JPH10268201A - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡

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JPH10268201A
JPH10268201A JP8725497A JP8725497A JPH10268201A JP H10268201 A JPH10268201 A JP H10268201A JP 8725497 A JP8725497 A JP 8725497A JP 8725497 A JP8725497 A JP 8725497A JP H10268201 A JPH10268201 A JP H10268201A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、レーザの強度の変動により発生す
る画像のラインノイズを確実に検出可能とする。 【解決手段】 標本に対してスポット光をライン状に走
査し、そのスポット光に基づく標本からの光を検出し得
られた複数のライン状の画像データを用い、標本画像を
作成する走査型レーザ顕微鏡において、あるライン状の
画像データの一部若しくは全部と、これと隣接する二以
上のライン状の画像データの一部若しくは全部とを比較
し、あるライン状の画像データの少なくとも一部が、隣
接する二以上のライン状の画像データ全ての対応部分に
対して所定値以上の輝度差を有するときに、ラインノイ
ズ発生と判定するラインノイズ検出手段200を備えた
走査型レーザ顕微鏡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型レーザ顕微
鏡、更に詳しくはレーザの強度の変動により発生する画
像のノイズを除去する部分に特徴のある走査型レーザ顕
微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】光学顕微鏡は、ステージ上に搭載したプ
レパラート上の試料(標本)を、対物レンズで拡大し観
察する装置であり、一般には、試料の照明としてランプ
等の光源からの照明光をコンデンサレンズにより試料の
観察領域全体に均等になるように照明する構造を採用し
ている。
【0003】しかしながら、照明系としてこのような構
造を採用した場合、フレア等の問題があり、また、低コ
ントラストの試料の観察するにあたっては大変見ずらい
という問題がある。そこで、これを改善するものとして
点状光投射型(スポット光投射型)の光学顕微鏡である
走査型光学顕微鏡が提案されている。
【0004】この光学顕微鏡では点光源を対物レンズを
介して観察試料に点状に照射するところにその特徴があ
る。この点状照明により観察試料を透過した透過光又は
反射光、あるいは照明光により試料から発生する蛍光
は、再び対物レンズ、光学系を介して点状に結像され、
これがピンホール開口を有する検出器にて検出されて像
の濃度情報が得られるようになっている。
【0005】但し、これだけでは点状光源が照射された
点の濃度しか得られないので、試料自体をX軸、Y軸の
方向に移動して二次元平面内で機械的に移動させたり
(X−Y走査方式)、逆に光路をX軸、Y軸の方向に振
ることでスキャン走査させ二次元平面をカバ−できるよ
うに照明している。そして、これらのX−Y走査により
得られた濃度情報に対応した輝度信号を、CRTディス
プレイ等の画像表示装置に同期して表示することで画像
として観察できるようにしている。
【0006】以上が走査型光学顕微鏡の原理である。一
方、走査型光学顕微鏡において、光源としてレーザ光を
使うと画像の解像が向上することが広く知られており、
特に走査型レーザ顕微鏡と呼ばれている。かかる走査型
レーザ顕微鏡では、レーザ走査されている標本の透過光
又は反射光を電気信号に変換する光電子増倍管やフォト
ダイオード等の光電変換検出器と、得られた電気信号を
画像データとして保存、加工、表示をするための構成と
が設けられている。
【0007】図11は一般的な走査型レーザ顕微鏡の構
成を示す図である。
【0008】この走査型レーザ顕微鏡は、光学顕微鏡本
体110と、レーザ光源120と、2次元走査機構部1
30と、ピンホール板140と、光検出部150と、信
号処理部160と、表示部180とから構成されてい
る。
【0009】この走査型レーザ顕微鏡においては、ま
ず、レーザ光源120から射出されたスポット光が、光
学顕微鏡本体110の顕微鏡ステージ上の試料表面上に
照射される。
【0010】実際には、試料面上をXY走査するため、
導かれたレーザ光は2次元走査機構部130にて、対物
レンズに対するスポット光の光路がXY軸方向に振られ
ることになる。
【0011】図12はガルバノミラ−XYそれそれ2枚
をつかったときの2次元走査機構の概略構成例を示す図
である。
【0012】同図に示すように、光源から入射されたレ
ーザ光は、Xガルバノミラー及びYガルバノミラーによ
りXY方向に振られ、XY走査が行われる。
【0013】スポット光を照射した結果、試料からの反
射光、又は蛍光の情報は、対物レンズ、2次元走査機構
部130を介してピンホール板140を通過した後、光
検出部150で受光され電気信号に光電変換される。
【0014】ピンホール板140は、所定径のピンホー
ルが開けられたものであり、光検出部150の前面の結
像位置に配置される。ピンホール板140を通過する光
は試料面上の観察点で焦点にあった情報のみが検出され
ることとなるので、共焦点効果が得られる。2次元走査
機構部130の駆動は、信号処理部160に設けられた
2次元走査駆動部169が走査制御信号を発生すること
で行われる。なお、この2次元走査駆動部169の制御
は、信号処理部160内のCPU166が行う。また信
号処理部160においては、この走査制御信号を基準と
して各種データ処理が行われている。
【0015】一方、光検出部150にて検出された電気
信号は、信号処理部160にて処理され表示される。
【0016】まず、利得可変部161にて所定の信号増
幅が行われ、次にオフセット調整部162にて所定の信
