自転車本体機構の各部について説明する。
図13は、一方のフレームの一部を構成する前部メインフレーム1を示しており、(a)図は自転車本体機構から見た時の正面図、(b)図は右側面図であり、前部メインフレーム1の水平方向略中央部における一方の側面には、後部メインフレーム2(図14参照)の第1被係合部2bと係合して、両者を回動自在に連結するための第1係合部1bが側面から垂直方向に立設されており、この第1係合部1bに対向する他方の側面には(即ち、第1係合部1bの反対側の面)には、後述するバックル7を回動自在に取り付けるためのバックル取付部1aが設けられている。互いに対向配置されているバックル取付部1aと第1係合部1bとの垂直方向端面は、前部メインフレーム1側の当接面1cを構成している。なお、1fは、第1係合部1bに透設した軸穴で、第1係合部1bと係合する図14に示す後部メインフレーム2の第2被係合部とを折り畳み及び組立方向に回動自在に軸支するための回動軸が貫通する。
【0018】
さらに、この一方のフレームの一部を構成する前部メインフレーム1の前側端部には、前部ポストフレーム3(図15参照)の下端部に設けた第3被係合部3cと折り畳み及び組立方向において回動自在に連結するための第2係合部1dが設けられており、前部メインフレーム1の後側端部には、後部リンクアーム6(図17参照)の前側端部に設けられている第1被係合部6aと折り畳み及び組立方向において回動自在に係合するための第3係合部1eが設けられている。従って、自転車本体機構の一部を構成するフレームは、前部メインフレーム1と後部リンクアーム6とが係合箇所を介して連結されている。なお、後述するように、後部リンクアーム6の後側端部には、後部ポストフレーム4(図16参照)の上端部に設けられている第1係合部4aと折り畳み及び組立方向において回動自在に連結するための第2被係合部6bが設けられている。
【0019】
図14に示すように、他方のフレームの一部を構成する後部メインフレーム2は、前部メインフレーム1とともに、自転車本体の略中央部において互いに交叉して対をなし、自転車本体のフレームの一部を構成するもので、図14に、左右側面図として(a)図及び(b)図がそれぞれ示されているように、後部メインフレーム2の水平方向略中央部における一方の側面には、前部メインフレーム1の係合部1bと係合する第1被係合部2bが設けられており、前部メインフレーム1の第1係合部1bと後部メインフレーム2の第2被係合部2bとが折り畳み及び組立方向に回動自在に連結されており、他方の側面には、前部メインフレーム1のバックル取付部1aに対向してバックル取付部2aが設けられている。さらに、後部メインフレーム2のバックル取付部2aの垂直方向端部は、組立状態において前部メインフレーム1の当接面1cと当接する当接面2cとなっている。
【0020】
従って、自転車本体の組立状態では、当接面1cと当接面2cとが互いに当接して回動範囲を規制するとともに、前部メインフレーム1と後部メインフレーム2とはバックル7で施錠・解除できるように構成されている。なお、自転車本体を折り畳んだ状態では、図38に示すように、前部メインフレーム1の当接面1cと後部メインフレーム2の当接面2cとは、互いに平行に位置する状態となり、左側のペダル29が載置される平面を形成している。
【0021】
さらに、後部メインフレーム2の中央部分に位置するバックル取付部2aからさらに後方には、駆動停止機構取付部2gが形成されており、クランクシャフト21を支持する軸受けとなっている。この駆動停止機構取付部2gは、自転車本体正面から見た時、バックル取付部2aと同じ幅となるように形成されている。従って、自転車本体を折り畳んだ時、バックル取付部2aと駆動停止機構取付部2gとの表面は同一面を構成し、クランクギヤ24の表面からはみ出さないように形成されている。2hは駆動停止機構取付部2gに設けられているクランクシャフト21が貫通する軸穴である。
【0022】
後部メインフレーム2の前側端部には、前部リンクアーム5(図17参照)の後側端部に設けられている係合部5aと折り畳み及び組立方向において回動自在に係合するための第2被係合部2dが設けられている。後部メインフレーム2の後側端部には、図16に示す後部ポストフレーム4の下端部に設けられている第2係合部4bと折り畳み及び組立方向において回動自在に連結するための第3被係合部2eが設けられているいるとともに、さらに、後部サスアーム2fが連設されており、この後部サスアーム2fの末端部は、ブレーキディスク32を介在させてホイール31の固定軸に固定されている。
【0023】
図17は、前部リンクアーム5を示すもので、前部リンクアーム5の前側端部には、前部ポストフレーム3の上端部に設けられている第1係合部3aと折り畳み及び組立方向において回動自在に係合するための被係合部5bが設けられており、後側端部には、後部メインフレーム2の第2被係合部2dと係合する係合部5aが設けられている。なお、5cは係合部5aに設けた軸穴、5dは、被係合部5bに設けた軸穴である。
【0024】
後部リンクアーム6は、前部リンクアーム5と同一構造であるから、その図面を省略し、図17中に括弧書きにて該当する係合箇所及び番号を記載する。
即ち、上記したように、後部リンクアーム6の後側端部には、後部ポストフレーム4の上端部に設けられている第1係合部4aと折り畳み及び組立方向において回動自在に係合するための第2被係合部6bが設けられており、前側端部には、前部メインフレーム1の第3係合部2dと係合する第1被係合部6aが設けられている。なお、6cは第1被係合部6aに設けた軸穴、6dは、第2被係合部6bに設けた軸穴である。
