JP6305115B2 - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、走査型レーザ顕微鏡に関するものである。
従来、生物系研究分野、特に顕微鏡を使用した研究市場において微弱な蛍光を検出することが求められており、検出器として光電子増倍管(PMT)を備えた走査型レーザ顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、PMTは過大な光が入射すると劣化または損傷する虞があるため、過大な光による劣化や損傷を防止するための保護回路により、強い入射光に起因してPMTから一定値以上の信号が所定時間出力された場合にPMTの動作を停止させることが知られている。
特開2005−352100号公報
しかしながら、従来の走査型レーザ顕微鏡は、「所定時間」として瞬間的(例えば50nsec程度)な時間を設定し、実質的にはPMTから一定値以上の信号が出力されると瞬時にPMTの動作を停止させている。そのため、取得する信号が広いダイナミックレンジの輝度情報を有していた場合は、強度が強い一部の輝度情報によりPMTの動作を停止させてしまうことになり、所望の画像を取得することができず、使用者の使い勝手を損なうという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、検出器の劣化を防止しつつ広いダイナミックレンジの輝度情報を取得して観察可能な走査型レーザ顕微鏡を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1態様は、光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、該走査部によりレーザ光が走査された前記標本からの光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、該光検出部から出力された光強度信号を前記走査部の走査位置に対応する画素毎に輝度情報に変換して、前記標本の画像を生成する画像生成部と、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を算出する情報算出部と、該情報算出部により算出された前記光強度情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、該閾値判定部により前記光強度情報が前記所定の閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による光の検出を停止させる制御部とを備え、前記画像生成部が、画素毎に変換した輝度情報を所定のピクセルクロックで積算して画像を生成し、前記情報算出部が、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号を前記画像生成部の前記ピクセルクロックよりも長い周期で積分した積分値を前記光強度情報とする走査型レーザ顕微鏡である。
本発明の第2態様は、光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、該走査部によりレーザ光が走査された前記標本からの光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、該光検出部から出力された光強度信号を前記走査部の走査位置に対応する画素毎に所定のピクセルクロックで積算した輝度情報に変換して、前記標本の画像を生成する画像生成部と、前記輝度情報を複数ピクセルクロック分加算し、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を算出する情報算出部と、該情報算出部により算出された前記光強度情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、該閾値判定部により前記光強度情報が前記所定の閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による光の検出を停止させる制御部とを備え、前記画像生成部が、所定のピクセルクロックの整数分の1のサンプリング周期で前記輝度情報をデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、前記情報算出部が、前記サンプリング周期ごとに前記A/D変換部により変換された前記輝度情報と該A/D変換部によりA/D変換可能な上限値とを比較し、加算すべき輝度情報を決定する管理部と、該管理部により前記輝度情報が前記上限値よりも小さいと判定された場合に該輝度情報とそのサンプリング時刻とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理部により決定された前記加算すべき輝度情報を前記ピクセルクロックよりも長い周期で加算する加算部とを備え、前記管理部が、各前記ピクセルクロックにおける比較の結果、前記輝度情報が前記上限値よりも小さい場合にはその輝度情報を前記加算すべき輝度情報として決定し、前記輝度情報が前記上限値に等しい場合には、前記記憶部に記憶されている前記輝度情報とそのサンプリング時刻とに基づく推定値を前記加算すべき輝度情報として決定する走査型レーザ顕微鏡である。
本発明の第3態様は、光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、該走査部によりレーザ光が走査された前記標本からの光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、該光検出部から出力された光強度信号を前記走査部の走査位置に対応する画素毎に輝度情報に変換して、前記標本の画像を生成する画像生成部と、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を算出する情報算出部と、該情報算出部により算出された前記光強度情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、該閾値判定部により前記光強度情報が前記所定の閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による光の検出を停止させる制御部とを備え、前記画像生成部が、画素毎に変換した輝度情報を所定のピクセルクロックで加算して画像を生成し、前記情報算出部が、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号を前記画像生成部の前記ピクセルクロックよりも長い周期で加算した加算値を前記光強度情報とする走査型レーザ顕微鏡である。