号の増減が行われる。これらにおける設定量はCPU1
66により、D/A変換部168,167を介して所望
の値に設定される。
【0017】次に、オフセット調整部162から出力さ
れた信号はA/D変換部163にてアナログ/デジタル
変換された後、記録部164にて画像データとして一時
記憶される。記憶された画像データは、その後、必要に
応じて加工、表示、保存される。
【0018】画像データの加工は、CPU166にて画
像処理されることで行われる。また、表示は、記録部1
64から画像データが出力され、D/A変換部165を
通して表示部180で表示されることで行われる。これ
により得られた画像を観察をすることができる。
【0019】また、深さ方向つまり3次元情報が必要な
場合は、Z走査駆動部170により、所望のZ位置ヘ移
動させ、画像データを順次記憶部164に記憶させ必要
な画像(3次元画像)を構築させる。これにより、3次
元画像の表示、観察も可能となる。
【0020】これらの観察対象となる標本の例として、
まず、生物標本では、細胞、染色体等がある。これらの
生物標本を観察する場合には、試料に蛍光色素を混合
し、レーザを励起光源として照射し、その発光(蛍光)
を捉えて画像化する。また、工業用標本では、IC、金
属表面等がある。この場合はレーザの反射光を捉えて画
像化する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術において、標本からの発光量、もしくは反射光量
は、励起用のレーザ光の強度、レーザの照射対象である
標本の種類や位置、受光系の感度、電気処理系の性能,
また全体を構成する光学系の性能等により決定される。
したがって、最終の画像の信号として常に同じ輝度信号
にするのは困難である。このため、撮像の度に前回撮像
時との画像間での輝度ムラが発生したり、さらには画像
ノイズが混在した画像が表示されることも度々ある。こ
のような、輝度ムラやノイズを削除する方法はいくつか
考案されている。
【0022】一般的に、画像間の画像のムラをなくすに
は、得られた画像情報を表示しながら、観察者自身が可
変利得増幅回路の利得設定及びオフセット回路のオフセ
ット量の設定を行えばよい。このため多くの装置では所
望の画像状態が得られるように、表示画面の状態を見な
がら画像状態を手動調整することができるようになって
いる。例えば標本の光の信号を画像データに変換する,
光電信号処理回路において画像状態の調整を実現する方
法や、または表示直前の処理においてLUT(ルックア
ップテーブル)等を用いて最適な表示に調整する方法が
ある。
【0023】これをさらに拡張した先行例として、特開
平8−160304号公報に開示された技術がある。
【0024】図13は特開平8−160304号の構成
を示すブロック図である。
【0025】同図に示す光電変換処理回路においては、
1枚の画面内の特定部分についての利得やオフセット量
の調整することや、各画像別の設定機能、つまり連続し
て取り込む複数画像の1枚毎の利得やオフセット量を個
別に設定するといったことが実現され、適応範囲に幅を
持たせている。具体的には、画像データを1画素として
得られるサンプリングのタイミング信号(サンプリング
パルス)に同期して、1画素毎に増幅率やオフセット量
を可変できリアルタイムに画像補正が可能である。これ
を画素位置に対応して、あるいは領域に対応して行うこ
とができ、所望の状態の画像を得ることができる。ま
た、記憶手段に各画素位置毎に利得データやオフセット
量を記憶させておき、各画素位置での光検出信号に対す
る増幅度や付与するオフセット量を個別に変えることが
できる。これにより、得られる画像は画像の各位置で所
望の状態に調整することができるようになる。従って、
画像の特定部位をリアルタイムに強調または補正して表
示することができる。
【0026】この特開平8−160304号公報に開示
された技術を用いれば、各画像毎の画像輝度むらはおさ
えられ、また周期的なノイズはこれによっても除去も可
能となる。
【0027】ところで、ノイズの発生について他の原因
を考えてみると、システムの構成上重要な部分を占める
励起用光源であるレーザにも、画像にノイズを発生させ
る原因がある。例えばよく使われる光源用レーザとし
て、へリウムネオンレーザ、アルゴンイオンレーザ、ク
リプトンレーザ、クリプトンとアルゴンの混合気体のレ
ーザ等があるが、これらのレーザにおける発振光強度
は、必ずしも時間に対して常に一定ではない。
【0028】その理由は、気体レーザ管内のプラズマ平
衡状態がごくまれに乱れ、不安定な状態が生じてドロッ
プアウトという現象が発生することがある。ドロップア
ウト現象が発生すると、発振状態が乱され発振波長の光
強度の変動が一瞬生ずる。この励起光の強度変動によ
り、観察光となるべき発光量または反射光の強度が低下
し、画像輝度信号としても低下することとなる。
【0029】図12に示したように、試料に対する照射
光はX方向のラインを順次ずらすように走査され、この
ラインの集合として画像が取得されるため、上記ドロッ
プアウトによる変動が画像にラインノイズとして混ざ
り、画像の見えを悪くすることになる。
【0030】図14は蛍光標本におけるラインノイズの
発生を示す図である。
【0031】同図(a)に示すように、ラインノイズが
発生していないときには、画像状態は良好であるが、同
図(b)に示すように、観察標本にX方向の輝度が低下
したラインノイズがのると、画像は見づらいものとな
る。また、これらのノイズは、突然にしかもランダムに
起き、規則性もなく予測ができない現象である。気体レ
ーザの種類によって発生率に差はあるが、それぞれ固有
の確率で発生し、レーザ側の改良でその変動を完全に止
めることは極めて困難である。
【0032】したがって、従来からレーザの安定性確保
の面でなく、取得した画像データを処理することでライ
ンノイズを少なくする方法が求められている。
【0033】これらのノイズを除去する方法としては、
例えば平均化やメディアンフィルタ等による画像処理方
法が考えられる。しかし、これらの方法はノイズを単に
目立たなくするだけで、ラインノイズを本質的に除去で
