JP3869521B2 - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型レーザ顕微鏡、更に詳しくはレーザの強度の変動により発生する画像のノイズを除去する部分に特徴のある走査型レーザ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学顕微鏡は、ステージ上に搭載したプレパラート上の試料(標本)を、対物レンズで拡大し観察する装置であり、一般には、試料の照明としてランプ等の光源からの照明光をコンデンサレンズにより試料の観察領域全体に均等になるように照明する構造を採用している。
【0003】
しかしながら、照明系としてこのような構造を採用した場合、フレア等の問題があり、また、低コントラストの試料の観察するにあたっては大変見ずらいという問題がある。そこで、これを改善するものとして点状光投射型(スポット光投射型)の光学顕微鏡である走査型光学顕微鏡が提案されている。
【0004】
この光学顕微鏡では点光源を対物レンズを介して観察試料に点状に照射するところにその特徴がある。この点状照明により観察試料を透過した透過光又は反射光、あるいは照明光により試料から発生する蛍光は、再び対物レンズ、光学系を介して点状に結像され、これがピンホール開口を有する検出器にて検出されて像の濃度情報が得られるようになっている。
【0005】
但し、これだけでは点状光源が照射された点の濃度しか得られないので、試料自体をX軸、Y軸の方向に移動して二次元平面内で機械的に移動させたり(X−Y走査方式)、逆に光路をX軸、Y軸の方向に振ることでスキャン走査させ二次元平面をカバ−できるように照明している。そして、これらのX−Y走査により得られた濃度情報に対応した輝度信号を、CRTディスプレイ等の画像表示装置に同期して表示することで画像として観察できるようにしている。
【0006】
以上が走査型光学顕微鏡の原理である。一方、走査型光学顕微鏡において、光源としてレーザ光を使うと画像の解像が向上することが広く知られており、特に走査型レーザ顕微鏡と呼ばれている。かかる走査型レーザ顕微鏡では、レーザ走査されている標本の透過光又は反射光を電気信号に変換する光電子増倍管やフォトダイオード等の光電変換検出器と、得られた電気信号を画像データとして保存、加工、表示をするための構成とが設けられている。
【0007】
図11は一般的な走査型レーザ顕微鏡の構成を示す図である。
【0008】
この走査型レーザ顕微鏡は、光学顕微鏡本体110と、レーザ光源120と、2次元走査機構部130と、ピンホール板140と、光検出部150と、信号処理部160と、表示部180とから構成されている。
【0009】
この走査型レーザ顕微鏡においては、まず、レーザ光源120から射出されたスポット光が、光学顕微鏡本体110の顕微鏡ステージ上の試料表面上に照射される。
【0010】
実際には、試料面上をXY走査するため、導かれたレーザ光は2次元走査機構部130にて、対物レンズに対するスポット光の光路がXY軸方向に振られることになる。
【0011】
図12はガルバノミラ−XYそれそれ2枚をつかったときの2次元走査機構の概略構成例を示す図である。
【0012】
同図に示すように、光源から入射されたレーザ光は、Xガルバノミラー及びYガルバノミラーによりXY方向に振られ、XY走査が行われる。
【0013】
スポット光を照射した結果、試料からの反射光、又は蛍光の情報は、対物レンズ、2次元走査機構部130を介してピンホール板140を通過した後、光検出部150で受光され電気信号に光電変換される。
【0014】
ピンホール板140は、所定径のピンホールが開けられたものであり、光検出部150の前面の結像位置に配置される。ピンホール板140を通過する光は試料面上の観察点で焦点にあった情報のみが検出されることとなるので、共焦点効果が得られる。2次元走査機構部130の駆動は、信号処理部160に設けられた2次元走査駆動部169が走査制御信号を発生することで行われる。なお、この2次元走査駆動部169の制御は、信号処理部160内のCPU166が行う。また信号処理部160においては、この走査制御信号を基準として各種データ処理が行われている。
【0015】
一方、光検出部150にて検出された電気信号は、信号処理部160にて処理され表示される。
【0016】
まず、利得可変部161にて所定の信号増幅が行われ、次にオフセット調整部162にて所定の信号の増減が行われる。これらにおける設定量はCPU166により、D/A変換部168,167を介して所望の値に設定される。
【0017】
次に、オフセット調整部162から出力された信号はA/D変換部163にてアナログ/デジタル変換された後、記録部164にて画像データとして一時記憶される。記憶された画像データは、その後、必要に応じて加工、表示、保存される。
【0018】
画像データの加工は、CPU166にて画像処理されることで行われる。また、表示は、記録部164から画像データが出力され、D/A変換部165を通して表示部180で表示されることで行われる。これにより得られた画像を観察をすることができる。
【0019】
また、深さ方向つまり3次元情報が必要な場合は、Z走査駆動部170により、所望のZ位置ヘ移動させ、画像データを順次記憶部164に記憶させ必要な画像(3次元画像)を構築させる。これにより、3次元画像の表示、観察も可能となる。
