JP3868532B2 - ヒップパット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はショーツ、パンティストッキング、ガードル、あるいはボディーウエアー等の被服の内側に装着して使用されるヒップパットに関し、特に体へのフィット性を向上するとともにその形状が表着に響くことのないヒップパットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヒップパットは、比較的平面的な女性の体のヒップ部にめりはりを付け、人体のヒップ部の整形性を向上させるとともにヒップアップ機能等を発揮させ、整美効果を高めるために使用されている。かかるヒップパットPとしては、図26に示すように、ポリウレタン発泡体やポリエチレン発泡体等からなるパット本体100を、加熱成形等により所定の形状に成形し、当該パット本体100の表裏両面を綿やポリエステル等からなる表地101によって被覆して構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記ヒップパットPは、上述したように、ポリウレタン発泡体やポリエチレン発泡体等からなるパット本体100を、加熱成形等により所定の形状に成形し、当該パット本体100の表裏両面を綿やポリエステル等からなる表地101によって被覆して構成したものであるため、パット本体100をある程度立体的に成形しても、このパット本体100の表裏両面を被覆する表地101が綿やポリエステル等のストレッチ性の無い布地からなるので、ヒップパットP全体を人体102にフィットした3次元形状に維持形成することが困難である。そのため、ヒップパットPは、図26に示すように、人体のヒップ部102に馴染みずらく、良好な装着感及び整形性を得ることができず、結果としてヒップパットPの装着状況が表着に響き易いという問題点があった。また、上記の如く、パット本体100の表裏両面を被覆する表地101が綿やポリエステル等のストレッチ性の無い布地からなるため、ヒップパットPの端部では、図27に示すように、ポリウレタン発泡体等からなるパット本体100が露出し易く、これを防止するためには、ヒップパットPの端部に縁取りのカバー103を設ける等の処理が必要となり、その分製造コストが高くなるとともに整形性が低下するという問題点もあった。
【0004】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、立体的形状とストレッチ構造を採用することによって、より一層人体のヒップ部に馴染み易く、装着感及び整形性が良好であって、しかも着用状況が表着に響くことのないエッジ構造を有するヒップパットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載された発明は、人体のヒップ部に被着する衣服の内側に装着して使用されるヒップパットにおいて、所定のヒップ形状に形成された連続気泡構造の発泡体からなり、周縁部がテーパ状に薄く形成されたパット本体と、このパット本体の表裏両面を被覆する伸縮性を有する素材からなる表地及び裏地とを有し、上記パット本体と表地とを一体的又は別個にプレス加工して立体的に成形するとともに、上記表地及び裏地はパット本体よりも大きく形成され、当該表地及び裏地は、多数の粒子状又はネット状に塗布された接着性を発揮する合成樹脂層によってパット本体と接着されるとともに、テーパ状に薄く形成されたパット本体の周縁部の外側において、当該表地及び裏地の周縁部がパット本体を介在させずに互いに接合するように構成したものである。
また、請求項2に記載された発明は、予め単独で形成されたパット本体と表地及び裏地のそれぞれ接する面に、接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか又は合成樹脂のネットを介在させ、これらパット本体と表地及び裏地を加熱加圧してモールド成形することにより、パット本体と表地及び裏地とを接着することを特徴とする請求項1に記載のヒップパットである。
