以下、本願発明に係るコンバインを具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1〜図7を参照して、実施形態のコンバインを説明する。図1〜図7に示す如く、左右一対の走行クローラ2(走行部)にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、扱胴51を有する脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7とが横並び状に搭載されている。なお、脱穀装置5が走行機体1の前進方向に向かって左側に配置され、グレンタンク7が走行機体1の前進方向に向かって右側に配置されている。
グレンタンク7の後方から上方にかけてグレンタンク7内の穀粒を機体外部に排出する縦搬送コンベヤ8が立設されている。縦搬送コンベヤ8上方の受継搬送部8aと連結する穀物排出コンベヤ9が、前端の穀物排出口9aを機体側方へ回動可能に構成されている。穀物排出コンベヤ9は、グレンタンク7後方で縦搬送コンベヤ8により上方に搬送された穀粒を受継搬送部8aより受けると、穀物排出口9aに向かって水平方向に穀粒を搬送して、機外のコンテナやトラックに穀粒を排出する。また、脱穀装置5の上面にオーガスタンド125を立設させており、オーガスタンド125を介して走行機体1上方の収納位置に穀物排出コンベヤ9を支持している。穀物排出コンベヤ9は、オーガスタンド125によって略水平姿勢に支持される。
グレンタンク7の前方で走行機体1の右側前部には、運転部10が設けられている。運転部10には、オペレータが搭乗するステップ10aと、運転座席10bと、操向ハンドル10cを設けるハンドルコラム11と、主変速レバー12または副変速レバー13または作業クラッチレバー14a,14bまたはスイッチ類等の操作具を備えたサイドコラム15と、レバースイッチ16などの操作具を備えた操作具ケース17と、エンジンコントローラ等を内蔵した電装ボックス18とが設けられている。なお、本実施形態では、作業クラッチレバー14a,14bとして、刈取装置3及び脱穀装置4それぞれへの動力伝達を継断させる刈取クラッチレバー及び脱穀クラッチレバーを例示し、レバースイッチ16として、穀物排出コンベヤ9を操作するためのコンベヤ位置操作レバーを例示している。
ハンドルコラム11が運転座席10b前方に配置されるとともに、サイドコラム15が運転座席10b左側方に配置され、運転座席10b右側方を開放するように、ハンドルコラム11及びサイドコラム15が平面視L字状に走行機体2より立設されている。操作具ケース17がサイドコラム15後方に配置されるとともに、電装ボックス18が運転座席10b後方に配置され、左右隣り合わせに配置した操作具ケース17と電装ボックス18の上面を、運転座席10bの背もたれより上方に位置させ、操作具ケース17と電装ボックス18が運転部10後方を覆うように立設されている。
走行機体1において運転座席10bの下方側には、各駆動部の動力源としてのディーゼルエンジン20が配置されている。また、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン20の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持する。
刈取装置3は、脱穀装置5前部の扱口に連通したフィーダハウス31と、フィーダハウス31の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー32とを備える。穀物ヘッダー32内に掻込みオーガ33(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ33の前部上方にタインバー付き掻込みリール34を配置する。穀物ヘッダー32の前部にバリカン状の刈刃35を配置する。穀物ヘッダー32前部の左右両側に左右の分草体36を突設する。また、フィーダハウス31に供給コンベヤ37を内設する。なお、フィーダハウス31の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、刈取回動支点軸4a(刈取入力軸であるフィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取装置3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体36間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール34にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が刈刃35にて刈取られ、掻込みオーガ33の回転駆動によって、穀物ヘッダー32の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス31入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー32の刈取穀稈の全量は、供給コンベヤ37によって搬送され、脱穀装置5の扱口5aに投入されるように構成している。
また、フィーダハウス31の前部に左右傾斜調節支点軸38を介して穀物ヘッダー32を左右傾斜調節可能に連結している。穀物ヘッダー32を左右傾斜調節支点軸38回りに回動させる左右傾斜調節用油圧ローリングシリンダ39を備え、穀物ヘッダー32の左右方向の傾斜角度をローリングシリンダ39にて調節して、穀物ヘッダー32、刈刃35、及び掻込みリール34を圃場面に対して水平に支持する。
