JP3876410B2 - カップ部を有する衣類 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラジャー等のカップ部を有する衣類に関し、特に、カップ部を厚くクッション性が良く、かつ、通気性および通水性があると共に速乾性を有する編地で形成して、カップ内部に濡れを発生させず、着用感を高めているものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブラジャーやブラスリップ等では、バストを覆うカップ部は、薄着をした場合に外部に乳頭の輪郭が見えないようにするため、および、肌当たりを柔らかくしながらバスト部の重量を支えるために、表布の裏面に、カバー布がラミネートされた不織布やウレタン材等の弾性材からなるパッドを配置した構成としたものが多い。
この種のカップ部を形成する表布や裏布としては通常編地からなる布が用いられ、弾性材からなるパット材を上下カップ部に分け、これらを縫着することによりバストに沿うように膨出させている。
【0003】
編地を用いるものとして、特開昭56−302号等にはポリウレタン不織布あるいは熱融着性繊維よりなる繊維マットと編物との接合シートを熱成形したブラジャーのカップが提案されている。
さらに、特開平4−240252号では表編地と裏編地を熱バインダー複合繊維からなる連結糸で連結したダブルニットの編地を用い、該編地を熱処理してカップ部の成形体としてものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ブラジャー等のカップ部を有する肌着を着用した際、カップ部で覆われたバストは、夏季や運動時においては汗をかきやすいが、上記のようにパッドはラミネートされて通気性や通水性がなく、また、パット材が吸水し、保水するため、汗をためて蒸れやすく問題がある。
【0005】
また、編地からなるものでは、前記特開昭56−302号のカップでは、熱成形で硬い感じとなり、触感、風合い等が悪くなる問題がある。
また、後記の特開平4−240252号のダブルニット編地からなるものも、中間連結糸として熱バインダー複合繊維を用いているため、カップ成形体として熱処理した時に、熱バインダー複合繊維が硬化して肌当たりが悪くなり、かつ、バストへの追従性が悪くなると共に、通水性や速乾性の機能も優れない問題がある。
【0006】
本発明は上記した問題、特に、特開平4−240252号の問題に鑑みてなされたもので、ダブルニットの編地から形成した場合に、特に、通気性および通水性、速乾性の点において優れ、かつ、熱処理して成形した場合においても硬くならず、柔らかさや風合いが損なわれず、着用感のよいカップ部を有する衣類を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第一に、表編地と裏編地の間を連結糸により連結したダブルニットを丸編機により編成し、該丸編ダブルニットの上記連結糸として、捲縮加工されていない糸で且つ長繊維糸(フィラメント糸)を用いると共に、該連結糸は表編地用の表糸あるいは/および裏編地用の裏糸よりもフィラメント数が少ない糸を用い、かつ、
上記表編地の表糸と上記裏編地の裏糸は、捲縮加工されたナイロン糸あるいは捲縮加工されたポリエステル糸からなり、
上記連結糸を表編地と裏編地の全編目に連結して編成し、該連結糸よりなる中間編地を高密度として丸編ダブルニットを厚い編地とし、
カップ部を上記丸編ダブルニットのみで形成していることを特徴とするカップ部を有する衣類を提供している。
また、上記連結糸を表編地と裏編地の全編目に連結して編成し、該連結糸よりなる中間編地を高密度として丸編ダブルニットを厚い編地としている代わりに、上記連結糸を表編地と裏編地の編目に対して所要数の編目を飛ばして連結して編成し、該連結糸よりなる中間編地を粗密度として丸編ダブルニットを薄い編み地とし、
該丸編ダブルニット編地で乳頭を覆う位置のみ裏打ちすると共に、全体は薄い布で形成しジュニア用としていることを特徴とするカップ部を有する衣類を第二の発明として提供している。
【0008】
上記のように、本発明では、丸編ダブルニット編地において、表編地と裏編地の間に挿入し、表編地と裏編地を連結する連結糸として、紡糸の口金より引き出されて整然とした状態のままで、捲縮加工されていない糸(所謂、生糸)で、かつ、長繊維糸(フィラメント糸)を用いていることを特徴としている。