本発明によれば、光源からレーザ光が発せられると、走査部によりそのレーザ光が標本上で2次元的に走査され、標本からの光が光検出部によって検出されて光強度信号が出力され、画像生成部によりその光強度信号が輝度情報に変換されて標本の画像が生成される。これにより、標本の走査範囲を画像上で観察することができる。
この場合において、光電子増倍管のような光検出部は、一定時間内に入射する光の総量が一定量を超えると劣化が促進する傾向がある。これに対して、本発明は、光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を情報算出部により算出し、算出した光強度情報が所定の閾値を超えたと閾値判定部により判定された場合に制御部により光検出部による光の検出を停止させることで、閾値以上の量の光が光検出部に入射するのを防ぐことができる。例えば、光検出部の劣化が促進される光の総量の上限値を所定の閾値として設定すれば、光検出部に過大な光が入射され続ける場合に光検出部の劣化が促進するのを防ぐことができる。
また、一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を用いることで、強度が強い一部の光強度信号に影響されずに光検出部による光の検出を制御して画像を取得することができる。例えば、標本の表面に付着した微量の蛍光試薬の蛍光により瞬間的に強度な光強度信号が出力されても、光検出部による光の検出を停止させるということがない。
したがって、光検出部の劣化を防止しつつ広いダイナミックレンジの輝度情報を取得して観察することができる。
上記第1態様においては、前記画像生成部が、画素毎に変換した輝度情報を所定のピクセルクロックで積算して画像を生成し、前記情報算出部が、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号を前記画像生成部の前記ピクセルクロックよりも長い周期で積分した積分値を前記光強度情報とする
このように構成することで、光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量を正確に算出することができる。これにより、光検出部の劣化の促進を防止するのに適切な閾値を設定することができる。
上記第1態様においては、前記情報算出部が、前記走査部により前記標本上でレーザ光が走査される走査期間と前記光源からのレーザ光の発生を停止してレーザ光の走査線を元の位置へ戻す帰線期間とを通して積分処理を行うこととしてもよい。
このように構成することで、光検出部の劣化の促進を防止するのに正確な閾値を設定することができる。
上記第2態様においては、前記画像生成部が、前記光強度信号を画素毎に所定のピクセルクロックで積算した輝度情報を用いて画像を生成し、前記情報算出部が、前記輝度情報を複数ピクセルクロック分加算して前記光強度情報を算出する。
このように構成することで、画像生成部により画像を生成する輝度情報を用いて情報算出部により光強度情報を算出することができる。したがって、光強度信号を積算する回路が1つで済み、構成を簡略化することができる。
上記第2態様においては、前記画像生成部が、所定のピクセルクロックの整数分の1のサンプリング周期で前記輝度情報をデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、前記情報算出部が、前記サンプリング周期ごとに前記A/D変換部により変換された前記輝度情報と該A/D変換部によりA/D変換可能な上限値とを比較し、加算すべき輝度情報を決定する管理部と、該管理部により前記輝度情報が前記上限値よりも小さいと判定された場合に該輝度情報とそのサンプリング時刻とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理部により決定された前記加算すべき輝度情報を前記ピクセルクロックよりも長い周期で加算する加算部とを備え、前記管理部が、各前記ピクセルクロックにおける比較の結果、前記輝度情報が前記上限値よりも小さい場合にはその輝度情報を前記加算すべき輝度情報として決定し、前記輝度情報が前記上限値に等しい場合には、前記記憶部に記憶されている前記輝度情報とそのサンプリング時刻とに基づく推定値を前記加算すべき輝度情報として決定する
A/D変換部によりA/D変換可能な上限値を超えるような過大な光が光検出部に入射した場合、A/D変換部の出力は飽和してしまい輝度情報の正確なデジタル信号が得られない。上記構成によれば、A/D変換部によりピクセルクロックでA/D変換された輝度情報がA/D変換部の上限値に等しくなった場合は、管理部が、記憶部に記憶している輝度情報とそのサンプリング時刻とに基づいて加算すべき輝度情報を推定することで、加算部により光強度情報を精度よく算出することができる。したがって、A/D変換部の上限値を超えるような過大な光が光検出部に入射した場合であっても、光検出部を確実に保護することができる。
上記第3態様においては、前記画像生成部が、画素毎に変換した輝度情報を所定のピクセルクロックで加算して画像を生成し、前記情報算出部が、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号を前記画像生成部の前記ピクセルクロックよりも長い周期で加算した加算値を前記光強度情報とする
このように構成することで、光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量を的確に算出することができる。
上記各態様においては、前記制御部が、前記光検出部に印加する駆動電圧をON/OFFすることとしてもよい。
このように構成することで、光検出部に印加する駆動電圧を制御部によってOFFするだけで、光検出部に光が入射するのを防ぐことができる。
上記各態様においては、前記制御部が、前記光検出部に入射しようとする光を遮断可能な遮断部材を挿脱することとしてもよい。
このように構成することで、光検出部に印加する駆動電圧をOFFすることなくONしたままで、光検出部に光が入射するのを防ぐことができる。
