JP3868181B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からの衝撃に対して、アクチュエータを待避位置に保持するラッチ機構を備えた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、磁気ディスク装置、特にノートブック型などの携帯が可能なパソコンに搭載される磁気ディスク装置においては、非動作時の衝撃に対する高信頼性が求められている。
【0003】
磁気ディスク装置の非動作時に、アクチュエータに実装されたスライダが衝撃により待避位置からディスク表面のデータ領域に移動してしまうと、スライダがデータ領域表面に吸着されたり、データ領域表面を傷つけたりして、致命的な故障となる。
【0004】
非動作時にアクチュエータを待避位置に保持し、衝撃によりアクチュエータが揺動し、データ領域表面に移動することを防止するための機構として、アクチュエータロック機構がある。
【0005】
また、近年の磁気ディスク装置においては、スライダが待避領域表面に吸着してしまうことの防止や、上記衝撃に対する信頼性を高めることを目的として、スライダのロード/アンロード機構が考えられている。ロード/アンロード機構は、磁気ディスク装置の非動作時に、ディスクの外周近傍に設けられたランプと称する部品にアクチュエータを保持させることにより、スライダをディスク表面に対して非接触に待避させるものである。
【0006】
アクチュエータロック機構の1つに、慣性ラッチ機構を用いたものがある。慣性ラッチ機構を用いたアクチュエータロック機構においては、通常、上記のロード/アンロード機構のランプや磁気ロック機構等をアクチュエータ保持機構として併用する。
【0007】
慣性ラッチ機構は、磁気ディスク装置に衝撃が加わったときに動作するものであり、加わった衝撃により発生する慣性力を利用してアクチュエータをラッチする機構である。この慣性ラッチ機構は、上記の磁気ロック機構等だけでは対応できない強い衝撃に対して、アクチュエータをラッチすることができる。上記のアクチュエータ保持機構は、慣性ラッチ機構が動作しない微弱な衝撃が加わったときにアクチュエータを保持し、アクチュエータロック機構の信頼性を上げている。
【0008】
このような慣性ラッチ機構を用いたアクチュエータロック機構の一例として、図17および図18に示すものがある。このアクチュエータロック機構は、アクチュエータ保持機構としてロード/アンロード機構のランプを用いたものである。
【0009】
図17に示す慣性ラッチ機構は、アクチュエータ22が反時計回り(ディスク1の側)に揺動するような衝撃が加わったときに、慣性力によりラッチレバー101が揺動軸を中心にして反時計回りに揺動し、係合突起102がアクチュエータ22のコイルアーム先端部26cに当接してアクチュエータ22をラッチするものである。
【0010】
また、図18に示す慣性ラッチ機構は、2個のボール202を用いたものであり、この2個のボールが慣性力によりラッチレバー201を押し、ラッチレバー201が揺動軸を中心にしてアクチュエータ22をラッチするものである(特表平9−503608号公報)。
【0011】
さらに、慣性ラッチ機構を用いたアクチュエータロック機構の一例としては、図17に示すような慣性ラッチ機構を備え、磁気あるいは電磁気によりアクチュエータをラッチする磁気あるいは電磁気ロック機構をアクチュエータ保持機構として備えたものである(特開平8−339645号公報)。
【0012】
ここで、アクチュエータのように揺動軸に揺動自在に設けられた部品は、外部からの衝撃により、一般に直線的加速度と角加速度を受ける。直線的加速度による力(並進力)は、質量重心に働き、また角加速度による力(偶力)は、揺動軸を中心に働く。揺動軸を中心とし、質量重心を通過する円を考え、この円の質量重心における接線方向の成分を有効成分とし、質量重心における法線方向の成分を無効成分とする。上記部品の揺動に荷担するのは、角加速度と直線的加速度の有効成分である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17および図18に示すアクチュエータ22を時計回り(ディスク1と反対の側)に揺動させる大きな衝撃が加わったときには、アクチュエータは、クラッシュストップ(弾性体)5にぶつかり、そのリバウンドによりディスク1側に移動してしまう場合がある。
【0014】
つまり、図17に示すアクチュエータロック機構および慣性ラッチ機構においては、アクチュエータ22が時計回り(クラッシュストップ5の側)に揺動するような衝撃が加わったときに、慣性ラッチ機構が動作せず、反転揺動してきたアクチュエータ22をラッチできない。
【0015】
また、図18に示す慣性ラッチ機構は、2個のボールにより、どちらの向きに衝撃がかかっても動作するようにしたものであるが、確実な動作を保証するためには、ボールの質量を大きくとるか、ラッチレバーの慣性モーメントを小さくする必要がある。ラッチレバーの慣性モーメントを小さくすることには限界があり、またボールの質量を大きくすると、この慣性ラッチ機構を薄型化されたディスクドライブ装置に搭載することが難しくなる。
