JP3864386B2 - 有水式ガスホルダーの工法。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水槽内にガスを封入して浮かぶガス槽の上下動を案内する複数の基柱が水槽の側壁外周に固定支持、又は水槽の外側地面の基礎に固定支持して設けられている有水式ガスホルダーの基柱を、水槽上部に設置したジャッキで支持した状態で、基柱の解体又は組立てを水槽下部で行う有水式ガスホルダーの工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有水式ガスホルダー1の一般例を、図6に基づいて説明する。有水式ガスホルダー1は、円盤状の底壁6と円筒状の側壁5とからなる水槽2に水封用の水を溜め、この水槽2内に単数、又は少なくとも内外槽を備えた複数(図示例は内槽と中槽と外槽よりなる3槽の複数槽)の有頂円筒形のガス槽3を浮かべて形成し、この水封されたガス槽3内にガス出入管15を連通し、ガスの供給と排出が行われる。図6に例示した有水式ガスホルダー1は、ガス槽3が最内部の内槽、中間部の中槽、最外部の外槽の3槽からなり、その各ガス槽間はシール水を封入したシール部(図示省略)で接続した比較的大形の有水式ガスホルダー1の場合である。
【0003】
有水式ガスホルダー1には、水槽2の側壁5から所定間隔をおいた外側の周囲に隔接して複数の基柱4が設けられている。図6に示す一般例は、各基柱4の下部を水槽2の側壁5周囲に複数の基柱支持サポート、つまり基柱取付部9で固定支持されている場合を示している。この他に各基柱4の固定支持方法として地面の基礎に直接固定する場合もある。基柱4は、I形鋼やH形鋼等の断面H形状の部材等で一定間隔を置いて立設され、この基柱4を支持枠にして全体周囲に、ガスの供給と排出によって上下動するガス槽3を支える架構14が形成されている。この架構14は、全体が所定強度と所定間隔で全体形状を維持するように、水平状及び斜交するアングル部材、チャンネル部材等よりなるブレーシング11やガーダー12などの補強材を基柱4間に張設接続して構成されている。
【0004】
また水槽2の上部周囲、及び上昇したガス槽3各槽の境界部に位置する周囲の基柱4間に、チャンネル材やアングル材等の型鋼材、及び鋼板材などで形成された水槽歩廊10、ガス槽歩廊13、及びそれらに地面から至りかつ相互に連絡する昇降用階段(図示省略)等が架設されている。またガス槽3の上下動を円滑にするために、各槽のガス槽3の下端部には、ガス槽3及び水槽2の内壁に設けたガイド(図示せず)に接する下部ローラー7が設けられており、かつ各槽のガス槽3の上端部には放射状にガイドアームを張り出し、その先端位置に基柱4と接触し案内する上部ローラー8が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような図6に示す有水式ガスホルダー1は、長期間使用され老朽化などして解体する必要が生じた場合、ガス槽3と水槽2の解体は、ガスを排出しガス槽3を水槽2内に降下させ水槽2の水を抜いた後に、水槽2内の空間及び水槽2周囲の低所で安全に解体作業ができた。しかしながら、水槽2とガス槽3の周囲の基柱4を含む架構14の解体作業は、架構14が大きくて高い構築物であるために、解体作業が大掛かりでかつ危険を伴う大変な作業となった。つまり、水槽2の外側周囲に高く立設されている架構14の内外周囲に沿って全体に高く大きい仮設足場等を構築し、その仮設足場に作業員が乗って、順次上部から下部に向かって架構14の大規模な解体作業が進められていた。
【0006】