本発明によれば、検出器の劣化を防止しつつ広いダイナミックレンジの輝度情報を取得して観察することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システムの概略構成図である。 図1の光検出回路の詳細を示すブロック図である。 図1の顕微鏡システムによる光検出回路への入力電流の強度と時間の関係、PCに送られる電圧信号の画像輝度値と時間との関係、および、検出器から一定時間内に出力される光強度信号の総量に対応する積分値と時間との関係を説明するグラフである。 本発明の第1実施形態の変形例に係る顕微鏡システムの光検出回路の詳細を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る顕微鏡システムの光検出回路の詳細を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る顕微鏡システムの光検出回路の詳細を示すブロック図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システム(走査型レーザ顕微鏡)について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100は、図1に示されるように、レーザ光を発する光源ユニット(光源)10と、光源ユニット10から発せられたレーザ光を標本Sに照射する顕微鏡装置20と、顕微鏡装置20によりレーザ光が照射された標本Sにおいて発生する蛍光を検出する光検出システム40と、光検出システム40により蛍光が検出された標本Sの画像を表示するモニタ49とを備えている。
光源ユニット10としては、例えば、多波長レーザ光源が用いられる。光源ユニット10は、レーザ光を発生するスーパコンティニュムレーザ等の光源部11A,11Bと、光源部11Aから発生されたレーザ光を反射する反射ミラー13と、反射ミラー13により反射されたレーザ光を透過する一方、光源部11Bから発生されたレーザ光を反射し、これらの各レーザ光の光路を合成するダイクロイックミラー(DM)15と、ダイクロイックミラー15により光路が合成されたレーザ光を調光する音響光学素子のような調光部17とを備えている。
この光源ユニット10は、レーザ光源部11A,11Bからレーザ光を発生させて調光部17により各レーザ光の波長選択および強度調整を制御することによって、所定の波長域で所定の強度のレーザ光を発することができるようになっている。
顕微鏡装置20は、標本Sを載置するステージ31を有する顕微鏡本体30と、光源ユニット10から発せられたレーザ光を反射して標本S上で走査させるスキャナ(走査部)21と、スキャナ21により反射されたレーザ光を集光する瞳投影レンズ(PL)23と、瞳投影レンズ23により集光されたレーザ光を顕微鏡本体30に向けて反射する反射ミラー25とを備えている。
スキャナ21としては、例えば、ガルバノミラー、共振スキャナ、または、AOD(Acousto−Optic Deflector、音響光学偏向素子)等を用いることができる。
顕微鏡本体30は、ステージ31の他に、反射ミラー25により入射するレーザ光を平行光に変換する結像レンズ(TL)33と、結像レンズ33により平行光に変換されたレーザ光を標本Sに照射し、標本Sにおいて発生する蛍光を集光する複数の対物レンズ35と、これら複数の対物レンズ35を保持し、レーザ光の光路上に対物レンズ35を択一的に配置可能なレボルバ37とを備えている。
また、顕微鏡装置20には、光源ユニット10からのレーザ光を反射してスキャナ21に入射させる一方、対物レンズ35により集光されてレーザ光の光路を逆方向に戻る蛍光を透過させてレーザ光の光路から分岐させるダイクロイックミラー(DM)27と、ダイクロイックミラー27を透過した蛍光を集光する集光レンズ(CFL)29と、集光レンズ29により集光された蛍光の一部を通過させるピンホール(PH)37と、ピンホール37を通過した蛍光を平行光に変換して光検出システム40に入射させるコリメートレンズ39とを備えている。
光検出システム40は、コリメートレンズ39により平行光に変換された蛍光を検出して電流信号(光強度信号)を出力する検出器(光検出部)41と、検出器41から出力される電流信号を処理する光検出回路50と、光源ユニット10やスキャナ21、検出器41および光検出回路50等を制御する制御装置43と、標本Sの画像を生成するPC(Personal Computer、画像生成部)45とを備えている。
この光検出システム40には、ユーザがPC45を操作する指示を入力する入力部47と、PC45により生成された画像を表示するモニタ49とが接続されている。
検出器41としては、例えば、PMT(Photo Multiplier Tube)やHPD(Hybrid Photo Detector)を用いることができる。この検出器41は、検出した光を光電変換してその光量に応じた大きさの電流信号を出力するようになっている。
光検出回路50は、図2に示すように、検出器41から送られてくる電流信号を電圧信号に変換する増幅器51と、増幅器51により変換された電圧信号を積分して積分値を出力する第1積分回路60と、第1積分回路60から出力された積分値をA/D変換するADコンバータ(ADC)53と、増幅器51により変換された電圧信号を積分して積分値(光強度情報)を出力する第2積分回路(情報算出部)70と、第2積分回路70から出力された積分値と所定の閾値(Ref)とを比較するコンパレータ(閾値判定部)55と、検出器41にHVを印加する高圧電源57とを備えている。
コンパレータ55には、所定の閾値として、例えば、検出器41の劣化が促進される光の総量の上限値を設定する。
これらの積分回路60,70は、増幅器51から送られてくる電圧信号に応じた電荷を蓄積可能なコンデンサ61,71と、コンデンサ61,71による電荷の蓄積と蓄積した電荷の放電とを切り替えるスイッチ63,73と、オペアンプ等の積分器(増幅回路)65,75とを備えている。
第1積分回路60のスイッチ63は、所定の制御信号(以下、「第1リセットCLK」という。)によってON/OFF(閉/開)するようになっている。
第2積分回路70のスイッチ73は、第1リセットCLKとは異なる所定の制御信号(以下、「第2リセットCLK」という。)によってON/OFFするようになっている。