さらに、請求項3に記載された発明は、予めパット本体と表地とを単独で成形しておき、裏地の内面に接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか又は合成樹脂のネットを介在させ、これらパット本体と表地及び裏地を加熱加圧してモールド成形することにより、パット本体と裏地とを接着するとともに、前記表地と裏地の周縁部をパット本体を介在させずに互いに接着することを特徴とする請求項1に記載のヒップパットである。 又、請求項4に記載された発明は、予めパット本体を所定の形状に成形しておき、表地及び裏地の内面にそれぞれ接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか又は合成樹脂のネットを介在させ、これらパット本体と表地及び裏地を加熱加圧してモールド成形することにより、パット本体と裏地とを接着するとともに、前記表地と裏地の周縁部をパット本体を介在させずに互いに接着することを特徴とする請求項1に記載のヒップパットである。
【0006】
この発明において使用するパット本体としては、例えば、弾性とカサ高性を備えるように、連続気泡構造のウレタンフォーム等からなる発泡体が用いられるが、このウレタン発泡体等自体も伸長率50%以上250%以下であることが望ましい。また、このパット本体には、ヒップパットとしての保形性が高いことに加えて、軽量であってより通気性があることが要求される。そのため、上記パット本体としては、ウレタンフォーム発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体等の合成樹脂発泡体を用いることができ、特にウレタンフォーム発泡体が好ましい。
【0007】
さらに、上記パット本体の表面を被覆する表地及び裏地は、共に原則的にモールド成形されるため、これら表地及び裏地としては、セット性(成形性)の良い合成繊維(ポリエステル繊維等)が使用された編物が一般的に使用される。また、上記表地及び裏地は、伸縮性を持たせることがポイントであることから、スパンデックス等のストレッチ性のある繊維を編成(一般的には挿入)することが望ましい。さらに説明すると、パット本体の表面を被覆する表地及び裏地としての編組織は、スパンデックス等の弾性糸を編成したストレッチ性のあるトリコット及びラッセル縦編機によって得られた編地又は丸編地や布地等の伸縮性を有する素材からなるものであれば、如何なるものでも良いが、それが人体に直接的あるいは間接的に触れるものであるから好ましくはサテン組織等の肌触りの良いものであることが望ましい。また、上記パット本体の表面を被覆する表地は、衣料等のスベリを良くすること及び摩擦に強いこと並びに熱成形性の良いことが望ましいことから、スパンデックスに交編される繊維は、合成繊維が良く、裏地は肌への影響からこれら合成繊維と天然繊維との交編、混紡糸等が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0008】
上記表地及び裏地としての編組織は、スパンデックス糸等のストレッチ性を有する糸を使用する場合、このスパンデックス糸(ストレッチ糸)は、一般的には編糸に使用するのではなく、図21に示すように編組織に挿入する方法が採られる。この図21の場合には、スパンデックス糸をそのまま又はナイロン糸等によってカバーリングを施して、タテ糸に挿入したものである。また、図21乃至図23に示すように、編糸自体にスパンデックス糸等のストレッチ性を有する糸を使用しても良い。また、上記表地及び裏地は、肌当たりを良くするために、編糸自体に綿糸又は混紡糸等を使用してもよく、カバーリング糸に混紡糸等を使用するようにしても良い。
【0009】
一方、上記表地及び裏地として織物地を使用する場合には、図24に示すように、ヨコ糸にスパンデックス糸等のストレッチ性を有する糸を、そのまま又はナイロン糸等によってカバーリングを施して使用する。その際、タテ糸には、熱セット性(成形性)を高めるために、ポリエステル糸を使用するのが望ましい。また、熱成形を行う場合には、上記表地及び裏地として編組織及び織物地を使用する場合ともに、必ずセット性の良いポリエステル糸等が50%以上のウエイトを占めるように設定される。
また、上記表地及び裏地として編組織を使用する場合には、図25に示すように、地糸にスパンデックス糸等のストレッチ性を有する糸を、ジグザグに編み込んだサテンネットからなる立て編みの編組織を用いても良い。このようなストレッチ性を有する糸を編み込んだサテンネットからなる編組織を用いた場合には、ヒップパットの伸縮性及び装着感を一層良好とすることができる。
【0010】
