JP3865912B2 - 石炭ガス化プラント用耐食合金管 - Google Patents

石炭ガス化プラント用耐食合金管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭ガス化プラントにおいて使用する合金管に関する。この合金管は、熱交換器管として用いるのに必要な高温強度、加工性、溶接性等の基本的な特性を備えるとともに、600℃程度の高温での厳しい腐食環境にも耐える優れた耐食性を持つものであるから、石炭ガス化プラントの蒸発管用としては勿論、石炭ガス化複合発電プラントの蒸気過熱器管用としても使用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
石炭は、世界的に広くかつ豊富に分布し、安価であることから、エネルギー資源としてきわめて有用なものである。しかしながら、石炭は固体であるために輸送や貯蔵等の取り扱いに難があること、そのまま燃焼させると煤塵やSOx等の発生によって環境汚染を引き起こすこと、等の問題がある。
【0003】
上記のような石炭の欠点を除くために、これをガス化して、クリーンな燃料とする技術が開発されている。石炭のガス化は、石炭と空気(酸素)とを反応させて石炭を部分燃焼させ、水素、一酸化炭素、メタン等を主成分とするガス(合成ガスまたは石炭ガスと呼ばれる)を得る技術である。その合成ガスを精製したクリーンなガスを燃焼させてガスタービンにより発電を行うと同時に、粗ガス(ガス化装置内で発生した精製する前のガス)の顕熱を利用して発生させた蒸気で蒸気タービンを回して発電を行うのが、石炭ガス化複合発電技術である。
【0004】
石炭ガス化複合発電は、石炭をガスに変えるとともに発電も行うという高効率の石炭利用技術であるから、近年の環境汚染と資源枯渇の問題に対処する有力な技術として注目されている。そして、その商用プラントが米国フロリダ州において運転を開始した段階にまで到達している。
【0005】
石炭ガス化装置で発生した粗ガスの顕熱回収は、通常、ガス化プラントの冷却塔に設置した粗ガス冷却器の熱交換器によって行われる。その管内に供給された水を高温の粗ガスで加熱して蒸気に変え、その蒸気をタービンに導いて発電を行うのである。しかし、原料石炭の種類によっては、粗ガス中には極めて腐食性の強いH2SやHClが含まれる。このような成分を含み、しかも高温のガスにさらされる機器は、激しい高温硫化腐食を受けることが知られている。この高温硫化腐食は機器(例えば管)のメタル温度、即ち、材料自体の温度、に強く依存し、メタル温度が高いほど腐食は厳しい。
【0006】
石炭ガス化複合発電プラントにおける発電効率を飛躍的に高めるには、石炭ガスの顕熱を有効に活用して蒸気を過熱する過熱器を設置する必要がある。しかし、従来、石炭ガス化プラントではメタル温度で350〜400℃前後の蒸発管の設置がせいぜいであって、高効率発電が狙える蒸気温度550℃クラスの過熱器の設置はなされていない。それは、400〜600℃の温度域で十分な耐高温硫化腐食性を有し、かつ高温強度に優れた管材が存在しなかったからである。
【0007】
なお、既存の高耐食性合金のなかでは、JISのNCF800TBとSanicro28(商品名)と呼ばれるオーステナイト系合金が石炭ガス化プラント用材料として使用されている。しかし、後述の実施例に示すように、これらの合金の耐高温硫化腐食性も過熱器管用としては不十分である。
【0008】
さらに、石炭ガス化プラント用の機器には前記の高温硫化腐食とともに露点腐食の問題がある。これは、プラントの停止時のCl(塩素)を含む結露水による腐食である。このような腐食環境では市販のステンレス鋼や耐食合金には孔食が発生しやすい。
【0009】
上記のような使用条件(腐食条件)から明らかなように、石炭ガス化プラントの熱交換器用材料は、高温硫化腐食とともに露点腐食に対しても優れた抵抗性を持つことが必要である。そして、その材料は、熱交換器管(ボイラチューブ)の素材としての基本的な特性、即ち、高温強度、組織安定性、管に加工するための加工性、溶接性といった特性を備えるものでなければならない。