これらのスイッチ63,73がOFFした状態では、増幅器51から送られてくる電圧信号に応じた電荷がコンデンサ61,71に蓄積され、コンデンサ61,71に蓄積されている電荷に応じた積分値が出力されるようになっている。一方、スイッチ63,73がONした状態では、コンデンサ61,71に蓄積されている電荷が放電され、積分値出力がリセットされるようになっている。
第2積分回路70は、第2リセットCLKに従って電圧信号を積分することにより、検出器41から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報としてその電圧信号の積分値をコンパレータ55に送るようになっている。また、第2積分回路70は、スキャナ21により標本S上でレーザ光が走査される走査期間と、光源ユニット10からのレーザ光の発生を停止してレーザ光の走査線を元の位置へ戻す帰線期間とを通して積分処理を行うようになっている。
積分器65,75は、反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)と出力端子とを備えている。積分器65,75の反転入力端子(−)と出力端子との間にはコンデンサ61,71およびスイッチ63,73がそれぞれ互いに並列に接続されている。非反転入力端子(+)は接地されている。
制御装置43は、顕微鏡装置30を制御する顕微鏡制御部43Aと、光検出回路を制御する検出回路制御部43Bとを備えている。
顕微鏡制御部43Aは、レーザ光源ユニット10によるレーザ光の発生のON/OFFを制御したり、スキャナ21の揺動角度を制御したりするようになっている。顕微鏡制御部43Aは、例えば、スキャナ21の帰線期間中は、レーザ光源ユニット10によるレーザ光の発生をOFFするようになっている。
検出回路制御部43Bは、ADコンバータ53から送られてくる電圧信号をスキャナ21の走査位置に対応する画素毎に輝度情報に変換する演算処理部(画像生成部)81と、第1積分回路60に送る第1リセットCLKを出力する第1リセット部83と、第2積分回路70に送る第2リセットCLKを出力する第2リセット部85と、コンパレータ55の比較結果に基づいて、高圧電源57による検出器41へのHVの印加のON/OFFを切り替える高圧制御部(制御部)87とを備えている。
演算処理部81は変換した輝度情報をPC45に送るようになっている。
第1リセット部83は、所定のピクセルクロックで第1リセットCLKを出力し、1ピクセルごとにスイッチ63のON/OFFを切り替えるようになっている。
第2リセット部85は、第1リセットCLKのピクセルクロックよりも長い周期、例えば、10秒〜30秒間隔で第2リセットCLKを出力し、スイッチ63のON/OFFの切り替えタイミングよりも長い時間間隔でスイッチ73のON/OFFを切り替えるようになっている。
高圧制御部87は、コンパレータ55の比較結果に基づいて高圧制御信号を出力し、第2積分回路70から出力される積分値が所定の閾値以下の場合は高圧電源57をONのまま維持し、その積分値が所定の閾値を超えている場合は高圧電源57をOFFするようになっている。
PC45は、演算処理部81から送られてくる輝度情報を1ピクセルごとに積算して標本Sの画像を生成するようになっている。PC45により生成された画像は、モニタ49に表示されるようになっている。
このように構成された顕微鏡システム100の作用について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100により標本Sの画像を取得するには、まず、ステージ31に標本Sを載置し、高圧制御部87により高圧電源57をONして検出器41にHVを印加させるとともに、光源ユニット10から所定の波長域で所定の強度のレーザ光を発生させる。
光源ユニット10から発せられたレーザ光は、ダイクロイックミラー27により反射された後、スキャナ21により反射されて瞳投影レンズ23により集光され、反射ミラー25および結像レンズ33を介して、対物レンズ35により標本Sに照射される。
レーザ光が照射されることにより標本Sにおいて蛍光が発生すると、蛍光は対物レンズ35により集光され、結像レンズ33、反射ミラー25、瞳投影レンズ23、スキャナ21を介してレーザ光の光路を戻り、ダイクロイックミラー27を透過してレーザ光の光路から分離される。
ダイクロイックミラー27を透過した蛍光は、集光レンズ29により集光され、その内の標本Sにおける対物レンズ35の焦点位置において発生した蛍光のみがピンホール37を通過する。ピンホール37を通過した蛍光は、コリメートレンズ39により平行光に変換され、検出器41により検出される。
検出器41により光が検出されると、検出された光の量に応じた大きさの電流信号が検出器41から出力され、増幅器51により電流信号が電圧信号に変換される。増幅器51により変換された電圧信号は第1積分回路60および第2積分回路70に送られる。
第1積分回路60においては、第1リセット部83から送られてくる第1リセットCLKに基づいて、1ピクセルごとにスイッチ63がON/OFFする。スイッチ63がOFFすると、増幅器51から送られてくる電圧信号に応じた電荷がコンデンサ61により蓄積され、その蓄積した電荷に応じた積分値が出力される。スイッチ63がONすると、コンデンサ61に蓄積された電荷は放電されて、積分値出力がリセットされる。
第1積分回路60から出力された電圧信号の積分値は、ADコンバータ53によりA/D変換されて検出回路制御部43Bに送られ、演算処理部81によりスキャナ21の走査位置に対応する画素毎に輝度情報に変換されてPC45に送られる。次いで、PC45により、その輝度情報が1ピクセルごとに積算されて標本Sの画像が生成される。PC45により生成された画像はモニタ49に表示される。
第2積分回路70においては、第2リセット部85から送られてくる第2リセットCLKに基づいて、スイッチ63のON/OFFの切り替えタイミングよりも長い時間間隔でスイッチ73がON/OFFする。スイッチ73がOFFすると、増幅器51から送られてくる電圧信号に応じた電荷がコンデンサ71により蓄積され、その蓄積した電荷に応じた積分値が出力される。スイッチ73がONすると、コンデンサ71に蓄積された電荷は放電され、積分値出力がリセットされる。