この生糸のフィラメント糸では、捲縮加工を行っておらず且つ糸表面にもバルキー加工等によって凹凸をつけておらず、糸表面は平滑でケバ立ちがないため、保水を行わず、通水性がよくなる、
よって、カップ部の内部やカップ脇布で覆われた部位に汗をかいた場合に、浸透した汗が滑らかな糸の表面を伝って拡散しやすい。
このように、連結糸により構成される中間繊維層で保水せず、通水性および速乾性にも優れたものとなる。
また、この連結糸としては、フィラメント数の少ない糸、あるいは細い(10フィラメント以下の)モノフィラメント糸が通水性がよく、また、カップ用編地を編む糸として、肌への刺激が少ないため好ましい。
【0009】
上記丸編ダブルニット編地をカップ部の少なくとも一部あるいは/および脇布の少なくも一部に用いている。
上記カップ部とは乳房(バスト)を覆う箇所を指し、バストが発達していないジュニア用のカップ部を有する衣類では、バストに密着せずにバスト部分を単に覆う部分をカップ部と称す。
【0010】
上記ダブルニット編地の厚さは1〜5mm程度の範囲で調節可能で、比較的厚い編地であるため、該ダブルニット編地で乳頭をカバーすると、乳頭が外部に透けないようにすることができる。
特に、連結糸からなる中間組織を高密度とすると、厚さ3mm〜5mmの弾力性のある厚い編地とすることが出来る。また、編物であることから、不織布やポリウレタン等のように表面に別布を接着する必要がない。よって、一枚のダブルニット編地のみでカップ部を形成することができる。
なお、カップ部や脇布以外にも、用途に応じて好適に用いられる。
【0011】
上記連結糸としては、ナイロン糸、ポリエステル糸、ポリエステル糸もしくはナイロン糸と綿等の天然糸との混紡糸、あるいは弾性糸を綿等の天然糸でカバーリングした糸で、且つ、5デニールの1本の糸(モノフィラメント)またはフィラメント数が少ない糸を用いている。
丸編ダブルニット編地でカップ部を形成し、バストに沿った形状に熱処理する場合には、融点が高く熱成形性の良いポリエステル糸が好適に用いられる。なお、熱処理温度を低下させるとナイロン糸を用いることもできる。また、ポリウレタン糸に綿糸をカバーリングした糸を用いると伸縮性を有するため、バストへの追従性を高めることができる。
【0012】
上記連結糸はモノフィラメントまたは表編地用の表糸あるいは/および裏編地用の裏糸よりもフィラメント数が少ない糸を用いている。言い換えれば、表糸あるいは/および裏糸のフィラメント数を連結糸のフィラメント数より多くしている。
特に、フィラメント数を多くすると、フィランメト間を毛細管現象により、フィラメントの表面に沿って水が伝い易くなるため、透湿拡散性が良く乾きが早くなる。よって、肌に触れない表編地を構成する表糸のフィラメント数を連結糸のフィラメント数より多くすると、裏編地側で吸湿した汗は中間繊維層を通り表編地側のフィラメント表面で拡散するため蒸発しやすく、素早く乾くことができる。
【0013】
上記表編地の表糸と裏編地の裏糸の両方は捲縮加工を施したナイロン糸(ウーリーナイロン糸)や捲縮加工したポリエステル糸を用いている。さらに、裏編地の裏糸として、ナイロン系と綿糸の混紡あるいはポリエステル糸と綿糸の混紡で、捲縮加工を施したものが好適に用いられる。
このように捲縮加工して伸縮機能を持たせていると、ふんわりとした風合と弾性を備え、特に、肌に当たる側の裏糸に用いると触感がよく、かつ、肌へのフィット性を良好とすることができる。
また、外表面となる表編地の表糸としてブライト糸を用いた場合は装飾機能を高めることができる。
【0014】
ダブルニット編地からなるカップ部をバストに沿う形状に熱処理(200℃〜230℃で30〜60秒程度加熱)する場合、上記表糸、裏糸、連結糸の90%以上がポリエステル糸を用い、加熱成形でバストに沿う形状とし、カップ部の全面に使用している。
【0015】
丸編ダブルニット編地を厚さ3mm〜5mm程度に厚くする場合には、連結糸を表編地と裏編地の全編目に連結して編成し、該連結糸よりなる中間繊維層を高密度とする方法がある。
このように、丸編ダブルニットを厚い編地とすると、該丸編ダブルニットのみでカップ部を形成し、該カップ部を熱処理してバストに沿う形状に成形しやすく、また、形状保持性が良い。編物であるため、表面に更に別の布を接着する必要がなく、カップ部を1枚のダブルニット編地のみで形成でき、シンプルな構成とすることができる。また、所要の厚みがあると、丸編ダブルニット1枚でカップ部を形成しても透けることがない。