【0010】
石炭ガス化機器用材料としては、既にいくつかの合金が提案されている。
【0011】
特開昭59−229468号公報には1.5〜4.0%のAlを含むオーステナイトステンレス鋼が提案されている。この鋼は、高温における耐食性は良好であるが、Moを含有しないので、露点腐食に弱いという欠点を有する。
【0012】
特開昭61−56263号公報で提案されている合金は、露点腐食に対して良好な耐食性能を示すものの、Siが低いために高温硫化腐食に対して耐食性が十分でない。
【0013】
本発明者らの一人も、先に石炭ガス化プラント用の新しい耐食性合金を提案した(特開平7−126814号公報、特開平8−13099号公報、特開平8−13100号公報)。その合金は、メタル温度が600℃程度になっても高温硫化腐食に耐え、かつ露点腐食に対しても優れた抵抗性を有するとともに、ボイラチューブとして用いるのに十分な高温強度もあり、長時間の使用による加熱脆化も少ない。従って、この合金は、クラッド管や肉盛り管のような複合管ではなく単一の材料からなる単一管として耐圧部材に安心して使用できる経済的な合金である。これらの合金は耐高温硫化腐食性を向上させる目的からSiを1.5%以上含有し、他の主要合金元素であるCr、Ni、Mo、N等の含有量を最適化することで高温用材料として単一管で使用される条件下で優れた耐食性と機械的性質を示すように設計された実用上有望な合金と考えられた。しかしながら、その後の研究により、上記の合金にも次のような問題があることが判明した。
【0014】
粗ガス冷却塔器の過熱器は、製管工場で製造される直管に機械工場で曲げ加工や溶接を施してパネルに成形され、実機に取り付けられて使用される。上記の特開平7−126814号公報等で提案した合金は、管の溶接継手部、特に溶接熱影響部が500℃以上の高温で長時間使用された場合に脆化する(組織安定性に乏しい)のである。この溶接継手部の加熱脆化(時効脆化ともいう)は、溶接条件を変えるという対策でも回避できないので、合金の成分設計の思想を見直す必要がある。
【0015】
上記のとおり、高温の硫化腐食環境における耐食性、停缶時の露点腐食に対する耐食性とともに製管性や長時間使用時の組織安定性、さらには施工性(まげ加工性、溶接性)、経済性等のあらゆる点を満足し、かつ過熱器管に加工された後の溶接継手部の高温長時間性能にも優れた合金管は、未だ開発されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、下記のすべての特性を備えた石炭ガス化プラント用の合金管であって、蒸発管用としてはもちろん、過熱器管としても使用できる合金管を提供することを課題としてなされたものである。
【0017】
1.耐食性
1-1.単一管としてメタル温度で600℃程度までの温度域で優れた耐硫化腐食性を持つこと、具体的には、前記のNCF800TBおよびSanicro28よりもはるかに優れた耐硫化腐食性を持つこと、
1-2.露点腐食環境において優れた耐食性を持つこと。
【0018】
2.組織安定性
高温で長時間使用された場合にも、合金そのものが脆化せず、かつ、溶接熱影響部の脆化もないこと、
3.製管性、加工性、溶接性
通常の製管プロセスで容易に製管でき、また、製管後の曲げ加工性および 溶接性にも優れること、
4.高温強度が高く、クリープ特性に優れ、熱交換器として長期の使用に適すること、
5.原材料費および過熱器管等への加工コストが安く、比較的経済性に優れること。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(4)の化学組成を持つ「石炭ガス化プラント用の耐食合金管」を要旨とする。
【0020】
