JP3864710B2 - 架橋ポリマのリサイクル方法およびリサイクル装置 - Google Patents

架橋ポリマのリサイクル方法およびリサイクル装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋ポリマのリサイクル方法およびリサイクル装置に関し、特に、架橋ポリマを良好な作業効率と良好な熱効率のもとに連続的にリサイクルすることのできるリサイクル方法と、これに使用されるリサイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年になって、超臨界あるいは亜臨界流体等の高温高圧流体のポリマ類に対する特異な反応の研究が進み、たとえば、シラン架橋ポリエチレンのシラノール縮合による架橋点のみを超臨界流体中において切断し、これによって、架橋される前のポリエチレンを復元させて回収する方法が開発されている。
【0003】
この方法は、架橋ポリマを油状物に分解させてリサイクルするこれまでの方法に比べると、リサイクル体を熱可塑性ポリマとして回収できる点で特徴的であり、従って、回収したリサイクル体を各種成型物の原料として再利用できることから、省資源上有利な方法として期待が寄せられている。
【0004】
また、このリサイクル方法によれば、架橋ポリマの分子の主鎖を切断し、これによって架橋ポリマをワックス状に変態させることも可能であり、従って、この方法は、廃棄物である架橋ポリマを利用して、油状物より高有用性のワックスを生成させるための方法としても注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の高温高圧流体を使用するリサイクル方法によると、熱可塑性ポリマあるいはワックスが粘性を有して生成するとともに、降温により固化または高粘化するために取り扱いが難しく、このため、作業形態を設備停止下に生成物を取り出すバッチ式とせざるを得ず、このことによる不利益を余儀なくされることになる。
【0006】
即ち、バッチ式作業の最大の問題として、まず、効率上の限界を挙げることができ、次いで、作業バッチごとに反応容器の昇降温を繰り返す熱効率上の不合理性を挙げることができる。この結果、生成されるリサイクル体は、当然にして高価となり、商業ベースに乗せがたい問題が必然となる。
【0007】
従って、本発明の目的は、架橋ポリマを良好な作業効率と良好な熱効率のもとに連続的にリサイクルすることのできるリサイクル方法と、これに使用されるリサイクル装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、超臨界流体、亜臨界流体あるいは高温高圧にされたガス等の高温高圧流体と架橋ポリマを反応させ、前記架橋ポリマの架橋点あるいは主鎖等を切断することによって前記架橋ポリマを熱可塑性ポリマあるいはワックス等の非油状のリサイクル体に変態させる架橋ポリマのリサイクル方法において、
架橋ポリマと高温高圧流体を反応容器内に収容し、前記架橋ポリマと前記高温高圧流体を反応させることによって前記反応容器内にリサイクル体を含む反応物を生成させ、
生成した前記反応物を前記反応容器より分離機に供給し、
供給された前記反応物を前記分離機において前記リサイクル体と前記高温高圧流体の成分とに分離した後、
分離された前記リサイクル体を、前記分離機に連結された押出機が有する搬送力によって所定の外部に排出することを特徴とする架橋ポリマのリサイクル方法を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、超臨界流体、亜臨界流体あるいは高温高圧ガス等の高温高圧流体と架橋ポリマを反応させ、前記架橋ポリマの架橋点あるいは主鎖等を切断することによって前記架橋ポリマを熱可塑性ポリマあるいはワックス等の非油状のリサイクル体に変態させる架橋ポリマのリサイクル装置において、
高温高圧流体の元となる液状物質と架橋ポリマを別個あるいは一緒に供給する原料供給機構と、
前記原料供給機構より供給される前記液状物質を加熱して所定の高温高圧流体を生成させるとともに、前記押出機より供給される前記架橋ポリマと生成させた前記高温高圧流体を反応させることによってリサイクル体を含む反応物を生成させる反応容器と、
前記反応容器に連結され、前記反応容器より供給される前記反応物を前記リサイクル体と前記高温高圧流体の成分とに分離する分離機と、