なお、装飾用の表布を取り付けても良いことは言うまでもない。
【0016】
一方、丸編ダブルニット編地を厚さ1mm〜3mm未満と薄くする場合には、連結糸を表編地と裏編地の編目に対して所要数の編目(通常、1目)を飛ばして連結して編成し、該連結糸よりなる中間編地を粗密度としている。
丸編ダブルニットを薄い編み地とした場合、カップ表布の裏面側で少なくとも乳頭をカバーする位置に部分的に配置し、布が2重となった場合でも厚くなりすぎない。
よって、バストが小さく、カップ部を殆ど膨出させる必要がないジュニア用ブラジャーにおいて、全体を薄い布で形成し、乳頭を覆う位置のみ丸編ダブルニットで裏打ちをしていてもよく、シンプルな構成とすることができる。また、カップ部を軽くできる。
【0017】
なお、丸編ダブルニット編地でカップ部を形成する場合、左右のカップ部をそれぞれ1枚のダブルニット編地で構成し、これらダブルニット編地を熱処理してバスト形状に沿う形状に膨出させて成形しても良いが、左右のカップ部に当たる部分を連続した横長なダブルニット編地で形成して、左右のカップ部をそれぞれ熱処理して膨出させてもよい。
また、熱処理する方法に代えて、ダブルニット編地で上下カップ部を裁断し、これら上下カップ部を縫着することによって立体形状を作ってもよい。
さらに、上下カップ部のうち、下カップ部のみ、あるいは上カップ部のみをダブルニット編地で構成し、他の上カップ部あるいは下カップ部は通常の布より形成して、これらを縫着してもよい。
さらにまた、バスト脇布、下部支持布をカップ部と一体に、あるいは、別個独立してダブルニット編地で形成してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態のブラジャーを示し、左右のカップ部1(1A、1B)は夫々一枚布からなる丸編ダブルニット編地(以下、ダブルニット編地と略す)10のみから形成されており、これらカップ部1の上部は肩紐2との連結位置まで延長させている。以下、図中、ダブルニット編地は縦斜線で示す。
【0019】
左右のカップ部1Aと1Bとの前側端は中央連結布3で連結し、夫々脇側には脇布4、背面側に伸びる背面布5を連結し、背面布5の先端を留具で着脱自在に開閉するタイプとしている。上記中央連結布3、脇布4はマーキジット、背面布5はパワーネットで形成している。
【0020】
また、ブラジャーの下端縁および脇側端縁から背面布の上縁、左右カップ部1A、1Bの上端縁にはそれぞれテープ布6を縫着し、かつ、左右カップ部1A、1Bの下側円弧端縁のバージスラインに沿った部分にはワイヤー(図示せず)をテープ布7にくるんで封入している。
【0021】
上記カップ部1を構成するダブルニット編地10は図2に示す構成からなる。該ダブルニット編地10は丸編機により編成しており、表糸11からなる表編地12と、裏糸13からなる裏編地14と、連結糸15からなる中間繊維層16とからなり、連結糸15で表編地12の表糸11と裏編地14の裏糸13とを連結している。
上記裏編地14を肌側とし、表編地12は外表面側とする。
【0022】
上記表糸11は167dtex/36フィラメントの捲縮加工したポリエステルの異形断面(略三角形状態)のブライト糸、裏糸12は167dtex/30フィラメントの捲縮加工したポリエステルの断面円形のダル糸を用いている。
上記連結糸15は、110dtex/12フィラメントの捲縮加工していないポリエステルの長繊維の糸を用い、編地全体をポリエステル100%としている。
【0023】
上記ダブルニット編地10の編み組織を図3に示す。
表糸11、裏糸13、連結糸15とも2本の糸条を用い、図3中(A)(D)は2本の連結糸15A、15Bの編み組織を示し、表裏対向する針20と21の全てに連結糸15A、15Bを引っかけてタックを作り、表糸11と裏糸13に連結して、中間繊維層16を形成している。
図3(B)(E)は2本の表糸11A、11Bの編み組織を示し、表糸11Aと11Bは表側の針20にウエール方向に1つ飛びに編んでループを形成し、これら表糸11Aと11Bとで天竺編みの表編地12を形成している。
図3(C)(F)は2本の裏糸13A、13Bの編み組織を示し、裏糸13Aと13Bは裏側の針21にウエール方向に1つ飛びに編んでループを形成し、これら裏糸13Aと13Bとで天竺編みの裏編地14を形成している。
【0024】
