JP5452079B2 - 顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、顕微鏡に関するものである。
従来、画像処理装置において、CCDカメラにより複数フレームの画像を取得し、フレーム間の差分でノイズを判別して、変化が大きい領域をノイズとして除去するノイズ除去方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このノイズ除去方法では、画像を取得する手段がCCDカメラのため、フレームレートが十分に早く、フレーム間の変化は微小とみなして、フレーム間の差分がノイズ成分であるという前提で処理を行っている。
また、Kalmanフィルタを用いて、フレーム毎あるいはライン毎にデータを積算することで、ランダムノイズの影響を少なくするノイズ除去方法が知られている。
特開2004−266626号公報
しかしながら、特許文献1のノイズ除去方法では、フレームレートが遅い、あるいはフレームレートよりも画像の変化が早い標本を観察している場合、重要なフレーム間における変化(例えば、生体反応の変化や標本の移動など)をノイズと認識してしまうという不都合がある。また、フレーム毎にZ方向に観察面を移動して標本の3次元画像をとる場合にも、フレーム間の差分は発生してしまうため、この差分をノイズと認識してしまうという不都合がある。
また、Kalmanフィルタを用いたノイズ除去方法では、検出回路で発生するホワイトノイズのように、ランダム性を持って+/−両方の極性を持って現れるノイズ分は、積算の過程で+/−が打ち消しあう。しかしながら、例えばレーザ走査型顕微鏡(LSM)の画像のスポットノイズは、熱電子や宇宙線の混入によって生じる+極性のみを持ったノイズであるため、ノイズ同士が打ち消すことはない。すなわち、信号分が増加することによってS/Nは上がるものの、ノイズ分が0になることはない。
また、Kalmanフィルタを用いるためには、少なくとも2枚以上の画像が必要なため、リアルタイムに近い時間で処理を行うことはできない。さらに、ノイズ分が無視できるほどにS/Nを上げるには、少なくとも10枚以上は画像を重ね合わせる必要があるため、さらにフィルタ処理された画像が得られるまでに時間を要する。そして、このKalmanフィルタもフレーム間で画像を重ね合わせていくため、特許文献1の方法と同様に、重要なフレーム間における変化(例えば、生体反応の変化や標本の移動など)を信号の中に埋もれさせてしまうという不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、重要なフレーム間における変化をノイズとして認識することなく、リアルタイムに近い時間でノイズ低減処理を行うことができる顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、レーザ光を射出するレーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を走査する走査手段と、該走査手段により走査されたレーザ光を標本に照射する一方、標本からの光を集光する対物レンズと、該対物レンズにより集光された光を検出する光検出器と、該光検出器により検出された光の輝度情報を複数ライン分の画像として記憶する記憶部と、該記憶部によって記憶された複数ライン分のライン画像において、注目画素の輝度情報と該注目画素に隣接する複数の隣接画素の輝度情報とを比較して、前記注目画素にノイズが含まれているか否かを判別する判別部と、該判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素からノイズを低減するノイズ低減部とを備え、前記判別部が、少なくとも2つの前記隣接画素の輝度情報が他の前記隣接画素の輝度情報よりも大きく、かつ、前記注目画素の輝度情報が前記少なくとも2つの隣接画素の輝度情報よりも大きい場合に、該注目画素にノイズが含まれていると判別し、前記ノイズ低減部が、前記注目画素の輝度情報を、前記少なくとも2つの隣接画素の大きい方の輝度情報に置き換える、または、前記少なくとも2つの隣接画素の輝度情報の中間値に置き換える顕微鏡を採用する。
本発明によれば、レーザ光源から射出され、走査手段により走査されたレーザ光が、標本に照射されることで、標本から蛍光が発生する。この蛍光は、対物レンズにより集光されて光検出器により検出され、その輝度情報が複数ライン分のライン画像として記憶部に記憶される。
この記憶部に記憶された複数ライン分のライン画像において、判別部によって、注目画素の輝度情報と該注目画素に隣接する複数の隣接画素の輝度情報とが比較されて、注目画素にノイズが含まれているか否かが判別される。そして、注目画素にノイズが含まれていると判別された場合には、ノイズ低減部によって注目画素からノイズが低減される。これにより、記憶部に記憶されたライン画像からノイズが低減されるので、このノイズ低減後のライン画像を用いて、高画質な標本の画像を生成することができ、標本を精度良く観察することができる。
