JP3863994B2 - キャビン内冷房用コンデンサ排風装置を具えたコンバイン - Google Patents

キャビン内冷房用コンデンサ排風装置を具えたコンバイン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行装置上の左右側に、刈取部からの穀稈を脱穀処理する脱穀部と、脱穀部で処理済の穀粒を貯留する穀粒タンクを並設し、穀粒タンクの前側に操縦部を内装するキャビンを設けるとともに、そのキャビンの後壁にキャビン内冷房用のコンデンサとファンを取り付け、ファンの風を後方に向けて排風するようにしたキャビン内冷房用コンデンサ排風装置を具えたコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のようにキャビンの後壁にキャビン内冷房用のコンデンサを取り付けて、ファンの風を後方に向けて排風するようにしたものでは、キャビンの後壁に穀粒タンクの前壁が近接して間隔が狭く後方に向けて排風するファンの風は穀粒タンクの前壁により遮られ衝当して行き場を失っているのが実状であるが、キャビンの後壁に設けたコンデンサー冷却室の側面視形状を座席の背もたれの傾斜に沿わせ、可能な限り冷却室のスペースを内側に広く取り、吸入口と排風口との間を隔壁材で仕切り、排気が吸入されないように穀粒タンクの前壁とキャビンの後壁で形成した間隔を区分し、コンデンサーユニットを後方傾斜状に配置して排風するものが特開平07−298757号公報に記載されている。また、特開平08−163916号公報にはエンジンルームの後部を穀物タンク側に一定寸法食い込ませて、ルームカバーに開設する冷却吸気口を拡大させる等の技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
それ故に、本発明にあっては、キャビンの後壁と穀粒タンクの前壁との間隔を広くすることなく、また、別途にファンの風を誘導する手段を講ずることもなく、穀粒タンクの前壁の形状変更により熱風化したものを円滑に排風させてキャビン内の冷房効果を高めることのできるものにし、しかも、これを安価に提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は走行装置上の左右側に、刈取部からの穀稈を脱穀処理する脱穀部と、該脱穀部で処理済の穀粒を貯留する穀粒タンクを並設し、穀粒タンクの前側に操縦部を内装するキャビンを設け、該キャビンの後壁にキャビン内冷房用のコンデンサとファンを取り付け、該ファンの風を後方に向けて排風する構成にしたコンバインであって、穀粒タンク前壁のファンに対応する部分に排風逃がし路を形成し、該排風逃がし路の脱穀部がわのくぼみ量を大にし、平面視で前記排風逃がし路に斜面を設け、ファンの風を脱穀部がわに向けて排風する構成にしたことにより、穀粒タンクの前壁そのものに排風逃がし路が形成され、熱風化したファンの風をこの排風逃がし路で脱穀部がわに排風する構成にしたキャビン内冷房用コンデンサ排風装置を具えたコンバインに係るものである。
【0005】
また、キャビンの後壁から後方に張出したファンのシュラウドを穀粒タンクの前壁に形成した排風逃がし路内に入り込ませたことによって、該キャビンの後壁に穀粒タンクの前壁をより近接させることができ、前後長さを圧縮し得るのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、本発明によるものを実施例図を参照して説明すると、このコンバインはクロ−ラ式の走行装置(1)上の左側に刈取部(A)からの刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部(B)を搭載し、右側には脱穀部(B)で処理済の穀粒を貯留する穀粒タンク(C)を設置して脱穀部(B)に並設し、穀粒タンク(C)の前側に運転操作を司る操縦部を内装するキャビン(D)が設けられ、脱穀部(B)の前方に刈取部(A)が後側に排藁カッタ−(E)がそれぞれ連設されている。
【0007】
即ち、刈取部(A)で刈取られた穀稈は後方に搬送されて脱穀部(B)で脱穀処理され、処理済の排藁は脱穀部(B)から後方に搬出され排藁カッタ−(E)で切断処理され、穀粒は脱穀部(B)から揚穀筒(8)により揚上されて穀粒タンク(C)内に貯留され、この貯留された穀粒は縦オ−ガ(9)から横オ−ガ(10)に受継がれて機外に取出されるようになっている。
【0008】
また、前記の穀粒タンク(C)は縦オ−ガ(9)を軸にして仮想線で示すように右外側方に回動可能であって、刈取作業の終了時等はこのように回動して点検整備や清掃を行うのである。