【0020】
これらの観察対象となる標本の例として、まず、生物標本では、細胞、染色体等がある。これらの生物標本を観察する場合には、試料に蛍光色素を混合し、レーザを励起光源として照射し、その発光(蛍光)を捉えて画像化する。また、工業用標本では、IC、金属表面等がある。この場合はレーザの反射光を捉えて画像化する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術において、標本からの発光量、もしくは反射光量は、励起用のレーザ光の強度、レーザの照射対象である標本の種類や位置、受光系の感度、電気処理系の性能,また全体を構成する光学系の性能等により決定される。したがって、最終の画像の信号として常に同じ輝度信号にするのは困難である。このため、撮像の度に前回撮像時との画像間での輝度ムラが発生したり、さらには画像ノイズが混在した画像が表示されることも度々ある。このような、輝度ムラやノイズを削除する方法はいくつか考案されている。
【0022】
一般的に、画像間の画像のムラをなくすには、得られた画像情報を表示しながら、観察者自身が可変利得増幅回路の利得設定及びオフセット回路のオフセット量の設定を行えばよい。このため多くの装置では所望の画像状態が得られるように、表示画面の状態を見ながら画像状態を手動調整することができるようになっている。例えば標本の光の信号を画像データに変換する,光電信号処理回路において画像状態の調整を実現する方法や、または表示直前の処理においてLUT (ルックアップテーブル)等を用いて最適な表示に調整する方法がある。
【0023】
これをさらに拡張した先行例として、特開平8−160304号公報に開示された技術がある。
【0024】
図13は特開平8−160304号の構成を示すブロック図である。
【0025】
同図に示す光電変換処理回路においては、1枚の画面内の特定部分についての利得やオフセット量の調整することや、各画像別の設定機能、つまり連続して取り込む複数画像の1枚毎の利得やオフセット量を個別に設定するといったことが実現され、適応範囲に幅を持たせている。具体的には、画像データを1画素として得られるサンプリングのタイミング信号(サンプリングパルス)に同期して、1画素毎に増幅率やオフセット量を可変できリアルタイムに画像補正が可能である。これを画素位置に対応して、あるいは領域に対応して行うことができ、所望の状態の画像を得ることができる。また、記憶手段に各画素位置毎に利得データやオフセット量を記憶させておき、各画素位置での光検出信号に対する増幅度や付与するオフセット量を個別に変えることができる。これにより、得られる画像は画像の各位置で所望の状態に調整することができるようになる。従って、画像の特定部位をリアルタイムに強調または補正して表示することができる。
【0026】
この特開平8−160304号公報に開示された技術を用いれば、各画像毎の画像輝度むらはおさえられ、また周期的なノイズはこれによっても除去も可能となる。
【0027】
ところで、ノイズの発生について他の原因を考えてみると、システムの構成上重要な部分を占める励起用光源であるレーザにも、画像にノイズを発生させる原因がある。例えばよく使われる光源用レーザとして、へリウムネオンレーザ、アルゴンイオンレーザ、クリプトンレーザ、クリプトンとアルゴンの混合気体のレーザ等があるが、これらのレーザにおける発振光強度は、必ずしも時間に対して常に一定ではない。
【0028】
その理由は、気体レーザ管内のプラズマ平衡状態がごくまれに乱れ、不安定な状態が生じてドロップアウトという現象が発生することがある。ドロップアウト現象が発生すると、発振状態が乱され発振波長の光強度の変動が一瞬生ずる。この励起光の強度変動により、観察光となるべき発光量または反射光の強度が低下し、画像輝度信号としても低下することとなる。
【0029】
図12に示したように、試料に対する照射光はX方向のラインを順次ずらすように走査され、このラインの集合として画像が取得されるため、上記ドロップアウトによる変動が画像にラインノイズとして混ざり、画像の見えを悪くすることになる。
【0030】
図14は蛍光標本におけるラインノイズの発生を示す図である。
【0031】
同図(a)に示すように、ラインノイズが発生していないときには、画像状態は良好であるが、同図(b)に示すように、観察標本にX方向の輝度が低下したラインノイズがのると、画像は見づらいものとなる。また、これらのノイズは、突然にしかもランダムに起き、規則性もなく予測ができない現象である。気体レーザの種類によって発生率に差はあるが、それぞれ固有の確率で発生し、レーザ側の改良でその変動を完全に止めることは極めて困難である。
【0032】
したがって、従来からレーザの安定性確保の面でなく、取得した画像データを処理することでラインノイズを少なくする方法が求められている。
【0033】
これらのノイズを除去する方法としては、例えば平均化やメディアンフィルタ等による画像処理方法が考えられる。しかし、これらの方法はノイズを単に目立たなくするだけで、ラインノイズを本質的に除去できる方法であるとは言い難い。また、取り込んだ後に平均化等の画像の処理を行う場合には、ラインノイズの領域のみを処理するわけでなく、ノイズの発生しない領域にも不要なフィルタ処理を行ってしまうため、逆に画像の劣化を招くことにもなる。
【0034】