上記ダブルニット編地10は連結糸15を表糸側の針20と裏糸側の針21の全てに引っ掛けてタックしているため高密度になる。よって、表編地12と裏編地14との間の連結糸15からなる中間繊維層16は厚くなるため、ダブルニット編地10自体が厚さ約3mm程度の厚い編地となる。
【0025】
さらに、表糸11A、11Bおよび裏糸13A、13Bをいずれも捲縮加工したポリステル糸としているため、風合いがあり、かつ伸縮性も有するため、肌に柔らかくフィットするものとなる。
【0026】
上記ダブルニット編地10を左右のカップ部1A、1Bの素材とし、該ダブルニット編地を金型内に挿入し、熱処理(200℃〜230℃で30〜60秒)して、バストに沿って膨出する形状に熱成形している。
【0027】
この熱成形時において、連結糸15として前記従来例のような熱硬化性のバインダー複合繊維を用いていないため、成形後の状態においてカップ部1A、1Bは硬くならず、肌当たりが柔らかで且つ弾力性を有し、バストに追従させることができ、着用感の良いものとすることができる。
【0028】
上記ダブルニット編地10により左右カップ部1A、1Bを設けたブラジャーにおいては、ダブルニット編地10が厚くクッション性が良いため、従来用いられていた不織布等のパッド材を不要とできる。また、このダブルニット編地10のみからカップ部1A、1Bを形成しても、編地が厚いため、乳頭が外衣へと現出せず、表面に別の布を接着する必要もなく、1枚でカップ部を形成できる。かつ、バストをカップ内に保持しながらバストの挙動に追従することができる。
【0029】
また、ダブルニット編地10のみからなり、かつ、連結糸15として長繊維糸を用いると共に表糸11として連結糸よりフィラメント数の多い糸を用いているため、蒸気発散性、通気性、通水性が良い。よって、従来の表面布を不織布やポリウレタンにラミネートしたパッド材を用いている場合と比較して、カップ部1A、1Bの内部に蒸れを発生させず、肌にベタつきがせず、着用感をさわやかなものとすることできる。
特に、連結糸15としてケバ立ちのない捲縮加工を行っていない糸を用いているため、カップ部1A、1Bの内部に汗をかいた時に、平滑な糸表面に沿って汗が流れ、速乾性に優れている。
【0030】
図4は第2実施形態を示す。
ブラジャーの左右カップ部1A、1Bを第1実施形態と同様に厚いダブルニット編地10で形成している点は同一であるが、熱成形により立体形状をつくるのではなく、上下カップ布1A−1と1A−2、1B−1と1B−2とに裁断し、これらを縫着Hを行って接ぎ合わせることで立体形状を作っている。
【0031】
第2実施形態では、ダブルニット編地10を熱加工を行わないため、表糸と裏糸として融点がポリエステルよりも低いウーリーナイロンを用いている。このウーリーナイロンを用いた場合においても、ナイロン糸が捲縮加工されているため、生地表面は柔らかく風合いが良く、ポリエステルの生糸からなる連結糸を介してダブルニット編地としているため弾力性を有する厚さ約3mm程度の厚い布とすることができる。
透湿拡散性、通気性、通水性が良いため、蒸れを発生させず、かつ、汗を素早く吸収して速乾させる機能を有することは第1実施例と同様である。
【0032】
なお、前記第2実施形態は、カップ部肌側はダブルニット編地のみで形成しているが、外表面側にレース布等の装飾布を取り付けても良い。
【0033】
図5(A)は第2実施形態の第1変形例を示し、前記第2実施形態では、肩紐にダブルニット編地を延在させているが、第1変形例では、肩紐の部分までは延在させていない。
【0034】
図5(B)は第2実施形態の第2変形例を示し、カップ部1A、1Bの下カップ部1A−2、1B−2のみをダブルニット編地10で形成している。上カップ部1A−1’、1B−1’はダブルニット編地10ではないトリコットで形成しており、上下カップ部を縫着している。上カップ部を2枚接ぎとしている。
下カップ部のみをダブルニット編地10で構成する場合、乳頭は下カップ部で覆われるようにしている。このように、下カップ部のみをダブルニット編地10で構成すると、バストの下部を厚く弾力性を有するダブルニット編地10で保持できる。図示していないが、カップ表面にはレース等の装飾性を有する布を付している。
【0035】
図5(C)は第2実施形態の第3変形例を示し、上下カップ部1A−1’と1A−2’、1B−1’と1B−2’とは薄い不織布を接ぎ合わせて形成し、乳頭を含み乳房下方に当たる肌側に、ダブルニット編地10からなる上辺が湾曲した裏当布9A、9Bを当接して付している。