【0025】
図15に、(a)図は右側面図、(b)図は左側面図、(c)図は平面図、(d)図は正面図として示すように、前部ポストフレーム3の上端部には、前部リンクアーム5との係合箇所と後述するハンドルポスト10との係合箇所の2カ所の係合箇所があり、下端部には前部メインフレーム1との係合箇所とハンドルポスト10との係合箇所の2カ所の係合箇所があり、合計で4カ所の係合箇所が設けられている。
【0026】
即ち、前部ポストフレーム3の上端部には、第1係合部3aと第2係合部3bとが設けられており、第1係合部3aは前部リンクアーム5の被係合部5bと係合し、第2係合部3bはハンドル操作機構の一部を構成するハンドルポスト10(図21参照)の被係合部10aと係合して、それぞれ前部リンクアーム5とハンドルポスト10と連結される。さらに、前部ポストフレーム3の下端部には、被係合部3cと第3係合部3dとが設けられており、被係合部3cは前部メインフレーム1の第2係合部1dと係合し、第3係合部3dはハンドルポスト10の第2被係合部10bと係合して、それぞれ前部メインフレーム1とハンドルポスト10と連結される。なお、3e〜3hは軸穴で、軸穴3eは第1係合部3aに垂直方向に形成されており、軸穴3fは第2係合部3bに垂直方向に形成されており、軸穴3gは被係合部3cに水平方向に形成されており、軸穴3hは第3係合部3dに垂直方向に形成されている。
【0027】
なお、この実施例の場合には、ハンドルポスト10と前部ポストフレーム3との2カ所の係合箇所、即ち、第1被係合部10aと第2係合部3bとの係合箇所と第2被係合部10bと第4係合部3dとの係合箇所における回動範囲は、360度に設計されており、そのため、ハンドル操作が容易である。又、前部ポストフレーム3と前部メインフレーム1との係合箇所(即ち、第2係合部1dと被係合部3cとの係合箇所)と前部ポストフレーム3と前部リンクアーム5との係合箇所(即ち、第1係合部3aと被係合部5bとの係合箇所)とは、いずれも折り畳み方向及び組立方向に回動自在に連結されている。
【0028】
図16に、(a)図は左側面図、(b)図は右側面図、(c)図は正面図として示すように、後部ポストフレーム4には、第1係合部4aと第2係合部4bとが設けられており、第1係合部4aは、後部リンクアーム6の第2被係合部6b(図17参照)と係合し、第2係合部4bは、後部メインフレーム2の第3被係合部2eと係合して、それぞれ折り畳み方向及び組立方向に回動自在に連結されている。さらに、後部ポストフレーム4の上端部分は内部が中空に形成されており、後述するサドルポスト18が上下動自在に嵌入可能となっている。4c、4dは軸穴で、軸穴4cは第1係合部4aに設けられており、軸穴4dは第2係合部4bに設けられている。
【0029】
前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所(即ち、第3係合部1eと第1被係合部6aとの係合箇所)及び後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所(即ち、第2被係合部2dと係合部5aとの係合箇所)は、図19(上面図(a)及び側面図(b)参照)に示すジョイント8により連結されている。このジョイント8には水平方向の軸穴8aと垂直方向の軸穴8bとが透設されており、軸穴8aと前部メインフレーム1の第3係合部1eに透設されている軸穴1gとを貫通して軸支された回動軸により後部リンクアーム6は水平方向に回動自在となっており、さらに、軸穴8bが設けられているジョイント部分は、後部リンクアーム6の係合部6aに回動自在に軸支されている。
【0030】
従って、前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所(即ち、第3係合部1eと第1被係合部6aとの係合箇所)は、自転車本体を折り畳みあるいは組み立てる場合には、図7〜図12に示す折り畳みプロセスから明らかなように、係合箇所は、リンク機構による水平方向に回動しつつ同時に垂直方向にも回動するひねり運動を含む動作となる。即ち、折り畳み方向及び組立方向に回動する。後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所(即ち、第2被係合部2dと係合部5aとの係合箇所)も同様な回動動作となる。
【0031】
又、前部リンクアーム5と前部ポストフレーム3との係合箇所(即ち、被係合部5bと第1係合部3a)には、図20(上面図(a)、側面図(b)、断面図(c)参照)に示すジョイント9(この実施例1では、ボールジョイントが用いられている)が、第1係合部3aを構成する前部ポストフレーム3の頂部に、垂直方向の軸穴9bにより軸支されているとともに、水平方向に透設されている軸穴9aに、前部リンクアーム5の被係合部5bが回動軸により軸支されている。一方、後部リンクアーム6と後部ポストフレーム4との係合箇所(即ち、被係合部6bと第1係合部4a)には、同様に、図20に示すジョイント9が後部ポストフレーム4の第1係合部4aに、垂直方向の軸穴9bにより回動自在に軸支されているとともに、このジョイント9に透設されている水平方向の軸穴9aに軸支された回動軸とにより同様に折り畳み方向及び組立方向に回動するように構成されている。なお、この実施例1では、ジョイント9としては、図20に示すボールジョイントが用いられているので、リンク機構による上記動作におけるひねり運動を吸収することが出来る。
【0032】