また、このように単一のフレームにおいてノイズを低減することで、重要なフレーム間における変化(例えば、生体反応の変化や標本の移動など)をノイズとして認識せずに、その変化を観察することができる。また、全体のフレーム画像ではなく、複数ライン分のライン画像を用いてノイズを低減することで、リアルタイムに近い時間でノイズの低減処理を行うことができる。
上記発明において、前記判別部が、前記注目画素の輝度情報が、少なくとも2つの前記隣接画素の輝度情報と等しく、かつ、他の前記隣接画素の輝度情報よりも大きい場合に、該注目画素にノイズが含まれていないと判別することとしてもよい。
本発明は、レーザ光を射出するレーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を走査する走査手段と、該走査手段により走査されたレーザ光を標本に照射する一方、標本からの光を集光する対物レンズと、該対物レンズにより集光された光を検出する光検出器と、該光検出器により検出された光の輝度情報を複数ライン分の画像として記憶する記憶部と、該記憶部によって記憶された複数ライン分のライン画像において、注目画素の輝度情報と該注目画素に隣接する複数の隣接画素の輝度情報とを比較して、前記注目画素にノイズが含まれているか否かを判別する判別部と、該判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素からノイズを低減するノイズ低減部とを備え、前記判別部が、前記注目画素の輝度情報が、前記複数の隣接画素のうち最大の輝度情報を有する隣接画素の輝度情報よりも所定の倍率以上に大きい場合に、前記注目画素にノイズが含まれていると判別する顕微鏡を提供する。
上記発明において、前記所定の倍率が1〜√2の範囲であることとしてもよい。
このようにすることで、注目画素の輝度情報が、最大の輝度情報を有する隣接画素の輝度情報よりも、所定の倍率(例えば1〜√2倍)以上に大きい場合に、注目画素にノイズが含まれていると判別することができる。そして、ノイズ低減部によって注目画素からノイズが低減され、高画質な標本の画像を生成して、標本を精度良く観察することができる。
本発明の参考例としての発明において、前記判別部が、前記複数の隣接画素の輝度情報の平均値および標準偏差を算出し、前記注目画素の輝度情報が、前記平均値よりも所定の偏差以上に大きい場合に、前記注目画素にノイズが含まれていると判別することとしてもよい。
このようにすることで、注目画素の輝度情報が、複数の隣接画素の輝度情報の平均値よりも所定の偏差以上に大きい場合に、注目画素にノイズが含まれていると判別することができる。そして、ノイズ低減部によって注目画素からノイズが低減され、高画質な標本の画像を生成して、標本を精度良く観察することができる。
上記参考例としての発明において、前記ノイズ低減部は、前記判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、前記平均値に置き換えることによって、前記注目画素からノイズを低減することとしてもよい。
ノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、複数の隣接画素の輝度情報の平均値に置き換えることで、1画素だけ突出した輝度情報を有するスポットノイズを、隣接画素の輝度情報に応じて補正することができる。
上記発明において、前記ノイズ低減部は、前記判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、前記複数の隣接画素のうち最大の輝度情報を有する隣接画素の輝度情報に前記所定の倍率を乗じた値に置き換えることによって、前記注目画素からノイズを低減することとしてもよい。
ノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、最大の輝度情報を有する隣接画素の輝度情報に置き換えることで、1画素だけ突出した輝度情報を有するスポットノイズを、隣接画素の輝度情報に応じて補正することができる。
上記発明において、前記ノイズ低減部は、前記判定部によりノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、前記複数の隣接画素のうち少なくとも2つの隣接画素の輝度情報の中間値に置き換えることによって、前記注目画素からノイズを低減することとしてもよい。
ノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、複数の隣接画素のうち少なくとも2つの隣接画素の輝度情報の中間値に置き換えることで、1画素だけ突出した輝度情報を有するスポットノイズを、複数の隣接画素の輝度情報に応じて補正することができる。
上記発明において、前記光検出器により検出された光の輝度情報に基づいて画像を生成する画像生成部を備え、前記ノイズ低減部が、前記画像生成部により生成された画像の状態に応じて、前記注目画素からノイズを低減するか否かを切り替えることとしてもよい。
このようにすることで、ノイズ低減処理が不要な画像、または、ノイズ低減処理により画質が低下してしまう画像については、注目画素からノイズを低減せずに、そのまま画像生成部により画像を生成することで、画質の低下を防止して標本を精度良く観察することができる。