本発明は、このような実情を考慮してなされたもので、その第1の目的は、レーザの強度の変動により発生する画像のラインノイズを確実に検出可能とした走査型レーザ顕微鏡を提供することにある。
【0035】
また、第2の目的は、レーザの強度の変動により発生する画像のラインノイズを確実に検出するとともに、検出されたラインノイズを画像劣化を招くことなく除去可能とした走査型レーザ顕微鏡を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は、標本に対してスポット光をライン状に走査し、スポット光に基づく標本からの光を検出し得られた複数のライン画像データを用い、標本画像を作成する走査型レーザ顕微鏡において、ライン画像データの一部若しくは全部と、これと隣接する二以上のライン画像データの一部若しくは全部とを比較し、ライン画像データの少なくとも一部が、隣接する二以上のライン画像データ全ての対応部分に対して所定値以上の輝度差を有するときに、ラインノイズ発生と判定するラインノイズ検出手段と、ラインノイズ検出手段によりライン画像データにラインノイズ発生と判定されたときに、ラインノイズ発生と判定されたライン画像データの注目画素と、当該ライン画像データに隣接する二以上のライン画像データにおける注目画素に隣接する少なくとも二以上の各画素との画素間距離、及び隣接する少なくとも二以上の各画素のデータとに基づいてライン画像データに対する補間データを作成し、ライン画像データのラインノイズ発生部分を補間データにより画素補間する画像復元手段とを備えた走査型レーザ顕微鏡である。
【0037】
スポット光のライン状走査は、標本の深さ方向にも行う。
【0038】
複数のライン画像データから成る3次元画像を構築する場合、画像復元手段は、ライン画像データの注目画素とこの注目画素に対して少なくとも標本の深さ方向を含む4方向に隣接する各画素の画素間距離と、注目画素に対して少なくとも4方向に隣接する各画素のデータとに基づいてライン画像データに対する補間データを作成し、ライン画像データのラインノイズ発生部分を補間データにより画素補間する。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0054】
(発明の第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の一例を示す構成図であり、図11に示す従来装置と同一部分には同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0055】
本実施形態の走査型レーザ顕微鏡は、A/D変換部163と記憶部164と間に、レーザ光源120におけるドロップアウト等に起因するラインノイズを検出するラインノイズ検出部200と、この検出されたラインノイズを除去して画像を復元する画像復元部300とを設けた他、図11に説明した従来の走査型レーザ顕微鏡と同様に構成されている。
【0056】
図2は本実施形態におけるラインノイズ検出部の構成例を示すブロック図である。
【0057】
ラインノイズ検出部200は、A/D変換部163よりライン画像が入力され、n+1ライン目、nライン目及びn−1ライン目の画像と、ノイズ判定信号を画像復元部300に出力するようになっている。
【0058】
このラインノイズ検出部200は、ラインメモリ(#1)261と、ラインメモリ(#2)262と、比較値設定部(#1)267と、比較値設定部(#2)268と、比較器(#1)263と、比較器(#2)264と、判定部265とによって構成されている。
【0059】
ラインメモリ(#1)261及び(#2)262は、輝度データ1ラインを記録することができるメモリ手段である。これらに記憶されるデータは、いずれもA/D変換部163にてサンプリングしたクロック信号に同期したデータであり、かつ、A/D変換部163からラインメモリ(#1)261へ、ラインメモリ(#1)261からラインメモリ(#2)262へと順次入力される。このため、同図に示すように、ラインメモリ(#1)261は、nライン目の輝度データ1ラインを記録し出力し、ラインメモリ(#2)262は、n−1ライン目の輝度データ1ラインを記録し出力することとなる。
【0060】
比較値設定部(#1)267,(#2)268は、書き換え可能なメモリ手段を備えてそれぞれ上記判断の基準値を保存している。各々は、ラインメモリ(#1)261,(#2)262からのデータ出力タイミングに合わせて、各基準値を比較器(#1)263,(#2)264に入力する。比較値設定部(#1)267,(#2)268では、入力されたデータに対して設定された基準値との演算を行い、例えば、データ×0.9等,比較基準値として出力する。
【0061】
比較器(#1)263は、比較値設定部(#1)267からの出力データ(nライン目)と、A/D変換部163から入力されるデータ(n+1ライン目)とを比較し、nライン目のデータがn+1ライン目のデータよりnライン目のデータの所定の基準値,例えば輝度が10%以上低下した値ならラインノイズと判断し、それ以外の場合はノイズはないと判断してその結果を判定部265に入力する。同様に、比較器(#2)264も、比較値設定部(#2)268からの出力データ(n−1ライン目)と、ラインメモリ(#1)261からの出力データ (nライン目)とを比較し、nライン目のデータがn−1ラインのデータより基準値以上に低下しているか否かについてその判断結果を判定部265に入力するようになっている。