また、脱穀装置5の扱室内に扱胴51を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸52に扱胴51を軸支する。扱胴51の下方側には、穀粒を漏下させる受網54を張設する。なお、扱胴51前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根が半径方向外向きに突設されている。上記の構成により、扱口5aから投入された刈取穀稈は、扱胴51の回転にて走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴51と受網54との間などにて混練されて脱穀される。受網54の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網54から漏下する。受網54から漏下しない藁屑等は、扱胴51の搬送作用によって、脱穀装置5後部の排塵口から圃場に排出される。
なお、扱胴51の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀装置5の下方に配置された穀粒選別機構55として、グレンパン、チャフシーブ、グレンシーブ、及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤56を備える。
また、穀粒選別機構55として、揺動選別盤56に選別風を供給する唐箕ファン57等を備える。扱胴51にて脱穀されて受網54から漏下した脱穀物は、揺動選別盤56の比重選別作用と唐箕ファン57の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)、及び藁屑等に選別されて取出されるように構成する。
揺動選別盤56の下側方には、穀粒選別機構55として、一番コンベヤ機構58及び二番コンベヤ機構59を備える。揺動選別盤56及び唐箕ファン57の選別によって、揺動選別盤56から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構58及び揚穀コンベヤ60によってグレンタンク7に収集される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構59及び二番還元コンベヤ61等を介して扱胴51の脱穀始端側に戻され、扱胴51によって再脱穀される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口から圃場に排出されるように構成する。
次に、図7〜図13を参照して、ディーゼルエンジン20の搭載構造を説明する。走行機体1における運転座席10bの下方側に、エンジンベッド41を介してディーゼルエンジン20を防振支持させる。トラックフレーム21前部の走行駆動用ミッションケース42や脱穀装置5等の各部に、プーリ・ベルト伝動系を介してディーゼルエンジン20の駆動力を伝達している。ディーゼルエンジン20の前面側及び上面側をエンジンルームカバー44によって覆っている。加えて、サイドコラム15の下方に断熱板体である仕切り板体65を張設し、仕切り板体65によってディーゼルエンジン20の上面側の一部を覆っている。エンジンルーム43の前面側をエンジンルームカバー44によって形成し、エンジンルーム43の上面側をエンジンルームカバー44と仕切り板体65とによって形成している。
また、走行機体1における運転部10の右側端部に、開閉支点軸を介して箱状の風洞ケース46を立設させている。走行機体1上面側における風洞ケース46機内側に水冷用ラジエータ47を立設させ、ディーゼルエンジン20の冷却ファン48にラジエータ47を対峙させている。風洞ケース46右側面の機外側開口から風洞ケース46内に外気(冷却風)を取り入れ、風洞ケース46左側面の機内側開口からラジエータ47を介して、冷却ファン48の回転によって除塵済の冷却風をエンジンルーム43内に送り込み、除塵済の冷却風によってディーゼルエンジン20等を冷却する。
なお、風洞ケース46右側面の機外側開口には除塵網を張設している。除塵網の存在によって、風洞ケース46内部ひいてはエンジンルーム43内部への藁屑等の侵入を防止している。また、ラジエータ47の通気範囲部の全体を覆う態様のシュラウド481が固定してあり、このシュラウド481に形成した開口に、冷却ファン48を配置させる。つまり、ラジエータ47の左側方に冷却ファン48が配置され、該冷却ファン48とラジエータ47の間はファンシュラウド481を配置して冷却風を案内している。
更に、走行機体1上面における運転部10後側に、エンジンルームフレームを構成する左右一対の支柱フレーム71を立設させ、左右の支柱フレーム71間に、背面板体72を張設している。すなわち、仕切り板体65、エンジンルームカバー44、風洞ケース46及び背面板体72によってエンジンルーム43を形成(区画)している。ディーゼルエンジン20の出力軸20a(クランク軸)を左右に向けた状態で、エンジンルーム43内にディーゼルエンジン20を配置している。なお、ディーゼルエンジン20の左側方に出力軸20aの左側端部を突出させ、出力軸20aの左側端部(突出端部)に走行駆動ベルト及び脱穀駆動ベルトを連結している。出力軸20aから走行駆動ベルトを介して、ディーゼルエンジン20の駆動力を走行クローラ2に向けて出力し、出力軸20aから脱穀駆動ベルトを介して、ディーゼルエンジン20の駆動力を脱穀装置5に向けて出力している。