従って、自転車本体の組立状態においては、互いに平行して配置された前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4との間に、互いに係合箇所で連結された前部メインフレーム1と後部リンクアーム6とよりなるフレームと、互いに係合箇所で連結された後部メインフレーム2と前部リンクアーム5とよりなるフレームとの2本のフレームが、自転車本体の略中央部において交叉する対角線状に配置されて自転車のフレームを構成し、この2本のフレームの交叉する箇所は、施錠・解除可能な固定手段7(以下、バックル7と記す)により固定されて自転車本体が構成されている。なお、この実施例では、固定手段7として図18に示すバックルが用いられているが、上記施錠・解錠動作を行うことの出来る固定手段であれば、如何なるものであっても良い。
【0033】
従って、図7〜図12に示すように、自転車本体を地上に設置したままの状態で、バックル7を解除して、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4とを折り畳み方向に回動すると、即ち、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4とをそれぞれ折り込むように前部メインフレーム1及び後部メインフレーム2に近づけると、自転車本体機構は、前部メインフレーム1の第1係合部1bと後部メインフレーム2の第1被係合部2bとの係合箇所を回動軸として、前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所及び後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所は、いずれも上記に説明したようなリンク機構による動作で、折り畳み方向に回動し、又、前部ポストフレーム3と前部メインフレーム1との係合箇所及び後部ポストフレーム4と後部メインフレーム2との係合箇所は、垂直方向の回動動作により回動し、図12、図36〜図40に示すように、自転車本体は2つのホイール31が並列に配置された縦型に二つ折りされた状態に折り畳むことが出来る。
【0034】
図21に示すように、ハンドルポスト10は、ハンドル部分を回動自在に取り付けるためのもので、前部ポストフレーム3の第4係合部3dと回動自在に係合する第2被係合部10bが形成されている。なお、この実施例では、ハンドルポスト10を折り畳む場合、180度回動するように構成されている。一方、この下端部から略前部ポストフレーム3の長さに相当する中間部には、前部ポストフレーム3の第2係合部3bと回動自在に係合する第1被係合部10aが形成されている。さらに、上端部には、ハンドル部分のハンドルジョイント12を回動自在に支持するために、図24に示す右ハンドルリンクアーム13と図25に示す左ハンドルリンクアーム14との下端部をそれぞれ回動自在に取付るための軸穴10c、10dが形成されている。
【0035】
図22に示すように、フロントフォーク11の下端部には、前側のホイール31の軸31aに軸支するための軸穴11aが透設されている。
【0036】
ハンドルジョイント12は、図23に示すように、内部が中空に形成されており、ここに、ハンドルパイプ15が挿入されており、そのハンドルパイプ15の両端部はハンドルジョイント12から突出している。さらに、ハンドルジョイント12の両端部には、内部が中空の一対のハンドルリンクアーム支持部12aが後方に突設されて断面コ字状に形成されている。
【0037】
なお、ハンドルジョイント12は必ずしも必要ではなく、この場合には、一対のハンドルリンクアーム支持部12aはハンドルパイプ15に突設しても良い。又、ハンドルリンクアーム支持部12aは、ハンドル部分と左右ハンドルリンクアーム13、14とを連結出来る機構であれば、別部材で形成しても良い。
【0038】
ハンドルジョイント12に設けられている一対のハンドルリンクアーム支持部12aは、図24、図25にそれぞれ示す右ハンドルリンクアーム13と左ハンドルリンクアーム14との上端部が回動自在に取り付けられるためのもので、このハンドルリンクアーム支持部12aはハンドルポスト10の厚さと略等しい長さに突設されている。そこで、右ハンドルリンクアーム13、左ハンドルリンクアーム14が180度回動した状態(図7に示すように、ハンドル部分を折り畳んだ状態)において、ハンドルリンクアーム支持部12aが、ハンドルポスト10に当接して、左右ハンドルリンクアーム14、13の回動が阻止されるとともに、ハンドル部分がハンドルポスト10から不必要にはみ出さないように構成されている。
【0039】
ハンドルジョイント12の両端部から突出しているハンドルパイプ15の両端部には、それぞれハンドルカバー15aが取り付けられてハンドル把持部(以下、ハンドル把持部15aと記す)となっており、さらに、ブレーキクランク16が取り付けられている。
【0040】
図24に示す右ハンドルリンクアーム13の上端部及び図25に示す左ハンドルリンクアーム14の上端部には、それぞれハンドルジョイント12に回動自在に支持するための円筒状の凸部13a、14aが突設されており、この凸部13a及び凸部14aは、ハンドルジョイント12に設けられている一対のハンドルリンクアーム支持部12aにそれぞれ嵌入されるとともに、軸穴13b及び軸穴14bにより回動自在に取り付けられている。又、右ハンドルリンクアーム13の下端部には、ハンドルポスト10に回動自在に取り付けるために、ハンドルポスト10の軸穴10cと対応する軸穴13cが設けられている。又、左ハンドルリンクアーム14の下端部は、略三角形状のストッパー片14dが形成されており、このストッパー片14dにハンドルポスト10の軸穴10dと対応する軸穴14cが設けられている。