本発明によれば、重要なフレーム間における変化をノイズとして認識することなく、リアルタイムに近い時間でノイズ低減処理を行うことができるという効果を奏する。
本発明の各実施形態に係る顕微鏡の概略構成図である。 第1の実施形態における演算回路の機能ブロック図である。 図2の演算回路により実行される処理を示すフローチャートである。 3×3の画素ブロックの状態を説明する図であり、(a)は中心画素のみ輝度値が高い場合、(b)は複数画素の輝度値が高い場合、(c)は少なくとも1つの隣接画素の輝度値が他の隣接画素の輝度値よりも大きく且つ中心画素の輝度値よりも小さい場合を示している。 端部の画素に対する鏡像処理を説明する図である。 鏡像処理を行った場合の3×3の画素ブロックの状態を説明する図である。 第2の実施形態における演算回路の機能ブロック図である。 図7の演算回路により実行される処理を示すフローチャートである。 本発明の参考例としての発明の一参考実施形態における演算回路の機能ブロック図である。 図9の演算回路により実行される処理を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の顕微鏡1の構成図である。図1に示すように、本実施形態の顕微鏡1は、レーザ光源10と、顕微鏡本体100と、制御部200と、モニタ22とを主な構成要素として備えている。
レーザ光源10は、試料(標本)4の表面を走査するスポット光(集束光)としてのレーザ光を射出するようになっている。このレーザ光は、試料A内の蛍光指示薬を励起させ、蛍光を発生させる。
顕微鏡本体100は、2次元走査機構(走査手段)12と、2次元走査駆動制御回路13と、対物レンズ14と、レボルバ15と、ステージ16と、ダイクロイックミラー17と、レンズ18と、ピンホール板19と、バリアフィルタ23と、光検出器20とを備えている。
2次元走査機構12は、例えばアルミコートされた一対のガルバノミラーを有しており、これら一対のガルバノミラーの角度を変化させ、ラスタスキャン方式で駆動されるようになっている。このような構成を有することで、2次元走査機構12は、2次元走査駆動制御回路13による制御に基づいて、レーザ光源10からのレーザ光を、試料A上においてXY方向に2次元走査するようになっている。
対物レンズ14は、2次元走査機構12により走査されたレーザ光をステージ16上に載置された試料A上に照射する一方、試料Aから発生した蛍光を集光するようになっている。
レボルバ15は、倍率の異なる対物レンズ14を複数保持しており、複数の対物レンズ14のうち、所望の倍率を有する対物レンズ14を顕微鏡1の観察光路に配置することができるようなっている。
ダイクロイックミラー17は、レーザ光源10と2次元走査機構12との間におけるレーザ光の光路上に設けられており、2次元走査機構12を介して得られる試料Aからの蛍光を選択して検出系に導く波長選択ミラーである。具体的には、ダイクロイックミラー17は、レーザ光源10からのレーザ光を透過させる一方、試料Aにおいて発生して対物レンズ14により集光され、2次元走査機構12を通過してきた蛍光を、光検出器20に向けて反射するようになっている。このような構成を有することで、ダイクロイックミラー17は、レーザ光の光路と試料Aからの蛍光の光路とを分岐するようになっている。
ピンホール板19は、試料A上におけるレーザ光の焦点位置から発生した蛍光のみを通過させるピンホールを有している。すなわち、対物レンズ14により集光されてダイクロイックミラー17を透過した蛍光は、ピンホール板19を通過することによりレーザ光の焦点位置から光軸方向にずれた位置からの光がカットされる。これにより、光軸方向に焦点位置と同一な面からの蛍光だけがバリアフィルタ23に入射する。また、ダイクロイックミラー17とピンホール板19との間には、試料Aからの蛍光をピンホールに集光させるレンズ18が設けられている。
バリアフィルタ23は、試料Aからの蛍光を透過させる一方、レーザ光を遮断するフィルタ特性を有しており、ピンホール板19を通過してきた蛍光からレーザ光の成分を除去するようになっている。
光検出器20は、バリアフィルタ23を透過してきた蛍光を検出し、検出した蛍光をその光量に応じた電気信号に変換する光電変換素子である。
制御部200は、AD変換器24と、演算回路25と、コンピュータ(画像生成部)21とから構成されている。
AD変換器24は、光検出器20により変換された電気信号(アナログデータ)をディジタルデータに変換し、演算回路25に出力するようになっている。
演算回路25は、AD変換器24によりディジタル化された電気信号に対して、後述するように、ゲイン演算やオフセット演算やフィルタ処理等を行うようになっている。演算回路25は、試料Aを走査した時系列の輝度データに対して逐次フィルタ処理を行い、処理後の輝度データをリアルタイムにコンピュータ21に出力するようになっている。
コンピュータ21には、演算回路25から時系列の輝度データが送られるとともに、2次元走査駆動制御回路13から2次元走査機構12による走査のタイミング信号が送られるようになっている。