(1)重量%で、C:0.03%以下、Si:1.25〜1.75%、Mn:0.50%以下、Cr:24%以上26%未満、Ni:28〜32%、Mo:2〜3%、Nb:0.10〜0.30%、N:0.12%以下、希土類元素合計で0.02〜0.10%、Al:0.1%以下、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、上記上記Si、CrおよびNの含有量が下記▲1▼式を満たす組成
[Si重量%]≦30−[Cr重量%]−40×[N重量%]・・・▲1▼
(2)上記(1)の成分に加えて更に、MgとCaのうち1種または2種の合計で0.001〜0.01%を含む組成
(3)上記(1)の成分に加えて更に、B:0.001〜0.01%を含む組成
(4)上記(1)の成分に加えて更に、MgとCaのうち1種または2種の合計で0.001〜0.01%、およびB:0.001〜0.01%を含む組成
上記(2)〜(4)の組成においても、前記の▲1▼式は満足しなければならない。
【0021】
本発明は、次に述べる様々な合金設計思想を総合してなされたものである。
【0022】
A.合金を高Cr高Si系として合金表面に極めて強固な保護性のCr2O3/SiO2二層被膜を均一生成させることにより高温硫化腐食に対する抵抗性を確保する
B.停缶時の露点腐食に対する抵抗性をCrとMoの複合添加で確保する
C.高温強度は母材を完全オーステナイト組織にすることによって確保する
D.溶接熱影響部の加熱脆化を防止するためCr量の上限を26%未満とし、かつSi含有量を1.75%以下、N含有量を0.12%以下としたうえで、Cr、NおよびSiの含有量を前記▲1▼式を満たす特定の関係になるように調整する
E.Nbの添加により製管時の熱間加工性を改善する。
【0023】
上記A〜Eの中でも本発明の最大の特徴は、A項に示したように高Cr高Si系の成分設計でありながら、D項のようにCr、NおよびSiの含有量を調整することにより、オーステナイト系高Si合金では不可避と考えられていた溶接継手部の加熱脆化を防止したことにある。
【0024】
本発明者らは、溶接継手部の加熱脆化特性を詳細に検討した結果、次のような知見を得た。即ち、高Cr高Siのオーステナイト系合金では、溶接終了時にその熱影響部で結晶粒界にCrとSiが偏析する。このような溶接継手を持つ機器が、高温で長時間加熱されると、時効現象によって溶接熱影響部ではCr、Siを含有する脆いシグマ相が結晶粒界に析出し、溶接熱影響部の靭性劣化を招く。これが溶接熱影響部の主要な加熱脆化機構である。
【0025】
さらに、上記のシグマ相の時効析出は母材のCrとSiの含有量に加えてN含有量の影響を大きく受けること、および、前記D項に記したように、合金のCr、SiおよびNの含有量を最適化することでシグマ相の析出を効果的に防止できることを見いだした。ただし、上記のCr、SiおよびNの含有量の最適化は、耐高温硫化腐食性や耐露点腐食性等を確保するに足りるCrおよびSiを含有させるという前提の下に行われることは、いうまでもない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の管を構成する合金の成分の作用とそれらの含有量を定めた理由を説明する。
【0027】
C:0.03%以下
Cは、オーステナイト系耐熱合金では通常高温強度を高めるために添加される。しかし、その含有量が0.03%を超えると高温での使用中に結晶粒界を中心に塊状のCr炭化物が析出し、露点腐食に対する耐食性を劣化させる。従って、本発明合金管ではその上限を0.03%とした。
【0028】
Si:1.25〜1.75%
Siは、高温硫化腐食環境下でCrとともに合金に優れた耐食性を付与する重要な合金元素である。Siの含有量が1.25%以上で、かつCrの含有量が24%以上であれば、合金の表面には高温硫化腐食環境下で優れた環境遮断効果を示す保護性Cr2O3/SiO2二層被膜が生成する。この二層被膜は、合金管母相との界面に生成するSiO2の被膜とその上に生成する主にCr2O3からなる被膜で構成されるものである。仮に後者が浸食されてもなお前者が保護機能を持つので、高Cr高Si合金は優れた高温耐食性を示すのである。しかし、Siが過剰添加されると長時間加熱に対する合金の組織安定性が劣化すること、溶接高温割れ感受性が高まること等から、その含有量の上限を1.75%とした。