【0041】
なお、このストッパー片14dの側面は、右ハンドルリンクアーム13と当接する当接面14eとなっている。そして、この当接面14eの垂直方向の長さは、ハンドルポスト10の軸穴10cと軸穴10dとの間隙10eより短く形成されている。従って、自転車を折り畳んだ場合、当接面14eは軸穴10cと軸穴10dとの間隙10eに収納することが出来る。
【0042】
従って、左右ハンドルリンクアーム14、13は、その下端部がそれぞれハンドルポスト10に回動自在に取り付けられ、上端部はハンドルジョイント12のハンドルリンクアーム支持部12aにその凸部14a及び13aが回動自在に取り付けられており、そして、自転車の組立状態では、左ハンドルリンクアーム14のストッパー片14dの当接面14eが、右ハンドルリンクアーム13の対応する当接面13dと当接して、ハンドルジョイント12を水平に支持している。
【0043】
図26に示すように、ブレーキクランク16は、ハンドルジョイント12の両端部から突出したハンドルパイプ15が嵌入する嵌合部16aと、図27に示すブレーキレバー17を前後方向自在に取り付けるためのレバー取付部16bとが設けられている。図27に示すブレーキレバー17は、把持部17aとブレーキレバー17をブレーキクランク16に位置決めするためのストッパー17bとが設けられている。
【0044】
従って、自転車の組立状態においては、前部ポストフレーム3に平行に係合されたハンドルポスト10とこのハンドルポスト10の末端部に係合されたフロントフォーク11に、左右ハンドルリンクアーム13、14により取り付けられたハンドル部分が支持されてハンドル操作機構が構成されている。
【0045】
自転車を折り畳む場合には、バックル7を解除する前に、左右ハンドルリンクアーム14、13を折り畳み方向に回動して、ハンドル部分をハンドルポスト10に沿って平行に位置決めする。この時、ストッパー片14dは、ハンドルポスト10の軸穴10cと軸穴10dとの間隙10eに収納されるとともに、ハンドルジョイント12のハンドルリンクアーム支持部12aは、ハンドルポスト10に当接してハンドルジョイント12の回動が阻止され、ハンドルパイプ15は、ハンドルポスト10に沿った状態となる。そこで、ハンドルポスト10を180度回動すれば、ハンドル部分は、図12に示すように、折り畳んだ状態となる。
【0046】
後部ポストフレーム4には、上記した第1係合部4a及び第2係合部4bが設けられているとともに、さらに、後部ポストフレーム4の上端部は、少なくとも内部が中空となっており、上端には、図28に示すサドルポスト18が、その内部に挿脱自在に設けられている。このサドルポスト18は、サドル20を固定するとともに、その高さを調整するためのものである。
【0047】
図28に示すように、サドルポスト18の上端部には、サドル20を載置固定するためのサドル載置部18aが水平方向に連設されており、このサドル載置部18aに載置されたサドル20の高さは、サドルハンドル19により調整可能に構成されている。なお、自転車を折り畳む場合に、サドルハンドル19を把持して自転車本体を引っ張るために用いる事もできる。
【0048】
クランクシャフト21(図6参照)は、後部メインフレーム2の駆動停止機構取付部2gに回転自在に取り付けられており、その両端部は駆動停止機構取付部2gから突出している。この実施例の場合、後部メインフレーム2の駆動停止機構取付部2gから突出してクランクシャフト21の左側端部には、スペーサ22(図22参照)、図29に示すクランクギヤ24を介して、図32に示すクランクアームマウント27が固定されている。
【0049】
図32に示すように、クランクアームマウント27の下端部には、図31に示す左クランクアーム26を軸支するための軸受け部27aが設けられており、この軸受け部27aに貫通する支軸27bに支持されて、左クランクアーム26が垂直方向に90度の範囲内で回動可能に支持されている。27cおよび27dは、クランクアームマウント27をクランクギア24(図29)に固定するための軸穴で、軸穴27cは、クランクギア24の軸穴24aと連通し、クランクシャフト21に固定されている。27dは、クランクノブ28の軸穴28aと連通している。従って、クランクシャフト21の左側端部には、クランクギア24を介してクランクアームマウント27が固定されている。
【0050】
図31に示すように、左クランクアーム26は、先端部が開放した平面略Y型に形成されており、クランクアームマウント27全体が嵌入可能な開放箇所26aが設けられている。さらに、左クランクアーム26の垂直方向の長さは、自転車本体を折り畳んだ状態で左クランクアーム26を180度回動した時、ペダル29が互いに平行に位置している前部メインフレーム1の圧接面1cと後部メインフレーム2の圧接面2cとの上面に載置可能な長さに形成されている。従って、左クランクアーム26は、先端部の開放箇所26aにクランクアームマウント27全体が嵌入するとともに、このクランクアームマウント27の先端部に設けられている軸受け部27aに回転自在に挿入されている支軸27bを回転軸として垂直方向に180度回動可能な状態で取り付けられている。そのため、自転車本体を折り畳んだ場合、ペダル部分が出っ張ることもなく、コンパクトに収納することが出来る。その上、左クランクアーム26の先端部は略Y型に開放した形状に形成したので、ペダル部分をクランクシャフト21に固定するためのクランクアームマウント27を、先端部のY型開放部分に嵌入した状態に位置決め出来るから、ペダル29からの駆動力を確実にクランクシャフト21に伝達することが出来る。さらに、自転車本体を折り畳んだ場合、ペダル部分が出っ張ることもなく、コンパクトに収納することが出来る。