上述のような高所仮設足場や大形重機等を使用する従来の有水式ガスホルダーの解体工法は、水槽2の側壁5から所定間隔をおいた外側の周囲に隔接して立設された高く大きな基柱4を含む架構14を上部から下部に向かって順次切断し解体作業をするために、大掛かりでかつ高所での危険な作業であった。また、高く大きく仮設された解体作業用の足場の周囲全体に落下防止用安全ネット等を張りめぐらすなど、高所作業用の安全対策が必要であった。また、高所作業に適する熟練した多数の作業員を必要とした。また、高い場所で火気を使用し切断作業をするため、火花や溶断片が周辺に飛散したり落下するのを防止するための対策、つまり周囲に高い防炎シートや防護壁等の火気養生などの大掛かりな防護対策を必要とした。さらにまた、周囲に他の設備や構築物等が接近している場合には、他の設備構築物等へ火花等が飛散したり解体物等が接触などしないように配慮するための防護対策が必要となった。
【0007】
また、解体した基柱4、ブレーシング11、ガーダー12、ガス槽歩廊13等よりなる基柱4を含む架構14の重量物を、降下可能な大きさに切断し高い場所から吊りながら降ろすために、大型レッカー、大型クレーン及び吊り装置等の大形の重機が必要で、これらの大形重機を稼働させるための広い作業場所と移動用の広い通路を必要とした。また、周囲に既設構築物等が接近しているような狭い場所では、作業規模の制約などが生じ作業能率が低下し、解体作業も困難であった。
【0008】
また、図6に示す有水式ガスホルダー1を新規に組立て構築する場合にも、上記解体する場合と同様に、ガス槽3と水槽2の組立ては、水槽2内の空間及び水槽2周囲の低所で安全に組立作業ができた。しかしながら、基柱4を含む架構14の組立作業は、その基柱4を含む架構14が大きくて高い構築物であるために、組立作業が大掛かりでかつ危険を伴う大変な作業となった。つまり、水槽2の外側周囲に沿って全体に高く大きい仮設足場等を構築し、その仮設足場に作業員が乗って、順次下部から上部に向かって基柱4を含む架構14の大規模な組立作業が進められていた。
【0009】
上述のような高所仮設足場等を使用する従来の有水式ガスホルダーの組立工法は、高くて大きな基柱4を含む架構14を下部から上部に向かって順次組立作業をするために、大掛かりでかつ高所での危険な作業であった。つまり、高く大きく仮設された組立作業用の足場周囲全体にわたって、落下防止用安全ネット等を張りめぐらすなど、高所作業用の安全対策が必要であった。また、高所作業に適する熟練した多数の作業員を必要とした。
【0010】
また、架構14を構成する基柱4、ブレーシング11、ガーダー12、ガス槽歩廊13等の部材をそれぞれ幾つかの枠組み単位に形成した重量物を、高い場所まで吊り上げるために、大型レッカー、大型クレーン及び吊り装置等の大形の重機が必要であり、これらの大形重機を稼働させるための広い作業場所と移動用の広い通路を必要とした。また、周囲に既設構築物等が接近している狭い場所では、作業能率が低下し、組立作業も困難であった。
【0011】
この発明は、従来技術の有する上述の問題点に鑑みてなされたもので、基柱を水槽上部で支持した状態で、基柱の解体又は組立てを水槽下部で施工することによって、作業能率の向上を図るとともに、大掛かりで高い仮設足場を必要とすることなく、危険を伴う高所での作業がなく安全で、火花等落下物の大掛かりで高い防護対策を必要とすることもなく、また大形の重機等を必要とすることなく、広い作業場所や移動通路を必要とすることもない、有水式ガスホルダーの解体と組立てを行う工法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る有水式ガスホルダーの工法は、有水式ガスホルダーの基柱を含む架構を解体する際に、水槽上部の歩廊とガス槽の上部にかけ渡してジャッキの架台を設置し、このジャッキの架台上方の所定高さ位置の基柱に着脱自在のジャッキ用ブラケットを設置し、上記ジャッキの架台とジャッキ用ブラケットの間にジャッキを設置する工程と、このジャッキで基柱を支持した状態で所定高さ分の基柱の下部を水槽下部の地面付近で切断除去する工程と、上記ジャッキの操作により基柱を所定高さ分だけ降下させる工程と、降下したジャッキ用ブラケットを再び所定高さ位置の基柱に移設する工程とを設け、上記水槽上部のジャッキを操作する工程と地面付近で基柱の下部を切断除去する工程を順次繰り返しながら基柱を含む架構を下部から解体するものである。