【0062】
判定部265は、比較器(#1)と比較器(#2)の結果が両方共ノイズと判断したとき、すなわち、nライン目の輝度が、n+1ライン目及びn−1ライン目の何れと比較しても所定値以上輝度が低下していると判断されるとラインノイズありと判定し、それ以外のときはラインノイズなしと判定する。そして、この判定結果に対応したノイズ判定信号を画像復元部300に出力する。
【0063】
図3は本実施形態における画像復元部の構成例を示すブロック図である。
【0064】
画像復元部は、加算器381と、割算器382と、画像選択部383とによって構成されている。
【0065】
加算器381は、入力されたn+1ライン目及びn−1ライン目の画像データを加算し、割算器382はこの加算値を2で割って画像選択部383に入力する。
【0066】
画像選択部383には、ラインノイズ検出部200からのnライン目画像データ及びノイズ判定信号と、割算器382からの出力が入力されている。この画像選択部383は、ノイズ判定信号がノイズ有りの場合には割算器382からの出力を選択し、ノイズなしの場合にはnライン目画像データを選択してnライン目のデータとして記憶部164に入力する。
【0067】
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の動作について説明する。
【0068】
まず、試料観察に当たり、レーザ光源120から射出されたレーザ光は、2次元走査機構部130にファイバーあるいはファイバーを使うことなく直接に導かれたのち、対物レンズを通り光学顕微鏡本体110の顕微鏡ステージ上の試料表面上にスポット光として照射される。
【0069】
なお、試料は、2次元走査駆動部169からの走査制御信号に基づく2次元走査機構部130の動作によって、レーザ光によるXY走査がなされる。すなわち、例えば2枚のガルバノミラーを用いてX方向とY方向とに走査させ、試料面上でレーザスポット光によるラスタスキャンがなされる。このXYの走査に必要な信号は、X、Yまたは水平(H)、垂直(V)の同期信号である。このときX方向の一走査による画像をライン画像あるいはラインの画像という。ラスタスキャンによって得られる試料画像はこのラインの画像を順に並べたものとなる。
【0070】
スポット光を照射した結果、試料から反射光、又は蛍光が生じ、これらの観察光が対物レンズ、2次元走査機構部130を介してピンホール板140を通過した後、光検出部150にて電気信号に光電変換される。
【0071】
本実施形態では、光検出部150には光電子増倍管(PMT)が用いられている。ピンホール板140は、所定径のピンホールが開けられたものであり、光検出部150の前面の結像位置に配置され、そこを通過した光は試料面上の観察点で焦点にあった情報のみ検出でき、共焦点効果が得られる。
【0072】
検出された電気信号は、信号処理部160にて処理され表示される。まず、利得可変部161にて所定の信号増幅が行われ、次にオフセット調整部162にて所定の信号増減が行われる。次に、オフセット調整部162から出力した信号はのA/D変換部163にてアナログ/デジタル変換された後、ラインノイズ検出部200にてレーザの強度変動による画像のラインノイズが検出される。
【0073】
図4はA/D変換された画像にラインノイズが生じている場合を示す図である。
【0074】
同図に示すように、n−1ライン目,nライン目,n+1ライン目の画像データのうち、nライン目にラインノイズが生じている。ここでは、判定の基準値として−10%が比較値設定部267,268に設定されている。したがって、nライン目と、n−1ライン目及びn+1ライン目とにおける輝度データのそれそれの輝度差が−10%以上の低下であれば、ラインノイズ検出部200によりラインノイズと判定される。なお、基準値は状況に応じて設定変更可能である。
【0075】
この場合のラインノイズ検出部200による具体的な処理は以下の通りである。
【0076】
まず、A/D変換部163よりの入力画像データであるラインの画像は、n+1ライン目の画像として画像復元部300に出力されるとともに、ラインメモリ(#1)261及び比較器(#1)263に入力される。このラインメモリ(#1)261は、次のラインの画像がラインノイズ検出部200に入力されるタイミングでその記憶したライン画像を画像復元部300、比較器(#2)264、比較値設定部(#1)267、ラインメモリ(#2)262に出力する。この出力ライン画像はこの時点ではnライン目となっている。同様に、ラインメモリ (#2)262も、記憶したライン画像を画像復元部300、比較器(#2)264、比較値設定部(#2)268に出力する。この出力ライン画像はn−1ライン目となっている。
【0077】
これにより、ラインノイズ検出部200から画像復元部300へはn+1,n,n−1ライン目の画像が入力されるとともに、nライン目においてノイズが発生したか否かの判定結果を示すノイズ判定信号が画像復元部300に対して出力される。
【0078】