【0016】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、信頼性が高く、薄型化されたディスクドライブ装置にも搭載が可能な慣性ラッチ機構を搭載した磁気ディスク装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の磁気ディスク装置は、ヘッドアームの位置が待避位置あるいはその近傍でアクチュエータに係合し、ディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍でアクチュエータとの係合を解除する回動自在な慣性アームと、アクチュエータとの係合を解除する位置で慣性アームの姿勢を保持する付勢手段とを設け、前記アクチュエータと前記慣性アームは、各々の回動中心に対して質量の平衡がとられており、前記アクチュエータと前記慣性アームの慣性比率は、前記アクチュエータの回動中心から係合部までの距離と前記慣性アームの回動中心から係合部までの距離の比に等しく、前記アクチュエータと前記慣性アームとの係合は、前記アクチュエータの動作方向にかかわらず、前記慣性アームが連動する係合であることを特徴としている。この構成によって、アクチュエータが待避位置に停留している時に、外部からの回転衝撃が加わっても、アクチュエータおよび慣性アームのいずれにも同一方向の回転モーメントが働くことになり、係合部でその動作を抑制し合う。したがって、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。また、ロード時には、アクチュエータとの係合を解除する位置で、付勢手段により慣性アームの姿勢が保持され、ロード/アンロード時のアクチュエータと慣性アームとの係合解除、および係合動作態様を確実に実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、ディスク記録媒体にデータを記録し記録したデータを読み込むヘッド素子を有するスライダが実装されたヘッドアームを有し、ヘッドアームを待避位置にアンロードし、またスライダがディスク記録媒体の表面に近接するようにヘッドアームを待避位置からロードするアクチュエータと、回動自在に支持されヘッドアームの位置が待避位置あるいはその近傍でアクチュエータに係合し、ヘッドアームの位置がディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍でアクチュエータとの係合を解除する慣性アームと、アクチュエータとの係合を解除する位置で慣性アームの姿勢を保持する付勢手段とを具備し、前記アクチュエータと前記慣性アームは、各々の回動中心に対して質量の平衡がとられており、前記アクチュエータと前記慣性アームの慣性比率は、前記アクチュエータの回動中心から係合部までの距離と前記慣性アームの回動中心から係合部までの距離の比に等しく、前記アクチュエータと前記慣性アームとの係合は、前記アクチュエータの動作方向にかかわらず、前記慣性アームが連動する係合であることを特徴としたものであり、アクチュエータが待避位置に停留している時に、外部からの回転衝撃が加わっても、アクチュエータおよび慣性アームのいずれにも同一方向の回転モーメントが働くことになり、係合部でその動作を抑制し合う。また、ロード時には、付勢手段によりアクチュエータとの係合を解除する位置で、慣性アームの姿勢が保持される。
【0029】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図16に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図7は本発明の(実施の形態1)を示す。
【0030】
図1においては、上蓋を取り外してあり、また上ヨークを省略して示してある。
この磁気ディスク装置は、データ記録媒体である磁気ディスク等のディスク1、ディスク1を回転駆動するスピンドルモータ2、スライダ4が実装されたアクチュエータ22、アクチュエータ22を揺動駆動するボイスコイルモータ23、アクチュエータ22の待避位置に設けられたランプブロック6、アクチュエータのラッチ機構である本発明の慣性アーム7などを、筐体10の内部に収納したものである。
【0031】
この磁気ディスク装置は、アクチュエータ22のロード/アンロード機構、および慣性ラッチ機構を備えており、磁気ディスク装置の動作停止の際に、アクチュエータ22を待避位置にアンロードし、磁気ディスク装置の非動作時に、アクチュエータ22を待避位置に保持するものである。
【0032】
ディスク1は、スピンドルモータ2のロータ部に固定されている。ディスク1は、磁気ディスク装置が動作しているとき、スピンドルモータ2のスピンドル軸を中心にして回転駆動され、磁気ディスク装置が非動作のとき、回転停止(静止)する。ディスク1の表面には、図示していないが、データおよびサーボ情報が記録されるトラックが同心円状に配置されている。ディスク1は本実施形態では1枚搭載されているが、2枚または3枚以上でも良い。
【0033】
アクチュエータ22は、ヘッドアーム25とコイルアーム26とを有し、ピボット軸受21の揺動軸を中心として揺動自在に支持されている。ヘッドアーム25は、キャリッジアーム31と、このキャリッジアーム31に懸架されたサスペンションアーム32を有する。サスペンションアーム32は、ランプブロック6に待避するためのタブ35を有する。タブ35は、ヘッドアーム25が待避位置に移動したときに、ランプブロック6により保持される部分である。このタブ35にはランプブロック6に接触する凸部が形成されている(図示せず)。またサスペンションアーム32には、スライダ4が実装されている。
【0034】