第2積分回路70から出力された積分値は、コンパレータ55により、所定の閾値として設定されている検出器41の劣化が促進される光の総量の上限値と比較される。
例えば、図3に示すように、検出器41から出力される電流信号、すなわち、増幅器51に入力される入力電流の強度が強く、ADコンバータ53から出力される電圧信号の積分値における画像輝度値が画像の飽和レベルを超えると、PC45により生成される画像が飽和する。同図において、丸(○)、四角(□)および三角(△)は、それぞれピクセルの画像輝度値を示している。
このとき、検出器41から出力される電流信号の画像輝度値が画像飽和レベルを超えるほど高くても、画像飽和レベルを超えたのが瞬間的であり、第2積分回路70から出力される積分値が所定の閾値以下であれば、高圧制御部87により高圧電源57がONのまま維持され、検出器41による光の検出が続けられる。
一方、仮に、第2リセットCLKの周期で第2積分回路70の積分値出力がリセットされるまでの間に、検出器41に過大な光が入射され続けることにより、第2積分回路70から出力される積分値が所定の閾値を超えると、高圧制御部87により高圧電源57がOFFされ、検出器41による光の検出が停止する。
以上説明したように、本実施形態に係る顕微鏡システム100によれば、検出器41から一定時間内に出力された電流信号の総量に対応する積分値を第2積分回路70により算出し、算出した積分値が所定の閾値を超えた場合に検出器41による光の検出を高圧制御部87により停止させることで、所定の閾値以上の量の光による検出器41内での光電子増加を防ぎ、検出器41へのダメージを防ぐことができる。
したがって、光電子増倍管のような検出器は一定時間内に入射する光の総量が一定量を超えると劣化が促進する傾向があるが、検出器41の劣化が促進される光の総量の上限値を所定の閾値として設定したことで、一定時間内に検出器41に過大な光が入射され続けて検出器41の劣化が促進するのを防ぐことができる。
また、一定時間内に出力された電流信号の総量に対応する積分値を光強度情報として用いることで、強度が強い一部の電流信号に影響されずに検出器41による光の検出を制御して画像を取得することができる。例えば、顕微鏡視野内の一部が高濃度に蛍光試薬で染色されている場合の観察において、検出器41から瞬間的に強度な電流信号が出力されても、検出器41による光の検出を停止させるということがない。
また、第2積分回路70において、スキャナ21の走査期間と帰線期間とを通して積分処理を行うことで、検出器41の劣化の促進を防止するのに正確な閾値を設定することができる。
したがって、本実施形態によれば、検出器41の劣化を防止しつつ、広いダイナミックレンジの輝度情報を取得して標本Sを観察することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態においては、増幅器51により変換した電圧信号を第1積分回路60および第2積分回路70によりそれぞれ積分することとしたが、これに代えて、例えば、図4に示すように、検出器41から出力された電流信号を電圧信号に変換する前に第1積分回路60により積分することとしてもよい。
そして、第1積分回路60により積分した積分値は、第2積分回路70により積分してコンパレータ55に送るとともに、増幅器51により電圧信号に変換してADコンバータ53に送ることとしてもよい。
このようにすることで、検出器41から出力された直後の電流信号を積分するので、S/N比が高い画像を生成することができる。
本実施形態においては画像を取得している状態、つまり第1リセットCLKが動作している場合を記載しているが、走査を停止している状態、つまり第1リセットCLKが動作していない場合においても第2積分回路70は動作し続けられるため、同様の保護動作を実施することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る顕微鏡システム(走査型レーザ顕微鏡)について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100は、検出器41から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報として、電圧信号を積分した積分値に代えて電圧信号を加算した加算値を用いる点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る顕微鏡システム100と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る光検出回路150は、図5に示すように、検出器41から送られてくる電流信号を電圧信号に変換する増幅器51と、増幅器51により変換された電圧信号をA/D変換するADコンバータ53と、検出器41にHVを印加する高圧電源57とを備えている。ADコンバータ53によりA/D変換された電圧信号は検出回路制御部143Bに送られるようになっている。
検出回路制御部143Bは、ADコンバータ53から送られてくる電圧信号を加算する第1加算器165および第2加算器(情報算出部)175と、第1加算器165により加算された加算値をスキャナ21の走査位置に対応付けて1ピクセルごとに画像輝度データに変換するデータ変換部(画像生成部)181と、第2加算器175により加算された加算値(光強度情報)を所定の閾値(Ref)とを比較するコンパレータ(閾値判定部)155と、第1加算器165に第1リセットCLKを送る第1リセット部83と、第2加算器175に第2リセットCLKを送る第2リセット部85とを備えている。
第1加算器165は、第1リセット部83から送られてくる第1リセットCLKにより、加算した電圧信号の加算値をリセットするようになっている。
第2加算器175は、第2リセット部85から送られてくる第2リセットCLKにより、加算した電圧信号の加算値をリセットするようになっている。
第1リセット部83は、所定のピクセルクロックで第1リセットCLKを出力し、1ピクセルごとに第1加算器165をリセットするようになっている。
第2リセット部85は、第1リセットCLKのピクセルクロックよりも長い周期、例えば、10秒〜30秒間隔で第2リセットCLKを出力し、第1加算器165のリセットタイミングよりも長い時間間隔で第2加算器175をリセットするようになっている。