【0013】
また、この発明に係る有水式ガスホルダーの工法は、有水式ガスホルダーの基柱を含む架構を組立てる際に、水槽の側壁に設けた基柱ガイドに沿わせて所定高さまで基柱を立設し、水槽上部の歩廊とガス槽の上部にかけ渡してジャッキの架台を設置し、このジャッキの架台上方の所定高さ位置の基柱に着脱自在のジャッキ用ブラケットを設置し、上記基柱の上部にブレーシング等からなる上部架構を水槽の歩廊で組立て、上記ジャッキの架台とジャッキ用ブラケットの間にジャッキを設置して基柱を含む架構を所定高さ分上昇させる工程と、このジャッキで基柱を支持した状態でその基柱の下部に所定高さ分の基柱を水槽下部の地面付近で組立てるとともに水槽の歩廊で所定高さ分のブレーシング等からなる架構の構成部材を組立てる工程と、上昇したジャッキ用ブラケットを再び基柱の下部に移設する工程とを設け、上記水槽上部のジャッキを操作する工程と地面付近で基柱を組立てる工程を順次繰り返しながら基柱を含む架構を上部から組立てるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5に基づいて、この発明に係る有水式ガスホルダーの工法である解体工法と組立工法について説明する。この実施形態例は、単槽ガス槽を有する有水式ガスホルダーの事例である。
【0015】
図1は、有水式ガスホルダー1の基柱4を含む架構14を解体又は組立てる際に使用するジャッキ19の取付状況を示している。水槽2の上部、つまり水槽歩廊10とガス槽3の上部にかけ渡してジャッキの架台17を設置し、このジャッキの架台17の上にジャッキ19を載置する。また基柱4の所定高さ位置にジャッキ用ブラケット20を設置し、ジャッキ19による各基柱4の降下又は上昇を、垂直かつ円滑に案内するための基柱ガイド16を水槽2の側壁5に設ける。
【0016】
図1のジャッキの架台17は、水槽歩廊10とガス槽3を利用して、水槽歩廊10の内側付近の歩廊上部10Xから、ガス槽3の上部外側付近のガス槽屋根3Xに至る間をかけ渡すように水平に設置した場合を示している。また、ジャッキ19の転倒を防止し、かつ垂直に支持するために、ジャッキ19の内面側上部とガス槽屋根3Xとの間に、アングル材やチャンネル材などよりなるジャッキのサポート18を設ける。
【0017】
有水式ガスホルダー1の架構14を構成する基柱4は、平行辺部材の基柱フランジと、この平行する両基柱フランジ間を接続する基柱ウエブとからなる断面H形状のI形鋼やH形鋼で形成した場合を示している。ジャッキ用ブラケット20は、チャンネル材、アングル材、鋼板等を用いて支持部材に形成し、上記基柱4の内面側に張り出すように基柱4のフランジ面に当接固定し、基柱4にかかる架構14の重量をジャッキ19に伝達するように形成する。また、このジャッキ用ブラケット20は、フランジ面との固定部を、ボルトやクランプ等の螺着構造の固定具などで着脱及び再使用が容易な取付構造にする。
【0018】
このようにジャッキ用ブラケット20は、着脱及び再使用が容易な取付構造に形成すると、簡単容易に取付け取外しの移設作業ができる。つまり、このジャッキ用ブラケット20を繰り返して使用する際に、ボルトやクランプ等を緩め、基柱4に沿って上下にずらせながら基柱4上部又は下部へ移設するようにすると作業能率がさらに向上する。
【0019】
また、基柱4の降下、又は上昇を垂直方向に沿って円滑に案内するように基柱ガイド16を、水槽2の側壁5の外周に上下方向に所定間隔をおいて溶接等で固着して設ける。図1に示す基柱ガイド16は、基柱4を挿通し遊嵌するように形成し、案内ローラーや押え部材などを設けて基柱フランジの外側面に当接させ、基柱ガイド16に挿通された基柱4の基柱フランジの外側面は、基柱4が降下又は上昇する際に、この案内ローラーなどによって傾いたりねじれたりすることのないように規制され、基柱4は垂直方向に沿って円滑に導かれ案内される。
【0020】