前記分離機に連結され、前記リサイクル体をその搬送力によって前記分離機より外部に排出する押出機より構成されることを特徴とする架橋ポリマのリサイクル装置を提供するものである。
【0010】
上記の高温高圧流体としては、たとえば、超臨界もしくは亜臨界のメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールまたは水、あるいは高温高圧の炭酸ガス等が使用される。ここにおいて超臨界とは、その物質の臨界点より高い温度および圧力を有する状態を言い、超臨界状態にある流体は、通常の気体より高い密度を有するとともに、通常の気体と同程度の分子の運動量を有することによって特徴づけられる。
【0011】
また、亜臨界とは、臨界点近傍で、かつ臨界点より低い領域の温度および圧力を有する状態を言い、密度および架橋ポリマへの作用等は超臨界に準ずる。
そして、これらの超臨界あるいは亜臨界流体は、アルコールを成分とするときにシロキサン結合を優先的に切断する性質を有しており、従って、リサイクル対象としてシラン架橋ポリマを選択し、高温高圧流体としてアルコールを使用するとき、有効性の高い熱可塑性ポリマのリサイクル効果を得ることができる。
なお、本発明にいう高温高圧ガスとは、臨界点以上の温度にあって、臨界点以下の圧力にされたガスのことを言う。
【0012】
本発明において、リサイクル対象となる架橋ポリマのベースポリマとしては、ホモポリマおよびコポリマの別を問わない。ホモポリマとしては、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニルあるいはポリフッ素樹脂等を挙げることができ、一方、コポリマとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体あるいはエチレン−オクテン共重合体等の各種のエチレン共重合体を代表例として挙げることができる。
【0013】
リサイクル対象にゴム類を選択することは可能であり、具体的には、エチレンプロピレンゴム、エチレンオクテンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、天然ゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
架橋の形態としては、ポリマの種類によっても異なるが、ポリエチレンあるいはエチレン共重合体を例にとると、シラン架橋、パーオキサイド架橋あるいは電子線架橋等を挙げることができる。
【0014】
本発明において、反応容器に対する架橋ポリマと高温高圧流体の原料供給の形態としては、それぞれを以下に述べる供給機構によって別個に供給するケースと、一緒に供給するケースとがあり、いずれのケースの場合も、高温高圧流体としては、たとえば、このものの元となるアルコール等の液状物質が使用される。
【0015】
この液状物質を反応容器に供給するための原料供給機構としては、ポンプ類の使用が好ましく、一方、架橋ポリマの供給機構としては、押出機の使用が好ましい。押出機には、スクリューの搬送力によって押出力を確保するタイプと、押圧ピストンによる搬送力によって押出力を確保するタイプ(ラム式)が考えられ、本発明においては、このいずれもが、適宜に選択されて使用される。なお、押出機により架橋ポリマを供給するとき、流動性を高めて搬送を容易にするために非架橋のポリマを混合することは好ましい形態である。
【0016】
アルコール等の高温高圧流体の元となる液状物質中に架橋ポリマの粒体を所定の割合のもとに分散させ、これをポンプによって一緒に供給する形態は好ましく、この形態を採用するときには、高温高圧流体と架橋ポリマの比率を常時一定にすることによる均一な品質の確保が可能になるとともに、原料供給機構の簡素化、および省設備上の経済的効果を得ることができる。
【0017】
なお、本発明における反応容器としては、高温高圧流体を収容して耐えられる高圧容器が使用され、その材質としては、高温高圧流体の種類に応じてハステロイあるいはステンレス鋼等が使用される。また、その形状としては、ベッセル状あるいは管状等が考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による架橋ポリマのリサイクル方法およびリサイクル装置の実施の形態を説明する。