スライダ4は、それぞれディスク1の上面、下面に対向するようにヘッドアーム25に取り付けられ、ヘッドワイヤ41等により、図示しない制御部に接続されている。このスライダ4は、前記制御部からのデータをディスク1の表面のトラックに記録し、またトラックに記録されたデータを読み込んで前記制御部に送るヘッド素子(図示せず)を備えている。
【0035】
ボイスコイルモータ23は、コイルアーム26の内面に実装されたコイル51、上ヨーク52および下ヨーク53、下ヨーク53の上面に着設された永久磁石55等により構成されている。コイル51には、図示しない制御部から駆動電流が供給される。コイルアーム26は、上ヨーク52と下ヨーク53とに挟まれた空間に配置されている。また、コイルアーム26の一部は、後述する慣性アーム7と係合している。
【0036】
ランプブロック6は、図示していないが、タブ35に対応して斜面、および平面から形成される複合平面を有しており、アンロードの際のサスペンションアーム32の揺動に伴うタブ35の運動の方向、すなわちディスク1の径方向外側に向けて上記複合平面が配置されて筐体10に固定されている。
【0037】
なお、アクチュエータ22とボイスコイルモータ23とランプブロック6とで、ロード/アンロード機構を構成している。
慣性アーム7は、回動自在に筐体10に支持され(図3を参照)、その一部は図1に示すようにコイルアーム26と係合している。本実施例では、コイルアーム26と慣性アーム7の係合部の形状は、一般に歯車に用いられるインボリュート形状を成しており、両者は噛み合い状態で係合している。
【0038】
また、慣性アーム7には、付勢手段である磁性材料製の吸着部材8が固定されており、後述するロード時に永久磁石55に吸引されて、慣性アーム7を時計方向に付勢、保持する。
【0039】
以下に、本発明の目的である衝撃時のアクチュエータ22の保持について力学的観点から述べる。
図4は、係合されたアクチュエータと慣性アームとの力学的関係を示す。係合された両者は、回転自在に支持されているが、両者の回転方向は相反することが容易に理解できる。ここで、アクチュエータ22と慣性アーム7のそれぞれの慣性をJ1,J2、噛み合い点Cまでの距離をR1,R2、噛み合い点で作用する力をF1,F2、発生トルクをT1,T2とし、外部より角加速度βの回転衝撃が加わると仮定する。
【0040】
また、回転衝撃によるアクチュエータ22の回転に抗して慣性アーム7を動作させるための両者の関係は、以下の数式で表現できる。
T1 = F1・R1 = J1・β ・・・・(1)
F1 = J1・β / R1 ・・・・(2)
T2 = F2・R2 = J2・β ・・・・(3)
F2 = J2・β / R2 ・・・・(4)
J1・β / R1 = J2,β / R2 ・・・・(5)
J2 = (R2/R1)・J1 ・・・・(6)
したがって、本実施例では、アクチュエータ22と慣性アーム7の慣性比を1.7:1、噛み合い点までの距離比を1.7:1としている(アクチュエータ22と慣性アーム7の慣性比率を、アクチュエータ22の回動中心から係合部までの距離と慣性アーム7の回動中心から係合部までの距離との比に等しく設定している)。
【0041】
また、アクチュエータ22と慣性アーム7のいずれも回動中心に対して質量の平衡がとられており、衝撃時の直線的加速度の影響を極力抑える設定としている。
【0042】
以上のように構成された磁気ディスク装置について、図5〜図7を用いてその動作を説明する。
前記制御部は、磁気ディスク装置が動作を停止する際に、ボイスコイルモータ23のコイル51に駆動電流を流し、アクチュエータ22のヘッドアーム25を待避位置にアンロードさせる。
【0043】
図5はヘッドアーム25が待避位置にアンロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7とは係合している。ヘッドアーム25が待避位置にあるとき、サスペンションアーム32のタブ35は、ランプブロック6に保持される。また、ディスク1は静止する。次に、磁気ディスク装置が動作を開始する際には、ヘッドアーム25を待避位置からロードさせて、回転動作を開始したディスク1の表面にスライダ4を移動させ、さらにスライダ4のヘッド素子(図示せず)により読み込まれたサーボデータに基づいてスライダ4を所望のデータトラック上に移動させる。図6はスライダ4がディスク1に近接する直前(またはディスク1から離間した直後)の状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7との係合は解除されている。
【0044】
また、図7はロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7との係合は解除されている。いずれの状態も、慣性アーム7は、永久磁石55に吸引部材8が吸引されることにより、時計方向に付勢されており、また、その姿勢は筐体10により規制されている。
【0045】
次に、非動作時に磁気ディスク装置に外部から回転衝撃が加わった時のアクチュエータ22、慣性アーム7の動作について図5を用いて説明する。