【0051】
さらに、左クランクアーム26の先端部の開放箇所26aには、図33に示す矩形状のクランクノブ28が回転可能な回転エリア26bが凹設されており、矩形状のクランクノブ28を90度回動することにより、左クランクアーム26はクランクアームマウント27に施錠あるいは解除される。従って、クランクノブ28が施錠された状態からこれを90度回動すると、左クランクアーム26は、クランクアームマウント27の軸受け部27aに挿入されている支軸27bを回動軸として180度回動可能である。なお、左クランクアーム26の形状は、クランクギア24とスプロケット35とに装架されている駆動ベルト36が形成する略三角形状の間隙37からはみ出さない形状に形成されてもよく、この場合には、折り畳み状態の時には、ペダル29は、この間隙37(図37参照)に位置決めすることも出来る。
【0052】
さらに、図31に示すように、左クランクアーム26の末端部には、軸穴26cが設けられており、この軸穴26cは、図35に示すように一方の側面がアールに形成されているペダルクランク30の軸穴30aと連通しており、左クランクアーム26にペダルクランク30が、水平方向に360度回転可能に軸支されている。なお、ペダルクランク30には、さらに、軸穴30aに直交する方向に透設されたペダル29取り付け用の軸穴30bが設けられている。
【0053】
図34に示すペダル29には、ペダルクランク30の軸穴30bと連通する軸穴29aが設けられている。従って、ベダル29はペダルクランク30に垂直方向には少なくとも90度回動可能に、水平方向には360度回転可能に軸支されている。
【0054】
一方、図30に示すように、右クランクアーム25の先端部は、スペーサ23(図5参照)を介して後部メインフレーム2から突出してクランクシャフト21の右側端部に固定されており、末端部には、上記と同様に、ペダルクランク30を介してベダル29が垂直方向には少なくとも90度回動可能に、水平方向には360度回転可能に取り付けられている。なお、25a及び25bは、それぞれ先端部及び末端部に形成されている軸穴である。
【0055】
図1及び図2に示す駆動ベルト36(この実施例の場合にはチェーンが用いられており、以下、チェーン36と記す)は、クランクギア24(図29参照)と後方に取り付けられているホイール31の固定軸に固定されているスプロケット35とに装架されている。従って、ペダル29の回転駆動力は、クランクシャフト21、クランクギア24を介してホイール31に伝達される。
【0056】
次に、この発明による折り畳み自転車の作用動作について説明する。
まず、図1〜図6に示すように、自転車を組み立てた状態では、バックル7は、施錠されており、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4と互いに平行して位置し、互いに係合された前部メインフレーム1と後部リンクアーム6及び互いに係合された後部メインフレーム2と前部リンクアーム5とは略中央部において交叉する対角線状に位置している。
【0057】
さらに、前部ポストフレーム3とハンドルポスト10とは、上端部に位置する係合箇所(前部ポストフレーム3の第2係合部3bとハンドルポスト10の第1被係合部10a)と下端部に位置する係合箇所(前部ポストフレーム3の第4係合部3dとハンドルポスト10の第2被係合部10b)を介在して互いに平行に位置しており、ハンドルポスト10は360度回動自在となっている。
【0058】
従って、ハンドル部分を回動すると、ホイール31はハンドルポスト10及びフロントフォーク11とともに、360度回動自在となっている。又、左クランクアーム26は、クランクギア24に沿った位置にクランクノブ28により施錠された状態で、クランクアームマウント27に位置決め固定されており、ペダル29は左右クランクアーム26、25に対して直角方向に位置している。
【0059】
この状態で、ペダル29を回転させると、その回転駆動力はクランクシャフト21、クランクギヤ24を介して後方に位置するホイール31に伝達される。
【0060】
次に、自転車を折り畳む場合について、図1、図7〜図12、図36〜図40に基づいて説明する。
まず、バックル7を解除する前に、図7に示すように、左右ハンドルリンクアーム14、13を折り畳み方向に回動して、ハンドル部分をハンドルポスト10に沿って平行に位置決めすると、ストッパー片14dは、ハンドルポスト10の軸穴10cと軸穴10dとの間隙10eに収納されるとともに、ハンドルジョイント12のハンドルリンクアーム支持部12aは、ハンドルポスト10に当接してハンドルジョイント12の回動が阻止され、ハンドルパイプ15は、ハンドルポスト10に沿って平行に位置決めされる。次いで、ハンドルポスト10を180度回動すれば、図7に示すように、ハンドル部分は折り畳まれる。
【0061】
次いで、図8に示すように、クランクノブ28を90度回動すると、左クランクアーム26はクランクアームマウント27から解除されるので、ペダル29を倒し、左クランクアーム26を反対方向に回動すると、この左クランクアーム26は、クランクアームマウント27の軸受け部27aに挿入されている支軸27bを回転軸として180度回動する。この時、左クランクアーム26とペダル29とは、後部ポストフレーム4と平行した状態に位置決めされている。