【0029】
Mn:0.50%以下
Mnはオーステナイト形成元素であるとともに脱酸剤としても作用するので、従来のオーステナイト系合金には通常0.5%程度は含有される。しかし、高温硫化腐食環境下で保護被膜として作用するCr2O3/SiO2二層被膜の安定性は、Mnの含有量が低いほど良好である。従って、本発明合金では、その含有量の上限を0.5%とした。これは、溶解原料から混入するMnが、0.5%までは許容できるということである。即ち、Mnは積極的に添加する必要がなく、その含有量は実質的に0であってもよい。
【0030】
Cr:24%以上で26%未満
Crは、前記のように、Cr2O3/SiO2二層被膜を生成させて高温硫化腐食および露点腐食に対する耐食性を確保するために添加する。高温硫化腐食に対する耐食性は、主にCrと前述のSiおよび後述する希土類元素との組み合わせにより発揮される。この効果が顕著になるCrの含有量は24%以上である。一方、Crが26%以上になると長時間加熱時に溶接熱影響部に脆いシグマ相が析出し溶接継手部の脆化が顕著となる。従って、Crの含有量は26%未満に止めなければならない。
【0031】
Ni:28〜32%
Niはオーステナイト形成元素であり、合金をオーステナイト組織にするために添加される。主として高温強度を確保するために、合金の組織はオーステナイト単相であるのが望ましい。Ni含有量が28%より低くなると長時間加熱時に組織安定性が低下する。従って、Niの含有量は28%以上とする必要があるが、Niは高価であるから、経済性を重視し上限を32%とした。
【0032】
Niは合金の耐応力腐食割れ性の改善にも有効である。管の曲げ加工部や溶接継手部などの応力集中部には、露点腐食環境下で応力腐食割れが発生することがある。しかし、Niを25%以上含有する合金においては、この応力腐食割れは実質上発生しなくなる。従って、本発明合金管では、曲げ加工部や溶接継手部の応力除去焼鈍を実施する必要がなく、施工コストの低減が可能である。
【0033】
Mo:2〜3%
Moは、湿食環境での耐食性を改善するため添加される合金元素である。前記のように、石炭ガス化プラントにおいては露点腐食が大きな問題になるので、本発明合金には耐露点腐食性を高めるために、前記のCrとともにMoを添加する。その効果は2%以上で顕著となり、3%を超えると飽和する。
【0034】
N:0.12%以下
Nはオーステナイト組織の安定化に寄与するのみならず、合金の高温強度を高める作用を有する。また露点腐食環境における耐食性を高める作用もある。このような効果を得るために、Nを積極的に含有させてもよい。しかし、Siを1%以上含有する高温用オーステナイト合金では、過剰なNは長時間加熱時された材料の溶接熱影響部において、結晶粒界に脆いシグマ相を析出させる。これを避けるために、N含有量は、SiおよびCrの含有量との関係で前記▲1▼式、即ち、
[Si%]≦30−[Cr%]−40×[N%]・・・▲1▼
を満足する範囲に制限する必要がある。後に説明する図1に示すように、Cr含有量の多寡に応じて、溶接熱影響部の加熱脆化を促進するNの含有量に相違がある。その相関関係を詳細に調べた結果、得られた実験式が前記の▲1▼式である。その式を満たす範囲にSi、Crおよび/またはNの含有量を定めれば、上記の加熱脆化を効果的に抑制することができる。
【0035】
図1には、Crが24%の場合の直線aと、26%の場合の直線bを例示してある。それぞれの直線の左側がN含有量の適正範囲である。
【0036】