図5において、反時計方向の回転衝撃が加わると、所定の角加速度でアクチュエータ22が反時計方向に回転する力が作用する。一方、慣性アーム7にも同様の反時計方向に回転する力が作用する。したがって、係合部では相反する力が作用することになる。また、上述したように回転衝撃によるアクチュエータ22に作用する力をうち消すために、慣性アーム7の慣性と係合距離を予め設定している(図5では、アクチュエータ22と慣性アーム7の慣性比率をアクチュエータ22の回動中心から係合部までの距離と慣性アーム7の回動中心から係合部までの距離の比に等しくしている)。したがって、係合部におけるアクチュエータ22と慣性アーム7のそれぞれに発生するトルクが等しくなり、係合部でお互いの動作を抑制し合う。つまり、回転衝撃によりアクチュエータ22が揺動してディスク1の表面に移動することを回避できる。
【0046】
時計方向の回転衝撃が加わる場合も同様に、所定の角加速度でアクチュエータ22、ならびに慣性アーム7に時計方向の力が作用し、これは、係合部で相反する力となる。係合部におけるアクチュエータ22と慣性アーム7のそれぞれに発生するトルクは等しいため、係合部でお互いの動作を抑制し合う。つまり、回転衝撃によりアクチュエータ22が揺動してディスク1の表面に移動することを回避できる。
【0047】
以上のように本実施の形態によれば、ヘッドアームの位置が待避位置あるいはその近傍でアクチュエータに係合し、ディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍でアクチュエータとの係合を解除する回動自在な慣性アームと、アクチュエータとの係合を解除する位置で、磁気的吸引力により、慣性アームの姿勢を保持する付勢手段とを設けることにより、アクチュエータが待避位置に停留している時に、外部からの回転衝撃が加わっても、アクチュエータおよび慣性アームのいずれにも同一方向の回転モーメントが働くことになり、係合部でその動作を抑制し合う。したがって、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。また、ロード時には、アクチュエータとの係合を解除する位置で、付勢手段としての磁気的吸引力により、慣性アームの姿勢が保持されるため、ロード/アンロード時のアクチュエータと慣性アームとの係合解除、および係合動作態様を確実に実現できる。
【0048】
なお、この実施の形態の付勢手段は、永久磁石と吸着部材との磁気的吸引力により慣性アームの姿勢の保持を実現しているが、例えば、バネ材や樹脂の弾性変形を用いて慣性アームを付勢することによっても実現できる。
【0049】
(実施の形態2)
図8〜図10は(実施の形態2)を示す。
図8において、ディスク1、スピンドルモータ2、スライダ4、アクチュエータ22、ボイスコイルモータ23、ランプブロック6、筐体10、ヘッドアーム25、コイルアーム26、ピボット軸受21、キャリッジアーム31、サスペンションアーム32、タブ35、ヘッドワイヤ41、コイル51、上ヨーク52、下ヨーク53、永久磁石55は、図1の構成と同様なものである。図1の構成と異なる点は、慣性アーム7に、ディスク1の回転に応じて発生する気流の力を受ける受風部7aを一体的に形成している点である。
【0050】
以上のように構成された磁気ディスク装置について、以下その動作を説明する。
磁気ディスク装置が動作を開始する際には、図示しない制御部は、スピンドルモータ2を起動させディスク1が回転する。次に、ボイスコイルモータ23のコイル51に駆動電流を流し、ヘッドアーム25を待避位置からロードさせて、回転動作を開始したディスク1の表面にスライダ4を移動させ、さらにスライダ4のヘッド素子(図示せず)により読み込まれたサーボデータに基づいてスライダ4を所望のデータトラック上に移動させる。慣性アーム7に形成した受風部7aは、ディスク1の回転と同時に発生する気流の力を受け、慣性アーム7の自らが時計方向に付勢される。また、その姿勢は筐体10により規制されている。
【0051】
図9は、スライダ4がディスク1に近接する直前(またはディスク1から離間した直後)の状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7との係合は解除されている。図10はロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7との係合は解除されている。
【0052】
次に、前記制御部は、磁気ディスク装置が動作を停止する際に、ボイスコイルモータ23のコイル51に駆動電流を流し、アクチュエータ22のヘッドアーム25を待避位置にアンロードさせる。図8はヘッドアーム25が待避位置にアンロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7とは係合されている。ヘッドアーム25が待避位置にあるとき、サスペンションアーム32のタブ35は、ランプブロック6に保持される。また、ディスク1は静止する。
【0053】
次に、非動作時に磁気ディスク装置に外部から回転衝撃が加わった時のアクチュエータ22、慣性アーム7の動作について図8を用いて説明する。
図8において、反時計方向の回転衝撃が加わると、所定の角加速度でアクチュエータ22が反時計方向に回転する力が作用する。一方、慣性アーム7にも同様の反時計方向に回転する力が作用する。したがって、係合部では相反する力が作用することになる。また、上述したように回転衝撃によるアクチュエータ22に作用する力をうち消すために、慣性アーム7の慣性と係合距離を予め設定している(図8では、アクチュエータ22と慣性アーム7の慣性比率をアクチュエータ22の回動中心から係合部までの距離と慣性アーム7の回動中心から係合部までの距離の比に等しくしている)。したがって、係合部におけるアクチュエータ22と慣性アーム7のそれぞれに発生するトルクが等しくなり、係合部でお互いの動作を抑制し合う。