このとき、比較器(#1)263においては、A/D変換部163から入力されるn+1ライン目と、比較値設定部(#1)267からのnライン目の輝度が比較され、nライン目の輝度が基準値以上下がっているか否かの判断結果が判定部265に出力される。同様に、比較器(#2)264においては、ラインメモリ(#1)261からのnライン目と、比較値設定部(#2)268からのn−1ライン目の輝度が比較され、nライン目の輝度が基準値以上下がっているか否かの判断結果が判定部265に出力される。
【0079】
判定部265においては、比較器(#1)263及び(#2)264での比較判断結果がnライン目の輝度のn+1ライン目との比較でも、n−1ライン目との比較でも両者とも基準値(ここでは−10%)以上下がっている場合に、ラインノイズ有りと判定される。このような条件を満すことが、単なるエッジ部でなく図4に示すようにその1ラインだけでノイズが生じていること(輝度低下)を示すものだからである。
【0080】
なお、ラインメモリ(#1)261及び(#2)262から出力されるデータは、A/D変換部163でのサンプリングクロック信号に同期したデータであるので、画像復元部300に出力されるn+1,n,n−1ライン目の画像データは、X方向の位置が一致しており、これらの処理に時間的に同期している。この様子が図5に示される。
【0081】
図5は本実施形態における各信号のタイムチャート図である。
【0082】
同図では、nライン目に図4に示すようなラインノイズが含まれる場合におけるラインノイズ検出部200からの各ライン画像出力、比較器出力、判定部出力及び画像復元部300の出力が示されている。
【0083】
次に、画像復元部300の動作について説明する。
【0084】
図3に示すように画像復元部300では、ラインノイズ検出部200からのノイズ判定信号をもとに処理を行う。ノイズがない場合には、画像選択部383によりそのままnラインのデータが記憶部164に出力され、記憶部164にてnラインのデータとして記憶される。
【0085】
一方、ノイズありの場合には、n−1,n+1ラインのデータから復元した値がnラインデータとして記憶部164に出力される。
【0086】
この補間は、観察する画像は隣り合うライン間のデータは、大きく変わらないという画像のライン相関性に基づくものである。すなわち失われたnラインのデータは上下ライン上の画素データを用いて、ここではライン補間により上下ラインの平均値で補間され、自然な画像に復元される。
【0087】
具体的には、まず、ラインノイズ検出部200からのn−1,n+1ライン目のデータが加算器381に入力され、加算される。次に、割算器382にて2で割られ平均値が計算されて、画像選択部383に入力される。そしてノイズ判定信号に基づき、ノイズの場合は上下ラインの平均値が選択され、ノイズでない場合はラインノイズ検出部200からのnラインのデータそのままが選択される。
【0088】
以上の各動作を図5の信号タイムチャートを使って説明する。
【0089】
まず、nラインの6〜9個目のデータに輝度が低下したラインノイズが発生している場合、n−1,n+1ラインのデータの比較後、比較器#1、#2はラインノイズ有りと判断し、それそれHレベルの信号を判定部265に送る。そして、判定部に両比較器の判断がノイズ有りなので、最終判断として、ラインノイズありの結果判定をする(Hレベル出力)。
【0090】
次に、ラインノイズの発生している期間のデータは、n−1,n+1ラインのデータから得られた平均値で補間され、補間後のデータとして置き換えられる。これにより、ラインノイズは除去される。
【0091】
また、この処理を使うことで、ラインノイズのみならず孤立点ノイズの除去も可能となる。さらに、上記処理ではレーザ等に起因するラインノイズのみが除去される。すなわち、急に画像の階調が変化するなどの境界やエッジ部分等はこの処理では無効となり、処理画像に影響を与えない。
【0092】
次に、補間された画像データでは、記録部164にて画像データとして一時記憶される。記憶された画像データは、その後加工、表示、保存される。加工としてはCPU166により所望の画像処理が行われる。また、表示は記録部164から画像データが出力され、D/A変換部165を通して、表示部180にて表示されることで行われる。これにより、画像を観察をすることが可能となる。
【0093】
上述したように、本発明の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡は、ラインノイズ検出部200を設けて前後ライン画像との輝度差からラインノイズを検出するようにしたので、レーザの強度の変動により発生する画像のラインノイズを、画像領域エッジ部と混同することなく確実に検出することができる。
【0094】
また、検出されたラインノイズを前後ライン画像により補間する画像復元部300を設けたので、画像劣化を招くことなくラインノイズを除去することができる。
【0095】
したがって、このように、励起光源であるレーザ光強度の不規則で突然の強度変動の影響による画像ノイズに対し、画像のラインの相関性を利用しラインノイズが除去されるので、ノイズ除去の処理の影響を周囲の画像に影響を与えず、自然な階調で良好なレーザ顕微鏡画像を得ることができる。
【0096】
また、この処理を使うことで、ラインノイズのみならず孤立点ノイズの除去も可能となる。さらに、上記したようにレーザ等に起因するラインノイズのみが除去され、急に画像の階調が変化するなどのエッジ部分等はこの処理では除外され、処理画像に影響を与えない。