このように構成された顕微鏡システム100の作用について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100により標本Sの画像を取得する場合は、検出器41から出力される電流信号が増幅器51により電圧信号に変換され、その電圧信号がADコンバータ53によりA/D変換されて検出回路制御部143Bに送られる。
検出回路制御部143Bに送られた電圧信号は第1加算器165および第2加算器175に入力される。第1加算器165においては、1ピクセルごとに電圧信号が加算されてその加算値がデータ変換部181に送られ、第1リセット部83から送られてくる第1リセットCLKにより加算値がリセットされる。
次いで、データ変換部181により、第1加算器165から送られてくる加算値がスキャナ21の走査位置に対応付けられて1ピクセルごとに画像輝度データに変換され、PC45に送られる。これにより、PC45において、入力された画像輝度データが1ピクセルごとに積算されて標本Sの画像が生成され、モニタ49に表示される。
第2加算器175においては、第1加算器165のリセットタイミングよりも長い時間間隔で電圧信号が加算されてその加算値がコンパレータ155に送られ、第2リセット部85から出力される第2リセットCLKにより加算値がリセットされる。
次いで、コンパレータ155により、第2加算器175から送られてくる加算値が、所定の閾値として設定されている検出器41の劣化が促進される光の総量の上限値と比較される。そして、高圧制御部87により、コンパレータ155の比較結果に基づいて高圧電源57のON/OFFが切り替えられる。
以上説明したように本実施形態に係る顕微鏡システム100によれば、検出器41から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報として電圧信号を積分した積分値を用いる場合と同様に、検出器41から一定時間内に出力された電流信号の総量を的確に算出し、検出器41の劣化を防止しつつ広いダイナミックレンジの輝度情報を取得して観察することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態の一変形例としては、増幅器51とADコンバータ53との間の光路上に、電圧信号からノイズを除去するローパスフィルタ(図示略)を配置することとしてもよい。この場合、検出回路制御部143Bが第1加算器165を備えず、ADコンバータ53から出力された電圧信号を加算せずにデータ変換部181により画像輝度データに変換することとしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る顕微鏡システム(走査型レーザ顕微鏡)について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100は、図6に示すように、光検出回路250が、情報算出部として、第2積分回路70に代えて、ADコンバータ53から出力されたデジタル信号の積分値(第1輝度情報)を処理する信号処理部270と、信号処理部270により処理された積分値を加算して加算値(第2輝度情報)を光強度情報として出力する加算器(加算部)275を備える点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る顕微鏡システム100と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
A/Dコンバータ53は、所定のピクセルクロックの整数分の1のサンプリング周期で積分値をA/D変換し、デジタル信号の積分値を演算処理部81および信号処理部270に送るようになっている。A/Dコンバータ53のサンプリング周期は信号処理部270にも送られるようになっている。
第1リセット部83は、所定のピクセルクロックで出力した第1リセットCLKを積分回路60および信号処理部270に送るようになっている。
信号処理部270は、A/Dコンバータ53から送られてくるデジタル信号の積分値の内、加算器275により加算すべき加算用積分値を決定する管理部271と、A/Dコンバータ53から送られてきた積分値とそのサンプリング時刻とを記憶する記憶部273とを備えている。
管理部271は、A/Dコンバータ53によりA/D変換可能な上限値を記憶している。この管理部271は、サンプリング周期ごとにA/Dコンバータ53により変換されたデジタル信号の積分値をA/Dコンバータ53の上限値と比較するようになっている。
また、管理部271は、比較の結果、積分値がA/Dコンバータ53の上限値よりも小さいと判定した場合は、その積分値とそのサンプリング時刻とを対応付けて記憶部273に時系列に記憶させるようになっている。また、管理部271は、比較の結果、積分値がA/Dコンバータ53の上限値に等しい場合は、その積分値およびサンプリング時刻を記憶部273に記憶させないようになっている。
また、管理部271は、A/Dコンバータ53により第1リセットCLKに同期するタイミングでA/D変換された積分値と上限値とを比較した場合に、積分値がA/Dコンバータ53の上限値よりも小さいときはその積分値を加算用積分値として決定して加算器275に送るようになっている。
また、管理部271は、第1リセットCLKに同期するタイミングでA/D変換された積分値と上限値とを比較した場合に、積分値がA/Dコンバータ53の上限値に等しいときは、記憶部273に記憶している積分値とそのサンプリング時刻とに基づいて、A/Dコンバータ53の上限値を超える実際のデジタル信号の積分値を推定するようになっている。そして、管理部271は、その推定値を加算用積分値として決定して加算器275に送るようになっている。例えば、管理部271は、サンプリング周期ごとに時系列に記憶部273に記憶している積分値の傾きから推定値を算出するようになっている。
管理部271による加算用積分値としての推定値の計算方法としては、例えば、最小二乗法や比例式で算出する方法などを採用してもよい。比例式で算出する方法については、例えば、特開2005−338465号公報の図3に記載されている方法などがある。この方法において、A/Dコンバータ53の出力が飽和した時のサンプリング数をSAMPLIM、1ピクセルあたりのサンプリング数をSAMPMAX、A/Dコンバータ53の閾値をVMAX、推定値をVLASTとすると、VLAST=VMAX×SAMPMAX/SAMPLIMで算出することができる。