きる方法であるとは言い難い。また、取り込んだ後に平
均化等の画像の処理を行う場合には、ラインノイズの領
域のみを処理するわけでなく、ノイズの発生しない領域
にも不要なフィルタ処理を行ってしまうため、逆に画像
の劣化を招くことにもなる。
【0034】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、その第1の目的は、レーザの強度の変動に
より発生する画像のラインノイズを確実に検出可能とし
た走査型レーザ顕微鏡を提供することにある。
【0035】また、第2の目的は、レーザの強度の変動
により発生する画像のラインノイズを確実に検出すると
ともに、検出されたラインノイズを画像劣化を招くこと
なく除去可能とした走査型レーザ顕微鏡を提供すること
にある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、ランダ
ムなノイズ発生現象により生じる取得画像のラインノイ
ズを除去するあたり、ライン間で隣り合う画像データは
大きく変わらず相関がある,という画像のラインの相関
性を利用し、レーザ顕微鏡画像のラインノイズを検出す
る手段を講じ、さらに、これを除去する手段を講じた点
にある。
【0037】また、上記課題の解決は、より具体的に
は、以下のような解決手段により実現される。
【0038】まず、請求項1に対応する発明は、標本に
対してスポット光をライン状に走査し、そのスポット光
に基づく標本からの光を検出し得られた複数のライン状
の画像データを用い、標本画像を作成する走査型レーザ
顕微鏡において、あるライン状の画像データの一部若し
くは全部と、これと隣接する二以上のライン状の画像デ
ータの一部若しくは全部とを比較し、あるライン状の画
像データの少なくとも一部が、隣接する二以上のライン
状の画像データ全ての対応部分に対して所定値以上の輝
度差を有するときに、ラインノイズ発生と判定するライ
ンノイズ検出手段を備えた走査型レーザ顕微鏡である。
【0039】次に、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明において、ラインノイズ検出手段によ
り、あるライン状の画像データについてラインノイズ発
生と判定されたときに、これと隣接する二以上のライン
状の画像データを用いてあるライン状の画像データ位置
の補間画像を作成し、あるライン状の画像データの少な
くともラインノイズ発生部分を補間画像で置き換える画
像復元手段を備えた走査型レーザ顕微鏡である。
【0040】また、請求項3に対応する発明は、請求項
1又は2に対応する発明において、スポット光のライン
状走査を標本の深さ方向にも行う走査型レーザ顕微鏡で
ある。
【0041】(作用)したがって、請求項1に対応する
発明の走査型レーザ顕微鏡においては、ラインノイズ検
出手段によって、まず、あるライン状の画像データの一
部若しくは全部と、これと隣接する二以上のライン状の
画像データの一部若しくは全部とが比較される。
【0042】ついで、ラインノイズ検出手段により、あ
るライン状の画像データの少なくとも一部が、隣接する
二以上のライン状の画像データ全ての対応部分に対して
所定値以上の輝度差を有するか否かが判断され、所定値
以上の輝度差ありの場合には、ラインノイズ発生と判定
される。
【0043】すなわち上述したように、ライン間で隣り
合う画像データは大きく変わらず相関性を有するため、
あるラインのみがその周囲のラインと輝度差を有する場
合には、光源の変動等によるノイズである可能性が高
い。本発明は、この性質を利用してラインノイズを検出
するものである。また、この方法によれば、画像の輝度
が大きく変化するエッジ部をラインノイズと誤検出する
ことがない。
【0044】したがって、例えば本発明をXY平面上を
X方向にライン走査する形式の装置に適用した場合に
は、走査して得られたXY平面での各Xラインに対し、
その前後ラインとの輝度差によりラインノイズ発生箇所
が判定されることとなる。
【0045】次に、請求項2に対応する発明の走査型レ
ーザ顕微鏡においては、請求項1に対応する発明と同様
に作用する他、あるライン状の画像データについてライ
ンノイズ発生と判定されたときに、画像復元手段によ
り、隣接する二以上のライン状の画像データを用いてあ
るライン状の画像データ位置の補間画像が作成され、あ
るライン状の画像データの少なくともラインノイズ発生
部分が補間画像で置き換えられる。
【0046】これにより、ラインノイズを有する画像デ
ータが確実に復元され、かつ、画像の輝度が大きく変化
するエッジ部分の画像を劣化させることもない。
【0047】このように、周囲の画像データを利用し、
かつノイズ除去の処理の影響を周囲の画像に影響を与え
ないので、自然な階調で良好なレーザ顕微鏡画像を得る
ことができる。
【0048】したがって、例えば本発明をXY平面上を
X方向にライン走査する形式の装置に適用した場合に
は、ノイズを検出されたXラインの前後ライン間の平均
値等を代用することで、当該Xライン上のラインノイズ
が除去され、自然な階調の最終画像を得ることが可能と
なる。
【0049】また、請求項3に対応する発明の走査型レ
ーザ顕微鏡においては、請求項1又は2に対応する発明
と同様に作用する他、スポット光のライン状走査が標本
の深さ方向にも行われる。
【0050】このため本発明によれば、XY平面上を走
査する装置のみならず、深さ方向の断面画像を得ようと
する装置や、XYZ軸の立体画像を得ようとする装置に
対しても、上記請求項1又は2に対応する発明と同様な
効果が奏される。
【0051】したがって、例えば本発明を深さ方向に走
査する,例えばXZ平面についてX方向にライン走査す
る形式の装置に適用した場合には、深さのZ方向の画像
に対してXZ平面でのXラインに対して、ラインノイズ
が発生している箇所が判断される。さらに、Z方向のノ
イズのラインに対して上下ライン間の平均値を代用する
こと等で、ラインノイズを除去した自然な階調の深さ方
向の断面画像が得られる。
【0052】また例えば、本発明を平面及び深さ方向に