前記のSi含有量の範囲(1.25〜1.75%)とCr含有量の範囲(24%から26%未満)から、上記の▲1▼式を用いてNの最大含有量、即ち、図1のA点のN含有量、を求めると約0.12%である。従って、N含有量を0.12%以下とした上で、▲1▼式を満たすように3成分の含有量を決定するのである。なお、Nの含有量を図1のB点の含有量(約0.06%)以下に抑えれば、CrおよびSiの含有量を最大値にしても加熱脆化は起きない。従って、Nの上限値を0.06%とするのが望ましい。
【0037】
Nは、積極的に添加しなくてもよい。即ち、その下限は、不可避的に混入する程度でもよい。
【0038】
希土類元素(REM):0.02〜0.10%
Y、Ce、La等の希土類元素は鋼中の固溶Sを固定してCr2O3等の保護被膜の密着性および安定性を改善し、高温硫化腐食に対する合金の耐食性を向上させる。この効果は、希土類元素の1種または2種以上の合計含有量が0.02%以上であるときに発揮される。他方、その含有量が0.1%を超えると、加熱時効時に脆い金属間化合物が析出して合金の靱性を損なう。従って、その上限を0.1%とした。なお、希土類元素はミッシュメタルとして添加してもよい。
【0039】
Nb:0.10〜0.30%
Nbは炭化物を形成しやすいので、炭化物析出による合金の高温強度をさらに向上させるとともに、鋼中のCを固定してCr炭化物の析出を抑制し、露点腐食に対する抵抗性を高める作用を有する。またNbには合金管製造における熱間押出しの際、押出し疵の原因となるSi、Ni主体の低融点化合物の融点を上昇させ、合金の熱間加工性を向上させる作用もある。従って、本発明合金には積極的に添加する。その含有量が0.1%以上になると上記の効果が認められが、0.3%を超える範囲では効果が飽和する。
【0040】
Al:0.1%以下
Alは本発明合金では必須の成分ではなく、その含有量は実質的に0でもよい。しかし、Alは、次に述べるMg、Caと同様の活性金属で、熱間加工性を悪化させる合金中のO(酸素)を固定する作用を有するので、特に合金の熱間加工性の改善のために添加してもよい。その効果は0.01%以上で顕著になるから、添加する場合はその含有量を0.01%以上とするのが望ましい。ただし、Alの含有量が0.1%を超えると合金のクリープ延性が低下する。従って、添加する場合でも含有量は0.1%までとするべきである。
【0041】
本発明の合金管の一つはこれまでに述べた成分の外、残部がFeと不可避の不純物からなる合金製のものである。なお、不可避不純物の代表的なものは、PとSである。これらは、それぞれ0.030%以下、0.003%以下に抑えるのが望ましい。
【0042】
本発明合金管の他の一つは、合金成分として前記のものに加えてさらにMgまたは/およびCa、ならびにB(ボロン)の中から選んだ成分を含有する合金である。これらの成分の作用効果と含有量の選定理由は次のとおりである。
【0043】
Mgまたは/およびCa:0.001〜0.01%
MgとCaは活性金属でAlと同様の作用をもつので、合金の熱間加工性の向上を目的に必要に応じて添加することができる。その効果を得るには1種または2種の合計で0.001%以上の含有量が必要であるが、0.01%を超えると低融点のMg−Ni化合物、Ca−Ni化合物を形成し、逆に熱間加工性を悪化させる。従って、含有量の上限を0.01%とした。
【0044】
B:0.001〜0.01%
B(ボロン)高温強度を高める目的で添加できる。Bは結晶粒界に偏析し結晶粒界を強化する作用を有する。その効果は0.001%以上で顕著となるが、0.01%を超えると合金の溶接高温割れ感受性が高まるため上限を0.01%とした。
【0045】
【実施例】
[実施例1]
表1に化学組成を示す13種の合金1〜17(合金1〜3は本発明合金、合金4〜17は比較合金)を真空溶解炉で50kgづつ溶製し、得られたインゴットを外削加工した後1200℃で1時間加熱し、熱間鍛造により厚さ20mmの板とした。この板に1150℃で1時間加熱した後に水冷する熱処理を施した後、冷間圧延して厚さ15mmの板とした。