また、この発明のヒップパットを製造するには、パット本体、表地及び裏地をそれぞれ別個に用意してこれらを適当な接着剤で貼り合わせても良いが、好ましくは表地及び裏地の内面に耐洗濯性及び耐溶剤性を有すると共に加熱圧縮することにより接着性を発揮する合成樹脂を多数の粒子状又はネット状に塗布して、伸縮性を失わないように合成樹脂層を形成し、この合成樹脂層を利用してパット本体を表地及び裏地で被覆する方法がある。なお、上記接着性を発揮する合成樹脂は、伸縮性及び通気性を失わない状態であれば、フィルム状又はフィルム状と粒子状等の組み合わせによって塗布しても良い。上記合成樹脂層は、予め表地又は裏地にラミネートしておくと、作業性を高めることができる。また、上記パット本体がポリウレタン等の黄変性のある材質からなる場合には、発泡体の耐洗濯性及び耐光性(黄変性)を高めるため、適度な顔料を塗布することが望ましい。
【0011】
ところで、上記ヒップパットを人体又は衣服に止着する止着手段としては、例えば小さい鉤形状の部材を多数密に植設した部材と、ループ状の起毛を多数密に植設した部材とからなるマジックファスナー(登録商標)を用いることができる。この場合には、衣服の内側にループ状の起毛を多数密に植設した部材を配置し、ヒップパットの外面に小さい鉤形状の部材を多数密に植設した部材を配置するのが好ましい。こうすることによって、ヒップパットを取り外した状態で体に直接接触する衣服を着用しても、体に接触する部分にはループ状の起毛を多数密に植設した部材が位置するため、肌に柔らかく当たり装着感が良好となる。
【0012】
また、上記止着手段としては、これに限定されるものではなく、ベルト等を用いても良く、あるいは衣服の内側又は外側にポケット構造を持たせ、このポケット構造の内部にヒップパットを挿入するようにしても良く、また直接衣服にヒップパットの一部又は全部を縫い止めするようにしても良い。
【0013】
【作用】
この発明においては、所定のヒップ形状に形成された連続気泡構造の発泡体からなり、周縁部がテーパ状に薄く形成されたパット本体と、このパット本体の表裏両面を被覆する伸縮性を有する素材からなる表地及び裏地とを有し、上記パット本体と表地とを一体的又は別個にプレス加工して立体的に成形するとともに、上記表地及び裏地はパット本体よりも大きく形成され、テーパ状に薄く形成されたパット本体の周縁部の外側において、当該表地及び裏地の周縁部がパット本体を介在させずに互いに接合するように構成されているので、ヒップパットの全体形状を決定するパット本体と、ヒップパットの外側形状を決定する表地とを一体的又は別個にプレス加工して立体的に成形することにより、ヒップパットは、人体のヒップ部に合った立体的形状に形成することができるとともに、パット本体を被覆する表地及び裏地として伸縮性を有する素材を用いているため、表地及び裏地が伸び縮みしてパット本体の形状に沿った形を維持し、この点からもヒップパットは、人体のヒップ部に合った立体的形状に形成することができる。しかも、上記表地及び裏地は、パット本体よりも大きく形成され、テーパ状に薄く形成されたパット本体の周縁部の外側において、当該表地及び裏地の周縁部がパット本体を介在させずに互いに接合するように構成されているので、ヒップパットの端部が自然な感じで人体のヒップ部に馴染み、着用状況が表着に響くことがない。そのため、より一層人体に馴染み易く、装着感及び整形性が良好であって、しかも着用状況が表着に響くことのないエッジ構造を有するヒップパットを提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示すこの発明の一実施の形態に基づいて、この発明を具体的に説明する。
【0015】
図1乃至図4において、この発明の一実施の形態に係るヒップパットPが示されている。このヒップパットPは、ウレタンフォーム等の発泡体で形成されたパット本体1と、このパット本体1を包み込むように被覆するスパンデックス等の伸縮性を有する表地2a及び裏地2bと、これらの表地2a及び裏地2bの内面にラミネート加工によって固着され、上記パット本体1を密封するとともに、表地2a及び裏地2bの周縁部を互いに接着するフィルム層3とで形成されている。
【0016】
上記パット本体1としては、弾性とカサ高性を備えるように、連続気泡構造のウレタンフォーム等からなる発泡体が用いられる。また、このパット本体1には、ヒップパットとしての保形性が高いことに加えて、軽量であってより通気性があることが要求され、この点からも連続気泡構造のウレタンフォームからなる発泡体が用いられる。そして、上記パット本体1は、図4に示すように、スライス加工等によってヒップパットPの両方の膨出部の基本形状に合わせてそれぞれ裁断され、その端部は、徐々に厚さが薄くなるように形成されている。
【0017】