また、管理部271は、第1リセット部83から送られてくる第1リセットCLKにより、A/Dコンバータ53から入力された積分値およびそのサンプリング時刻をリセットするようになっている。
記憶部273も同様に、第1リセットCLKにより、記憶した積分値およびそのサンプリング時刻をリセットするようになっている。
加算器275は、管理部271から送られてくるデジタル信号の積分値をピクセルクロックの整数倍の周期で加算して、加算値をコンパレータ55に送るようになっている。また、加算器275は、第2リセット部85から送られてくる第2リセットCLKにより、加算した電圧信号の加算値をリセットするようになっている。
コンパレータ55は、加算器275により加算された加算値とデジタル化した所定の閾値(Ref)とを比較するようになっている。
このように構成された顕微鏡システム100の作用について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100により標本Sの画像を取得する場合は、第1積分回路60から出力された電圧信号の積分値がA/Dコンバータ53によりサンプリング周期でデジタル信号に変換されて、演算処理部81と信号処理部270とに送られる。
信号処理部270においては、管理部271により、サンプリング周期ごとにA/Dコンバータ53により変換されたデジタル信号の積分値をA/Dコンバータ53の上限値と比較される。そして、管理部271により積分値が上限値よりも小さいと判断されると、記憶部273によりその積分値とそのサンプリング時刻とが対応付けられて時系列に記憶される。第1リセット部83から第1リセットCLKが送られてくるまで、信号処理部270によりこの処理が繰り返される。
第1リセット部83から第1リセットCLKが出力されると、管理部271において、A/Dコンバータ53により第1リセットCLKに同期して変換された積分値と上限値とが比較される。この場合において、積分値が上限値よりも小さいと、管理部271によりその積分値が加算用積分値として決定されて加算器275に送られる。
一方、第1リセットCLKに同期して変換された積分値がA/Dコンバータ53の上限値に等しくなると、管理部271により記憶部273に記憶している積分値とサンプリング時刻とに基づいてA/Dコンバータ53の上限値を超える実際のデジタル信号の積分値が推定される。そして、管理部271により、その推定値が加算用積分値として決定されて加算器275に送られる。
次いで、加算器275により、ピクセルクロックの整数倍の周期で、管理部271から送られてくる積分値が加算され、その加算値がコンパレータ55に送られる。加算器275は、第2リセット部85から出力される第2リセットCLKにより加算値がリセットされる。
次いで、コンパレータ55により、加算器275から送られてくる加算値が、所定の閾値として設定されている検出器41の劣化が促進される光の総量の上限値と比較される。そして、高圧制御部87により、コンパレータ55の比較結果に基づいて高圧電源57のON/OFFが切り替えられる。
したがって、本実施形態に係る顕微鏡システム100によれば、画像を生成する輝度情報を用いて信号処理部270および加算器275により光強度情報を算出することで、光強度信号を積算する回路が1つで済み、構成を簡略化することができる。
この場合において、A/Dコンバータ53によりA/D変換可能な上限値を超えるような過大な光が検出器41に入射すると、A/Dコンバータ53の出力が飽和してしまい積分値の正確なデジタル信号が得られない。これに対し、本実施形態に係る顕微鏡システム100によれば、A/Dコンバータ53によりピクセルクロックでA/D変換された積分値がA/Dコンバータ53の上限値に等しくなった場合は、管理部271が、記憶部273に記憶している積分値とサンプリング時刻とに基づいて加算用積分値を推定する。これにより、A/Dコンバータ53の上限値を超えるような過大な光が検出器41に入射した場合であっても、加算器275により光強度情報を精度よく算出して検出器41を確実に保護することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
すなわち、本実施形態においては、増幅器51により変換した電圧信号を第1積分回路60により積分することとしたが、これに代えて、第1実施形態の変形例と同様に、検出器41から出力された電流信号を積分回路60により積分してから増幅器51で電圧信号に変換することしてもよい。
また、本実施形態においては、信号処理部270、加算器275およびコンパレータ55が、検出回路制御部43Bに含まれることとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
また、上記各実施形態においては、第2積分回路70から出力された積分値または第2加算器から出力された加算値が所定の閾値を超えた場合に、検出器41に印加するHVを高圧制御部87によりOFFすることとした。これに代えて、例えば、第2積分回路70から出力された積分値または第2加算器から出力された加算値が所定の閾値を超えた場合に検出器41に入射しようとする光を遮断することとしてもよい。
具体的には、検出器41に入射しようとする光を遮断可能なシャッタ(遮断部材、図示略)と、シャッタを挿脱する制御部(図示略)とを採用することとしてもよい。そして、コンパレータ55,155により積分値または加算値が所定の閾値を超えたと判定された場合に、制御部がシャッタを挿入して検出器41に入射しようとする光を遮断させることとしてもよい。
このようにすることで、検出器41にHVを印加する高圧電源57をOFFすることなく、検出器41に光が入射するのを防ぐことができる。シャッタは、例えば、光検出器41が備えることとしてもよいし、光検出器41の手前に挿脱可能に配置することとしてもよい。
また、上記各実施形態においては、コンパレータ55,155に設定される所定の閾値として、検出器41の劣化が促進される光の総量の上限値を例示して説明したが、検出器41の劣化が促進するのを防ぐことができればよく、これに限定されるものではない。
10 光源ユニット(光源)
21 スキャナ(走査部)