【0046】
上記の冷延板に再度1150℃で1時間加熱した後に水冷する溶体化熱処理を施し、図2に示す開先形状に加工して、図3に示す積層方法でTIG溶接を行った。図3中の数字は溶接ビードの積層順序を示す。溶接条件は表2に示すとおりである。溶接材料としてはInco82(AWS ERNiCr−3)を用いた。なお、この溶接の際には溶接高温割れはまったく発生せず、どの合金も溶接性には問題がないことが分かった。
【0047】
溶接継ぎ手部からは図4に示すシャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号試験片)をノッチ部が熱影響部の中央になるように切り出し、600℃で3000時間の時効熱処理を施した後0℃でシャルピー衝撃試験を行った。
【0048】
【表1】
Figure 0003865912
【0049】
【表2】
Figure 0003865912
【0050】
試験結果を表3および図1に示す。図1中の○と●は、Cr含有量が約24%の合金で、前者は衝撃値が20J/cm2以上、後者が衝撃値が5J/cm2の以下であることを示す。△と▲は、Cr含有量が約26%の合金で、前者は衝撃値が20J/cm2以上、後者が衝撃値が5J/cm2以下であることを示す。
【0051】
上記の試験結果から、Cr含有量が約24%の合金ならびに約26%の合金のいずれにおいても、溶接熱影響部の加熱脆化特性は合金のCr、Si、Nの影響を受けていること、および母材のSi含有量が前記の▲1▼式を満たせば溶接熱影響部の加熱脆化に対する抵抗性が顕著に向上することがわかる。
【0052】
【表3】
Figure 0003865912
【0053】
[実施例2]
表4に化学組成を示す15種の合金を180kgづつ真空誘導加熱炉で溶解して得たインゴットを内・外削した後、1200℃に加熱しユジーンセジュルネ方式の熱間押出機で外径86mm、肉厚15mmの押出粗管を製造した。この粗管を冷間抽伸して外径50.9mm、肉厚8.0mm、長さ5000mmの管を各1本づつ合計15本製造した。表4の15種類の合金は、すべて通常の製管プロセスで問題なく管に加工することができた。これらの管に1100℃で3分間加熱した後に水冷する製品熱処理(溶体化熱処理)を施して、試験材料とした。
【0054】
【表4】
Figure 0003865912
【0055】
なお、表4の既存合金1は石炭ガス化プラントの蒸発管に従来用いられているNCF800TB、既存合金2は、同じくSanicro28である。本発明合金と比較して、前者は、Mn、Cr、Mo、Nb、Ti、REMおよびAlの含有量が異なり、後者は、Si、Mn、Cr、Mo、REM、NbおよびCuの含有量が異なる。
【0056】
表4に示した合金管について、a.耐高温硫化腐食性、b.耐露点腐食性、c.加熱時の組織安定性、d.高温引張強度、およびe.クリープ破断強度の評価をそれぞれ行った。各特性の評価法としてそれぞれ次の方法を用いた。
【0057】
a.耐高温硫化腐食性
管肉厚中央部から採取した長さ25mm幅15mm厚3mmの腐食試験片をガス化炉の合成ガスを模擬した28%H2−12%H2O−40%CO−12%CO2−1.5%H2S−0.2%HCl−bal.N2の組成の混合ガス気流中で650℃に100時間加熱し、脱スケールによる腐食減量を測定した。この腐食減量が少ない合金ほど耐高温硫化腐食性に優れている。
【0058】
b.耐露点腐食性
JIS G 0577に基づく孔食電位の測定を80℃の人工海水中、アルゴン脱気条件下で行い、試験材料の孔食電位(電流密度100μA/cm2に対応する電位)で評価した。
【0059】
c.時効熱処理による組織安定性
合金の組織安定性は、600℃で3000時間の時効熱処理を施した各試験材料に対して0℃でシャルピー衝撃試験(試験片JIS 4号、ハーフサイズシャルピー)を行い、そのシャルピー衝撃値により評価した。
【0060】