走査する,例えばXYZ空間についてX方向にライン走
査する形式の装置に適用した場合には、深さのZ方向に
何枚も3次元構築した画像において、XY平面上のXラ
インに対して、ラインノイズが発生している箇所が判断
される。さらに、X方向のノイズのラインに対してXY
Z空間内の隣接する複数ラインの画像データを用いて画
素及びライン補間が行われ、ラインノイズが除去され
る。したがって、より自然な階調の画像が得られる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0054】(発明の第1の実施の形態)図1は本発明
の第1の実施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の一例を
示す構成図であり、図11に示す従来装置と同一部分に
は同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0055】本実施形態の走査型レーザ顕微鏡は、A/
D変換部163と記憶部164と間に、レーザ光源12
0におけるドロップアウト等に起因するラインノイズを
検出するラインノイズ検出部200と、この検出された
ラインノイズを除去して画像を復元する画像復元部30
0とを設けた他、図11に説明した従来の走査型レーザ
顕微鏡と同様に構成されている。
【0056】図2は本実施形態におけるラインノイズ検
出部の構成例を示すブロック図である。
【0057】ラインノイズ検出部200は、A/D変換
部163よりライン画像が入力され、n+1ライン目、
nライン目及びn−1ライン目の画像と、ノイズ判定信
号を画像復元部300に出力するようになっている。
【0058】このラインノイズ検出部200は、ライン
メモリ(#1)261と、ラインメモリ(#2)262
と、比較値設定部(#1)267と、比較値設定部(#
2)268と、比較器(#1)263と、比較器(#
2)264と、判定部265とによって構成されてい
る。
【0059】ラインメモリ(#1)261及び(#2)
262は、輝度データ1ラインを記録することができる
メモリ手段である。これらに記憶されるデータは、いず
れもA/D変換部163にてサンプリングしたクロック
信号に同期したデータであり、かつ、A/D変換部16
3からラインメモリ(#1)261へ、ラインメモリ
(#1)261からラインメモリ(#2)262へと順
次入力される。このため、同図に示すように、ラインメ
モリ(#1)261は、nライン目の輝度データ1ライ
ンを記録し出力し、ラインメモリ(#2)262は、n
−1ライン目の輝度データ1ラインを記録し出力するこ
ととなる。
【0060】比較値設定部(#1)267,(#2)2
68は、書き換え可能なメモリ手段を備えてそれぞれ上
記判断の基準値を保存している。各々は、ラインメモリ
(#1)261,(#2)262からのデータ出力タイ
ミングに合わせて、各基準値を比較器(#1)263,
(#2)264に入力する。比較値設定部(#1)26
7,(#2)268では、入力されたデータに対して設
定された基準値との演算を行い、例えば、データ×0.
9等,比較基準値として出力する。
【0061】比較器(#1)263は、比較値設定部
(#1)267からの出力データ(nライン目)と、A
/D変換部163から入力されるデータ(n+1ライン
目)とを比較し、nライン目のデータがn+1ライン目
のデータよりnライン目のデータの所定の基準値,例え
ば輝度が10%以上低下した値ならラインノイズと判断
し、それ以外の場合はノイズはないと判断してその結果
を判定部265に入力する。同様に、比較器(#2)2
64も、比較値設定部(#2)268からの出力データ
(n−1ライン目)と、ラインメモリ(#1)261か
らの出力データ(nライン目)とを比較し、nライン目
のデータがn−1ラインのデータより基準値以上に低下
しているか否かについてその判断結果を判定部265に
入力するようになっている。
【0062】判定部265は、比較器(#1)と比較器
(#2)の結果が両方共ノイズと判断したとき、すなわ
ち、nライン目の輝度が、n+1ライン目及びn−1ラ
イン目の何れと比較しても所定値以上輝度が低下してい
ると判断されるとラインノイズありと判定し、それ以外
のときはラインノイズなしと判定する。そして、この判
定結果に対応したノイズ判定信号を画像復元部300に
出力する。
【0063】図3は本実施形態における画像復元部の構
成例を示すブロック図である。
【0064】画像復元部は、加算器381と、割算器3
82と、画像選択部383とによって構成されている。
【0065】加算器381は、入力されたn+1ライン
目及びn−1ライン目の画像データを加算し、割算器3
82はこの加算値を2で割って画像選択部383に入力
する。
【0066】画像選択部383には、ラインノイズ検出
部200からのnライン目画像データ及びノイズ判定信
号と、割算器382からの出力が入力されている。この
画像選択部383は、ノイズ判定信号がノイズ有りの場
合には割算器382からの出力を選択し、ノイズなしの
場合にはnライン目画像データを選択してnライン目の
データとして記憶部164に入力する。
【0067】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の動作について説明
する。
【0068】まず、試料観察に当たり、レーザ光源12
0から射出されたレーザ光は、2次元走査機構部130
にファイバーあるいはファイバーを使うことなく直接に
導かれたのち、対物レンズを通り光学顕微鏡本体110
の顕微鏡ステージ上の試料表面上にスポット光として照
射される。
【0069】なお、試料は、2次元走査駆動部169か
らの走査制御信号に基づく2次元走査機構部130の動
作によって、レーザ光によるXY走査がなされる。すな
わち、例えば2枚のガルバノミラーを用いてX方向とY
方向とに走査させ、試料面上でレーザスポット光による
ラスタスキャンがなされる。このXYの走査に必要な信
号は、X、Yまたは水平(H)、垂直(V)の同期信号
である。このときX方向の一走査による画像をライン画