ジャッキ19は、上記ジャッキの架台17上に載置固定し、上端部を上記ジャッキ用ブラケット20に当接し、基柱4にかかる架構14全体の重量を受けて支持するように形成する。このジャッキ19で基柱4を含む架構14を支持する位置は水槽歩廊10上方の架構14の重心に近い位置になるので、地面にジャッキを設置する場合に比べ、曲げモーメントが生じ難くバランスを保持し易い。なおジャッキ19は、例えば油圧式や機械式等の構造のものを使用し、複数のジャッキ19の全部を一括操作し管理できるようにする。
【0021】
上記ジャッキ19の操作は、複数の各基柱4が平均に水平及び垂直のバランスを保って、等量ずつ垂直に降下又は上昇するように稼働させる。この場合、ジャッキ19は基柱4にかかる荷重の軸心を基柱4の降下する垂直方向軸心と一致させて支持するように設置し、基柱4に大きな曲げモーメントが生じないように、かつ基柱ガイド16の側面に大きな摩擦抵抗や押圧力が生じないように垂直方向に稼働させて、基柱4を含む架構14全体を平均にバランスを保ちながら昇降させる。
【0022】
図2乃至図5は有水式ガスホルダー1の基柱4を含む架構14を順次解体する手順を示している。なおこの有水式ガスホルダー1は、前述のようにガス槽3が1つの単槽の事例を示しているが、ガス槽3が少なくとも内外槽を備えた複数槽の場合にも以下詳述する単槽の手順と同様の手順で行う。基柱4を含む架構14を解体するに当たり、図1で詳述したように、各基柱4が傾くことなく降下を垂直に案内する複数の基柱ガイド16を、基柱4に沿わせ上下方向に所定間隔をおいて水槽2の側壁5に設ける。また、基柱4にかかる荷重、つまり基柱4、ブレーシング11、ガーダー12等よりなる架構14の重量を支持するように、ジャッキ用ブラケット20を、基柱4の所定高さ位置に設ける。また、水槽2の歩廊上部10Xとガス槽屋根3Xとの間にジャッキの架台17を設置する。このジャッキの架台17とジャッキ用ブラケット20の間にジャッキ19を設置する。
【0023】
上述のように、基柱ガイド16及びジャッキ用ブラケット20を取付けた後、図2に示すように、ジャッキ19を使用して基柱4を支持する。このようにジャッキ19で基柱4を支持した状態で、水槽2の側壁5周囲に固定した基柱支持サポート、つまり基柱取付部又は地面の基礎との取合部(図示せず)を切断除去する。また、ジャッキ19で基柱4を支持した状態で、上記基柱ガイド16より下方に位置する所定高さ分の基柱4A(図の斜線マーキング部)を水槽2下部の地面付近で切断除去する。また同時に、水槽2上部の歩廊10上でこの所定高さ分、例えば手の届く程度の高さ範囲のブレーシング11A(図の斜線マーキング部)をガス切断等で切断除去する。この場合、ジャッキ19は上下の移動距離、つまりジャッキ19のストロークが大きいものを使用すると、一回に切断する基柱4Aを長くすることができるので、ジャッキ19を操作し基柱4を降下させるジャッキダウンの回数が少なくなり作業効率が良くなる。
【0024】
続いて、図3に示すように、ジャッキ19を使用して上記基柱ガイド16に基柱4を案内させて架構14を降下させる。図3に示すジャッキ19で架構14を支持した状態で、再び基柱ガイド16より下方に位置する所定高さ分の基柱4B(図の斜線マーキング部)を地面付近で切断除去するとともに、水槽2の歩廊10上で所定高さ分のブレーシング11B(図の斜線マーキング部)を切断除去する。
【0025】
さらに続いて、図4に示すように、再びジャッキ19を使用して、上記所定高さの切断除去分だけ上記基柱ガイド16に案内させて架構14を降下させる。図4に示すジャッキ19で架構14の重量を支持した状態で、再び基柱ガイド16より下方に位置する所定高さ分の基柱4C(図の斜線マーキング部)を地面付近で切断除去するとともに、水槽2の歩廊10上でブレーシング11C(図の斜線マーキング部)を切断除去する。このように、水槽2上部の歩廊10上でジャッキ19を操作して降下を繰り返すとともに、水槽2下部の地面付近で基柱4の下部の切断除去の工程を順次繰り返して、基柱4を含む架構14を下部から解体撤去する。