【0097】
(発明の第2の実施の形態)
本実施形態の走査型レーザ顕微鏡は、図1の画像復元部300内にXZ画像復元部が設けられる他、第1の実施形態と同様に構成される。本実施形態では、Z走査駆動部170を使い、Z軸を移動しながらXZ画像の観測、つまり選択したXラインでの断面図観察を行う場合のラインノイズ除去について説明する。
【0098】
図6は本発明の第2の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡のXZ画像復元部の構成例を示すブロック図である。
【0099】
このXZ画像復元部は、乗算器321,322,加算器323,324と、割算器325と、画像選択部326とによって構成される。
【0100】
画像選択部326は、第1実施形態の画像選択部383と同様に構成されており、ラインノイズ検出部200からのノイズ判定信号がノイズ有りの場合には割算器325の出力を選択し、ノイズなしの場合にはラインノイズ検出部200からのZ枚目のラインデータを選択し、記憶部164に入力する。
【0101】
また、画像選択部326には、Z方向の移動距離ステップである距離A,BがCUP166を介して入力されるようになっている。Z方向への移動距離は必ずしも一定間隔とはかぎらないので、その点も考慮する必要がある。
【0102】
乗算器321,322は、それぞれZ−1枚目のラインデータと距離Bとの積、Z+1枚目のラインデータと距離Aとの積を加算器323に入力する。
【0103】
加算器323は、乗算器321及び322からの入力値を加算し、割算器325に入力する。
【0104】
加算器324は、距離A及びBの和を割算器325に入力する。
【0105】
割算器325は、加算器323からの入力を加算器324からの入力で割り、その結果を画像選択部326に入力する。この結果、画像選択部326には、Z−1枚目とZ+1枚目との各ラインデータを距離A,Bを考慮した線形補間値が入力される。
【0106】
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の動作について説明する。
【0107】
第1の実施形態ではXY平面上の画像のY方向のラインに対してライン補間が行われたが、本実施形態ではXZ平面の画像のZ方向のラインに対してライン補間が行われ、復元処理が行われる。
【0108】
図7は本実施形態の走査型レーザ顕微鏡により処理するXZ平面の画像面を示す図である。
【0109】
この場合、XY平面画像がXZ断面平面画像となっただけであるので、ラインノイズ検出部200における動作は、第1実施形態の場合と同様である。具体的には、n−1ライン目,nライン目,n+1ライン目のデータが、Z−1,Z,Z+1枚目に対応し、Z枚目のラインノイズについてのノイズ判定信号が画像選択部226に入力される。
【0110】
乗算器321,322,加算器323,324と、割算器325とは、Z−1,Z+1枚目のデータにて補間を行う。ここで、一定間隔のZの移動距離のステップなら、図3の画像復元部300でもデータ補間が可能である。しかし、図8に示すように、移動ステップがそれそれ異なる場合、平均値の補間データでは線形性を欠き、自然な階調の補正にはならない。
【0111】
図8はZ軸移動するときのZ−1,Z,Z+1枚目のラインデータについて示した図である。
【0112】
同図に示すように、本実施形態の例ではZ枚目のラインデータにラインノイズがのっている。また、Z−1〜Z間の移動ステップの距離はAであり、Z〜Z+1間の移動ステップの距離はBである。すなわち移動ステップの距離比はA:Bである。また、このときのそれそれの輝度データをD(x,z−1)、D(x,z)、D(x,z+1)、とすると、距離比を考慮して算出される新たな補間データは、
となる。この線形補間により自然な階調の補間ができる。
【0113】
上記した図6のXZ画像復元部は、この処理を行うものである。
【0114】
すなわちZ−1,Z+1ライン目のデータに、それぞれ移動距離比のデータA,Bが乗算器321,322にて積算され、その値が加算器323にて加算される。一方、加算器324にて距離比A,Bが加算され、これらの各加算値をもって割算器325にて補間データが算出される。なお、距離A,Bは、Z走査駆動部170から顕微鏡本体110出力されるものであり、ここではZ走査駆動部170を制御するCPU166によりXZ画像復元部に与えられる。
【0115】
そしてラインノイズ検出部200の判定部265からの信号をもとに、最終的には選択部326にて、そのままのデータか,補間したデータかの選択が行われる。これにより、一定ステップだけでなく、任意のZ方向の移動ステップに対してXZ画像を取り込んでも、ラインノイズの除去が可能となる。
【0116】
上述したように、本発明の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡は、画像復元部300にXZ画像復元部を設け、任意のZ方向の移動ステップに対しても前後ラインに対する相関値を演算できるようにしたので、Z方向に一定ステップだけでなく、任意の移動ステップに対してXZ画像を取り込んでも、ラインノイズの除去を行うことができる。
【0117】
また、本実施形態の走査型レーザ顕微鏡によれば、XY平面画像のみならず、XZ断面画像についてもラインノイズの除去されたより自然な高品質な画像を得ることができる。