コンピュータ21は、これらの信号に基づいて、時系列の輝度データを2次元的に並べ替えて試料Aの画像を生成し、モニタ22に生成した画像を表示させるようになっている。
ここで、演算回路25が有する機能について以下に説明する。
演算回路25は、図2に示すように、3ラインバッファメモリ(記憶部)31と、比較演算器(判別部)32と、ノイズ除去演算器(ノイズ低減部)33とを備えている。
3ラインバッファメモリ31は、光検出器20により検出され、AD変換器24によりディジタル化された輝度データを、3ライン分のライン画像として記憶するようになっている。
比較演算器32は、3ラインバッファメモリ31から、演算対象となる対象画素(注目画素)と、該対象画素に隣接する隣接画素8つとから構成される3×3の画素ブロックを取り出し、対象画素の輝度データと隣接画素8つ分の輝度データとを受け取るようになっている。比較演算器32の内部では、対象画素の輝度値と隣接画素の輝度値の大きさとが比較され、隣接画素の輝度値の方が大きければ、対象画素にノイズ分が含まれていないと判断される。
このような処理は8つの隣接画素全てに対して行われる。比較の結果、対象画素の輝度値が全ての隣接画素の輝度値に対して大きい場合、ノイズ除去演算器33によって対象画素に対してノイズ除去演算が行われる。
ノイズ除去演算器33は、隣接画素との差分の最小値を引いた値に、対象画素の輝度値を変更する。すなわち、ノイズ除去演算器33は、比較演算器32によりノイズが含まれていると判別された対象画素の輝度値を、8つの隣接画素のうち最大の輝度値を有する隣接画素の輝度情報に置き換える。
ここで、除去したいノイズは、熱電子が増幅された信号分である。このノイズは、正方向のみに発生し、そのピーク値は熱電子がどの電極に入ったかによるため、ランダムな大きさを有している。また、このノイズは、ちらつきやざらつきのように、目視が可能であるため、対象画素から隣接画素に、連続して同程度のノイズが混入する確率は低いと考えることができる。
そのため、生成される画像が、繊維状の構造や生体膜等の境界や輪郭を持つ標本の画像であれば、ノイズ低減処理の対象画素と同程度の輝度値を有する隣接画素が存在するはずである。対象画素が何らかの構造物の一部かどうかを判別するには、近傍の画素を切り取ってパターンマッチングなどの処理を行うことも考えられるが、これに代えて、中央の対象画素と同程度の輝度を有する隣接画素があれば、何らかの構造物の一部として判断することができる。この場合において、特に3×3画素の領域で隣接画素との比較を行うことで、高速な処理を実現することができる。
したがって、対象画素の輝度値と全ての隣接画素の輝度値とを比較し、対象画素の輝度値が、隣接画素のうち最も高い輝度値と同程度であれば、繊維状の標本あるいは輪郭部分と判断する。一方、対象画素の輝度値が、隣接画素のうち最も高い輝度値よりも大きければ、標本の画像にノイズが重畳されていると考えられるので、対象画素の輝度値をカットすることでノイズが低減される。
上記構成を有する顕微鏡1の作用について以下に説明する。
レーザ光源10から出射されたレーザ光は、顕微鏡本体100内にあるダイクロイックミラー17を透過して、2次元走査機構12に入射し、2次元走査機構12の動作によって偏向され、試料A上において2次元的に走査される。
走査されたレーザ光は、レボルバ15を介して対物レンズ14に入射し、ステージ16上に置かれた試料A上に集光されて照射される。試料Aの焦点面においては、レーザ光により試料A内の蛍光物質が励起されて蛍光が発生する。
試料Aから発せられた蛍光は、対物レンズ14により集光され、2次元走査機構12を介して、ダイクロイックミラー17により反射される。ダイクロイックミラー17により反射された蛍光は、レンズ18により集光され、ピンホール板19のピンホールへ導光される。
ピンホール板19では、試料Aの焦点面において発生した蛍光のみが通過され、レーザ光の焦点位置(測定点)に対して光軸方向にずれた位置からの光がカットされる。これにより、光軸方向に測定点と同一な面からの蛍光だけがバリアフィルタ23に入射される。
バリアフィルタ23では、ピンホール板19を通過してきた蛍光からレーザ光の成分が除去される。バリアフィルタ23を透過した蛍光は、光検出器20に入射し、その光量に応じた電気信号に変換される。この電気信号は、A/D変換器24によりアナログ信号からディジタル信号に変換され、演算回路25に送られる。
演算回路25では、AD変換器24によりディジタル化された電気信号に対して、ノイズの有無が判定されるとともに、ノイズの低減処理が行われる。そして、ノイズ低減後の電気信号に基づいてコンピュータ21により画像が生成され、モニタ22に試料Aの画像が表示される。
以下に、演算回路25により実行される処理について、図3のフローチャートに従って説明する。
まず、対象画素を中心とする3×3の画素ブロックの9画素の輝度データが、3ラインバッファメモリ31から取り出される(ステップS1)。
次に、対象画素の輝度値と隣接画素の輝度値との比較が行われる(ステップS2)。具体的には、対象画素の輝度値から隣接画素の輝度値を減算した値DEFが、0よりも大きいか否かが判断される。