【0026】
図5は、図4に続いて、基柱4の下端を地面に接地させて支持した状態で、ジャッキ用ブラケット20及びジャッキ19を取外して、基柱4D、ブレーシング11D、ガーダー12等を切断撤去する。
【0027】
上記図2から図5に示した工程における、ジャッキ用ブラケット20の基柱4上部への移動設置は、ジャッキ用ブラケット20のボルトやクランプ等を緩めて、ジャッキ19を接続したまま基柱4に沿ってずらせながら基柱4上部へ移動し設置すると作業能率がさらに向上する。また、上記図2から図5に示した基柱4A,4B,4C,4Dの切断除去と、ジャッキ19による架構14の降下の各手順を順次繰り返しながら解体する工法は、地面付近の低い位置でガス溶断などで所定長さの基柱4を切断除去し、水槽2上部の歩廊10上でジャッキ用ブラケット20の移設とジャッキ19の操作により基柱4を降下させながら、下部から上部へと架構14を順次解体していく。
【0028】
また、有水式ガスホルダー1の基柱4を含む架構14を組み立てる際には、上述の解体工法の手順とは全く逆の、図5から図2に至る手順に従って施工する。つまり、基柱4、ブレーシング11、ガーダー12等よりなる基柱4を含む架構14を組み立てるに当たり、図5において、まず、水槽2の側壁5に複数の基柱ガイド16を上下方向に所定間隔をおいて設ける。次に、この基柱ガイド16に沿わせて地面付近にて基柱4Dを組立て、水槽歩廊10上の所定高さまで立設する。この基柱4Dの上部に、水槽2の歩廊10上でブレーシング11D、ガーダー12等の架構14の上方部分を組み立てる。続いて、図1で詳述したように、水槽2の歩廊上部10Xとガス槽屋根3X間にジャッキの架台17をかけ渡して設け、このジャッキの架台17上にジャッキ19を載置し、このジャッキ19が当接するように、基柱4の所定高さ位置のガーダー12の内側付近にジャッキ用ブラケット20を取付ける。
【0029】
続いて、図4に示すように、ジャッキ19で基柱4を基柱ガイド16に沿って上昇させ、ジャッキ19のストロークに相当する所定高さ位置、例えば手が届く程度の高さ位置で基柱4にかかる荷重を保持する。この基柱4を支持した図4の状態で、基柱ガイド16より下方に位置する上記所定高さ分の基柱4C(図の斜線マーキング部)を地面付近で組立て接続するとともに、水槽歩廊10上で上記所定高さ範囲のブレーシング11C(図の斜線マーキング部)を組立て接続する。
【0030】
さらに続いて、図3乃至図2に示すように、ジャッキ用ブラケット20を移設し、ジャッキ19で基柱4を支持し、順次所定高さ分だけ基柱ガイド16に沿って基柱4を上昇させ、再び基柱ガイド16より下方に位置する所定高さ分の基柱4B,4A(図の斜線マーキング部)を地面付近で順次組立て接続するとともに、水槽2の歩廊10上で所定高さ分のブレーシング11B,11A(図の斜線マーキング部)を順次組立て接続する。このように、ジャッキ19を水槽2の歩廊上部10Xからガス槽屋根3Xに至る位置に設置して、このジャッキ19で基柱4を支持した状態で、地面上と水槽2の歩廊10上にて基柱4及び基柱4に接続するブレーシング11の組立て接続と上昇を繰り返し、最後に、基柱4の下部を水槽2の側壁5周囲の基柱支持サポート、つまり基柱取付部又は地面の基礎との取合部(図示せず)で固定し、基柱4を含む架構14全体を構築する。
【0031】
上記詳述した基柱4を含む架構14の解体と組立ての各作業は、大掛かりで高い架設足場を使用せず危険を伴う高所作業がなく、地面付近の低所及び水槽2の歩廊10で行うため、火花や溶断片が広範囲に飛散することなく防護対策や安全設備など大掛かりにならない。また大形の重機を必要とせず、ジャッキ19とジャッキ用ブラケット20などの簡単な設備を使用して、作業能率良く解体作業及び組立作業ができる。
【0032】
上述のように、この発明に係る有水式ガスホルダーの工法である解体工法と組立工法は、基柱4下部の切断除去作業又は組立て接続作業は地面付近にて行い、ジャッキ用ブラケット20の移設及びジャッキ19の操作の作業は水槽上部歩廊10及びガス槽上部で行うので、各作業が邪魔にならず、また重複して繁雑になることがなく作業がやり易く、安全、かつ作業能率が向上する。