上記パット本体1のスライス加工等は、次のようにして行われる。すなわち、上記パット本体1を形成する発泡体としては、図5(a)に示すように、まず、所定の厚さに形成された平板状の発泡体40を用意し、この発泡体40を同じく平板状の受動盤41と、パット本体1の内形を決める金型42との間に配置した後、図5(b)に示すように、金型42を発泡体40を介して受動盤41側に圧縮するように移動させ、発泡体40の表面にパット本体1の内形に対応した凹所43を形成する。その後、図5(b)に示すように、上記凹所43が形成された発泡体40の裏面側を所定の厚さに渡って薄い層をスライスして、図5(c)に示すような発泡体40が形成される。次に、上記の如く内面の形状が形成された発泡体40を、図6(a)に示すように、凹所43が形成された側を外形を決める金型44側にして、当該金型44と平板状の受動盤41との間に配置した後、図6(b)に示すように、金型44を発泡体40を介して受動盤41側に圧縮するように移動させ、発泡体40の表面にパット本体1の外形に対応した凸部45を形成する。その後、図6(b)に示すように、上記凸部45が形成された発泡体40の表面側をパット本体1の外形に合わせてスライスして、図6(c)に示すようなパット本体1がスライス加工等によって形成される。
【0018】
また、上記パット本体の表裏両面を被覆する布地、特に表地2aとしては、パット本体の形状が衣服の外形に直接現れてしまって、外形に響くことがないようなある程度の腰(弾性及び剛性)とすべり、及び通気性を有する伸縮性の素材、例えばスパンデックス(ポリウレタン)及びポリエステル系弾性糸を基本編成とする熱セット性が高い合成繊維の交編又は織物(特にサテン地)地等が用いられる。また、裏地2aとしては、構成によっては(パット本体に準じる形状の場合)、肌当たりと通気性や吸湿性を有する素材、例えば、表地と同様スパンデックス等のストレッチ糸を基本編成とする合成繊維及び綿の混紡・交編又はシルク混であっても良い。その際、スパンデックスは、例えば、ストレッチ性をもたせる編物及び織物での芯糸となるものが用いられる。但し、上記スパンデックスは、編組織を構成する糸そのものとして使用しても良い。
【0019】
上記の如く構成されるヒップパットPを製造するには、パット本体1、表地2a及び裏地2bをそれぞれ別個に用意してこれらを適当な接着剤で貼り合わせるか縫い合わせても良いが、好ましくは表地2a及び裏地2bにラミネート加工を施してその内面側に耐洗濯性及び耐溶剤性を有すると共に加熱圧縮することにより接着性を発揮するフィルム層3を形成し、このフィルム層3を利用してパット本体1を表地2a及び裏地2bで被覆する方法が用いられる。すなわち、内面にフィルム層3を有する表地2a及び裏地2bでパット本体1を被覆した後、これらの表地2a及び裏地2bとパット本体1とをプレス金型内にセットし、温度150〜300℃及び圧力1〜7kg/cm2 で加熱プレス成形加工することによって3次元形状に成形すると同時に、表地2a及び裏地2bとパット本体1とを接着することによって製造される。こうすることによって、ヒップパットPは、図7及び図8に示すように、人体のヒップ部4に立体的にフィットする形状であって、しかもパット本体1の外縁が着用時に表着5に響かないように、厚みが自然な感じで薄くなるように成形され、ヒップパットPの少なくとも外縁部は、表地2a及び裏地2bの2枚の布地のみからなるように構成される。
【0020】
さらに、上記ヒップパットPの外縁部は、図2に示すように、パット本体1を被覆する表地2aと裏地2bの大きさを異ならせ、表地2aを裏地2bよりも若干大きく形成することによって、ヒップパットPの外縁部においてパット本体1及び表地2aと裏地2bとの各裁断面が互いにずれるように設定することにより、断層を少なくすることができ、ヒップパットPの外縁部をより一層自然な感じで薄くすることができ、ヒップパットPの形状が表着5に響くのを確実に防止することができる。
【0021】
しかし、これに限定されるものではなく、上記ヒップパットPは、パット本体1に裏地2bのみを上述したように成形同時接着しておくとともに、腰のあるストレッチ素材からなる表地2aを、ヒップパットPの外形に予めモールド成形しておき、表地2aの内面に成形同時接着されたパット本体1と裏地2bとを位置決めして、裏地2bの外縁部を表地2aに縫い止めすることによって製造しても良い。
【0022】
さらに、上記パット本体1と表地2a及び裏地2bとのモールド成形について説明すると、図9に示すように、予めパット本体1と表地2a及び裏地2bとをそれぞれ単独で成形しておき、それぞれの接する面に接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか合成樹脂のネットを介在させ、これらのパット本体1と表地2a及び裏地2bとを雌型50と雄型51との間に配置し、雌型50と雄型51とを所定の圧力及び温度、例えば温度150〜300℃及び圧力1〜7kg/cm2 でモールド成形が行われる。