ステップS2において、対象画素の輝度値が隣接画素の輝度値以下である場合には、コンピュータ21への出力データとして、対象画素の輝度値がそのまま出力される(ステップS3)。
一方、ステップS2において、対象画素の輝度値が隣接画素の輝度値よりも大きい場合には、その際のDEF(対象画素の輝度値から隣接画素の輝度値を減算した値)が、他の隣接画素におけるDEFのうち、最小の値DEF(MIN)よりも小さいか否かが判断される(ステップS4)。
ステップS4において、DEFがDEF(MIN)よりも小さい場合には、そのDEFがDEF(MIN)として新たに設定される(ステップS5)。
そして、対象画素の輝度値が8つ全ての隣接画素の輝度値との比較が完了するまで、ステップS2からS5までの処理が繰り返される(ステップS6)。
そして、比較が完了した場合には、コンピュータ21への出力データとして、対象画素の輝度値からDEF(MIN)を減算した値が出力される(ステップS7)。
上記の演算回路25により実行される処理について、図4に示す具体例を用いて以下に説明する。
対象画素の輝度値が隣接画素の輝度値よりも大きい場合として、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示す場合が考えられる。
図4(a)は、3ラインバッファメモリ31から取り出された3×3の画素ブロックにおいて、8つの隣接画素Bの輝度値が等しく、且つ、中央の対象画素Aの輝度値が8つの隣接画素Bの輝度値よりも大きい場合を示している。この場合には、対象画素Aのみが周囲と比較して突出した輝度値を有しているため、対象画素Aにノイズが含まれていると判断される。したがって、対象画素Aの輝度値を、隣接画素Bの輝度値に置き換えることで、対象画素Aからノイズが低減処理される。
図4(b)は、3ラインバッファメモリ31から取り出された3×3の画素ブロックにおいて、中央の対象画素Aの輝度値が、8つの隣接画素Bのうち2つの隣接画素B1,B2の輝度値と等しく、他の隣接画素の輝度値よりも大きい場合を示している。この場合には、試料Aが例えば微細な繊維構造を有しており、試料Aが3×3の画素ブロックの複数画素に渡っていると考えられる。したがって、対象画素Aにはノイズが含まれていないと判断され、コンピュータ21への出力データとして、対象画素Aの輝度値がそのまま出力される。
図4(c)は、3ラインバッファメモリ31から取り出された3×3の画素ブロックにおいて、8つの隣接画素Bのうち2つの隣接画素B1,B2の輝度値が他の隣接画素の輝度値よりも大きく、且つ、中央の対象画素Aの輝度値が2つの隣接画素B1,B2よりも大きい場合を示している。この場合には、試料Aが例えば微細な繊維構造を有しており、試料Aが3×3の画素ブロックの複数画素に渡っているとともに、対象画素Aにノイズが重畳されていると考えられる。したがって、対象画素Aの輝度値を、2つの隣接画素B1,B2の大きい方の輝度値に置き換えることで、対象画素Aからノイズが低減処理される。
以上のように、本実施形態に係る顕微鏡1によれば、3ラインバッファメモリ31に記憶された3ライン分のライン画像において、比較演算器32によって、対象画素Aの輝度値と該注目画素Aに隣接する複数の隣接画素Bの輝度値とが比較されて、対象画素Aにノイズが含まれているか否かが判別される。そして、ノイズ除去演算器33によって、ノイズが含まれていると判別された対象画素Aからノイズが除去される。これにより、3ラインバッファメモリ31に記憶されたライン画像からノイズが低減されるので、このノイズ低減後のライン画像を用いて、高画質な試料Aの画像を生成することができ、試料Aを精度良く観察することができる。
また、このように単一のフレームにおいてノイズを低減することで、重要なフレーム間における変化(例えば、生体反応の変化や標本の移動など)をノイズとして認識せずに、その変化を観察することができる。また、全体のフレーム画像ではなく、複数ライン分のライン画像を用いて簡単な演算でノイズを低減することで、動画のような高速な画像についてもリアルタイムに近い時間でノイズの低減処理を行うことができる。
また、ノイズが含まれていると判別された対象画素Aの輝度値を、最大の輝度値を有する隣接画素Bの輝度値に置き換えることで、1画素だけ突出した輝度値を有するスポットノイズを、隣接画素Bの輝度値に応じて補正することができる。
なお、ノイズが含まれていると判別された対象画素Aの輝度値を、複数の隣接画素Bのうち少なくとも2つの隣接画素の輝度値の中間値に置き換えることとしてもよい。このようにすることで、1画素だけ突出した輝度値を有するスポットノイズを、少なくとも2つの隣接画素Bの輝度値に応じて補正することができる。
また、対象画素を中心とする3×3の画素ブロック切り取ってノイズの低減処理を行うと、画像の四方、1ライン目、および最終ラインでは、画像の外に隣接画素がないので、正常な処理を行うことができない。これを回避するために、ノイズの低減処理用にそれぞれの方向に1ライン分余計に画像データを取っておき(例えば、512×512画素の画像の場合、514×514画素のデータを取る)、ノイズの低減処理後のデータでは端側の1ライン分のデータを削除することとしてもよい。