【0036】
図6は第3実施形態を示し、左右カップ部の下カップ部1A−2と1B−2とはダブルニット編地10で形成すると共に、中央連結布3、左右脇布4もダブルニット編地10で形成している。
このように、中央連結布3および左右脇布4も厚く弾力性のあるダブルニット編地10で形成すると、肌に触れる箇所のクッション性を良くすることができ、肌側面の段差を少なくでき、着用感をソフトなものとすることができる。
【0037】
図7は第4実施形態を示し、第2実施形態と同様なカップ部を備えたブラキャミソールからなる。即ち、カップ部1A、1Bはダブルニット編地10からなる上下カップ部を縫着して接ぎ合わせで立体形状を作っている。
【0038】
図8および図9は第5実施形態を示す。
第5実施形態はジュニア用のブラジャーからなる。ジュニア用のブラジャーでは、バストの膨出は少ないが、乳頭が外部に透けないようにする必要があり、そのため、乳頭をカバーする部分に、厚さ1.5mm程度の比較的薄いダブルニット編地10’からなる縦長な裏打布9を表面布8の裏面に縫着している。
【0039】
上記裏内布9として用いるダブルニット編地10’は前記図2および図3に示すダブルニット編地10よりは薄いものとしている。
即ち、図9(A)に示す連結糸15Aは、表側針20とおよび裏側針21にそれぞれ一つ飛びにタックする一方、図8(D)に示す連結糸15Bは、連結糸15Aが連結されていない表側針20、裏側針21にそれぞれ一つ飛びにタックしている。
よって、前記図3の編地と比較して、連結糸15A、15Bからなる中間繊維層16’が底密度となり、ダブルニット編地10’を薄く且つ軽くすることができる。
【0040】
上記ダブルニット編地10’では、表編地12の表糸11A、11Bは167dtex/36フィラメントの捲縮加工したポリエステルの異形断面のブライト糸、裏編地14の裏糸13A、13Bは167dtex/30フィラメントの捲縮加工したポリエステルの断面円形のダル糸、連結糸15は167dtex/30フィラメントの捲縮加工していないポリエステル糸を用い、編地全体をポリエステル100%としている。
なお、フィラメント数の多い糸からなる方を肌に触れない外側(表編地側)に配置すると通気性、透湿拡散性を向上させることができる。
【0041】
図10(A)(B)(C)は第5実施形態の変形例を示す。
図10(A)の第1変形例では前身頃の中央を横断して乳頭をカバーする位置にダブルニット編地10’からなる裏打布9を表面布8の裏面に縫着している。図10(B)の第2変形例では、前身頃の左右両側にダブルニット編地10’からなる裏打布9を表面布8の裏面に縫着している。
【0042】
図10(C)の第3変形例では前身頃の肌に触れる側をダブルニット編地10’で形成し、左右両側部50、51と中央部52との3つに分割し、これらを互いに縫着Hして、乳頭に沿う部分に小さな膨らみを持たせている。前身頃表面には別途布を設けている。
背面布5は通常用いられいる編地で形成している。
【0043】
上記ジュニア用ブラジャーでは、前身頃全体をダブルニット編地10’のみから形成しているため、膨らみ途上の乳房にも当たりが柔らかく、ジュニアが初めて着用するブラジャーとして好適なものとなる。さらに、通気性、透湿拡散性に優れているため、活発な運動で汗をかいた時の着用感を優れたものとすることができる。
【0044】
図11は第6実施形態を示し、被りタイプのジュニア用ブラジャー全体をダブルニット編地10’で形成している。さらに、表面に別布を付してもよい。
前身頃の中央部分52と、左右脇部から背面部まで連続する部分53とを分割し、これらを前身頃の左右両側で縫着Hしている。
この変形例のブラジャーも第6実施形態と同様な作用効果を有すると共に、背面側中央で留具を着脱する必要がないため、ジュニアにとって着易いものとなる。
【0045】
なお、本発明のカップ部を有する衣類はブラジャー、ブラキャミソールに限定されず、ブラスリップ、カップ付きランジェ、カップ付きティディ等、カップ部を有する衣類に適用できる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明よりあきらなように、本発明によれば、カップ部の少なくとも一部を丸編ダブルニット編地より形成し、この丸編ダブルニット編地は、表編地と裏編地の間に挿入して表編地と裏編地を連結する連結糸として、捲縮加工していない長繊維(フィラメント糸)を用いているため、糸の表面にケバ立ちがないため、水分を保水せず、通気性、通水性が優れ、カップ部の内部やカップ脇布で覆われた部位に汗をかいた場合に、この汗がカップに保水されることなく蒸発、拡散させて、蒸れを生じさせないようにすることできる。