【0054】
つまり、回転衝撃によりアクチュエータ22が揺動してディスク1の表面に移動することを回避できる。時計方向の回転衝撃が加わる場合も同様に、所定の角加速度でアクチュエータ22、ならびに慣性アーム7に時計方向の力が作用し、これは、係合部で相反する力となる。係合部におけるアクチュエータ22と慣性アーム7のそれぞれに発生するトルクは等しいため、係合部でお互いの動作を抑制し合う。つまり、回転衝撃によりアクチュエータ22が揺動してディスク1表面に移動することを回避できる。
【0055】
以上のように本実施の形態によれば、ヘッドアームの位置が待避位置あるいはその近傍でアクチュエータに係合し、ディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍でアクチュエータとの係合を解除し、かつディスク記録媒体の回転に応じて発生する気流の力を受ける受風部を有する回動自在な慣性アームを設けることによって、アクチュエータが待避位置に停留している時に、外部からの回転衝撃が加わっても、アクチュエータおよび慣性アームのいずれにも同一方向の回転モーメントが働くことになり、係合部でその動作を抑制し合う。したがって、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。また、ロード時には、ディスク記録媒体の回転により発生する気流の力を受風部が受けることにより、慣性アームには常にアクチュエータとの係合を解除する方向に力が働く。したがって、請求項1記載の磁気的吸引力による付勢手段などを特に設けなくとも、慣性アームの姿勢が保持され、ロード/アンロード時のアクチュエータと慣性アームとの係合解除/係合動作態様を確実に実現できる。
【0056】
(実施の形態3)
図11〜図13は(実施の形態3)を示す。
図11において、ディスク1、スピンドルモータ2、スライダ4、アクチュエータ22、ボイスコイルモータ23、ランプブロック6、筐体10、ヘッドアーム25、コイルアーム26、ピボット軸受21、キャリッジアーム31、サスペンションアーム32、タブ35、ヘッドワイヤ41、コイル51、上ヨーク52、下ヨーク53、永久磁石55、慣性アーム7、第1の保持手段としての吸引部材8は、図1の構成と同様なものである。図1の構成と異なる点は、第2の保持手段である第2の吸引部材9が慣性アーム7に固定されている点である。
【0057】
第2の保持手段は、永久磁石55と第2の吸引部材9とで構成されており、磁性材料からなる第2の吸引部材9は、アクチュエータ22が待避位置にある時、常時、永久磁石55に吸引されて、慣性アーム7を反時計方向に付勢、保持することにより、アクチュエータ22を保持する。
【0058】
以上のように構成された磁気ディスク装置について、以下その動作を説明する。
図示しない制御部は、磁気ディスク装置が動作を停止する際に、ボイスコイルモータ23のコイル51に駆動電流を流し、アクチュエータ22のヘッドアーム25を待避位置にアンロードさせる。図11はヘッドアーム25が待避位置にアンロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7とは係合されている。ヘッドアーム25が待避位置にあるとき、サスペンションアーム32のタブ35は、ランプブロック6に保持される。また、ディスク1は静止する。
【0059】
慣性アーム7は、永久磁石55に第2の吸引部材9が吸引されることにより、反時計方向に付勢されており、アクチュエータ22は待避位置で姿勢が保持される。次に、磁気ディスク装置が動作を開始する際には、ヘッドアーム25を待避位置からロードさせて、回転動作を開始したディスク1の表面にスライダ4を移動させ、さらにスライダ4のヘッド素子(図示せず)により読み込まれたサーボデータに基づいてスライダ4を所望のデータトラック上に移動させる。
【0060】
図12は、スライダ4がディスク1に近接する直前(またはディスク1から離間した直後)の状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7との係合は解除されている。
【0061】
図13はロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7との係合は解除されている。いずれの状態も、慣性アーム7は、永久磁石55に吸引部材8が吸引されることにより、時計方向に付勢されており、また、その姿勢は筐体10により規制されている。なお、ロード時の慣性アーム7における吸引部材8と永久磁石55間の吸引力は、第2の吸引部材9と永久磁石55との間の吸引力よりも大きくなるよう配設位置を設定しており、ロード時に慣性アーム7が反時計方向に付勢されることはない。
【0062】
次に、非動作時に磁気ディスク装置に外部から微弱な回転衝撃が加わった時のアクチュエータ22、慣性アーム7の動作について説明する。