エンジンルームカバー44は、ステップ10a後縁より上方に延設された前面部分441と、前面部分441上端から後方に延設された上面部分442とを備え、側面視逆L字形状で構成されている。エンジンルームカバー44の上面部分442に、シート支持機構を介して運転座席10bが搭載される。エンジンルームカバー44は、二重構造により内部に空間を有しており、その左側面が風洞ケース46と連結することで、エンジンルームカバー44内の空間が風洞ケース46内の空間と連通する。また、エンジンルームカバー44の前面部分441及び上面部分442それぞれに、空気導入用の開口部443を設けられている。
外気からエンジンルームカバー44内に開口部443を通じて空気が導入されると、運転座席10b下側のエンジンルームカバー44の上面部分442を通過して風洞ケース46内に流入する。従って、エンジンルームカバー44内に空気が流れることにより、運転部10とエンジンルーム43との間で断熱効果を作用させ、エンジン20や排気ガス浄化装置50からの排熱による運転部10への熱的影響を抑制できる。そして、風洞ケース46において、エンジンルームカバー44からの空気が風洞ケース46で取り込まれた空気と合流して、エンジンルーム43内に流れ込み、刈取装置3のフィーダハウス31に向かってエンジンルーム43内を通過する。これにより、エンジンルーム43内を風洞ケース46からフィーダハウス31に向かって空気を通過させることで、エンジンルーム43内の冷却空気として作用させる。
図9〜図15に示す如く、運転操作部の一部となるサイドコラム15が、エンジンルームカバー44の左側方に固定され、運転座席10bの側方に配置されている。サイドコラム15を支持するコラム支持梁フレーム66の一端が左支柱フレーム71の中途部に連結されている。サイドコラム15は、後方下側を切り欠いた空洞部65aを備えた側面視L字形状を有しており、空洞部65aにエンジン上方に設けた排気ガス浄化装置50の一部が配置されている。そして、サイドコラム15の空洞部65aの一部が刈取装置3のフィーダハウス31上方で開口している。
上述したように、刈取装置3は、昇降調節可能に構成されており、圃場での刈取作業中などにおいて、空洞部65aの一部がフィーダハウス31上方で大きく開口する。すなわち、刈取装置3が、昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに下降し、穀物ヘッダー32を穀稈刈取位置に配置させたとき、仕切り板65の底板65bと離間した位置にフィーダハウス31上面が位置する。そのため、空洞部65aは、仕切り板65とフィーダハウス31との間の開口部が広くなり、エンジンルーム43内を流れる冷却空気が吐出されやすくなり、エンジンルーム43内の放熱効果を向上させる。
サイドコラム15は、上面に操作レバー12,13,14a,14bや操作スイッチなど操作具が配置されるとともに、空洞部65aの上方及び前方を覆う側面視L字形状の仕切り板体65をコラム支持梁フレーム66下側に有している。サイドコラム15は、サイドコラムカバー67により仕切り板体65上方及び前方を覆う構造を有しており、仕切り板体65上方及び前方の空間に操作レバー12,13,14a,14bと連結させたリンク機構が設けられている。仕切り板体65は、刈取装置3のフィーダハウス31側に突出するとともに、空洞部65aを覆う面に断熱材が貼付された断熱板体として構成されている。
運転部10のサイドコラム15下面側に左右向きトンネル状空間となる空洞部65aを設けており、エンジン20上面に設置された排気ガス浄化装置50の一部を空洞部65aに配置している。刈取装置3のフィーダハウス31上面側からエンジンルーム32内の排気ガス浄化装置50を目視可能に構成している。空洞部65aの上面と前面に、断熱シートを貼着した仕切り板65を設けている。フィーダハウス31設置部と逆側となるエンジンルーム43側部に冷却ファン48を配置し、冷却ファン48の冷却風がエンジンルーム43からフィーダハウス31上面側に排出されるように、左右向きトンネル状空間となる空洞部65aを形成した。
排気ガス浄化装置50は、排気ガス入口側を左側(フィーダハウス31側)として、エンジン20上で長手方向が左右方向に沿うように配置されている。エンジンルームカバー44と仕切り板65とを左右に並べてエンジンルーム43上方に配置することで、排気ガス浄化装置50の前面及び上面が、エンジンルームカバー44及び仕切り板65によって覆われる。排気ガス浄化装置50の排気ガス出口側(右側)がエンジンルームカバー44により覆われるとともに、排気ガス浄化装置50の排気ガス入口側(左側)が仕切り板65で覆われる。従って、発熱体となる排気ガス浄化装置50による運転部10への熱的影響を抑制するだけでなく、エンジンルーム43内を流れる冷却空気をフィーダハウス31側の開口部分に誘導し、エンジンルーム43内における排熱空気の滞留を防止し、エンジンルーム43内の冷却効果を向上できる。
排気ガス浄化装置50の排気ガス入口側は、サイドコラム15の左側面より刈取装置3のフィーダハウス31に向かって突出させて配置されている。そして、排気ガス浄化装置50におけるサイドコラム15からの突出部分が、サイドコラム15左側面より突出した仕切り板65によって覆われるため、エンジン20及び排気ガス浄化装置50による排熱により加温された空気が運転部10へ回り込むことを防止できるだけでなく、発熱体となる排気ガス浄化装置50などの高温部品へのオペレータによる接触を防止できる。