溶接継手部の組織安定性は、試験材料を母材として、実施例1と同様に溶接した継手部を600℃で3000時間加熱して時効させ、図4に準じた方法で切り出した試験片を用いて、0℃でシャルピー衝撃試験を行って評価した。その結果も表5に示した。
【0061】
d.高温引張強度
合金管の肉厚中央部から図5に示す丸棒試験片を採取して、JIS Z2241に準拠して引張試験を行った。その結果も表5に示す。
【0062】
e.クリープ破断強度
合金管の肉厚中央部から図6に示す丸棒試験片を採取して試験に供した。クリープ破断試験は、JIS Z2272に基づき550℃から750℃まで50℃間隔で設定した各温度で、負荷応力を33Mpaから8Mpaの間で温度に応じた決めた2レベルとして実施し、破断までの時間を測定した。得られた10点のデータから外挿法により600℃、100000時間のクリープ破断強度をラルソン−ミラーのパラメータ法を用いて算出した。その値を表5に示す。
【0063】
【表5】
Figure 0003865912
【0064】
表5の試験結果から明らかなように、本発明合金管A〜Oはいずれも高温硫化腐食による腐食原料は6.5mg/cm2以下である。既存合金1、同2で作製した既存管1および2の腐食減量がそれぞれ54.3mg/cm2,32.9mg/cm2であるから、高温硫化腐食に対する本発明合金管の耐食性は、これらの既存管のおおむね5倍以上である。
【0065】
露点腐食に対する耐食性も、その孔食電位が372mV以上であり、比較合金2よりはやや劣るものの既存管1に比べて著しく良好である。
【0066】
本発明合金管の時効後の組織安定性は、600℃で3000時間加熱された後でも、いずれも63J/cm2以上のシャルピー衝撃値を示し、過熱器管を含むボイラ用材料として十分な性能を有することが確認された。溶接継手部の組織安定性も、表5に示す50J/cm2以上のシャルピー衝撃値から明らかなように、きわめて良好である。
【0067】
本発明合金管の600℃における引張強度は、いずれも既存管を凌いでいる。また、クリープ破断強度も過熱器管として用いるのにも十分である。例えば、600℃のクリープ破断強度の105時間外挿値は、合金Aで150Mpaであり、これはNCRF800TB合金管(既存管1)の147Mpaよりも高い。
【0068】
既存合金1(NCF800TB)は、SiとCr含有量が低いため高温硫化腐食感受性が高い。また、その合金はMoを含有しないため耐露点腐食性も良くない。一方、既存合金2(Sanicro28)は、Cr量が高くかつMoを約3.5%含むため、耐露点腐食性に優れるがSi含有量が低いために耐高温硫化腐食性に劣る。このように既存の合金は、耐高温硫化腐食性と耐酸露点腐食性のいずれかに問題がある。これに対して、本発明合金は耐高温硫化腐食性と耐露点腐食性の両方に優れ、しかも、組織安定性、高温強度、さらには溶接継手部の加熱脆化抵抗性でも優れている。
【0069】
なお、表5の合金製の前記の管(試験材)を17℃および950℃で、管外径(86mm)の2.5倍の曲げ半径で曲げる試験も行った。この曲げ加工後の試験材の曲げ部をカラーチェックによって検査したところ、割れ等の欠陥はなく、すべて冷間加工性および熱間加工性において問題が無いことが確認された。
【0070】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明の合金管は、石炭ガス化プラントの過熱器管が曝されるメタル温度が600℃程度までの温度範囲で優れた耐食性を有するとともに優れたクリープ破断強度、組織安定性を有する。本発明合金の600℃のクリープ破断強度はNCF800TB合金と同等以上である。
【0071】
溶接施工性および管の曲げ加工性もNCF800TB合金管並である。本発明合金管を過熱器管に施工するに際しても、施工条件は既存鋼であるNCF800TBと同じでよく、既存の設備で十分施工が可能である。
【0072】