図1の(a)は、この実施の形態におけるリサイクル装置の概要を示し、1は所定の温度に加熱され、500mlの容量を有して管状に形成された高圧の反応容器、2は反応容器1に連結された押出機を示し、リサイクル対象のシラン架橋ポリエチレン等の架橋ポリマを反応容器1に供給する。3は反応容器1に連結されて高温高圧流体の元となる液状物質を供給するための送液ポンプ、4は反応容器1に連結された分離機、5は分離機4に連結された押出機を示す。
【0019】
以上の構成のこの実施の形態によるリサイクル装置は、以下のように機能する。
まず、押出機2およびポンプ3が反応容器1に対して所定の量の架橋ポリマと、たとえばアルコールの所定の量を供給すると、反応容器1内では、その高温と密閉性によって送り込まれたアルコールが超臨界状態となり、これによって高温高圧の超臨界流体が生成されると同時に、この超臨界流体と架橋ポリマとの反応が行われる。
【0020】
反応の結果、架橋ポリマの、たとえばシロキサン結合(架橋点)が超臨界流体によって切断されることになり、これによりリサイクルされた熱可塑性ポリマを含む反応物が反応容器1内に生成する。次に、生成した反応物は、分離機4に供給され、ここにおいて、熱可塑性ポリマと超臨界流体の成分であるアルコールとに分離され、次いで、分離された熱可塑性ポリマは、分離機4に連結した押出機5によって外部へ排出される。
【0021】
図1の(b)は、分離機4の機能概略を示したもので、反応物が分離機4内に送り込まれると、比重の大きな熱可塑性ポリマが沈下して下部に溜まる一方、超臨界流体の成分であるアルコールは、低比重で高温の故に沈下することなく上方に溜まることになり、その結果、熱可塑性ポリマはA方向に、アルコールはB方向にそれぞれ排出され、これにより両者は互いに分離されることとなる。
その後、A方向より排出された熱可塑性ポリマは、押出機5によって受け入れられ、押出機5が有する搬送力によって所定の外部へと排出される。
【0022】
なお、図1に示されるリサイクル装置は、押出機2およびポンプ3による原料の供給から押出機5によるリサイクルポリマの排出まで連続的に行われるものであり、従って、図1のリサイクル装置により進められるリサイクル作業は、この点において特徴的であり、従来のバッチ式のリサイクル方法とは明確にその思想を異にするものである。
【0023】
図2は、本発明によるリサイクル装置の他の実施の形態を示したもので、図1との違いは、架橋ポリマを粉状に粒化し、これを高温高圧流体の元となる液状物質中に分散させたものを送液ポンプ3によって反応容器1に供給するように構成するとともに、これに伴い図1の押出機2を省略した点にあり、他の構成およびリサイクルの仕組みは、図1で述べたのと同じである。
【0024】
次に、以上の構成の図1および図2のリサイクル装置を使用して行った本発明によるリサイクル方法の実施例を説明する。なお、リサイクルの対象としたシラン架橋ポリエチレンは、全実施例および従来例を通じて同じであり、従って、架橋前の分子量も同じである。
【0025】
【実施例1】
図1のリサイクル装置において、条件を以下のように設定することによりリサイクル作業を行った。
・押出機2より供給されるリ
サイクル対象の架橋ポリマ:シラン架橋ポリエチレン対流動性確保用非架橋ポリエチレン=9対1(重量比)の混合物
・押出機2の押出温度:200℃
・送液ポンプ3より供給される液状物質:メタノール
・反応容器1での加熱温度:320℃
・メタノール供給後の反応容器1内の昇圧値:12MPa
・押出機5の押出温度:200℃
【0026】
以上の条件のもとで押出機5より排出されたポリエチレンの数平均分子量とゲル分率を測定したところ、分子量は44,000を示し、ゲル分率は0を示した。
リサイクル原料であるシラン架橋ポリエチレンの架橋前の分子量45,000とほぼ同レベルの分子量を有するとともに、分子構成中の架橋結合が完全に解除されていることが確認された。
【0027】
本実施例によるリサイクル体であるこのポリエチレンが成型体等の原料として充分に使用可能であることは、その分子量およびゲル分率からして明らかである。
なお、分子量分布測定のための溶剤、測定器、およびリファレンス用の標準物質としては、オルトジクロロベンゼン、高温GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、および分子量既知のポリスチレンをそれぞれ使用し、ゲル分率測定のための溶剤としては、オルトジクロロベンゼンを使用した(JIS C3005に準拠して測定)。