【0062】
次いで、図9に示すように、バックル7を解除した後、前部ポストフレーム3及び後部ポストフレーム4を把持して、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4とを折り畳み方向に回動すると、即ち、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4とをそれぞれ前部メインフレーム1及び後部メインフレーム2に近づけると、図10〜図12に折り畳む状態を順次示すように、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4との係合箇所、前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所、後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所が、いずれもリンク機構による折り畳み方向に回動動作して、図12、図36〜図40に示すように、自転車は垂直方向に二つ折りされた状態に折り畳むことが出来る。
【0063】
この際、自転車本体の右側に位置している右クランクアーム25とペダル29とは、図12に示すように、前部メインフレーム1に沿った状態に位置決めされ、左クランクアーム26に取り付けられているペダル29は、図37及び図38に示すように、互いに平行に位置している前部メインフレーム1の圧接面1cと後部メインフレーム2の圧接面2cとの上面に載置された状態に位置決めされる。なお、左クランクアーム26とペダル29とが、クランクギア24とスプロケット35とに装架されているチェーン36が形成する略三角形状の間隙37に位置決めされるようにしても良い。
【0064】
次に、自転車本体を組み立てる場合について、図1、図7〜図12、図36〜図40に基づいて説明する。
縦方向に2つ折りにされた状態から組立状態にするには、折り畳む状態とは逆の動作をすれば良い。即ち、まず、左クランクアーム26を180度回動した後、クランクノブ28を90度回動すると、左クランクアーム26はクランクアームマウント27に施錠される。
【0065】
次いで、前部ポストフレーム3及び後部ポストフレーム4を把持して、両者を開放する方向、即ち、組立方向に回動すると、図12〜図7へと折り畳む状態と反対の順序で、前部ポストフレーム3と後部ポストフレーム4との係合箇所、前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所、後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所が、いずれも組立方向に回動して、即ち、リンク機構により、図8〜図12に示すように、自転車本体部分が組み立てられる。
【0066】
次いで、ハンドルポスト10を180度回動するとともに、左右ハンドルリンクアーム14、13を回動して、ハンドル部分を立ち上げると、左ハンドルリンクアーム14のストッパー片14dは、右ハンドルリンクアーム13の対応箇所に当接して、ハンドル部分は、平行に支持され、図1〜図6に示すように、自転車は組立状態となる。
【0067】
【実施例2】
この発明の第2の実施例を、図41〜図46に基づいて説明する。なお、実施例1と同一ものは、同一名称及び同一番号を付し、その説明を省略する。
第1の実施例では、互いに係合箇所で連結された前部メインフレーム1と後部リンクアーム6とよりなるフレームと、互いに係合箇所で連結された後部メインフレーム2と前部リンクアーム5とよりなるフレームとの2本のフレームが、自転車本体の略中央部において交叉する対角線状に配置されて自転車のフレームを構成し、前部メインフレーム1と後部リンクアーム6との係合箇所(即ち、第3係合部1eと第1被係合部6aとの係合箇所)及び後部メインフレーム2と前部リンクアーム5との係合箇所(即ち、第2被係合部2dと係合部5aとの係合箇所)は、ジョイント8(図19参照)により連結されており、又、前部リンクアーム5と前部ポストフレーム3との係合箇所(即ち、被係合部5bと第1係合部3a)及び後部リンクアーム6と後部ポストフレーム4との係合箇所(即ち、第2被係合部6bと第1係合部4a)は、ジョイント9(図20参照)により連結されている。そして、各係合箇所は、リンク機構による水平方向に回動しつつ同時に垂直方向にも回動するひねり運動を含む動作を行う。即ち、折り畳み方向及び組立方向に回動するように構成されている。
【0068】
一方、この第2の実施例では、図45に示すように、前部シャフト55cの両端には、互いに90度異なる角度でピロボール55eが受け部55dに軸支された形状の前部リンクアーム体55が用いられている。この前部リンクアーム体55は、図41〜図44に示すように、後部メインフレーム2と前部リンクアーム体55との係合箇所(即ち、第2被係合部2dと係合部55aとの係合箇所)及び前部リンクアーム体55と前部ポストフレーム3との係合箇所(即ち、被係合部55bと第1係合部3a)とに連結されており、実施例1と同様にリンク機構による水平方向に回動しつつ同時に垂直方向にも回動するひねり運動を含む動作、即ち、折り畳み方向及び組立方向に回動する動作を行う。
【0069】
なお、後部リンクアーム体56は、前部リンクアーム体55と同一構造で、単に、設計上の理由で、後部シャフト56cが前部シャフト55cの長さより長く形成されており、その他の構造は同一であるから、その図面を省略し、図45中に括弧書きにて該当個所及び番号を記載する。