仕切り板65は、空洞部65a上方を覆う底板65bと、空洞部65a前方を覆う背面板65cとを備えており、底板65bは、フィーダハウス31(左側)に向かって下側へ斜行すると同時に後方に向かって上側へ斜行するように設けられている。運転部10のステップ10aが、走行機体1より立設させた運転部支持フレーム70に張設されている。コラム支持梁フレーム66は、一端(後端)が左支柱フレーム71に連結される一方、他端(前端)がコラム支持柱フレーム68を介して運転部支持フレーム70と連結する。また、コラム支持梁フレーム66の中途部が、ミッション連結フレーム69を介してミッションケース42と連結する。
図10及び図11などに示す如く、電装ボックス18は、エンジンルームフレームの一部である左右一対の支柱フレーム71上部で底面が支持されて、エンジンルームカバー44後方となる位置に固定される。支柱フレーム71により支持されるエアクリーナ49が、電装ボックス18下方に配置されている。左右一対の支柱フレーム71はそれぞれ、中途部に左右方向に延設させた梁フレーム71a,71bを片持ち支持しており、梁フレーム71a,71bを連結する。すなわち、左右一対の支柱フレーム71の梁フレーム71a,71bが、支柱フレーム71間の梁として構成されるとともに、梁フレーム71a,71bの一方(本実施形態では右梁フレーム71b)によりエアクリーナ49が支持されている。
電装ボックス18は、エンジンルーム43後方に設置されるエアクリーナ49上方に配置されることで、エンジン20及び排気ガス浄化装置50からの排熱の影響を直接的に受けることがない。すなわち、電装ボックス18とエンジン20との間にエアクリーナ49が配置されることから、エンジンルーム43内の排熱による電装ボックス18の加温が防止され、電装ボックス18に内装された各電子部品が保護される。
運転操作部の一部となる操作具ケース17が、電装ボックス18の左側(脱穀装置5側)に隣接して配置されている。左右に隣接して配置された電装ボックス18及び操作具ケース17は、互いに連結されている。操作具ケース17は、左支柱フレーム71上端と脱穀装置5右側面と連結されて支持され、サイドコラム15後方となる位置に配置されている。脱穀装置5の右側面前方と左支柱フレーム71とを連結する前方支持フレーム127を備えており、前方支持フレーム127における脱穀装置5との連結部に操作具ケース17の左側方下端が連結されている。
図9〜図11に示す如く、エンジンルーム43内において、ディーゼルエンジン20は、エンジン出力軸20aを左右方向に沿わせるように配置されており、エンジンベッド41により走行機体1に防振支持されている。図11〜図20に示す如く、ディーゼルエンジン20のシリンダヘッド91の一側面(後側面)には吸気マニホールド19を配置している。シリンダヘッド91は、出力軸20aとピストン(図示省略)を内蔵したシリンダブロック92に上載している。シリンダヘッド91の他側面(前側面)に排気マニホールド83を配置している。すなわち、ディーゼルエンジン20において出力軸20aを挟んだ両側部に、吸気マニホールド19と排気マニホールド83とを振り分けて配置している。シリンダブロック92の左右両側面から出力軸20aを左右外向きに突出させている。
シリンダブロック92の左側面にフライホイールハウジング93を固着している。フライホイールハウジング93内にフライホイール94を設ける。フライホイール94を軸支した出力軸20aの左端側からミッションケース42に向けてディーゼルエンジン20の駆動力を取り出すように構成している。更に、シリンダブロック92の下面にオイルパン95を配置している。シリンダブロック92の右側方に冷却ファン48を配置し、冷却ファン48に対向させてラジエータ47を設置している(図8及び図9参照)。
すなわち、ディーゼルエンジン20において出力軸20aと交差する一側部(シリンダブロック92の右側面側)に冷却ファン48を配置し、出力軸20aと交差する一側部と反対側の他側部(シリンダブロック92の左側面)にフライホイール94を配置している。排気ガス浄化装置50の排気ガス取入れ側(排気入口側)はフライホイール94寄りに位置し、排気ガス浄化装置50の排気ガス取出し側(排気出口側)は冷却ファン48寄りに位置している。
このように構成すると、冷却ファン48からの冷却風は、排気ガス浄化装置50において浄化処理後の排気ガスが通過する排気ガス取出し側(排気出口側)に当たって、浄化処理後の排気ガス温度を低下させる。排気ガス浄化装置50において浄化処理前の排気ガスが通過する排気ガス取入れ側(排気入口側)は、冷却ファン48から遠く冷却風が当たり難い。したがって、浄化処理前の排気ガスは高温にして、排気ガス浄化装置50の浄化性能を適正に維持できる。そして、浄化処理後の排気ガス温度を低下させて外部に排出でき、例えば圃場の藁屑等の発火を防止できる。
吸気マニホールド19には、再循環用の排気ガスを取り込む排気ガス再循環装置(EGR装置)96を配置している。エアクリーナ49は、後述するターボ過給機105のコンプレッサケース107及び排気ガス再循環装置96を介して吸気マニホールド19に接続される。エアクリーナ49に吸い込まれて除塵及び浄化された新気(外部空気)は、ターボ過給機105のコンプレッサケース107及び排気ガス再循環装置96を介して吸気マニホールド19に送られ、ディーゼルエンジン20の各気筒に供給される。