慣性アーム7は、上述したように回動自在に筐体10に支持されているが、回動時に支軸と摺動するため、必ず摺動ロスが発生する。また、製造上のばらつきもある。そのため、比較的大きな衝撃に対しては問題はないが、微弱な衝撃に対して慣性アーム7が動作しないことが予想される。図11において、反時計方向の微弱な回転衝撃が加わると、所定の角加速度でアクチュエータ22が反時計方向に回転する力が作用する。一方、上述した理由から、慣性アーム7に反時計方向に回転する力が作用しなくとも、第2の吸引部材9と永久磁石55との間の吸引力により慣性アーム7の姿勢が保持される。アクチュエータ22と慣性アーム7は係合状態であるため、アクチュエータ22の姿勢も保持される。また、時計方向の微弱な回転衝撃が加わる場合も同様に、慣性アーム7に時計方向に回転する力が作用しなくとも、第2の吸引部材9と永久磁石55との間の吸引力により慣性アーム7の姿勢が保持される。アクチュエータ22と慣性アーム7は係合状態であるため、アクチュエータ22の姿勢も保持される。したがって、微弱な回転衝撃により、アクチュエータ22が揺動してディスク1の表面に移動することを回避できる。
【0063】
以上のように本実施の形態によれば、アクチュエータまたは慣性アームを保持する第2の保持手段を設けることにより、待避位置で発生する微弱な回転衝撃に対してアクチュエータの姿勢を常に保持できる。つまり、慣性アームが動作しない微弱な回転衝撃でも、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【0064】
(実施の形態4)
図14と図15は、本発明の磁気ディスク装置におけるラッチ機構の動作説明図である。図14において、ディスク1、スピンドルモータ2、スライダ4、ボイスコイルモータ23、ランプブロック6、筐体10、ヘッドアーム25、コイルアーム26、ピボット軸受21、キャリッジアーム31、サスペンションアーム32、タブ35、ヘッドワイヤ41、コイル51、上ヨーク52、下ヨーク53、永久磁石55は、図1の構成と同様なものである。図1の構成と異なる点は、アクチュエータ22の質量重心位置がピボット軸受21の中心に対して偏心しており(図14では、Ga点)、また、慣性アーム7の質量重心位置も回動中心に対して偏心している(図14では、Gl点)点である。さらに、アクチュエータ22の回動中心とアクチュエータ22の質量重心Gaとを結ぶ線分と、慣性アーム7の回動中心と慣性アーム7の質量重心Glとを結ぶ線分とで形成される角度αを鋭角としている。
【0065】
以上のように構成された磁気ディスク装置について、以下その動作を説明する。
一般に、アクチュエータ22のように、揺動軸に揺動自在に設けられた部品は、磁気ディスク装置に加わる外部からの衝撃により、直線的加速度と角加速度を受ける。直線的加速度による力(並進力)はアクチュエータ22の質量重心Gaに働き、また角加速度による力(偶力)は、ピボット軸受21の中心に働く。また、アクチュエータ22の質量重心位置は、ピボット軸受21の中心になるよう設計されるが、設計上の制約や製造上のばらつきから厳密には偏心してしまう。質量重心位置が回動中心からずれると、外部からの衝撃(直線的加速度)により、アクチュエータ22を回転させる力が作用する。
【0066】
このことについて、図15を用いて説明する。
図15において、アクチュエータ22の回動中心とアクチュエータ22の質量重心Gaとを結ぶ線分と、慣性アーム7の回動中心と慣性アーム7の質量重心Glとを結ぶ線分とで形成される角度αは鈍角をなしている。また、直線的加速度Fa、Flがアクチュエータ22、および慣性アーム7に働くと仮定すると、直線的加速度による力は質量重心に働くため、アクチュエータ22は反時計方向に、また、慣性アーム7には時計方向に回転する力が作用する。したがって、アクチュエータの動作を抑制できず、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できない。
【0067】
一方、本発明の実施の形態では、図14に示すようにアクチュエータ22の回動中心とアクチュエータ22の質量重心Gaとを結ぶ線分と、慣性アーム7の回動中心と慣性アーム7の質量重心Glとを結ぶ線分とで形成される角度αを鋭角としている。したがって、直線的加速度Fa、Flがアクチュエータ22、および慣性アーム7に働くと仮定すると、直線的加速度による力は質量重心に働くため、アクチュエータ22は反時計方向に、また、慣性アーム7にも反時計方向に回転する力が作用する。したがって、アクチュエータの動作を抑制でき、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。なお、外部からの衝撃による角加速度に対する動作については、既に述べているので省略する。
【0068】
以上のように本実施の形態によれば、待避位置において、アクチュエータの回動中心とアクチュエータの質量重心とを結ぶ線分と、慣性アームの回動中心と慣性アームの質量重心とを結ぶ線分とで形成される角度を鋭角とすることによって、アクチュエータと慣性アームのそれぞれに働く直線的加速度による回転モーメントの方向を略同一とすることができる。したがって、回転衝撃だけでなく、質量重心に働く直線的加速度に対するアクチュエータの動作を抑制でき、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【0069】
(実施の形態5)
図16は(実施の形態5)を示す。