【0023】
また、裏地2bを同時に成形する場合には、図10に示すように、予めパット本体1と表地2aとをそれぞれ単独で成形しておくとともに、裏地2bの内面に接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか合成樹脂のネットを積層し、これらのパット本体1と表地2a及び裏地2bとを雌型50と雄型51との間に配置し、雌型50と雄型51とを所定の圧力及び温度でモールド成形が行われる。この場合には、裏地2bとパット本体1とが合成樹脂によって接着され、さらにパット本体1よりオーバーした裏地2bが表地2aと接着される。
【0024】
さらに、パット本体1と表地2a及び裏地2bとを同時にモールド成形する場合には、図11に示すように、予めパット本体1を所定の形状にスライス又はカットしておくとともに、表地2a及び裏地2bの内面にそれぞれ接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか合成樹脂の粒子又はネット状体をコーティングしておき、これらのパット本体1と表地2a及び裏地2bとを雌型50と雄型51との間に配置し、雌型50と雄型51とを所定の圧力及び温度でモールド成形が行われる。この場合には、裏地2bとパット本体1とが合成樹脂によって接着され、さらにパット本体1よりオーバーした裏地2bが表地2aと接着される。この場合には、先に表地2a又は裏地2bの内面にそれぞれ接着性を発揮する合成樹脂をコーティングするようにしても、二次的(成形後)に合成樹脂を噴霧又は樹脂層(ネット状又はフィルム状)を介在して、さらに成形するようにしても良い。また、合成樹脂のコーティングは、表地2a又は裏地2b又はパット本体1のみでも良い。
【0025】
また、表地2aを同時に成形する場合には、図12に示すように、予めパット本体1に裏地2bを先に同時成形で作成しておくとともに、表地2aの内面に接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか合成樹脂のネットをコーティングし、これらのパット本体1と表地2a及び裏地2bとを雌型と雄型との間に配置し、雌型50と雄型51とを所定の圧力及び温度でモールド成形が行われる。
【0026】
上記の如く構成されるヒップパットPは、図1に示すように、その上端部に縫着したベルト6を、ヒップパットが体のヒップ部の所定位置に来るように腰に巻いた状態で、ベルト6の両端をマジックファスナー(登録商標)7によって固定することにより使用される。
【0027】
また、上記ヒップパットPは、図13に示すように、その外面及び内面の一方又は双方を容易に着脱可能な止着手段20を介して衣服5の内側又は外側に装着するように構成しても良い。
【0028】
すなわち、この実施例では、ヒップパットPの上端部に、図13に示すように、その外面に止着手段としてのマジックファスナー(登録商標)20が固着されている。このマジックファスナー20は、図14に示すように、小さい鉤形状の部材を多数密に植設した部材21と、ループ状の起毛を多数密に植設した部材22とから構成されている。そして、上記ヒップパットPの上端部外面には、小さい鉤形状の部材を多数密に植設した部材21が、3箇所接着あるいは縫着等の手段によって固着されている。また、ヒップパットPを装着するガードル等の衣服5の内面には、図15に示すように、ヒップパットPの装着位置に対応した位置に、ループ状の起毛を多数密に植設した部材22が、やはり3つ接着あるいは縫着等の手段によって固着されている。
【0029】
このように、衣服の内側にループ状の起毛を多数密に植設した部材22を配置し、ヒップパットPの外面に小さい鉤形状の部材を多数密に植設した部材21を配置することによって、ヒップパットPを取り外した状態で体に直接接触する衣服等を着用しても、体に接触する部分にはループ状の起毛を多数密に植設した部材22が位置するため、肌に柔らかく当たり装着感が良好になる。
【0030】
なお、この実施例に係るヒップパットPは、次のようにして使用される。すなわち、ヒップパットPを使用するには、図16に示すように、ヒップパットPの外面上端部に固着されたマジックファスナー20を介して、ヒップパットPを衣服の内面の所定の位置に装着する。そして、ヒップパットPによって女性の体型を矯正し、ヒップ部の形態を整えて美しいヒップラインを形成することができ、また同時に保温効果を発揮することができる。