上記の構成において、ディーゼルエンジン20から排気マニホールド83に排出した排気ガスの一部は、排気ガス再循環装置96及び吸気マニホールド19を介してディーゼルエンジン20の各気筒に還流される。このため、ディーゼルエンジン20の燃焼温度が下がり、ディーゼルエンジン20からの窒素酸化物(NOx)の排出量が低減され、且つディーゼルエンジン20の燃費が向上する。
ディーゼルエンジン20の各インジェクタ97に、燃料タンク(図示省略)に接続する燃料ポンプ98とコモンレール99とを接続している。シリンダヘッド91の吸気マニホールド19設置側に、コモンレール99及び燃料フィルタ100を配置し、シリンダブロック92において吸気マニホールド19の下方側に燃料ポンプ98を配置している。なお、各インジェクタ97は、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ(図示省略)を有している。燃料ポンプ98の吐出側にコモンレール99を接続し、円筒状のコモンレール99にディーゼルエンジン20の各インジェクタ97をそれぞれ接続している。高圧燃料はコモンレール99内に一時貯留され、コモンレール99経由でディーゼルエンジン20の各気筒(シリンダ)内部に供給される。
上記の構成において、ディーゼルエンジン20の燃料は燃料ポンプ98によってコモンレール99に圧送され、高圧の燃料としてコモンレール99に蓄えられる。そして、各インジェクタ97の燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール99内の高圧燃料がディーゼルエンジン20の各気筒に噴射される。すなわち、各インジェクタ97の燃料噴射バルブを電子制御することによって、燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)が高精度にコントロールされる。したがって、ディーゼルエンジン20から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。
シリンダヘッド5の前側方で排気マニホールド83の上方には、ターボ過給機105を配置している。ターボ過給機105は、タービンホイール内蔵のタービンケース106と、ブロアホイル内蔵のコンプレッサケース107とを備えている。排気マニホールド83にタービンケース106の排気ガス取入れ側を連結している。タービンケース106の排気ガス取出し側には、排気ガス浄化装置50の排気入口管81を接続している。すなわち、ディーゼルエンジン20の各気筒から排気マニホールド83に排出した排気ガスは、ターボ過給機105及び排気ガス浄化装置50等を経由して機外に排出される。
コンプレッサケース107の給気取入れ側は、給気管108を介してエアクリーナ49の給気取出し側に接続している。コンプレッサケース107の給気取出し側は、過給管及び排気ガス再循環装置96を介して吸気マニホールド19に接続している。すなわち、エアクリーナ49によって除塵及び浄化された新気は、コンプレッサケース107から過給管を介して排気ガス再循環装置96に送られ、その後、ディーゼルエンジン20の各気筒に供給される。
ディーゼルエンジン20の各気筒から排出された排気ガスを浄化するべく、ディーゼルエンジン20の排気ガス中の粒子状物質を除去する排気ガス浄化装置50(ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF))を備える。排気ガス浄化装置50には、酸化触媒111と、スートフィルタ112が内設される。ディーゼルエンジン20の各気筒から排気マニホールド83に排出された排気ガスは、排気ガス浄化装置50等を経由して機外に放出される。排気ガス浄化装置50によって、ディーゼルエンジン20の排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、粒子状物質(PM)及び窒素酸化物質(NOx)を低減するように構成している。
排気ガス浄化装置50は、平面視でディーゼルエンジン20の出力軸20a(クランク軸)と平行な方向に長く延びた横長の長尺円筒形状に構成している。排気ガス浄化装置50においてフライホイール94寄りの部位に、排気ガスを取り込む排気入口管81を設け、排気ガス浄化装置50において冷却ファン48寄りの部位に、浄化処理後の排気ガスを排出する排気出口管82を設けている。シリンダヘッド91の左右側面に、左支脚体113及び右支脚体114を介して、排気ガス浄化装置50の排気ガス移動方向一端側と同他端側とを着脱可能に支持している。すなわち、左支脚体113及び右支脚体114を介して、ディーゼルエンジン20の上面側に排気ガス浄化装置50を取り付けている。ディーゼルエンジン20の左右方向に円筒状の排気ガス浄化装置50の長手方向を向けた状態で、排気マニホールド83の上方側に排気ガス浄化装置50を位置させている。