図16において、ディスク1、スピンドルモータ2、スライダ4、ボイスコイルモータ23、ランプブロック6、筐体10、ヘッドアーム25、コイルアーム26、ピボット軸受21、キャリッジアーム31、サスペンションアーム32、タブ35、ヘッドワイヤ41、コイル51、上ヨーク52、下ヨーク53、永久磁石55、第1の保持手段としての吸引部材8は、図14の構成と同様なものである。図14の構成と異なる点は、第2の保持手段である第2の吸引部材9が慣性アーム7に固定されている点である。第2の保持手段は、永久磁石55と第2の吸引部材9とで構成されており、磁性材料からなる第2の吸引部材9は、アクチュエータ22が待避位置にある時、常時、永久磁石55に吸引されて、慣性アーム7を反時計方向に付勢、保持することにより、アクチュエータ22を保持する。
【0070】
以上のように構成された磁気ディスク装置について、以下その動作を説明する。
図16はヘッドアーム25が待避位置にアンロードされた状態を示しており、コイルアーム26と慣性アーム7とは係合されている。慣性アーム7は、永久磁石55に第2の吸引部材9が吸引されることにより、反時計方向に付勢されており、アクチュエータ22は待避位置で姿勢が保持される。
【0071】
非動作時に磁気ディスク装置に外部から微弱な回転衝撃が加わった時のアクチュエータ22、慣性アーム7の動作について説明する。慣性アーム7は、上述したように回動自在に筐体10に支持されているが、回動時に支軸と摺動するため、必ず摺動ロスが発生する。また、製造上のばらつきもある。そのため、比較的大きな衝撃に対しては問題はないが、微弱な衝撃に対して慣性アーム7が動作しないことが予想される。図16において、反時計方向の微弱な回転衝撃が加わると、所定の角加速度でアクチュエータ22が反時計方向に回転する力が作用する。一方、上述した理由から、慣性アーム7に反時計方向に回転する力が作用しなくとも、第2の吸引部材9と永久磁石55間の吸引力により慣性アーム7の姿勢が保持される。アクチュエータ22と慣性アーム7は係合状態であるため、アクチュエータ22の姿勢も保持される。また、時計方向の微弱な回転衝撃が加わる場合も同様に、慣性アーム7に時計方向に回転する力が作用しなくとも、第2の吸引部材9と永久磁石55間の吸引力により慣性アーム7の姿勢が保持される。アクチュエータ22と慣性アーム7は係合状態であるため、アクチュエータ22の姿勢も保持される。したがって、微弱な回転衝撃により、アクチュエータ22が揺動してディスク1表面に移動することを回避できる。
【0072】
また、直線的加速度に対しては、アクチュエータ22の回動中心とアクチュエータ22の質量重心Gaとを結ぶ線分と、慣性アーム7の回動中心と慣性アーム7の質量重心Glとを結ぶ線分とで形成される角度αを鋭角としているため、アクチュエータと慣性アームのそれぞれに働く直線的加速度による回転モーメントの方向を略同一とすることができる。したがって、回転衝撃だけでなく、質量重心に働く直線的加速度に対するアクチュエータの動作を抑制でき、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【0073】
以上のように本実施の形態によれば、アクチュエータまたは慣性アームを保持する第2の保持手段を設け、かつ待避位置において、アクチュエータの回動中心とアクチュエータの質量重心とを結ぶ線分と、慣性アームの回動中心と慣性アームの質量重心とを結ぶ線分とで形成される角度を鋭角とすることによって、慣性アームが動作しない微弱な回転衝撃ならびに直線的衝撃のいずれに対してもアクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【0074】
なお、以上の説明ではアクチュエータと慣性アームのそれぞれの係合部をインボリュート形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクチュエータと慣性アームとの慣性と係合距離の関係を維持しておれば、軸との係合であってもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上のように第1の発明によれば、ヘッドアームの位置が待避位置あるいはその近傍でアクチュエータに係合し、ディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍でアクチュエータとの係合を解除する回動自在な慣性アームと、アクチュエータとの係合を解除する位置で慣性アームの姿勢を保持する付勢手段とを設けたことにより、アクチュエータが待避位置に停留している時に、外部からの回転衝撃が加わっても、アクチュエータおよび慣性アームのいずれにも同一方向の回転モーメントが働くことになり、係合部でその動作を抑制し合う。したがって、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。また、ロード時には、アクチュエータとの係合を解除する位置で、付勢手段により、慣性アームの姿勢が保持され、ロード/アンロード時のアクチュエータと慣性アームとの係合解除、および係合動作態様を確実に実現できる。
【0076】
第2の発明によれば、ヘッドアームの位置が待避位置あるいはその近傍でアクチュエータに係合し、ディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍でアクチュエータとの係合を解除し、かつディスク記録媒体の回転に応じて発生する気流の力を受ける受風部を有する回動自在な慣性アームを設けることによって、アクチュエータが待避位置に停留している時に、外部からの回転衝撃が加わっても、アクチュエータおよび慣性アームのいずれにも同一方向の回転モーメントが働くことになり、係合部でその動作を抑制し合う。したがって、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。また、ロード時には、ディスク記録媒体の回転により発生する気流の力を受風部が受けることにより、慣性アームには常にアクチュエータとの係合を解除する方向に力が働く。したがって、第1の発明の付勢手段を特に設けなくとも、慣性アームの姿勢が保持され、ロード/アンロード時のアクチュエータと慣性アームとの係合解除/係合動作態様を確実に実現できる。