本発明合金管は、応力腐食割れに対する抵抗性を飛躍的に高めるNiを30%程度含むため、過熱器管パネルに管を施工する際に必要な溶接継手部や冷間曲げ加工部の応力除去焼鈍が不要となり、施工コスト上も有利である。また溶接継手部の性能も問題なく、パネルとして長時間使用される上で必要にして十分な信頼性を有する合金管である。
【0073】
本発明合金管は、石炭ガス化複合発電プラントの過熱器管として必要な全ての特性を備えている。この合金管で作製した過熱器を用いることにより、発電効率を飛躍的に高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接熱影響部の加熱脆化試験の結果を合金のSi、NおよびCrの含有量との関係で示した図である。
【図2】溶接熱影響部の加熱脆化試験のための試験材の開先形状を示す図である。
【図3】溶接熱影響部の加熱脆化試験のための試験材の溶接方法を示す図である。
【図4】溶接熱影響部の加熱脆化試験のための衝撃試験片の採取要領を示す図である。
【図5】高温引張試験の試験片形状を示す図である。
【図6】クリープ破断試験の試験片形状を示す図である。

Claims (4)

  1. 重量%で、C:0.03%以下、Si:1.25〜1.75%、Mn:0.50%以下、Cr:24%以上26%未満、Ni:28〜32%、Mo:2〜3%、Nb:0.10〜0.30%、N:0.12%以下、希土類元素合計で0.02〜0.10%、Al:0.1%以下、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、上記上記Si、CrおよびNの含有量が下記▲1▼式を満たすことを特徴とする石炭ガス化プラント用耐食合金管。
    [Si重量%]≦30−[Cr重量%]−40×[N重量%]・・・▲1▼
  2. 重量%で、C:0.03%以下、Si:1.25〜1.75%、Mn:0.50%以下、Cr:24%以上26%未満、Ni:28〜32%、Mo:2〜3%、Nb:0.10〜0.30%、N:0.12%以下、希土類元素合計で0.02〜0.10%、Al:0.1%以下、MgとCaのうち1種または2種の合計で0.001〜0.01%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、上記Si、CrおよびNの含有量が下記▲1▼式を満たすことを特徴とする石炭ガス化プラント用耐食合金管。
    [Si重量%]≦30−[Cr重量%]−40×[N重量%]・・・▲1▼
  3. 重量%で、C:0.03%以下、Si:1.25〜1.75%、Mn:0.50%以下、Cr:24%以上26%未満、Ni:28〜32%、Mo:2〜3%、Nb:0.10〜0.30%、N:0.12%以下、希土類元素合計で0.02〜0.10%、Al:0.1%以下、B:0.001〜0.01%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、上記Si、CrおよびNの含有量が下記▲1▼式を満たすことを特徴とする石炭ガス化プラント用耐食合金管。
    [Si重量%]≦30−[Cr重量%]−40×[N重量%]・・・▲1▼
  4. 重量%で、C:0.03%以下、Si:1.25〜1.75%、Mn:0.50%以下、Cr:24%以上26%未満、Ni:28〜32%、Mo:2〜3%、Nb:0.10〜0.30%、N:0.12%以下、希土類元素合計で0.02〜0.10%、Al:0.1%以下、B:0.001〜0.01%、MgとCaのうち1種または2種の合計で0.001〜0.01%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、上記Si、CrおよびNの含有量が下記▲1▼式を満たすことを特徴とする石炭ガス化プラント用耐食合金管。
    [Si重量%]≦30−[Cr重量%]−40×[N重量%]・・・▲1▼
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