【0070】
この前部リンクアーム体55及び後部リンクアーム体56を用いたものは、自転車本体に取り付ける際、長さ、角度の微調整が出来るので、製造上の誤差の範囲を広く設計出来、製造が容易である。又、汎用部品を使用することも出来るので、コストの節約にもなる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明は、自転車本体機構は、少なくとも1カ所の係合箇所を有し、この係合箇所において互いに折り畳み組立方向に回動自在に連結されたフレームと、この2本のフレームが自転車本体の略中央部において交叉するとともに、この交叉箇所における係合箇所を、折り畳み組立方向に回動自在に連結するとともに、この交叉箇所の側面には、組立状態においてそれぞれ垂直方向端部が互いに対向する当接面を構成するバックル取付部を設け、このバックル取付部にバックルを回動自在に取り付けて、施錠、解除動作を行う固定手段を設け、一方のフレームの両端部は、互いに並列に配置された一方のフレームの前部ポストフレームと他方のフレームの後部ポストフレームの一端部に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、他方のフレームの前側端部は、前部ポストフレームの他端に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、他方のフレームの後側端部は、後部ポストフレームの下端部と回動自在に連結するとともに、さらに、他方のフレームの後部サスアームを介してホイールの固定軸に固定し、
ハンドル操作機構は、ハンドル部分を支持する左右ハンドルリンクアームをそれぞれ係合箇所を介して回動自在にハンドルポストに連結し、このハンドルポストは前部ポストフレームに係合箇所を介して回動自在に連結し、
固定手段を解除して自転車本体機構を垂直方向に二つに折り畳み可能に構成するとともに、ハンドル部分をハンドルポストに並行に折り畳み可能に構成した
ので、ハンドル部分を折り畳んだ後は、自転車を地上に設置したままの状態で、一動作で、自転車本体部分を垂直方向に折り畳むことが出来るから、自転車の折り畳み組立動作が、非常に簡単である。又、折り畳んだ状態の自転車は、下端に前後のホイールが並列に配置された縦型に折り畳めるので、折り畳んだ状態がコンパクトになる。さらに、持ち運び移動する場合には、ホイールを地上に接地させた状態で、引っ張れば、ホイールが回転して容易に移動、持ち運びすることが出来る。
【0072】
請求項3に係わる発明は、2本のフレームの前記交叉箇所を回動軸として、自転車本体機構の前記各係合箇所は、リンク機構により折り畳み組立方向に回動動作するようにしたので、折り畳み、組立動作が円滑になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す左側面図である。
【図2】この発明の第1の実施例を示す右側面図である。
【図3】この発明の第1の実施例を示す平面図である。
【図4】この発明の第1の実施例を示す正面図である。
【図5】この発明の第1の実施例を示す背面図である。
【図6】この発明の第1の実施例を示す底面図である。
【図7】この発明の第1の実施例を示すもので、ハンドル部分を折り畳んだ状態を示す図である。
【図8】この発明の第1の実施例を示すもので、ペダル部分を折り畳む状態を示す図である。
【図9】この発明の第1の実施例を示すもので、自転車本体部分を折り畳む状態を示す図である。
【図10】この発明の第1の実施例を示すもので、自転車本体部分を折り畳む状態を示す図である。
【図11】この発明の第1の実施例を示すもので、自転車本体部分を折り畳む状態を示す図である。
【図12】この発明の第1の実施例を示すもので、折り畳んだ状態を示す図である。
【図13】この発明の第1及び第2の実施例を示すもので、前部メインフレーム1を示す図である。
【図14】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、後部メインフレーム2を示す図である。
【図15】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、前部ポストフレーム3を示す図である。
【図16】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、後部ポストフレーム4を示す図である。
【図17】この発明の第1の実施例を示すもので、前部リンクアーム5(後部リンクアーム6)を示す図である。
【図18】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、バックル7を示す図である。
【図19】この発明の第1の実施例を示すもので、ジョイント8を示す図である。
【図20】この発明の第1の実施例を示すもので、ジョイント9を示す図である。
【図21】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、ハンドルポスト10を示す図である。
【図22】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、フロントフォーク11を示す図である。
【図23】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、ハンドルジョイント12を示す図である。