【0077】
第3の発明によれば、アクチュエータまたは慣性アームを保持する第2の保持手段を設けることにより、待避位置で発生する微弱な衝撃に対してアクチュエータの姿勢を常に保持できる。つまり、慣性アームが動作しない微弱な衝撃でも、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【0078】
第4の発明によれば、待避位置において、アクチュエータの回動中心とアクチュエータの質量重心とを結ぶ線分と、慣性アームの回動中心と慣性アームの質量重心とを結ぶ線分とで形成される角度を鋭角とすることによって、アクチュエータと慣性アームのそれぞれに働く直線的加速度による回転モーメントの方向を略同一とすることができる。したがって、回転衝撃だけでなく、質量重心に働く直線的加速度に対するアクチュエータの動作を抑制でき、アクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【0079】
第5の発明によれば、アクチュエータまたは慣性アームを保持する第2の保持手段を設け、かつ待避位置において、アクチュエータの回動中心とアクチュエータの質量重心とを結ぶ線分と、慣性アームの回動中心と慣性アームの質量重心とを結ぶ線分とで形成される角度を鋭角とすることによって、慣性アームが動作しない微弱な回転衝撃ならびに直線的衝撃のいずれに対してもアクチュエータがデータ領域に揺動することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)の磁気ディスク装置の概略構成を示す平面図
【図2】同実施の形態の図1におけるA−A断面図
【図3】同実施の形態の図1におけるB矢視図
【図4】同実施の形態のアクチュエータと慣性アームとの力学的関係を示す模式図
【図5】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図6】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図7】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図8】本発明の(実施の形態2)の磁気ディスク装置の動作説明図
【図9】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図10】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図11】本発明の(実施の形態3)の磁気ディスク装置の動作説明図
【図12】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図13】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図14】本発明の(実施の形態4)の磁気ディスク装置の動作説明図
【図15】同実施の形態の磁気ディスク装置の動作説明図
【図16】本発明の(実施の形態5)の磁気ディスク装置の動作説明図
【図17】従来の慣性ラッチ機構の構成図
【図18】従来の慣性ラッチ機構の構成図
【符号の説明】
1 ディスク
4 スライダ
6 ランプブロック
7 慣性アーム
7a 受風部
8 吸着部材(第1の保持手段)
9 第2の吸引部材(第2の保持手段)
21 ピボット軸受
22 アクチュエータ
26 コイルアーム
Claims (2)
- ディスク記録媒体にデータを記録し記録したデータを読み込むヘッド素子を有するスライダが実装されたヘッドアームを有し、前記ヘッドアームを待避位置にアンロードし、また前記スライダが前記ディスク記録媒体の表面に近接するように前記ヘッドアームを前記待避位置からロードするアクチュエータと、
回動自在に支持され、前記ヘッドアームの位置が前記待避位置あるいはその近傍で前記アクチュエータに係合し、前記ヘッドアームの位置が前記ディスク記録媒体との近接位置あるいはその近傍で前記アクチュエータとの係合を解除する慣性アームと、
前記アクチュエータとの係合を解除する位置で前記慣性アームの姿勢を保持する付勢手段とを具備し、
前記アクチュエータと前記慣性アームは、各々の回動中心に対して質量の平衡がとられており、
前記アクチュエータと前記慣性アームの慣性比率は、前記アクチュエータの回動中心から係合部までの距離と前記慣性アームの回動中心から係合部までの距離の比に等しく、
前記アクチュエータと前記慣性アームとの係合は、前記アクチュエータの動作方向にかかわらず、前記慣性アームが連動する係合であることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 前記アクチュエータと前記慣性アームとの係合を、インボリュート形状の噛み合い状態で係合するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置。
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