【0118】
(発明の第3の実施の形態)
本実施形態の走査型レーザ顕微鏡は、図1の画像復元部300の構成が異なる他、第1の実施形態と同様に構成される。本実施形態では、Z走査駆動部170によりZ軸を移動しながらXYZの3次元画像の構築する場合のラインノイズ除去について説明する。
【0119】
本実施形態において、第1、第2の実施形態と異なる部分は、画像復元部300の処理である。第1の実施形態では、XY平面の前後ラインでラインノイズのデータを復元し、また第2の実施形態では、XZ平面の前後ラインでラインノイズのデータを復元したが、本実施形態では隣接画像のデータをもとにXYZ方向の各画像をつかって補間する場合を説明する。
【0120】
すなわちXYZの3次元画像の構築する場合、あるライン画像に対して隣接するライン画像はYZ平面上(XYZ空間内)に複数存在する。本実施形態ではこれらの隣接ライン画像のうち複数の隣接画素を用いて補間を行おうとするものである。したがって、第1、第2の実施形態の場合では、ラインノイズ検出がされると、そのまま連続してノイズ発生のライン画像が補間されたが、本実施形態では、一旦すべての又は補間に必要なライン画像が記憶部164に格納された後に、ノイズ検出されたライン画像について補間されるようになっている。
【0121】
まず、具体的なライン画像の補間について説明する前に、本実施形態における画素補間の考え方について説明する。
【0122】
例えば画素補間する際に隣接画素の相関性を用いて補間する場合、それぞれの画素間距離から相関率を求め、すなわち補間する際の画像データの寄与率を算出し、演算時にこれを考慮して画素補間を行う必要がある。
【0123】
図9はこのような画素補間モデルを示す図である。
【0124】
同図において、注目画素Dに対する周辺画素nの距離をLn(L1,L2,L3,...)とし、その画像データをDn(D1,D2,D3...)とすると、
D=(Σ(Dn/Ln))/(Σ(1/Ln)) …(2)
で注目画素の画像データDを求めることができる。
【0125】
この考え方を走査型レーザ顕微鏡におけるライン画像の集合からなる3次元画像の場合に適用する。
【0126】
図10はXYZ画素補間モデルを示す図であり、破線lはライン画像を示している。したがって、点D(x,y,z),D(x,y,z−1),D(x,y,z+1),D(x,y−1,z),D(x,y−1,z−1),D(x,y−1,z+1),D(x,y+1,z),D(x,y+1,z−1),D(x,y+1,z+1)はYZ断面上に示された各ライン画像の点である。
【0127】
ここで、D(x,y,z)のデータに対して、XY画像平面のXライン間の間隔がCとし、これは常に一定間隔であるとする。一方、XY画像平面間のZ方向の移動ステップをそれぞれA,Bとする。また、補間対象となるデータをD(x,y,z)とすると、図10に示すように4方向の隣接画素は、D(x,y,z−1),D(x,y,z+1),D(x,y−1,z),D(x,y+1,z)となる。これをもとに、D(x,y,z)についての補間演算を以下のように行うことができる。
【0128】
これにより、任意の深さ方向の3次元画像に対しても、最適な補間が可能となり、ラインノイズに対してもライン補間が行われる。
【0129】
同様な考え方でさらに周囲画素を含んだ8方向のデータの補間も可能である。また、それ以上の多数要素を用いた補間であっても(2)式を用いれば可能である。すなわち、(2)式は補間に関する一般式であってこれによりすべての場合に対応できる。
【0130】
このように構成された走査型レーザ顕微鏡では、第1,第2の実施形態の場合と同様に動作し、各ラインの画像について、ラインノイズの有無が検査される他、一旦保存した各ライン画像を用い、(3)式に示す演算を実現する画像復元部300によって、ラインノイズを有するライン画像について周囲のライン画像を用いた精度の高い補間演算が行われる。
【0131】
上述したように、本発明の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡は、(3)式に示す相関演算を実現する画像復元部300を設けたので、より周辺ノイズに影響されない最適な補間演算を行うことができる。
【0132】
また、本実施形態の走査型レーザ顕微鏡によれば、XY平面画像及びXZ断面画像のみならず3次元画像についても、ラインノイズの除去されたより自然で高品質な画像を得ることができる。
【0133】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0134】
まず、上記各実施形態で説明した処理は、ラスタスキャンの画像全てに対しても適用でき、とくに走査速度、走査サイズ等には制限はない。さらに、入力の信号は、1系統だけでなく複数入力にて並列処理を行う場合にも適用可能である。
【0135】
また、光検出部150は、PMTに限られるものでなく、フォトダイオード (PD)、CCD、CMD等の光電変換を効率よく行える他の手段を適用してもよい。
【0136】
さらに、2次元走査機構部130は、ガルバノミラーに限られるものでなく、XYの走査が制御できる手段であれば、共振ガルバノミラー、ポリゴンミラー、AOD等の他の手段でもよい。
【0137】