像あるいはラインの画像という。ラスタスキャンによっ
て得られる試料画像はこのラインの画像を順に並べたも
のとなる。
【0070】スポット光を照射した結果、試料から反射
光、又は蛍光が生じ、これらの観察光が対物レンズ、2
次元走査機構部130を介してピンホール板140を通
過した後、光検出部150にて電気信号に光電変換され
る。
【0071】本実施形態では、光検出部150には光電
子増倍管(PMT)が用いられている。ピンホール板1
40は、所定径のピンホールが開けられたものであり、
光検出部150の前面の結像位置に配置され、そこを通
過した光は試料面上の観察点で焦点にあった情報のみ検
出でき、共焦点効果が得られる。
【0072】検出された電気信号は、信号処理部160
にて処理され表示される。まず、利得可変部161にて
所定の信号増幅が行われ、次にオフセット調整部162
にて所定の信号増減が行われる。次に、オフセット調整
部162から出力した信号はのA/D変換部163にて
アナログ/デジタル変換された後、ラインノイズ検出部
200にてレーザの強度変動による画像のラインノイズ
が検出される。
【0073】図4はA/D変換された画像にラインノイ
ズが生じている場合を示す図である。
【0074】同図に示すように、n−1ライン目,nラ
イン目,n+1ライン目の画像データのうち、nライン
目にラインノイズが生じている。ここでは、判定の基準
値として−10%が比較値設定部267,268に設定
されている。したがって、nライン目と、n−1ライン
目及びn+1ライン目とにおける輝度データのそれそれ
の輝度差が−10%以上の低下であれば、ラインノイズ
検出部200によりラインノイズと判定される。なお、
基準値は状況に応じて設定変更可能である。
【0075】この場合のラインノイズ検出部200によ
る具体的な処理は以下の通りである。
【0076】まず、A/D変換部163よりの入力画像
データであるラインの画像は、n+1ライン目の画像と
して画像復元部300に出力されるとともに、ラインメ
モリ(#1)261及び比較器(#1)263に入力さ
れる。このラインメモリ(#1)261は、次のライン
の画像がラインノイズ検出部200に入力されるタイミ
ングでその記憶したライン画像を画像復元部300、比
較器(#2)264、比較値設定部(#1)267、ラ
インメモリ(#2)262に出力する。この出力ライン
画像はこの時点ではnライン目となっている。同様に、
ラインメモリ(#2)262も、記憶したライン画像を
画像復元部300、比較器(#2)264、比較値設定
部(#2)268に出力する。この出力ライン画像はn
−1ライン目となっている。
【0077】これにより、ラインノイズ検出部200か
ら画像復元部300へはn+1,n,n−1ライン目の
画像が入力されるとともに、nライン目においてノイズ
が発生したか否かの判定結果を示すノイズ判定信号が画
像復元部300に対して出力される。
【0078】このとき、比較器(#1)263において
は、A/D変換部163から入力されるn+1ライン目
と、比較値設定部(#1)267からのnライン目の輝
度が比較され、nライン目の輝度が基準値以上下がって
いるか否かの判断結果が判定部265に出力される。同
様に、比較器(#2)264においては、ラインメモリ
(#1)261からのnライン目と、比較値設定部(#
2)268からのn−1ライン目の輝度が比較され、n
ライン目の輝度が基準値以上下がっているか否かの判断
結果が判定部265に出力される。
【0079】判定部265においては、比較器(#1)
263及び(#2)264での比較判断結果がnライン
目の輝度のn+1ライン目との比較でも、n−1ライン
目との比較でも両者とも基準値(ここでは−10%)以
上下がっている場合に、ラインノイズ有りと判定され
る。このような条件を満すことが、単なるエッジ部でな
く図4に示すようにその1ラインだけでノイズが生じて
いること(輝度低下)を示すものだからである。
【0080】なお、ラインメモリ(#1)261及び
(#2)262から出力されるデータは、A/D変換部
163でのサンプリングクロック信号に同期したデータ
であるので、画像復元部300に出力されるn+1,
n,n−1ライン目の画像データは、X方向の位置が一
致しており、これらの処理に時間的に同期している。こ
の様子が図5に示される。
【0081】図5は本実施形態における各信号のタイム
チャート図である。
【0082】同図では、nライン目に図4に示すような
ラインノイズが含まれる場合におけるラインノイズ検出
部200からの各ライン画像出力、比較器出力、判定部
出力及び画像復元部300の出力が示されている。
【0083】次に、画像復元部300の動作について説
明する。
【0084】図3に示すように画像復元部300では、
ラインノイズ検出部200からのノイズ判定信号をもと
に処理を行う。ノイズがない場合には、画像選択部38
3によりそのままnラインのデータが記憶部164に出
力され、記憶部164にてnラインのデータとして記憶
される。
【0085】一方、ノイズありの場合には、n−1,n
+1ラインのデータから復元した値がnラインデータと
して記憶部164に出力される。
【0086】この補間は、観察する画像は隣り合うライ
ン間のデータは、大きく変わらないという画像のライン
相関性に基づくものである。すなわち失われたnライン
のデータは上下ライン上の画素データを用いて、ここで
はライン補間により上下ラインの平均値で補間され、自
然な画像に復元される。
【0087】具体的には、まず、ラインノイズ検出部2
00からのn−1,n+1ライン目のデータが加算器3
81に入力され、加算される。次に、割算器382にて
2で割られ平均値が計算されて、画像選択部383に入
力される。そしてノイズ判定信号に基づき、ノイズの場
合は上下ラインの平均値が選択され、ノイズでない場合
はラインノイズ検出部200からのnラインのデータそ
のままが選択される。
【0088】以上の各動作を図5の信号タイムチャート
を使って説明する。
【0089】まず、nラインの6〜9個目のデータに輝
度が低下したラインノイズが発生している場合、n−