また、図5に示すように、画像の四方、1ライン目、および最終ラインにおいては、画像の外に鏡像させ、鏡像させた画素を隣接画素として用いてもよい。この場合には、図6に示すように隣接画素を鏡像させた3×3の画素ブロックを切り出し、これら隣接画素を用いて対象画素(1,1)に対するノイズの判定および低減処理を行うこととしてもよい。
また、ノイズを低減した状態でKalmanフィルタなどを行うことで、上記処理では対応しきれない、回路系で発生するホワイトノイズなどのランダムノイズ分の除去も行えるので、S/Nをより向上させることができる。
また、演算回路25における処理は、AD変換器24からのデータをコンピュータ21に取り込んだあと、コンピュータ21内のメモリと演算機能で処理してもよい。
また、上記の処理はリアルタイムに処理することも可能だが、オフラインですでに取得済みのデータを使用してノイズ低減処理を行ってもかまわない。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡が第1の実施形態と異なる点は、取り出した複数画素の輝度値を大きさ順に並び替えて、対象画素にノイズが含まれているか否かを判断する点である。以下、本実施形態の顕微鏡2について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡2において、演算回路25は、図7に示すように、ラインバッファメモリ31と比較演算器32との間に、ソート回路35が設けられている。
ソート回路35は、3ラインバッファメモリ31から、演算対象となる対象画素と、該対象画素に隣接する隣接画素8つとから構成される3×3の画素ブロックを取り出し、対象画素の輝度データと8つの隣接画素の輝度データを受け取る。ソート回路35では、これらの輝度データの並び替えが行われ、最大値と2番目に大きい値が抽出される。
比較演算器33では、最大値が対象画素の輝度値かどうかを判別し、最大値が対象画素の輝度値でない場合、出力データはそのままの値とする。一方、最大値が対象画素の輝度値の場合、2番目の値との差分または比率をとり、一定値以上の差がある場合にノイズの低減処理が行われる。
上記の演算回路25により実行される処理について、図8のフローチャートに従って説明する。
まず、対象画素を中心とする3×3の画素ブロックの9画素の輝度データが、3ラインバッファメモリ31から取り出される(ステップS11)。
次に、ソート回路35によって、3×3の画素ブロックの9画素の輝度値の並び替えが行われ(ステップS12)、9画素の輝度値における最大値が抽出される(ステップS13)。そして、対象画素の輝度値と9画素の輝度値における最大値との比較が行われる(ステップS14)。
ステップS14において、対象画素の輝度値と9画素の輝度値における最大値とが等しくない場合、すなわち、対象画素の輝度値よりも大きな輝度値を有する隣接画素が存在する場合には、コンピュータ21への出力データとして、対象画素の輝度値がそのまま出力される。
一方、ステップS14において、対象画素の輝度値と9画素の輝度値における最大値とが等しい場合、すなわち、対象画素の輝度値がいずれの隣接画素の輝度値よりも大きい場合には、9画素のうち2番目に大きな輝度値を有する画素の輝度値が抽出される(ステップS15)。
次に、2番目に大きな輝度値に係数kを乗じた値と、9画素の輝度値における最大値(すなわち、対象画素の輝度値)との比較が行われる(ステップS16)。ここで、kは、例えば1〜√2の間において予め設定された係数である。
ステップS16において、9画素の輝度値における最大値(すなわち、対象画素の輝度値)が、2番目に大きな輝度値に係数kを乗じた値以下である場合には、コンピュータ21への出力データとして、対象画素の輝度値がそのまま出力される。
一方、ステップS16において、9画素の輝度値における最大値(すなわち、対象画素の輝度値)が、2番目に大きな輝度値に係数kを乗じた値よりも大きな場合には、対象画素の輝度値として、2番目に大きな輝度値に係数kを乗じた値が、コンピュータ21に出力される(ステップS17)。
以上のように、本実施形態に係る顕微鏡2によれば、対象画素の輝度値が、2番目に大きな輝度値(すなわち、8つの隣接画素のうち最大の輝度値)よりも、所定の倍率(例えば1〜√2倍)以上に大きい場合に、対象画素Aにノイズが含まれていると判断することができる。
そして、対象画素の輝度値を、2番目に大きな輝度値に係数kを乗じた値とすることで、1画素だけ突出した輝度値を有するスポットノイズを、隣接画素の輝度値に応じて補正することができる。
また、係数kの値を変化させることで、ノイズの低減レベルを可変とすることができ、画像状態に応じてノイズを低減して、標本を精度良く観察することができる。
また、2番目に大きな輝度値との比較だけでなく、3番目に大きな輝度値とも比較することで、ノイズ判別の条件を絞ってもよい
また、隣接画素として3×3画素の領域で比較を行っているが、ノイズ判別の条件を詳しくするために、例えば対象画素を中心とする5×5画素における25個のデータで比較を行ってもよい。