41 検出器(光検出部)
45 PC(画像生成部)
55、155 コンパレータ(閾値判定部)
70 第2積分回路(情報算出部)
81 演算処理部(画像生成部)
87 高圧制御部(制御部)
100 顕微鏡システム(走査型レーザ顕微鏡)
175 第2加算器(情報算出部)
181 データ変換部(画像生成部)
271 管理部
273 記憶部
275 加算器(加算部)

Claims (6)

  1. 光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、
    該走査部によりレーザ光が走査された前記標本からの光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、
    該光検出部から出力された光強度信号を前記走査部の走査位置に対応する画素毎に輝度情報に変換して、前記標本の画像を生成する画像生成部と、
    前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を算出する情報算出部と、
    該情報算出部により算出された前記光強度情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、
    該閾値判定部により前記光強度情報が前記所定の閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による光の検出を停止させる制御部とを備え
    前記画像生成部が、画素毎に変換した輝度情報を所定のピクセルクロックで積算して画像を生成し、
    前記情報算出部が、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号を前記画像生成部の前記ピクセルクロックよりも長い周期で積分した積分値を前記光強度情報とする走査型レーザ顕微鏡。
  2. 前記情報算出部が、前記走査部により前記標本上でレーザ光が走査される走査期間と前記光源からのレーザ光の発生を停止してレーザ光の走査線を元の位置へ戻す帰線期間とを通して積分処理を行う請求項に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、
    該走査部によりレーザ光が走査された前記標本からの光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、
    該光検出部から出力された光強度信号を前記走査部の走査位置に対応する画素毎に所定のピクセルクロックで積算した輝度情報に変換して、前記標本の画像を生成する画像生成部と、
    前記輝度情報を複数ピクセルクロック分加算し、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を算出する情報算出部と、
    該情報算出部により算出された前記光強度情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、
    該閾値判定部により前記光強度情報が前記所定の閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による光の検出を停止させる制御部とを備え
    前記画像生成部が、所定のピクセルクロックの整数分の1のサンプリング周期で前記輝度情報をデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、
    前記情報算出部が、前記サンプリング周期ごとに前記A/D変換部により変換された前記輝度情報と該A/D変換部によりA/D変換可能な上限値とを比較し、加算すべき輝度情報を決定する管理部と、該管理部により前記輝度情報が前記上限値よりも小さいと判定された場合に該輝度情報とそのサンプリング時刻とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理部により決定された前記加算すべき輝度情報を前記ピクセルクロックよりも長い周期で加算する加算部とを備え、
    前記管理部が、各前記ピクセルクロックにおける比較の結果、前記輝度情報が前記上限値よりも小さい場合にはその輝度情報を前記加算すべき輝度情報として決定し、前記輝度情報が前記上限値に等しい場合には、前記記憶部に記憶されている前記輝度情報とそのサンプリング時刻とに基づく推定値を前記加算すべき輝度情報として決定する走査型レーザ顕微鏡。
  4. 光源から発せられたレーザ光を標本上で2次元的に走査させる走査部と、
    該走査部によりレーザ光が走査された前記標本からの光を検出し、検出した光の輝度に相当する光強度信号を出力する光検出部と、
    該光検出部から出力された光強度信号を前記走査部の走査位置に対応する画素毎に輝度情報に変換して、前記標本の画像を生成する画像生成部と、
    前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号の総量に対応する光強度情報を算出する情報算出部と、
    該情報算出部により算出された前記光強度情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、
    該閾値判定部により前記光強度情報が前記所定の閾値を超えたと判定された場合に、前記光検出部による光の検出を停止させる制御部とを備え
    前記画像生成部が、画素毎に変換した輝度情報を所定のピクセルクロックで加算して画像を生成し、
    前記情報算出部が、前記光検出部から一定時間内に出力された光強度信号を前記画像生成部の前記ピクセルクロックよりも長い周期で加算した加算値を前記光強度情報とする走査型レーザ顕微鏡。
  5. 前記制御部が、前記光検出部に印加する駆動電圧をON/OFFする請求項1、請求項3および請求項4のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  6. 前記制御部が、前記光検出部に入射しようとする光を遮断可能な遮断部材を挿脱する請求項1、請求項3および請求項4のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
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