1,n+1ラインのデータの比較後、比較器#1、#2
はラインノイズ有りと判断し、それそれHレベルの信号
を判定部265に送る。そして、判定部に両比較器の判
断がノイズ有りなので、最終判断として、ラインノイズ
ありの結果判定をする(Hレベル出力)。
【0090】次に、ラインノイズの発生している期間の
データは、n−1,n+1ラインのデータから得られた
平均値で補間され、補間後のデータとして置き換えられ
る。これにより、ラインノイズは除去される。
【0091】また、この処理を使うことで、ラインノイ
ズのみならず孤立点ノイズの除去も可能となる。さら
に、上記処理ではレーザ等に起因するラインノイズのみ
が除去される。すなわち、急に画像の階調が変化するな
どの境界やエッジ部分等はこの処理では無効となり、処
理画像に影響を与えない。
【0092】次に、補間された画像データでは、記録部
164にて画像データとして一時記憶される。記憶され
た画像データは、その後加工、表示、保存される。加工
としてはCPU166により所望の画像処理が行われ
る。また、表示は記録部164から画像データが出力さ
れ、D/A変換部165を通して、表示部180にて表
示されることで行われる。これにより、画像を観察をす
ることが可能となる。
【0093】上述したように、本発明の実施の形態に係
る走査型レーザ顕微鏡は、ラインノイズ検出部200を
設けて前後ライン画像との輝度差からラインノイズを検
出するようにしたので、レーザの強度の変動により発生
する画像のラインノイズを、画像領域エッジ部と混同す
ることなく確実に検出することができる。
【0094】また、検出されたラインノイズを前後ライ
ン画像により補間する画像復元部300を設けたので、
画像劣化を招くことなくラインノイズを除去することが
できる。
【0095】したがって、このように、励起光源である
レーザ光強度の不規則で突然の強度変動の影響による画
像ノイズに対し、画像のラインの相関性を利用しライン
ノイズが除去されるので、ノイズ除去の処理の影響を周
囲の画像に影響を与えず、自然な階調で良好なレーザ顕
微鏡画像を得ることができる。
【0096】また、この処理を使うことで、ラインノイ
ズのみならず孤立点ノイズの除去も可能となる。さら
に、上記したようにレーザ等に起因するラインノイズの
みが除去され、急に画像の階調が変化するなどのエッジ
部分等はこの処理では除外され、処理画像に影響を与え
ない。
【0097】(発明の第2の実施の形態)本実施形態の
走査型レーザ顕微鏡は、図1の画像復元部300内にX
Z画像復元部が設けられる他、第1の実施形態と同様に
構成される。本実施形態では、Z走査駆動部170を使
い、Z軸を移動しながらXZ画像の観測、つまり選択し
たXラインでの断面図観察を行う場合のラインノイズ除
去について説明する。
【0098】図6は本発明の第2の実施の形態に係る走
査型レーザ顕微鏡のXZ画像復元部の構成例を示すブロ
ック図である。
【0099】このXZ画像復元部は、乗算器321,3
22,加算器323,324と、割算器325と、画像
選択部326とによって構成される。
【0100】画像選択部326は、第1実施形態の画像
選択部383と同様に構成されており、ラインノイズ検
出部200からのノイズ判定信号がノイズありの場合に
は割算器325の出力を選択し、ノイズありの場合には
ラインノイズ検出部200からのZ枚目のラインデータ
を選択し、記憶部164に入力する。
【0101】また、画像選択部326には、Z方向の移
動距離ステップである距離A,BがCUP166を介し
て入力されるようになっている。Z方向への移動距離は
必ずしも一定間隔とはかぎらないので、その点も考慮す
る必要がある。
【0102】乗算器321,322は、それぞれZ−1
枚目のラインデータと距離Bとの積、Z+1枚目のライ
ンデータと距離Aとの積を加算器323に入力する。
【0103】加算器323は、乗算器321及び322
からの入力値を加算し、割算器325に入力する。
【0104】加算器324は、距離A及びBの和を割算
器325に入力する。
【0105】割算器325は、加算器323からの入力
を加算器324からの入力で割り、その結果を画像選択
部326に入力する。この結果、画像選択部326に
は、Z−1枚目とZ+1枚目との各ラインデータを距離
A,Bを考慮した線形補間値が入力される。
【0106】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係る走査型レーザ顕微鏡の動作について説明
する。
【0107】第1の実施形態ではXY平面上の画像のY
方向のラインに対してライン補間が行われたが、本実施
形態ではXZ平面の画像のZ方向のラインに対してライ
ン補間が行われ、復元処理が行われる。
【0108】図7は本実施形態の走査型レーザ顕微鏡に
より処理するXZ平面の画像面を示す図である。
【0109】この場合、XY平面画像がXZ断面平面画
像となっただけであるので、ラインノイズ検出部200
における動作は、第1実施形態の場合と同様である。具
体的には、n−1ライン目,nライン目,n+1ライン
目のデータが、Z−1,Z,Z+1枚目に対応し、Z枚
目のラインノイズについてのノイズ判定信号が画像選択
部226に入力される。
【0110】乗算器321,322,加算器323,3
24と、割算器325とは、Z−1,Z+1枚目のデー
タにて補間を行う。ここで、一定間隔のZの移動距離の
ステップなら、図3の画像復元部300でもデータ補間
が可能である。しかし、図8に示すように、移動ステッ
プがそれそれ異なる場合、平均値の補間データでは線形
性を欠き、自然な階調の補正にはならない。
【0111】図8はZ軸移動するときのZ−1,Z,Z
+1枚目のラインデータについて示した図である。
【0112】同図に示すように、本実施形態の例ではZ
枚目のラインデータにラインノイズがのっている。ま
た、Z−1〜Z間の移動ステップの距離はAであり、Z
〜Z+1間の移動ステップの距離はBである。すなわち
移動ステップの距離比はA:Bである。また、このとき
のそれそれの輝度データをD(x,z−1)、D(x,