一参考実施形態〕
次に、本発明の参考例としての発明の一参考実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡が前述の各実施形態と異なる点は、複数の隣接画素の輝度値の平均値および標準偏差を算出し、対象画素の輝度値が、前記平均値よりも所定の偏差以上に大きい場合に、対象画素にノイズが含まれていると判断する点である。以下、本実施形態の顕微鏡3について、前述の各実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡3において、演算回路25は、図9に示すように、ラインバッファメモリ31と比較演算器32との間にソート回路35が設けられているとともに、ソート回路35と比較演算器32との間に偏差平均値演算回路36が設けられている。
ソート回路35は、ラインバッファメモリ31から演算対象となる対象画素の輝度データと、この対象画素に隣接する8つの隣接画素の輝度データを受け取る。ソート回路35では、輝度データの並び替えが行われ、9つの画素の輝度値のうち最大値が抽出される。
偏差平均値演算回路36は、ソート回路35による処理と平行して、複数の隣接画素の輝度値の平均値AVおよび偏差ρを算出するようになっている。
比較演算器32では、ソート回路35により抽出された最大値が対象画素の輝度値であるか否かを判別し、最大値が対象画素の輝度値でない場合、コンピュータ21への出力データはそのままの値とされる。
一方、最大値が対象画素の輝度値の場合、例えば以下の(1)式に示すように、平均値AVからの乖離が一定値以上である場合にはノイズの低減処理が行われる。
最大値>k×ρ+AV・・・(1)
ここで、kは、例えば1以上の予め設定された係数である。
ノイズ除去演算部33では、コンピュータ21への出力データとして、(1)式の右辺k×ρ+AVを出力する。
上記の演算回路25により実行される処理について、図10のフローチャートに従って説明する。
まず、対象画素を中心とする3×3の画素ブロックの9画素の輝度データが、3ラインバッファメモリ31から取り出される(ステップS21)。
次に、ソート回路35によって、3×3の画素ブロックの9画素の輝度値の並び替えが行われ(ステップS22)、9画素の輝度値における最大値が抽出される(ステップS23)。また、ステップS23と平行して、偏差平均値演算回路36によって、8つの隣接画素の平均値AVおよび偏差ρが算出される(ステップS24,S25)。
次に、対象画素の輝度値と9画素の輝度値における最大値との比較が行われる(ステップS26)。
ステップS26において、対象画素の輝度値と9画素の輝度値における最大値とが等しくない場合、すなわち、対象画素の輝度値よりも大きな輝度値を有する隣接画素が存在する場合には、コンピュータ21への出力データとして、対象画素の輝度値がそのまま出力される。
一方、ステップS26において、対象画素の輝度値と9画素の輝度値における最大値とが等しい場合、すなわち、対象画素の輝度値がいずれの隣接画素の輝度値よりも大きい場合には、対象画素の輝度値(最大値)が(1)式の右辺(k×ρ+AV)よりも大きいか否かが判定される(ステップS27)。
ステップS27において、対象画素の輝度値が(k×ρ+AV)以下の場合には、コンピュータ21への出力データとして、対象画素の輝度値がそのまま出力される。
一方、ステップS27において、対象画素の輝度値が(k×ρ+AV)よりも大きい場合には、対象画素の輝度値として、(1)式の右辺(k×ρ+AV)が、コンピュータ21に出力される(ステップS28)。
以上のように、本実施形態に係る顕微鏡3によれば、対象画素の輝度値が、複数の隣接画素の輝度値の平均値AVよりも所定の偏差(k×ρ)以上に大きい場合に、対象画素にノイズが含まれていると判断することができる。
そして、ノイズ除去演算部33によって、ノイズが含まれていると判別された対象画素の輝度値を、(1)式の右辺(k×ρ+AV)に置き換えることで、1画素だけ突出した輝度値を有するスポットノイズを、隣接画素の輝度値に応じて補正することができる。
なお、ステップS28において、係数Kを0として、ノイズが含まれていると判別された対象画素の輝度値を、複数の隣接画素の輝度値の平均値AVに置き換えることとしてもよい。
また、隣接画素として3×3画素の領域で比較を行っているが、ノイズ判別の条件を詳しくするために、例えば対象画素を中心とする5×5画素における25個のデータで比較を行ってもよい。
〔第の実施形態〕
次に、本発明の第の実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡4は、前述の各実施形態における演算回路25において、コンピュータ21により生成された画像の状態に応じて、対象画素からノイズを低減するか否かを切り替えることができるようになっている。
標本の形状が不明な状態で標本の位置だしを行う場合、または微小な粒上の標本(1画素程度の大きさ)を観察するときには、ノイズの低減処理は邪魔となることがあるので、このような場合には演算回路25によるノイズの低減機能をOFFにする。