【0031】
また、ヒップパットPは、衣服23の内面に一体的に装着されているため、衣服23を着脱するときは衣服23と一体的に着脱することができ、トイレ等を使用する際にヒップパットPを単独で着脱する必要がないので、使用時に邪魔になることがない。
【0032】
さらに、ヒップパットPを取り外すには、マジクファスナー20を介して衣服23から外せば良く、ヒップパットPの取り外しが容易に行える。また、ヒップパットPを取り外した状態では、衣服23の内面には、マジックファスナーのうちループ状の起毛を多数密に植設した部材22が位置するため、衣服23を直接体の上に着用した場合でも、体には、マジックテープのうちループ状の起毛を多数密に植設した部材22が接触するため、肌に柔らかく当たり装着感が良好になる。
【0033】
また、上記ヒップパットPは、図17に示すように、表着30と内衣31(ガードル又はショーツ等)の間に装着しても、図18に示すように、表着30及び内衣31の内側(但し、ガードルとショーツの間に装着することを含む)に装着しても良い。
【0034】
さらに、ヒップパットPを衣服31(ガードル等)に直接縫い止めする場合には、図19に示すように、表地2aをパット本体1に準ずる大きさとするとともに、裏地2bを逆にガードル等の衣服31の背面部31bに対応した大きさとして、ヒップパットPの表地2a及び裏地2bを衣服31の内側に接着又は縫着するように構成しても良い。
【0035】
その際、上記ヒップパットPの外縁部は、図20に示すように、パット本体1を被覆する表地2aと裏地2bの大きさを異ならせ、表地2aは、ガードル等の衣服31の内面形状に略沿った形状に大きく形成するとともに、裏地2bは、パット本体1よりも若干大きい形状に形成することによって、ガードル等の衣服31に縫着されたヒップパットPの外縁部において、図20に示すように、パット本体1及び表地2aと裏地2bとの各裁断面が互いにずれるように設定することにより、断層を少なくすることができ、ヒップパットPの外縁部をより一層自然な感じで薄くすることができ、ヒップパットPの形状が衣服31に響くのを確実に防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
この発明は、以上の構成及び作用よりなるもので、所定のヒップ形状に形成された連続気泡構造の発泡体からなり、周縁部がテーパ状に薄く形成されたパット本体と、このパット本体の表裏両面を被覆する伸縮性を有する素材からなる表地及び裏地とを有し、上記パット本体と表地とを一体的又は別個にプレス加工して立体的に成形するとともに、上記表地及び裏地はパット本体よりも大きく形成され、テーパ状に薄く形成されたパット本体の周縁部の外側において、当該表地及び裏地の周縁部がパット本体を介在させずに互いに接合するように構成されているので、ヒップパットの全体形状を決定するパット本体と、ヒップパットの外側形状を決定する表地とを一体的又は別個にプレス加工して立体的に成形することにより、ヒップパットは、人体のヒップ部に合った立体的形状に形成することができるとともに、パット本体を被覆する表地及び裏地として伸縮性を有する素材を用いているため、表地及び裏地が伸び縮みしてパット本体の形状に沿った形を維持し、この点からもヒップパットは、人体のヒップ部に合った立体的形状に形成することができる。しかも、上記表地及び裏地は、パット本体よりも大きく形成され、テーパ状に薄く形成されたパット本体の周縁部の外側において、当該表地及び裏地の周縁部がパット本体を介在させずに互いに接合するように構成されているので、ヒップパットの端部が自然な感じで人体のヒップ部に馴染み、着用状況が表着に響くことがない。そのため、より一層人体に馴染み易く、装着感及び整形性が良好であって、しかも着用状況が表着に響くことのないエッジ構造を有するヒップパットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 図2はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す縦断面図である。
【図3】 図3はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す横断面図である。
【図4】 図4はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す要部の断面図である。