図13〜図15に示す如く、仕切り板体65の下方側に、排気ガス浄化装置50の排気ガス取入れ側(排気入口側)を位置させ、エンジンルームカバー44の下方側に、排気ガス浄化装置50の排気ガス取出し側(排気出口側)を位置させている。排気ガス浄化装置50の排気ガス取入れ側に排気入口管81を設け、排気ガス浄化装置50の排気ガス取出し側には排気出口管82を設けている。排気ガス浄化装置50の排気入口管81は、ターボ過給機105のタービンケース106を介して、ディーゼルエンジン20の排気マニホールド83に連結し、排気入口管81と排気マニホールド83とを連通させている。脱穀装置5とグレンタンク7の間にテールパイプ84を延設させ、テールパイプ84に排気出口管82を連通させている。ディーゼルエンジン20の排気マニホールド83から排出される排気ガスは、排気ガス浄化装置50からテールパイプ84を介して機外に排出される。
排気ガス浄化装置50が、サイドコラム15下方からフィーダハウス31に向かって張り出して配置されており、サイドコラム15下方に仕切り板体(遮熱板体)65を張設している。そして、仕切り板体65をエンジンルームカバー44の二重構造部近傍となる高さ位置に配置する。そのため、排気ガス浄化装置50などの加熱に対して、サイドコラム15側のワイヤまたはハーネスを遮熱板体である仕切り板体65で簡単に保護できる。また、サイドコラム15上面の操作板体に開口される各レバー12,13,14a,14bのガイド溝などから運転座席10bのオペレータに向けて排気されるのを防止できる。
図16〜図21に示すように、排気出口管82は、走行機体1の左右中央側に向けて折れ曲がり、更に、仕切り板体65の下方側(脱穀装置5とグレンタンク7との間への入口付近)で後方に向けて折れ曲がっている。すなわち、排気出口管82は平面視S字形状になっている。したがって、排気ガス浄化装置50と排気出口管82の長手中途部とは、平面視でディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と平行状に延びるように隣り合っている。排気出口管82の後端側とテールパイプ84の前端側とが連通している。
排気出口管82は、出口管支持ブラケット115を介して排気ガス浄化装置50支持用の左支脚体113に支持される。出口管支持ブラケット115は、左支脚体113後方中途部から上方に延設された中継ブラケット116と、中継ブラケット116上端からエンジンルーム43内に向かって(右方向)に延設された連結ブラケット117とで構成される。出口管支持ブラケット115は、連結ブラケット117の上縁で排気出口管82の屈曲部分と連結し、排気出口管82を支持する。
図5〜図15などに示す如く、テールパイプ84は、脱穀装置5とグレンタンク7の間から後方上側に排気ガスを排出する。テールパイプ84は、前端側を下向きに折り曲げ、中途部を上向きに延長させ、後端側を走行クローラ2の後部上方側で後方に延びるように折り曲げている。すなわち、テールパイプ84は側面視クランク形状になっている。テールパイプ84の後端側は後方斜め下向きに開口している。また、テールパイプ84の後端側は、後端開口部が脱穀装置5側に向くように、後方斜め左向きに延設されている。排気出口管82後端側の排気出口外径よりもテールパイプ84前端側の排気入口内径を大きく形成している。排気出口管82の排気出口にテールパイプ84の排気入口を遊嵌状に被嵌させている。このため、排気出口管82の排気出口とテールパイプ84の排気入口との間の隙間からテールパイプ84内部に、外部空気が負圧吸引されることになる。
図15〜図23に示す如く、テールパイプ84が、内側管84aと外側管84bによる二重管で構成されており、内側管84a外側と外側管84b内側とを複数のスペーサ84cで接続され、外側管84b内側に内側管84aが固定されている。テールパイプ84先端(排気入口)において、内側管84aが、外側管84bより突出しており、排気出口管82の後端(排気出口)が、テールパイプ84の内側管84a先端(排気入口)に挿入される。内側管84aは、排気ガス移動方向に沿って、外側管84bの中途部まで延設されている。これにより、排気出口管82からテールパイプ84に排ガスを流入させると同時に、排気出口管82からテールパイプ84との間の間隙から外気を流入させることで、テールパイプ84内を流れる排気ガスを外部空気で冷却させる。
テールパイプ84は、テールパイプ支持ブラケット118を介して、左支柱フレーム71に支持されている。テールパイプ支持ブラケット118は、テールパイプ84の内側管84a及び外側管84bそれぞれと連結するとともに、左支柱フレーム71から枝分かれした吸排気経路支持フレーム122と連結することで、テールパイプ84が左支柱フレーム71に支持される。吸排気経路支持フレーム122は、左支柱フレーム71後方左側に位置し、左支柱フレーム71中途部から上方向に左支柱フレーム71と平行になるように延設されている。
テールパイプ支持ブラケット118は、上下に延設させた連結プレート(第1連結部)119と、連結プレート119下端からの前方に延設させた連結パイプ(第2連結部)120とを備えたL字形状で構成されている。連結プレート119の上端に、テールパイプ84の外側管84bの中途部が溶接固定されるとともに、連結プレート119の中途部が中継プレート121を介して吸排気経路支持フレーム122と連結している。連結パイプ120前端に、内側管84a前端が溶接固定されている。テールパイプ84の内側管84a及び外側管84bそれぞれの前端が複数のスペーサ84cを介して連結されており、スペーサ84cの一つと連結パイプ120とが連結されることで、内側管84cがテールパイプ支持ブラケット118に固定されている。