【0009】
次に、前記キャビン(D)の右側、即ちオペレ−タの乗降側でドア(11)の後方部には上下に数個の防塵網付きの外気吸入口(12)・・を開口し、この外気吸入口(12)・・を通してキャビン(D)内でその後壁(2)にそって外気吸入室(13)が形成され、外気吸入室(13)の奥側部分を後方に張出してコンデンサ(3)を収容している。
【0010】
また、コンデンサ(3)の後側に対接して吸引式のファン(4)が設けられ、(7)は網を張設したファン(4)のシュラウドである。
【0011】
そして、前記穀粒タンク(C)の前壁(5)のファン(4)に対応する部分に凹所を設けて、前壁(5)の形状変更によって排風逃がし路(6)を形成している。この排風逃がし路(6)は脱穀部(B)がわのくぼみ量を大にして後方に向け排風するファン(4)の風が衝当する面を平面視で斜面(6a)にするとともに、上下の幅も脱穀部(B)がわに至るにしたがって大なるものにして、この排風逃がし路(6)の脱穀部(B)がわの開放がわ面を起立した台形状にし、前記ファン(4)のシュラウド(7)を排風逃がし路(6)内にのぞませてシュラウド(7)の後部を排風逃がし路(6)内に入り込ませてある。
【0012】
これにより、外気吸入口(12)・・から外気吸入室(13)内に吸引された外気はコンデンサ(3)を通過し、その際に熱を奪って熱風化し後方に向けて排風され排風逃がし路(6)に入り斜面(6a)にそって方向変換し脱穀部(B)がわに向け粉塵と共に排出されるようになる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0014】
本発明は、走行装置上の左右側に、刈取部からの穀稈を脱穀処理する脱穀部と、該脱穀部で処理済の穀粒を貯留する穀粒タンクを並設し、穀粒タンクの前側に操縦部を内装するキャビンを設け、該キャビンの後壁にキャビン内冷房用のコンデンサとファンを取り付け、該ファンの風を後方に向けて排風する構成にし、穀粒タンク前壁のファンに対応する部分に排風逃がし路を形成し、該排風逃がし路の脱穀部がわのくぼみ量を大にし、平面視で前記排風逃がし路に斜面を設け、ファンの風を脱穀部がわに向けて排風する構成にしたので、穀粒タンクの前壁そのものに排風逃がし路が形成され、熱風化したファンの風はこの排風逃がし路内を案内されて円滑に排風するので、キャビン内の冷房効果を高めることができ、且つ、別途にファンの排風を誘導する手段を講ずることもないから部品点数が増加せず安価に提供できるのである。
【0015】
また、キャビンの後壁から後方に張出したファンのシュラウドを穀粒タンクの前壁に形成した排風逃がし路内に入り込ませた構成にしたので、キャビンの後壁に穀粒タンクの前壁をより近接させることができて、機体の前後長を圧縮し得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバイン全体の平面図である。
【図2】 同左側面図である。
【図3】 キャビンの後面図である。
【図4】 穀粒タンク上半部の前面図である。
【図5】 キャビンと穀粒タンクの一部を示す右側面である。
【符号の説明】
A 刈取部
B 脱穀部
C 穀粒タンク
D キャビン
1 走行装置
2 後壁
3 コンデンサ
4 ファン
5 前壁
6 排風逃がし路
6a 斜面
7 シュラウド

Claims (2)

  1. 走行装置(1)上の左右側に、刈取部(A)からの穀稈を脱穀処理する脱穀部(B)と、該脱穀部(B)で処理済の穀粒を貯留する穀粒タンク(C)を並設し、穀粒タンク(C)の前側に操縦部を内装するキャビン(D)を設け、該キャビン(D)の後壁(2)にキャビン内冷房用のコンデンサ(3)とファン(4)を取り付け、該ファン(4)の風を後方に向けて排風する構成にしたコンバインであって、穀粒タンク(C)前壁(5)のファン(4)に対応する部分に排風逃がし路(6)を形成し、該排風逃がし路(6)の脱穀部(B)がわのくぼみ量を大にし、平面視で前記排風逃がし路(6)に斜面(6a)を設け、ファン(4)の風を脱穀部(B)がわに向けて排風する構成にしたキャビン内冷房用コンデンサ排風装置を具えたコンバイン
  2. キャビン(D)の後壁(2)から後方に張出したファン(4)のシュラウド(7)を穀粒タンク(C)の前壁(5)に形成した排風逃がし路(6)内に入り込ませたことを特徴とする請求項1に記載したキャビン内冷房用コンデンサ排風装置を具えたコンバイン
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