【図24】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、右ハンドルリンクアーム13を示す図である。
【図25】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、左ハンドルリンクアーム14を示す図である。
【図26】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、ブレーキクランク16を示す図である。
【図27】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、ブレーキレバー17を示す図である。
【図28】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、サドルポスト18を示す図である。
【図29】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、クランクギア24を示す図である。
【図30】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、右クランクアーム25を示す図である。
【図31】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、左クランクアーム26を示す図である。
【図32】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、クランクアームマウント27を示す図である。
【図33】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、クランクノブ28を示す図である。
【図34】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、ペダル29を示す図である。
【図35】この発明の第1及び第2実施例を示すもので、ペダルクランク30を示す図である。
【図36】この発明の第1の実施例を示す右側面図である。
【図37】この発明の第1の実施例を示す左側面図である。
【図38】この発明の第1の実施例を示す上面図である。
【図39】この発明の第1の実施例を示す背面図である。
【図40】この発明の第1の実施例を示す底面図である。
【図41】この発明の第2の実施例を示す左側面図である。
【図42】この発明の第2の実施例を示す右側面図である。
【図43】この発明の第2の実施例を示す上面図である。
【図44】この発明の第2の実施例を示す正面図である。
【図45】この発明の第2の実施例を示すもので、前部リンクアーム体55(後部リンクアーム体56)を示す図である。
【符号の説明】
1 前部メインフレーム
1c 前部メインフレーム1の当接面
2 後部メインフレーム
2c 後部メインフレーム2の当接面
3 前部ポストフレーム
4 後部ポストフレーム
5 前部リンクアーム
6 後部リンクアーム
7 固定手段
10 ハンドルポスト
11 フロントフォーク
12 ハンドルジョイント
12a ハンドルリンクアーム支持部
13 右ハンドルリンクアーム
14 左ハンドルリンクアーム
55 前部リンクアーム体
56 後部リンクアーム体
Claims (3)
- 自転車本体機構と、ハンドル操作機構と、サドル機構と、駆動停止機構とを備えた折り畳み自転車において、
前記自転車本体機構は、少なくとも1カ所の係合箇所を有し、この係合箇所において互いに折り畳み組立方向に回動自在に連結されたフレームと、この2本のフレームが自転車本体の略中央部において交叉するとともに、この交叉箇所における係合箇所を、折り畳み組立方向に回動自在に連結するとともに、この交叉箇所の側面には、組立状態においてそれぞれ垂直方向端部が互いに対向する当接面を構成するバックル取付部を設け、このバックル取付部にバックルを回動自在に取り付けて、施錠、解除動作を行う固定手段を設け、 一方のフレームの両端部は、互いに並列に配置されたこの一方のフレームの前部ポストフレームと他方のフレームの後部ポストフレームの一端部に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、
前記他方のフレームの前側端部は、前記前部ポストフレームの他端に、それぞれ係合箇所を介して折り畳み組み立て方向に回動自在に連結し、他方のフレームの後側端部は、前記後部ポストフレームの下端部と回動自在に連結するとともに、さらに、前記他方のフレームの後部サスアームを介してホイールの固定軸に固定し、
前記ハンドル操作機構は、ハンドル部分を支持する左右ハンドルリンクアームをそれぞれ係合箇所を介して回動自在にハンドルポストに連結し、このハンドルポストは前記前部ポストフレームに係合箇所を介して回動自在に連結し、
前記固定手段を解除して前記自転車本体機構を垂直方向に二つに折り畳み可能に構成するとともに、前記ハンドル部分を前記ハンドルポストに並行に折り畳み可能に構成したこと
を特徴とする折り畳み自転車。 - 一方の前記フレームは、前部メインフレームと後部リンクアームとよりなり、他方の前記フレームは、後部メインフレームと前部リンクアームとよりなること
を特徴とする請求項1に記載の折り畳み自転車。 - 前記2本のフレームの前記交叉箇所を回動軸として、前記自転車本体機構の前記各係合箇所は、リンク機構により折り畳み組立方向に回動動作すること
を特徴とする請求項2に記載の折り畳み自転車。
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