テールパイプ84がテールパイプ支持ブラケット118を介して支柱フレーム71に固定される一方、排気出口管82が出口管支持ブラケット115を介してエンジン20に固定される。すなわち、分離接続した排気出口管82及びテールパイプ84それぞれを、排気出口管82及びテールパイプ84それぞれと同一振動係となるエンジン20及び走行機体1それぞれに支持させることができる。従って、排気出口管82及びテールパイプ84が別の振動係からの影響を受けることがなく、破損又は故障を防止できる。また、ディーゼルエンジン20の振動系からテールパイプ84を切り離せるため、ディーゼルエンジン20側と走行機体1側の振動周波数の違いに起因してテールパイプ84を破損させるおそれを格段に抑制できる。
テールパイプ支持ブラケット118をL字形状で構成することで、テールパイプ84をエンジンルーム43内に排気入口が伸びるように固定することができ、排気出口管82から排気される高温の排気ガスをテールパイプ84で十分に冷却して外部に排気できる。内側管84a及び外側管84bそれぞれをテールパイプ支持ブラケット118で固定することで、外側管84bに対する内側管84aの相対位置を維持させて支持できる。
また、テールパイプ支持ブラケット118の両端位置で、内側管84aと外側管84bを振り分けて固定するため、テールパイプ84の二重管構造を高剛性に支持できる。内側管84aの排気出口部分に相対する位置で、外側管84bが連結プレート119と連結することで、内側管84aの排気出口部分がスペーサ84cを介して連結プレート119により固定される。従って、外側管84b内中途部まで伸びた形状の内側管84aの両端を、テールパイプ支持ブラケット118により支持することとなり、内側管84aと外側管84bとを断面同軸に固定できる。
テールパイプ支持ブラケット118は、中継プレート121を介して、吸排気経路支持フレーム122の背面側に固定されている。テールパイプ支持ブラケット118の連結プレート119は、上下長手で上下に並ぶ調節長穴が形成されており、テールパイプ支持ブラケット118が中継プレート121に対して上下取り付け位置調節可能にぼると締結される。また、中継プレート121は、左右長手で上下に並ぶ調節長穴が形成されており、中継プレート121が吸排気経路支持フレーム122に対して左右取り付け位置調節可能にぼると締結される。従って、テールパイプ支持ブラケット118及び中継プレート121の締結位置を調整することで、テールパイプ84の支持位置を簡単に調整でき、加工誤差や組付け誤差を吸収できる。なお、連結プレート119に左右長手の調節長穴を設ける一方、中継プレート121に上下長手の調節長穴を設けるものとしてもよい。
エアクリーナ49は、外気から空気を取り込む新気導入部となるプリクリーナ85と連通している。プリクリーナ85は、テールパイプ84と同様、脱穀装置5及びグレンタンク7の間に配置されており、脱穀装置5及びグレンタンク7上方に延設されている。プリクリーナ85は、プリクリーナ支持ブラケット126を介して揚穀コンベヤ60前面に固定され、揚穀コンベヤ60前方に配置されている。プリクリーナ85の下端(吸気出口)が、蛇腹管86を介して金属管(鉄管)で構成された吸気管87の上端(吸気入口)と連結している。
吸気管87は、テールパイプ84よりも右側(運転部10側)で上下方向に延設されており、脱穀装置5上方に配置されたプリクリーナ85と、上下方向に延設された蛇腹管86を介して連結している。すなわち、ディーゼルエンジン20の吸気経路が排気経路よりも運転座席10b側に配置されるとともに、吸気経路のうち排気経路に近い箇所の吸気管87が金属管で構成される。吸気管87は、サイドコラム15後方の操作具ケース17後方に配置されており、テールパイプ84と共に左支柱フレーム71によって支持されている。すなわち、操作具ケース17は、サイドコラム15後方であってテールパイプ84及び吸気管85の前方となる位置に配置されている。
このように構成することで、運転座席10bとテールパイプ84との間に、操作具ケース17及び吸気管87が並べて配置される。そのため、運転座席10b後方において、操作具ケース17及び吸気管87を、テールパイプ84からの排熱を遮断する遮熱部材として機能させることができる。したがって、運転座席10bに座乗するオペレータにテールパイプ84からの熱気が伝わるのを防止できる。また、吸気管87が金属管で構成されるため、テールパイプ84からの熱影響による変形などが抑制されるだけでなく、吸気経路の剛性を確保できる。
吸気管87は、吸気管支持ブラケット123を介して、左支柱フレーム71に固定されており、テールパイプ84と略同一高さ位置に配置されている。本実施形態では、吸気管87の下端(吸気出口)が、テールパイプ84の前端(排気入口)とほぼ同一高さに位置し、吸気管87の上端(吸気入口)が、テールパイプ84の後端(排気出口)とほぼ同一高さに位置している。なお、上下高さ方向における吸気管87の設置領域は、テールパイプ84の設置領域よりも広くしても構わない。
吸気管支持ブラケット123は、吸気管87中途部と連結するとともに、左支柱フレーム71から枝分かれした吸排気経路支持フレーム122と連結することで、吸気管87が左支柱フレーム71に支持される。吸気管支持ブラケット123は、吸気管87中途部の外周面に溶接固定されるとともに、背面にボルト穴を備えており、吸排気経路支持フレーム122に固定された中継プレート124にボルト締結される。中継プレート124は、吸排気経路支持フレーム122上端に溶接固定されており、吸気管支持ブラケット123との連結部分を吸排気経路支持フレーム122前方に延設している。従って、吸気管支持ブラケット123は、テールパイプ支持ブラケット118よりも前方で、吸排気経路支持フレーム122に固定されることとなる。