【0033】
また、ジャッキ19は、水槽2の上部、つまり水槽2の歩廊上部10Xとガス槽屋根3X上に至る間をかけ渡したジャッキの架台17上に設けるので、特別なジャッキ設置用架台を別個に設ける必要がない。また、複数のジャッキ19全部を、ガス槽屋根3X上の中央部で監視し、指揮しながら一括管理できるので、架構14を平均に水平を維持しながら作業能率良く降下又は上昇することができる。また、ジャッキ用ブラケット20の取付位置は基柱4の上方部であり、この重心に近い上方位置をジャッキ19で支持するので、架構14のバランスを取り易く安定性が良く、基柱ガイド16の側面方向にかかる力が軽減される。
【0034】
【発明の効果】
この発明に係る有水式ガスホルダーの工法である解体工法は、水槽上部の歩廊とガス槽上部にかけ渡して設けたジャッキの架台上にジャッキを設置するので、特別なジャッキ設置用架台を別個に設ける必要がない。また、水槽歩廊とガス槽上部を作業架台及び足場に利用するので、ジャッキ用ブラケットの移設作業がやり易く、かつジャッキを操作して降下する作業がし易い。また、複数のジャッキ全部を、ガス槽屋根上で監視し指揮しながら一括管理できるので、架構全体を平均に水平バランスを維持しながら解体に伴う降下を進めることが容易となる。さらにまた、基柱上方の重心に近い位置をジャッキで支持するので、架構のバランスを保持し易く解体降下作業を円滑で安全に行える。このように、ジャッキ用ブラケットの移設及びジャッキの操作などの作業は水槽上部の歩廊とガス槽上部で行い、基柱下部の切断除去作業は水槽下部の地面付近で行うため、各作業がそれぞれ別の位置で重複せず繁雑でなく、安全で、かつ作業能率が良く、解体の工期を短縮することができる。
【0035】
またこの解体工法は、基柱を基柱ガイドに沿って垂直方向に案内させて、ジャッキで基柱を支えその下部を切断除去しジャッキ操作により降下させる工程を順次繰り返して、地面付近の低位置及び水槽歩廊上で下部から上部へと基柱を順次解体するので、高所での危険な作業がなく安全に効率良く解体作業ができる。よって、高所作業に熟練した作業員を必要とせず、難しい作業もなく作業効率が良い。つまり、高い場所に解体作業用の足場を架設する必要がなく、落下防止用安全ネットを張りめぐらす必要がなく、高所作業用の安全対策が必要でない。また高い場所での火気の使用と切断作業がないため、火花や溶断片の飛散落下防止策として高く大掛かりな防炎シートや防護壁等による養生などの防護対策を必要としない。また周囲の既設設備へ解体物等が飛散などしないように配慮し防護する必要がなく、防火対策、作業条件の制約などがないので、限られた狭い作業場所での解体作業が可能である。また、解体した基柱等重量物を高い場所から吊って降ろすための大型レッカーや大型クレーン、吊り装置等の大形の重機を必要としない上、重機を使用する広い作業場所や、重機を移動する広い通路も必要としない。
【0036】
また、この発明に係る有水式ガスホルダーの工法である組立工法は、ジャッキを水槽上部歩廊とガス槽上部にかけ渡して設けたジャッキの架台上に設置したので、特別なジャッキ設置用架台を別個に設ける必要がない。また、水槽歩廊とガス槽上部を作業架台及び足場に利用するので、ジャッキ用ブラケットの移設作業がやり易く、かつジャッキを操作して上昇する作業がし易い。また、複数のジャッキ全部を、ガス槽屋根上で監視し指揮しながら一括管理できるので、架構を平均に水平バランスを維持しながら組立てに伴う上昇を進めることが容易となる。さらにまた、基柱上方の重心位置近くをジャッキで支持するので、架構全体のバランスを保持し易く組立て上昇作業の安全性が保たれる。このように、基柱下部の組立て接続作業は水槽下部の地面付近で行い、ジャッキの操作などの作業は水槽上部の歩廊とガス槽上部で行うため、各作業が邪魔や繁雑になることがなく、安全で、かつ作業能率が良く、組立ての工期を短縮することができる。