【0047】
また、ダブルニット編地であるため厚くでき、該ダブルニット編地1枚で乳頭をカバーしても乳頭を外部に透けないようにすることができる。
よって、編物であることから、従来必要とされた不織布やポリウレタン等のように表面に別布を樹脂で取り付ける必要がなくなる。
このように、1枚のダブルニット編地のみでカップ部を形成することができ、この点からも、蒸れを生じさせず、着用感をさわやかなものとする特有の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のブラジャーを肌側の裏面から見た斜視図である。
【図2】 ダブルニット編地の構成を示す概略図である。
【図3】 (A)乃至(F)はダブルニット編地の組織図である。
【図4】 第2実施形態のブラジャーを肌側の裏面側から見た斜視図である。
【図5】 (A)乃至(C)は第2実施形態の変形例を示すブラジャーを肌側の裏面から見た斜視図である。
【図6】 第3実施形態のブラジャーを肌側の裏面から見た斜視図である。
【図7】 第4実施形態のブラスリップを肌側の裏面から見た斜視図である。
【図8】 第5実施形態のブラジャーを肌側の裏面から見た斜視図である。
【図9】 薄いダブルニット編地の組織図である。
【図10】 (A)(B)(C)は第5実施形態の変形例のブラジャーを肌側の裏面から見た斜視図である。
【図11】 第6実施形態のブラジャーを肌側の裏面から見た斜視図である。
【符号の説明】
1(1A、1B) カップ部
4 脇布
10 丸編ダブルニット編地
11(11A、11B) 表糸
12 表編地
13(13A、13B) 裏糸
14 裏編地
15 連結糸
16 中間繊維層
20,21 針

Claims (5)

  1. 表編地と裏編地の間を連結糸により連結したダブルニットを丸編機により編成し、該丸編ダブルニットの上記連結糸として、捲縮加工されていない糸で且つ長繊維糸(フィラメント糸)を用いると共に、該連結糸は表編地用の表糸あるいは/および裏編地用の裏糸よりもフィラメント数が少ない糸を用い、かつ、
    上記表編地の表糸と上記裏編地の裏糸は、捲縮加工されたナイロン糸あるいは捲縮加工されたポリエステル糸からなり、
    上記連結糸を表編地と裏編地の全編目に連結して編成し、該連結糸よりなる中間編地を高密度として丸編ダブルニットを厚い編地とし、
    カップ部を上記丸編ダブルニットのみで形成していることを特徴とするカップ部を有する衣類。
  2. 表編地と裏編地の間を連結糸により連結したダブルニットを丸編機により編成し、該丸編ダブルニットの上記連結糸として、捲縮加工されていない糸で且つ長繊維糸(フィラメント糸)を用いると共に、該連結糸は表編地用の表糸あるいは/および裏編地用の裏糸よりもフィラメント数が少ない糸を用い、かつ、
    上記表編地の表糸および裏編地の裏糸は捲縮加工されたナイロン糸あるいは捲縮加工されたポリエステル糸からなり、
    上記連結糸を表編地と裏編地の編目に対して所要数の編目を飛ばして連結して編成し、該連結糸よりなる中間編地を粗密度として丸編ダブルニットを薄い編み地とし、
    該丸編ダブルニット編地で乳頭を覆う位置のみ裏打ちすると共に、全体は薄い布で形成しジュニア用としていることを特徴とするカップ部を有する衣類。
  3. 上記連結糸は弾性糸でカバーリングした糸としている請求項1または請求項2に記載のカップ部を有する衣類。
  4. 上記裏編地の裏糸は、上記ナイロン糸あるいはポリエステル糸に更に綿糸を混紡したものである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
  5. 上記表糸、裏糸、連結糸の90%以上がポリエステル糸からなる上記丸編ダブルニットを加熱成形により、バストに沿う形状とし、カップ部の全面に使用している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
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