中継プレート124は、平面視でクランク形状に構成されており、前方に吸気管支持ブラケット123との連結部を備える一方、後方にテールパイプ支持ブラケット118と連結した中継プレート121との連結部を備える。すなわち、中継プレート124を平面視クランク形状で構成することで、吸気管支持ブラケット123とテールパイプ支持ブラケット118とを、中継プレート124の前後で固定できる。また、中継プレート124において、吸気管支持ブラケット123との連結部分は、吸排気経路支持フレーム122より左側方に延設されており、脱穀装置5の右側面前方に一端が接続された前方支持フレーム127の他端と連結している。更に、中継プレート124の背面側には、脱穀装置5の右側面後方に一端が接続されるとともに前後方向に延設された後方支持フレーム128の他端と連結している。
吸排気経路支持フレーム122に、吸気管87及びテールパイプ84を集中的に支持させることにより、支持構造を簡略化でき、エンジン20の吸排気経路の組立性及びメンテナンス性を向上できる。また、中継プレート124によってテールパイプ支持ブラケット118と吸気管支持ブラケット123の相対位置を固定できるため、吸気経路と排気経路とに適切な間隙を設けて配置でき、吸排気における相互の熱的影響を容易に緩和できる。更に、吸気管支持ブラケット123及びテールパイプ支持ブラケット118と連結する中継プレート124が、脱穀装置5の前後それぞれに連結した前方及び後方支持フレーム127,128により前後で狭持されるように連結している。従って、脱穀装置5により吸排気経路支持フレーム122の剛性が確保されることとなり、エンジン20の吸排気経路を高剛性に支持できる。
エンジン20の吸気経路において、エアクリーナ46と吸気管87との間に、プレクリーナ85からの吸気音を減衰させる減衰器の下端は、吸気中継管88を介して減衰器88を介在させている。減衰器88は、吸気管87の下方に配置されており、吸気管87の下端(排気出口)と、上流側吸気中継管89を介して連通している。吸気中継管89は、平面視U字形状を有しており、吸気管87より前方に位置する減衰器88の左側面の吸気入口と連結している。
図16〜図22に示す如く、減衰器88は、吸気管支持ブラケット123下方で左柱フレーム71と連結した減衰器支持ブラケット129により片持ち支持されており、排気ガス浄化装置50後方であって、側面視でエンジン20のEGR装置96とテールパイプ84の間となる位置に配置されている。また、上流側吸気中継管89は、テールパイプ84の下方を迂回して屈曲し、減衰器88と連結している。
減衰器88は、エアクリーナ49下方左側に配置されており、減衰器88の吸気出口が下流側吸気中継管90によりエアクリーナ49の吸気入口と連通している。吸気中継管90は、エアクリーナ49下側であって減衰器88右側に位置しており、正面視L字形状で構成し、排気入口側を減衰器88の右側面と連結する一方、排気出口側をエアクリーナ49下面と連結している。
また、排気ガス浄化装置50と減衰器88との間には、排気出口管82を支持する出口管支持ブラケット115が配置されている。出口管支持ブラケット115の連結ブラケット117が、減衰器88と同一高さ位置に配置されており、減衰器88前面が出口管支持ブラケット115の連結ブラケット117により覆われる。これにより、減衰器88が排気ガス浄化装置50からの放射熱を受けにくくなる。出口管支持ブラケット115の連結ブラケット117が、仕切り板体65の背面板65cと同様左右方向(エンジン20の出力軸20aと同一方向)に幅広に構成されるため、エンジンルーム43内を通過する冷却空気を刈取装置3のフィーダハウス31側に誘導し、エンジンルーム43内での冷却空気の滞留を抑制できる。
エンジンルーム43内において、エアクリーナ49と減衰器88とが平面視で左右に配置される一方、吸気管87と減衰器88とが平面視で前後に配置される。従って、エンジン20の吸気経路の各部品を効率的にコンパクトに配置できるため、吸気経路を短尺かできる。また、エンジンルーム43内において、排気ガス浄化装置50後方で、排気出口管82を挟んで、エアクリーナ49と減衰器88とが左右に隣接して配置されている。従って、エンジンルーム43内において、エンジン20の吸気経路を構成する各部品を、高温の発熱体となる排気ガス浄化装置50からの熱的影響を抑制しながらも、エンジン20の吸排気を構成する各部品の配置効率を向上できる。
上述の実施形態では、運転部10を天井開放型のコンバインを例に挙げて説明したが、図24〜図26に示すように、操縦座席10bを内装したキャビン10xを運転部10として搭載するコンバインにおいても適用可能である。図24〜図26に示すコンバインは、キャビン10x下方にエンジンルーム43を構成しており、エンジンルーム43内の排気ガス浄化装置50が、フィーダハウス31上面側から目視可能に構成されている。また、上述の実施形態と同様、キャビン10x後方にエンジン20の吸気経路及び排気経路が配置され、キャビン10xを支持するエンジンフレームにテールパイプ84及び吸気管87が集中的に支持されている。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。