z)、D(x,z+1)、とすると、距離比を考慮して
算出される新たな補間データは、 D(x,z)=(B・D(x,z−1)+A・D(x,z+1)) /(A+B) …(1) となる。この線形補間により自然な階調の補間ができ
る。
【0113】上記した図6のXZ画像復元部は、この処
理を行うものである。
【0114】すなわちZ−1,Z+1ライン目のデータ
に、それそれ移動距離比のデータA,Bが乗算器32
1,322にて積算され、その値が加算器323にて加
算される。一方、加算器324にて距離比A,Bが加算
され、これらの各加算値をもって割算器325にて補間
データが算出算出される。なお、距離A,Bは、Z走査
駆動部170から顕微鏡本体110出力されるものであ
り、ここではZ走査駆動部170を制御するCPU16
6によりXZ画像復元部に与えられる。
【0115】そしてラインノイズ検出部200の判定部
265からの信号をもとに、最終的には選択部326に
て、そのままのデータか,補間したデータかの選択が行
われる。これにより、一定ステップだけでなく、任意の
Z方向の移動ステップに対してXZ画像を取り込んで
も、ラインノイズの除去が可能となる。
【0116】上述したように、本発明の実施の形態に係
る走査型レーザ顕微鏡は、画像復元部300にXZ画像
復元部を設け、任意のZ方向の移動ステップに対しても
前後ラインに対する相関値を演算できるようにしたの
で、Z方向に一定ステップだけでなく、任意の移動ステ
ップに対してXZ画像を取り込んでも、ラインノイズの
除去を行うことができる。
【0117】また、本実施形態の走査型レーザ顕微鏡に
よれば、XY平面画像のみならず、XZ断面画像につい
てもラインノイズの除去されたより自然な高品質な画像
を得ることができる。
【0118】(発明の第3の実施の形態)本実施形態の
走査型レーザ顕微鏡は、図1の画像復元部300の構成
が異なる他、第1の実施形態と同様に構成される。本実
施形態では、Z走査駆動部170によりZ軸を移動しな
がらXYZの3次元画像の構築する場合のラインノイズ
除去について説明する。
【0119】本実施形態において、第1、第2の実施形
態と異なる部分は、画像復元部300の処理である。第
1の実施形態では、XY平面の前後ラインでラインノイ
ズのデータを復元し、また第2の実施形態では、XZ平
面の前後ラインでラインノイズのデータを復元したが、
本実施形態では隣接画像のデータをもとにXYZ方向の
各画像をつかって補間する場合を説明する。
【0120】すなわちXYZの3次元画像の構築する場
合、あるライン画像に対して隣接するライン画像はYZ
平面上(XYZ空間内)に複数存在する。本実施形態で
はこれらの隣接ライン画像のうち複数の隣接画素を用い
て補間を行おうとするものである。したがって、第1、
第2の実施形態の場合では、ラインノイズ検出がされる
と、そのまま連続してノイズ発生のライン画像が補間さ
れたが、本実施形態では、一旦すべての又は補間に必要
なライン画像が記憶部164に格納された後に、ノイズ
検出されたライン画像について補間されるようになって
いる。
【0121】まず、具体的なライン画像の補間について
説明する前に、本実施形態における画素補間の考え方に
ついて説明する。
【0122】例えば画素補間する際に隣接画素の相関性
を用いて補間する場合、それそれの画素間距離から相関
率を求め、すなわち補間する際の画像データの寄与率を
算出し、演算時にこれを考慮して画素補間を行う必要が
ある。
【0123】図9はこのような画素補間モデルを示す図
である。
【0124】同図において、注目画素Dに対する周辺画
素nの距離をLn(L1,L2,L3,...)とし、
その画像データをDn(D1,D2,D3...)とす
ると、 D=(Σ(Dn/Ln))/(Σ(1/Ln)) …(2) で注目画素の画像データDを求めることができる。
【0125】この考え方を走査型レーザ顕微鏡における
ライン画像の集合からなる3次元画像の場合に適用す
る。
【0126】図10はXYZ画素補間モデルを示す図で
あり、破線lはライン画像を示している。したがって、
点D(x,y,z),D(x,y,z−1),D(x,
y,z+1),D(x,y−1,z),D(x,y−
1,z−1),D(x,y−1,z+1),D(x,y
+1,z),D(x,y+1,z−1),D(x,y+
1,z+1)はYZ断面上に示された各ライン画像の点
である。
【0127】ここで、D(x,y,z)のデータに対し
て、XY画像平面のXライン間の間隔がCとし、これは
常に一定間隔であるとする。一方、XY画像平面間のZ
方向の移動ステップをそれぞれA,Bとする。また、補
間対象となるデータをD(x,y,z)とすると、図1
0に示すように4方向の隣接画素は、D(x,y,z−
1),D(x,y,z+1),D(x,y−1,z),
D(x,y+1,z)となる。これをもとに、D(x,
y,z)についての補間演算を以下のように行うことが
できる。
【0128】 D(x,y,z)=(D(x,y,z−1)/A +D(x,y,z+1)/B+D(x,y−1,z)/C +D(x,y+1,z)/C)/(1/A+1/B+2/C)…(3) これにより、任意の深さ方向の3次元画像に対しても、
最適な補間が可能となり、ラインノイズに対してもライ
ン補間が行われる。
【0129】同様な考え方でさらに周囲画素を含んだ8
方向のデータの補間も可能である。また、それ以上の多
数要素を用いた補間であっても(2)式を用いれば可能
である。すなわち、(2)式は補間に関する一般式であ
ってこれによりすべての場合に対応できる。
【0130】このように構成された走査型レーザ顕微鏡
では、第1,第2の実施形態の場合と同様に動作し、各
ラインの画像について、ラインノイズの有無が検査され
る他、一旦保存した各ライン画像を用い、(3)式に示
す演算を実現する画像復元部300によって、ラインノ
イズを有するライン画像について周囲のライン画像を用
いた精度の高い補間演算が行われる。
【0131】上述したように、本発明の実施の形態に係
る走査型レーザ顕微鏡は、(3)式に示す相関演算を実