【図5】 図5(a)〜(c)はパット本体の形成工程をそれぞれ示す断面構成図である。
【図6】 図6(a)〜(c)はパット本体の形成工程をそれぞれ示す断面構成図である。
【図7】 図7はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す装着状態の縦断面図である。
【図8】 図8はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す装着状態の横断面図である。
【図9】 図9はヒップパットのモールド成形の工程を示す断面構成図である。
【図10】 図10はヒップパットのモールド成形の工程を示す断面構成図である。
【図11】 図11はヒップパットのモールド成形の工程を示す断面構成図である。
【図12】 図12はヒップパットのモールド成形の工程を示す断面構成図である。
【図13】 図13は止着手段を示す斜視図である。
【図14】 図14は止着手段を示す断面図である。
【図15】 図15は止着手段を示す斜視図である。
【図16】 図16はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す装着状態の横断面図である。
【図17】 図17はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す装着状態の説明図である。
【図18】 図18はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態を示す装着状態の説明図である。
【図19】 図19(a)(b)はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態をそれぞれ示す装着状態の説明図である。
【図20】 図20(a)(b)はこの発明に係るヒップパットの一実施の形態をそれぞれ示す装着状態の説明図である。
【図21】 図21は編組織を示す説明図である。
【図22】 図22は編組織を示す説明図である。
【図23】 図23は編組織を示す説明図である。
【図24】 図24は織物地を示す説明図である。
【図25】 図25は編組織を示す説明図である。
【図26】 図26は従来のヒップパットを示す断面図である。
【図27】 図27は従来のヒップパットを示す断面図である。
【符号の説明】
P ヒップパット、1 パット本体、2a 表地、2b 裏地。
Claims (4)
- 人体のヒップ部に被着する衣服の内側に装着して使用されるヒップパットにおいて、所定のヒップ形状に形成された連続気泡構造の発泡体からなり、周縁部がテーパ状に薄く形成されたパット本体と、このパット本体の表裏両面を被覆する伸縮性を有する素材からなる表地及び裏地とを有し、上記パット本体と表地とを一体的又は別個にプレス加工して立体的に成形するとともに、上記表地及び裏地はパット本体よりも大きく形成され、当該表地及び裏地は、多数の粒子状又はネット状に塗布された接着性を発揮する合成樹脂層によってパット本体と接着されるとともに、テーパ状に薄く形成されたパット本体の周縁部の外側において、当該表地及び裏地の周縁部がパット本体を介在させずに互いに接合されていることを特徴とするヒップパット。
- 予め単独で形成されたパット本体と表地及び裏地のそれぞれ接する面に、接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか又は合成樹脂のネットを介在させ、これらパット本体と表地及び裏地を加熱加圧してモールド成形することにより、パット本体と表地及び裏地とを接着することを特徴とする請求項1に記載のヒップパット。
- 予めパット本体と表地とを単独で成形しておき、裏地の内面に接着性
を発揮する合成樹脂を噴霧するか又は合成樹脂のネットを介在させ、これらパット本体と表地及び裏地を加熱加圧してモールド成形することにより、パット本体と裏地とを接着するとともに、前記表地と裏地の周縁部をパット本体を介在させずに互いに接着することを特徴とする請求項1に記載のヒップパット。 - 予めパット本体を所定の形状に成形しておき、表地及び裏地の内面にそれぞれ接着性を発揮する合成樹脂を噴霧するか又は合成樹脂のネットを介在させ、これらパット本体と表地及び裏地を加熱加圧してモールド成形することにより、パット本体と裏地とを接着するとともに、前記表地と裏地の周縁部をパット本体を介在させずに互いに接着することを特徴とする請求項1に記載のヒップパット。
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