【0037】
またこの組立工法は、ジャッキで基柱を支えその下部に上部に位置する基柱を組立て接続し、ジャッキで支持した状態で上昇させる工程を順次繰り返して、地面付近及び水槽上部の歩廊で、上部の基柱を含む架構を順次上部から下部へと組立てるので、別途組立て用の大形の重機を必要とすることがない。また、大掛かりで高い仮設足場を必要とすることがなく、高所での危険な作業がなく地面付近又は水槽歩廊上で安全に組立作業ができる。また、落下防止用安全ネットを張りめぐらす必要がなく、高所作業用の安全対策を必要とすることなく、高所作業に熟練した作業員を必要とせず、難しい作業もなく作業能率が良い。さらにまた、大形の重機等の移動用の広い作業場所等を必要としないので、狭い限られた敷地内でも、作業性が良く工期も短縮でき経済性が高い。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る有水式ガスホルダーの工法に使用するジャッキ等の取付け状況を示す一部を欠除した側面説明図である。
【図2】 この発明に係る有水式ガスホルダーの工法を説明する一部省略した側面説明図である。
【図3】 図2に続く工程を示す説明図である。
【図4】 図3に続く工程を示す説明図である。
【図5】 図4に続く工程を示す説明図である。
【図6】 有水式ガスホルダーの一般例で、ガス槽が3槽の複数槽の場合の全体側面を示し、左半分は基柱を含む架構を記載し、右半分は基柱を含む架構を一部省略した説明図である。
【符号の説明】
1 有水式ガスホルダー
2 水槽
3 ガス槽
3X ガス槽屋根
4,4A,4B,4C,4D 基柱
5 側壁
6 底壁
7 下部ローラー
8 上部ローラー
9 基柱取付部
10 水槽歩廊
10X 歩廊上部
11,11A,11B,11C,11D ブレーシング
12 ガーダー
13 ガス槽歩廊
14 架構
15 ガス出入口
16 基柱ガイド
17 ジャッキの架台
18 ジャッキのサポート
19 ジャッキ
20 ジャッキ用ブラケット
Claims (2)
- 有水式ガスホルダーの基柱を含む架構を解体する際に、水槽上部の歩廊とガス槽の上部にかけ渡してジャッキの架台を設置し、このジャッキの架台上方の所定高さ位置の基柱に着脱自在のジャッキ用ブラケットを設置し、上記ジャッキの架台とジャッキ用ブラケットの間にジャッキを設置する工程と、このジャッキで基柱を支持した状態で所定高さ分の基柱の下部を水槽下部の地面付近で切断除去する工程と、上記ジャッキの操作により基柱を所定高さ分だけ降下させる工程と、降下したジャッキ用ブラケットを再び所定高さ位置の基柱に移設する工程とを設け、上記水槽上部のジャッキを操作する工程と地面付近で基柱の下部を切断除去する工程を順次繰り返しながら基柱を含む架構を下部から解体することを特徴とする有水式ガスホルダーの工法。
- 有水式ガスホルダーの基柱を含む架構を組立てる際に、水槽の側壁に設けた基柱ガイドに沿わせて所定高さまで基柱を立設し、水槽上部の歩廊とガス槽の上部にかけ渡してジャッキの架台を設置し、このジャッキの架台上方の所定高さ位置の基柱に着脱自在のジャッキ用ブラケットを設置し、上記基柱の上部にブレーシング等からなる上部架構を水槽の歩廊で組立て、上記ジャッキの架台とジャッキ用ブラケットの間にジャッキを設置して基柱を含む架構を所定高さ分上昇させる工程と、このジャッキで基柱を支持した状態でその基柱の下部に所定高さ分の基柱を水槽下部の地面付近で組立てるとともに水槽の歩廊で所定高さ分のブレーシング等からなる架構の構成部材を組立てる工程と、上昇したジャッキ用ブラケットを再び基柱の下部に移設する工程とを設け、上記水槽上部のジャッキを操作する工程と地面付近で基柱を組立てる工程を順次繰り返しながら基柱を含む架構を上部から組立てることを特徴とする有水式ガスホルダーの工法。
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