【0028】
【実施例2】
実施例1において、メタノールの代わりにエタノールを使用し、他を同一条件とすることによりリサイクル作業を実施した。押出機5より排出されたポリエチレンの数平均分子量は41,000を示し、ゲル分率は0を示した。
【0029】
【実施例3】
実施例1において、メタノールの代わりに水を使用するとともに、反応容器1の温度および昇圧値をそれぞれ380℃と23MPaに設定し、他を同一条件とすることによりリサイクル作業を実施した。リサイクルされたポリエチレンの数平均分子量およびゲル分率を測定したところ、30,000と0の結果が得られた。
【0030】
【実施例4】
実施例1において、リサイクル装置として図2の装置を使用し、さらに、リサイクル対象の架橋ポリマとしてシラン架橋ポリエチレンの微粉状粒体をメタノール中に分散させた混合物〔粒体:メタノール(重量比)=9:1〕を使用することによってリサイクル作業を実施した。得られたリサイクルポリエチレンの数平均分子量とゲル分率は、それぞれ44,000と0を示した。
【0031】
【従来例1】
容量が500mlの高圧の反応容器内にシラン架橋ポリエチレンを50g収容するとともに、内部の空気をアルゴンで置換し、反応容器の温度を320℃に上昇させ、これに容器内の圧力が12MPaになるようにメタノールを注入して反応を行わせた後、反応容器を冷却し、容器内より反応生成物を取り出した。得られた反応生成物であるポリエチレンの数平均分子量とゲル分率を測定したところ、それぞれ44、000と0を示した。
【0032】
【従来例2】
従来例1において、メタノールの代わりにエタノールを使用し、他を同一条件に設定することによりリサイクルポリエチレンを得た。このポリエチレンの数平均分子量とゲル分率は、41,000と0を示した。
【0033】
【従来例3】
従来例1において、メタノールの代わりに水を使用し、反応容器の温度と昇圧値をそれぞれ380℃と23MPaに設定することによりリサイクルされたポリエチレンを得た。このポリエチレンの数平均分子量およびゲル分率を測定したところ、それぞれ30,000と0の結果が得られた。
【0034】
次に、表1に、以上の実施例および従来例の要点と、これらによって得られたリサイクルポリエチレンの数平均分子量をまとめて示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003864710
【0036】
表1によって実施例と従来例を対比してみると、まず、実施例が従来例と同水準の分子量を示していることが認められ、この事実は、本発明によって得られるリサイクルポリエチレンが、従来のバッチ式と同様の品質水準を確保できることを示しているものである。
【0037】
両者を比較したときに認められる最大の違いは、その作業形態にある。即ち、実施例の作業形態が連続的に遂行されるのに対し、従来例のそれはバッチ式であり、従って、両者の間には、リサイクル処理量において顕著な差が現れることになる。表1の処理量の欄における○の評価は、日中12時間の勤務可能な作業時間において、1kg以上を処理できるものを示し、一方、×は、同条件において処理量が1kg未満にとどまるものを示したものであるが、この差は、作業ごとに反応容器を開けて生成物を取り出し、加熱および冷却を繰り返さなければならない従来例のワンサイクルの作業時間が、約5時間という長時間を要することに起因しているものである。
【0038】
連続的にリサイクル作業が進められる実施例と、約5時間の作業サイクルのために50gのチャージ量では1日に100g程度しか処理することのできない従来例とでは、極めて大きな差が生ずることになり、商業ベース上から両者を対比したとき、本発明の優位性は明らかである。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による架橋ポリマのリサイクル方法によれば、架橋ポリマと高温高圧流体を反応容器内に収容し、これらを反応容器内において反応させることによってリサイクル体を含む反応物を生成させ、生成した反応物を分離機内でリサイクル体と高温高圧流体の成分に分離した後、リサイクル体を分離機に連結された押出機の搬送力によって外部へ排出するものであるため、リサイクル体の取り出しを設備を停止することなく容易に行うことができる。