また、実施形態に記載した手法は、計算機に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。本装置を実現する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。
【0138】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、レーザの強度の変動により発生する画像のラインノイズを確実に検出し、ラインノイズ発生と判定されたライン画像データの注目画素と、当該ライン画像データに隣接する二以上のライン画像データにおける注目画素に隣接する少なくとも二以上の各画素との画素間距離、及び隣接する少なくとも二以上の各画素のデータとに基づいて画素補間を行い、これにより、画像劣化を招くことなくラインノイズを除去でき、ノイズ除去の処理の影響を周囲の画像に影響を与えず、自然な階調で良好なレーザ顕微鏡画像を得ることができる走査型レーザ顕微鏡を提供できる。
【0139】
また、本発明によれば、レーザの強度の変動により発生する画像のラインノイズを確実に検出するとともに、検出されたラインノイズを画像劣化を招くことなく除去できる走査型レーザ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の一例を示す構成図。
【図2】同実施形態におけるラインノイズ検出部の構成例を示すブロック図。
【図3】同実施形態における画像復元部の構成例を示すブロック図。
【図4】A/D変換された画像にラインノイズが生じている場合を示す図。
【図5】同実施形態における各信号のタイムチャート図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡のXZ画像復元部の構成例を示すブロック図。
【図7】同実施形態の走査型レーザ顕微鏡により処理するXZ平面の画像面を示す図。
【図8】Z軸移動するときのZ−1,Z,Z+1枚目のラインデータについて示した図。
【図9】このような画素補間モデルを示す図。
【図10】XYZ画素補間モデルを示す図。
【図11】一般的な走査型レーザ顕微鏡の構成を示す図。
【図12】ガルバノミラ−XYそれそれ2枚をつかったときの2次元走査機構の概略構成例を示す図。
【図13】特開平8−160304号の構成を示すブロック図。
【図14】蛍光標本におけるラインノイズの発生を示す図。
【符号の説明】
110…光学顕微鏡本体
120…レーザ光源
130…2次元走査機構部
140…ピンホール板
150…光検出部
160…信号処理部
161…利得可変部
162…オフセット調整部
163…A/D変換部
164…記録部
165,167,168…D/A変換部
166…CPU
169…2次元走査駆動部
170…Z走査駆動部
180…表示部
200…ラインノイズ検出部
261…ラインメモリ(#1)
262…ラインメモリ(#2)
263…比較器(#1)
264…比較器(#2)
265…判定部
267…比較値設定部(#1)
268…比較値設定部(#2)
300…画像復元部
321,322…乗算器
323,324…加算器
325…割算器
326…画像選択部
381…加算器
382…割算器
383…画像選択部
Claims (3)
- 標本に対してスポット光をライン状に走査し、前記スポット光に基づく前記標本からの光を検出し得られた複数のライン画像データを用い、前記標本画像を作成する走査型レーザ顕微鏡において、
前記ライン画像データの一部若しくは全部と、これと隣接する二以上の前記ライン画像データの一部若しくは全部とを比較し、前記ライン画像データの少なくとも一部が、前記隣接する二以上の前記ライン画像データ全ての対応部分に対して所定値以上の輝度差を有するときに、ラインノイズ発生と判定するラインノイズ検出手段と、
前記ラインノイズ検出手段により前記ライン画像データに前記ラインノイズ発生と判定されたときに、前記ラインノイズ発生と判定された前記ライン画像データの注目画素と、当該ライン画像データに隣接する二以上の前記ライン画像データにおける前記注目画素に隣接する少なくとも二以上の各画素との画素間距離、及び前記隣接する少なくとも二以上の前記各画素のデータとに基づいて前記ライン画像データに対する補間データを作成し、前記ライン画像データの前記ラインノイズ発生部分を前記補間データにより画素補間する画像復元手段と、
を備えたことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。 - 前記スポット光の前記ライン状走査は、前記標本の深さ方向にも行うことを特徴とした請求項1記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 複数の前記ライン画像データから成る3次元画像を構築する場合、
前記画像復元手段は、前記ライン画像データの注目画素とこの注目画素に対して少なくとも前記標本の深さ方向を含む4方向に隣接する各画素の画素間距離と、前記注目画素に対して少なくとも4方向に隣接する前記各画素のデータとに基づいて前記ライン画像データに対する補間データを作成し、前記ライン画像データの前記ラインノイズ発生部分を前記補間データにより画素補間することを特徴とした請求項1記載の走査型レーザ顕微鏡。
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