このようにすることで、ノイズ低減処理が不要な画像、または、ノイズ低減処理により画質が低下してしまう画像については、対象画素からノイズを低減せずに、そのままコンピュータ21により画像を生成することで、画質の低下を防止して標本を精度良く観察することができる。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、各実施形態において、ノイズの判定および低減処理を1画素ずつ行うものとして説明したが、対象画素を2画素以上のブロックとして、該ブロックでノイズの判定および低減処理を行うこととしてもよい。
また、3×3の画素ブロックを取り出して対象画素のノイズの判定および低減処理を行うこととして説明したが、5×5以上の画素ブロックを用いて対象画素のノイズの判定および低減処理を行うこととしてもよい。
A 試料(標本)
1,2,3,4 顕微鏡
10 レーザ光源
12 2次元走査機構(走査手段)
13 2次元走査駆動制御回路
14 対物レンズ
20 光検出器
21 コンピュータ(画像生成部)
22 モニタ
25 演算回路
31 3ラインバッファメモリ(記憶部)
32 比較演算器(判別部)
33 ノイズ除去演算器(ノイズ低減部)
35 ソート回路
36 偏差平均値演算回路
100 顕微鏡本体
200 制御部

Claims (7)

  1. レーザ光を射出するレーザ光源と、
    該レーザ光源からのレーザ光を走査する走査手段と、
    該走査手段により走査されたレーザ光を標本に照射する一方、標本からの光を集光する対物レンズと、
    該対物レンズにより集光された光を検出する光検出器と、
    該光検出器により検出された光の輝度情報を複数ライン分の画像として記憶する記憶部と、
    該記憶部によって記憶された複数ライン分のライン画像において、注目画素の輝度情報と該注目画素に隣接する複数の隣接画素の輝度情報とを比較して、前記注目画素にノイズが含まれているか否かを判別する判別部と、
    該判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素からノイズを低減するノイズ低減部とを備え
    前記判別部が、少なくとも2つの前記隣接画素の輝度情報が他の前記隣接画素の輝度情報よりも大きく、かつ、前記注目画素の輝度情報が前記少なくとも2つの隣接画素の輝度情報よりも大きい場合に、該注目画素にノイズが含まれていると判別し、
    前記ノイズ低減部が、前記注目画素の輝度情報を、前記少なくとも2つの隣接画素の大きい方の輝度情報に置き換える、または、前記少なくとも2つの隣接画素の輝度情報の中間値に置き換える顕微鏡。
  2. 前記判別部が、前記注目画素の輝度情報が、少なくとも2つの前記隣接画素の輝度情報と等しく、かつ、他の前記隣接画素の輝度情報よりも大きい場合に、該注目画素にノイズが含まれていないと判別する請求項1に記載の顕微鏡。
  3. レーザ光を射出するレーザ光源と、
    該レーザ光源からのレーザ光を走査する走査手段と、
    該走査手段により走査されたレーザ光を標本に照射する一方、標本からの光を集光する対物レンズと、
    該対物レンズにより集光された光を検出する光検出器と、
    該光検出器により検出された光の輝度情報を複数ライン分の画像として記憶する記憶部と、
    該記憶部によって記憶された複数ライン分のライン画像において、注目画素の輝度情報と該注目画素に隣接する複数の隣接画素の輝度情報とを比較して、前記注目画素にノイズが含まれているか否かを判別する判別部と、
    該判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素からノイズを低減するノイズ低減部とを備え、
    前記判別部が、前記注目画素の輝度情報が、前記複数の隣接画素のうち最大の輝度情報を有する隣接画素の輝度情報よりも所定の倍率以上に大きい場合に、前記注目画素にノイズが含まれていると判別する顕微鏡。
  4. 前記所定の倍率が1〜√2の範囲である請求項3に記載の顕微鏡。
  5. 前記ノイズ低減部は、前記判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、前記複数の隣接画素のうち最大の輝度情報を有する隣接画素の輝度情報に前記所定の倍率を乗じた値に置き換えることによって、前記注目画素からノイズを低減する請求項3または請求項4に記載の顕微鏡。
  6. 前記ノイズ低減部は、前記判別部によりノイズが含まれていると判別された注目画素の輝度情報を、前記複数の隣接画素のうち少なくとも2つの隣接画素の輝度情報の中間値に置き換えることによって、前記注目画素からノイズを低減する請求項3または請求項4に記載の顕微鏡。
  7. 前記光検出器により検出された光の輝度情報に基づいて画像を生成する画像生成部を備え、
    前記ノイズ低減部が、前記画像生成部により生成された画像の状態に応じて、前記注目画素からノイズを低減するか否かを切り替える請求項1から請求項6のいずれかに記載の顕微鏡。
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