従って、従来のリサイクル方法のように作業をバッチ式にして、作業ごとに設備を停止させて反応容器内からリサイクル体を取り出す必要がなくなり、その結果、連続的な作業の遂行と、それによる高効率かつ経済的な有利性を確保することがてきる。
【0040】
さらに、本発明のリサイクル方法によれば、従来のリサイクル方法において不可欠であった作業バッチごとの昇温と冷却が必要でないため、リサイクル作業の熱効率が高くなり、このことによる経済的な利益も得ることができる。
そして、本発明は、以上のリサイクル作業を遂行するのに好適なリサイクル装置をも提供するものであり、その架橋ポリマリサイクルの分野にもたらす効果には大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による架橋ポリマのリサイクル方法およびリサイクル装置の実施の形態を示す説明図であり、(a)はその全体図、(b)は分離機の機能概略の説明図である。
【図2】本発明による架橋ポリマのリサイクル方法およびリサイクル装置の他の実施の形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 反応容器
2、5 押出機
3 送液ポンプ
4 分離機

Claims (6)

  1. 超臨界流体、亜臨界流体あるいは高温高圧にされたガス等の高温高圧流体と架橋ポリマを反応させ、前記架橋ポリマの架橋点あるいは主鎖等を切断することによって前記架橋ポリマを熱可塑性ポリマあるいはワックス等の非油状のリサイクル体に変態させる架橋ポリマのリサイクル方法において、
    架橋ポリマと高温高圧流体を反応容器内に収容し、前記架橋ポリマと前記高温高圧流体を反応させることによって前記反応容器内にリサイクル体を含む反応物を生成させ、
    生成した前記反応物を前記反応容器より分離機に供給し、
    供給された前記反応物を前記分離機において前記リサイクル体と前記高温高圧流体の成分とに分離した後、
    分離された前記リサイクル体を、前記分離機に連結された押出機が有する搬送力によって所定の外部に排出することを特徴とする架橋ポリマのリサイクル方法。
  2. 前記架橋ポリマと前記高温高圧流体を前記反応容器内に収容するステップは、前記架橋ポリマと前記高温高圧流体の元となる液状物質の混合物を前記反応容器内に供給し、供給された前記液状物質を前記反応容器内で加熱して前記高温高圧流体を生成させることによって行われることを特徴とする請求項1項記載の架橋ポリマのリサイクル方法。
  3. 前記反応容器内に前記リサイクル体を含む前記反応物を生成させるステップは、前記架橋ポリマとしてシラン架橋ポリマを使用し、前記高温高圧流体としてアルコールを使用することによって行われることを特徴とする請求項1項記載の架橋ポリマのリサイクル方法。
  4. 超臨界流体、亜臨界流体あるいは高温高圧にされたガス等の高温高圧流体と架橋ポリマを反応させ、前記架橋ポリマの架橋点あるいは主鎖等を切断することによって前記架橋ポリマを熱可塑性ポリマあるいはワックス等の非油状のリサイクル体に変態させる架橋ポリマのリサイクル装置において、
    高温高圧流体の元となる液状物質と架橋ポリマを別個あるいは一緒に供給する原料供給機構と、
    前記原料供給機構より供給される前記液状物質を加熱して所定の高温高圧流体を生成させるとともに、前記原料供給機構より供給される前記架橋ポリマと生成させた前記高温高圧流体を反応させることによってリサイクル体を含む反応物を生成させる反応容器と、
    前記反応容器に連結され、前記反応容器より供給される前記反応物を前記リサイクル体と前記高温高圧流体の成分とに分離する分離機と、
    前記分離機に連結され、その搬送力によって前記リサイクル体を前記分離機より外部に排出する押出機より構成されることを特徴とする架橋ポリマのリサイクル装置。
  5. 前記原料供給機構は、前記液状物質を供給するポンプ装置と、前記架橋ポリマを供給する押出機との組み合わせによって構成されることを特徴とする請求項4項記載のリサイクル装置。
  6. 前記原料供給機構は、前記液状物質に前記架橋ポリマの粒体を分散させた混合物を供給するポンプ装置によって構成されることを特徴とする請求項4項記載のリサイクル装置。
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