現する画像復元部300を設けたので、より周辺ノイズ
に影響されない最適な補間演算を行うことができる。
【0132】また、本実施形態の走査型レーザ顕微鏡に
よれば、XY平面画像及びXZ断面画像のみならず3次
元画像についても、ラインノイズの除去されたより自然
で高品質な画像を得ることができる。
【0133】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に
変形することが可能である。
【0134】まず、上記各実施形態で説明した処理は、
ラスタスキャンの画像全てに対しても適用でき、とくに
走査速度、走査サイズ等には制限はない。さらに、入力
の信号は、1系統だけでなく複数入力にて並列処理を行
う場合にも適用可能である。
【0135】また、光検出部150は、PMTに限られ
るものでなく、フォトダイオード(PD)、CCD、C
MD等の光電変換を効率よく行える他の手段を適用して
もよい。
【0136】さらに、2次元走査機構部130は、ガル
バノミラーに限られるものでなく、XYの走査が制御で
きる手段であれば、共振ガルバノミラー、ポリゴンミラ
ー、AOD等の他の手段でもよい。
【0137】また、実施形態に記載した手法は、計算機
に実行させることができるプログラムとして、例えば磁
気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク
等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体
メモリ等の記憶媒体に格納し、また通信媒体により伝送
して頒布することもできる。本装置を実現する計算機
は、記憶媒体に記録されたプログラムを読み込み、この
プログラムによって動作が制御されることにより上述し
た処理を実行する。
【0138】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、ラ
イン間の相関性を用いることにより、レーザの強度の変
動により発生する画像のラインノイズを確実に検出でき
る走査型レーザ顕微鏡を提供することができる。
【0139】また、本発明によれば、レーザの強度の変
動により発生する画像のラインノイズを確実に検出する
とともに、検出されたラインノイズを画像劣化を招くこ
となく除去できる走査型レーザ顕微鏡を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る走査型レーザ
顕微鏡の一例を示す構成図。
【図2】同実施形態におけるラインノイズ検出部の構成
例を示すブロック図。
【図3】同実施形態における画像復元部の構成例を示す
ブロック図。
【図4】A/D変換された画像にラインノイズが生じて
いる場合を示す図。
【図5】同実施形態における各信号のタイムチャート
図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る走査型レーザ
顕微鏡のXZ画像復元部の構成例を示すブロック図。
【図7】同実施形態の走査型レーザ顕微鏡により処理す
るXZ平面の画像面を示す図。
【図8】Z軸移動するときのZ−1,Z,Z+1枚目の
ラインデータについて示した図。
【図9】このような画素補間モデルを示す図。
【図10】XYZ画素補間モデルを示す図。
【図11】一般的な走査型レーザ顕微鏡の構成を示す
図。
【図12】ガルバノミラ−XYそれそれ2枚をつかった
ときの2次元走査機構の概略構成例を示す図。
【図13】特開平8−160304号の構成を示すブロ
ック図。
【図14】蛍光標本におけるラインノイズの発生を示す
図。
【符号の説明】
110…光学顕微鏡本体 120…レーザ光源 130…2次元走査機構部 140…ピンホール板 150…光検出部 160…信号処理部 161…利得可変部 162…オフセット調整部 163…A/D変換部 164…記録部 165,167,168…D/A変換部 166…CPU 169…2次元走査駆動部 170…Z走査駆動部 180…表示部 200…ラインノイズ検出部 261…ラインメモリ(#1) 262…ラインメモリ(#2) 263…比較器(#1) 264…比較器(#2) 265…判定部 267…比較値設定部(#1) 268…比較値設定部(#2) 300…画像復元部 321,322…乗算器 323,324…加算器 325…割算器 326…画像選択部 381…加算器 382…割算器 383…画像選択部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標本に対してスポット光をライン状に走
    査し、そのスポット光に基づく前記標本からの光を検出
    し得られた複数のライン状の画像データを用い、前記標
    本画像を作成する走査型レーザ顕微鏡において、 あるライン状の画像データの一部若しくは全部と、これ
    と隣接する二以上のライン状の画像データの一部若しく
    は全部とを比較し、前記あるライン状の画像データの少
    なくとも一部が、前記隣接する二以上のライン状の画像
    データ全ての対応部分に対して所定値以上の輝度差を有
    するときに、ラインノイズ発生と判定するラインノイズ
    検出手段を備えたことを特徴とする走査型レーザ顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 前記ラインノイズ検出手段により、ある
    ライン状の画像データについてラインノイズ発生と判定
    されたときに、これと隣接する二以上のライン状の画像
    データを用いて前記あるライン状の画像データ位置の補
    間画像を作成し、前記あるライン状の画像データの少な
    くともラインノイズ発生部分を前記補間画像で置き換え
    る画像復元手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記スポット光のライン状走査を前記標
    本の深さ方向にも行うことを特徴とした請求項1又は2
    記載の走査型レーザ顕微鏡。
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